レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
-
暫しの間虚空を見つめてボーっとしていたが、不意に強烈な頭痛に襲われた。
「クッ、来やがったか…!」
頭を抱えて蹲る。その間にも頭痛は酷くなる一方だった。
即座に右腕の上腕部にある小さい蓋を開け、中から薬を取り出して一気に飲み込む。
「クソッ、冗談じゃねえぞ。今までの比じゃねえ…。
一体何があった…?」
そこで菊乃は、研究所にいた頃、実験の担当者から聞かされた言葉を思い出した。
――さぁ、これで終わりです。起き上がってもいいですよ――
――ふざけんな。元に戻しやがれ――
――それは無理な相談ですねぇ。何しろ私は"改造"が専門。"復元"は専門外なんですよ――
――ならそれが出来る奴を連れて来い。何ならテメェを殺してでも――
――いいですけど、連れてきたところでもう遅いですよ――
――あん?どういう意味だそりゃ――
――最早私とキミは一蓮托生、切り離すことが出来ないのですよ――
――だからどういう意味――
――端的に言うと、私の生命に何らかの異常があった場合、君にかかっているリミッターが外れて、
制御が利かなくなると言う事ですよ。そうなった場合、私自身、キミがどうなるか想像がつきません――
――…おい、ふざけるのも大概にしろよ。何でそんなモンつけた?――
――それは勿論、私の"最高傑作"を誰にも触らせない為、ですよ――
「ふざけんな…!何が"最高傑作"だ…。アタシはモノじゃねー、っつーの…」
次第に意識が薄れて行く。
菊乃が最後に見たものは、高笑いをしながら去って行く研究者の姿だった――。
「うあああぁぁぁぁぁああああ!!!」
制御が利かなくなったオーラが解放され、教会内を覆っていく。
次の瞬間、教会は一瞬にして崩れ去った。――否、潰れた。
菊乃の放つ高重力に建物自体が耐え切れなくなったのだ。
その推定重力は――最早測定不能。
ふらふらとした足取りで何かをボソボソと呟きながら、菊乃は街の方角へ歩いて行った。
菊乃が通った跡は壮絶だった。
木々は薙ぎ倒され、歩いてきた道はクレーターだらけだった。
一歩踏み出すごとに新たなクレーターが生まれる。それに付随して、地響きのような震動も起こっている。
それはまるで恐竜が闊歩しているかの様な光景だった。
「ごめんなさい…ごめんなさい…ゴメンナサイ…」
菊乃は先程からこの言葉を繰り返し呟き、ここまで歩いてきた。
その虚ろな瞳に、行く手に現れた建物の群れが映し出された――
【神宮 菊乃:研究員が死んだ事により能力が暴走。暴走状態のまま街に到着】
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板