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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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代理お願いします
>>56-57
『百花斉放』は海部ヶ崎がギターケースに隠し持っている武器を全て使用する大技。
使用する武器の総数二十三。総重量四十キロもある鋼の刃たちはこの時代、この国では異質な存在だ。
この手の非実戦的な武器は主に、カノッサ機関などが属する“裏の社会”に流通しており、それには異能力が関係している。
異能力者が珍しくない“裏社会の人間達”の戦闘において、銃火器はオーラの使い方次第で簡単に捻じ伏せられるものなのだ。
その為オーラの使い手達は戦闘の主軸や補助に、銃よりオーラの力を付加しやすい打撃の武器を選ぶ。
斧や刀、鎌などの武器を『そういう理由』で作る職人や密造者が多く存在する。
海部ヶ崎が所有している複数の武器もそのなかでも一級品の業物なのだ。
だが、
「仕方ない」
──ギャキィィィイイイイイン……ッ!!
激しい金属音と共に、刃の嵐はガラス細工のように砕け散った。
青髪の女性はオーラを手に集中させ、それを刃のように操ったのだ。
その刃によって砕かれた断片はまさに花弁のように辺りに降り注ぎ、無残な姿へと変貌した。
実戦の回数はまだ多くはないにしろ、今まで海部ヶ崎の戦闘スタイルの主軸を担っていた武器たちが……あっさりと砕けたのだ。
「能力は使わない気でいたんだけど、私も甘かったよ。まさかこれ程の量のオーラを操作するとは」
八割方、武器としての命を絶たれた己の獲物を見つめていた海部ヶ崎は青髪の女性の声にハッと我にかえる。
(駄目だ、駄目だ。武器はまだ残っている。まだ戦える……)
技が通じないのと、武器があっさりと破壊された事実に怯んだ海部ヶ崎だったがすぐさま構えを整えた。
相手は見たところ、頬や手の甲、それにジャージが所々裂けたこと以外ほぼ無傷と言ってよかった。
しかしこちらも戦力は削がれたものの、今の攻撃では傷は負ってはいない。
そして青髪の女性が自らの手の甲の傷を軽くなめた後、再び姿を消す。
──ビリィィイ!
海部ヶ崎の黒いタンクトップの脇腹にあたる部分が裂け、白い肌が露出する。
それはダメージには繋がらないにしろ、手刀での攻撃時と違い“命中”している。
(スピードが上がった!? 完全に避けきれな……)
──ズバッ!
「くぁ…………!!」
氷の爪痕が海部ヶ崎の体へ袈裟懸けに深く刻まれ、出血に至るよりも速く凍結する。
ギターケースの紐も同時に断たれ、ケースが鈍い音をたてて地面に落下した。
そのたった一撃で、一気に形勢は不利なものへと変わってしまった。
追撃を許さん、と刀で反撃を行うも、あと一歩のところで届かない。
その攻防も長くは続かず、敵にバックジャンプで大きく距離をとられてしまった。
着地際に攻めようも、体が傷のせいでそこまで瞬時に動いてくれなかった。
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