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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5

380 ◆ICEMANvW8c:2010/06/28(月) 21:41:59
角鵜野市の西地区──そこには角鵜野湖(かくうのこ)と呼ばれる巨大な湖が広がっていた。
そこは海や山などと並んで、市内有数のレジャースポットとして人々に広く認知されているが、
実はその湖に、もう一つの裏の顔があることを知る者は少ない。

湖の底──水深400mの湖底、それより更に底の地下。
本来、ただの土で埋め尽くされているはずのそこには、
頑丈な鉄筋とコンクリートに覆われた、巨大な地下基地が広がっていた。
内部は近未来的な設備が整えられ、大勢の人間が通路を行き交い、中には武装した人間もいる。
これこそが湖の裏の顔──そう、秘密結社カノッサの総本部が置かれていたのだ。

氷室が海部ヶ崎と戦っていた頃、ここ地下基地のメインルームでは、
市内に放たれた構成員達の通信による戦果報告を逐一耳に入れる、
黒服と、季節外れの黒コートに身を包み、黒い長髪をオールバックに決め込む若い男がいた。
この黒づくめの男の名は『雲水 凶介(うんすい きょうすけ)』。         リーダー
彼こそ氷室が「筆頭」と呼んだカノッサ四天王の筆頭、事実上のカノッサの指導者である。

「計画の発動からおよそ三時間あまり……
 直ぐにでも尻尾を出すかと思ったが、どうもそうはいかないようだな。
 なぁ……? 白済よ」

雲水とは対照的に、白装束に身を包み長い白髭を蓄えた小さな老人が、彼の横にすっと現れる。
老人の名は『白済 閣両(しらずみ かくりょう)』。
雲水の補佐役を務めるカノッサの知恵袋といわれる人物である。

「偉大な力を持つ存在でありながら人と同化し、人に異能をもたらしたと伝えられる我らの『始祖』。
 神の気まぐれが生んだ存在なのか、それとも悪魔の悪戯によって生まれた存在なのか、
 『始祖』の正体は今となっては定かではない。
 しかし、数百年に一度、『始祖』の血を色濃く受け継ぐ異能者、すなわち『化身』がこの世に降誕する。
 そして十数年の時を経て、自らの宿命に目覚めその力を発揮する時が正に今であるということに、
 本当に間違いはないのだな? 白済よ!」
「ホッホッホ、これは心外ですな雲水様。
 この閣両、生涯に渡って『化身』について調べ尽して参りました故、間違いなどありえませぬ。
 『化身』は間違いなくこの街のどこかにおり、そして、近々必ず覚醒(めざ)めまする。
 雲水様は、その時をただ待たれればよいのですじゃ……」
「……そうか。では、言うとおりただ待つことにしようか。
 愚かなる人間どもよ……精々、今の内に短い人生を楽しんでおくがいい」
雲水は、これまでに無いほどその顔をどす黒く染め、続けた。

「そう、我々が『化身』を擁し、全世界を席巻するその日までな…………」

【筆頭の名は雲水 凶介と判明。白済 閣両が登場。】




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