レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
-
たびたびすみません、代理をお願いします。
>>227
「アタシはペラペラ喋る奴は嫌いでねぇ。少し黙ってもらおうか」
その一声に、こちらの考えなどとっくに見透かされていた事を感じた。
(まずい、まだオーラの充填が終わって無い…ッ!)
見たことの無い、不思議な構え。地に跪くその動作から、彼女が自分を直接攻撃はしない事を知る。攻撃の対象は、その床。つまり、これは―――
「ま、この程度で死ぬなよ?――『重力の戦槌』――」
振り返り、2階から別ルートで家を脱出しようとしたが、到底間に合わない。破砕音と共に、上から死が迫る。
今、彼の能力が操ることが出来るのは、オーラを不十分だが充填した小物類のみ。これらで何とかして圧死を防がなければならない。
崩れてくる家屋を下から押し上げるようにあらん限りのイメージで小物類を操作する。
(崩壊を止めるのは今のオーラ充填量じゃ無理だ、つまり落ちるのに従いながら出来るだけ崩落の加速度を軽減する…ッ!)
(そして自分が死なないだけのスペースを確保!落ちてくるのは大きな塊だ、小物類を上手く使えばそのスペースを作れるはずだ!)
「畜生、ちゃんと生き残ったら数倍にして返してやる…ッ!」
――――幾らの時がたったか、捻じ曲がった時間感覚の中で崩落の終わりを知る。
彼の体はスーツケースと共に、その体が残るだけのギリギリのスペースに押し込まれていた。砕けた皿の破片が体に刺さり、数箇所から出血している。
(何とか生き残ったか…十分な時間さえあれば、脱出は可能だな。とりあえず、ダメ押しが来る前に外の状況を確認してェ)
スーツケースの中から、ずっしりとした小包を取り出す。それは、研究所で考案し作成した、特殊合金の球。直径2〜5cm程の黒紫の球が、いくらか入っている。
彼がこの島に来る前に準備した、専用の武器。オーラとの親和性が高く、硬度と適度な重量を兼ね備え、熱に耐性があるこの球は、操作という能力を持つ彼にとって、武器として扱いやすい。
自身のオーラをその球に、濃密に充填していく。恐らく、気を感じる事の出来る者ならば、その崩壊した家屋の中に、二人の異能者が居ると錯覚してしまうだろう。
充填に10秒。そのサイズの物体にしては過度に時間をかけて、その凶器が完成する。
「さて、そろそろ息苦しいからな。外の世界を拝むとするかィ。――『凶弾』(キラーショット)――ッ!」
、 、 、 、 、 、
破壊音。何かを強引にへし折るような音と共に、それは撃ち出された。
それは射出とも言うべき凄まじいスピード。操作時間を犠牲に速度に特化したその『操作』は、もはやその概念を超えた、一種の砲撃とも言える。
凄まじいスピードで瓦礫を打ち抜いた球は、そのまま隣の家屋に突っ込み、数枚の壁を貫き、新たな出入り口を作った。
打ち抜いた穴から、天木がスーツケースに引っぱられるように出てくる。オーラによってスーツケースを操作し、掴まったのだ。
それまで赤染達が居た場所には、爆発の後があった。恐らく赤染の能力で天木のブラッディジェイルを吹き飛ばしたのだろう。
あの二人の姿が見えない事を確認して、逃走したと判断する。途中で合流した女の事も気になったが。
「よう、久しぶりに会えたなァ。出会い頭に無茶苦茶やってくれンじゃねェか。
…お前も『ゲームに参加』してる奴か。俺も自分は生き残りたいと思っている。他人に命をどうこうされンのは真っ平ごめんだからな。」
煙の向こうの少女を睨んで、スーツケースによりかかり、黒い髪をかきあげて、赤い瞳を覗かせる。右手で鋼球を数個投げ上げて、キャッチして。
「そっちがその気なら、俺は相手になるぜ。」
その言葉の真意は、経験。彼は、本気でどちらかが倒れるまで戦う気は毛頭無い。ただ、この少女の能力の特定と、経験が欲しいだけだ。
不利な状況にも対応出切るよう、脱出までの時間に幾つかのものにオーラの充填を終わらせていた。
「二度目だ。『反凶弾』(キラーショット・リターン)ッ!」
大きく左腕を振るう動作。そのイメージに連動して、破壊音と共に隣の家屋の中から先程撃ち出された鋼球が少女の斜め後ろから接近した。
先程までの威力は無いものの、その速度は打撃に十分であろう。
【天木 諫早:破壊された家から脱出し、相手の意思を確認。能力による攻撃を開始する。】
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板