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【場】『 湖畔 ―自然公園― 』 その2

1『星見町案内板』:2020/06/04(木) 14:10:32
『星見駅』からバスで一時間、『H湖』の周囲に広がるレジャーゾーン。
海浜公園やサイクリングロード、ゴルフ場からバーベキューまで様々。
豊富な湿地帯や森林区域など、人の手の届かぬ自然を満喫出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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696草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/05/13(木) 20:36:34
>>695
「多いんじゃないかな……?」

よくわからなかった。
意外とそこらにいるのかもしれない、と思ったが、だからどーだって話でもない。

「アツいね。ジャン○漫画」
「……杖の形を変える的なことか。……オレのも言ったほうがいいのかな?」

そういうのが作法とか礼儀とかに当たるのか、
そういうこともよくわかっていない。何せ初めてなんだ。

697大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/13(木) 21:33:58
>>696(草摺さん)
「やっぱり多いよね?ボクもそう思ってたんだ」(↓ハスキーボイス↓)

「ああ、キミの能力は見せなくていいよ」(↓ハスキーボイス↓)

「この前に会った風ちゃん(ホームレスの風歌さん)なんかは『危なすぎて見せられねぇぜ』って言っててさ」(↓風歌さんを真似たハスキーボイス↓)

「キミの能力が怖くないとも限らないから、遠慮しとくよ」(↓ハスキーボイス↓)

698草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/05/13(木) 22:20:34
>>697
「ええ……」

そういうものなの?
見せる気満々だった。
どうやら『危ない』とか『怖い』のが嫌なのだというわけだ。

「でも折角だし」

言うや、『ブレーキング・ポイント』の腕が掻き消えるように跳ねる!
その指先には、どこの家にでもあるようなエンピツ!
それを投げたと気づくのは、十数メートル離れた木の幹が、かつりと音を立てたからだ!(スA)
恐るべきはその軌道、大した技巧を凝らしたわけでもない。
速度に任せたただの下手投げはしかし、一切の減速・減衰なくエンピツを『一直線』に――!!

ただし、それを見てわかるほど、誰もが超スゴい動体視力だとかを有しているわけではない。

「……」

やってから気づいた。

「『的当てがうまい』よ」

卑屈になった。

699大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/13(木) 22:45:33
>>698
「ほぅ!これは素晴らしい!」(↓ハスキーボイス↓)

「さながらエンピツがクナイのよう!
まるでN△RUTO……いやB□RUTOのニンジャのようだね!こういうことができる子もいるのか!」(↓ハスキーボイス↓)

ぱちぱちと手を叩いて称賛している。

700草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/05/13(木) 22:56:55
>>699
「へっへ」

うれしい。
忍者は好きだからだ。
しかも『ブレーキング・ポイント』はこんなものではないのだ。
エンピツどころではなく『人間』も同じような状態にできる。
が、非力だし、人間を投げる機会があるとも思えない。
自分が滑ったりジャンプしたりはできるが、鼻血を出すような有様だ。見せられないよ。

  フッ

スタンドを仕舞う。

「ありがとう、……ティッシュも」
「もうすぐ仕事の時間なんで、オレ帰るね。君も気を付けてな」

お礼を言って、鉛筆を拾ってから帰るとしよう。
単車(スーパーカブ)でね。

701大神 或真『ネヴァー・グローイング・アップ』:2021/05/13(木) 23:11:10
>>700
「じゃあね!」(↓ハスキーボイス↓)

「次会うときは名前交換くらいはしようか?」(↓ハスキーボイス↓)

「今日とは違う『手品』を見せてあげるよ」(↓ハスキーボイス↓)

702喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/14(金) 23:42:15
『場所』が環境で決まるというのならば、『時刻』はこの私が決めさせてもらおう。

『湖畔』に太陽がメロリメラリと溶けかけている『18時32分』。
私は、ここ―――『H湖』のほとりに居た。
『レジャー』だとか『フィッシング』だとかに興味はない。
ただ いてもたってもいられない心を安らげようと来ただけだ。

真っ赤にざわめく『湖』が、青く黒く、おちつく『夜』まで、
ほんのわずかの時間だけ、私はここに居ようと誓った。

703遊部『フラジール・デイズ』:2021/05/14(金) 23:57:07
詳細↓
【対応してくださる方々へ】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/70n

>>702

『残り、約1600かー。えっとぉ
関ちゃんと、うちで一本150として……結局集めるべきなの何本?』

「『セラ』 大体5本か6本ですよ」

『マジがっ6本も残り2ヵ月ぐらいで? めんどーだねぇ』

畔でくつろぐ貴方(喜古)の方面に近づく人影。
 双子なのかどうか知れないか、声質が良く似通った若い女性の声が
二つ近づいて来ている……。

704喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/15(土) 00:14:34
>>703

せわしなく談話する二人の少女に目をやる20代前半の女(私だ)。
その、軽くパーマをかけたミルクティーアッシュの髪は、
『夕暮れ』に素直に染められ、頬を赤らめたかのように
ほんのり『朱』を帯びているだろう。

私の視線は遊部たちに向けられている。
『二人』というのに少し興味をそそられた。

二つのそっくりな生き物―――
彼女たちを明確に分ける、その『境目』は一体どこにあるのだろう?

