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【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』 その2

1『星見町案内板』:2021/02/26(金) 23:24:39
今世紀に建造された『東海地方』を対象とする集約電波塔。
低層エリアには『博物館』や『ショッピングモール』が並び、
高層エリアの『展望台』からは『星見町』を一望出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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前スレ:
【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647744/

35鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/04/23(金) 03:15:51
>>34

「そうですね。『事故』もまた恐ろしいです」
「この国でも、数十秒に一度は交通事故が起きているようですから」

もっとも世界中に話を広げれば、ただの接触事故ではなく。その頻度で死亡事故が起きているようだ。
だが、流石にそれを口には出来ない。
普段なら気にせず喋っていただろうが、今は死に対して直接的な表現は使いたくない。


>    「私の所属する『三課』は、
>     『窃盗犯』を主担当としている」
>    「スーパーの『万引き』、『空き巣』や『ひったくり』は、
>     この町の何処かで、毎日起こっている」

とある刑事の言葉を思い出す。
彼はもう現場に立つことはできない身体となってしまったが。その言葉は今でも自分の胸に深く刻まれている。

「『事件』もそうです」「窃盗の類ならば、この町では毎日発生しているようですし」


>     「朗らかに話しかけ、あたかも常人のように振る舞い、                                  
>      ――――平然と『力』を振るう人間は、この世にいる」

次に思い出したのは、とある戦士の言葉だ。
『通り魔』など本当はいないのでは、見つからないのでは。
心のどこかでそう思っていた自分を焚き付けて、事件を解決へと導いてくれた人の言葉。

「もっと危険な『重犯罪』も、起きているかもしれません。それはきっと、容易くは見つからない場所で」

時折、見回りのようなことをしている。当然、早々事件に遭遇することもない。
それで、たまには別の視点から物事を見るのも大事だと思い、このような所まで足を運んだのだ。
何事もなければそれに越した事はない。けれど、この町でもまた、何事かは起きている事を自分は知っている。

「…ありがとうございます」
「悲しいことは、少なく出来るなら、どこまでも少ない方がいい」
「それが今、自分のやりたいことの一つです」

36小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/04/23(金) 03:56:19
>>35

  「……そうですね」

『事故』、『事件』、『犯罪』――そういった単語を聞きながら、
これまで自分が辿って来た道筋を思い返していた。
『スーサイド・ライフ』が目覚めてから、
幾つかの『スタンドにまつわる出来事』に触れてきた。

自分は、それらの数々を、
『事件』や『犯罪』という言葉では表現しない。
それらは『想い』だ。
『人の想い』が形となり、不意の幻影のように姿を現し、
それを自分は客観的に見つめてきた。
『当事者』であると同時に、
多くの場面で自分は『傍観者』だった。
始まりを見守り、終わりを見届けた。

  「もし誰かが傷付けば……」

  「『その人を愛する人』は、きっと悲しむでしょう」

  「それがどんな人であっても……」

  「私は――『誰も傷付いて欲しくない』と思っています……」

既に存在しない『幻の町』。
そこで明確な『危険』を目の当たりにした時、
自分は『戦う事』を否定した。
互いに『刃』を交える事なく、
『話し合い』による無血の解決の道を選び取った。
それは、自分が『そうしたかった』からだ。
自分自身の『本当の気持ち』に触れ、それを成した時、
心の奥底で、『新たな何か』が生じる感覚があった事を覚えている。

  「――それが『私のしたい事』です……」

           ニコ……

青年に向けて微笑む表情は、やはり陰を含んでいる。
同時に、穏やかであり、安らかだった。
その根底には、青年とは対照的な『何か』があった。

37鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/04/23(金) 18:40:18
>>36

「・・・・・・・・・・」

「あなたは…誰かを、心底憎んだことはありませんか?」
「それこそ、殺めてしまうかもしれない程に」

自分は、結局のところ黒幕である『蛇尾川』を殺害することはしなかった。
ほぼ死んでいるとはいえ、むしろ助けてしまったとも言える。
だがそれは、妹の朝陽を始め、仲間に誰も命を落としたものがいなかったからだ。
朝陽が、塞川さんが、斑鳩くんたちが誰か一人でも殺されてしまっていたなら。
間違いなく、自分は『蛇尾川』を始末していただろう。

この女性はどうなのだろうか。
夫が亡くなったのが、避けられない『病気』ならばまだ受け入れやすいかもしれない。
それでも人によっては医者を恨むかもしれないが、落ち度があったわけでもないのなら、それは理不尽だろう。
しかしこれが『事故』や『事件』であったなら。『誰も傷付いてほしくない』、と願えるのか。

自分は、そう思える自信がない。

38小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/04/24(土) 00:46:56
>>37

問い掛ける青年の顔を正面から見つめる。
力強さを湛えた灰色の瞳。
その瞳に映る自分自身の姿を見つめていた。

『彼』と出会う前、かつて愛した人がいた。
しかし、『その人』は私を愛してはいなかった。
裏切られた事が分かった時、大きな悲しみを覚えた。

それから『彼』と出会い、惹かれ合い、将来を誓い合った。
新婚旅行中の事故で、『彼』は重傷を負ってしまった。
その時には、計り知れない悲しみに襲われた。

来る日も来る日も、『彼』の無事を祈り続けた。
担当の医師からは、おそらく助からないだろうと伝えられた。
その時に感じたのは、絶望的な悲しみだった。

だからこそ、せめて一緒に旅立とうと思った。
けれど、それも『彼』に断られた。
『約束して欲しい』と言われ、
悲しみを押し殺しながら『彼』を看取った。

  「私は――『愛する人』を傷付けたくありません……」

裏切られた事、事故に遭った事、彼が救われなかった事。
どの場合においても、
自分が感じていたのは『深い悲しみ』だった。
決して望まれて起きた事故ではない。
医師も、患者を助けたかったはず。
何より、自分も『彼』を失いたくなかった。

  「もし……私が誰かを殺めたとしたら――」

  「『その人を愛する人』は深く悲しむでしょう……」

  「『私を愛してくれる人』も、きっと傷付くはずです」

思い返してみても、記憶の中に憤りの存在はない。
全てが、ただ悲しかった。
それも無駄だったとは思わない。
悲しみに耐えた先で、
一つの『希望』を見出す事が出来たのだから。
『命を全うした後の再会』――
それが自分にとっての『未来への希望』となってくれる。

  「私は……誰も傷付いて欲しくないのです……」

微笑む表情には、消えない陰がある。
しかし、変わる事のない陰だ。
薄くなる事も、濃くなる事もない。

39鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/04/24(土) 21:36:16
>>38

「───────────────」

「成る程、道理です」

少しの沈黙の後、頷く。
確かに彼女の言葉は一つの真実だ。
亡くなった人間が優しい人であったなら、復讐を望まない事も有り得るだろう。
少なくとも、朝陽は望まないはずだ。塞川さんは…悪態こそつきそうだが、殺人は望まないかもしれない。
復讐される相手を労ってではなく、その為に俺が余計な事をするのが、気に食わないのではないか。
斑鳩くんはどうだろう。やりたいならやればいい、ただそれを自分の為とは言わないでくれ。そう言いそうだ。

「…あなたは、大人ですね」

もし自分がそうなった時に、復讐を行うのは死者の為ではない。
自分の大切な人を殺めた相手が、のうのうと生きているのが許せないからだ。自分の為に過ぎない。
だが、正しい法の裁きが下るのであれば、自分に出来る事はない。しかし憤りを抱えて生きていくのだろう。

「そして、優しい」

けれどこの女性は、復讐が出来たとしても、悲しむであろう死者の為にそれを行わないという。
死者は望んでいない。ドラマや漫画などで、説得の際によく用いられる台詞でもある。
ああ、声をかける側なら実に容易い言葉だろう。
だが、真に悲しみを抱えている側の人間が放つなら、それはあまりに重い。
喪失による負の感情を抱えながらも、それを誰にもぶつける事なく、生きていくという事なのだから。

「…その生き方は、尊いものだと思います」

自分は、そう生きられるだろうか?それが、正しいのだろうか?
分からない。ある意味、自分は『復讐』を果たしてしまった人間だ。
妹を傷付けた事への報復は完了した。復讐を否定すれば、一連のあの出来事を否定する事になる。

思案に浸り、そして静かに首を振った。
少なくとも、まだ彼女のような考えは持てそうにない。

「自分は清月学園高等部二年生、鉄 夕立(くろがね ゆうだち)です」
「差し支えなければ、あなたのお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」

40小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/04/25(日) 01:11:00
>>39

眼前に立つ青年の言葉に、静かに耳を傾ける。
自分が彼の言うような人間であるかどうかは分からない。
ただ、一つだけ確かに想う事がある。

  「強い気持ちを感じて……
   何かにぶつけてしまいそうになった時には……
   思うのです……」

  「私が誰かを傷付けてしまった時……
   『その人を愛する人』が傷付く……」

灰色の瞳に映り込む『自分自身』を見つめながら、
言葉を紡ぐ。

  「それは……
   『自分と同じ人間』を増やしてしまう事だと……」

強い感情を抱いた時、誰かに矛先を向ければ、
少しは気分が晴れたのかもしれない。
しかし、『その先』を思うと、そうする気にはなれなかった。
誰かに自分の感情をぶつけてしまえば、
その相手を傷付ける事になる。
そうなれば、『その人を愛する人』を傷付けてしまう。
それは、『自分と同じ人間』を増やしてしまう事だ。

  「私は――『そうしたくなかった』だけです……」

愛する人が苦しむ気持ちは痛い程に分かる。
だからこそ、そういう人間を増やしてはいけない。
自分にとって、それだけは決してしてはいけない事だった。
たとえ、拭い去れない悲しみを抱える事になったとしても、
『自分で終わり』にしなければいけない。
それが、自分が確かに想う『願い』だった。

  「……鉄さんとおっしゃるのですね」

  「――……小石川文子と申します」

穏やかな微笑を浮かべながら、
鉄と名乗った青年に言葉を返す。
彼の姿や発せられる言葉からは、
まるで一本の『刃物』のような力強さを感じる。
その強さに、自分とは『似て非なる何か』を感じていた。

41鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/04/25(日) 22:54:49
>>40

「…然り、ですね」

その言葉は的を得ている。
争いとは、己が正しさをぶつけ合う事でもある。
自分からすれば正当な理由で敵を下したとしても、相手やその仲間からすれば、
理不尽に倒されたと捉えられる事もあるだろう。それはやがて『報復』に繋がり、また新たな復讐を生む。

『蛇尾川』はどうだったのだろう?彼はその一族から爪弾きものだったのだろうか。
それでも復讐をしようという者は、現れるかもしれない。現れたとしても、なるべく戦いたくはないが。
だが説得に応じなかった場合、自分はやはりその人を斬るのだろう。

「小石川さん」
「あなたがその生き方を貫こうとして、ほんの少し力が足りない時は、ご連絡下さい」

そう伝えて、傍に騎士のような相貌のスタンド、『シヴァルリー』を発現する。
彼女がスタンド使いでなかったとしても構わない。背中に竹刀を背負っているのだから、
多少は武の心得のある男の言葉として、受け入れられるだろう。
万が一小石川さんがスタンド使いならば、話が早くなるだけだ。

ああ、自分にできるのは、理不尽な力に対して、同じく力で道を切り開くことだ。
『蛇尾川』を死と同然の状態にした事に対して責任を求められようと、
それが誰かに危害を加えることになるのならば、何度でも立ち向かうしかない。

ただ、それでも。
彼女の言う通り、そもそも誰も傷付かないで事が終わるのならば、それに越した事はない。
その為に力が必要ならば、喜んで力を貸したいと願う。

「オレとあなたの生き方は違うかもしれません」
「それでも見ている方向が同じならば、道が交わることもあると思っています」
「…悲しみを抱えた人間が、一人でも少なくなるように」

