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企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議
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雑談、キャラクターの情報交換、
今後の展開などについての総合検討を主目的とします。
今後、物語の筋に関係のない質問等はこちらでお願いします。
規約はこちら
>>2
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◆決まりごと
・キャラの死を書くにあたって
バトロワ物の華であるがゆえに、書くときは注意深くね。
「ぞんざいな死」がダメなのはもちろんのこと、話全体の流れも良く考えて。
・UP宣言
本スレへのUP前に、検討スレにその旨を書き込みましょう。
半日以上前に宣言→UPの1時間前に最終宣言が主流のようです。
・ストーリーの流れ
参加者の一部はゲームそのものに反抗し、どこかの段階で主催者を倒します。
最後の一人になるまでは殺しあいません。
・知らないキャラクターを書く場合
過去ログを熟読して特徴をよく掴んでから書きましょう。
キャラクターについての疑問点があったら有識者に迷惑に聞いてみましょう。
・監察・刺客を書く場合
監察は、>>の『ルール違反』を犯した参加者に警告を与えます。
締めの言葉は「死ぬことになる」で、要件を伝えたら消えます。
刺客は、警告を無視した参加者にしか攻撃できません。
・バトンを受けるにあたって
書き出す前に時間、グループ、スタンス、現在位置、所持品、能力を把握して
矛盾無く繋ぎましょう。
どこかに矛盾がある場合は、修正依頼がかけられる場合もありますよ。
・特殊能力について
キャラ固有の特殊能力は原則、制限されていません。
流れとバランスを考えて使用したり、筋に沿って能力制限をかけたりして、
話を盛り上げましょう。
・書きたいキャラが被った、その展開は勘弁… etc.
ここで相談しましょう。落ち着いて。
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◆書式のお約束
・名前欄に、そのSSのタイトルを記入しましょう。
・冒頭に半角で 『>(レス番)』と打ち、どの続きを書いているかを明示。
・冒頭及び必要だと思われる個所では、半角・24時間表記で『(時間)』を記入。
・一連の書きこみが終わったら最後に『↓』を記入。
・一連の書き込みで死人が出たら、↓マークの下に
【(参加者番号)(参加者名及び主催者名)(死亡 残り(数)人】と記入。
・一連の書き込みでグループ、スタンス、現在位置、所持品、能力制限が変更さ
れた場合、
その旨を↓マークの下に記入。
1 名前:こんな感じ 投稿日:2002/01/31(木)
>303
(21:18)
琢麿呂、雷蔵を銃殺。
↓
【No.13:海原琢磨呂】
【所持品:銃器(詳細不明)
:重い物(詳細不明)】
【スタンス:近づいてきたら殺る】
【能力制限:無し】
NO.10 貴神雷贈 死亡 ―――残り38人
それ以外では・・・↓
【グループ名:(名前を入記)・(名前〜)】
【現在位置:】
【スタンス:(一致していて、その必要があれば)】
【備考:(必要があれば)】
【(キャラ名)】
【現在位置:(グループ欄で書いてあれば必要なし)】
【スタンス:(グループ欄で書いてあれば必要なし)】
【所持品:】
【能力:】
【備考:】
・・・・・・と言った感じでお願いします。
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◆設定
<世界>
・舞台となる孤島及び世界は、ルドラサウム(巨大な白い鯨型の絶対神@鬼畜王
ランス)が
ゲームの為に造ったもの
・参加者はルドラサウムが召喚した
・参加者たちは、言語の壁を越えて会話することができるが、文化の違いまで
はわからない
・ルドラサウムの部下、プランナーもそれに関わっている
<ゲーム>
・毎日0:00、6:00、12:00、18:00の四回、定時放送が入る
・参加者は首輪を装備している。首輪には爆弾、集音マイク・発信機が仕掛けら
れている
・参加者はランダム配布物(主に武器)、デイバックに非常食と水少量、地図を
所持
・監察は、ルール違反者に警告を発する役割
・ルール違反は以下4点で、上のものほど重要度が高い
:主催者への反乱
:ゲーム進行の阻害(首輪の破壊・解析など)
:島からの逃亡
:馴れ合い、戦意無し
・刺客は、監察の警告を無視した参加者を始末する
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【過去作品スレ】
バトル・ロワイアル【今度は本気】第5部(html化待ち)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1053422142/
バトル・ロワイアル 【今度は本気】 第4部
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1044/10442/1044212918.html
バトル・ロワイアル 【今度は本気】 第3部
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1029/10293/1029399672.html
バトル・ロワイアル。【今度は本気】 第2部
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1012/10127/1012701866.html
リアル・バトル・ロワイアル。【今度は本気】
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1008/10085/1008567428.html
編集サイト(現在休止中?)