じろじろと不躾な視線を浴びせているので、
気付かれるのも時間の問題かもしれない。

705遊部『フラジール・デイズ』:2021/05/15(土) 00:28:28
>>704

目線を向けた先……其処には髪型こそショートヘアなどの違いは
あるものの顔立ちは、ほぼ瓜二つと見受けられる二人が歩いてる。

『おっ?
あー、こんにちわ。そちらも、散歩?』

「うん……あ、こんにちわ」

視線に気づき二人とも貴方に会釈する。

『ここら辺の人ですか? 自分達は清月学園近くが住まいだけど
運動がてら、此処にはちょくちょく来る感じでーす』

「馴れ馴れしいよ、セラ。
すみません、うちの妹が……」

『ところで、おねーさん。【スタンド】って聞いた事あるー?』

「ちょっと……」

『セラ』と呼ばれてる娘は、そう貴方に雑談がてら
話を振ってきた。姉らしきほう(※遊部 本体)は少々諫める感じの
雰囲気を醸し出すが、それに構わずグイグイと聞く。

『いいじゃんいいじゃーん。ねーねぇ、おねーさん聞いた事あるんなら
ちょっと人助けを手伝って欲しいんだよね』

706喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/15(土) 00:45:17
>>705

『性格』―――『境目』は存外に単純だった。
全てがこんなふうにシンプルならば、
私もそんなには『不安』にならずにすむのかもしれない。

「ずいぶんとお元気な『妹』さんねェ。そっくりだけど『双子』といったところ?
 見たところ、『高校生』くらいかな。たしかに私は近くには住んでいるけれど―――」

交互に二人を見る。これだけそっくりならば
『一卵性双生児』ではないかと思うが、
こうまで異なった性格で成長するものなのか。

『遺伝子』は私が思うほどには、人の一生を縛るものではないのかもしれない。

  「………『スタンド』?」

   ………『スタンド』?

   なんだったか………確か、最近どこかで聞いたような気もするけれど、

                             「―――よく分からないな」

 あの日、『心の声』を吐露した時は、『暁』だったか、『黄昏』だったか。
 今となってはよくは分からないから、この言葉は『真実』だ。

707遊部『フラジール・デイズ』:2021/05/15(土) 00:59:47
>>706

『あ? わかんなーい?
なんかねー、ふつーの人には見えないもんなんだけど。
その見えないもんからエネルギー貰わないと衰弱して倒れちゃうって
人が知り合いに居てさー。
 私はそこまで仲良くないから詳しく知らないけど、なんかその
エネルギー持ってるものがスタンドって言うんだってー』

「御免なさい、妹が矢継ぎ早に。注意しても治らなくて
えぇ、双子です。清月の高校に通ってます」

姉のほうは申し訳なさそうに返答する。

「あ、自分は遊部 玲実と言います。
妹の話は、そこまで真剣に受け止めなくて構わないですよ?
私も聞いて見たけど、そのスタンドって言うのは見当つかないし」

『おねーちゃん、でもさー 袖振り合うもって言うじゃーん?
助けたら後々、良い事あるかもだしー』

『双子』の少女達は、そう会話を続けている……。

貴方(喜古)にとって、彼女達は初対面な訳だし。
話は流しても構わないだろうが……。

708喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/15(土) 01:25:29
>>707

「遊部、玲実さんね。私は、喜古(きこ)。
 キコって言っても苗字なんだけれど。よく名前と間違えられるんだよね」

私はそれで十分だと思ったので『苗字』だけ名乗った。

「玲実さん、妹さんはその………『思春期』なのかなァ?
          変わった事をずっと言っているけれど」

少し呆れたように、そうは言ってはみたものの――
『普通の人には見えないもの』という存在に、心あたりがないわけではない。
ただ、こんなふうにあけすけに話していいものかどうかは、迷う。
姉である玲実は『知らない』というのだから、なおさらだ。
無用な混乱はもたらすべきではない。なにせ今は『変わり目』なのだし。

「真剣に受けとめないでいいというのなら―――
 申しわけないけれど、そうさせてもらおうかな。
 私にはすこし、ついていけない話だったかもしれない」

『セラ』だって『詳しく知らない』と言っているのだ。
真摯に捉え、むやみに私をひけらかす必要もないだろう。

709遊部『フラジール・デイズ』:2021/05/15(土) 01:47:28
>>708(宜しければ、次で〆ます)

(……ふむ この『やり方』では効果が薄い、か)