42小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/04/26(月) 00:08:26
>>41

  「――ありがとうございます……」

現れた『騎士』に目を向け、それから青年に視線を戻す。
一つと一人を見比べるように確認すると、
心の中に納得が生まれた。
『スタンド』とは『精神の象徴』であるという。
力強い姿は、確かに自分の『それ』とは異なっている。
静かに目を閉じ、そして再び開く。

  「……『スーサイド・ライフ』」

その左手に発現する一本の『ナイフ』。
『刃を振るう騎士』とは似て非なる『刃そのもの』。
くるりと手の中で回転させると、
それは白昼の幻のように消え去った。

  「今日ここで、あなたと出会えた事を嬉しく思います……」

  「あなたが『愛する人』と共にいられる事を……
   心から願っています……」

           スッ

居住まいを正して、丁寧に頭を下げる。

  「いつかまた――お会いしましょう……」

                    コッ コッ コッ……

別れの挨拶を告げ、展望台から立ち去っていく。
黒い後姿が、徐々に遠ざかる。
その後を追うように、穏やかな風が吹き抜けていった。

43鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2021/04/26(月) 21:13:17
>>42

小石川さんの『スタンド』を確認し、頷いた。
確信があったわけではない。彼女がスタンド使いかどうかは、五分五分の予想だった。
しかし、『ナイフ』というスタンドの形状は完全に予想外だ。
彼女の性格上、あまり物騒な能力ではないと思っていたのだが。
あるいは─────『ナイフ』でありながら、人を傷付けない能力なのだろうか?
何にせよ、蛇尾川とは既に戦った後で良かった。彼女にも『通り魔』の嫌疑をかけていたかもしれない。

「こちらこそ。あなたと意見を交わせたことを、嬉しく思います」
「さようなら、小石川さん。お元気で」

とはいえ、こうして彼女の人となりを知った今なら、そんな事も有り得ないと断言できる。
小石川さんの選んだそれは、間違いなく困難で辛苦に満ちたものだ。
だからこそ、その道の先に、彼女にとっての救いがあることを心から願う。
彼女に応じて頭を下げて、去りゆく後ろ姿を静かに見送った。

44ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/04/30(金) 22:40:02

「ふむ?」


ベンチに座り込み、何か色々と道具を広げている金髪の子供がいた。


「ふぅむ……ふむむ……」


ベンチを占領しているので邪魔かもしれない。

45ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/05/02(日) 00:40:35
>>44

「これでよいか」

一人頷くと、荷物をまとめて帰っていった。

46黒野士信『スピン・オフ』:2021/05/05(水) 20:43:51
ベンチに座って本を読んでいる。

47大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/08(土) 01:46:16
>>46(黒野さん)
黄リボン付シルクハットを被った緑髪・右青目・左赤目・改造済清月学園黒制服の男装少年(16歳 女子)が通りがかった。

(おやおや?あの人、随分と熱心に本を読んでいるけど……どんな本なんだろう?)

通りがかりながら黒野さんの読んでいる本の表紙を覗くよ。どんな題名の本だろう?

48黒野士信『スピン・オフ』:2021/05/08(土) 08:55:43
>>47
ベンチに座っている男が読んでいる本の表紙に目を向ける。
それは、このようなものだった→ttps://www.amazon.co.jp/MONOQLO%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E6%B4%BB%E7%94%A8%E5%A4%A7%E5%85%A8-2021-100-%E3%83%A0%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E6%99%8B%E9%81%8A%E8%88%8E/dp/4801816266/ref=sr_1_7?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC&qid=1620431625&s=books&sr=1-7

49大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/08(土) 10:13:08
>>48(黒野さん)
「なかなか面白そうな本を読んでいるね」(↓ハスキーボイス↓)
黒野に声をかける。

「フランシス・ベーコン曰く【知は力なり】だっけ。その本の知も力になりそうだ。」(↓ハスキーボイス↓)

「お隣いいかな?
 インドア派なものだからちょっと散歩したら疲れちゃってさ。
 嗚呼、ソーシャルディスタンスはちゃんと取るよ」(↓ハスキーボイス↓)
ベンチのお隣に座ろうとするよ。ソーシャルディスタンスでちょっとだけ離れるよ。

50黒野士信『スピン・オフ』:2021/05/08(土) 11:36:10
>>49
大神が声を掛けると、男は顔を上げた。

「そこのアンタ、
 ちょっと意見を伺いたいんだが、構わないかな」

ベンチに座る大神に、男が話しかけてくる。


「もし、アンタが仮に、
 『ホームセンターで敵と闘う』ことになったら?
 一体どうする? どのような闘い方をする?」

51大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/08(土) 12:11:35
>>50(黒野さん)
「わお積極的」(↓ハスキーボイス↓)
ちょっとおどろき。

「キミは面白いたとえ話をするね……キミに興味が湧いてきた」(↓ハスキーボイス↓)
黒野の隣に座る。

「ふむ……ボクだったらまずは敵を知るかな、相手の情報を集めるね。
相手が人間か、軍隊か、ゾンビか、トレマーズか、ゴジラかで全くやることは違うだろう?」(↓ハスキーボイス↓)

「だから、まずはホームセンターでは情報収集の役に立つ道具を探すかな。双眼鏡とか。」(↓ハスキーボイス↓)

「同時に相手に情報を知られないための道具も探すかな、潜伏手段だ。都市迷彩服とか。」(↓ハスキーボイス↓)

「こんな感じの『思考ゲーム』って理解でいいかな?」(↓ハスキーボイス↓)

52黒野士信『スピン・オフ』:2021/05/08(土) 13:17:24
>>51
「ここ最近読んでいた小説で、
 『ホームセンターで闘うシーン』が
 何本か連続で出てきたんだが、
 そこで、ふと、
 『自分がそう言う状況になったらどうするか?』
 という疑問が浮かんでね。
 一度疑問が浮かんでしまうと、
 それに取り憑かれちまうタチなんだ。
 それでこうして本まで買ってみたんだが、
 いざ考えてみると、これが案外難しい」

『ホームセンター活用大全』の表紙を見せながら男が答える。

「そうだな、アンタの言う通り、
 『思考ゲーム』だと思ってもらっていい。
 敵か。そうだな……
 じゃあ『ゾンビ』が相手だったら、
 アンタはどう闘う?」

53大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/08(土) 14:15:17
>>52(黒野さん)
「なるほど
 主人公:ボク
 場所:ホームセンター
 相手:ゾンビ
というシチュエーションの『思考ゲーム』と言うわけだね。」 (↓ハスキーボイス↓)

「そうだね……
 まずは……『ゾンビ』と名付けられたからには、相手は『ゾンビ』の特徴を持っているはずだ。

 それは例えば……
 ①人間をベースにした、動く死体である。
 ②動きは遅いことが多いが、稀に速いこともある。
 ③ゾンビに噛まれたり、ゾンビに傷を負わされたり、ゾンビに殺されたりした人間は、ゾンビになることがある。
 ④大抵の場合、ゾンビは集団で襲ってくる。
 ⑤大抵の場合、ゾンビは生前の知識や記憶はなく、あまり知性的とは言えない。
 ⑥ただし、生者に対する嗅覚のようなものは鋭いので、感覚的に生者を追う事はできる。
 
 ゾンビと言えば、こんな特徴が一般的だね。大半が映画や小説に因る知識だけども。
 ただ、そういう特徴があるからこそ、『そういうモノは、ゾンビと呼ばれる』という話でもある。」   (↓ハスキーボイス↓)

指先でくるくるとシルクハットを回しながら考える。

「ところで、この『ゾンビ思考ゲーム』なのだけど、キミはボクの話を判定するだけかい?」 (↓ハスキーボイス↓)

「どうせなら、キミも参加してみないかい?
 いわゆるキミとボクの共闘。

 主人公:ボク&キミ
 場所:ホームセンター
 相手:ゾンビ

 ってシチュエーションさ。
 お互いに『一手ずつ出していく形』で、『この空想作り話』を広げてみないかい? 」 (↓ハスキーボイス↓)

  ※バトル中のようですし、お忙しいようなら、軽く流してくださって結構です。

54黒野士信『スピン・オフ』:2021/05/08(土) 14:48:21
>>53
「そうだな、じゃあその条件でいこう」

大神の提案に乗る。

「じゃあまずアンタから始めてくれ」

55大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/08(土) 16:12:08
>>54(黒野さん)

「グッド!」 (↓ハスキーボイス↓)

「じゃあ、では『思考ゲーム』の始まりなわけだけども。
 まずは、シチュエーション設定……。

 主人公:ボク&キミ @ 入口の中
 場所:ホームセンター @出入口( ttp://www.daiyu8.co.jp/images/184_fmap.gif )←地図。おそらく黒野さんの持つホームセンターの本に載っていたので、見ながら考えているのだろう。
 相手:大量のゾンビ @ 入口の外

 シチュエーション:入り口のドアを閉めたとこ?  やや、これが自動ドアだとゾンビでも開けられちゃうかもね?  あまり長く持たないか?

 みたいな感じで行ってみようか。」 (↓ハスキーボイス↓)

「では、ボクの1手目だけど……
 ①まずは、目の前の安全を確保したいね。『情報収集』してる暇なんてありゃしない。
   だから、出入口近くにあるであろう、『カート』と『カゴ』で、自動ドア前に侵入を防ぐ『バリケード』を作ろうかな。
   『園芸用品』はちょっと遠いし、『花苗』にはあまりいいモノがなさそうだ。
   ボクは非力だけど車輪のある『カート』ならば、すぐに運べるだろうね。
   ただ、結局の所、ボクは非力だから、多少時間がかかってしまうかも知れないな。

 ②余裕があれば、『自動ドアの人感センサーを壊して、ゾンビが近づいても自動ドアが反応しない』ようにしておきたいけど、どうにもその手段がないね。」 (↓ハスキーボイス↓)

「こんなとこかな。『ボクの行動の判定』と『キミの1手』をどうぞ。」 (↓ハスキーボイス↓)

56黒野士信『スピン・オフ』:2021/05/08(土) 17:27:42
>>55
「カートとカゴでバリケードを使うというのはなかなかよさそうだな。
 自動ドアを止めるというのを、確かにゾンビ対策ならやっておくべきだな。
 オレも詳しい仕組みは知らないが、今度図書館に行ったときに調べてみるか」

ホームセンターの店内マップを見ながら男が言う。


「オレだったら、そうだな……
 まず店内に入る前に
 『木材・資材』のコーナーに行く。
 そこで3メートルくらいの角材を見つけて、
 挟んで、潰して『栞』の状態で固定する。
 それから……」


そこで、男の発言が急に止まる。
“余計なことを言ってしまった”という空気が感じられるかもしれない。

57大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/08(土) 19:47:40
>>56(黒野さん)

「まぁね。それに多分、ゾンビの知性と手先の器用さじゃ、『カート』のタイヤロックを外せないでしょ。
 じゃんじゃんと、バリケードの準備をするさ。こういう時には、ボクは『小賢しく』、『小狡く』、いくよ。」         (↓ハスキーボイス↓)

……

「で、『キミの1手』は……え? なんだって? 『3mの角材』を『栞』にする? 押し花みたいに?」 (↓ハスキーボイス↓)

「ご冗談を」   けたけた  (↓ハスキーボイス↓)
けたけたと笑った。

「ええ〜? その『キミの1手』を、ボクは『判定』しなきゃいけないのかい?」   くすくす  (↓ハスキーボイス↓)
くすくすと笑った。

「『3mの角材』だぜ? 重いんだぜ? 硬いんだぜ? 長いんだぜ?
 それを押し花みたいにかい? パタンとかい? 『栞』にするのかい? 」 あははは (↓ハスキーボイス↓)
あはははと笑った。

