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【場】『 湖畔 ―自然公園― 』 その3

1『星見町案内板』:2021/08/28(土) 08:40:03
『星見駅』からバスで一時間、『H湖』の周囲に広がるレジャーゾーン。
海浜公園やサイクリングロード、ゴルフ場からバーベキューまで様々。
豊富な湿地帯や森林区域など、人の手の届かぬ自然を満喫出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
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                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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639りん『フューネラル・リース』:2023/01/28(土) 12:41:00
10年に1度の寒波で雪が降り積もった公園
雪をかき集めて作られた小さな家、かまくらが建てられている

「とーれとれぴーちぴち蟹料理♪」

中からは湯気が立ち込め、真ん中には鍋が置かれている
頭部から鈴蘭が咲いている少女、りんが用意した物だ
りんと一緒に鍋を囲んでいるのは>>640

640夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/01/29(日) 16:19:34
>>639

   「『ユキ』だ」

 ダダダダダダダダダダダ

      「『ユキ』だ!!」

    ダダダダダダダダダダダダダ

            「『ユキ』だ〜〜〜〜!!」

                 バフッ

無邪気にはしゃぎ、そこら中を駆け回り、勢い良く雪の中に倒れ込む。
ここまで降り積もった銀世界を目の当たりにするのは、生まれて始めてだ。
ひとしきり新鮮な景色を堪能してから、りんの待つかまくらに入る。

「いや〜〜〜〜スッゴイたのしい!!
 こんなのハジメテだから、アリスもコーフンしちゃったぜ!!
 お??そろそろイイんじゃない??」

      ズ ギ ュ ン ッ

「『あじみ』のコトならまかせとけ!!」

傍らに『人型スタンド』を発現する。
以前りんが目撃した『ドクター・ブラインド』ではない。
輝く金髪とカラフルな光のリボンが特徴的な『ドクター・アリス』。

       「どれどれ??」

          スウッ

手元の箸に『超人的味覚』を移植し、鍋の中に差し入れる。
常人を遥かに超えた精密な味覚によって、
『鍋奉行』の如く煮込み具合をチェックするのだ。
『ユウザイ』か??それとも『ムザイ』か??
『カニナベ』にかくされたカズカズのショウコと、
それらがものがたるシンジツとは??
このナンジケン、『ナベブギョウ』として、わたしがさばく!!

  「ふんふん、ほうほう、なるほどなるほど」

        「――――――『よさそう』っぽいよ」

はんけつは『たべごろ』だ!!

641りん『フューネラル・リース』:2023/01/29(日) 18:35:06
>>640
初めて見た雪にはしゃいで駆け回る
犬かな?

真っ白が広がる冷たい銀世界から、かまくらの中に入ると
雪の中とは思えない温かさを感じる
ど真ん中に鎮座する鍋から発する熱がかまくらの中を温めている

>『あじみ』のコトならまかせとけ!!

「あっ、アリスちゃん
 スタンドちょっとイメチェンした?」

『ドクター・ブラインド』から『ドクター・アリス』になったスタンドを見て言う
スタンドはイメチェンしようと思って出来るものじゃないが
そういう事はよく知らないりんはちょっとお気軽に髪型変えた?程度に聞く

>手元の箸に『超人的味覚』を移植し、鍋の中に差し入れる。

「えっ、それで分かるの?」

ぐつぐつ煮える鍋に箸を突っ込んで味を確かめる
一口に蟹鍋と言ってもいくつか種類があるわけだが
これはカニすきだ

昆布の出汁が効いていて、鍋の底には蟹の甲羅が敷かれている
甲羅からも出汁を取っているようだ
そこに豆腐や葱等のすき焼きの具材と、メインとなる蟹の足はたっぷりと浮かべられている
この蟹はどうやらズワイガニのようだ

ズワイガニの旨味が染み出したカニすきの味を箸が味わう
まさに今が食べ頃って感じだ

「あっ、アリスちゃん蟹酢要る?」

蟹酢で蟹を食べるか、それともすき焼きらしく溶き卵で食べるか

642夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/01/29(日) 19:34:59
>>641

おいしいだけじゃなく、『ダンボウ』もかねそなえているとはかしこいな!!

