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【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

333 ◆LHkv7KNmOw:2006/02/11(土) 00:14:54
「ぁあー!無い!」
蛍原の金切り声が廊下中に響き渡った。
宮迫と山口もそのいきなりの大音量にビクッと肩を竦め、耳を塞いだ。
能力を使ったわけでもないのに、耳の奥できーん、と音がする。
「これ、これ見て!」
宮迫の眼前に携帯を突き出す。
その携帯に付けられているストラップ用の細い紐。
その先に取り付けられていた筈の石が、無かった。
よく見ると紐は途中で引きちぎられたような跡がある。
視線が、今度は山口に向けられた。
あ〜あ、と山口は再び眉を下げる。

「ぐっさん」
と、蛍原が詰め寄る。
「だから、違いますって!」
山口はうんざりした様子で手を挙げ、後ろに下がる。
その後ろで何処ぞの探偵のように顎に手を当て、宮迫が神妙な顔をする。
「ぐっさん、ちょっとその携帯…何処で見つけたん?」

「一階のトイレですよ」
「ちょお待てって。俺今日一階のトイレ行ってへんぞ?」
「おーおー怪しいな。…何かおもろい事になりそうや」
にやり、と宮迫は口端をつり上げる。

石を手に入れたのは良いが、自分たちの周りではまだ何も起こっていない。
毎日戦っていて生傷の絶えない者すら居るというのに、
自分には特に生活で変わったことがないのだ。
せっかく石を拾ったんだ。
ちょっと位この平和が乱れないものか、と今思えば何とも馬鹿な事を考えていた。


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