ttp://syokikan.tripod.com/
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◆参加者1(○=生存 ×=死亡)
○ 01:ユリーシャ DARCROWS@アリスソフト
○ 02:ランス ランス1〜4.2、鬼畜王ランス@アリスソフト
× 03:伊頭遺作 遺作@エルフ
× 04:伊頭臭作 臭作@エルフ
× 05:伊頭鬼作 鬼作@エルフ
× 06:タイガージョー OnlyYou、OnlyYou リ・クルス@アリスソフト
× 07:堂島薫 果てしなく青い、この空の下で・・・。@TOPCAT
○ 08:高町恭也 とらいあんぐるハート3 SweetsongForever@ivory
× 09:グレン Fifth@RUNE
× 10:貴神雷贈 大悪司@アリスソフト
× 11:エーリヒ・フォン・マンシュタイン ドイツ軍
○ 12:魔窟堂野武彦 ぷろすちゅーでんとGOOD@アリスソフト
× 13:海原琢磨呂 野々村病院の人々@エルフ
× 14:アズライト デアボリカ@アリスソフト
× 15:高原美奈子 THEガッツ!1〜3@オーサリングヘヴン
○ 16:朽木双葉 グリーン・グリーン@GROOVER
× 17:神条真人 最後に奏でる狂想曲@たっちー
× 18:星川翼 夜が来る!@アリスソフト
× 19:松倉藍(獣覚醒Ver)果てしなく青い、この空の下で・・・。@TOPCAT
× 20:勝沼紳一 悪夢、絶望@StudioMebius
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◆参加者2(○=生存 ×=死亡)
× 21:柏木千鶴 痕@Leaf
× 22:紫堂神楽 神語@EuphonyProduction
○ 23:アイン ファントム 〜Phantom of Inferno〜@nitro+
× 24:なみ ドリル少女 スパイラル・なみ@Evolution
× 25:涼宮遙 君が望む永遠@age
× 26:グレン・コリンズ EDEN1〜3@フォレスター
× 27:常葉愛 ぶるまー2000@LiarSoft
○ 28:しおり はじめてのおるすばん@ZERO
× 29:さおり はじめてのおるすばん@ZERO
× 30:木ノ下泰男 Piaキャロットへようこそ@カクテルソフト
× 31:篠原秋穂 五月倶楽部@覇王
× 32:法条まりな EVE 〜burst error〜@シーズウェア
× 33:クレア・バートン 殻の中の小鳥・雛鳥の囀@STUDiO B-ROOM
× 34:アリスメンディ ローデビル!@ブラックライト
× 35:広田寛 家族計画@D.O.
○ 36:月夜御名紗霧 Rumble〜バンカラ夜叉姫〜@ペンギンワークス
× 37:猪乃健 Rumble〜バンカラ夜叉姫〜@ペンギンワークス
○ 38:広場まひる ねがぽじ@Active
× 39:シャロン WordsWorth@エルフ
○ 40:仁村知佳 とらいあんぐるハート2@ivory
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◆運営側(○=生存 ×=死亡)
○ 主催者:ザドゥ 狂拳伝説クレイジーナックル&2@ZyX
○ 刺客1:素敵医師 大悪司@アリスソフト
○ 刺客2:カモミール・芹沢 行殺? 新選組@LiarSoft
○ 刺客3:椎名智機 將姫@シーズウェア
○ 刺客4:ケイブリス 鬼畜王ランス@アリスソフト
○ 監察官:御陵透子 sense off@otherwise
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スレ建て成功!