「イエェ〜〜〜〜ス!!
 そろそろチョットかえてみようかな〜〜って!!」

かつての『ドクター・ブラインド』は、
本体のイメージとは全く似ていなかった。
どこか事務的で無機質な雰囲気が漂っていたのだ。
おそらくは『医者』の要素が強かったのだろう。
それとは対照的に、現在の『ドクター・アリス』は、
客観的に見て本体と重なる部分が多い。
『スタンドが本体に追い付いた結果』と言える。

「アリスの『アリス』はデキるコだから、
 マジでイロイロできちゃうんだなコレが。
 フハハハハッ!!」

「しかも『グルメ』!!
 いいトコのズワイガニをつかってるな〜〜〜〜。
 せがたかくてハンサムで、ネンシュウがよくて、
 タワーマンションぐらしってカンジのエリートっぷりだ」

         ヒョイッ

鍋に突っ込んでいた箸を引き上げる。
味覚だけ移植しているので、熱さは感じない。
たとえグツグツ煮えたぎっていたとしても、
純粋に味だけを調べられるのだ。

「ドッチもすてがたいけど、まずはナニもナシで、
 『そざいのよさ』をタンノウしよう」

         ソッ

カニの脚を一つ掬って身を取り出し、少し冷ましてから口の中に入れる。
ついでに、自分自身に『超味覚』を移植。
これにより、まるで『グルメ評論家』のように、繊細な分析を行う事が可能だ。
食材本来の旨味を、細部に至るまで味わう事にしよう。
りんちゃんレストランの『ホシ』はいくつになるかな??

643りん『フューネラル・リース』:2023/01/30(月) 16:22:29
>>642
「アリスちゃんは通だねぇ〜」

カニ脚を口の中に入れる
ズワイガニは柔らかいのが特徴だが
よく煮込まれているからか、更に柔らかくなっており
一口で簡単に身がほぐれてしまう
繊細な蟹の味に昆布が効いた出汁を吸った身は
何もつけなくてもしっかりとした味があって美味い

りんも夢見ヶ崎に倣って、そのままの蟹を味わってみる

「あち…」

夢見ヶ崎と違って冷まさずに食べたためにちょっと熱かったが
熱いが故に美味さも増す

「美味しいねズワイガニ」
「かにかまも美味しいけど、やっぱりたまには本物も良いよね」

最近のかにかまは非常に完成度が高く
高価な蟹を買うよりもかにかまの方が良いという意見が多い
実際、品質のハズレの蟹よりかにかまの方が美味かったりするのだが
カニすきにするのならやはり本物の蟹でなければ出来ないだろう

「よし、次は特製蟹酢で…」

そのままの蟹を味わったりんは
蟹酢に刻んだ鈴蘭を加えた物を特製の蟹酢を出す

644夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/01/30(月) 18:54:05
>>643

「――――――『ウマい』!!」

昆布ダシの旨味とズワイガニの甘味は至高の組み合わせ。
それを『超人的味覚』で味わう。
お口の中はパラダイスだ。
全国各地のありとあらゆるお祭りが、
いっぺんに開催されたかのような大盛り上がり。
まさしく『食のエンターテイメント』!!

「ホシ『いつつ』といいたいトコだけど、
 さらにオマケして『むっつ』あげよう!!」

          ビシィッ

『ドクター・アリス』が、両手の指を3本ずつ立てる。
グルメでユウメイな『アリスのアリス』も、
これにはナットクせざるをえない。
りんちゃんレストラン…………あなどれないな…………!!

「さいきんのカニカマはリアルだもんな〜〜〜〜。
 ホンモノとイッショにしても、ゼンゼンわかんないもん」

    「でも、わたしだったらわかっちゃうね!!
     なんたって『アリス』だから!!」

カニカマと同じく、近年のコピー食品は非常に精巧に出来ている。
大豆を使った代替肉など、本物と見分けがつかない物も少なくない。
しかし、『超人的四感』を用いれば、ほとんどの品を見破る事が出来るのだ。

「『ミネラルウォーターのシュルイあて』とか、けっこうトクイだしさぁ」

        ヒョイ ヒョイ ヒョイ

喋っている間も箸を動かす手は止まらない。
カニだけでなく、ちゃんとネギや豆腐も小皿に取っていく。
よく味が染みているだろう。

  「あ、わたしも『ソレ』で――――」

          チラッ

     「いや、やっぱ『フツーのヤツ』でイイや」

一瞬、『特製カニ酢』をもらおうとしたが、
超人的な嗅覚が『不穏な匂い』を嗅ぎ取った。

        トポポポポ

よって、『普通のカニ酢』でいただく。
カニと他の具材を交互に味わっていこう。
ナベのダイゴミだ。

645りん『フューネラル・リース』:2023/01/31(火) 18:42:21
>>644
特製カニ酢に混じる鈴蘭の匂いを嗅ぎ取り回避する
何でも試してみるチャレンジ精神は大事だが
それで命を落としてはどうしょうもない
今の所、鈴蘭を食べられるのはりんだけの特権だ

>ホシ『いつつ』といいたいトコだけど、
>さらにオマケして『むっつ』あげよう!!