「その行動は失敗するんじゃないかな。『思考ゲーム』的に考えてさ。」 (↓ハスキーボイス↓)
真顔で返した。

   ※大神さんはそこまでスタンドに詳しくありません。

58黒野士信『スピン・オフ』:2021/05/08(土) 20:04:47
>>57
「確かにそうだな……アンタの言う通りだ」

男はそう言って、首をやや俯かせながら、眉間のあたりを指で抑える仕草をする。

「妙なことを言っちまったな……疲れてんのかな。
 最近あまり寝てないせいか……」

59大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/08(土) 20:19:24
>>58(黒野さん)
「なんだって? 寝てない上に疲れているって?」 (↓ハスキーボイス↓)

「いけないな、そいつは。 だとしたら、キミは、こんなベンチで『読書』や『思考ゲーム』なんてしている場合じゃないぞ。」 (↓ハスキーボイス↓)

「『そういう時は無理せずに早く寝なさい。健康は最大の財産だ。今日寝て、明日起きれば、なんとかなっているかもしれない。』って、お父様が言ってた。」 (↓お父様を真似たようなハスキーボイス↓)

60黒野士信『スピン・オフ』:2021/05/08(土) 20:53:44
>>59
「その通りだな、少し休んだほうが良さそうだ」

そう言って、男は手元の本をパタン、と閉じて立ち上がる。


「アンタの意見、参考にさせてもらうよ」

最後にそう告げて、男はどこかに歩き去っていった。

61大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/08(土) 21:10:54
>>60(黒野さん)
「おつかれさま。ゆっくり休みなよ」 ばいばい (↓ハスキーボイス↓)
ばいばい、と手を振って別れた。

「……どうにも不思議な人だったけど、また会えるかな。」 (素の声)
大神も立ち去った。

62百目鬼小百合『ライトパス』:2021/05/12(水) 18:31:36

その時、『喫煙所』にいたのは一人だけだった。
白いパンツスーツを着た背の高い女だ。
年嵩ではあるが、その佇まいには力強さが漂っていた。

「この頃は可愛げがあったんだけどねえ」

     フゥゥゥゥゥ――――…………ッ

煙草を吹かしながら、手の中の『写真』を眺めている。
家の掃除をしている最中に、『昔の写真』が出てきた。
記憶が曖昧だが、大体『十台半ば』ぐらいだろうか?

「そりゃまぁ……『引く手あまた』って訳でもなかったけどさ」

いつかは『百目鬼』の姓と別れる時が来る。
昔は、そう思っていた。
その時から『三十年以上』経過したが、
未だに自分は『百目鬼小百合』のままだ。

「ま、いいさ。アタシは後悔してない」

      ジュッ

「『アンタ』もそうだろ?」

語り掛けたのは『写真の中の自分』だ。
同時に煙草の火を消して、喫煙所を出る。
写真はポケットに戻した――――つもりだった。

         ――――ハラリ

だが、ちょっとした手抜かりで、うっかり落としてしまっていた。

63平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/05/12(水) 20:45:13
>>62
「……失礼(、という手ぶり)」

入口が狭いのではなく、男の体がでかいのだ。
女性と入れ違いに喫煙所(今や本当に少なくなった。世知辛い)に入り、火をつけ、一服。
世知辛い、世知辛いと不景気なことを考えていると自然と目線が下に行き、なので写真に気が付いた。
拾い上げて画像を見れば、どうもさっき入れ違いにすれ違った女性の面影があるようにも思えたので、

クシュ  ジュ

少々もったいないが煙草を灰皿に突っ込んで、写真を持って外に出る。

オホン

「今の人ー」「落としてませんか」

背格好はうろ覚えもいいところだが、見つかるだろうか。

64百目鬼小百合『ライトパス』:2021/05/12(水) 22:22:15
>>63

「――――んッ?」

      クルッ

後ろから聞こえた声に反応し、振り返る。
たまたまなのか、歩いている人の数は多くない。
そのため、うろ覚えでも見つける事は難しくなかった。

「あぁ、しまった。どうやら落としちまってたようだよ」

           ザッ

「わざわざ拾ってもらってありがとね」

                スッ

男に歩み寄り、写真を受け取るために片手を差し出す。
写真には、十台半ばの少女が写っていた。
真っ直ぐ正面を向いており、
力の篭った目元や引き締まった口元からは、
気の強そうな印象を受ける。
背景に七段飾りの『雛人形』が写っている所を見ると、
『桃の節句』の時期に撮られたものらしい。
年齢はだいぶ離れているが、
どことなく目の前の女と似ているように見えた。

65百目鬼小百合『ライトパス』:2021/05/12(水) 22:33:22
>>64

雛人形を背にして写る少女は『着物姿』だった。

66平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/05/12(水) 22:56:35
>>64-65
「大事な思い出ですからね」

少なくとも自分にとってはそうだ。
写真を渡す。
失礼にあたると思ったので、そんなじっくり見たわけではないが、印象的な『美しさ』をおぼえる。

「いい写真だ」

67百目鬼小百合『ライトパス』:2021/05/12(水) 23:14:42
>>66

「いや、恥ずかしいもんだねぇ。昔の写真を見られるってのは」

笑いながら写真を受け取る。
ささやかな照れ隠しだ。
落とさないように、今度こそキチッとしまっておこう。

「ところで、アンタ。
 『一服』する所だったんじゃないかい?」

「一本奢るよ。
 火を付けた途端に邪魔が入るってのは、
 やるせないもんだからね」

         ゴソ

そう言って、煙草の箱を差し出す。
今の時代、喫煙者の肩身は狭い。
同じ愛煙家としての親近感もあった。

「拾ってくれたお礼だ。遠慮は要らないよ」

68平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/05/12(水) 23:38:44
>>67
『もらい煙草はツキが落ちる』――というのは迷信だ。
そのはずだ。

「邪魔なんてことはなかったが、では甘えて、一本いただきます」

こういうのも悪くはない。
煙草呑みならではの、うれしいひと時というやつだ。
それで浮かれたのが良くなかったのか、
右手で一本だけ引き抜くのを、雑に取ったものだから、余分にこぼれ出てしまう……

「おっ」

  ゥン

一瞬、歯車の意匠を刻んだ左掌がこぼれた紙巻を受け止めてから、左手で同じように。

「危うく、落とすところでした。すみません」

彼女が『出したら吸う』『箱に戻さない』タイプなら申し訳ないな、と思いつつ。

69百目鬼小百合『ライトパス』:2021/05/13(木) 00:07:22
>>68

『共通点』は、人と人の壁を和らげる緩衝材として機能する。
顔を合わせたばかりの相手であっても、
何となく親しみが沸いてくるものだ。
今回は、『煙草』がその役割を果たした。

「おっと――――」

だが、『それだけ』ではなかったようだ。

「なぁに、気にしなくていいよ。
 要するに、アタシが『そいつ』を吸えば万事解決だ」

「ハハハ、吸うための『口実』とも言うけどねぇ」

愛想良く笑いながら、左手に乗った一本を受け取る。
そして、ついさっき出た喫煙所に戻っていく。
確かめておきたい事が出来た。
『吸うための口実』というのは『そのための口実』だ。
同じ喫煙者同士、吸いながら話すのが丁度いいだろう。

      カキンッ

「最近は『場所』が少なくて困っちまうね。
 ま、吸う人間と吸わない人間が共存するためには、
 必要な事だってのは分かってるんだけどねえ」

       シボッ

煙草を口に咥え、オイルライターで着火する。
『真鍮製』だ。
長年使われているらしく、経年変化によって光沢が失われ、
くすんだ色合いに変わっていた。

70平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/05/13(木) 20:27:28
>>69
「それなら、良かった」

にこりと笑って、彼女のあとから喫煙所に。
安物のターボライターで火をつけ、一服。

「本当に困りますね。そこらの道端で吸うわけにもいかない」
「……人通りがないときはついやってしまうが」

小さい頃はそこらじゅうで見かけたものだし、
咥え煙草で歩いている人を見れば何となく大人っぽくて憧れたものだ。
当然、今はまったく逆の意味で見られる。

「いい色のライターですね」

いくつか所有しているが、どこかに無くしたり、忘れたりするのが嫌で持ち歩かないのだ。

71百目鬼小百合『ライトパス』:2021/05/13(木) 21:13:22
>>70

「ハハハ、どうも。昔、同僚から貰ったんだよ」

         パチン

ライターの蓋を親指で閉じ、改めて男に向き直る。

「気持ちは分かるよ。
 急いでる時の横断歩道みたいなもんだ。
 車が来てないと、赤信号でも渡っちまうのと同じだね」

全体から見れば小さな事だが、
社会のルールには反している。
しかし、それらを全て取り締まっていてはキリがない。
だから、大抵の場合、
そういった小さな問題は見逃されている。
世の中を維持するためには、
それも必要な事ではあるだろう。
だが、時として、
『普通の人間には認知されない範囲』で行われる違反も、
この世界には存在するのだ。

「あぁ、ところで『さっきの事』だけどさ」

「床に落ちるかと思ったんだけど、
 上手い具合にキャッチしたもんだねぇ」

「なかなかの早業だったよ――――アンタの『スタンド』」

何気ない口調で、先程見た光景を口にする。
『スタンド使い』である事。
それが、もう一つの『共通点』だ。

72平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/05/13(木) 22:35:09
>>71
「いい例えですねそれ。まったくそんな感じで」

>「なかなかの早業だったよ――――アンタの『スタンド』」

「……」

言葉を切る。

「あなたもですか」

そこそこの数がいるらしい、ということは知っている。
何よりそれで生死を賭けたわけではあるが。

「『キック・イン・ザ・ドア』」

現れるヴィジョン。
『歯車』の意匠が配された巨躯。

「こういう『スタンド』です、失礼、出さなくてよかったですかね?」

73百目鬼小百合『ライトパス』:2021/05/13(木) 23:01:01
>>72

「ま、そういう事だよ。『ご同輩』ってヤツでね」

口元から紫煙を立ち昇らせながら、
『キック・イン・ザ・ドア』を見やる。
『歯車』から連想できるのは『機械』だ。
無論、外見だけの情報では、『能力』までは分からない。

「いや、悪かったよ。
 別に催促したつもりじゃあなかったんだけどね」

「だけど、まぁ…………見ちまったものは仕方がない」

         ――――ドシュンッ

「『アタシの』も御披露しとくよ。一応『お返し』としてね」

言葉と共に、女の傍らに『ヴィジョン』が現れた。
『キック・イン・ザ・ドア』と同じ人型のスタンドだ。
肩に『白百合の紋章』を備えている。

  ライトパス
「『 正道 』――――そういう名前さ」

『キック・イン・ザ・ドア』と明確に違うのは、
右手に『武器』が握られている事だ。
振り回すのに適度な太さと長さを持ち、
鉄に似た質感を備える武器としての『棒』。
警察官や警備員が使用する『特殊警棒』だ。

74平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/05/13(木) 23:27:57
>>73
『ライトパス』――どうしても『警棒』に目が行く。
『キック・イン・ザ・ドア』も、500円玉サイズの『歯車』を掌に発現して、見せる。

「武器ですね」

やはり、これは『戦う力』だ、という思いを強くした。
『歯車』は一見してわかりにくいが、『ライトパス』の武器は一目瞭然だ。
そして、しかし、それだけではないのだろう、と知っている。
数少ない経験だが、『加速させる』『乗っ取る(これは『誤認』だが平石はそう思い込んでいる)、『バイタルサインを読み取る』。
そういう、様々な能力を備えているものだ、と知っている。
『何ができるのか』? その好奇心は抑えておこう。いらぬ誤解を招くのも煙草がマズい。

「ああ、でもそうか。見た目でも色々と予想ができるってことですね。
 こちらこそ申し訳ない。至らないもので」

煙を吸い込み、『解除』。
細く吐き出す。ふと気づいた。

「……なんだか妙なモンですね。『スタンド』の名前が先だなんて」

「平石基。無職です」

堂々としていた。

75百目鬼小百合『ライトパス』:2021/05/13(木) 23:53:59
>>74

「へえ、『歯車』を出せるのかい。なるほど、道理だね」

発現された『歯車』を見て、納得したように頷く。
『歯車』を出す能力。
さらに『先』があると見ていいだろうが、
いくら同じ愛煙家とはいえ、初対面の相手に対して、
そこまで聞こうとは思わない。

