したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5

706 ◆21WYn6V/bk:2010/11/29(月) 23:13:07
また規制かよ…orz代理お願いします。

>>184
「お前に、本気で復讐する気があるかどうかだ。
 その気があるなら今、この場で掛かってきな。相手をしてやるよ。
 ないなら食事でも何でもしに行くがいい。
 だがその場合、今後復讐は諦めてもらう。この先、延々と付まとわれるのは御免だ。
 ……私は、厄介事を先送りにするのが嫌いでね。ここでハッキリさせてもらうよ」

氷室はこちらの問いに答えた上で、そう切り返してきた。
菊乃は目を閉じて暫し考える。
そして待つ事数分――菊乃は目を開けてこう答えた。

「――確かに今でもカノッサは憎い。それは変わらねえよ。
 けど、ちょっと考えてみたら復讐なんて馬鹿らしいわな。
 よく考えると、"アタシの憎んでた"カノッサはもう存在しないわけだしな。
 今のアンタも「元」ってだけで別に自分からカノッサを名乗ってるわけじゃねえ。
 そんな奴を熨したところで、それじゃただの喧嘩だ。それに――」

一旦言葉を切って氷室をジッと見据える。
その瞳には憎しみではない、別の感情が宿っていた。

「――これもアンタは覚えてねえだろうが、アンタとは一度だけ話をしてるんだよ。ほんの少しだがな」

そう言うと、菊乃は昔の出来事を思い出した。
あれは菊乃がまだ研究所で人体実験を受けていた頃――



――まったく、何で私が視察なんか…ん、何だお前?
――…?
――酷い目をしているな。一体何をされたのやら…ま、私には関係ないがな
――…すけて
――ん?何か言ったか?
――…たすけて
――助けて、か。そんなに助かりたかったら自分で何とかしてみな
――…じぶんで?
――そうだ。逃げるなり殺すなりすればいいだろ。それができなきゃ一生この箱の中だな
――じぶんで…にげる…ころす…


「よく考えたら、アタシが今ここにいるのもあの時のアンタの言葉があってこそ、だな。
 カノッサの中でもアンタにだけは感謝こそすれ恨む道理はない。
 ってわけでアタシは飯を食いに行くよ。じゃあな。
 けどこの島にいりゃ海部ヶ崎共々いずれまた会うことになるだろーよ。
 そん時ゃ…ま、仲良くするかはそん時の気分次第だな。ハッハッハ……」

菊乃は笑いながらコンビニに向かって歩き出す。と、一陣の風が吹き、菊乃の後ろ髪を靡かせた。
その首筋には、剥き出しのまま点滅を繰り返す機械が埋め込まれていた――


暫くしてコンビニに辿り着いた菊乃。
しかしそこには先程の二人の姿はなく、代わりに店内から物音が聞こえてきた。
その音を聞いて店内に二つの人影を確認し、店に入る菊乃。
自動ドアではなかったので、ドアの開閉音で二人がこちらを振り向く。
それは思った通り先程こちらを見ていた二人だった。そんな二人に菊乃は声をかける。

「よかったらアタシにも少し食いもん分けてくれねえかな?腹へって死にそうなんだわ」

【神宮 菊乃:復讐しない旨を氷室に告げて別れ、街北部のコンビニにて鎌瀬達と接触】




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板