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萌えろちっくにゴーストSS
24
:
名無し~3.EXE
:2003/11/29(土) 02:52
窓の外で銃声が二発。一際高い歓声が上がり、スピーカーからは放送委員の声が響き渡る。校舎の裏手から花火が打ち上がり、青空に大きな音を轟かせた。
「ん……」
まどろみと覚醒の間で、紗奈は寝返りを打ちながらぼんやりと思考の回転を起動する。
(えっと、私……確か……)
「………………」
意識を失う直前の行為を思い出し、顔を紅潮させながら布団を頭から被った。
そしてふと、気付く。部屋に自分以外の人の気配が無い事に。
がばっ、とベッドから跳ね起き、ベッドの横に揃えて置かれてる自分の靴に気付く。
「……遥先生……」
自分の身体が丁寧に拭かれているのにも気付き、またまた恥ずかしさに顔を赤らめる。でも、ちっとも不快じゃない。むしろ舞い上がるかのような心地を感じつつも、紗那はその相手が既に居ない事をなんとなく悟って、俯いた。
(先生……いや、遥さん……私、先生がいないと……)
零れ落ちそうになる涙を、それでもぐっと堪えて弱気になりそうな自分に喝を入れる。
(だめだよ、こんなんじゃ……遥さんに馬鹿にされちゃうんだから。そう、今は届かなくても……きっといつか……あの人の所に)
ガラッ、と音がして入口のドアが開いた。カツカツカツ、と甲高い音を立てながら近付いてくるその人物は。
「……え……あれ……」
25
:
名無し~3.EXE
:2003/11/29(土) 02:56
「ん?」
白いビニール袋を手にぶら下げながらこの部屋の主、赤十字遥が紗那の顔を見る。
「を、どうした紗那。なんか泣きそうな顔に見えるんだが」
「は、遥さん……?」
「んー? なんだその意外そうな表情は。ははぁ、お前さんの事だからアレだろ、目が覚めて姿が見えなかったからもう帰ったとでも思ったか? うん?」
「は、ははは……はい、実は……」
紗那につられてくっくっ、と笑いながら遥は手に持ったビニール袋を示して言った。
「腹へったからさ、ちょっとそこまで食うもん買いに行ってたんだ。それに私は今日辞めるっつったけど、途中で仕事放棄したりするほど落ちぶれちゃいないよ」
「……先生っ!」
堪えきれず紗那が遥の胸に飛び込んだ。驚いた遥は手に持ったビニール袋を取り落としそうになりながら、自分の胸で泣く少女を見下ろす。
「お、おい紗那」
「先生っ、私、私……」
「…………」
「先生、私、今はこんなドジだけど、いつか、絶対に……」
遥は袋を持ってない方の手で優しく紗那の頭を撫でてやった。
「……ああ。いつかお前も私のところに来い。そん時は歓迎してやる」
紗那は声にならない声で泣きながら、必死で縦に頭を振る。遥はそんな少女をなだめるように優しく、しかし力強く叩いてやる。
「そん時までには、泣き虫も直しとけ、な……?」
笑いかける遥の顔は、とても優しげで、とても嬉しそうな笑顔だった。
二人が再び出会うのは、そう、遠くない未来。
26
:
名無し~3.EXE
:2003/11/29(土) 11:35
>>25
お疲れ!
いい話風にまとまっていてグー。
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