期待していた方にはつくづく申し訳ありません。
とある参加人です。
恥ずかしながら・・・〆切破りの常連の私が言うのも何ですが、改めて完結に向
けて執筆を再開させていただきます。
その一環として、ここに検討スレを設けさせていただきました。
管理人さんに感謝。
スレタイには一応、企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議、と書か
れてますが、このバトロワ以外の二次創作小説のネタ探し等に利用しても構いま
せんので。
時たま私はアナザーとかも投下するかも知れませんが、企画3周年を迎える前に
は完結させたいと思います・・・・・。
本当は今の時間辺りにしたかったことですが・・・本スレ建て、及び作品投下は
明日の夕方以降へと・・・・ああ、情けない。
(できなければ作品のストックがたまるまでここに投稿・・・・)
それでは。
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>>2
訂正です(泣)
【誤】 【正】
有識者に迷惑に聞いてみましょう。 → 有識者に聞いてみましょう
迷惑をかけないように
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今から、葱板にスレッド立てます。
新作は挫折していた前スレの最終作のリメイクです。
ものすごく長くなりましたので、一部向こうに投下して、残りはここに投下します。
尚、これまでの自作品を読み返してみて、結構矛盾が見つかったので、
後ほど、改訂版をここに投下します。
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(二日目 PM4:01 西の森)
「あの……紗霧さん、これは何なのですか?」
西の森に入ってすぐのところで、道中に回収したバッグの一つに入っていた
色とりどりのマジックペンらしき物体を見ながら、小柄でやや幼い水色ショートへアの
少女――ユリーシャはおずおずと尋ねた。
紗霧と呼ばれた、長い黒髪を黒いリボンで束ねた少女――月夜御名紗霧は
手に持った棒状の物体をどこか不満げな様子で見つめる。
「もしかしてハズレなのかな?」
と、そう言ったのは気絶したままの茶色の髪をした西洋剣士風の青年ランスを、
時たま羽を生やした右の方へぐらつきながらここまで運んだ、赤毛のショートカットの
少年(外見は少女)広場まひるである。
彼は同じく道中で回収したある参加者に支給されなかったバッグも背負っている。
「これは多分、筆の一種ですよ。
もし、ただのペンなら役立てるのは難しいそうですけどね」
まひるの後に続いて歩くかすりの着物を着た老人と身体に包帯を巻いた
真面目そうな青年が、自分らと同じように足を止めたのを見て紗霧は言った。
「参加者の支給品かな?」
後ろを歩いていた青年、高町恭也はそう言ってそのペンを見る。
横にいる老人――魔窟堂野武彦の所持品、ヘッドフォンステレオ等のように
彼らの敵である、殺人ゲームの運営者に没収されなかった物品もあったことを
思い出しての意見だった。
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「どちらなんでしょうね?
このバッグには他に道具は入ってありませんでしたしね」
と、紗霧は言ってペンを自分のバッグに仕舞って、また小屋を目指して歩き出す。
森に向かう道中、茂みに捨てられてあった参加者用のバッグに入っていたのは、
色とりどりのマジックペンらしきものが16本入ったペンケース。
ペンケースには18本入るスペースがあったが、入ってあったのは16本。
それを紗霧が目ざとく見つけて回収したのである。
「まぁ…調べるのは小屋に着いてからで良いじゃろ」
と、魔窟堂が言った。
「おもちゃの銃でも意外な物が仕組まれてたな」
と、恭也はポケットの中に忍ばせた鋼糸に触れながら、笑みを浮かべて紗霧に言った。
それにあいずちをうちながら、紗霧は今後のアイテム収集のことを考え始める。
(もう参加者の支給品には期待はできないでしょうね。
やはり『例のモノ』と、鍵の使用場所の特定を急がなくてはなりません)
「おっ?」
そんな紗霧を尻目にランスを担いだまひるが声をあげた。
背に担いだランスが身動きしたからだ。
目を開き始め、頭痛がするのか頭を押さえながらランスは目覚めた。
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(………なんで…俺は担がれてるんだ……?)
