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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5

605 ◆21WYn6V/bk:2010/10/22(金) 16:25:47
「残念だっただと……? 分かった風な口を聞かないでもらいたい。もはや私に後戻りはできないのだ」

海部ヶ崎から返ってきた返事は予想していた通りのものだった。
父にも等しい人物が目の前で死んだのだ。感情的になるのも無理はない。

「……だが、それでも立ち止まることはできる。……地下24階で待っている」

そう思ったからこそ、次に続けられた言葉を耳にした時は感心した。

(ほう…ただの小娘ではないようだな。感情に任せて突っ走るだけかと思っていたが)

「行くぞ。海部ヶ崎は24階で止まっている」
「うむ」

黒部と共に下へ向かう。
24階に辿り着いたとき、海部ヶ崎はフロアの中央に立っていた。
その横顔は涙こそ見えないが、泣いている様に見えた。

「……最後の敵はこの真下にいる」

海部ヶ崎はそう言うと、先頭に立ってフロアを抜けていった。


海部ヶ崎と合流してから更に一つ階層を下りる。
そして最下層――地下25階に到着した。
そこには入り口と思われる場所に、巨大な漆黒の扉が聳え立っていた。
上部のプレートには『虚空の間』と書かれている。

「ここが雲水のフロアか……中ではボスが待ちくたびれているだろう。行こう」

黒部が扉を開けようとする。しかし扉はびくともしなかった。

「チッ、二人とも離れてろ」

黒部がオーラを纏った拳を構え、思い切り扉に叩き付けた。

「──ッ!? なにっ!?」

その声と共に、黒部がこちらの横を通過して背後の壁に激突する。
原因は不明だが扉に弾き返されたのだ。

「ぐはっ! ……な、なんだと……?」
「黒部さん! くそ、次は私が……」

(無理だな。黒部の様な力で押すタイプの能力者ですら破壊どころか傷一つつかなかった。
 あの小娘に破壊できるはずがない。結界か、材質か、センサーか――
 何らかの仕掛けがあると見て間違いないだろうな)

今まさに海部ヶ崎が抜刀しようとし、それを止めようと声をかけようとした瞬間――

「──止めときな。その扉の前では、独り相撲に終わるだけさ──」

自分達ではない、4人目の声が聞こえた。
声のする方を向く。そこには青髪でボロボロのジャージを着た女が立っていた。
良く見るとジャージだけではなく、全身もボロボロであった。

「貴様! 生きていたのか……!」




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