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【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』 その2

1『星見町案内板』:2021/02/26(金) 23:24:39
今世紀に建造された『東海地方』を対象とする集約電波塔。
低層エリアには『博物館』や『ショッピングモール』が並び、
高層エリアの『展望台』からは『星見町』を一望出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
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                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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前スレ:
【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647744/

493斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/15(月) 20:08:34
天気のいい日にはラジオ片手に展望台に登る
丁度いい2本の木を見つけて、鎖を繋いでハンモックを作り
自販機でスプライトを買ってラジオをかけてハンモックに寝転ぶ。

ここから寝転んで見わたす光景は、とても素晴らしい物だ
何も考えなくて済むくらいの……。

494???『???』:2023/05/16(火) 20:52:47
>>493

鎖のハンモックから街を見渡していると、不意に目の前を何かが横切った。
一瞬だったので鮮明には見えなかったが、薄い布のような物だ。
どうやら風に乗って飛んできたらしい。

    「フミィ」

        …………頭の後ろで『動物の鳴き声』がする。

495斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/16(火) 21:50:46
>>494

 「……?」

身体を僅かにハンモックから起こす
誰かのハンカチでも飛んできたのだろうか?

 (不幸な客だが、珍しくも……)

その瞬間だった、何かの声が背後から聞こえたのは
人間……ではない、人間なら足音で分る筈だ、だから、解らないのであれば
人間以外の生き物だ。すくなくとも、ハンカチじゃあないのは確かだった

 (背後……というより、後頭部か?今の『声』は?)

好奇心か、或いは恐怖か 僕はゆっくりと頭の後ろに手を伸ばし……
『それ』を掴んで目の前に持ってこようとした。

496???『???』:2023/05/16(火) 22:15:06
>>495

果たして、あれは『ハンカチ』だったのだろうか。
思い返してみれば、確かに似たような雰囲気ではあった。
だが、何となく『形』が妙だった気がする。
『ハンカチなのだがハンカチらしくない』というか…………。
ともかく腕を伸ばし、そこにいるであろう『何者か』を掴み取った。

     フ ワ ッ

手の中に柔らかい感触が伝わる。
やはり『布』に近い。
だが、『獣毛』に触れているような感覚もあった。

    そして――――――

            (・ω・)

次の瞬間、『それ』と目が合った。
ハンカチを『猫の形』に切り抜いたようなシルエット。
ほんのりと『体温』を感じる。

       「フミィミィ」

完全に『平面』だが…………紛れもなく『生物』だ。

497斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/17(水) 20:13:25
>>496

それと眼が合う
上を見る、それを見る、下を見る、それを見る

「……はぁ?」

情けない事に第一声は音程の外れた間抜けな声が
唇から滑り出しただけだった。

いるかどうかは兎も角、モモンガ辺りかな、等と当たりをつけていた予想が外れてしまって。
人間、予想外の事が起こると……こうも間抜けになるらしかった。
 
 「なんだこれ……グレムリンの親戚?」

誰かがみっつの誓いを破ってこんなことに?目頭を抑える。
電導エレベーター椅子のオバサンの如く僕もシャーする羽目になるのか
 
 「先日こっそりジジイの晩酌をご相伴に預かったのが悪いのか?
 それともとうとう僕の脳みそがいかれちまったのか……!」

手にした体温はもはや忘れようとしたすべてを現実に引き戻し
目の前にフミフミ泣いてる猫型のハンカチがいるという妄想みたいな事実を叩きつけてきた。
助けてお爺さん!今の自分にはモグワイを飼う資格が多分ナイ!

498???『???』:2023/05/17(水) 21:08:43
>>497

         「フミミィ」

奇妙な『ハンカチ猫』は、自身を摘み上げた斑鳩を見つめている。
ペラペラである以外にも、そいつには幾つかの特徴が見られた。
まず『模様』だ。
それは『道化師』を思わせる『ハーリキンチェック』を纏っていた。
また、その片隅に肉球を模した『刻印』が施されている。

             タッ タッ タッ

自然界の摂理を丸ごと無視したような『不思議生物』に混乱させられていた時、
視界外から『足音』が近付いてきた。
今度こそ『人』が来たらしい。
足音が止まると同時に『聞き覚えのある声』が響く。

       「よ!!」

「ヒサシブリじゃん!!ゲンキだった??
 ちなみに、わたしはチョーゲンキだった!!
 『フレミッシュジャイアント』10ぴきブンくらいゲンキだったぞ!!」

「わたしのコエおぼえてるよねぇ〜〜??
 『おまつりデート』して、
 『バレンタイン』に『てづくりチョコ』わたしたヤツのコト、
 フツーわすれねーよな??
 いや、わたしだったらわすれてるかもな!!」