『双子』と言う役割、明け透けで情報を一気に開示し相手が
スタンド使いかどうかを見定めつつ、本体である自分が一歩引いた立場で
『献血』を誘導する。

試しで、少し怪しそうな人物に試してみたが反応は芳しくない。
本当に一般人だからか、それとも秘匿したいからすっとぼけてるのか
判断かつきにくい。

(仕方がない。此処は一度引こう。
余り期限は長いと言えないが、急いては事を仕損じる……)

「喜古さん、ですか。改めて宜しく、と御免なさい。
セラ、もう良い時間だし。ね?」

『んー? そぉ? わたし、けっこー話足りないかん、ありありだけどー。
まっ、おねーちゃんがそう言うなら従っておこう!
キコさんも、おしゃべり付き合ってくれてさんきゅーっ』

『セラ』はひょうきんに、そう終始かるい感じのままに貴方に片手を
上げるポーズと共に礼の仕草も相応に重さを感じさせず去ろうとする。

「私達、たまに此処は散歩コースにするんで。
また、もし良かったら妹と話してくれれば嬉しいです」

遊部は、そう喜古に別れの前に約束(保険)をする。
……いずれスタンド使いと判明した時、今度こそ自身の任務で
役立てる為に。

710喜古美礼『ビトウィーン・2・エンズ』:2021/05/15(土) 02:03:35
>>709
「や、謝る事はないんだけどね―――
 また、あったなら、その時は違う話で楽しめれば」

二人は去るようだ。
それと時を同じくして『太陽』もその姿を消そうとしている。

  「セラさんも、また会えた時はよろしくね」

『赤』は消え、冷ややかな『帳』が周囲を包み始める。
このあたりは『街灯』も少ない―――
子供は、いや大人だってもう帰った方がいい時間だろう。

そして私も、見届けたから落ちついた。
『太陽』がしまわれるのを見たから落ちつけた。

帰路につく。帰路につこう。今夜は双子の夢でも見よう。

711瑞慶覧 天心『ブラッド』:2021/05/19(水) 20:55:58
「はー、はははー!」

 カコーン!

つなぎを着た女が、デッキブラシを振り回して空き缶をふっ飛ばしている。
安物の絵の具を塗りたくったような、ずぼらな金髪が目立つ女だ。

712円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/19(水) 21:08:02
>>711

パンダ柄の帽子を被った少女が――――

「わわー!? なになに!? 危なーい!」

       ササッ



空き缶の飛んでいった方向の、
ちょうど物影のあたりから出てきて、
その空き缶を見て飛びのいた。
隠れていたとかではなく、偶然通ったらしい。

「ちょっとちょっとー、なにこれー!
 ねえねえ、そこのきみ、何してるんですかー?」

空き缶を拾いながら呼びかける。怒ってるわけではない。

713瑞慶覧 天心『ブラッド』:2021/05/19(水) 21:16:30
>>712
「おおっと・・・わりいわりい!」

デッキブラシを肩に引っ掛けながら、わははと笑って近づいていく。

「いやあ、暇だからさあ、やることねーかな、と思ってたんだけど・・・。
 『空き缶ゴルフ』が楽しくてな!」

デッキブラシを両手に構えて、
それをゴルフクラブのように振るう。

「チャー、シュー、めん! ってな」

わかる? と聞いてみよう。

714円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/19(水) 21:58:26
>>713

「あはーっ、気にしなくていーよ!
 あたし、当たってないですしネ」

拾った空き缶を両手で挟み、
手持ち無沙汰そうに弄びながら、
こちらからも近づいた。

「え、空き缶ゴルフー!?
 それって、そのブラシと空き缶でゴルフするって事!?
 なにそれなにそれ、面白そー! あたしもやりまーす!」

そして、即断した。
 
「ゴルフって、パパが好きなんですよね!
 あたしも上手くなって、一緒にやったら、
 きっと喜んでくれるんじゃないかなーって」

満面の笑みで、空き缶を地面に置く。
なんとなしにグリグリと押し付け、
その場にやんわりと『固定』した。

「え? チャーシューメン? あはは、美味しいよねー。
 でも、あたしは塩ラーメンの方が好きでーす」

    「バターが乗ってたらもーっと好き!」

チャーシューメンはよく分からなかったらしい。世代か?