「えへへ、6つももらっちゃった〜」

限界突破した数値の星をもらいご満悦のりん
まぁ鍋なんて、余程変な作り方しなきゃ不味くする方が難しいのだが

>さいきんのカニカマはリアルだもんな〜〜〜〜。
>ホンモノとイッショにしても、ゼンゼンわかんないもん

「人間って面白いよね〜、本物の蟹が高価だからって
 蟹もどきを作って本物より美味しいの作っちゃうんだから」
「偽物が本物を超えるって…何かかっこいい!」

中々食べる事が出来ない食材に似せたもどき料理が、時に本物を超える事がある
人間の食に対する拘りに感動するりん
まぁ尤も、雁とがんもどきとかお前味覚障害か?ってくらい似てない物もあるが

>『ミネラルウォーターのシュルイあて』とか、けっこうトクイだしさぁ

「あっ、それならうちも得意だよ!
 水の事なら自信あるからね!」

花なので水に拘りのあるりん
りんも全国の水を飲み比べをした事があるくらいだ
この鍋の水も、カニすきに合う水を態々厳選して用意したのだ


シャクシャク


そんな会話をしている間にも、蟹や野菜は二人の胃袋に飲み込まれていく

「ぷはぁ〜、やっぱり鍋にはこれだね〜」

いつの間にか御猪口に入った熱い透明な飲み物を飲んでいるりん
鈴蘭が散らされたそれを飲むりんの頬は仄かに赤く染まっている

646夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/01/31(火) 20:07:44
>>645

カニすきは素材の長所を活かすシンプルなメニューだ。
誤魔化しが効きにくい。
鍋料理は単純ではあるものの、それゆえの難しさもある。
このカニすきが美味なのは、りんの手際が良かったからなのだろう。
『超人的味覚』というフィルターを通しているからこそ、
普通は気付かない些細な違いも明確に分かる。

「おっ、ココにも『みずソムリエ』がいたかぁ〜〜〜〜。
 りんちゃんの『オススメのミズ』とかあったら、こんどおしえてよ」

      「アリスには『チガイがわかる』!!」

かまくらの外に広がる雪景色を背景に、もりもり食べていく。
もちろんカニは美味いが、豆腐やネギも美味い。
途中から溶き卵を絡めて『味変』し、さらに楽しむ。

   「ナニそれ??」

            ――――チョンッ

未使用の爪楊枝を取った『ドクター・アリス』が、そこに『超味覚』を移植。
先端部分を御猪口の水面に触れさせて『味見』する。
これが体内に入ったら大変な事になるが、実際に飲む訳ではないので安全だ。
そんな事をせずとも『超嗅覚』を使えば、大体の見当はついたかもしれない。
わざわざ味を見る事を選んだのは、『好奇心』からの行動だった。

「あ!!りんちゃんってスマホもってる??
 『レンラクサキこうかん』しようぜ!!
 トモダチはイッパ〜〜〜〜イほしいから!!」

         ゴソッ

ポケットからスマホを取り出す。
『不思議の国』に導いてくれる『白ウサギ』は、多ければ多いほど嬉しい。
そもそも、目の前にいるりん自体が、大いに興味をそそられる存在なのだ。

647りん『フューネラル・リース』:2023/02/01(水) 18:31:41
>>646
如何にりんが水マニアで水に自信があっても
『超味覚』を持つ『ドクター・アリス』には敵わないかもしれない
その『ドクター・アリス』の『超味覚』を移植された爪楊枝が
御猪口に注がれた鈴蘭酒を味見する

好奇心は猫をも殺すというが、
危険を冒さずに好奇心だけを満たす事が出来る
『ドクター・アリス』はなんと便利な事か

爪楊枝を通して味わう液体の味は、
すっきりとして雑味が無い清酒に、じっくりと漬け込まれた鈴蘭の味が溶け込んでいて
人間にはやや刺激がある味わいかもしれない
これは毒の味なのか?植物の青臭さなのか?

>『レンラクサキこうかん』しようぜ!!

