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二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所3

68池上 ◆qqu0tZFsYU:2008/09/21(日) 03:51:06
「私がここに来たのは、そこの池上燐介に用があるからだ。だが、その前に済ませておかなければ
ならない用ができてしまった……」

乱入者はギロリと吉白?を睨んだ。
吉白?はこれから何をされるのかを悟ったように、尻餅をつきながら後ずさりを始めた。
乱入者も歩きだし、距離を詰めていく。

「機関を裏切ればどうなるか、分かっているのだろう?」

「べ、別に裏切ったわけでは……。ま……待ってくれ……見逃してくれ……!」
                                       レクイエム
「無様な敗北者の言うことなど聞く耳持たん。さぁ聴くがいい、『葬送曲』を──」

乱入者がフルートを吹き始めると、美しい音色が辺りを包んでいった。
思わず聴き入ってしまいそうになる。──だが、この美しい音色の裏に隠された
禍々しい旋律の正体を、俺は直ぐに知ることになった。

「──うっ! あっ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーッ!!!」

突如として彼、吉白?が叫び声を挙げると、白目を剥き出しにしたままその場に伏してしまったのだ。
口からは白い泡が吹き出され、体をピクリとも動かそうとしない。
(な、なんだ……? 一体、何が……?)
俺の疑問を見透かしたかのように、乱入者が言った。

「彼は今、死んだ──。私の笛の音を聴いたことによってな。
彼は異能者でなかった分、抵抗力が無かった。だからこうして卒倒し、そのまま死んでしまったのだ。
貴様であれば直ぐに死ぬということはなかろう。安心するんだな」

俺は乱入者を一睨みすると、少々の距離を置いて問いかけた。

「……何者だお前は?」

「私の存在は『No.17』から聞いていたと思うが、自己紹介はしていなかったな。
私の名は『夜叉浪 稔次』。機関では『No.8』と呼ばれている。勿論、異能者だよ」

『夜叉浪 稔次』……聞き覚えはない。しかし、どこかで見覚えがある感じがするのは気のせいなのか。
それとも──。

「私は貴様に忠告をしに来た。ここ三日で、随分と暴れたようだな?
だが、我々ファーストナンバーはこれまでの奴らとは違う。
疲弊し、体中に傷を負いながら勝てるほど甘くは無い。これから貴様が行くであろう
『シナゴーグ』は、そのどこもが全てファーストナンバーの管轄化だ。今向かえば、必ず殺される。
闘いは失った体力を回復し、傷を完全に癒した後にするがいい」

夜叉浪と名乗った乱入者は、それだけ言うと背を向けて立ち去ろうとする。
俺はそこにエネルギーを集中させた右手の平を、夜叉浪に向けて待ったをかけた。

「……甘いかどうかは、やってみなければ分かるまい。調度良い、お前もここで殺してやる」

だが夜叉浪は、そんなことに動じる様子も無い。

「フフフ……私の目的を教えてやろう。それはお前への『復讐』だ。
ここでお前を殺すのは容易いが、それでは私の気は治まらん。
万全の状態の貴様を殺すことで初めて私の『復讐』は成し遂げられるのだからな……。
──連戦続きで疲れただろう? しばらく眠るといい」

そう言うと、夜叉浪はフルートを吹き始めた。──瞬間、俺の意識は朦朧とし、
体をその場に倒れこませた。──自分の意思に反して、瞼が閉じていく。

「そうそう、これは独り言だが……現在、我々ファーストナンバーはある場所に召集を受けている。
まだ到着していない者もいるが、近いうちに到着するだろう。その場所とは、『ナガツカインテリジェンスビル』。
幹部連を一網打尽……機関の解体を目論む貴様に取って絶好の機会というわけだ。
だが一人で乗り込んでは、私と闘うまでに殺されてしまうかもしれん。強い仲間を見つけておくことを勧めよう。
貴様の殴りこみを楽しみにしているぞ、池上燐介……。フフフ……フハハハハハハ……」

(な、ナガ……ツカ………………)
夜叉浪の高笑いが頭にこだまする中で、俺の意識は落ちていった。

【池上 燐介:深い眠りへと落ちていく】
【NPCNo.8:夜叉浪 稔次、登場。 NPCNo.10:吉白?、死亡】




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