715瑞慶覧 天心『ブラッド』:2021/05/19(水) 22:10:56
>>714
「ジェネレーション、ギャップ!」

「しかしノリが良いね、お嬢ちゃん。
 アタシそういう子は大好きよ」

デッキブラシを、円谷に渡そう。

「おヌシにこのデッキブラシを授けてしんぜよう・・・。
 特にいわれは無いけれど、使いやすいのだぞ」

多少年季が入っているのか、木製の持ち手にはややシミ等が見受けられるものの、
しっかりと手に馴染む感覚がする・・・良いゴルフクラブ、もといデッキブラシだ。

716円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/19(水) 22:32:00
>>715

「あはーっ、よく言われまーす。 ありがとありがと!
 あ、お姉さんのネタわかんなくてごめんねー」

感謝も謝罪も、あくまで軽い調子だった。

「楽しいことってしないともったいないですよねー!
 よーし、あたし、きっとこーゆーのって得意なはず」

デッキブラシを受け取り、
瑞慶覧に当たらない程度に軽く振る。

「うんうん、たしかに使いやすいかも!
 そーいえば昔、男子がこれでホッケーとかしてたなー
 それじゃ、これで空き缶打ってー、あれ?」

       クルッ

帽子の鍔に手を当て、
ブラシを杖のようにしながら、
大きく体を回して周囲を見渡す。

「ねえねえ、ゴルフなら『ゴール』いりますよね?
 これってさー、どこに飛ばせばいい、のでしょーか?」

717瑞慶覧 天心『ブラッド』:2021/05/19(水) 22:39:40
>>716
「ふーむ、そうねえ」

円谷と一緒になって辺りを見回す。

「ま、最後にはゴミ箱行きということで・・・。
 あそこビン・カン用のゴミ箱にしましょうか」

ビッと指で示すのは、公衆トイレの脇に備え付けられていたゴミ箱だ。

「ぶつけたら、勝ち!
 アタシが言うのもなんだけど、ぶつけないように気をつけてねー」

親指を立てて後、ぐっぐっ、と体を伸ばす。
怪我をしないように、ストレッチだ。

718円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/19(水) 22:48:24
>>717

「そっかそっか、ゴミはゴミ箱へですよねー!
 お姉さんしっかりしてるー、エラーい」

ゴミを拾う事こそしたが、
ゴミ箱に運ぶのは思い付いていなかった。
ゴール地点を見て、小さく頷く。

「じゃあゴミ箱にぶつけたら勝ちでー、
 それ以外にぶつけたら、負けですね!
 よーし! 行くよ行くよー」

      「えーとなんだっけ」

      「……ちゃー!」

             ブォン

ブラシを父親がしていた見よう見まねで振り上げ――

「しゅー……めん!! あはーっ!」

        コン!

思いっきり振って、空き缶を吹っ飛ばした!
が、あまり狙いが良くなかったようで、明後日の方向へ。

「あれあれーっ!? 今の上手くいったと思ったのにー!」

719瑞慶覧 天心『ブラッド』:2021/05/19(水) 23:05:42
>>718
「おしい! 力の入れぐあいは悪くなかったんだけどなー」

ぱぱぱっと走って、空き缶を回収する。

「ま、モノがモノだからね。
 きっちり当てて飛ばすのは難しいモンよ〜」

ことん、と空き缶をまた地面に置く。

「仕事のサボり・・・もとい、日々の練習の賜物からいって。
 コツは、すくい上げるように、打つべし! だね」

720円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/19(水) 23:25:01
>>719

「じゃああたし、まだまだ伸びしろアリって事ですよねー!
 よーし、次はもっともーっと上手くやっちゃいますよ」

      ブンブン

「あっ! ありがとーございまーす」

取ってきてもらっている間、
ブラシを無意味に二度、素振りした。

「あはーっ、サボっちゃだめですよー!
 あたしは内緒にしといたげるけどネ。
 面白い遊び、教えてくれたしー」

        スィッ

置かれた空き缶に、ブラシを調整する。

「ねえねえ、お姉さんってゴルフが趣味なんですかー?
 それともー、空き缶ゴルフのプロ? あはっ、そんなの無いよね」

少し時間をかけて打ちたいので、
まだブラシを振り上げずに、そんなことを問いかけた。

721瑞慶覧 天心『ブラッド』:2021/05/19(水) 23:42:59
>>720
「ふっふっふ、お嬢ちゃん、良いことを教えてあげるよ」

今日もいい天気だ。
空を見上げる瑞慶覧の瞳に映る世界――それは『虚無』である。

「良いかい、大人の世界はね・・・特に職場にはね、色々と『持ち込めない』の・・・。
 だから、無限にも思える時間の流れを、許された道具だけで乗り切る『創意工夫』が必要になるのさ・・・」

何かを諦めたかのように遠くを見る――のを切り上げ、円谷に向き直る。

「そんな中で! 出会ったのがこの『空き缶ゴルフ』って訳よ〜。
 どこにでもある『空き缶』! 仕事道具の『清掃具』!
 たった二つで体を動かして時間も忘れちゃうって寸法ね!」

722円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/20(木) 00:17:29
>>721

「へー! お姉さんってお掃除の人なんだ!
 じゃあじゃあー、この辺が綺麗なのも、
 お姉さんのおかげなんですネ、すごーい!」

苦労話には、あまり反応しなかった。
楽しくないからかもしれないし、
セララは両親の自宅での仕事ぶりを見ているので、
あまり実感が湧いていないのかもしれない。

「あたしも授業中、皆で絵しりとりとかするし、
 大人の人もそーゆー暇潰しってするんだー。
 先生とかも、こっそり何かやってるのかなー?」

        「よーし、それじゃ二打目!」

    スィッ
            カコーン

「チャーシューメン!
 ……あはーっ! 見て見て、ほら、綺麗に飛びましたーっ」

打ち終えてから掛け声を言うと、
その軌道を目で追い、歓声を上げた。

なるほど、ゴミ箱に向けて今度は(割と)真っ直ぐ飛んでいた。

723瑞慶覧 天心『ブラッド』:2021/05/20(木) 20:01:35
>>722
「そうそう、真面目では無いけれど、綺麗にするのがお仕事です」

     カコーン

「ナイスショーット!」

打ち上げた空き缶は、綺麗な放物線を描いて飛んで行く。
ゴミ箱目掛けて飛んでいったそれは、
真上に大きく口を開けたゴミ箱にスポンと入った入った。
空き缶同士がぶつかる小気味良い音が響く。