目覚めたランスの視界に入ったのは、地面から二メートル近い高さまで自分を
軽々と担いでいる見知らぬ赤毛の少女。
目覚めたランスに気づいたまひるがゆっくりとランスを地面に下ろしていく。
それに注目する10の視線。
ユリーシャが感激の声を上げるも、今のランスにはよく聞こえないし、よく見えない。
(……俺はどうしたんだ?…あのヤロウを殺ったのか……?)
と、ぼんやりと考える。
そして目をこすりながら周囲を見始めた。
「ランスさまっ!!」
「気が付いたようじゃの!」
ユリーシャと魔窟堂は、ほぼ同時に声を上げて、ランスのほうに駆け寄った。
(ユリーシャ……)
ランスはまとまらない思考で何とかその名を思い浮かべる。
そんな彼を周り囲む三人とは別に、紗霧と恭也は数メートル離れて観察する。
そして、ランスは周り囲む三人の姿を認め、言葉を発した。
「ユリーシャ…か……」
「はい……ランスさまのおかげで…こうして…」
安堵の息を漏らすランスに、ユリーシャはにかんだ笑顔で応えた。
(うんうん……恋人同士の再会…いつ見ても感動するシチュエーションじゃわい)
(姫さん良かった……)
そんな二人を見て魔窟堂とまひるは素直に感動する。
「…がはは…当然の結果だ……」
状況をよく把握出来てないものの、そうランスは返答する。
彼は再び周囲を見回し、ユリーシャに尋ねた。
-
「…ユリーシャ…ここはどこだ? それにこいつらは誰だ?」
「あ……ここは島の西の森の中です。
この方々に助けていただきました」
ユリーシャはやや慌てた様子でそれを伝えた。
その説明を聞いた途端、ランスの顔色が変わった。
「助けた…だと?」
「助けられたのはわしらも同じじゃよ、ランス殿
わしの名は魔窟堂野武彦。
我らは主催者打倒を目指して行動しておる。
お主さえ良ければ、ともに戦おう」
自らの首に手を当てながら、穏やかに魔窟堂は言った。
「おいっ、ユリーシャどういうことだ?
俺は…ケイブリスの野郎はどうなったんだ!?」
魔窟堂には目もくれず、半ば怒鳴るような感じでユリーシャに問う。
「そ、それは……」
「………」
「ランス殿、たいした怪我は負っておらんよ。
それにあの怪物はここには居らん。
じゃが、お嬢ちゃんが駆けつけてこなんだら、手遅れになる所じゃった」
「・・・・・・」
首輪を着けてない老人を一瞬、鬱陶しそうに見てからランスは言った。
「駆けつけただと?ユリーシャお前……」
「……ランスさま……」
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(…この人)
まひるは心中でそう呟き、一歩下がった。
ランスの様子に嫌な違和感を感じ始めたからだ。
紗霧と恭也もそれを察したのか警戒し始める。
いまだ違和感に気づいてないのは魔窟堂だけ。
「ランス殿、悔しいのはわかるが…お嬢ちゃんを責めてはいかん」
「じじいは黙ってろ!俺は待っていろと……」
「・・・・・・・」
問うランスに対し、ユリーシャはただ黙って彼の目を見つめている。
「それに野郎の首輪を勝手に…」
たまりかねたまひるは、どういう意味?と言おうとした時。
ユリーシャは口を開いた。
「いろ…と…」
「…………」
まくし立てようとしたランスだったが、彼女の様子に黙り込む。
「………」
「……………」
しばしの沈黙の後、ユリーシャは言った。
「わた…私はランスさまに死んで欲しくありません……だから…だから…言いつ
けを破りました」
目を伏せ、だがしっかりとした様子でランスと対峙するユリーシャ。
「・・・・・・」
そんな彼女にランスは息を飲んだ。
一同は沈黙する。
そしてランスは彼なりに考え、深く息を吐いて言った。
「……でかした…ユリーシャ…」
「!」
彼女は顔を上げる。そしてランスは、