「いやいや、アタシも配慮が足らなかったよ。
 まぁ、『これ』と同じく『お仲間』だって事さ」

『これ』と言いながら、咥えていた煙草を指の間に挟み、
口元から離す。

      フゥゥゥゥゥ――――…………ッ

煙を吐き出しながら、『ライトパス』を解除する。

「こりゃどうも御丁寧に。
 『百目鬼小百合』。『警備職』さ」

いつかは『百目鬼』じゃあなくなる。
そう思っていたが、自分はまだ『百目鬼小百合』だ。
多分、これからもそうなのだろう。

「ま…………頑張りな。
 関係ないかもしれないけど、
 アタシもずっと独り身のままでね。
 ハハ――――ま、似たようなもんさ」

職業と結婚。
生きる上でのしがらみという意味では、
ある意味『共通点』と言えなくもないかもしれない。
厳密には、色々と違う点はあるのだろうが。

76平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2021/05/14(金) 00:08:12
>>75
「警備。なるほど」

なにが「なるほど」なのか、言った自分もよく分かっていない。感覚だ。
何となく「なるほど」と思った。警棒だけではない。雰囲気や立ち居振る舞いや……
とにかく、感覚だ。

  スゥ ―――

フ―

「しばらく休んでから頑張ろうかと。円満退職でもなかったですしね」

『百目鬼小百合』。『警備職』。『警棒』を持った『ライトパス』。
感覚で納得できる。きっとそれにふさわしい『能力』もあるのだろう。聞くまい。
そして、ならば、『キック・イン・ザ・ドア』は――
何をもって、『平石基のスタンド能力』といえるのだろう。
ふと灰が落ちそうになる。もう根元まで尽きている。

「煙草、ありがとう。話せてよかった」

お礼を言って、火を消す。
最初のときよりも目線は上だ。床は見ない。
そして頭に思い浮かんだ質問は、当然、揉み消す。
彼女は『警備職』、答えなど決まり切っているように思われた。

「また縁があれば、会いましょう。では」

ぺこりと頭を下げれば、喫煙所を後にする。

77百目鬼小百合『ライトパス』:2021/05/14(金) 00:28:41
>>76

「平石さん、アンタのお陰で格別の一本が吸えたよ」

お世辞ではない。
馬の合わない相手が一緒だと、
煙草の味も不味くなるものだ。
普段よりも美味く感じたというのは、
同じ時間を共有したのが、気の合う人間だったからだろう。
『いい出会い』だった。
本心から、そう思える。

         スッ

「――――また何処かでね」

指に挟んだ煙草を持ち上げて、立ち去る相手を見送る。
確かめたかったのは、『どういう人間か』という事だ。
少し話しただけだが、悪い人間ではないと思えた。
もちろん、一度会っただけで全てが分かる筈もない。
だが、直感的に感じるものはあった。

         フゥ………………

「さて、『百目鬼小百合』――――これからも宜しく頼むよ」

一人になった喫煙所で、誰に言うでもなく呟いた。

78甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/05/15(土) 08:53:52
ショッピングモール

あま公は気になっていた、目の前にある『昆虫ゼリー』が
生まれてこの方『昆虫ゼリー』など食べた事は無いが、果たして美味いのだろうか…!?

79甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/05/16(日) 18:21:25
>>78
松本「昆虫ゼリーの味が気になるようだけど、食べてみる決心は付かないようだね
   じゃあ、毒見をさせてみたらどうかな?」
甘城「毒見…?」
松本「そうさ、まずこのゼリーを購入して
   周りの人達に普通のゼリーだと偽って食べさせて反応を見るのさ
   それで評判が良ければ我々も食べればいいんだ」

こうして松本に唆され昆虫ゼリーを周りの人々に食べさせ反応を見たが
防腐剤やら何やらを含んだゼリーは頗る評判が悪く、あま公達は命を狙われるハメになった

後日、防腐剤も合成着色料も含んでいない、ちょっと高級な昆虫ゼリーを食べたあま公は
昆虫ゼリーがちょっとマイブームになった

80りん『フューネラル・リース』:2021/05/22(土) 08:27:07
スカイモール屋上

鈴蘭マーク入りパーカーを着用
ヘッドホンとサングラスを着けた、頭の鈴蘭を咲かせた10歳程の少女が
ヒップホップのミュージックをかけてダンスを舞いながら闊歩している

りんが舞えば、頭の花もブルンブルンと揺れる!

今日のりんは、ダンシングフラワーだ!!!

Yeahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh!!!!!!!!!

81 隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/05/22(土) 08:57:10
>>80

「ひょぉおおおおおぉぉぉ!!! oh oh oh 0H!!
だいぶイケイケっショ!!
 屋上でダンシングって事は、そっちもUFO呼ぶために
踊ってんのかいキッズ!?
 じゃあ、こっちもいくぜぇ『パンテオン・ロココ』!
ふぅぅぅぅひょーーーーっっ゛!!!
へいへいheyheyご一緒にぃーーーー!!
U F O U F Oおおおおおおぉぉ〜〜!!!」


 『パンテオン・ロココ』でっ
そうさ、俺のスタンドが両の掌を押し付ければ『地上絵』になるのさっ イェェ工!!

 「へいへーいっっ゛!!! UFО  U  Fooooooーーー!!!」〜〜〜♪♬

ダンシングフラワーキッズと共に踊りつつUFОを呼ぶぜええええ!!!

82りん『フューネラル・リース』:2021/05/22(土) 09:20:33
>>81
「Hey!お兄さんノリノリだね!
 UFOはよく分かんないけど、宇宙人が乗ってるんだよね?
 宇宙「人」っていう事は人間なのかな?
 だったらうちも、宇宙人に会ってみたいな!yo!」

ノリノリで隼士のUFO降臨の儀に乗っちゃうりん
『パンテオン・ロココ』の『地上絵』を見て

「うわああああああああああっ!
 すっごい、何これお兄さんすっごいよ!
 こんなの見たら、宇宙人でも何でも寄ってきちゃうYo!」

回転したりバク転したり、アクロバットな動きで『地上絵』の周りを踊るりん

こんな目立つ事してるから、周囲の人間も何だ何だと寄ってきちゃうぜ!

83 隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/05/22(土) 09:36:45
>>82

 FО♬! FO♪!! fО♩!!! ℲО♫!!!! ℱо0♯!!!!!

何人かは何事かと俺達の踊りを見に来てくれたぜ、yeaaaaAAA!!!

さすがに一緒に踊ってくれるのは頭に花が咲いたKidsだけだが
こんなに注視してくれてんだから空のどっかを飛行してるUFOだって
絶対にアピールに気づいてくれるはずだぜぇえええ!!



       ――なのに


          カポーン・・・


「ウェ工〜〜ィ
来ないっショ……UFO」

折角『パンテオン・ロココ』が地上絵になって、けっこう
でかいスカイモールの屋上でやってんのにUFOが降りないっショ。

十分程、踊ってたけど次第に人も興味失ってダンシングフラワーキッズ以外は
自分しか居ないぜえ。

「うーーん、全然UFOからのラブコール応答が無いっショ。
なんで来ないと思うん? フラワーキッズ(りん)」

悩む顔つきでKidsに相談するぜぇ。一人で解決出来ないなら
二人ならなんとやらだぜー。

84りん『フューネラル・リース』:2021/05/22(土) 09:51:56
>>83
「うーん、来ないねぇUFO」

(UFOなんていないんじゃないかな、ファンタジーやメルヘンじゃないんだから
 でもそれを言ったらUFO兄さん傷ついちゃうよね…
 それにUFOはいるって思った方が楽しいよね!)

「情熱が足りないんだよ!情熱が!!
 宇宙人が喜びそうな物を買ってこよう!!!
 プレゼント作戦だYo!!!!
 それから一緒に踊ってくれる人も集めよう!!!!!
 もっともっと目立たなきゃだYooooooo!!!!!!!」

レッツGooooo!!!
踊りながら宇宙人が喜びそうな物を買いに行く
所で、宇宙人って何がお好きなんだろう?

85 隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/05/22(土) 10:25:25
>>84

大通りでもベンチを『地上絵』にしたんだ。そん時のランニングガールには
高い所が薦めって言われてスカイモールの此処に飛ぶ勢いで来たんだ。

けど 来ない。
 来ない来ない来ない来ない何で来ない来ない来ない来てくれ来ない来ない来ない来ない
来ない来ない来ない少しでいいんだ来ない来ない来ない来ない来ない来ない来ない来ない
頼むよ来ない来ない来ない来ない来ない来ない来ない来ない来ない来ないお願いだ来ない
来ない来ない来ない来ない俺の夢来ない来ない来ない来ない来ない来ない来ない来ない

頭の中に、つまんねー声が響くっショ めちゃくちゃ響くっショ

      UFOなんて居るわけないじゃん ばかじゃねーの?

 その歳でもUFOとかガキじゃねーんだから、もっと大人になれよ

   隼士って、そのガキ臭いところ早く直したほうがいいよ

 隼士 その趣味 いい加減に止めなさい 社会人だとみっともないわ

 
     ばーか       きもいって
 
 ちょっとヤバくね?   UFOなんて趣味陰キャの極み見たいじゃん


そう、周りの奴らには言われてるっショ 
けどそんなに馬鹿かな? 俺って大馬鹿なのかな?? ガキなのかな???

俺って、あいつ等より馬鹿なのかな。誰よりも一番UFOを、宇宙の最果ての
その先を突破して、つまんねー奴等の居ない素晴らしい世界に一番近い人達が
居るって信じてるのは、可笑しいのかな?

>情熱が足りないんだよ!情熱が!!

>もっともっと目立たなきゃだYooooooo!!!!!!!

(あぁ これでも『足りない』のか 『目立たない』のか 俺ってぇ)

(そうだ、もっともっともっとベストな『地上絵』
ハチドリ サル リャマ シャチ 海鳥
そんな宇宙人が見下ろして見飽きたようなのじゃねぇ スゲースゲー
スゲスゲスゲスゲスゲーーーーー『地上絵』が 居る)

         (・・・ああ  そうだ)


・・・・
俺の前に居るっショ     美しく  空に   映えそうな

・・
素材


 「hey ダンシングフラワーキッズ」   ガシッ フワァ

頭に花が咲いた少女(りん)が走り出そうとした矢先、隼士は
パンテオン・ロココを素早く動かす(パスCB)と共に抱え上げる(※抵抗してもいい)

満面の狂気が少し見える笑顔で ゆっくり話しかけるぜぇ

「そうだよな 宇宙人がめっちゃ
めちゃめちゃめちゃめぇぇぇぇっっちゃ見た事のないもんを魅せないとだよなぁ!
なあ、kids
――俺の夢の為に 協力(死ぬ)する意思ってショ
あるかなぁ〜?」

86りん『フューネラル・リース』:2021/05/22(土) 11:09:54
>>85
「ふぇっ?」

特に抵抗する事もなく、『パンテオン・ロココ』に、軽々と捕まってしまう、鈴蘭の少女

「どうしたのお兄さん、ちょっと顔が怖いよ…?」

隼士の、少し狂気の交じった笑顔に、軽い怯えを見せる少女
その体は若干震えながら、サングラスを外し隼士を真っ直ぐに見つめる

「協力?宇宙人も、お兄さんも、人間が喜ぶ事だったら何だってするよ
 人間が喜べば、うちだって嬉しいもん
 だけど……、今、お兄さんがしようとしている事は、宇宙人は本当に喜んでくれるかな?
 お兄さんは、後悔しないかな?お兄さんの顔を見てると、何となくやろうとしてる事は分かるよ……
 お兄さんが、それをやったら、きっと一生下ろせない、重い物を背負う事になると思う
 お兄さんはきっと……辛い事になると思う、うちは人間が傷つくのは嫌だ」

息を吸い、少しの間を置いて、再び語り出す

「うちは人間が大好きだから、人間達と寄り添いたいから
 だから生きたい、人間達と一緒に」

「それでも、やるっていうなら、本当にお兄さんに覚悟があるなら
 いいよ」

87 隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/05/22(土) 11:25:40
>>86(俺は君の意思を尊重するぜ UFO好きブラザー)

>うちは人間が大好きだから、人間達と寄り添いたいから
>だから生きたい、人間達と一緒に

 「……そうかい、そうかそうかぁ〜〜わりぃな 困らせてっショ
ダンシングフラワーキッズ………………んぅ? hey ちょっとリフレイン
ちょっとちょっとリプレイ
『人間たちと一緒に』ぃ????