「おお、ホールインワン!」

724円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/20(木) 21:03:47
>>723
     
ゴミ箱の中に消えた空き缶から視線を切り。

            ピョン

「……あはっ、すごーい! やったー!
 あたし、空き缶ゴルフの才能あるかもー!?」

小さく跳ねて喜ぶ。
それから、デッキブラシを差し出した。

「はい!これ返しまーす。
 お姉さんの仕事道具ですし、
 あたしが長いこと使ってたら悪いですもんね」

          ニコー

「あたしもこの後、行くとこあるしー。
 ありがとネお姉さん、今日は楽しかったでーす」

満面の笑みでそう言うと、
特に何もなければ、そのまま立ち去ってしまうだろう。

725瑞慶覧 天心『ブラッド』:2021/05/20(木) 21:38:24
>>724
「いやー、ありがとね。
 暇潰しに付き合って貰って」

デッキブラシを受け取り、礼を返す。

「アタシも仕事に戻らねーとだし。
 そんじゃま、また機会があったらよろしくなー」

手を振って見送ろう。

726円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/20(木) 21:50:57
>>725

「うんうん、また遊ぼうねー! バイバーイ!」

           ヒラヒラ

同じく手を振って、その場から立ち去った。

727円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/22(土) 23:19:12

自然公園付近の『バス停』で――――

        クルクルクルクル

             ―――ポーイ

指先で『輪』を回して、適当な所に放り投げた。

「……」

             フィーーー ・・・ ン

そして手元に『操作』で戻す。

スタンドを大っぴらにしてるわけじゃあないが、
この前凄いものを見たので、軽率になっていた。

           クルクルクル

                  ―――― ポイッ

周りに人がいないとは思っているが、
自分もこの前『突然物陰から出てきた』ように、
そういう人間がいる可能性は、十分、十二分にあるだろう。

728隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/05/23(日) 18:29:31
>>727

  ザァッ!! タッタッダッダッダッダッダッッッ゛!!!!

「あ゛あ゛あ゛あ゛ UFOUFOUFOUFOだああああぁぁぁぁ!!!!」

バス亭の近くには、茂みがあったんだ! その茂みで横たわって隠れつつ
澄み渡る空からUFOが通らないか監視してたんだ。
なんだってUFOは常に地上を空から監視していて、そんでもって実物をあんま
撮影させない飛行物体だ! だから撮影してると気取らせないように茂みの
中で撮影しようとしてら、BINGOぉ! BingoBINGObingoBINGOだぁぁ!!

「なぁ!! なあなぁなぁなぁなぁなぁなぁなぁ なあっっ゛!!
いま、この横っちょのバス停方面を『円盤っぽい』のが飛んでたよな!
あんたもUFOが飛んでるの見ただろ!? こんなに近くに居たんだから
俺はチラッとしか見えなかったけどUFOを見たんだろ!?
 どうだった!!? 形は!!!?? 色は!!!!??」 ズィッ!!!

俺は、目の前の女の子に迫りつつチェキカメラを構えつつ首をぐるぐる振って
周囲にまだ飛んでないか確認するぜ!
 小型UFO! 大型の偵察機か、または小人型の乗用機なのかわかんねーけど
やっぱり居たっショッッッッッッ!!!!!

729円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/24(月) 02:55:25
>>728

                      ポト

「!!? え、なになになに! ユーフォー!?!? どこどこー!?」

               ガタッ

突然聞こえてきた声に、ベンチから立ち上がった。
投げた輪を操作するのも忘れて――――ゆえにそれはその辺に落ちた。

「えーうそうそ、あたしそんなの見てないでーす!
 ユーフォーってー、あの! 宇宙人の乗ってるのですよねー!
 丸くって銀色で、光ったりするやつでしょ!? わ、てゆーか近ーい!」

                  トトッ

「あたしは宇宙人じゃないですよー、あはーっ!」

猛然と迫り来る少年から、笑いながら少し距離を取った。
距離感が近いのはセララも大概だが、接触したいわけじゃない。

「ほんとにそんなのいたの!? 見逃しちゃったよー!
 あーあ、あたしもユーフォーって一回見てみたかったのにー!」

語る言葉は嘘じゃ無い。『認識の相違』だ。
セララは自分のスタンドを『輪』と考えていて、
UFOの事は『未確認飛行物体』とは捉えず、
『真ん中が膨らんでる円盤』と認識している。     

「でもでもあたし、そんなのいたら見逃さないと思うんだけどなー!
 きみの見間違いとかじゃ、ないんですよねー!?」       

         ――――だから『見逃す』も何も無い事には気付けない。
                周囲には何も飛んでない。『消えてしまった』ように。

730隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/05/24(月) 08:52:58
>>729(気にすんな! 俺も1時には寝てた!)

