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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5

725 ◆ICEMANvW8c:2010/12/09(木) 23:05:17
大量規制に巻き込まれました。どなたか代理投稿お願いします。

>>212>>213>>215
(気配が近い。恐らくあの建物の辺り──)
気配を感じる場所を視線の先に捉えた海部ヶ崎は、
瞬間、急ブレーキをかけて立ち止まり、反射的に近くの木にその身を隠した。
ここに来て気配が一つではなく、最低でも二つあることに気がついたのだ。
しかも、その二つともやたらと攻撃的な気なのである。

(これは闘いの気……。まさか私の接近に気がついて警戒しているのか?
 いや、そもそも気配が二つもあるということは……)
海部ヶ崎は即座に想定される状況パターンを二つ導き出した。
一つは、ピエロと他の参加者が対峙しており、戦闘となっているか。
もう一つは、既にこの場にピエロはおらず、参加者同士の戦闘が始まっているか。

いずれにしても、今の海部ヶ崎の技量では、
自らの視覚で確かめない限りは状況を完全に把握することはできない。
……気配を殺しながら、そっと目だけを覗かせて、建物の方角を窺う。

建物は喫茶店か何かだろうか、店頭に何やらと書かれた小さな古びた看板が置かれている。
そしてその店前には、宙に浮いたいくつもの武器と格闘している一人の男がいた。
他に人間らしい姿や人影は視認できないが、それでも、確かに気配は二つある。
(無数の武器が空間を飛び交う……恐らく相手は操作能力を持つ異能者。
 姿が見えないのは遠隔操作だからなのか、それとも別の能力で姿を消しているのか……)

「チッ」
海部ヶ崎は虫の羽音ほどの乾いた舌打ちをした。
目に映る光景が戦闘を意味しているものであることは恐らく間違いないが、
これでは男がピエロと闘っているのか、そうでないのかがハッキリしないのである。
判ることといえば状況からある程度推測できる能力ぐらいなものだ。

「仕方ないな……」
続いて呟いた海部ヶ崎は、直後に木から身を離して一人格闘する男に向けて歩き出した。
戦闘に乱入し、傍観者から当事者となることで、積極的に“見えざる敵”を炙り出そうというのだ。
勿論、敵がピエロであればその行為は無駄ではないが、
そうでない場合はいたずらに余計なリスクを増やした愚行になるだけである。
参加者との戦闘のリスクを極力減らしたいと思うのならば、
“見えざる敵”の正体が分かるまではこのまま粘り強く傍観者たるに徹すべきであったろう。
しかし、海部ヶ崎はそこまで辛抱強くはないし、合理的な思考に富んだ人間でもない。
格段、気が短いわけではないが、思いついたことは割かと直ぐに行動に移すタイプなのだ。

「取り込み中のところ失礼する。おっと、この攻撃は私がしているものではない」
飛んできた包丁の柄を掴み、背後から赤紫色をした髪の毛を持つ若者に話しかける海部ヶ崎。

「少し話を聞きたいだけだ。といっても、まずはこの状況を何とかしてからだが」
そして、自分が突然現れたことで何か変わった反応はないかと、
素早く、それでいて注意深い視線を周囲に投げた。

【海部ヶ崎 綺咲:赤染・天木の闘いに乱入】




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