 ――おいおい嘘だろ?
 ――マジかよぉぉ?!!?
 ――て事はあぁぁだぜぇ!!!??!
ダンシングフラワーキッズ!! そうだっ その頭に咲いてるの
最初に見た時からなんかマジもんに咲いてるように見えるなーって思ってたが
こんなに間近で見て理解したぜ、マジ(本物)の花が頭から咲いてんだ!!


 うひょぉぉ〜〜〜〜〜〜〜っっっっっイッツ アメイジングぅぅ!!!!

不思議モンスターガールが目の前に存在するってぇんなら
宇宙人だってマジでマジで実現するって確率が上がったショぉぉおおおおっっ!!!


Yeahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh!!!!!!!!! 」

フラワーキッズ(りん)がマジもんのフラワーなキッズであると理解した瞬間
協力の返答に悲しく笑おうとした表情が、まるで太陽の光を浴びて急激に
萎びていたチューリップが開花したかのように最初の時よりも激しい鮮烈な
踊りと陽キャな空気を放散させまくるっっショぉぉ〜〜!!!


 バンッ!!!

りんを地面に叩きつける代わりに、自分のかけてるサングラスを
パンテオン・ロココで地面に『サングラス地上絵』を発現させて更に踊る!!

「さぁダンシングフラワーキッズ!!! UFOを呼び寄せる舞いの続きだぁ!!
フラワーキッズと言う不思議な存在が居るんだ!!
 きっと、UFOも関心を引いてちょっとは通り過ぎてくれるっっショおおおぉ!!!」

いい感じに日が沈むまで踊りあかすぜぇ!!

88りん『フューネラル・リース』:2021/05/22(土) 11:54:14
>>87(ありがとう、うちは『最期まで生きる』よ……『その時』が来るまで)

「えっへへぇ〜♪いいでしょぉ〜この花
 普通の人間には咲いてない、うちだけの特別なオンリーワン!」

得意気に頭の鈴蘭を自慢する少女

「んん、何だか分かんないけど……
 うちの存在が、お兄さんを喜ばせたみたいで嬉しい!
 うちが存在する事が、人間の希望になったって、それって最高だよ!!」

自分という存在によって、隼士の心の花を開花させた事が、りんにとっては何よりの喜びだ
りんも花が咲いたような、とびっきりの笑顔になる

「みんな踊れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
 UFO降臨の儀式だよ☆
 Yeahhhhhhhhhhhhhhh!!!!!!!!!」

りんの呼びかけに応えたノリの良い民衆達が集まり、その日は日暮れまで踊り狂った
りんは彼らに、仲間の証である鈴蘭パーカーを配った
もちろん隼士にもパーカーをプレゼントだ!

祝え!後の『鈴蘭ダンサーズ』誕生の瞬間である!

89 隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/05/22(土) 12:11:16
>>88

鈴蘭パーカー みょ〜〜〜に鈴蘭の強い匂いが噎せ返るぐらいする感じの
パーカーだったっショ!

けどUFO仲間が増えたのはうれしいし、最後のほうは警備員が駆け付けるぐらいの
大盛況だったっショ!!!

 ・・・・
 けどさぁ


「やぁぁぁぁぁっっっっっっぱ
いまのままじゃ…………UFOは降り立たない気がすんだよなぁ〜〜」

あんなに大盛況だったのに綺麗な星以外に、未確認な光の筋も
不規則な星には無い動きっぽい輝きも見えなかった。

「んんっ? はっはははは ダンシングフラワーキッズ おっちょこちょいだ。
このパーカーのマーク。鈴蘭ってより『スノードロップ』っぽいっショ」

 スノードロップ:花言葉は希望 慰め……又は


「…………やっぱ『地上絵』には『素材』が居るぜぇ。
フラワーキッズは断ったけど、もしも、『素材』になっても困らなさそうなのが
居たり、周りに望まれてんのが居たらだぜぇ?
 ――それって悪い事じゃないし、慈善事業だよなあ キッズ」

 
  スノードロップ:あなたの死をのぞみます


 「ショッ! ショッ!!
さぁ〜〜〜UFOを呼ぶのに更に心機一転!! 一念発起で頑張るっショォォ〜〜!!」

両手を掲げ、力強く叫びつつ闇夜を力強く歩く。

鈴蘭の残り香を通り道に残しながら。

90関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/29(土) 05:58:16

リュックを背負い、ワンピースの上にエプロンを付けた、
お団子頭と泣き黒子が特徴的な少女が、
モール内のスーパーマーケットから出てきた所だった。

「…………ええと」

       キョロキョロ

              『部屋ノ虫除ケヲ 買イ替エタイ』
              『ト 言ッテイタ』 

「ああっそうでしたそうでした!
 フニクラ、ありがとうございます」

              『買イ物ハ 早クスマセテ』
              『血ヲ探スノガ 合理的』

                  スタスタ

声は途中から『スタンド音声』で
独り言を言う奇人とは思われない。          

――――むしろスタンド使いから見た方が、奇妙に映るだろう。

※『あなたの血が必要とされています!』参照
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/70

91眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/29(土) 07:01:02
 関の近くで気怠げな黒髪の女性がビラを配っている。

「『Quince Nail』ですぅ、よろしくお願いしますぅ」

 歓楽街にある『ネイルサロン』のチラシである。
 よく見るとその女性の爪もネイルがされているようだ。
 梅雨をイメージしているのだろうか。紫陽花のたらしこみに雫を散らした水滴ネイルだ。なぜか右手の薬指だけ鈴蘭のネイルになっているが。

>>90

「あれ? 今なにか変な声がしたようなぁ…。
 血を探す…ってなにかしらぁ…」

 電話にしては普通に会話が聞こえる。
 片方はお団子の少女からだとは思うが、『血を探し』ている声はどこからだろうか。眠目は思わず周囲を見回す。

92関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/29(土) 14:37:52
>>91

声が聞こえてくるのは――やはり『姿』は見えない。
が、よく観察していれば一種の傾向が見えてくる。
その『会話』の時、彼女はほんの僅かに後ろを向く。

「……………」

           …………と、目が合った。

「あのう、チラシ一枚いただいていいですか〜?」

温和な口調で声をかける。
ネイルサロンに足繁く通うほど浮いた金はないが、
爪や手のケアには、それなりに気を遣っている。

体験で安くやってもらえるコースなどがあれば…………

93眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/29(土) 15:03:57
>>92

 先程の声はどこから聞こえたのだろうか。
 スタンドによる声の可能性も考えるが、姿は見えない。眠目は気にしながらもチラシを渡す。

「はい、どうぞぉ。
 クーポンもついてるから、もしよければお気軽にねぇ」

 受け取ったチラシには<まつエクとネイルの店『Quince Nail』>という店の詳細とメニュー、割引クーポンが書かれている。
 メニューはネイルに深爪矯正、ハンドマッサージ、睫毛エクステ等々。下の方に『メンズネイルやってます』との文字が踊る。
 メタ的だが、費用は生活費からの支出になるのでクーポンは無視してもいいだろう。実質無料だ。

 渡した後、先程の声の主が見当たらないことに、小首を傾げつぶやくように疑問の声を漏らす。

「それにしてもぉ、さっきの『血がどうたら〜』ってなんだったのかなぁ…?
 幻聴…? それとも…『アレ』かしらぁ…」

 どうやら、幻聴か超常的な力を疑っているようだ。

94関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/29(土) 16:03:59
>>93

「まあっ、そうなんですねえ〜。
 こういうお店って、普段はご縁がないもので、
 クーポンでお試し出来るなら助かりますねえ」

関が倹約するのは寧ろ『生活費』だ。
ゆえに割引クーポンの存在は有り難い。

「爪を整えてもらうのも興味はありますし、
 ハンドマッサージなんかも、素敵ですけど……」

爪に装飾などはなく、切り方も素人だ。
チラシに視線を落とすヘーゼルアイも、
睫毛に何か特別の工夫をしている様子はない
書かれているメニューに目を通していた、が……

「……ああ!」 「血、ですかあ、ええと」

       『聞コエテイルナラ』
       『隠ス意味ガナイ』

……眠目の耳に、間違いなく聞こえる。
近付いている今なら分かりやすい。
この声は『リュックの中から聞こえる』

       『血ガ必要』『ナルベク早ク』

「……『幻聴』じゃあ、ないですよう。
 あまり大声で大っぴらに言うものでも無いですけど」

             グイッ

関はリュックをおろし、前に抱え直す。

「実は……私の方も、『営業』をしているんです〜」

          フワ…

そして、その蓋を開けると……『何か』が『中にいる』。
ボールのような……『動いている』『普通の生命体ではない』。

95眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/29(土) 16:40:46
>>94

「ハンドマッサージなら、ネイルのお客様にはサービスするからもしよかったらどうぞぉ」

 興味があると理解して、眠目は勧誘にかかる。
 そして、続く言葉にリュックの中身をまじまじと見て答えた。

「あらぁ、幻聴じゃなかったならよかったわ。
 『営業』していたのねぇ。まだ学生さんなのに偉いわぁ」
「もしかして、その子はお嬢さんのスタンドさんかしらぁ?
 営業って言って見せてくれるってことはぁ、その子でなにかするのがお仕事かしら…?」

 話しながら念のため、眠目も『ノワール・デジール』を発現した。
 もしそのスタンドからなにかが射出されたとしても『ノワール・デジール』で触れられるよう、隣に待機させる。
 『血を探す』と言ってる以上、血を見るような結果が想定される。警戒は当然だ。

96眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/29(土) 16:41:17
>>95

97関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/29(土) 21:32:17
>>95

「あぁ、そういうのもあるんですねえ!
 ますます興味が湧いてきましたよう。
 ゆっくり聞かせて貰いたいです……ただ、その前に」

だが、まずは『これ』の説明がいる。
『これ』の話をしながらにして、
ネイルの相談もするのは難しい。

「ふふ、偉くなんてないですよう、
 でもありがとうございます――――ええと、この子は」

              『私ハ フニクラ』
              『本体ハ 別ニイル』

「この『フニクラ』は……
 私のスタンドじゃあないんです。
 私のスタンドは――――」

      ポン

「この『帳簿』……『ペイデイ』の方ですので〜」

説明の前に自分のスタンドを出し、無害をアピールする。
一冊の『本』に過ぎないそれは、実際、危険性も無い。

「私の営業は、『フニクラ』の本体の方のために行ってまして。
 あのう……お時間よろしければ、あちらのベンチで話しませんか?」  

                ス

その帳簿で、少し離れた位置にあるベンチを指す。

お互いビラや買い物袋で手が埋まっているし、立ち話もなんだ。
『献血』と『ネイル』の話をするなら、座ってする方が良いだろう。

98眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/29(土) 21:53:29
>>97

「そうなんですねぇ。お嬢さんのスタンドじゃないんですかぁ…。
 ええ、せっかくですから、ベンチでお話ししましょうかぁ。
 ビジネスのお話になるか、どうかはわかりませんが…」

 帳簿のスタンド、となると攻撃性は低く思える。
 だが、その言葉を信じるにしても情報は足りない。
 それにもう片方のスタンド――『フニクラ』は血を欲しているのだ。警戒は解かない方がいいだろう。