「でも、『ショウくん』はわすれないってしんじてるぞ。
 だって、そんなヤツじゃないし!!」

    「――――――だよね??」

499斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/17(水) 21:50:06
>>498

「そ、その声は……」

手のひらサイズの不思議生命体に混乱させられてた所に無情にも追い打ちが光る
おお神よ、僕が何をしたというのか……『僕は』まだ何も悪い事をしてない筈である。たぶん、まだ。

しかしこの声なら聞き覚えがある。
忘れる筈もない、このおもむろに奇妙な例え方と喋り方
そして背後から忍び寄るのが大好きな(おそらく約2回)人間は……。

「……『夢見ヶ崎明日美』ッ!!」

手元のちいさな命を壊さないように両手で優しく包み
そう断定してハンモックから下りざまに振り向いた。
 

「…………」
「というか、学校では普通に会ってるだろ?」

500夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/05/17(水) 22:41:06
>>499

ついにナゾのベールにつつまれた『アリス』のショウタイがあかされる…………!!
なんと!!『アリス』は『アリス』だった!!
『アリス』は『アリス』だから『アリス』だったのだ!!

「あってねーよ!!『ガクネン』がちがうだろ!!
 『ガ・ク・ネ・ン』がよぉ〜〜??」

「でも、『セイカイ』したからユルしてやろう。ウンがよかったな!!」

           グッ!!

振り向いた先には、力強く親指を立てる『アリス風ファッション』の少女が立っていた。
金色の髪に結んだリボン代わりの『スカーフ』。
ブルーのレンズが嵌まったバタフライ型の『サングラス』。
指先を彩るカラフルな『ネイルアート』。
まさしく『夢見ヶ崎明日美』だ。

「『コッチにいる』って『コミミにはさんだ』から、
 ひさびさに『アリス』のほうから『あいにきた』」

そして、その傍らに佇む『スタンド』。
本体は見慣れた姿だったが、そちらは大きく変貌していた。
長い『金髪』が風に靡き、
全身を飾る色鮮やかな半透明の『リボン』は、美しく輝く『光』を連想させる。
目元は『青いリボン』で覆われ、指先には華美な『ネイル』を装着していた。
『本体自身』に近付いたようなヴィジョンは、
『ドクター・ブラインド』が持っていた無機質なイメージとは対照的に、
極めて有機的なフォルムを備えている。

「つーワケで!!イッショにナンかしようぜ!!」

       シ ャ ラ ァ ン ッ

『金髪のスタンド』が、『ヘアスタイル』を整えるように髪を掻き上げる。

501斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/17(水) 23:28:45
>>500

YES I AM!

 「態々僕に会いに来たの?そいつは光栄だな。それにしても相変わらずエネルギッシュな後輩だねー、
 光の国で光合成してるに違いないな。」

グッドラック、コール
正直、目の前の女の子を一度見て忘れるのはアラビアのロレンス見てる途中で寝ないくらいには難しいだろう。
ロスト・アイデンティティ製『ハンモック』を解除すると、首元のスカーフを弄……ろうとして両手が塞がってる事を思い出した。

 「遊びの誘い?うーーーん……いいぜ!って言いたいんだけど……
 今、何か奇妙な命を手の中に捕まえてしまって。」

視線を手の中に向ける
夢見ヶ崎が出てきたので、一周回って冷静になってしまったが
結局これがまだ何かわからないままだ、新手のUMAかグレムリンか、はたまたスタンド…なのか?
今のところ一番の容疑者は、目の前の少女だが。

 「今のところ僕はグレムリンの親戚じゃないかなと。
 ……そういえば、夢見ヶ崎なんか変わった?」

そういえば、目の前の少女は鎖の上でぐーすか寝てた自分と違ってなにやらキラキラして見える。
まあネイルがキラキラに決まってるのは何時もの事として……。

502夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/05/18(木) 00:20:42
>>501

