[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
【失敗】廃棄小説投下スレッド【放棄】
238
:
◆EI0jXP4Qlc
:2005/06/29(水) 21:33:30
昔、川原で見つけた綺麗な石を持ち帰ろうとして、止められたことがあった。
理由を聞いたところ、「こういう所にある石というのには魂が込められているから、
不用意に持ち帰ることはできないのだ」との事。
私は子どもながらに、普通に「汚いから持って帰るな」とでもいえば良いのに、と思ったものだ。
しかし、今になってその意味を知った気がする。
例えそれが、川原でなく、
ある日突然自分の目の前にあったものだったと、しても。
【ある冬虫夏草の話】[Will you marry me?]
「へぇ、彼女できたんだ……」
と、唐突な高倉の一言。独り言のようにも聞こえるが、
「な、何でお前知ってるのっ?!」
久保をビビらせるには十分だったようだ。高倉は答えることもせず、手の中にある石に見入っていた。
「ああ! また俺の過去勝手に見ただろ?!」
「うん」
「『うん』って……、やめろよなぁっマジで」
「どうして」
「どうしてって、プライバシーの侵害だからだよ」
「大丈夫、なんか、調子悪いみたいだから……」
「へぇ……お前でもそんなことあるんだね」
「うん……」
「って、それで納得すると思ったのかぁ?!」
高倉は勢いよく掴みかかる久保をひらりとかわしつつも、石を凝視し続ける。器用な男だ。
「うーん……」
実際、高倉の石は調子が宜しくないようだった。いつもなら鮮明に見える映像が、今日はなんだか乱れている。音声も途切れ途切れ。
「諦めろ。見るなという天のお告げだ」
久保が無駄に殊勝な笑みを浮かべる。そんな彼に高倉は表情一つ変えずにこう尋ねる。
「久保には天のお告げが聞こえるんだ?」
「いや、聞こえないけど」
「嘘はよくないぞ?」
「お前なぁ……」
久保は何かを諦めた。
「久保、お前の石の調子はどうなんだ……って、お前は持ってなかったんだな」
「うん、まぁ、な」
「……ふーん」
高倉は再び手の中の石を凝視する。未だに調子が悪いようだった。その様子を見た久保が声を上げる。
「おまっ、俺が嘘付いてないかどうか過去をさかのぼろうとしてるな?!」
「すごいなぁ、分かるもんなんだね。でも大丈夫。やっぱり、調子悪いみたい」
「……」
久保は何かを諦めた。本日二度目。
「彼女、どんな人なの」
高倉のその質問に、久保の顔が緩む。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板