>ほんとにそんなのいたの!? 見逃しちゃったよー!

「Really!!? oh って事はワープしちまったって事だよなぁああ!!
あーあーあーあーあーあーあーっっ!! 折角ものほんの小型円盤型飛行物体を
撮影出来るか、捕まえられると思ったのになぁああ!!

UFOのちっちゃいの捕まえられたら、絶対にそん中に通信機か超ちょーう
手の平サイズのエイリアンが乗ってるかの一つに二つっショ!!

あっ!! でもでもでもでもでもでもこーんな近くを飛んでたって事は
今からでもUFOにラブコールすれば気づいてくれる可能性があるよなぁ!!?

ohhhhhhhhh 決まりっショォォォFooooooоOO!!!」

 『パンテオン・ロココ』ォォオ!!!!

そう叫びつつ、パンテオン・ロココに『バス停』のあの標識!
あれ自体を地面に沈ませて『バス亭標識の地上絵』を発現するぜぇ!!

「fooooooO! foooooOOOッッ゛!!

U! F!! O!!! U!! F!!! O!!!!!」

 地上絵の周りで、ダンシングフラワーキッズ(りん)の動きも取り入れた
UFOを呼び寄せるダンスを踊りきるぜぇ!!!

731円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/24(月) 20:27:06
>>730

「えーっ! 小さいのが乗ってるの!? あたしも見てみたーい!
 でも、ワープ?しちゃったならもういないんでしょーか。
 あたしユーフォーの事って全然分かんなーい。
 うんうん、今から呼べるなら呼んじゃいましょうよ!」

ユーフォーを見てみたいというのも、
テレビで見た事があるからってだけだ。
ともかく、バス待ちの間なら暇だし、
暇じゃなくってもユーフォーは気になるが。

「って、何何!? わー! 『スタンド』!
 ちょっとちょっと、何してるの!?
 だめだめ、バス停叩いたら怒られちゃうよー!?」

隼士の異様なテンションに着いて行くより早く、
さらなる異常事態が出てくるものだから、
セララもナチュラルハイな方だが、『一手遅れる』。

「わ、うそーっ、バス停が、『ナスカの地上絵』みたいになっちゃったー!?」

踊り狂う隼士をよそに、目の前の状況に大きな身振りで驚く。
『ナスカの地上絵』には似ていないが、セララの中で地上絵は『ナスカ』だ。
 
「どーしよどーしよ、ユーフォーは来たら嬉しいけどさー。
 これじゃーバスがここに止まらなくなっちゃいますよ!
 ユーフォーはあたしのこと、ヘイタクシー!って乗せてってくれないと思いますし」

             「もー、その踊りあたしも踊ればいいのー!?  
              終わったらバス停戻りますよねー!?
              早く戻って来てくれないと、あたし遅刻しちゃーう!」

見よう見まねで手足を動かしながら、隼士に問いかける。
バスはまあ、バス停が無かろうが決まったルートを通るわけだが……

732隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/05/25(火) 00:43:59
>>731

>って、何何!? わー! 『スタンド』!
 
「oh!! あんたも『スタンド』持ちぃ!?
って事はだ! あんたも、えーっとアレだろ! 
ファムファ何とかってミステリアス美女な人から貰ったんだろぉ、yeaaah!!」

かつて古代の文明で踊りが栄えたのは、きっと間違いなくUFОが降臨する為の
祝いの儀式に違いねぇっショ!! 熱を放散させ踊りまくるぜぇええ!!

>これじゃーバスがここに止まらなくなっちゃいますよ!

「んぁあ!!? あー、そうかいそうかいっ 
それじゃあ別のを地上絵にすればいいんだなぁokOKOKeeee yes!!」

ズズッ!!

地上絵にした『バス亭』を解除して戻しつつ、そのバス亭の上に乗りつつ
首をシェイクして空に叫びつつ宣言するっショ!!!

「ohohohohОH foooooООッッ!!!
UFО UFО UFОooooッッ!!!

今日は逃げられたけど必ずこの手でUFОを見つけて見せるぜ!
 そんでもって必ず! 必ずUFОに乗って銀河系を抜けて宇宙の果てまで
乗せて貰うんだ! だって今日は小型未確認飛行物体があとちょっと
走れば届く範囲を飛んでたんだからな!!」

 タンッ  ガシィ!!

バス亭の上から飛び降りて、ガール(円谷)の手を握ってブンブン振りつつ言うぜぇ!

