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【場】『 湖畔 ―自然公園― 』 その2

1『星見町案内板』:2020/06/04(木) 14:10:32
『星見駅』からバスで一時間、『H湖』の周囲に広がるレジャーゾーン。
海浜公園やサイクリングロード、ゴルフ場からバーベキューまで様々。
豊富な湿地帯や森林区域など、人の手の届かぬ自然を満喫出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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888小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/24(土) 18:27:04

森の中に立つ『喪服の女』。
その右手には一振りの『ナイフ』が握られている。
『スタンド』だ。

           スゥッ……

『ナイフ』を持ち上げ、左の掌に鋭利な刃を滑らせる。
白い肌が薄っすらと裂け、細く赤い線が滲み出す。
それを見つめながら、静かに物思いに耽っていた。

  ――いつか……。

『鎮静剤』は手放した。
大きな理由は、自分自身の気持ちに『整理』をつけるため。
それまでの自分とは違う『新たな自分』として、
この『命』を全うするまで生きていきたいと考えたからだ。
また、別の理由もあった。
『今の自分』には、もう『必要なくなった』からでもある。

  ――会いに行きます……。

『本体の身体』を切り離す『スーサイド・ライフ』は、
『本体自身』を傷付ける能力を持たない。
しかし、『本体以外の生物』を切り離す『ビー・ハート』には、
『本体』を傷付ける事が出来る。
それも、『鎮静剤』を捨てた理由の一つだった。

  ――待っていて下さい……。

滴り落ちる雫に穏やかな眼差しを向け、『彼』を想う。

889仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2021/07/24(土) 19:12:26
>>888
「ふゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
「『自傷行為』!」

 ガサ ガサ

少女の声。
藪をかき分け、小石川の右あたりから歩いてきているようだ。

「わたしも参加、いいかなぁ?」

890小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/25(日) 17:33:16
>>889

         スッ……

不意の物音を聞いて、そちらを振り返る。
右手には、まだ『ナイフ』が握られていた。
左の掌からは、滴り落ちる赤い水滴。

  「――……すみませんでした」

  「『お見苦しい所』を……」

現れた少女を見て、困ったような表情で頭を下げる。
『参加したい』という言葉の意味を図りかねていた。
『自傷』を人に見られた経験は何度かあったが、
そんな事を言われたのは初めてだったからだ。

891仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2021/07/25(日) 22:24:14
>>890
 ガサ  ガサ

 声の主が藪から出現。ダボついたブラウス。パンツ。髪を左右に括っている。
 女にしては背が高めだが、あどけなさの残る顔立ち。女子高生っぽい。

 「お邪魔しまぁす  続けてていいよ〜」
 「……あ! 『参加』っていうのは」

    ジャキ

 「あなたの体を傷付ける大会!にエントリー?なんだけど」
 「いいかなあ」
 「ダメなら今日暑いし喉乾いたしやめたげるよ」

背中から覗く、湾曲した二振りの刃(鎌か?)と、昆虫の脚の『ビジョン』。
………『スタンド使い』だ。それも、『悪意』のある。

(当PC、このままだと『通り魔行為』を始めますが、
そちらが望まないようであれば、刃を引っ込めて普通の場スレをします 
如何でしょう?)

892小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/25(日) 23:05:25
>>891

現れた『ヴィジョン』に目を向ける。
少女が『スタンド使い』である事は理解していた。
何故なら『ビー・ハート』が見えているからだ。

  「――……!」

しかし、『それに続く光景』は予想の範囲外だった。
『悪意を持つスタンド使い』と出会った事は何度かある。
つい先日も、『窃盗グループのリーダー』と、
廃墟になったビルで交戦したばかりだ。
ただ、この少女は今までに出会った相手とは違い、
どこか無邪気な雰囲気が漂っている。
それが『異質さ』を強調しているように感じられた。

  「『争う事』は苦手なもので……」

       ――フッ

  「……『ごめんなさい』」

言葉と同時に、右手の『ナイフ』が消える。
それは、『戦うつもりはない』という意思表示。
『刃』を振るうのは、どうしても避けられない時だけ。
話し合いで解決できる状況であれば、
誰かを傷付ける事はしたくない。
だからこそ、自ら『刃』を収めた。

893仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2021/07/25(日) 23:28:30
>>892
「そう? じゃ やめる!」

