レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
-
話を終え、黒部を見やる。
黒部は下を向いて何か考えていたようだが、やがて顔を上げこちらを見る。
「爆発の原因は分かった。しかし一体どちらが…」
「先程の問い、半分正解だ、といったのは憶えているな?
…戦っていた四天王は死んだ。オーラを感じん。
と同時にこちら側も一人死んだ。不知哉川か海部ヶ崎のどちらかが、な」
「なっ…で、では先程の爆発はあの二人のどちらかが引き起こしたというのか!?」
「そういうことだ。もう片方は更に先へ進んだようだな」
口ではそう言っていたが、アリスには爆発を引き起こした張本人が分かっていた。
(状況から考えて、十中八九不知哉川だろうな…。
大方、あの娘を守るためなどと言う下らない理由だろうがな。
フン、愚か者が…と言いたいところだが、よくやったな)
一瞬、母が子に見せるような柔らかい笑みを浮かべ、すぐに表情を戻す。
「さて、一先ず下に下りるぞ。状況を確かめねばなるまい。
先に行った馬鹿者にも追い付かんといかんからな」
再び黒部と共に階段を下りる。そして地下22階に辿り着き、部屋の前に立つ。
扉の上部にはボロボロになったプレートがかかっており、『冷獄の間』と書かれていた。
ここが四天王の部屋なのだろう。しかし扉を開けるまでもなく、中の惨状は見て取れた。
何故なら扉は壊れており、そこから壁や天井にも大きな穴がいくつも開いているのが見えるからだ。
室内に入る。周囲は無残に破壊されており、もはや廃墟と言っても過言ではなかった。
黒部は部屋の中を見回している。驚きのあまり声も出ない様だ。
アリスは部屋の中心に立ち、静かに目を閉じる。
(不知哉川…お前の死、無駄にはせんぞ。あの娘は我が守る。だから安心して逝くがいい)
静かに黙祷をささげると、振り返って黒部を見る。
「行くぞ。この戦いも終わりが近付いてきた」
黒部が頷くのを確認し、二人は『冷獄の間』を後にした。
部屋を出る前に、海部ヶ崎に念話を飛ばす。
――聞こえるか、海部ヶ崎。不知哉川のことは残念だった。だが一度こちらに合流しろ。
一人でどうにかなる相手ではないことぐらいお前も分かるだろう。
不知哉川のためにも、お前一人行かせる訳にはいかん――
【アリス・フェルナンテ:『冷獄の間』に到着。先行する海部ヶ崎を呼び戻す】
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板