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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】
82
:
「¥1」
◆uIwU8V3zEM
:2005/07/20(水) 14:17:43
彼は、これはただ糸で釣ってるだけで相方や他の芸人の悪戯なんじゃないかとか、
仕掛け人がどこかから自分の様子を見て笑っているんじゃないかとか、
そういったことも全く考えずに、ただぽかんと口を開けてそれを見ていた。
一円玉は百円玉を背負ったままのろのろと飛んでいる。
…えーっと、これは、なんや?
それを眺めながら、頭上にハテナマークを飛ばす。
が、当然のようにそれに答えてくれる者はいない。
おーい一円、がんばれー。
なぜか心の中でアルミの硬貨に声援を送りながら、頑張って考えを巡らせる。
しかし、驚きのあまり固まった思考はなかなか思うように働かない。
やがて一円は自動販売機の前にたどり着くと、百円玉を投入口に滑らせた。
そのままさっきより軽やかな動きでボタンに体当たりをする。
がこん、と缶ジュースが落ちる音がして、一円玉は取り出し口にひらりと飛んだ。
そこで一円玉は、跡形もなくふっと消えた。
彼は、はっと我に返った。
今の光景は幻だったのか、いや、そんなはずはない。
体中に悪寒が走り、季節はずれの鳥肌が立つ。
彼は思った。
今の、あのなんか勝手に物動くやつやろ。
てことは、考えたないしよくわからんし何か知らんけど、
…ここぜったいなんかおる。
導き出された結論に、自分で震え上がる。
そして。
「…わ、わ、わわわ…。」
………出ーたーーーー!!!
彼はそう子供のように叫ぶと、一目散に走り去っていった。
さすが肉体派芸人といったところか、逃げ足はやはり速い。
後にはただ、奇怪の現場となった自販機だけが立ち尽くしていた。
……彼、八木真澄がやっとあの怪異が誰かの石の能力によるものだと気づくのは、
逃げ帰った楽屋で帰り支度をしていた相方に泣きつき、どうにか落ち着いた後のことである。
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