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【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』 その2

1『星見町案内板』:2021/02/26(金) 23:24:39
今世紀に建造された『東海地方』を対象とする集約電波塔。
低層エリアには『博物館』や『ショッピングモール』が並び、
高層エリアの『展望台』からは『星見町』を一望出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
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                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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前スレ:
【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647744/

656朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/12(日) 18:54:05
「ちょっと大きいなこれ…
 まぁ大丈夫だよね。
 あとは…ケーキかな。買うのは」
涙音はそう言ってスカイモール内を歩いていた。
その手にはカーネーションの花束を抱えており、前がよく見えないようである。

「おねぇちゃん、ちゃんとまえをみてね!
 おねぇちゃんはいつもあぶないけど、『ふちゅーい』のときはさらに危ないです!」
隣には涙音よりも年下のような少女。
涙音の妹である。

「大丈夫だってー。
 私はここ最近ツイてるんだから。
 というかなにがこようが華麗に避けてみせるってば!」
涙音はよくわからない自信を見せながら歩いている。
が、前はよく見えていなさそうだ。

657美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/13(月) 19:31:41
>>656

『店』を探しながら歩いていた。
ちょっと余所見した直後、ぶつかりそうになってしまい、その手前で立ち止まる。
目の前いっぱいに広がっているのは、まるで花畑のような光景だ。

  「おっとっと――――」

        「あら、涙音さんじゃない。こんにちは」

               ニコッ

見知った相手である事に気付き、笑顔で挨拶する。

     「こんにちは、お嬢さん。妹さん?」

それから身を屈め、涙音の隣にいる小さな少女に向き合った。

658朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/13(月) 20:39:21
>>657
「む、おねぇちゃん、前に人がいるんです!」
前方を確認していた妹が声を上げた。

「おっと、っと…!!」
思わずぶつかりそうになったのを感じたのか
涙音は足を急激に止める。

「あぶなっと…!!」
どうやらギリギリでぶつかるのを回避できたようだ。
かなり近くまで来ていたが、接触はせずに済んでいる。

「あぁ、すいませんその…
 前がよく見えなかったもので」
涙音がそう言って花束越しから前を見る。

「あっ、くるみさんじゃないですか。
 どうもこんにちはー。」
知り合いだったことにどこかホッとした表情を浮かべた。
ちらりと、妹の由楽を見て、答える。

「その子は私の妹です。
 名前は…」

由楽「はじめまして、おねーさん。
    ゆらと言う名前なんです!」
そう言って由楽は丁寧にお辞儀をした。

由楽「おねーさんは、おねぇちゃんとおともだちなのですね?」

659美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/13(月) 21:48:37
>>658

『魔法使い試験』が始まった時、最初に声を掛けたのが涙音と笑美だ。
あれから色々と奔走して、限りなく『完成』に近付ける事が出来た。
それに関しては言えないが、心の中では大いに感謝している。

「お姉ちゃんのお友達で、お母さんともお友達よ。
 少し前に、一緒にお出掛けした事もあるの」

「由楽ちゃんはしっかりしてるのねぇ。
 私は『くるみ』。良かったら仲良くしてね」

幼いながら礼儀正しい仕草を見て、こちらからもお辞儀を返す。
涙音に妹がいたとは知らなかった。
『試験』を控えている状況もあり、一瞬『スタンド』の事が頭をよぎる。
笑美と涙音が『スタンド使い』なら、由楽にも可能性があるかもしれない。
しかし、既に『材料』は揃っているし、自分から言うのは止めておいた。

「涙音さん達は『母の日のプレゼント』ってところかしら?」

カーネーションの花束に視線を移し、思い浮かんだ直感を言葉にする。

660朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/13(月) 22:33:10
>>659
由楽「おかぁさんともおともだちですか!
    ぜひ、ゆらともおともだちになってほしいんです!」
どこか嬉しそうな表情で由楽は駆け寄っていく

涙音「ちょっと由楽、初対面なのにそんな急に…」
由楽「おねぇちゃん、なんの問題もないと思うの!
    おねぇちゃんとおかぁさんのおともだちなら、きっといい人です!」
涙音は少し申し訳無さそうにくるみに頭を下げる。
由楽は初対面の人であろうとお構いなしに声をかけているのだろうか。
姉と母の友達であると聞いて、すぐにでも仲良くなりたそうである。

由楽「おねーさんはくるみというのですね。
    ゆらはくるみも大好きです!なので仲良くします!」
そう言って握手しようと手を伸ばしてくる。
多分大好きというのは、ナッツの方のクルミのことだろう。

涙音「ええ、はい…とりあえずカーネーションは購入しまして、
    あとはお祝いのケーキでも買おうかなというときなんですけど」
チラチラと花束の向こうから涙音の顔が見える。

由楽「おそらくおねぇちゃんはちょうどいいケーキを買いに行こうとしているんです。
    お花がいっぱいなおかげであんまりちゃんと歩けてないです。」

661美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/13(月) 23:17:42
>>660

由楽には気付かれないように、涙音に向かって笑いかける。
純粋な好意を持ってくれているのだから、積極的に来られても悪い気はしない。
こういったコミュニケーションは、丁度いい気分転換にもなるだろう。

「あはは、私も『クルミ』は好きよ。なんだか私達って気が合いそう」

           ――――――キュッ

      「お友達の印に握手しましょうね」

由楽の手を取り、優しく握手する。

「それじゃあ、お母さん思いの二人に私からのアドバイス!
 『クルミを使ったケーキ』なんてどうかしら?
 一番のオススメは『クルミとコーヒークリームのケーキ』だけど、
 由楽ちゃんも食べるなら『クルミ入りのチョコレートケーキ』がいいかもしれないわ」

       ピッ

人差し指を立て、すぐ近くにあるケーキ屋を指し示す。
店頭のショーケースには『クルミを使ったケーキ』が並べられていた。
時々そこを歩くのだが、自分と同じ名前なので、自然と覚えてしまったのだ。

662朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/14(火) 00:06:55
>>661
涙音「フヒヒ、どうも。」
涙音も返すように笑いかける。
何だかんだ仲が良いのは確かだろう。

由楽「おー、くるみおねーさんも好きなのですね。
    これは仲良しどうしになれます!」
そう言ってきゅっと握手をし返した。

由楽「お友達どうし、さらに好きなものが一緒どうしの握手です!」
彼女の表情はなかなか嬉しそうであった。

由楽「クルミのケーキですか!」
くるみの提案を聞いて、由楽はまた目を輝かせる。

涙音「あーそれ、とても良さそうですね。
    幸いうちにはそういうアレルギーの人はいませんから。
    きっと由楽にとっても嬉しいことだと思いますよ。」
ちらりと涙音が顔をのぞかせて答える。

由楽「そうと決まったら、『でんわいそげ』ですよ!
    さぁいくのですおねぇちゃん!」
グイグイと、由楽が涙音を引っ張り出した。

涙音「わ、ちょっと待ってって…
    全く…スタンドさえ使えたら…」
危うく躓きそうになりながら涙音は由楽に引っ張られている。
結構人がいる場所ではスタンドが使えず困っているようだ。

