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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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>>198
「はい。よくお気づきになりましたね。お察しの通り機械…つまりサイボーグってやつです。
別にそう呼ばなくてもいいですが。…それがどうかしたのです?」
斎葉は極普通に答える。特に感情に変化は見られない。
(アタシの思い過ごし、か?それならいいんだが…)
ある一つの可能性を考えていた菊乃にとって、その可能性が潰れることは喜ばしいことだった。
「いんや別に。ただ、機械人間(サイボーグ)なんて普段あまり見かける機会ないだろ?
だから珍しいなぁ、と思ってさ。悪気はなかったんだけど…気を悪くしたなら謝るよ」
それらしい理由をすらすらと述べる菊乃。しかし本当の理由は別にあった。
(もしかしたらコイツもアタシの同類かと思ったが…。どうやら違うみたいだな。
…そうゴロゴロいられても困るけどな)
そう、菊乃は斎葉が自分と同じ人体実験の被害者ではないかと危惧していた。
しかし答えた斎葉の口調に悲愴感などは見られない。
と言うことは"表"で改造を施されたのだろう。"裏"で施された自分とは違う。
斎葉から温めて貰ったお握りを受け取り、水を飲みながら食べる。
ものの5分たらずで、8個あったお握りは全て菊乃の胃袋に収まった。
「さて、腹も膨れたことだしそろそろ行くとする――」
食事を終え、立ち上がって入り口へ向かって歩き出そうとした瞬間、轟音が聞こえてきた。
「何だ?どっかの誰かがやりあってんのか?…ちょっくら覗いてみるか」
そう呟くと入り口から外に出て、音のした方角を見る。
すると、通りの突き当たりにある喫茶店らしき建物から炎が上がっていた。
一瞬の後、炎は消えて辺りに静寂が戻った。
(決着がついた、って所か?…確かめてみた方が早いか)
左目に内蔵されているズーム機能を起動し、喫茶店の方角を見る。
そこには二人の男がいた。一人は地に倒れ伏せ、もう一人は傍らに立っている。
言うまでもなく、立っている男が勝利したのだろう。
そう確信した菊乃が見るのをやめようとした瞬間、事態は急変した。
何と、倒れて動かなかった男が起き上がり様にもう一人の足を掴んで投げ飛ばしたのだ。
(おいおい、どうなってやがる?さっきの轟音と炎、恐らく立っていた方の男が出したもんだ。
倒れてた方は黒焦げに見えたが…タフな奴だな。…ん?)
二人の戦いを見ていた菊乃だが、あることに気がつく。
先程倒れていた男――腕輪をしていないのだ。
(どういうことだ?参加者は全員腕輪をつけているはず――そうか。
腕輪をつけてない=参加者ではない。即ち主催者側の人間。つまりは――)
「ワイズマンの手下ってところか。何かヤバそうだし助けにでも行――」
そう言って走り出そうとした矢先、菊乃の足が止まる。
首に埋め込まれた機械が激しく点滅している。
「この感じ…まさか…"同類"がこの島にいるのか?しかもこの方角…アタシがいた教会の方角からだ
…行ってみるか。おーい、お握りありがとなー!」
鎌瀬達に礼を言い、気配を頼りに走り出した。
【神宮 菊乃:赤染の戦闘を観戦中に夜深内の接近を感知
鎌瀬達と別れ、街の南西へ向かう】
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