「心配かけちまって悪かったな…」と彼女に言ったのだった。
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(二日目 PM4:10 西の森)
ランスが落ち着きを取り戻し、魔窟堂らは改めて彼と交渉を始めた。
魔窟堂では有利に交渉を進められないと判断した紗霧は前に出て自己紹介をしようとした。
「私は魔窟堂さんのどう…」
右掌を前方に出し、どこか自慢げにランスは彼女の台詞をさえぎった。
「言わなくていい、名前は知っている」
それを聞いて、紗霧は眉間にしわを寄せた。
彼女はゲーム中、自分の素性を他の参加者に極力、知られないようにしていたからだ。
「私は貴方の事を存じませんが?」
「俺様はこの島にいる女の子の名前は全部知ってるのだ」
と、言いつつ紗霧の顔を見つめた。
実はランスはゲーム開始前後、わずかな時間の内に例の教室にいた女性達の内、二人を観察していた。
その二人とはユリーシャと紗霧。
遠くに離れていてよく観察できなかったのと、ユリーシャが自分の前に出発した事もあって、ランスは最初のターゲットを彼女に選んだ。
「…むっ、むむむむむっ!」
紗霧をはっきりと眼前で確認したランスは感嘆の呻き声をあげる。
そして、改めて紗霧を目の前にし、いつものように寸評を入れようととするが、
うまく言葉にできなかった。
ランスの紗霧に対しての評価は決して低い訳ではない。
むしろランスにとって出会った女性参加者の中では最高と言え、
どこがいいのかと問われると、細かく言うのがのがはばかれるくらいだ。
北条まりなの手帳から参加者情報を得た彼は、上機嫌に親指を立てて言った。
尚、当人と魔窟堂を除いた面々が彼の態度に呆れているのに彼は気づいていない。
「と、とにかく!双葉ちゃんグッドだ!!!」
「「「……………………?」」」
「?」
「……………」
「どうした?」
「「「「…………………」」」」
「私の名は月夜御名紗霧です」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
彼はまちがえてた。
-
*
*
*
白けた空気の中、まひるの提案で(なかば強引に)彼らは自己紹介を続けた。
恭也の番が回ってきた。
「この方が高町恭也さんです」
「……………」
「ん?」
ユリーシャの口からまひる達が紹介されてく中。ランスは恭也を見て声を上げた。
「お前は………………………昼の奴か?」
ランスはまだ痛む頭で恭也の事を思い出し、同時に知佳のことを思い出そうとする。
「・・・・・・?」
頭を書きながら恭也と会ったなら、訊きたい事もあるのも思いだそうとするが、思い出せない。
ちなみに恭也の名前を彼は覚えていない。
「ランスさま? お知り合いなのですか?」
「……………」
「……………」
ユリーシャの疑問を他所に対峙する二人。
ランスは恭也の治療痕と他のメンバーを一通り一瞥し、言った。
「おい、知佳ちゃんはどうした?」
「……ここには…いない」
「何?」
二人の間に軽い緊張が走った。
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空気を読んだのかユリーシャは嫉妬することなく、小声でまひるに尋ねた。
「あの…知佳さんって…どちらさまで…」
「えと…恭也さんの恋人だよ」
と、まひるも小声で返答した。
「え?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
今日の早朝までなら、恭也はまひるの発言に照れただろうが、今は状況が違う。
さらにランスの言葉は続いた。
「どこに行ったんだ?」
「…………」
頭を振る魔窟堂。
それを見ているのかいないのか、ランスは恭也の傷を再び見て言う。
「助けにいかんのか?」