663美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/14(火) 16:10:13
>>662

微笑ましい光景だが、これでは少々危なっかしい。

「あはは、由楽ちゃんの言う通り『善は急げ』よ」

         ス ッ

「だから、その花束は私が持っていてあげる」

空いている両手を涙音に差し出し、彼女の代わりに花束を抱える。
そうすれば二人はケーキに集中できるだろう。
これで問題解決だ。

「ただし、私の買い物にも付き合ってもらおうかな。
 ちょっと二人の意見を聞いてみたいから」

ここに来た目的は『それ』だった。
『魔法使い試験』の為に用意したい物がある。
何にするかは決めてきたが、せっかくなので二人の感想も欲しいところだ。

「でも――――先にケーキを買っちゃいましょう」

クルミのケーキは幾つか種類があり、さっき言った二つも陳列されていた。

664朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/14(火) 18:08:09
>>663
涙音「あっ、どうもありがとうございます…
 すいません、こんな大きいのを…」
差し出された両手に花束を渡し、涙音は頭を下げた。

由楽「おねぇちゃん、くるみおねーさんはとてもいい人。
    すごく感謝するのがよいです!」エッヘン
涙音「って、そこで何で由楽が偉そうにしてるのよ。
    くるみさんと先に友人になったのは私であって…」
少し嬉しそうにふんぞり返る由楽と、どこか呆れたようにツッコミを返す涙音。
話し方から見ても、仲の良い姉妹のようである。

涙音「意見…って一体?」
少し首を傾げる涙音であったが

由楽「あとできく!でよろしいですね!
    ほら、いくのおねぇちゃん!」
涙音「わ…っと…」
と、質問に対し割り込むように由楽は涙音を引っ張っていく

665美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/14(火) 19:34:11
>>664

まだ小さいせいもあるだろうが、由楽は笑美や涙音とは毛色が違う。
初対面の相手にも礼儀正しく、物怖じしない堂々とした性格は、
なかなか『アイドル向き』かもしれない。
ただ、さすがに年齢が若すぎる。
しかし、方向性としてはアリだった。
高宮や林檎と被らないようにする為には、こういうタイプをスカウトするべきか。

「それについては後でね。さぁ、『プレゼント』を選んできて」

心中で考えを練りながら、花束を持って後ろに下がり、二人の買い物が終わるのを待つ。
その間、涙音の服装を見ていた。
正確にはポケットから溢れる『開運グッズ』を。

「――――何を買うか決まった?」

しばらくして、カーネーションの隙間から覗き込み、涙音と由楽に声を掛ける。

666朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/14(火) 20:46:21
>>665
由楽「りょーかいでっす!」
涙音「分かりました、それじゃあちょっと待ってください」

二人はクルミのケーキに視線を向ける。

由楽「ゆらはコーヒーというものに興味が…」
涙音「いや、そういうのはカフェオレを飲めるようになってからのほうが…」
由楽「む、おとなの味はゆらにはまだ早いということで…」
涙音「背伸びするのはお姉ちゃんくらいの年になってからね…」

色々と相談をしている様子である。
由楽はちょっと大人びたい年頃なのだろうか。


由楽「ふむ、ここはぜんいんがしあわせになれるチョコレートケーキを選ぼうと思うんです!」
くるみに対して由楽が答えた。
色々話をして納得したんだろう。

涙音「ちょうどホワイトチョコのやつもあるみたいですし、コレにしようかと。」
そう言ってホワイトチョコのくるみケーキを指さした。

667美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/14(火) 21:32:05
>>666

由楽と同じぐらいの頃、美作は引っ込み思案で大人しい性格だった。
転機が訪れたのは、入院中に時間を持て余し、『ラジオ』を聴き始めた時だ。
パーソナリティーの声に励まされ、退院を迎える頃には何かが変わっていた。
少しずつ積極的になり、自己表現に対する欲求が目覚めたのだ。
その結果、ついに『アイドル』としてデビューするに至った。

「コーヒーの味を楽しむのは、ちょっと由楽ちゃんには早いかもねぇ。
 でも、チョコレートケーキも美味しそうだし、それでいいんじゃないかしら。
 きっとお母さんも喜んでくれるわ」

二人が会計を済ませた後で、ポケットから『名刺入れ』を取り出す。

「私の買い物なんだけど、アクセサリーを作ろうと思ってるの。
 大きな仕事を控えてるから、『成功祈願のお守り』としてね」

名刺入れの中から出してみせたのは『鈴蘭の押し花』だった。
以前、『キーホルダー』と交換で、『りん』から受け取った物だ。
これは『彼女の一部』であり、『魔法の産物』と言っても差し支えない。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1614349479/330-331

「『お友達』からもらった『押し花』を、アクセサリーに加工したいのよ。
 それで、どんなのがいいか意見を聞きたいんだけど…………」

押し花を見せながら、涙音と由楽に問い掛ける。

668朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/14(火) 22:59:34
>>667
由楽「ゆらは、こうみえてもお茶のケーキは食べられるんです!おとなですよ!」
また少し得意げな顔になっている
涙音「…アレは結構甘いタイプの抹茶ケーキだったような…
    と、とりあえずコレを買うことにしますね。」
早速注文する二人。

涙音「あら、コレってすずらんの花…
    キレイですね。コレはお友達のものですか…
    …鈴蘭といえば…」
じっと鈴蘭を見つめる涙音。多分彼女にもなにか思い当たるところがあるのだろう。

由楽「わぁ、とてもきれいなお花です!
    ゆらも欲しいです!」
近寄ってきた由楽も興味深そうである。

涙音「成功祈願のお守りですかー。
    となると色合いも考えるのが良いですね。」
そう言ってジャラジャラと自分のお守りの一つを手に取る。

涙音「ピンク色とかスカイブルーとかが一番いいみたいですよ、そういう願掛けの場合は」
どこぞの神社のお守り袋のようだ。スカイブルーの色合いをしている。
由楽「でもおねぇちゃん、こううんになってない。」
真顔で由楽がぐさりとくる一言を告げてきた。

669美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/14(火) 23:51:15
>>668

「…………もしかして『りんちゃん』を知ってるとか?」

涙音の反応を見て、直感的に事情を察した。

「あははは…………でも、お姉ちゃんは、
 由楽ちゃんやお母さん達と楽しく過ごしてるでしょう?
 きっと、お守りが支えてくれてるのよ」

『幸運になってない』というのは、裏を返せば、
『大きな不運にも陥っていない』と解釈する事も出来るはずだ。
いい方向に考えれば前向きに生きていける。
そのような意味を込めて、由楽に微笑みかけた。

「私が考えてるのは、この押し花を透明な素材に挟んで、
 チェーンを付けて『ペンダント』にしようかと思ってるの。
 それから、今の格好と合うかどうかも大事にしたいわね」