「なぁなぁなぁなぁなぁ〜〜ッッ!! あんたもフラワーキッズ(りん)に続いて
UFО呼び仲間だ! 俺は隼士 賢(はやし けん)!
なぁ、頼むぜ! UFОについて、ちょっとでも情報が出来たら清月の
ミステリー研究会にちょこっとでも顔出して報告してくれよ!
だってUFОは直ぐ近くに居るんだからさー!!」

やっぱ人手だ! フラワーキッズもUFОを見つけるのには大勢の人が
必要だって言ってたっショっ!!

733<削除>:<削除>
<削除>

734円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/25(火) 01:21:38
>>732

「あはーっ、ファムファム? あははー!! 何それ何それ!
 あたしファムファムさんって人知らないでーす! なんか面白ーい!
 あたしにくれたのはねー、ヨウカンって名前の画家さんでーす。
 何だろ、こーゆーのって、くれる人いっぱいいるんですかね!?」

         「ねえねえ、それより――――あ! あー!」

戻ってきた『バス停』に両手を広げて歓喜する。
そのまま見、バス停の上で激しく動く隼士を見上げる。

「あはっ、やったー! 戻ってきた戻ってきた! ありがとねーっ!
 あ! 戻せるんだったら、このベンチとか変えちゃっていーと思いますよ!
 今ってあたししか座ってなかったし、あたし、今から座んないしー」

          「まだユーフォーの人見てるかもだし!
            どーぞどーぞ、スタンド使っちゃえ!」

    トトッ

ベンチから少しだけ離れながら、満面の笑みで――――

「わわ!わっ! もーっ、ケンくん、さっきから距離近すぎですってー!
 あたしは『セララ』! 円谷 世良楽って名前だから、セララちゃんでいーですよ!
 みんなあたしのこと、そーやって呼んでくれるんでーす」

                 ブンブンブン

手を握られて振り回されるのには一瞬やはり『遅れた』が、
無理やり振りほどいたりはせず、勢い任せで手を振り合う。
 
          『キラ』

その時、手首に『リトル・スウィング』の輪が垣間見えるが、
これは『アクセサリー』にしか見えない。『UFOらしさ』は皆無だ。   

                          ウチュージン
「じゃあじゃあ、あたしも清月だから、ユーフォーとか、宇宙人とか!
 そーゆーの見かけたり聞いたりしたら『ミス研』の部室行けばいーんですよネ」

        「あ! それともー、あたしのクラスにもいるけど、
         ミス研入ってる子に伝言したりしてもいーんですか?」

735隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/05/25(火) 01:28:28
>>734(切りが良さそうだし、これでgood bayだぜ!
また雲の切れ間から円盤が見えそうな時にな!)

「okokokokokok oooООk!!
誰でも読んでくれっショ 円谷ぁ!」

「頭にスズランの花咲いたガールが、この街には居るんだぁ!
きっと絶対宇宙人だって間違いなく実現する筈だぜぇ!

絶対、絶対絶対絶対に約束だぜぇ!
もしUFOに乗る機会があれば、特等席を用意するっショfooooOッッ゛!」

 ブッブー!!

「おっとぉ! そろそろバスが遠くから来るなぁ!
それじゃあ、俺は別の湖畔の丘とかで地上絵作成して
UFO降臨を試すっショ!!! それじゃあ円谷、see you!!」


 走る、走る! きっと何時かUFOは俺の前に着陸するっショォッ!!!

736円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/25(火) 01:39:12
>>735

「頭にお花?? それって髪飾りとかじゃないのー!?
 でもでも、ユーフォーがいるんだし、
 スタンドもあるんだから、そーゆー子もいるのかな!」

「とにかくー、不思議なもの見つけたら、
 クラスのミス研の子か、部室にいる人に教えたげますよ!」

隼士とは逆の順序で考えるセララ。
そーゆー子、が実在するのを知るのは、
もう少し先になるか、いつになるか……

「えー!? うそー! あはっ、やばーい!
 UFOの特等席予約出来ちゃった! あはーっ!
 みんなに自慢したら嫉妬されちゃいますよ。
 ちゃーんと約束するからさ、ケンくんこの事内緒にしててネ」

ひとしきり笑ってから――――

「てゆーか、セララちゃんって呼んでいいのにー!
 距離感は近いのにネ、なんかケンくんって面白ーい!」

      「じゃあねじゃあねー!
       今度はバス待ってない時に遊ぼー!」

            ブンブン

走る背中を見送って、
市内のスケートリンクに向かうバスの到着を待つ。

奇矯なところもある相手だったが、
セララとしては、ちょっと変わったくらいの友達も好きなのだ。

737樋口『チェーンソー・ロマンス』:2021/05/29(土) 20:21:50
「いい天気だなぁ」

森林区域、木の葉が陽の光を遮ってくれている。
森の中は葉の屋根によって暑さを少しばかり防いでくれる。
だからこの場所が好きだった。
お決まりの場所にレジャーシートを広げてゴロリと横になる。

