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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5

386 ◆3LPMHhiq9U:2010/07/02(金) 01:10:54
代理お願いします
PCの不調で一日遅れだが、まぁ一人だったからいいか
そして新しく設定を増やしてみました。

>>73
海部ヶ崎が敗れ、氷室が立ち去ってから約一分後。
血に伏した動かぬ人間と、砕けて破片となった刃が周囲に飛び散った、この殺伐とした空間に新たな人影が加わる。

「お、あれが回収対象か?」
「ん……そうなんじゃねーの?」
血に沈んだ体を見つめながら公園に進入する二人の男。
二人の容姿はどこにでも居そうな、ただの大学生であった。
片方の男が持っている大きなゴルフバッグ以外は。
「うぁ、マジで人が死んでらぁ。おっかねーの」
「んなこと言ってねーで、とっととバッグに死体入れろよ」
彼らは機関のためにこのように、戦闘のあとを隠すために派遣された人員である。
だがしかし、“彼らにその自覚は無い”。
機関の精神干渉系の異能力者によって作られた操り人形――通称『デバッガ』と呼ばれるが、もとは……いや今もただの一般人だ。
オーラを使えなく、戦闘もできない。そんなデバッガ達は雑務をさせられるために機関に利用されている。
主な仕事は、死体を片付けて血を適当に消し、周辺の戦闘の痕跡を抹消する。自覚無く。
仕事を終わったら、あとは適当に記憶を改竄されて自然にもとの生活に戻る。記憶無く。
あらかじめプログラムされた仕事を、その場に近いものが処理する。そういうシステムなのだ。
これは機関が今回の作戦を隠密に済ませるために講じた手の一つだ。
現在、この街には莫大な数のデバッガが存在し、知らず知らずのうちに機関に利用されている。
ただ、それだけ膨大な数の人間を操るため、デバッガ達の作業内容(手順、時間、確実さ)は本人の性格や思考回路に頼ることが多いのが、玉に瑕だ。

黒系の服を着た男が、周辺の刃を集め始め、白いTシャツを着た男が海部ヶ崎の体に近づいた。
「……うわ、こいつまだ生きてるよ」
「マジかよ」
彼らはどうやら、あまり良いデバッガではないらしく、早々に作業の手を止めた。
「こんなに血ぃ流してるのに?」
「いや、この血溜まりさ、薄く広く広がってるから、あんま出血してねーんだと思うよ」
「それにしても、頑丈だろ……で、どうするよ?」
       ヤ
「そりゃー……殺っといた方がいいだろうよ」
「そうか」、と黒服の大学生はたった今回収したナイフを逆手に握り締め、一瞬の迷い無く振り下ろした……が、その手を何者かが掴んだ。

「おっと、女の子の柔肌にンナ事したら、アカンよー」
「んな!? なんだよ、お前!!」
二人の大学生達の横にいきなり見知らぬ男性が立っていた。
二カッとした張り付いたような笑顔に、どこの国のものか分からない奇妙な模様の付いた半纏を着た男が。
全身から醸し出している雰囲気は、まるで胡散臭さを凝縮したような感じだった。
黒服はすぐに、手を振りほどこうとしたが何故だか力が入らない。
いや、むしろどんどん弱まっていく感じだった。
ドサ、と黒服の青年はそのまま海部ヶ崎の様に倒れてしまった。
「おい、どうしたんだよ!!」
「まぁ、そう怯エンといてーな。痛いモンちゃうし」
白いTシャツの男が反応できない速度で、その頭は男に鷲掴みにされた。
「ほな、オヤスミな」
「あ……あぁああ…」
白いTシャツの男も黒服に続くように、その体は地面に崩れ落ちた




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