  ガチャ

少女の『スタンド』も、刃を下ろし
ビジョンが消える。

 「ここみたいな 人のいない所って『色々』できるし?やるけどぉ」
 「『そういうの』は初めて見た ふつう家とか風呂でやるものじゃない?」

 「ん?あれ?わたしの勘違い?
  じつは『虫に餌やってました』ってかんじ?」

 「ヤブ蚊 いっぱいいるよね ビックリしちゃった……夏だね!」

何事もなかったかのように会話を始める。

894小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/26(月) 00:08:04
>>893

  「――……ありがとうございます」

『刃』を交えずに済んだ事に、胸を撫で下ろした。
先程の様子から察すると、彼女は、
人に『刃』を向ける事に躊躇いを持たないように見えた。
けれど、『話』は通じる。
きっと『心根』は優しいのだろう。
本当の所は分からないが、そう信じたかった。

  「ええ……」

  「『おかしい』――ですね……」

         クス……

少女の言葉に、寂しげな微笑を返す。
確かに『外』でやるべき事ではない。
自分にとって、『自傷』は『自殺衝動』を抑えるためのものだ。
いつ何処で『衝動』に襲われるかは分からない。
それがあるせいで『場所』を選ぶ事は難しかった。

  「この辺りには……よく来られるのですか?」

会話を続けながら、ハンドバッグから『包帯』を取り出し、
手馴れた動作で左手に『止血』を施す。
『自傷』を行った時のために、
普段から持ち歩いているものだ。
『鎮静剤』である『果物ナイフ』を手放した後も、
これだけは変わらず持ち続けていた。

895仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2021/07/26(月) 00:54:21
>>894
 「『おかしい』っていうのは、違くない? 
  自分で自分を だなんてヘンだな〜とは思うよ でも?う〜〜〜ん?」  

包帯を巻く様子を見ながら、少し考え込んでいる。

 「 …『悲しい』ことだと思う」
 「悲しいよ せっかく元気なんだから……」

やや伏し目がちになっている。
先ほどまで自分が襲おうとしていた相手に
こういう態度をとるあたり、確かに『異質』な少女ではあるようだ。

 「…お!?   …包帯 ……上手だね!」
 「看護師さんにも負けてないよぉ すごいすごい」

君が手際よく治療を行う様子を見て
湿っぽいのを忘れ、なんだかテンションが上がっているみたい。

896小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/26(月) 01:29:57
>>895

人間は一つの面を持っているだけではなく、
多くの違った側面から成り立っている。
おそらくは、彼女も様々な面を抱えているのだと思えた。
そして、『自分自身』も――。

  「……そうですね」

      コク……

少女の言葉に、静かに頷いてみせる。

  「ありがとうございます……」

先程の行動にも、きっと何か『理由』があるのだろう。
そうせざるを得なかった何かが。
それが何かは知らなくとも、
垣間見えた彼女の『優しさ』に答える事は出来る。

     ニコ……

歓声に対して微笑で応じる。
柔らかい微笑み。
その表情は少しだけ明るくなったように見えた。
『止血』は、すぐに終わった。
ハンドバッグを探り、小さな『水筒』を取り出す。

  「『喉が渇いている』と……おっしゃいましたね」

         スッ

  「――『ハーブティー』です。
   お口に合うかどうかは分かりませんが……」

少女に『水筒』を差し出す。
中身は冷えた『ラベンダーティー』。
摘み立てのラベンダーから抽出した濃い目のお茶を、
たっぷりの氷で冷やしてある。
使われているラベンダーは自宅で栽培したものだ。
『ハーブの女王』と呼ばれるラベンダーには、
精神を落ち着かせる『沈静作用』があり、
気持ちが昂ぶった時には、その香りに助けられていた。

897仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2021/07/26(月) 02:05:38
>>896
「笑った そっちの顔のほうが悲しくなくていいよ」
「え?お茶! …いい香り! いただきま〜す」

  ゴク

「こないだもねー  ここで『やろう』!って思って……」

    ゴクゴクゴクゴク  ゴク プハー
   
「………やれなかったんだけど。
 そのコからお茶貰ってお友達になったんだよねぇ」

「……仕損じたのにお茶貰っっちゃったぁ!2回も!
 失敗してもいい事あるねぇ」

「そう! マラソンコースの外れとかでさあ 『やる』んだけど
『よくここに来る?』ってさっき言ってたよね?
 ……最近なの!ここに来るようになったの! 
 スゴイね ここ みんな元気で 倒した人もみんな水筒持ってる」

「夏の運動ってすっっごい喉乾かない?びっくりしちゃって」

喉が潤ったら元気になったのか、
ラベンダーの鎮静作用などいざ知らず、ずいぶんとお喋り。
人と話すのも運動も大好き!という雰囲気。
端々が不穏だが、まあ子供らしくて無邪気ではある。