「私の子は『ノワール・デジール』といいますぅ。
 ネイルオフしたりするのに便利な子なんですよぉ。
 このネイル、薬指だけこの子にネイルチップを外してもらってぇ…だからここだけ違うネイルなんですよぉ」

 嘘はついていないスタンドの説明をしながらベンチに腰掛ける。『ノワール・デジール』は隣に立たせたままだ。

「それで……『営業』についてお聞かせいただいてもよろしいですか…?」

99関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/29(土) 22:32:36
>>98

「まあ、お仕事にも使えるスタンドだなんて素敵ですねえ。
 私の『ペイデイ』も『お買い物』に便利なので、重宝はしてますけど」

                ボ ス

「『フニクラ』は『本体が自由に使えない』スタンドなので、
 本体の人は、凄く困っているんですよねえ…………」

眼目の後からベンチに腰掛けて、
買い物袋は自分の脇に置いておく。

「『営業』ですけど……ハッキリ言ってしまうと、『献血』です。
 『フニクラ』は、『スタンドの血液バンクのスタンド』なんですよう」

              『少シ 違ウ』
              『血液バンクハ 公共ノモノ』
              『私ハ 本体ニ 血ヲワタス』

「ああ、そうですね……他にいい表現が見当たらなくって。
 要は、『スタンドから血を採って』『フニクラに溜めて』『本体に渡す』」

リュックの中から浮上する『フニクラ』――――
そのヴィジョンは丸い、まさしくボールで、どこから喋っているのかは謎だ。

「私が任せられてるお仕事は、そう言う事なんです。
 ……ああ、『スタンドの血』っていうのは『フニクラの能力』でして〜、
 普通の献血みたいに、あなたの腕とかから血を採るわけじゃあないんですよう」

と、そこまでで一旦話を切り――――

「この後は、『なんで血を欲しがってるのか』を説明しますけど、何か質問はありますか〜?」

100眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/29(土) 22:52:13
>>99

「本体が自由に使えない……そんなスタンドがあるんですねぇ…」
「お買い物に使えるスタンドって素敵ですねぇ。今の季節なんてお買い物に出るのも憂鬱ですし…」

 浮遊する『フニクラ』に一瞬驚きながら、ただ話しているだけだと理解して様子を見る。

「はい、お話についてぇ、よくわかりました。
 『ノワール・デジール』からその子で血を抜いて、本体の方に血を届けるのがお嬢さんのお仕事なんですねぇ」
「ということは、私の子…それと本体である私に悪影響とか…あったりするのかしらぁ?
 人間だって献血でふらふらしたりするでしょう?」

 献血は眠目も行ったことがある。
 血が抜かれればそれなりに怠くなるものだし、月の物のつらさとはまた違うそれはあまりしたいものではない。
 そのことを思い出し、眠目はあまりしたくはないなと考える。

101関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/29(土) 23:08:17
>>100

「『なんでもできる』わけではないんですけどね〜。
 私自身、こうしてモールまで買い物に来てますし……
 ただ、『フニクラ』は本当に、本体の人には何にも出来ないんです」

             『制御デキテナイカラ』
             『制御ニハ 血ガ必要』

「ええ、そういうわけでして〜。
 そうですね……悪影響は、無いとは言えないですね。
 『ペイデイ』みたいな『モノのスタンド』はあんまりないですけど、
 『人型のスタンド』の人は、少しだけクラっとするみたいです」

自分自身は体験していないのでよくわからない部分もある。

「ちょうど、貧血みたいに。
 ……アレと違って、すぐ治まりはするみたいですけど、
 この後運動する予定があるとかでしたら、おすすめはしません」

だが、『朱鷺宮』の様子などを考えるに重い症状ではない。
とはいえ、それを『軽いので平気です』と言うつもりはなかった。

「ただ……血を集める理由も、そこに関係がありまして。
 今フニクラが言ったように、このスタンドは『制御できていない』……」

  「そのせいで、本体の人は『常に貧血になっている』状態なんです」

それは誠意もだが、『貧血を軽く見る』事は『加宮』を軽く見る事になるからだ。

102眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/29(土) 23:22:51
>>101

「それでも、便利ですよぉ。買い物って大変ですからねぇ」

 なんでもできる訳ではない。買い物するのに制限があるのだろうか。
 それでも便利そうなスタンドだ。

「なるほどぉ。つまり『ノワール・デジール』から血を採ると私もくらくらしちゃうんですねぇ…」
「この後は、チラシがなくなったらお店に戻るだけなのでいいんですけどぉ…。
 私、あんまり献血のくらくら感って好きじゃないんですよねぇ…」

 手元にあるチラシはそんなに厚くない。
 スカイモールという人の多い場所であることを考えればそう時間もかからず終わるだろう。


「つまり、本体の方は常に貧血でくらくらされていて困ってらして、
 なんとかするために『フニクラ』さんを通して血を分けてあげないといけないんですねぇ」

 眠目は悩むそぶりを見せる。
 貧血のつらさは女性であれば誰だろうとわかるものだ。助けてあげられるのであれば助けてあげたい。
 そう思っている時点でもう警戒は解けているのだろう。

「わかりました。では、具体的な『営業』内容について教えていただけますかぁ…?
 お嬢さんは『血』という利益を得るために、どうしますか?」

103関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/29(土) 23:47:00
>>102

「そうですねえ、あんまり『気持ちのいい』感覚ではないと思います。
 本体の人が困ってるのは事実なんですけど……
 そのために、あなたが困ることになったら、収支は結局ゼロですし〜」

「私の方も、もちろん『報酬』は出しますよう。
 本物の献血だって、お菓子とジュースくらい出しますもんねえ」

そこまでドライに物事を考えている訳じゃあない。
だが、ここはあえて利益と損害をはっきりさせよう。

「まず、1つ。貴女の営業に乗らせていただきます。
 『ネイルサロン』……以前から興味はありましたけど、
 血をいただけるなら、必ず『顧客』にならせていただきますよう」

関はあくまで『倹約家』であり『赤貧』に喘いでいる訳ではない。
勿論余裕はないが、ネイルサロンに行けないほど苦しいわけでもない。
無論、それは倹約の賜物でもあるわけだが――――

「それと……私の『ペイデイ』を1度、あなたのために使いましょう。 
 能力は『あらゆる日用品や食料品を、好きな値段で買える』事。
 上限は1万円で、値段に応じて品質は上下します……
 『経営者』のあなたになら、この『有用性』は分かると思います」

        「もっとも、使えるお金にも制限がありますので、
         『いつでも自由に』……とは、言えませんけどね。
         小口で良いならこの場でも出来ますけれどお、
         大口なら、この仕事が終わるまではお待ちください」

報酬――――『20万円』。その一部を使うのは本来なら避けたい。
本末転倒でもあるからだ。だが、慈善事業にならない範囲でなら『使うべき』とも考える。

104眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/30(日) 00:09:51
>>103

 ふむふむと声を出しながら提案された条件を吟味するように眠目は目を閉じた。

 まず第一の条件。
 『顧客』となってくれること。顧客が増えるのは純粋に喜ばしいことだ。
 そしてそれが若い女性であれば、口コミから新しい顧客を呼ぶ可能性もある。
 リード顧客の広がりは今後の経営を考えると『美味しい』と判断できる。
 その上で、眠目自身の趣味もある。若い子の目玉は白目が青白いことが多い。それがなかなかに美しいのだ。

 そして第二の条件。
 一度だけスタンドで買い物をさせてもらえる権利。これは品質を高めることもできるらしい。
 なにを買うとしても、損になることはないだろう。

「……わかりましたぁ。
 とてもいいお話だと思います。『営業』をお受けしましょう」
「ただし、『買い物』については今すぐには思いつきませんのでぇ…。
 またいつかまで保留とさせていただければと思います」

 買い物できるのは『日用品』だけらしい。
 一番に思いついた『ガラスの目玉』はどう考えても『日用品』ではない。
 ビスクドールから目玉を剥ぐのもはばかれるのでイブリアイを頼もうと思ったが、残念だ。

「『血』は今ここで採りますかぁ?」

「あ、そうだ…。
 それと、とてもいい条件をいただけたのでぇ、もう一つこちらもサービスさせてください。
 私の子も、輸血ができるみたいなので、もしかしたら本体の方のお役に立てるかもしれませんよ?」

 年下の女の子が、これだけいい条件を出してくれたのだ。
 これくらいのサービスはしてもいいだろう。
 とはいえ、『ノワール・デジール』を実際に輸血に使ったことはまだないのだが。

105関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/30(日) 00:28:01
>>104

「まあっ、いいお返事をありがとうございます〜。
 きっと、本体の人も喜んでくれると思いますよう……!」

会心の笑みが浮かぶ。
『遊部』ほど上手くはやれていないが、
これでまた一歩前進させる事が出来た。

「ええ、『連絡先』を後で伝えておきますので、
 買い物が決まったらまたその時に教えてくださいね。
 もちろん、少しお待たせする事もあると思いますけど」

「血は〜、そうですね、ここだと少し目立ちますけど」

              キョロ …

           『目立ッテモ スタンド使イニダケ』
           『次ノ 人間モ 見ツカルカモシレナイ』
           『合理的』

「まあ、そうですねえ……特に、人が多いわけでもないですし。
 ……? サービスですか? ええと、それは『ノワール・デジール』の能力で?」

「どうでしょう、ありがたい申し出ですけど、具体的には『どういう』?」    

と、『フニクラ』に『注射器』を出させつつ問いかける。
『ノワール・デジール』――――ネイルに作用する事しか、今のところは分かっていない。

106眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/30(日) 00:45:36
>>105

「本体の方に喜んでもらえるのなら嬉しいですねぇ…」
「わかりました。
 では、ここで今。さくっと採ってもらいましょうかぁ」

「連絡先についてはぁ、こちらの連絡先がチラシに書いてありますので。
 そちらにスタンプを送ってくだされば、こちらで登録しておきますねぇ」

 今はチラシに店舗用のアカウントを記載するのも当たり前の時代である。
 便利な世の中になったものだ。

「ちょっと、私の子は能力を使うのに音がしてしまうので今ここでお見せできないんですがぁ…」
「この子は物を瓶詰にしてしまうことができるんです。
 たとえばネイルチップとか、血液とかぁ…。
 瓶詰にしたものはぁ、他の方に移植することができましてぇ…」
「たとえばその方の血液型がとっても特殊でぇ、
 輸血を受けられないという状況でもこの子を使えばぁ、他の人の血を拒絶反応なしに輸血することができます」

 普通の人であれば貧血は輸血すれば済んでしまう。
 もし、血を作る機能が弱いのであれば様々な方法を使う必要はあるだろうがそれまでだ。
 つまり、普通の人ではないから輸血を受けられないのではないかと眠目は考えたのだ。

「もちろん、本体の方に会わせたくない等あるとは思いますので、
 これはぁ、あくまでも提案ですね。いかがですか?」

107関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/30(日) 01:09:25
>>106

「ああ、そうなんですか!
 それじゃあ私の方からスタンプを入れておきます〜」

チラシをリュックの中に入れておく。
公式アカウントは双方向で無いものもあるが、
個人経営ならそうでは無いのだろう。

そして、『ノワール・デジール』の能力だが……

「なるほど……つまり、貴方を本体の元に連れて行って、
 そこで『私の血を』瓶詰めにして移植できれば……
 少しくらいは、楽になるかもしれないって事ですね」

特に何か意図があるわけではなく、
関の常識の範囲での献身として、
瓶詰めにする血は『自分の物』だ。
それは『前提』だった。

「……少し考えさせてください、というより、
 本体の方に一度確認を取ってみますね。
 とりあえず今日は、『フニクラ』の力を使いましょう」

加宮が『通常の輸血』で助かるとは思えないが、
短期的に楽になる可能性はゼロではない。
彼女への確認次第では、違った一歩も踏み出せそうだ。

             ……が、まずは。

「それじゃあちょっとだけチクっとして、
 クラっとすると思いますけど……
 少しの間、我慢してくださいねえ」

      『貴方ノ血ガ 必要トサレテイマス』

          シュッ

注射器を抜き取り、構える。
これについては勿体ぶる方が申し訳ないので、
眠目の準備が出来ていれば、そのまま採ってしまおう。

108眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/30(日) 05:52:56
>>107

「私の子で輸血する血は同じ生物ならいいらしいのでぇ、
 たまたまそこにいる人でも、私でも、病院で死にそうな人でも採れちゃうとは思います。
 ただ、輸血が必要な状況があまりないのでぇ、私の経験不足はあるのですがぁ」

