レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
二つ名を持つ異能者になって戦うスレ避難所2
-
【規制中なので代理書き込みお願いします】
駅に辿り着いた俺の目の前で広がっていたのは、異様な光景だった。
まるで魂が抜かれてしまったかのように地に伏している、出勤、登校途中の人々。
いつもは往来する車や人々の動作音だけが耳を支配するこの場所が、
静寂という常識では考えられない現象に支配されていた。
俺は直に直感していた。このような異常な事態を引き起こした原因には、
間違いなく異能者の存在があるのだろうと。
それは、少なくとも某国の細菌テロというものよりは信憑性があっただろう。
来る途中、道行く人々の中に自身の体調の不良を訴える者が多くいたことから、
恐らくかなりの広範囲に渡って、そして無差別に発揮する異能力なのだろう。
視界に広がる惨状と俺自身の体調の変化から考えて、
少なくともその効果は展開した領域に踏み込んだ人間の体力を著しく消耗させるものだ。
先程から俺の身体を襲う妙な気だるさも、そう考えれば納得がいく。
問題は、領域内に居る人間がどの程度の時間持ちこたえられるかにある。
十分か二十分か……俺が妙な気だるさを覚えてから数分が経っているが、
仮に十分程だとすれば、もう時間がない。
実際に俺はこうして歩いているだけで、既に動悸が乱れ始めていた。
自分の命を護るにあたって、俺が取るべき行動は二つある。
一つ目、異能者が展開する領域から全力で脱出すること。
二つ目、領域を展開している異能者を探し出し、倒すこと。
──本来であれば、考えるまでもなく後者を選んでいるところだ。
しかし、考えられる敵異能力の展開領域、それがあまりにも広すぎる。
ましてやこちらはまだ異能力を察知する力も戻っていない。
現時点で領域の中から存在するであろう敵を自力で発見することは、ほぼ不可能。
「不本意なことだが……戻るしかあるまい」
選んだのは一つ目。俺は気だるさを覚え始めた位置まで戻ることにした。
一度視線を目の前にまで迫った駅に向けると、直に元来た道を振り返った。
と、その時、俺は視線の端で展開している、一つの光景に目が止まった。
>>263
──人の血のようなものを外板の跡にして、道路の端で事故っている白い軽自動車。
それに向かって、殺気混じりの怒気を放っている一人の女。
周囲には、血だらけで倒れている人間が二人……。
あの位置もまた領域内であるだろう。
他の人間がバタバタと倒れ生気を失っている中、一人立ち尽くす女。
違和感を覚えぬはずがない。
──異能者。
俺の頭に、その文字が浮かび上がった。
視線を落とすと、その先の道端で制服を着た警官が倒れていた。
俺は警官が下げているホルスターから拳銃を取り出し、
弾が全ての弾倉に込められていることを確認すると、
直に女の背後に忍び寄り、手袋をはめた右手で銃を向けた。
「お前の仕業か……? これは……」
女はこちらをゆっくりを振り返ろうとする。
俺はすかさず、制止の言葉を発した。
「おっと、動くなよ。動けば撃つ。……何者かは知らんが、お前がこの能力を発動させている
張本人であれば、すぐに解くことだ。十秒待っても解かなければ、撃つ」
広範囲に渡って場を支配する驚異的な異能力。
だがそれは、裏を返せば代わりに直接的な攻撃能力はほぼ皆無であるということ。
すなわち至近距離であれば、ただの銃でも倒せる可能性は十分にあるということだ。
俺はわざとおどけたような口調で、カウント始めた。
しかしその声は、まるで笑いが感じられない程静かで、代わって強い殺気が含まれていた。
「カウントアーップ……ひとーつ、ふたーつ……」
【池上 燐介:天宮香澄を敵異能者だと勘違いし、銃を向ける】
|
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板