したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5

677 ◆21WYn6V/bk:2010/11/19(金) 18:30:29
規制orz
代理お願いします。

>>156
「悪いが、案内する気はない」

海部ヶ崎はこちらの提案を蹴って、くるりと背を向けた。

「キミも言ったように口なら何とでも言える。
 結果としてでも戦闘になる危険性がある内は、キミを氷室のもとに連れて行くことはできない。
 それが仲間としての最低限の務めだ。……それに」

「……いや、何でもない。
 とにかく、私がキミに対しての敵対心を持っていないことを解ってくれたなら、一先ずはそれでいい。
 今後、どこかで遭遇しても互いに手出しはしない……この場はそれで手を打ち、終わりにしよう」

そう言うと、教室の隅にある窓を足で蹴飛ばし、穴を作った。
そこから激しい雨が教室に吹き込んできた。外は嵐のようだ。

「だが、もし私の邪魔をするというのなら、その時は敵とみなすことになるだろう。
 さっきも言ったが、私は避けられる戦闘なら避けておきたい。
 この刀をキミに向ける日が二度と来ないことを祈っているよ──」

そう言い残し、海部ヶ崎は穴から出て行った。
ここは3階だが、能力者であるなら問題はないだろう。
菊乃が考えていたのはそんな事ではなかった。

「はっ、やっぱりカノッサの仲間だったんじゃねえか。所詮カノッサの連中なんてこんなもんか。
 海部ヶ崎 綺咲…次に会った時は――容赦しねえ。氷室共々潰す」

海部ヶ崎が出て行った穴を見つめ、聞いた者が震え上がるようなドスの効いた声で呟いた。

「チッ、やっぱりカノッサの連中は少しも信用できねぇな。
 平気で嘘をつきやがる。何がカノッサを潰した、だ。
 どいつもこいつも信用できねぇな…。あの頃に戻った気分だ」

一人ごちて再び身を返し、廊下に面した窓から飛び降りる。
着地して自分のやって来た方角を見つめる。教会のあった方角だ。

「さ、収穫もなかったことだし、帰って寝直すとしますかね」

来た時とは違い、今度はゆっくりと歩き出す。
嵐の如き風雨だったが、菊乃は気にすることなく歩いていった。



廃教会に到着し、壊れかけの扉を開けて中に入る。
祭壇の手前にある長椅子に腰を落とし、深い溜息をつく。

「はぁー……。これからどうすっかな…。
 移するのも面倒だし、ここにいるか。その内誰か来たら適当に追っ払えばいいしな。
 いずれ氷室とあの女、海部ヶ崎とも戦うことになる。
 …その前に"アレ"が来なきゃいいけどな」

菊乃の呟きは、激しく屋根を叩く雨音に掻き消された。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板