美作は『黒一色』で統一したファッションを身に纏っていた。
その胸元に押し花を当てる。
頭の中に描いているのは、大体こんなイメージだ。

「アクセントとして、他の色を取り入れるのはいいアイディアだと思うわ。
 その場合も『鈴蘭』が見えるようにしておきたいんだけど、
 色付きの素材を使うと見えづらくなるのが難点ねぇ」

ジャラジャラと出てきたお守りを眺めながら、思考を掘り下げていく。

「『形』については、何かアイディアはないかしら?」

670朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/15(水) 18:30:04
>>669

涙音「りんちゃん…もしかしてあなたの知っているりんちゃんは…
    こう、頭からスズランの花が生えている女の子ですか?」(自分の頭を指差す)
由楽「む、それはきっと妖精さんです!
    おねぇちゃんは妖精さんともお友だちということになる、と思うんです!」
どうやら涙音の知っているりんとくるみの知っているりんは同じ人物のようだ。
由楽が入っている通り、見た目的には妖精に見えなくもない少女だろう。

由楽「ほう、そのかのうせいはありえるのです。
    おかぁさんはとてもラッキーなので、お守りはおかぁさんの力にちがいないです!」
涙音「いや…普通にご利益があるかと…」
どこか由楽のはっきりという態度には姉である涙音もどこか頭が上がらないようである。

涙音「ふーむ、ペンダントですね。
    そしてくるみさんのファッション…」
じっとくるみのファッションを見ながら考える。

涙音「他の色を取り入れるとなると、
    鈴蘭の色となるべく被らないようにするのが良いですね。
    だとしたら、ちょっと薄めの色合いだと良いかもしれません。
    黒と合わせるならアクセントで明るめにするのも良いかもしれませんね。」

涙音「形となると…押し花を中に収める形にしたりしても良いかもしれませんね。
    おんなじようなスズランの花のデザインを加えてみるのはどうでしょう?」

671美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/15(水) 20:03:13
>>670

「そうそう、その『りんちゃん』よ。
 確かに『妖精さん』に見えなくもないかもねぇ」

頭に鈴蘭の花が生えている。
そんな特徴を持つのは一人だけだろう。
間違いなく『りん』だ。

「りんちゃんとは何度か会った事があるの。
 バレンタインの買い物をしたり、流しそうめんをしたり、
 鈴蘭畑で話した事もあったかしら。
 それからラジオでお喋りした事も――――」

そこで言葉を切り、手にした押し花を、顔の高さに持ち上げる。

「鈴蘭は『幸せのシンボル』だけど、『毒』もあるから注意しないとね。
 でも、昔は『薬』としても使われていたから、
 考え方によっては助けになってくれる」

「『幸運を呼び寄せる』、『不幸は吹き飛ばす』。
 なんだか『どこかの誰かさん達』に似てると思わない?」

今は由楽がいるのでぼかしたが、朱鷺宮親子から聞いた『決め台詞』だ。

「…………鈴蘭の花を模したデザイン」

涙音のアイディアは悪くない。
問題は『どうやって作るか』。
その為には細かい作業が出来る人材が必要になる。

「ありがとう。とっても参考になったわ。
 ところで、これは念の為に聞くんだけど、
 誰か『彫刻』が出来る人に心当たりはない?
 私の『力』じゃあ、ちょっと難しそうだから」

672朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/15(水) 21:24:24
>>671
涙音「あの子は何なのかよくわからない子ですねぇ。
    鈴蘭を入れた食べ物とかを作ったりしてますし…」
鈴蘭は猛毒ということは知っている。
彼女はなんだか平気そうに見えたが。

涙音「そうなんですねー。そんなに何度も人付き合いを…
    あの子は結構友達が多かったりするのかもしれませんね。
    私はつい最近カフェで知り合ったばかりです。
    そこのマスターさんと結構仲良かったみたいですね…」
どこか羨ましそうな様子で答える。

涙音「毒にも薬にもなるか…
    ん、その言葉は…
    …たしかにそうかも知れませんね。」
かつて親子で言った決め台詞を思わせる言葉に
どこか恥ずかしそうな顔をする。

由楽「おねぇちゃん、いまのことばはなんだかいいことばです!
    キメゼリフにするべきです!」
涙音「その…まぁそうするかな…」
どうやら由楽は気づいていないようだ。
少し嬉しそうな顔で涙音が返事を返す。

涙音「参考になれたなら嬉しい限りです。
    …彫刻ができる人かぁ…私はそういうのやったことないですし、
    お母さんはそういうのが趣味ではないし…」
少し悩んだ顔をする涙音、そしてふと顔を上げる。

涙音「うーん、『人』じゃなかったら心当たりがあるんですけど…」
少し意味深な感じで涙音が答える。

673美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/15(水) 21:56:23
>>672

特に求められるのは『エラッタ・スティグマ』のような『精密性』。
それだけではなく『道具』も要るだろう。
例えば『刃物』のような物を持っているスタンドが適しているはずだ。

「それを探すのは私の仕事だから気にしないで。
 『知り合い』を当たってみる事にするから」

今の時点で該当するような人材は思い付かない。
しかし、『知り合いの知り合い』の中に見つかる可能性がある。
見込みがありそうな『知人のスタンド使い』に連絡してみる事にしよう。

「『人じゃない』…………?それって一体…………?」

涙音の言い方に違和感を覚え、その意味を聞き返す。
『夏の魔物』も人ではない存在だったが、そういう話ではなさそうだ。
心当たりがあると言うぐらいだから、コミュニケーションは成り立つのだろうが。

674朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/15(水) 22:51:19
>>673
涙音「まぁ、分かりました。
    でも一応協力させていただきますね。」
由楽「ゆらは『ずこう』がとくいです!」
気をつかうかのように由楽も声をかけてくる。

涙音「ああ、その…私の知り合いにいるんですね。
    彫刻に関するスタンドを持っている人が…
    まぁその、人というよりも…『猫』なんですけどね」
思いついた知り合いというのはどうやら
『猫』のスタンド使いであるらしい。

涙音「確か名前が『ロダン』と言いましたか…
    毛が殆ど無い種類の猫なんです。」

675美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/15(水) 23:23:21
>>674

涙音と笑美の二人からは、既に『情報提供』を受けている。
その時点で十分な協力だ。
しかし、せっかくの厚意を受け取らないのは失礼に当たってしまう。

「あはは――もし見つからなかったら、由楽ちゃんにお願いするかもしれないわねぇ」

もちろん本気で頼むつもりはなく、あくまでも場を和ませる為のジョークだった。

「へぇ、『毛がない猫』…………。
 なかなか興味を引かれる耳寄りな情報じゃない。
 もう少し詳しい話を聞きたいところだけど――――」

          ソ ッ

ずっと腕に抱えていたカーネーションの花束を涙音に返す。

「長く引き留めるのも悪いし、私は行く事にするわ。
 二人からのプレゼント、喜んでもらえるといいわね」

          ニコッ

「今日は色々ありがとう。良かったら、またお話しましょう。
 あぁ、もし『アイドル』になりたがってる子がいたら教えてくれる?」

押し花を名刺入れに戻し、笑顔で涙音と由楽に手を振る。
特に止められなければ、そのまま歩いていくだろう。
『アクセサリー』の材料を買いに向かうようだ。

676朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』+妹:2024/05/15(水) 23:43:02
>>675
由楽「おまかせくださいです!」
と、胸を張りながら答える由楽。