「いいよぉ〜、しようしよう!」

ほろ酔い気分で少しテンションがおかしくなっているりん
かまくらで一緒に鍋を突く仲なのに、未だに連絡先も交換していなかったというのも変な話だが
鈴蘭柄のカバーに入ったスマホを取り出して連絡先を交換する

鍋の減り具合を見て、そろそろ頃合いかなって感じの顔で

「そろそろシメ入れようかな
 雑炊とうどん、どっちにする?」

648夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/02/01(水) 20:05:35
>>647

もしかすると、りん以外が『鈴蘭料理』を味見できたのは、
今回が初めてかもしれない。
他の感覚と比べて汎用性に乏しい為に、
『超味覚』が活かされる機会は少なかった。
その代わり、特定のシチュエーションにおいては、
絶大な威力を発揮する。

  「ん〜〜〜〜〜〜」

    「なんとなく『ピリッ』とするような…………。
     コレがウワサの『スズランあじ』か??
    『スリリング』なフウミがするな!!」

普通なら死んでいる所だが、
『未知の味』を感じられて満足した。
試してみようと思えば、
あらゆる毒物を安全に味見する事が出来る。
別の意味で、これも『食のエンタメ』と言えるだろうか。
ただ、明らかにマズいものを好んで口にしたいとは、
さすがに思わない。
それでは娯楽ではなく苦行になってしまう。

「――――よし!!また『ウサギ』がふえたぞ!!」

連絡先の交換を済ませ、満足げに画面を眺める。
ちょくちょく一緒に遊んでいる『ナイ』の連絡先も、
知ったのは最近になってからだった。
目の前に対する興味が先行しがちな為、
その辺りを忘れる事が多い。
ちなみに『ハナがはえたウサギ』はめずらしいぞ。
『ウサギがはえたハナ』にもまけないくらいレアだ。

「せっかくだしさぁ、
 かるくうどんをたべてから、
 ぞうすいでシメるっていうのは??」

どちらも定番なだけあって、難しい選択だ。
幸い、まだ胃袋には余裕がある。
いいカニを使っているし、いっそ両方味わってみたい。

649りん『フューネラル・リース』:2023/02/02(木) 18:10:37
>>648
>コレがウワサの『スズランあじ』か??
>『スリリング』なフウミがするな!!

「分かる?分かる?
 鈴蘭の味!ちょっと刺激的で良いよね〜!」

初めて鈴蘭の味を人間と共有出来た事に
ほろ酔いで判断能力が鈍っているりんは気付いていない
もし素面だったら、初めて鈴蘭を味わってもらえた事にもっと感動しているかもしれない
りんがこの事実に気付くのは、この出来事からもうちょっと後の事だった

>せっかくだしさぁ、
>かるくうどんをたべてから、
>ぞうすいでシメるっていうのは??

「おぉ〜、いいねそれ
 二兎追うものは二兎とも取れだね!」

昔見た特撮番組からの引用だが、意味が合っているかは微妙な所だ

カニすきの残り汁に、真っ白で美しいうどんが投下される
標準の物よりもやや細目で、この後雑炊をする事からちょっと少な目だ

グツグツ グツグツ

しばらくすると、白いうどんはカニすきの汁を吸って色が染まって行く
もちもちのうどんも良いが、煮込まれてとろとろに柔らかくなったうどんもまた美味い

650夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/02/03(金) 00:48:07
>>649

一見さり気ない光景に思えるが、
『超味覚』の底力が遺憾なく発揮された瞬間だった。

  「――――ぼちぼちイイかな??」

        ズズズズズ

          「『ウマすぎる』…………!!」

カニと昆布の合わせダシを吸ったうどんを皿に取り、
遠慮なく啜る。
常識的に言って、これがマズい訳がないのだ。
柔らかくなったうどんは食べやすく、
スムーズに喉を通り、胃の奥に流れ込んでいく。

「ジャンジャンもりあがってきた!!
 ラストの『ぞうすい』いっちゃおう!!」

最後に待ち受ける『カニ雑炊』に、否が応でも期待が膨らむ。

      「と、そのマエに――――――」

            ピッ

  「りんちゃんにアリスからの『プレゼント』だよ」

『ドクター・アリス』が、りんに『超味覚』を移植する。
常人離れした精度の味覚を獲得したりんは、
『カニ雑炊の旨味』を、存分に堪能する事が出来るはずだ。
ただでさえ美味な『シメ』を、心行くまで味わい尽くせるだろう。

651りん『フューネラル・リース』:2023/02/03(金) 18:25:47
>>650
あっという間だ
ものの数分でうどんを平らげてしまった
柔らかく煮込まれたうどんは胃にも優しく、シメとしては最適だった
だが、本当のシメはこれからだ

>りんちゃんにアリスからの『プレゼント』だよ

「?」

『ドクター・アリス』に何かをされたが、
何をされたのかはこの時点では分かっていない
何も知らずにいきなり『超味覚』でカニ雑炊を味わったら
あまりの美味さにショック死してしまうかもしれない
それぐらい、これから食う雑炊は美味い…!

