したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【添削】小説練習スレッド【キボンヌ】

232ブレス ◆bZF5eVqJ9w:2005/12/17(土) 12:06:03
それからの記憶は、はっきり言って西野の中では曖昧だった。
何だか沢山の事を喋っていた様な感覚はあるが、内容を覚えていない。
ただ何となく、今知っている『白』の情報を引き出されていたような気がした。
伊藤も知るとおり、西野が知りうる事はごくわずかに過ぎなかったのに。
「・・・んん・・・?」
西野がきちんとした記憶を取り戻したのは、伊藤と話していた廊下だった。
気がついた時には、その場に棒になったように立ち尽くしていた。冷たい風が床をなめて行く。
それから、今までのことを思い出そうと西野は努力しながら頭を振った。
しかしどうしても、桃色の光を見たところまでしか思い出せない。
それから先が、何だか靄がかかったように曖昧になっている。
伊藤の石には、そんな力があったのだろうか?と西野はその場で首を捻った。
「西野!どこほっつき回ってんねん!」
そんな中廊下の向こう側から、愛すべき相方の、梶原の怒鳴り声が聞こえてきた。
その後ろに、ロバートやドランクドラゴンもいるようだ。
「ほっつき回るって言うても・・・」
西野は困惑した表情を浮かべて、走ってきた仲間達に向けた。
ずっとここにいた、と言う言葉は勢いで飲み込んでしまった。
「アホ!お前がそう悠長なことしてるから、また・・・!」
「・・・また?」
今度は梶原が苦しそうな表情を見せる番だった。
かなり険しい顔で、アンクレットを光らせ続けている。
「またインパルスが『黒』の下っ端に絡まれとんねん、今や今」
その言葉を聞いた西野の顔つきは、険しくなっていく。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板