涙音「参考にしていただけたなら幸いです。
    あの猫さんに会えたら良いですね。
   …腕前は保証します。」

やがて、花束を返してもらうとにっこり微笑んだ
涙音「ありがとうございました。
    色々お手伝いいただけたこと感謝します。」

由楽「アイドルですか!じゃあおともだちにきいてみます!」
涙音「はい、私もちょっと探してみますね。
    アイドルか…」
そういった跡で彼女に向けて微笑みかける。

涙音「それじゃあまたお会いしましょう!」
由楽「またおあいしましょー!」
二人は花束とケーキを手に取ると

「「じゃあまたー!」」
二人同時に元気な声で見送っていった

677美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/25(土) 21:58:03

フードコートの一角で、数枚の用紙と向き合っていた。
『本番』までに、この内容を覚えなければならない。
つまり、これは一種の『台本』だ。

「…………どうしたものかしらねぇ」

ふと『小林丈を捜して欲しい』という一抹の言葉を思い出す。
美作は『小林が今どこにいるか』を知らない。
しかし、『最後に行った場所』なら把握済みだ。
以前、朱鷺宮笑美に頼まれて、『電子カルテ』を調べた事がある。
その結果、彼が『旧病棟』に運び込まれた事実を掴んでいた。

(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453646843/332-353)

少なくとも小林丈は生きているのだろう。
それを教えなかった理由は、美作自身が『情報の取り扱いに慎重だから』だった。
そもそも依頼されて行った調査であり、
依頼者の確認も取らないまま、安易にリークは出来ない。

「でも、頼まれたからには手伝わないとね」

情報は簡単に渡せないが、力を貸す事は出来る。
ただし、『魔法使い試験』を含めた『門倉派』の活動も疎かに出来ない。
諸々の仕事が一段落ついたら、また改めて考えてみよう。

「今は『こっち』に集中しないと…………」

テーブルの上には、ハンバーガー・フライドポテト・レモネードが置かれている。
ファストフードのセットメニューらしい。
ハンバーガーは『アボカドチーズバーガー』だ。

678美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/26(日) 17:33:02
>>677

台本をテーブルに伏せて、レモネードに口をつける。
まもなくハンバーガーに手を伸ばしかけたが、その途中で考えが変わった。
ポケットからスマホを取り出し、『門倉良次』に電話を掛け始める――――。

679美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2024/05/28(火) 05:59:39
>>678

遅めの昼食を済ませ、台本を手にして席を立つ。
ざっと暗記したが、まだまだ足りない。
形は違えど『アイドル時代』と同じ。
ただ上手く歌うだけではなく、感情を込めるからこそ訴求力が生まれる。
ここからは『表現力』の問題だ。

「門倉さんも楽しみにしておいて下さいね」

同じく『エンターテインメント』を志す彼の参戦は、一つの波乱となるだろう。
しかし、予想外のアクシデントは望むところ。
越えるべき『ハードル』は高い方が魅力的なのだから。

680名無しは星を見ていたい:2024/06/15(土) 22:12:32
問題名:『強欲の咆哮』
出題者:門倉
主な状況:


「 欲しい欲しい欲しい欲しいィィィ――――


     うわァ〜〜〜〜〜〜ん 」


『ショッピングモール』のフロアで園児が
寝そべりながら地団駄を踏んでいる。困り顔のお母さん。
どうやら、限定販売のおもちゃが買い占められてしまったようだ。

おもちゃを抱え、帰ろうとする明らかな『転売ヤー』の群れッ!
『スマホ』をいじり、すでに転売サイトに登録しようとしている。

雰囲気は冷え冷えで、このままではこの『場』はしばらく使い物にならないだろう。
『スタンド』を用い、この場の空気を暖めるにはどうすべきか―――

詳細:『おもちゃ』の種類や形態、周囲の細かい部分は参加者次第。
   常識的な範囲で自分の有利な設定にして構わない。
必要条件:『スタンド』をしっかりと使おう。
     実行途中で自らの『スタンド名』と『決め台詞』を口に出そう。
備考:『魔法の呪文はおこのみで!』関連の活動です。
  対応いただける方は、以下のURLおよび※の説明をご確認ください。

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1655987686/319

※『朝山』&『木崎』チームのうち、『朝山』が諸事情により抜けたため、
※『門倉』&『木崎』チームとなり、緊急で『魔法使い』の情報や
※小道具となりうる『魔法使い由来のアイテム』の入手先を探しています。

※基本ルールは『妄想クロスワード』の出題に準じますが、『リアル』です。
※上記の問題は『門倉』が『演出』しているものであり、『解決』は、
※『門倉』および『木崎』に『観察される事が前提である』事をご了承ください。

681真雅致 ありや『デビルズインレイ』:2024/06/16(日) 12:49:54
>>680 (『強欲の咆哮』)

本体:強欲で自堕落なだめシスター。
能力:本体の『欲望』を押し付ける『鉄杭』になる、『7匹のハエ』。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/242

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


   「ううっ……!」  ピクッ


 いたいけなキッズの泣き声を耳にして、
 『出品』ボタンを押下しようとする一人の『転売ヤー』の指先が、
 直前でピタリと止まる。
 

  「(ど、どうしましょうぅぅ……)」


 躊躇を見せた『転売ヤー』の正体は、修道服に身を包んだ女。
 つまり……わたくし、『真雅致 ありや』です。
 なんという驚愕の叙述トリック……!


 しばし葛藤にうつむいていたありやだったが……
 やがて一つの覚悟とともに顔を上げ、少年を振り返る。


「わたくし……よんどころなき事情により、
 このような 『悪の売業』 に手を染めてしまいましたがぁぁ……」

 「それでも、目の前で涙を流す子どもを救いたいと願う
  この『良心』だけはぁ……」


「わたくし決して、『悪魔』に売り渡してはおりませぇぇん……!」


         キリッ!