「――――――おん??」

            ズ イ ッ

手の中を覗き込み、その存在を確かめると、納得した様子で大きく頷く。

「ナニかとおもったら『チェシャ』か〜〜!!
 しってる??『もとアリスのハンカチ』」

案の定、『容疑』は濃厚になる気配を見せ始めた。

    「そんで、いまは『ハンカチネコ』。
     たまに『アリス』のトコにくるシンシュツキボツなヤツ」

            「フミィ」

『誕生した理由』は不明だが、要するに『そういう事』らしい。
『夢見ヶ崎の周りにいる不思議な生き物』のようだ。
おそらく『元々の持ち主』だったからだろうか。

「ジャマだったら、はなしちゃえば??
 だって『チェシャ』って『ジユウ』じゃん」

斑鳩の下に現れたのは偶然だろうし、特に害があるようにも見えない。
風に乗って移動できる体なら、どれだけ高所から落ちても平気だろう。
少なくとも、ずっと捕まえておく必要はなさそうだった。

「ん〜〜〜〜〜〜」

「『わたしがかわった』っていうかさ――――」

投げ掛けられた言葉を反芻するように、
隣に立つ自らの『精神の象徴』に視線を移す。
『ドクター・ブラインド』は、非常に特殊なスタンドだった。
ヴィジョンや能力ではなく、『本体との関係性』が。
本来なら、『視力を持たない本体』を補助する為に生まれる筈だった。
発現が遅れたせいで、本体とスタンドの間に『齟齬』が生じていたのだ。

「『ドクター・ブラインド』が、わたしに『おいついた』」

今、その『距離』は完全に埋まり、『新たな形』となって結実している。

  「だから、これからは、こうよんでくれる??」

       「『ドクター・アリス』」

             「――――――って」

『光』を身に纏うスタンド――『ドクター・アリス』は、
文字通り『視力を得た後の夢見ヶ崎明日美』を象徴していた。

503斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/18(木) 02:10:25
>>502

 「ふーん……頭だけじゃなさそうだが、成程、グリフォンとジャバウォックによろしくな。」

ハンカチ猫……そのうち一種の都市伝説になりそうだな。
容疑者がほぼ犯人になった所で『チェシャ』を放してやる事にした。
好きに生きるがよい、僕もそうしていたい所だ。
 
 「僕の知ってる猫とかアレだものな……人の釣った魚勝手に食うわ、寝床を占拠するわ
 頭突きしてくるわ、都合が悪くなったら平らになって逃げるし。……それにしても」

おかしいな、あいつ良い所が一つもないぞ?
隣の芝が青いどころか黄金色に見えそうだ。
……まぁこれは置いておこう。それがいい。

 「『ドクター・アリス』か。」

陽光を浴びてたなびく髪は、本体同様に美しい。
片言で光を求めていた、あの無機質な頃とは大違いだ
その光の陰になっている、自分には随分と眩しい。

……自分の右腕を一瞥すると、ハンモックを伸ばした際に使った『鎖』がまだ巻き付いていた
『ロスト・アイデンティティ』の鎖……『枷』としての鎖。

 (自分にとっては他人がつけたどうでもいい枷だから、ダメージのフィードバックもないし、簡単に切り捨てられる。)

これが目の前の少女のようになる日などあるのだろうか?
あの両親を救えるような物に……。

 (たぶん……ならない、俺は今でも、俺の事ばかり考えているからだ 
 何処まで行っても、お前の鎖の下にあるものは俺の『影』だ、反吐がでるな。)

 「随分と美しく振る舞うんだな、僕の目が潰れちまうぜ。」

氷のような瞳を瞬かせる。
ラジオを手に取り、飲み干したスプライトをゴミ箱に放る。ストライク。

 「それで?何処にエスコートさせて頂きましょうか、Missアリス?」

 「映画もいいし、新しくできたカフェや、鈴蘭畑でも 釣り堀で大物狙いもいいし、書店でお気に入りの一冊を探してもいい」
 「それとも、商店街でウインドゥショッピング?……お付き合いしましょう。」

504夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/05/18(木) 12:34:58
>>503

『視覚』を得た『ドクター・アリス』が、
遮光の役割を果たす『リボン』の下から、目の前の少年を見つめる。 
『リボン』と『鎖』――細長い形状こそ似ているものの、
その特性は全く違う『似て非なる物』。
『リボン』は『鎖』の代わりにはならないし、その逆も同じだろう。

    フ ワ ァ

         「ミミミィ」

              ――――パサッ

「あ、『チェシャ』もイッショにくるカンジ??」

解放された『ハンカチ猫』こと『チェシャ』は『元持ち主』の肩の上に乗った。
子供の落書きのような顔からは、絶妙に表情が読み取れない。
何となく底知れない雰囲気が漂う辺りは『チェシャ猫』に似ている。