 確認を取るという言葉に頷きながら、『ノワール・デジール』を『フニクラ』に近付ける。

「では、『営業』上手なお嬢さん。どうぞぉ」

 眠目は献血を受け入れるようだ。

109関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/30(日) 21:31:20
>>108

「今回は、他の人を巻き込むのも悪いので……
 それをするなら、私の血が良いとは思います。
 でも……すごく沢山の人が助かる、素敵な能力なんですねえ」

勿論何か条件はあるのだろうが――――
完全な輸血や移植が出来るだけでも、夢の能力だろう。
もっとも医者や患者にとって、と言う話だが。

「ふふ、上手にやれてればいいんですけど……はあい採りますよ〜」

       プス

            キュウウウウウウウウ ・・・

注射器の中には少しずつ、『血』が溜まっていく。
そして、『眼目』には『疲労感』が。
血液そのものを抜かれる脱力感、という風ではなかった。

「……よし、こんなものですねえ〜。『献血』へのご協力、ありがとうございます」

                ペコ

           『コレデ マタ一歩 制御ガ近付ク』
           『ダガ マダマダ 必要』
           『時間ハ ソレホド 長クハ ナイ』   

「ええ、そうですね……早速、今日明日にでも、これを届けに行かなくっちゃあ」   

『フニクラ』に注射器を戻しながら、眼目に一礼し――――大きな三歩目を喜んだ。

110眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/30(日) 21:53:04
>>109

「もし、お手伝いできそうなら教えてくださいね。
 確かに、私が医者であればいろんな人が助けられたかもしれませんねぇ」

 眠目は『ノワール・デジール』から抜かれていく血を眺めながら、少しずつだるくなっていくのを感じた。
 普段からどこかだるそうな印象のある眠目だが、今はいつもより気怠げだ。

「ふぅ…。『営業』お疲れさまでしたぁ。
 では、来店お待ちしていますねぇ。歓楽街の大通りから一本入った裏通りでやってますのでぇ」
「これでぇ、『フニクラ』さんの本体さんがよくなるといいんですが…」

「うーん、なんだかだるいですし、チラシ配りはもう切り上げて帰っちゃおうかなぁ…。
 うん…。そうしましょう…」

 眠目は自営業ならではの気軽さで今日は仕事を切り上げることにしたようだ。
 このままなにもなければ帰るだろう。

111関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/30(日) 21:58:06
>>110

「あっ、でも、ネイルサロンでもお役立ちでしょうし……」

自分の言葉が『皮肉』になっていた、
そんな気がして少しだけフォローした。

「今日はありがとうございました。
 『お返し』はどちらも忘れませんので、
 近いうち、お店の方伺わせていただきます〜」

「私……『関』と言いますので、
 その名前で予約も入れますね」

ベンチから立ち上がり、改めて頭を下げ直す。

「多分今日中には治るとは思いますけど、
 帰り道はお気を付けてくださいねえ。それではまた……」

『フニクラ』をリュックの中に戻して、まずは買い物の続きに行こう・・・

112眠目倫『ノワール・デジール』:2021/05/30(日) 22:21:54
>>111

「そうだ、私も名前を…『眠目倫(サッカリン)』といいます。
 では、ご予約お待ちしておりますねぇ。『関』さま」

 そう言い残し、眠目はゆっくりと帰路についた。

113宗像征爾『アヴィーチー』:2021/06/05(土) 18:53:40
>>766

かつて俺には生きる意味があった。
それを失った時、俺の中で別の目的に置き換わった。
それを果たした時、俺には何も無くなっていた。

       ザッ ザッ ザッ

今の俺にとって『仕事』が全てだった。
他にやるべき事が無いからだ。
だから、休みの日が来る度に困らされる。

       ザッ ザッ ザッ

苦肉の策として、何かやる事は無いかと街を歩く。
大半は徒労に終わる。
そして、俺は『次の仕事』に向かう。

          ザッ

「何か見つかるといいが――」

展望台に立ち、そこから街を見下ろす。
『何か』を探す為だ。
それが何なのかは俺にも分からない。

114遊部『フラジール・デイズ』:2021/06/05(土) 19:12:21
>>113


詳細↓
【対応してくださる方々へ】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/70n

「どうかなされました? そんな所で」

後ろから声を貴方はかけられる。振り向けば、居るのはフードで顔が影で
見えない黒の外套と白い手袋で素性を隠してる怪しい恰好の人物だった。
声は、年長の女性のように感じられる。そして、背にはリュックを背負っている。

「ここら辺の景色を眺めてるだけでしたら、余計なお節介でしたが。
もしも、何か身投げのような事を考えてたり深い悩みが
おありのようなら、私としても放っておけませんでしたので」

そう、少しだけ困った声色で女性は告げた……。

115宗像征爾『アヴィーチー』:2021/06/05(土) 20:33:08
>>114

しばらく街を見下ろしていたが、目に付く物は見当たらない。
最初から見つかる筈は無いのかもしれない。
俺自身、何を探しているのかも分からないのだから。

「気にしないでくれ。別に深い理由は無い」

          ザッ

振り返り、相手の姿を一瞥する。
その風体からは、『普通ではない』という印象を受けた。
だからといってどうという事も無いが、
『奇妙な人間』なのは確かだ。

「俺よりも、あんたの方こそ何かありそうに思えるが」

『灯台下暗し』という言葉を思い出す。
展望台の『外側』には見つからなかったが、
『内側』には見つかったようだ。
心の中で、目の前に立つ相手が、
俺が探していた『何か』である事を期待していた。

「――――違うか?」

116遊部『フラジール・デイズ』:2021/06/05(土) 23:02:49
>>115

>俺よりも、あんたの方こそ何かありそうに思えるが
>――――違うか?

「いえ、違いませんよ。
ある物を収集してるのですが、少しばかり集まりが悪くてね。
時間制限もあるので、少し焦りもあるのが実情で」

そう、女性らしい人物は軽く小首を傾げる感じでつぶやく。

「『スタンド』
その物体より血を集める事で、とある人物を治療すると言う
任務にあたっていましてね。
 貴方、心当たりはありませんか? この単語に対し」

(私の勘が正しければ……この人物。
凄まじい力が内側に感じられる)

 色々な思惑を秘めつつ、迂遠な会話より直球な問いが
好ましい事を信じて問いかける。

117宗像征爾『アヴィーチー』:2021/06/05(土) 23:35:20
>>116

「ああ、『心当たり』はあるな」

『スタンド使い』は『スタンド使い』と遭遇する可能性が高い。
そういう話を聞いた事がある。
恐らくは、これも『その一例』といった所だろう。

「そして、俺が『スタンド使い』なら、
 俺の『スタンド』から『血』を採る」
 
「――――そういう話か?」

この女の話が本当なら、
俺のスタンドが役に立つという事になる。
『アヴィーチー』の能力は、
傷付けるか殺す事しか能が無い。
誰かの命を救う事に使えるなどとは、
今まで考えもしなかった。
少しでも足しになるのなら、受けるべきなのだろう。
だが、心の奥には『迷い』もあった。

「一つだけ聞かせてくれ」

「もし『血』が集まらなかった場合、その人間はどうなる?」

『俺の血』が誰かの体に入る。
思い浮かべたくも無い考えが頭を掠め、
いささかの躊躇いが生じた。
『どんな食べ物も入ってしまえば同じ』とも言えるが、
それでも考えずにはいられなかった。

118遊部『フラジール・デイズ』:2021/06/06(日) 00:19:33
>>117

>もし『血』が集まらなかった場合、その人間はどうなる?

「そうですね……まず、実際に見せるべきでしょう。
――フニクリ」

 『アナタノ 血ガ 必要ト サレテ マス……』

 女がリュックを広げると、その中からバレーボールサイズの
注射器が生えたスタンドが出てくる。

「私のスタンドではありません、このスタンドの本体が重度の貧血で
活発に動けないので私が代行してスタンドから血……もといエネルギーの塊を
採取してるんですよ。
 あと1月程が、スタンドに聞いたところタイムリミットのようです。
時間が過ぎると本体に対して自動操縦らしい、このスタンドが何かするか。
もしくは周囲から無差別に人間の血を奪おうとするか……」

どちらにせよ良い事は起きそうにないですね。と締めくくる


「いまのところ、数人のスタンドから注射器で血のようなものを
集めて本体に投与しましたが、特に問題はないので気がかりなのは
タイムリミットを迎える事だけですね。
 残り2、3人に献血を望まないといけないので悠長にしてられないんですよ」

これは全て本心だ。
 出来る限り、早く加宮には『治療』を施し、その『結果』を見届ける。

失敗例も貴重だが。想像出来うる最悪の形を見るより、未知なる回復を
観察するほうが有益だ。

119宗像征爾『アヴィーチー』:2021/06/06(日) 00:40:53
>>118

「『事情』は分かった」

話を聞く限り、何が起こるかは分からないが、
良くない結果を招く事だけは確かなようだ。
『俺の血』が誰かの体に入るというのは、
決して好ましい事とは言えない。
だが、不鮮明な問題を看過するよりはマシだろう。

       ――――ズズゥッ

傍らに『アヴィーチー』を発現する。
『右腕』に『ノコギリザメ』の意匠を持つ人型のスタンドだが、
そこに『鋸』は見えない。
今は出しておく必要が無いからだ。

「多少でも誰かの役に立つなら『俺の血』を渡そう」

          スッ

       「やってくれ」

おもむろに『アヴィーチー』の『左腕』を差し出す。
『右腕』を出さないのは、せめてもの配慮だった。
どちらを出そうが『採る物』は変わらないだろうが、
『気持ちの問題』だ。

120遊部『フラジール・デイズ』:2021/06/06(日) 01:00:17
>>119(特に何もなければ次で〆ます)

「判断が早く助かります。それでは」

 『ゴ協力 二 感謝 イタシマス』 

  ズ  ギュ   ゥ  ン……。

『アヴィーチ』に対し『フニクリ』の生えた注射器によって『採血』

(これで、残り2名程がノルマだな……)

彼女『関』が、自分より上手くやってる事を祈りつつ
『フラジール』として演じつつ告げる。

「ご協力、感謝します。
お礼 と言うには少し違いますが。私は『フラジール』
『アリーナ』で働いており、幾らか鍛えてる方達には『紹介状』を渡してます。

主に闘技場に出たい方へ渡すんですが、今回、献血にも協力してくれた手前
有事の際にアリーナと伝手を持ちたい時に、この場所への連絡をしてみれば
もしかしたら手助けになるかも知れません」

121宗像征爾『アヴィーチー』:2021/06/06(日) 01:16:57
>>120

『アヴィーチー』から『血』を採られた直後、
全身に虚脱感を覚え、片手で手すりを掴んで体を支える。
だが、幸い意識は鮮明だった。
ここから歩いて戻るだけの余力があれば十分だ。

「『アリーナ』の人間とは、何度か顔を合わせた事がある。
 必要になるかどうかは分からないが、貰っておこう」

『アヴィーチー』を解除して、『紹介状』を受け取る。
喉から手が出る程に欲しい物でもないが、
持っていて邪魔になる物でも無い。
俺にとって何よりも有意義だったのは、
探していた『何か』を見つけられた事だ。