 ミッションの『モチーフ』を『転売行為』と引っ掛けた、
 最高にクールな『決め台詞』を放ちつつ―――
 己が『欲望』の象徴たる『ハエ』を、その手の中に発現する。


「『デビルズインレイ』……!
 主よ、わが罪業を注ぐ鉄杭に、
 どうかわが汚名を濯ぐ機会をお与えくださぁぁい……!」


 祈りの言葉に応じるように、
 ハエは純白の『鉄杭』へと生まれ変わり、
 その切っ先に己の『強欲』が封じられていく。

 そうしてみずからの欲望を抽出した『堕落の杭』を、
 どっかそのへんの迷惑かからなそうな場所に
 『ぶっ刺す』ことで――


 『転売して稼いだお金で競馬したぁ〜〜い』という己の『強欲』を、
ありやは完全に『克服』する。

682真雅致 ありや『デビルズインレイ』:2024/06/16(日) 13:00:50


     「あの〜〜〜……」


 地団駄を踏むこどもの前にしゃがみ込み、
 買い占めたてホヤホヤの特撮ヒーローの限定品を、
 スス……と差し出す。
 (今年は『錬金術師』がモチーフらしいです)


「良かったらこれぇ……
 受け取ってくださぁい……」

  「もちろん、お代は一切いりませぇん……」


 子どもの手をぎゅ……と握り、
 親子に向かって心からの慰撫を込めた微笑を見せる。


「これもきっと、わたくしが理想とする
 『聖職者』に至るための『善行』の一つですからぁ……」


 『堕落』を摘出したこの一時だけ、
 ありやは自らが理想とする『完璧な聖職者』として振る舞える。

 親子を見つめる彼女の瞳は、
 聖母のごとき 『無欲』 の慈愛で澄み渡っていた――……



 それからありやは振り返ることなく、
 静かに一人スカイモールを後にする。


 当面アテにしていた『稼ぎ口』を失ったことで、
 今月もリボ払い生活待ったなしだ。

 だけど―――それでも構わない。
 この星見町から、涙を流す子どもが一人でも減らせるなら。


 モールの出入り口から足を一歩踏み出す。
 その頭上には、迫りくる梅雨の魔の手を追い払った、
 束の間の勝者の青空が広がっていた。


 残り少ない恵みの光にその身を浴しながら、
 ありやは静かに……そして満足そうに、祝福の空へと微笑む。


     ―― 『ニコ』 ――

683『強欲の咆哮』:2024/06/24(月) 23:39:03
>>681-682(真雅致)

『ありや』は自身の欲望と戦い、
『堕落』の欲望を『杭』とし、そこらへんにぶっ刺した!
(ぶっ刺されたペッパーくんは無気力に動かなくなる)

そして欲望を制御した賢者……いや、『聖職者タイム』の
『ありや』は、園児に『おもちゃ』を渡す。

「い、イイイのォ〜〜〜〜ォ!
 お姉ちゃん あッりがとォ〜〜〜!」

『園児』がスキップスキップで喜びを表現する。
親御さんもペッコペッコと『ありや』に礼をする。

『善行』を積んだ『ありや』はそのままその場を後にした。

          ⇒『CLEAR!』

 ……… ……… ………

「見たかい! ゆだねくん。
 やはりというべきか、『スタンド……いや、『魔法』を使う人物が現れたぞ。
 能力は正確には不明だが……逆にそれが謎めいた素材になるかもしれないな。

 ―――ところで、ゆだねくん。
     この『おもちゃ』って本当に高く売れるの?」

『転売ヤー』の群れに紛れていた『門倉』と『木崎』。
『木崎』の駄目な大人を見る視線にも負けず、『門倉』は転売する気満々のようだった。

684マオ『イントロ・マモン』:2024/10/31(木) 23:51:07
時はハロウィン。
星見スカイモールではハロウィンイベントが開催されていた。

そんな中で、少女…六条マオが両親とともにイベントを楽しんでいた。

「ハーッハッハッハー!
 私の名は魔王マオロック!
 私はいたずらなんてちいさいことはしないのだわ!」
いかにも魔王という感じのローブとツノ付きの王冠をかぶったマオは
お菓子をいれる籠を掲げながら声を上げる。

「なので!お菓子をわたしによこすのだわ!!」

685ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/02(土) 23:58:41
>>684

三角帽子にマントを羽織ったプラチナブロンドの少女が歩いている。
どうやら『魔女』の仮装らしい。
だが、マオには分かるはずだ。
それは同じ幼稚園に通うダイアナだった。
エリーを交えた『例の事件』は、記憶に新しいところだろう。

「フフン!マオは相変わらずお子様なんだから」

         スッ

「――――でも、一足遅かったわね?
 わたしはもう『お菓子』を手に入れたわ!フフ!」

得意気に籠の中身を見せると、そこには何個かのお菓子があった。
マオよりも早く来ていたので、先にもらえたという訳だ。
しかし、自慢する程の数でもないので、今からでも十分に追いつけるだろう。

686マオ『イントロ・マモン』:2024/11/03(日) 10:25:06
>>685
あちこちに籠をかざしながら
お菓子をねだるマオだったが…
突然聞こえてきた声に視線を向ける。

「あー!ダイちゃん!」
ダイアナに向けてびっくりしたように指を差してきた。
どうやらお菓子の籠を指さしているようだ。

「む、むむむ…このままではいけないのだわ!
 魔王が負けるわけには行かないのだわ」
そう言って高々と籠を掲げながら声を上げる。

「さぁ!この魔王にお菓子を捧げるのだわ!
 さあー!」
なんだかだんだん必死になり始めているように見える。

687ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/03(日) 18:53:18
>>686

ダイアナは片手に『テディベア』を抱えている。
綺麗なところを見ると新品なのだろう。
『代替わり』したようだ。

「フフン!いくらやってもムダよ!
 さぁ、もっともっとわたしにお菓子を貢ぎなさい!」

    そして1時間後………………

「――――――たくさん集まったわ!
 これだけあればパーティーが出来そうね!」

       チラ

「マオも『まぁまぁ』じゃない。
 もちろん、わたし程じゃないでしょうけれど?フフ!」

イベントは滞りなく終了し、マオとダイアナの籠には、
お菓子がいっぱい入っている。
どちらも同じくらいの量だ。
しかし、もしかすると『差』があるかもしれない。

「なんだったら数えてみてもいいわよ。
 『せーの』で、お互いに1個ずつ出していくの。
 その方が『ハッキリ』するでしょ?」

ベンチに座り、自信満々な顔でマオに『勝負』を持ち掛ける。

688マオ『イントロ・マモン』:2024/11/03(日) 22:18:54
>>687
「負けてはいけないのだわ!
 まだまだ!お菓子をこの魔王にささげるのだわー!」
そう言って必死に掲げながらお菓子を集めていく。
そんな必死な姿勢のおかげか、お菓子をくれる人も増えてきたようだ…

1時間経過…
「ふう…
 これでよし!」
イベントが終わり、どこか嬉しそうな顔で籠を抱えるマオ。
彼女もどうやらいっぱいお菓子をもらえたようだ。
どこか得意げにダイアナを見るが、ダイアナの量もなかなかのようだ。。

