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【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
1
:
名無しさん
:2004/11/27(土) 03:12
コソーリ書いてはみたものの、様々な理由により途中放棄された小説を投下するスレ。
ストーリーなどが矛盾してしまった・話が途切れ途切れで繋がらない・
気づけば文が危ない方向へ・もうとにかく続きが書けない…等。
捨ててしまうのはもったいない気がする。しかし本スレに投下するのはチョト気が引ける。
そんな人のためのスレッドです。
・もしかしたら続きを書くかも、修正してうpするかもという人はその旨を
・使いたい!または使えそう!なネタが捨ててあったら交渉してみよう。
・人によって嫌悪感を起こさせるようなものは前もって警告すること。
238
:
◆EI0jXP4Qlc
:2005/06/29(水) 21:33:30
昔、川原で見つけた綺麗な石を持ち帰ろうとして、止められたことがあった。
理由を聞いたところ、「こういう所にある石というのには魂が込められているから、
不用意に持ち帰ることはできないのだ」との事。
私は子どもながらに、普通に「汚いから持って帰るな」とでもいえば良いのに、と思ったものだ。
しかし、今になってその意味を知った気がする。
例えそれが、川原でなく、
ある日突然自分の目の前にあったものだったと、しても。
【ある冬虫夏草の話】[Will you marry me?]
「へぇ、彼女できたんだ……」
と、唐突な高倉の一言。独り言のようにも聞こえるが、
「な、何でお前知ってるのっ?!」
久保をビビらせるには十分だったようだ。高倉は答えることもせず、手の中にある石に見入っていた。
「ああ! また俺の過去勝手に見ただろ?!」
「うん」
「『うん』って……、やめろよなぁっマジで」
「どうして」
「どうしてって、プライバシーの侵害だからだよ」
「大丈夫、なんか、調子悪いみたいだから……」
「へぇ……お前でもそんなことあるんだね」
「うん……」
「って、それで納得すると思ったのかぁ?!」
高倉は勢いよく掴みかかる久保をひらりとかわしつつも、石を凝視し続ける。器用な男だ。
「うーん……」
実際、高倉の石は調子が宜しくないようだった。いつもなら鮮明に見える映像が、今日はなんだか乱れている。音声も途切れ途切れ。
「諦めろ。見るなという天のお告げだ」
久保が無駄に殊勝な笑みを浮かべる。そんな彼に高倉は表情一つ変えずにこう尋ねる。
「久保には天のお告げが聞こえるんだ?」
「いや、聞こえないけど」
「嘘はよくないぞ?」
「お前なぁ……」
久保は何かを諦めた。
「久保、お前の石の調子はどうなんだ……って、お前は持ってなかったんだな」
「うん、まぁ、な」
「……ふーん」
高倉は再び手の中の石を凝視する。未だに調子が悪いようだった。その様子を見た久保が声を上げる。
「おまっ、俺が嘘付いてないかどうか過去をさかのぼろうとしてるな?!」
「すごいなぁ、分かるもんなんだね。でも大丈夫。やっぱり、調子悪いみたい」
「……」
久保は何かを諦めた。本日二度目。
「彼女、どんな人なの」
高倉のその質問に、久保の顔が緩む。
239
:
◆EI0jXP4Qlc
:2005/06/29(水) 21:34:10
「へへ、すっごく、かわいい」
「……世も末だな」
「なんだとぉ?」
「いや、深い意味は……」
「お前なぁ? 俺の彼女見たらほんっっっとに羨ましがるんだからなっ」
「じゃあ、見せてよ」
高倉は右手を差し出す。すると、久保は少し表情を曇らせた。
「別に良いけど……」
と言ったまま、続きを話し出そうとしない。高倉は怪訝に思った。
「どうした? いいよ、今すぐじゃなくても」
「実は……」
するとここで、久保は持参した大きなバックを振り返る。高倉もそれを追うように見る。
久保は言った。
「今日、来てるんだ」
「……え?」
久保は立ち上がるなり、バックの元へと行く。
「高倉、来いよ」
言われるがまま、高倉もバックの元へと行く。行こうとするのだが、
「久保、ごめん。なんか、それに近づきたくない」
そのバックはどこにでも売っているような、非常に大きい、ナイロン製のバック。
「……そっか」
久保はなぜか素直に納得し、その大きなバックに手を掛ける。
その場に少しずつ、静かに積もっていくまがまがしい雰囲気。
「……久保。彼女の名前、なんて言うんだ」
高倉は、勤めて自然にそう言った。
久保は、『それ』を取り出すのと同時に、答えてくれた。
「あやめ、って言うんだ。ね、あやめちゃん」
バックから出てきたあやめちゃん。その姿を見た高倉は思わず口を押さえた。
多分、それはファンの子から貰ったテディベアだったと、久保が言っていたのを高倉は覚えている。俺にそっくりだろう、と自慢していた。
「あやめちゃん、このテディベアが気に入ったらしくてさ、俺、おもわずあげちゃったよ」
そのテディベアの腹部から頭部を劇的に突き破るようにして、
『黄色い半透明の身体をした30センチぐらいの女』が、静かに『生えている』。
その姿はまるで、冬虫夏草。
屍骸を糧にすくすくと育った、冬虫夏草。
久保は本当に大事そうにあやめちゃんを抱えていた。高倉は問う。
「久保、それは、『何だ』?」
「……俺の彼女だよ」
高倉は、右手の石が冷えていくのを感じた。
「質問を変えよう。久保、『その石をどこで手に入れた』?」
久保の表情が豹変した。
「石なんかじゃない! あやめちゃんはあやめちゃんだ!!」
高倉には分かっていた。あやめちゃんが最近芸人たちの間に広まっている不思議な能力を持った「石」だということ。
そして、久保が持っているその石が、とてつもなく嫌な物だということも。
だからこそ、『あやめちゃんの持ち主である久保の過去を見ることが、拒絶されたのだ』ということも。
もっと早く気づくべきだったのだと、高倉は少しだけ後悔した。
「それにしても……」
高倉が、めずらしく感情を吐露する。
「なんなんだ、この急激な話の展開は」
非常に、イライラしているようだった。
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