「へ〜〜!!ショウくんのトコにも『ネコ』いるんだ。
 エプロン??トートバッグ??いがいにクッションカバーとか??」

『平らになって逃げる』という部分から、
『チェシャ』と同じ『スタンド生物』だと認識されたようだった。

「『スズランばたけ』っていうとさぁ、
 このまえ『りんちゃん』と『カニなべ』たべたんだよね〜〜。
 『スズランのアジ』ってしってる??
 なんか『ピリッ』としてて、いままでにないフウミだったよ」

同じ場所で同じ相手に遭遇していた斑鳩翔が、
危うく『生命の危機』を回避した事は、もちろん知らない。

「いきさきはショウくんにまかせる!!
 『クサリのおうじサマ』のセンスがためされるぞ!!」

サングラスの奥にある瞳を輝かせながら、満面の笑顔を見せる。
どこまでも明るい表情は、以前と少しも変わっていない。
『スタンドの方が本体に追い付いた』という事実を体現するかのように。

505斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2023/05/18(木) 20:30:14
>>504

……考えるのはやめろ斑鳩翔
今この日には忘れた方がいい思索だ。
霞を振り払うかのように頭を振ると、人懐っこい笑顔を漏らす。

 「いやいや、フツーの食い意地のはった猫よフツーの……ただバラバラになる特技があってさ」
 「それよりぃ……お友達と鈴蘭蟹鍋ぇ〜?鈴蘭クッキーといい最近の流行りなのォ?スゲーな最近の世界のセンスは。」

もちろん斑鳩は知らない……というより結びついてない
スズランのフレーバー付きな闇鍋の親戚かな?等と考えている。
まあ恐らく些細な事だ、これからする事に比べれば。

 「アハン、チェシャ猫の見張りもいる事だし?下手なとこでハートの女王様に首を斬られたくもないし、
 僕のとっておきの場所でもご紹介しましょうかねぇ。」

ラジオ片手にアリスをエスコートする。
5月という数字に置いては、夏はまだ始まったばかりの日々だ。
 
(ま、僕の趣味だと穴場の小さな映画館なんだけどね。
 その前に新しくできたカフェとやらに寄るのもいいな……)

506夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2023/05/18(木) 21:56:24
>>505

「いやぁ〜〜『りんちゃん』は『トクベツ』だからさぁ〜〜。
 『トクベツなウサギ』だって、みたらイッパツでわかるもん。
 なんてったって『ハナのさいたウサギ』だぜ??」

「ソレをおいかけられる『アリス』も『トクベツ』だけどな!!」

『鈴蘭料理』を出すのは、少なくとも星見町内では『りん』しかいないだろう。
そして、それを安全に『味見』できるのは『ドクター・アリス』だけだ。
よいコはゼッタイわりとマジでマネすんなよ!!

「わたしさぁ、サイキンおもったコトがあるんだよね」

斑鳩の後ろで、思い出すように呟く。
まだ『ドクター・ブラインド』が傍にいた時の記憶。
止むを得ない事情で、自分と価値観の違う相手と戦った時に考えた事だ。

「『えがおじゃないヒト』がいたとするじゃん。
 でも、そのヒトをムリに『あかるいカオ』にしようとするのはまちがってる。
 『わらいたくないのにわらう』って、
 『ココロ』と『カラダ』が『ズレてる』ってコトでしょ」

『齟齬』を解消した自らのスタンドに視線を向ける。

「そういうのって、ケンコーによくないよね。
 ヒトそれぞれイロイロあるんだしさ。
 だから、そのヒトのキモチをだいじにして、
 『ジブンでえがおになれる』までまつの」

『ドクター・アリス』から目線を外し、これから歩いていく『先』を見つめる。

「だけど、みんなが『くらいカオ』してあるいてたら、
 『セカイぜんぶ』がくらくなっちゃうとおもわない??」

   「『アリス』は、そんなの『イヤ』だからさ」

            ス ッ

おもむろに顔を上げ、青空に輝く『太陽』を見上げる。

「そういうときは――――
 わたしが『みんなのブン』まで『セカイ』をあかるくする!!」

        タ ッ

エスコートする斑鳩の背中を追って、軽やかな足取りで歩き出す。

     「――――なんつって〜〜!!」

屈託のない笑顔を浮かべ、緩やかに初夏の兆しが見え始めた街を、二人並んで歩く。

「よし!!イチバンよさげなスポットをたのむぞ。
 アリスのチェックはキビシイからな〜〜。
 『バッチリ』じゃなかったら『バッサリ』だ!!」

久方ぶりの『再会』は、こうして『幕を開けた』のだった――――。


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