「む、ふふふ…いいわよ。
 魔王のほうがすごいってこと教えてあげるのだわ!」
そう言ってゴソゴソと籠を探り始める。

「クッキーが入ってるのだわ!」
そう言って取り出したのはいろいろなクッキーだ。
ハードタイプからソフトビスケット、チョコチップ付きまで色々ある。

689ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/03(日) 23:14:01
>>688

まずは『マオのターン』だ。
次々に出てくるクッキーを見るが、まだダイアナは余裕の表情だった。
自分が負けるはずがないと思っているのだろう。

「フフン!あとで後悔しないことね!わたしの方は…………」

           ゴソゴソ

「――――『キャラメル』よ!ほら、こんなにたくさん味があるわ!」

ダイアナが取り出したのは、数種類のキャラメルだ。
バニラ、シナモン、ラズベリー、コーヒー、オレンジピール……。
多種多様なフレーバーが揃っている。

「そういえば、『スマホ』は直ったんでしょうね?」

マオのスマホは、水没して電源が入らなくなっていた。
『生米に突っ込むと直る』と教えたのだが、どうなっただろうか?
『あの時の写真』も、まだ送れていない。

690マオ『イントロ・マモン』:2024/11/04(月) 19:53:41
>>689
「はふー、キャラメル…とても美味しそうなのだわ。
 でもコーヒーまでお菓子になるのかしら?
 あんな真っ黒でへんなにおいがする飲み物…」
どこか疑問に思う部分もあるようだが
キャラメルに様々な種類があることに驚き、楽しげな反応を示す。
カラフルなキャラメルはマオにはとても魅力的に見えただろう。

「うーん、それじゃあこっちは…」
そう言ってゴソゴソと取り出したのは

「じゃーん!ぐるぐるキャンディーがこんなに!」
取り出したのは3本のペロペロキャンディ。
子供サイズではあるが、それなりの大きさに見えるものだ。

「スマホのこと?
 言われたとおりお米の中に入れてみたのだわ!」
そう言ってニッコリ笑うが

「びっくりしたわ!
 ちゃんと、うごくようになったのだわ!」
そう言ってポケットからスマホを取り出してみせた。
すっかり治ったのかはわからないが、どうやら動くようにはなったようだ。

691ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/04(月) 20:29:04
>>690

ダイアナとしては、自分が教えたのだから直るのは当然だと思っているので、
至って満足そうな顔をしていた。

「直ったなら、この間の写真を送るわよ」

      ――――ピッ

スマホが直ったのなら、写真を送ってもいいだろう。
そう考え、マオのスマホに『あの時の写真』を送信した。
ダイアナとマオとエリーが3人で写っているヤツだ。

「フフ!コーヒーは『オトナの飲み物』だから、
 お子様には分からないでしょうね?まだまだマオには早いわよ!」

そう言うダイアナも、砂糖とミルクをたっぷり入れて、
めちゃくちゃ甘くしたコーヒーしか飲めなかった。
実質ほぼ別物である。
『コーヒー味のキャラメル』が口に合うかは、試してみなければ分からない。

  「うっ………………」

      「フ、フン!それくらいでいい気にならないで欲しいわ!」

マオの『キャンディー』を見て、少し表情が曇った。
これはなかなか強力なカードだ。
対抗する為には、相応の手札を切らねばならない。

       ガサッ

「わたしのは『コレ』よ!ゴージャスでしょ。フフン!」

『ナッツ入りチョコレートの詰め合わせ』を見せ、ほくそ笑む。
ラッピングされた小袋の中に、個包装のチョコが幾つか入っていた。
アーモンド・ピーナッツ・カシューナッツ・マカデミアナッツなど各種ナッツ類が、
ミルクチョコやホワイトチョコでコーティングしてある。

692マオ『イントロ・マモン』:2024/11/04(月) 23:09:25
>>691
「…あっ、どうもありがとう!
 わー、とてもいい写真だわ!」
どうやらちゃんと写真は送信されたようだ。
あの時に3人で撮影した写真がスマホに写っている。
「幼稚園で仲良くお話できたらいいわねー」
そう言って軽く笑って見せる。

「うー、ダイちゃんはとてもオトナなのねぇ…
 私はにおいだけでだめなのに…
 匂いがにがいんだもの!」
どうやらマオはだいぶ苦いのが苦手なようだ。
少し尊敬の眼差しを見せているようだ。

「ふふーん、お菓子といえばこれよね!」
ペロペロキャンディーを掲げながら誇る。
だが、その後に出てきたチョコの詰め合わせを見ると。

「わっ!チョコがいっぱい!
 それにこれって…アーモンドが入ってるの!
 これ、わたしだいすきなチョコのやつ!」
すごく羨ましそうにアーモンドチョコを指差す。
「うーん、とても羨ましい…
 でもわたしだってほかにも…」
そう言ってまたゴソゴソと籠の中を探す。

「あ、ゴージャスならわたしもそうよ!」
そう言って一つの袋を掲げた。
ぶどう、いちごミルク、みかんといろんなフルーツのフレーバーの一口のキャンディがいろいろはいっているようだ。

693ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/04(月) 23:47:58
>>692

尊敬の眼差しを向けられるのはいい気分だ。
ダイアナ自身、本当にコーヒーが飲めるのは、もっと先の話になるだろうが。
それを素直に言えないダイアナだった。

「フフン!そうでしょ、そうでしょ!」

『勝った』と言わんばかりの笑みを浮かべて、思い切り胸を張る。
しかし、マオが持ち出してきた袋が視界に入り、思わず一点を凝視してしまう。
マオが『アーモンドチョコ』を好きなように、
『いちごミルク味のキャンディ』はダイアナの好物なのだ。

(そ、そうだわ!アーモンドチョコと交換すれば!でも…………)

食べたい気持ちはあるが、それを口に出すのは『負け』を認めたことになる。
『どっちが多いか』の勝負なので、別に口に出してもいいはずだが、
何となく負けたような気がするのだ。
ダイアナのプライドが、ギリギリのところで踏み留まらせた。

    「わ、わたしだって!」

                  バッ

ダイアナが手に取ったのは、立体型の『グミ』だった。
コーラ味とソーダ味にメロンソーダ味があり、
『ブロック玩具』の形をしていて、実際に組み立てて遊ぶこともできる。
遊んで食べて、一粒で二度おいしいお菓子だ。

「どう?食べられるだけじゃなくて遊べるのよ。
 これが最新のお菓子だわ!フフ!」

マオの目の前で、ブロック同士を繋げてみせる。
組み立て方によっては、乗り物や動物など色々なものを作れるようだ。
『知育菓子』に近いかもしれない。

694マオ『イントロ・マモン』:2024/11/05(火) 20:58:38
>>693
ダイアナの感じている葛藤を知ってか知らずか
アーモンドチョコを羨ましそうにずっと見つめている。
「それをたべてみたいのだわ…
 うーん、でももったいない…」
自分の持っているお菓子と交互に見ながら
少し残念そうな顔をしている。

「うわー!それはとってもたのしそうなのだわ!」
目をキラキラ輝かせながら、ブロック型のグミを見つめている。
見るからにとても楽しそうというのがうかがえる。

「すごくいいものなのだわー!
 でも、ちょっと食べるのがもったいない気がするのだわ…」
彼女の持っているブロックグミはとても魅力的なものだった。
魅力的すぎて、少し食べるのに遠慮してしまうほどのものである。