898小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/26(月) 18:04:56
>>897

途中で口を挟む事なく、少女の話に耳を傾ける。
薄々は感じていたが、その内容から、
『攻撃の意思』を見せたのは初めてではない事が分かった。
おそらく、何度も繰り返しているのだろう。

  「……『運動』した後は水分を摂って下さい」

  「『熱中症』になってしまうと大変ですから……」

しかし、こちらがスタンドを解除した時、
彼女は攻撃しなかった。
完全に丸腰の状態だったにも関わらず、襲ってこなかった。
たとえ『敵意』があったとしても、
彼女の心には『優しさ』も同居していると信じたい。

  「……私は『散歩』に来ているんです」

  「『森林浴』が好きなもので……」

          ソッ

包帯を巻いた左手で、近くに立つ木の幹に触れる。
森の空気を吸うと、自然と気持ちが和らぐ。
この『自然公園』は、町の中でも特に好きな場所だった。

899仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2021/07/26(月) 23:31:05
>>898
 「…『森林浴』かあ…私は…う〜ん わたしは…」

 ガシッ      ブ ラ~~~ン

 同じ木、 両手で幹を掴み、ぶら下がる。

 「…木登りしにきてる! 危ないし まだちょっと怖いんだけど」
 「見て見て!これ! こないだ鉄棒覚えたんだ だからこういう事も……」
  
    ドサッ
 
 着地。疲れたのか腕が震えている。

 「はぁ〜〜〜……………できたぁ !」
 「……いつか登るっ!ぶらさがるんじゃなくて登る!」

900小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/27(火) 00:12:05
>>899

木に掴まる少女。
その無邪気な姿を、穏やかな微笑を湛えて見守る。
震えている腕を見て手を差し伸べようとしたが、
無事に着地した所を見届けて、安堵の表情を浮かべた。

  「……無理はしないで下さいね」

  「『ご家族』も、きっと心配しますから……」

  「ゆっくり……少しずつ出来るようになりましょう」

少女に声を掛け、木を見上げる。
彼女にとって、それは『大きな目標』なのだろう。
人それぞれに『背景』があり、
それぞれの『目指すもの』がある。

  「私にも――叶えたい『目標』があります」

『彼』の分まで『生きる事』。
この『命』を全うする事が、自分の『目標』であり、
『彼』と交わした『約束』だ。
『その先』で『彼』と再会するために、私は『今』を生きている。

  「――『一緒』ですね……」

        ニコ……

人の数だけ『想い』があり、それらには様々な形がある。
どのような形であっても、『想い』は純粋。
『町』で生きる内、それを実感してきた。
この少女の『想い』も、また純粋なものだと思える。
だからこそ、彼女に『慈しみ』を覚えるのだろう。

901仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2021/07/27(火) 00:59:52
>>900
「お姉さんほどになると、
 木登りなんかよりもっとずっと難しい『目標』なんでしょ?」
「まあ、でも一緒なのかな?わかんないや」

木の幹を撫でてみている。
これって何か楽しいのか?という表情だ。

 「あ!…そういえば確かに 
  そろそろパパママが心配しそうな時間になってきたかも 
  急でごめんね!  帰るっ  ばいばーい!」

バイバーイ、と手を振り、

「……あ!『心配』で言うと 手首!あんまり切り過ぎないでね」
「体も気持ちも、だめそうなら病院行こうね 
 病院いいよ ここの東の『アポロン』は腕がいい! 
 常連のわたしが言うんだから間違いない!」

ちょっとだけ言い残し、来襲者は立ち去る。
木登りとか、目標、親、森林浴、残虐な折り方、友達、水筒ほしい、などなど考えながら。

902小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/27(火) 18:26:19
>>901

『病院』に通い慣れているらしい少女。
彼女にも、自分と『通じる部分』があるのかもしれない。
人と人は時として争い合う。
反対に、人は分かり合う事も出来る。
立ち去っていく少女を見届けながら、
心の中に生じた『想い』を感じていた。

  「……ありがとうございます」

       ニコ……

  「さようなら……」

緩やかに手を振り返し、
小さくなっていく少女の後ろ姿を見守り続ける。
それが見えなくなった後、触れている木に視線を移した。
木は何も言わず、ただそこにあるだけ。
けれど、確かに『生きている』。
だからこそ、そこに触れていると、
『生きる力』を分けてもらえるように思える。

         スッ

やがて、包帯が巻かれた手を幹から離し、
静かな足取りで森の中を歩き出した――。


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