「よく分かんないけどありがと〜」

取り合えず、何かしてもらったという事だけは分かったのでお礼を言うりん
何のお礼かは分かってない

「じゃあ、最後行くよぉ…!」

このかまくらを構成する雪と同じくらい白く美しい白米
それを鍋に投下し、そこに少量の日本酒を足していく
もし食べるのがりん一人だったら、鈴蘭酒を入れていた所だが…

そして最後に、残しておいた蟹味噌を加える!
蟹味噌をここまで温存しておいたのは、最後の勝負にかけるためだった

蟹と昆布出汁の旨味、そして溶け込んだ蟹味噌と絡まったカニ雑炊

「うへへ、いただきま〜す」

器に盛ったそれに、溶き卵をかけて口の中に入れる
『ドクター・アリス』に移植された『超味覚』でいきなり味わうそれに、
りんの精神は耐えられるだろうか?

652夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/02/04(土) 17:04:49
>>651

や…………やりやがった…………!!
意外ッ!!それは蟹味噌!!
濃厚なコクが、カニ雑炊のポテンシャルを最大限に引き出し、
これでもかというくらいに旨味を底上げさせる。
まさに『シメ』と呼ぶに相応しい究極の一品が完成した…………!!
もし美味さのあまり死人が出たら、
『鍋奉行』として事件を解決せねばなるまい。

「『アリスとくせいスパイス』をプラスしといた!!
 さっき『スズランあじ』おしえてもらったからさぁ。
 『いままでタイケンしたコトのないアジ』を、
 りんちゃんにもおしえてあげたいとおもって」

   「ヒトコトでいうと、
    『しょくのエンターテイメント』ってヤツだな!!」

ただでさえ『絶対に美味い』と思えるカニ雑炊を、
『超人的味覚』で味わう…………。
普通なら『美味い』で終わっていたかもしれない。
しかし、今のりんは『超味覚』の力によって、
雑炊を構成する要素の一つ一つに至るまで、
精密な分析が可能になっている。
一口食べた瞬間、その『凄まじさ』を理解できるだろう。
最初のカニすきの段階で、
『全国各地のお祭り』が一斉に始まったような勢いがあった。
しかし、最早そんなレベルを遥かに越えている。
ありとあらゆる『世界中のお祭り』が、
全て同時開催されているかのような『壮絶かつ鮮烈な美味』!!

「コレ、オイシイね〜〜〜〜!!
 こんなウマいゾウスイはじめてたべたよ〜〜〜〜。
 りんちゃん、どう??」

りんと同じように、溶き卵を加えたカニ雑炊を頬張る。
こちらは常人の味覚なので、
単純に『美味い』で終わっていた。
それでも十分な旨さを感じられるのが、
『りん特製カニ雑炊』の素晴らしい所だ。
マフユのカマクラにオープンした『りんちゃんレストラン』。
さいしょのキャクとしてやってきたのは『びしょくかアリス』だった。
ふたりのサイカイがうみだしたのは、
『キュウキョクのカニぞうすい』…………!!
グルメしじょうにのこる、
ショウゲキのラストシーンをみのがすな!!

653りん『フューネラル・リース』:2023/02/05(日) 17:55:28
>>652
「スパイスかぁ〜、雑炊に合うかな…」

ちょっと不安を感じながら匙を口に入れる

「!!??」

美味い料理はただ一言、美味いの一言で済ませれば良い
しかし、『超味覚』によって研ぎ澄まされた味蕾は
食材一つ一つの味を敏感に感じ取り分析を始めてしまう

身、殻から滲み出す蟹と昆布の海の味わい
忘れてはいけない脇役、豆腐や野菜
そこに蟹味噌が溶け込む事でコクが一段と増している
それら全てを受け入れる白米の懐の広さ
そんな白米を包み込む優しさを見せてくれる卵
全てが絶妙に調和が取れた最強の雑炊だ
大袈裟な表現だが、舌が敏感になったりんにはそう感じられた

「これ、どんなスパイス入れたの?
 手が止まらないよ!」

一口一口をしっかりと味わいながらも、雑炊を口に運ぶ手は止まらない
目をグルグルさせながら残る雑炊を食べ勧めていくりん

やがて雑炊は無くなり、最後の一口を名残惜し気に口にする

「…うち、人間やって良かったって思うよ…」

予備知識無く与えられた『超味覚』はりんには刺激が強く、
天に昇るかのような感覚を覚え昇天―――気絶した

ここまで食事を楽しめる生き物、人間以外に存在するか?
改めて人間って良いなと思うりん

死ぬ時は美味しい物を食べて幸せに死にたいと思いながら眠りにつくのだった


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