「最新のおかしかぁー… 
 わたしのほうにもなにかないかな…」
そう言ってお菓子を漁ってみると

「これ、とかどうかしら?
 チョコレート!」
見るとチョコのパッケージには恐竜の化石が描かれている。

「これは恐竜がはっくつできちゃうの!
 きれいにわらないといけないから、とてもきんちょうするのだわ!たぶん!」
どうやらカタヌキのような遊び方を行うチョコレートのようだ。
上手に割れるかどうか、という楽しみもあるようである。

695ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/05(火) 22:14:50
>>694

『化石の発掘』をイメージさせるチョコ。
どちらかといえば男子にウケそうではあるものの、
ダイアナは昨日『ディスカバリーチャンネル』で『世界の恐竜』を視聴していた。
ゆえに『ダイアナにもウケた』。

「うわぁ!すっごく面白そう!」

       ハ ッ

「フ、フン!まぁまぁ良さそうじゃない。
 それくらいじゃないと、わたしの相手は務まらないんだから」

ついマオに乗せられてしまい、慌てて取り繕う。
しかし、このままでは『決着』がつきそうにない。
勝手に追い詰められたダイアナは、ついに『禁断の手』に打って出た。

「フフ、ここまでついてきたことは褒めてあげる。でも、それも終わり…………」

  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

      「――――わたしの『とっておき』よ!」

            ド ン ッ !

ダイアナが出してきたのは、特徴的な『六角柱』のパッケージ。
『チューインガム』が入っているが、それは『オマケ』に過ぎない。
これは『45年』に渡って愛される『ロングセラー食玩』である。

「フフン!どう?もう『格が違う』って感じでしょ?」

パッケージに印刷されているのは、
『宝石』を思わせるキラキラした『アクセサリー玩具』。
もちろん本物ではなく玩具なのだが、女児の心には強烈に『刺さる』アイテムだ。
しかし、もはや『お菓子勝負』から逸脱している。
だからこそ『禁じ手』…………!
それを使った時点で『ダイアナの負け』だろう。

      「ん…………」

              「…………『ペアフレンズ』?」

詳しく見ると、この中にあるのは『ペア』で身に着けられる『ネックレス』らしい。
ハート型やパズルのピース型、鍵を象ったものなどがある。
今、ちょうど『2人いる』が…………。

696マオ『イントロ・マモン』:2024/11/06(水) 20:56:28
>>695
「うふふふ、すごく良さそうなものでしょう?
 あそべるものだったらわたしもまけてないのだわ!」
そう言って微笑んだ。
どこか得意げであり、なんとなく勝った気分になっている。

「それは…もしかして…
 お菓子!?」
眼の前に取り出されたのはきれいな食玩である。
それはとてもきれいな…宝石のようなアクセサリーだった。
…お菓子がメインの勝負かと思われるが、そんなことよりも

「そ、それわたしがずっとほしいと思っていたやつだわ!!」
ビシッとその食玩を指さしながら答える。

「しかもそれってペア…
 2人分あるじゃない!
 片方…ほしいのだわ!」
すっかり対決のことも忘れてしまい
一気にその食玩の虜となってしまった。

697ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/06(水) 22:57:51
>>696

ダイアナは『勝負が決まった』と思った。
まさしく『トドメの一撃』と呼ぶに相応しい。
だが、ダイアナが考えていたよりも、威力が強烈すぎたようだ。

「ちょ、ちょっと…………!?」

さっきまで自慢しまくっていたが、マオの食いつきは予想以上だった。
その勢いに圧倒されてしまう。
別にプレゼントするつもりで出した訳ではなかったのだが……。

「…………まぁ、そんなに欲しいんならあげてもいいけれど。
 わたしの心の広さに感謝することね!フフン!」

         ガサガサ

さっそく開封すると、『玩具のペンダント』が2つ出てきた。
『宝石を思わせるパーツ』が埋め込まれていて、キラキラ輝いている。
全体は『パズルピース型』のデザインで、くっつけると繋げることができる仕様だ。

「ほら、あげるわよ。『1人で持ってても寂しい』とか、
 そんなんじゃないんだから!フン!」

       ――――チャリッ

鼻を鳴らしながら、片方のペンダントをマオに差し出す。

「その代わり!マオの『いちごミルクキャンディ』と、
 わたしの『アーモンドチョコ』を交換すること!
 イヤとは言わせないわ!」

(フフ!『取引する』なんて『CEO』っぽい感じがするじゃない!)

ここぞとばかりに、お菓子の『トレード』を持ち掛ける。
自分からは言い出しづらかったが、マオが『食玩』を欲しがってくれたお陰で、
話しやすい雰囲気を作ることができた。
『交渉』という行為にも、密かに『CEOらしさ』を感じられて上機嫌だ。

698マオ『イントロ・マモン』:2024/11/07(木) 21:24:37
>>697
「と、とてもほしいのだわ!
 ほんとうに!」
すっかり視線は釘付けである。
どうやらどうしてもほしい、という感じのようだ。

「やった!ありがとうね!
 さすがは『してんのう』こうほね!」
そう言って嬉しそうに頭を下げた。
ダイアナにとっては少し下に見られてるような言い方に聞こえるだろうが
なんだかんだ感謝はしているようで、礼儀正しい様子を見せている。

「うわー、すごいのだわ…
 なんだかパズルみたい…
 わたし、つけちゃおっかなー…」
玩具のペンダントを見て嬉しそうに見つめている。
キラキラしたものが好きなのかもしれない。

「えっ、アーモンドチョコ…もらっていいの?」
以外そうな顔で答える。
マオからすれば、あのキラキラしたペンダントはそれだけの価値があるものなのだろうか

「いいわ!
 このキャンディで良ければ…
 割とある方だからどうぞ!」
そう言っていちごみるくキャンディを3つほど取り出して見せた。

「…これと同じ数もらえるのかしら?そのチョコ…」
少し物欲しそうな顔で答える。

699ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/07(木) 22:45:06
>>698

メッキが施されたペンダントは、『ペアフレンズ』という名前の通り、
友達同士でシェアする事を想定した商品らしい。
税込み300円ちょっとだが、子供にとってはそれ以上の価値がある。
この手のグッズには大人のコレクターもいるので、
いつかはプレミアが付くかもしれない。

「だから、『ならない』って言ってるでしょ!
 わ・た・し・は!『世界で一番』になるんだから!」

具体的な事は全くの未定だが、とにかくそういう予定なのだ。
『4人の内の1人』で満足するつもりはない。
しかし、感謝されるのは悪い事ではないので、さほど不機嫌にはなっていなかった。

「マオは『魔王軍』でもなんでも好きなようにしたら?
 その時は『わたしの軍団』がやっつけに行ってあげる。
 そして『吸収合併』よ!フフ!」

       チャラッ

未来の『事業計画』を語りながら、もう1つのペンダントを首に掛ける。

「フフン!『取引成立』ね!」

マオにアーモンドチョコを差し出し、代わりに同数のキャンディを受け取る。
お菓子を交換するというのも、ハロウィンの楽しみ方の1つだろう。
なんだかんだ満喫できているダイアナだった。

