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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所5
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>>34
目標までおよそ1kmの道のりを、氷室は自動車顔負けのスピードで駆け抜けていた。
スキャナーに表示された目標との距離がグングンと縮まっていくが、
同時に氷室は、もう一つの反応との距離も縮まっていることに気が付いていた。
しかもその反応、氷室に負けず劣らずの大きなものである。
だが、敵ではない。カノッサの幹部である彼女には反応が誰なのかは大方の察しがついていたのだ。
「やれやれ」
氷室は敢えて“そいつ”に聞こえるように大げさに溜息をついてみせた。
それでも、既に彼女の傍まで接近してたそいつは、黒い髪を靡かせたその男は、
性懲りも無く軽く口元を歪めてキザったらしく一輪の花を彼女に差し出して言った。
「お久しぶりです霞美さん、早速ですが今日は手土産があります。
恋を占う花マーガレット、どうです私の恋の占いをしてくれませんか?」
氷室は無表情で花を受け取ると、
「嫌い、好き、嫌い、好き……」
と交互に繰り返しては一枚一枚、無造作に花びらを千切っていく。
これは最後に千切った花びらが「好き」であれば、
思いが成就するという古くから伝わる単純な占い遊びの一種である。
要するに、男は氷室自身に自分との恋の相性を確かめさせたいのだろうが……
「嫌い……」
男の思惑通りにいかなかったか、無情にも「嫌い」の一言を残して最後の一枚が千切られた。
ただ、実はこれは、氷室が予め花びらの枚数を数えていて、
敢えて最後に「嫌い」が来るよう逆算しての結果なのである。
「お目当ての娘はあなたのこと嫌いだってさ。
言うまでもないと思うけど、占いは有料。口座に振り込んでおきなよ」
氷室は花びらのなくなった花を投げ捨てると、冷たく言い放った。
そうやって彼に対する心情をそのまま態度に表すも、
当の男は慣れっこといった感じなのか、それとも右から左といった感じなのか、
その微笑む顔に変化は見られない。
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