「あんたのお陰で『意義』のある時間を過ごせた」

       スッ

「――――感謝する」

手すりから手を離し、姿勢を正して『フラジール』に一礼する。

122遊部『フラジール・デイズ』:2021/06/06(日) 09:05:28
>>121(ご協力に感謝いたします)

「えぇ、お気を付けて」

宗像の去る後ろ姿を見届け、その人影が完全に見えなくなってから
そう言えば、彼に自己紹介もしてないし名前も聞かなかったなと
今更ながらに思う。

(まぁ、良い。この街の力が働くなら引かれあう可能性も高い。
それにしても、少し『ライ』に近しい気配を感じる気がした。
……次に会う事があれば、気に掛けるとするか暫し)

暫し彼が眺めていたように自分も見える景色の街並みを眺めてみた。

何時も通り 『私』には何の感慨も衝動も感じえない風景だ。

あの男(宗像)は何をこの景色に思っていたのだろう。

風景の中で流れる雲が目の端に移る間ほどに、その事を考えて。
そして、無意味な事だと結論付けて足を展望台と反対に向ける。




「……行くか」

123ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/09(水) 22:26:34


モール内のベンチに座り、なにやら色々と荷物を広げている金髪の子供がいた。


「これをこうして」


すぐそこに別のベンチがあるが、邪魔といえば邪魔だ。

124夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/06/10(木) 19:46:56
>>123

「ゲンキか??『フェアチャイルド』??」

『図書室で見かけた子供』に話しかけた。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647476/917-938

「ナニこれ??『フェアチャイルド』??」

荷物の一つを手に取って見る。
そんなコトより、
『フシギのクニのサカサマぶ』にはいらないか??
げんざいのブインは、アリスと『ミルドレッド』だ。
イマはいると、オリジナルボールペンもついてくる!!
ただし、『さかさまのクニ』にチョウキタイザイすると、
アタマにちがのぼってズツウがするらしいぞ。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1614349342/69-79

125ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/10(木) 22:00:29
>>124

「ぬお……?
 アリスちゃん? お久しぶりじゃな。
 わしは……あまり元気ではないの。最近、暑くてな……ここは涼しいが」


自分を不思議な呼び名をする女の子。心当たりがある。
そう思って振り向くと見覚えがある顔。
以前会った時は制服だったのだろうか? 今はどうだろう。
この子供は相変わらずぶかぶかの服を着ているが、夏だから薄着だ。


「それは看板……いや旗? なんて言うんじゃろうか。
 ここにくっつけるんじゃが」


夢見ヶ崎が手に取ったのは、ハンカチ……だろうか。
手触りの良い生地で端にレースがついている。ちょっと高そうだ。
その真ん中にはデカデカと黒く『ん』と書いてある。
それから、子供の指さす先に置いてあるのは、竹刀。

同時にどこかから電波が飛んできたが、この子供が
スタンド会話というある種のテレパシー能力を有する超能力者であっても、
地の文に反応する能力は無く、『不思議の国〜逆さまの裏技〜』に入部する事は出来なかった。

126夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/06/10(木) 22:55:17
>>125

振り返ると、そこに『アリス風のファッション』で立っていた。
だが、どことなく『パンキッシュ』なイメージだ。
頭の上にはリボン結びにした派手なスカーフ。
青いサングラスを掛け、
両手の爪にはカラフルなネイルアート。
ちなみに、前に図書室で会った時も同じ格好をしていた。
そういえば、セイフクをきてたバメンなんか、
イマまであったか??
『なかった』に300エンかけよう!!

「あ〜〜〜!!わかる〜〜〜!!
 じつは、アリスもウミのちかくでブッたおれたコトがあるぞ。
 たのしくなってはしりまわってたら、
 きゅうにクラッときてな…………」

『あの時』の事を思い出す。
たしか、ダレかにたすけてもらったんだっけ??
ぐたいてきにいうと、こんなカンジ↓だ。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/711-729

「おいおいおいおいおい。
 いくら『カンジ』がよめないからって、
 さすがにコレぐらいはよめるぞ」

        「『ん』ってかいてある!!」

      ドォォォォォォォ――――――ンッ!!

『ん』じゃあ、つづけられないじゃないか!!
つまり、アリスの『かち』だ。
いや、まてよ??
『ん』っていってしまったから、アリスの『まけ』なのか??
まさか、こんな『しんりトリック』をしかけていたとは……。

「よし!!じゃあ、はやくつくろうぜ!!」

ハンカチと竹刀を両手で持って、フェアチャイルドを急かす。
でも、ちょっとジミだな……。
『あ→ん』とかどうよ??
『あ』から『ん』までゼンブあるってイミで。
おん??コトバにしなきゃわからんのか。

「――――『あ→ん』とかどうよ??
 『あ』から『ん』までゼンブあるってイミで」

というコトで、コトバにだしてテイアンしてみよう。
ジッサイにコトバにしないとつたわらない。
ダイジなコトだ。
このまえ『ふくろうカフェ』でみかけた『シロフクロウ』も、
コトバにしてないから、アリスにつたわらなかったんだろう。
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1607077443/266-275
こんどあったら、
コトバにするたいせつさをキョウユウしたいトコロだ。

127ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/10(木) 23:09:09
>>126

学校で放課後に勉強している時もその恰好ということは、
授業もそれで出ていたのだろうか……その真相は、子供には知り得ないことだが……


「なんと。それは気を付けなくてはいかんぞ。
 熱中症というやつじゃろう。テレビでやっておった」


言いながら、子供は手元を動かす。
ベンチには、リュックの他、同じようなハンカチが数枚に、万年筆が置いてあった。


「なるほど。全部ある……よろず屋というわけじゃな?
 じゃが実際、なんでもあるわけじゃないからの……
 それにやっぱり看板はわかりやすさじゃ」


3枚のハンカチに書かれた文字は『こ』『う』『か』
それを、夢見ヶ崎が持つ竹刀の竹の隙間に挟む感じで差し込んでいく。
とりあえずくっつくが、安定性は微妙だ。

128夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/06/10(木) 23:43:01
>>127

アリスはアリスだからアリスなのだ。
つまり、アリスはアリスってコトになるな。
ナットクした??

「なんだ〜〜〜。
 ソレをさきにいいたまえよ、フェアチャイルド」

ゼンブあわせると『カンコウ』になるな。
つまり、フェアチャイルドは、
あたらしい『ツアー』をキカクしているのか……。
どこにいくかがモンダイだ。
やっぱり『サカサマのクニ』かな??
あそこはニュウコクシンサがキビシイぞ。

  「『ドクター』――――」

      ズギュンッ

          「――――そして『こう』だ!!」

               シュッ

『ドクター・ブラインド』を発現し、
『爪』の先でフェアチャイルドを軽くつつく。
それによって、『超人的四感』の一つである、
『超触覚』を移植する。
つまり、手先の感覚が超人的に鋭敏になる事を意味する。
つまり、なんとなく『キヨウさ』がアップするんじゃない??
ってカンジだ。
で、ジッサイのトコどうよ??

129ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/10(木) 23:53:12
>>128

どういうことだってばよ!?


「ぬわー!
 なんじゃ!? これは一体!?」


器用さがアップ!
鋭敏になった感覚に驚いた声を上げる子供。
それはそうと、竹刀の隙間に挟むという方法がゴミなので、結果は変わらない!


「おおおお、できた」


引っ張ると取れそうだが、とりあえずくっついた。
上から順に『こ』『う』『か』『ん』だ。
『かんこう』ではないらしい。
そして竹刀をリュックに入れ、背負う。
リュックからはみ出た竹刀にはためく『こうかん』の文字。
子供の脳内イメージ的には桃太郎の背負った『日本一』と書かれた旗みたいな感じだ。
実際は支えが無いのでハンカチは垂れ下がり、非常に読みにくい。

130夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/06/11(金) 00:11:52
>>129

「うんうん、これでフェアチャイルドもイチニンマエだな!!」

完成した旗を前にして、満足そうに頷く。
けっきょく『イショク』したイミがあったかって??
きくんじゃねーよ!!

「わるくないけど、もっとビシッとしたほうがイイな。
 ぜんたいのバランスと、
 フォルムとシルエットがうんぬんかんぬん…………」

「――――あ!!」

        ダダダッ

何かを思いついた顔で、唐突に走り出し、
近くのコンビニに入った。
少しして戻ってきた手には商品が握られている。
『接着剤』だ。

「『コレ』とかどう??よくない??」

とりあえず固定に関しては多少マシになるかもしれない。
ならなかったとしてもセキニンはもてない。
そのまえに『ジニン』してセキニンのがれしよう。
いわゆるオショクジケンだ。
フェミレスでつかえるかな??

131ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/11(金) 00:24:53
>>130

「ダメかの?」


バランスだのフォルムだのシルエットという話はよくわからなかったが、
その反応に不安になったらしい。
しかし位置的に子供から旗は見えない。
自分の尻尾を追う犬のように、その場でくるくる回り、旗を視界の端に収めようとする。


「おや? アリスちゃん……どこへ?」


回っていると夢見ヶ崎がいない……
しばし、どこへ行ったかと不安そうにキョロキョロと見渡していると、
コンビニから出てきたので小走りで駆け寄った。


「こ、これは……わざわざ、わしのために?」


チラチラと夢見ヶ崎の顔と『接着剤』を交互に見る。

132夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/06/11(金) 00:43:45
>>131

ちなみに『フェミレス』っていうのは、
さいきんオープンしたファミレスのコトだ。
けっしてまちがえたワケじゃないぞ。
きづかなかったヒトは、きかなかったコトにするように。

「じゃあさじゃあさ、コレ『こうかん』しない??
 しんきオープンきねん『だいいちごう』だ!!」

『こうかん』って書いてるくらいだし、
『交換』した方がいいのだろうと考えた。
アリスはクウキがよめるのだ。
『ふくろうカフェ』で『あまこう』にもチューイされたし。

「で、ナンかイイのない??」

接着剤を差し出しつつ、リュックを見る。
シンソウカイテンしたみせにはいるのって、
なんかトクベツカンあるよね。
イチバンブロにはいるのににてるな。
いや、つもったユキにアシアトのこすのににてるか??
それとも、バケツプリンのひとくちめを、
スプーンですくうときににてるかもしれない。
そうか、わかった!!
『フェミレス』にはいるときににてる!!

133ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/11(金) 00:56:23
>>132

気づかなかった……!


「それはグッド、ナイス、良いアイディアじゃの!
 ヘイラッシャイ」


お客が来た時の歓迎の呪文を唱え、いったんリュックを降ろし、中を漁る。
まあ、『記憶交換』なのだが、それにしたって交換のタネが必要だからだ。
タネ自体はなんでもいいのだが。


「これはどうじゃ? 『シオタブレット』
 美味くない菓子かと思っておったが、
 最近見たテレビによると熱中症に効くらしい」


と、取り出したのは、包みに入った白い錠剤のようなものだ。


「ふうむ、これだけではちと寂しいか?
 夏ははじまったばかりじゃし、もっと沢山だすか?
 それともお菓子かの? お菓子なら結構色々あるんじゃが」

134夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2021/06/11(金) 01:12:58
>>133

いかなるときでもビジネスチャンスをのがさない。
それが『セイコウシャ』のヒケツだ。
コレさえあれば、タワーマンションのさいじょうかいで、
ガウンをはおってワイングラスをころがせるぞ。

「う〜〜〜ん………………」

「もうひとこえ!!」

悩んだ末に、他の商品を要求した。
『シオタブレット』だと、ちょっとイマイチなカンはいなめない。
ウサギにたとえると『ネザーランド・ドワーフ』くらい。
セカイさいしょうのウサギらしいぞ。
セカイさいだいの『フレミッシュ・ジャイアント』とはいかないまでも、
もうちょっとほしいトコロだ。

「めずらしいヤツとかない??
 え〜〜〜と、ナンかこう……パッとしたヤツがいいな!!」

そこはかとなくフワッとした注文をつける。
センスというかフィーリングというか……。
まぁ、フェアチャイルドにオマカセでイイんじゃない??


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