「……っ」
恭也の予想だにしなかった、ほぼ反射的に出たランスの問い。
恭也が返答する前に、紗霧がランスに言った。
「その事も含めて、ランスさん貴方に訊きたい事があります」
ランスはゆっくりと振り向き、
「何だ?」
と、答えた。
「ランスさん……単刀直入に言いますが、貴方は我々に協力できるんですか?」
と、表情も語気も穏やかに紗霧は言った。
ランスは紗霧と魔窟堂を見比べる。
「リーダーは誰だ?」
「特に決めておりません」
実際の所、一応は魔窟堂がリーダーである。
ランスの表情がわずかに変わり、口に出す言葉を考える前に、紗霧は更に続けた。
「ランスさん……貴方、今でも男性を邪魔者と考えているでしょう」
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これは怒り、興味、軽蔑、賞賛のいずれの感情が混ざった台詞ではない。
あくまで穏やかに真摯に言った紗霧の問いだ。
紗霧の真意がつかめないランスはすぐに返答できなかった。
理由はそれだけではない。
自身にとって非常に重要な局面に入っているのを直感で悟ったからだ。
「………!」
魔窟堂が紗霧に何か言おうとした。
それを止めようとする手があった。
「!!!」
指を口に当てた、まひるだった。
それを受けて、少し驚きながら魔窟堂は引き下がる。
ランスの本質を前もって知っている、恭也とユリーシャは緊張した様子だ。
特にユリーシャは冷や汗をかいていた。
「……」
ランスは沈黙している。
その行為は問いに肯定したも同然に写る。
魔窟堂が引き下がった直後に紗霧は言った。
「出来る事なら残った参加者全員で対主催者に挑みたい所ですが、足並みが揃えず、我々の行動の妨げになるとどうしようもありません。
その場合、足並みを揃えたユリーシャさんの方がずっと大きな働きができるでしょうし、戦力は現状のままで十分です」
「・・・・・・・!!!」
「!!」
思わぬ言葉に目を見開き、ランスはユリーシャを見る。
ユリーシャは驚きに口を開けていた。
そして我に帰ると、紗霧に向かって叫んだ。
「わ、私はランスさんと一緒でないと、皆さんと行動できませんっ!
ですから、ですからっ……」
と、自分のバッグから首輪解除装置をだそうとするが、いつのまにか手元になかった。
おろおろしているユリーシャを見ながらランスはこれまでの事を考えていた。
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“参加者・運営者を問わず、女は全員犯して俺の女にし、男は皆殺しにする”
それはゲーム開始時のランスのスタンスだった。
彼はこれまで自由奔放に生きてきた。
自らの命を危険に晒した回数など数え切れない。
むしろそれに意を返さず、突っ込み、生還する。
それを可能とする実力も、自信も、悪運もあった。
だが、このゲームに至っては
女性参加者の大半を助けられず、彼について来た同行者二人も失った。
その上、ゲームの黒幕は自分の住む世界の神だった。
認めたくなかったが…彼はそういう自分をとても不甲斐なく感じていた。
かつて…この島に来る前にある国の兵隊に追われ続けた時以上に。
ランスは焦っていた。
「ユリーシャさん、さっきの私に対する彼の反応を見て、何とも思わなかったんですか?」
「……!」
ランスが黙ったままの会話は続き
相変わらず彼にとって、ユリーシャにとって不利な状況が続いている。
まひるがたまりかねて紗霧に何か言おうとしたのと、ランスが“ある覚悟”を決めようとした時、
紗霧は恭也の方へ視線を写して言った。
「高町さん。 貴方にとって彼の力は必要ですか?」と。
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