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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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「……お前がキングか…ハハハ、なんか『拍子抜け』だなぁ、おい。なんだ、普通の会話も出来るし、
笑うことも出来るじゃねぇか。おまけに『自分の仲間と闘えるわけない』? 狂戦士が聞いて呆れるぜ…」
ジョーカーのもとへと歩み寄る王将の──いや、キングの足がふと止まる。
「ん? 何か言った?」
振り返ったその顔は、微塵の殺気も悪意も感じられない、屈託のない笑顔であった。
そう──キングがしたことといえば、ただ笑顔を見せただけ。威圧したわけではない。
しかし、赤染の体は、それだけで大きく後方に吹き飛ばされていた。
「あまり喋らない方がいいよ? 心臓が動いているとはいえ、重傷には違いないんだから。
しばらく安静にしてな。簡単に死んでもらっちゃ“わざわざ心臓を外した”意味がないからね」
キングの口元に描かれた弧が、これまで以上に深く頬に刻まれる。
そしてその瞬間、時間にしてほんの刹那であったが、キングの瞳孔が開いた。
──近くの木々の葉が音も無く一斉に散り落ちていく。
まるでキングの瞳に怯え、恐怖し、絶望して自ら死を選んでいるかのように。
赤染自身、恐らく気がついていないだろう。彼は吹き飛ばされたのではない。
彼の本能が、天使の仮面に隠されたキングの底知れぬ邪悪なパワーを感じ取り、
思わず自ら後方に飛び退いてしまったに過ぎないということを。
「このまま息絶えるか、あるいは生き残るか……それはキミ次第。
ま、精々痛みに苦しみぬいて頑張るんだね。うふふ、あはははは」
再び笑い出すキングの横で、ジョーカーはポツリと言った。
「ホホホ。敢えて苦しませるとは、さしもの私も残酷さでは貴方には及びませんです、はい」
「良く言うよ。僕にとってはキミがここに来たということが残酷な現実なんだけどねぇ」
「私はご主人様の仰せに従っているだけでございます。でないと、私が叱られますので、はい。
それに、この僅か二時間の間で『73人』もの参加者を殺められた貴方を
これ以上野放しにしていたら、ゲームそのものに支障が出ますので、はい」
「……ちぇ。支障も何もどっち道強くないとワイズマン様のお眼鏡に適わないんだからいいじゃん」
子供のように口を尖らせ、若干の抵抗を試みるキング。
しかし、ワイズマン直々に指令を受けているジョーカーが同調するわけもない。
「では、参りましょう」
軽く受け流してさっと手を広げるジョーカーに、ついにキングも白旗をあげた。
「わかったわかった。そう急かさないでよねー」
こうしてキングとジョーカーの二人はその場を後にした。
文字通りの血の海に沈む、赤染 壮士一人を残して……。
【キング:ジョーカーと共にこの場を去る】
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