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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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>>189
「あ…はい。い良いいですよ…。あ、あの…オニギリが有るんですけど、梅、鮭、鱈子、ツナマヨ
オカカ、昆布、チャーハン、焼肉…どれが良いですか…?」
未だにビクビクしながら先程の少年がお握りを勧めてくる。
「お、お握りなんかあるのか。てっきりこの手のモンは駄目だと思ってたけどな。
やっぱ米食わなきゃ力出ないよなー」
そう言って煙草を取り出し、火をつけながらお握りを物色する。
その間にも、少年はチラチラとこちらを見ては視線を逸らしている。
(まだ怯えてるのよ…。うーん、アタシ何かしたかなぁ。
この島に来てからコイツと会った記憶はねーんだけどな…。
…もしかしてここに来る前に何かした、とか?)
「そんな怖がんなって。別に取って食いやしないからさ。
…とりあえず、そのお握り全部くれる?」
努めて優しい声を出してそう聞くと、少年は驚いた表情を浮かべる。
確かに菊乃の身長は高い。目の前の少年が少し見上げる程だ。
しかし別段太っているわけではない。寧ろ身長からすれば痩せている方だ。お世辞にも大食漢には見えない。
そんな菊乃に勧めたお握り(8個)を全部くれと言われれば驚きもするだろう。
驚いている鎌瀬を横目に、菊乃はお握りを手にとっていく。
「そんな驚くことかね…。さっきも言ったがアタシは腹減って死にそうなんだよ。
正直これでも足りないくらいだ。他になんかねえかなっと」
「ああ、もし良ければ温めますけど、どうします?」
更に店内を物色しようとしたところで、少年の後ろからもう一人の人物が現れた。
機械工のような格好をした、少年と同じくらいの歳の男子だ。
「申し遅れました。私、斎葉巧と申します。お見知りおきを」
「かっ…鎌瀬犬斗です」
こちらが返答する前に二人は名乗ってきた。
「斎葉に鎌瀬ね。こりゃ丁寧にどーも。
アタシは神宮 菊乃。歳は16。色々あって現在無職。…こんなところか?
あ、ついでにお握り温めてくれると助かる」
自身も軽く自己紹介を済ませ、二人目の少年――斎葉にお握りを渡す。
鎌瀬共々驚いた顔をしていたが、我に帰ると斎葉はお握りを受け取った。
(驚いてる、か…。ま、無理もねえか。この形(なり)と口調で16なんて詐欺みたいなもんだからなぁ。
おまけに煙草まで吸ってるし。しかし半分諦めてるとは言え、やっぱりちょっとショックだな…)
自嘲気味に笑い、気付かれない程度に少し肩を落とす。
菊乃は密かに自分の容姿を気にしていた。
今まで生きてきた中で歳相応に見られたのは、家族を除けば数えるほどだ。
(ま、今更気にしても仕方ねえか。…うん?)
今まで同様気にしないことにした菊乃だが、ふと斎葉の左腕に視線が止まる。
「アンタ、その腕…機械か?」
――アタシと同じ境遇の人間か?――
ふとした疑問から、斎葉にそう尋ねた。
【神宮 菊乃:自己紹介を返し、お握りを貰う。その際、斎葉の左腕について尋ねる】
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