700マオ『イントロ・マモン』:2024/11/08(金) 20:43:38
>>699
「むむー…それならわたしは
 『世界征服』をしてやるんだから!
 そしてわたしが世界で一番になって・・
 あらためて四天王にしてあげるのだわ!」
少し対抗心を燃やしながらマオは答える。
仲良くしたいということはなんとなく伝わるかもしれない。

「わかったのだわ!
 チョコレートとキャンディ…
 これはいい取引だとおもうのだわ」
嬉しそうな顔でキャンディを差し出し
その手にアーモンドチョコレートを受け取ることとなった。
その表情はとてもにこやかである。

「すばらしいとりひきをありがとうなのだわ。
 …これは魔王のそうしょくひんにふさわしいのだと思うわ。」
ダイアナがペンダントを首にかけたのを見て、
マオも釣られるように自分の首にペンダントを付ける。

「フフン、どう?魔王っぽいかしら?」
そう言ってドヤ顔で偉そうなポーズを決める。

701ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/08(金) 22:57:49
>>700

『魔王(ファンタジー)』と『CEO(リアル)』。
どちらも『上に立つ者』であると同時に、対照的な存在だと言える。
しかし、まだ今は2人共『5歳の幼稚園児』に過ぎない。

「フフン!『世界征服』するのは、このわたしに決まってるでしょ!
 わたしの好きな言葉は『権威』・『権限』・『権力』なんだから!
 こうなったら、どっちが先に世界を支配できるか競争よ!」

有り余る対抗意識を漲らせ、自信満々に宣言する。
傍から見ると、結構いいライバル関係なのかもしれない。
本当に世界を征服できるかどうかは別として。

「まぁ、とりあえず今日のところは『一時休戦』にしておいてあげるわ」

       ポイッ

そうこうしている途中で、トレードしたキャンディを口の中に放り込む。
大好きな『いちごミルク味』が口いっぱいに広がり、幸せな気分になれる。
ついニヤけた顔になってしまう程だ。

「…………これってくっつけられるのよね?」

自分の首から下げたペンダントを手に取ると、
目の前でポーズを取るマオのペンダントと見比べる。

「別に『くっつけてみたい』なんて思ってないわよ!
 マオがやってみたいなら、『付き合ってあげてもいい』って言ってるの!」

            ――――――スゥッ

パズルピースを模した『ペンダントトップ』を持ち上げ、不遜な態度で鼻を鳴らす。
実際はダイアナがやってみたいのは言うまでもない。
いずれにせよ、今日という日を彩る思い出の1つにはなるだろう。

702マオ『イントロ・マモン』:2024/11/09(土) 17:57:52
>>701
彼女の自信満々な宣言に
笑顔で目を輝かせるマオ。
「のぞむところ!わたしが先に
 『世界征服』してやるのだわ!
 わたしの好きな言葉は『友情』・『努力』・『勝利』なんだもの!」
マオもまた自信満々に宣言した。
明らかに魔王っぽくない標語であるが、本人は特に気にしていないようだ。

「それじゃあわたしもいただきますするのだわ!」
一粒アーモンドチョコを口に放り込んでモグモグし始める。

「ふふー、とてもおいしいのだわー…
 んー?くっつけられるかっていうと…」
そう言って自分のペンダントを見る。

「みた感じ、くっつけられそうね。
 まるでパズルみたいに…」
そう言って顔を上げると、にっこり笑って答える。

「実はわたしもくっつけてみたいなーって今ちょうど
 思ったところだわ!
 いざ、試してみましょう!」
そう言ってマオもペンダントをつまんで見せる。
そのままゆっくり近づけてきた。

703ダイアナ『オンリー・ガール』:2024/11/09(土) 18:55:07
>>702

いずれ起こるかもしれないマオとダイアナの世界を賭けた全面戦争。
果たして未来の勝者はどちらになるのだろうか。
その結末は神のみぞ知る。

「しょうがないわね!
 どうしても試してみたいんなら付き合ってあげないこともないわ。
 さすがは『支配者の椅子』に座るわたし…………」

       「フフ!」

              ――――――パチリ

2つのピースはピッタリくっついた。
それが『友達の証』であるかのように。
当のダイアナ自身も満更ではないらしく、どことなく誇らしげな顔をしている。

「わたしがあげたんだから大事にしなさいよ!
 なくしたりしたら許さないんだから!」

ある年のハロウィンにおける小さなエピソードは、このような形で終わりに向かう。
今日の思い出は、おそらく2人の記憶に残ることだろう。
成長していけば、いつかは忘れてしまうかもしれない。
だが、きっと思い出す日は来る。
この玩具のペンダントを見つけたなら――。

704マオ『イントロ・マモン』:2024/11/09(土) 20:19:10
>>703

将来二人は激突することになるのか
それともどっちかが先に折れるのか…
それは誰にもわからない。
「ふふーん、ありがとうなのだわ!
 ただし、その支配者のイスは、このわたし…
 『魔王』のすわるべきものなのだわ!
 その時になれば、どうなるかすぐに分かる!のだわ!」

そう言ってペンダントを

 パチリ…
と合わせてみせた。
その2つはきれいに噛み合った。
二人の相性は抜群なのかもしれない。


「とーぜん、大事にさせてもらうのだわ!
 そして世界がどちらのものか…
 それが決まったときにはもう一回やりましょう!」

そう言ってニッコリと笑った。
二人の思い出はとても楽しいものとして残ることだろう。
このペンダントは、魔王と支配者の誓いの証なのである。

705『1001-111』:2024/11/09(土) 22:01:24
(ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1688976640/61)から

          〜〜〜〜〜〜♫

スカイモールの天井に設置されている『業務用スピーカー』からは、
何の変哲もない店内BGMが流れている。
その周辺が『SNSアカウント』で指定された『第2の場所』だった。
まもなく『予告時間』を迎え、『スタンド音声』による『放送』が始まる。

《――――――ご来店の皆さん、こんにちは》

《私は『アリーナ門倉派』に所属する『1001-111(ナイン・セブン)Ver.2.0』よ》

《『アリーナ』について知らない人のために、概要だけは説明しておくわ。
 一言で表現するなら、『スタンド使い』によって構成される『派閥の集合体』ね。
 主な仕事は『闘技場』の運営だけど、『門倉派』の本業は『ショービジネス』。
 目的や方針は派閥ごとに違っていて、『治安上の問題』に関わるケースもあるの。
 今回の放送は『そちらの件』だと考えてちょうだい》

《現在、『蝙蝠のスタンドを操る男』の行方に関する情報提供を呼び掛けているわ。
 何らかの情報をお持ちの方か、より詳しい話を聞きたい場合は『DM』まで》

《それじゃあ、また何処かでお会いしましょう》

スピーカーから音声が消え、その後にはBGMだけが残った。
これで、ひとまず『ノエ』の希望は叶えられたことになるだろう。
『どうなるか』は、今後の結果次第だ。


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