「なんか買っとけばよかったかな」

のんびりと時間を過ごそうと目を閉じて……すぐに開けた。

「……誰かいる?」

738風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/05/29(土) 20:51:02
>>737
瞳を開いた元凶は、あるいはこの様な奇声であったかも知れない。

『しっあわせは〜あるいってこっない〜』

いや、奇声ではない、歌声だ
響き渡るような大声で、風歌鈴音は歌っていた。
森の妖精が歌うならばまだしも、社会性汚物であるホームレスが撒き散らす歌など、公害に等しい災厄であるが、周囲の動植物に反応はない。
単に、真っ昼間から歌う精神異常者から獣達が目を逸らしているのではない――正真正銘、気に留めていないのだ。
理由は、ある。

『だーからあるいっていくんだね〜』

風歌は声を出していない――その心で歌っているのだ。
しかし、声は響いている――声ならぬ声として。
――『スタンド会話』。スタンド使いが持つ、同類にのみ適応されるある種のテレパシー。風歌はそれを用いて歌っているのだ。
心のだけで歌えばどこか虚しいが、『スタンド会話』は『響く』のだ。常人には聞こえぬ声として。
即ち――喉を枯らさずして大声を出す事で、ストレスを解消できる。風歌が発見した新たなストレス解消法である。
森の中で心地よく歌う風歌――その声は、……スタンド使いには、聞こえる声。
聞こえたものは――どう出るか?

739樋口『チェーンソー・ロマンス』:2021/05/29(土) 21:22:25
>>738

「ふぁ……」

欠伸をひとつ。
どこの誰だか知らないが、何事にも限度というものがある。
スタンド会話を咎めることが出来るのかどうかというのは置いておいて。
まぁ、ここに人間がいるということくらいは伝えておいてもいいだろう。

「……」



「なんだか眠いな」

   ド    ド ド
    ド    ド ド
     ドドド
      ドドドド
       ド
        ド

音が響く。
エンジンの唸り、心臓の鼓動に合わせるようにアイドリングする。

「くぁぁぁぁ��」

欠伸に合わせるようにチェーンソーの唸り声が鳴り響いた。

740風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/05/29(土) 21:32:58
>>739
ドドドドドドドドドド!!!! 鋼鉄が唸る、鉄鎖が廻る。エンジン音が鳴り響く。
あれは何だ、何だ、何だ、あれは、チェンソー…、チェンソー、チェンソー…!

(うるせぇなぁ……)

自分の事をさておいて、風歌は森の静寂と歌をぶち砕くチェンソー音に不快を覚えた。

(せっかく人がいい気持ちで歌ってるってのによ……)

そして……ふと、思いつく。チェンソーという事は伐採をしているという事だろう。
だが、この森……木を切っていいのか?

(……密猟? イタズラ?)

何れにしろ――見過ごしたい光景ではない。今の風歌は、生中な悪事であれば見て見ぬ振りをしないで済む『力』がある。
風歌は、念の為、『ダストデビル・ドライヴ』のヴィジョンを権限させながら、チェンソー音の出どころへと向かった。

741樋口『チェーンソー・ロマンス』:2021/05/29(土) 21:50:19
>>740

風歌が音の発生源に近づいて行くと、レジャーシートに座った女がいた。
ここに来る途中で拾ったちょうどいい感じの木の枝が握られていた。

「……ん?」

視線が風歌の方に向けられる。

「あぁ、あんたか」

……声がかき消されそうだ。
特に敵意などがある様子でもなく、眠そうな顔で目を擦り始めた。
この音をうるさいとは思っていないようだ。

742風詩鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/05/29(土) 22:14:04
>>741
(何だってんだ、こりゃぁ……)

『音』は聞こえる。ここから、間違いなく。
しかし、ここに『チェンソー』はない、間違いなく
何がなんだか解らない風歌であったが――相手の言葉に違和感を覚える――「あんたか?」
間違いなく初対面の相手――それが、『あんたか』と問いかける。ならば、風歌が何かである確信を抱いているということ。
……スタンド使い、なのであろうか。風歌の歌声を聞いていたならば、『あんたか』に意味が通って来る。

「あんた……これ、見えるかい?」

風歌は、『ダストデビル・ドライヴ』のヴィジョンを身体の前に出した。
万が一――万が一の時は、即座に戦いに移れる姿勢でもある。

743樋口『チェーンソー・ロマンス』:2021/05/29(土) 22:25:34
>>742

風歌の思考などどこ吹く風。
女は気にすることなど何も無いという雰囲気だ。

「見えてるけど……おっと」

手に持っていた木の枝を下ろそうとして辞める。
レジャーシートの表面に木の先が触れて、パンと跳ね上がる。
土とレジャーシートの一部が巻き上がっていった。
レジャーシートの一部が切れたのだ。

「あんたもそういう人なんだよね」

「ていうか、誰?」

744風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/05/29(土) 22:38:38
>>743
(ミゾレのと似たタイプなのか?)

やりあうなら、触れたら不味い――そう思いながら、風歌は答えを返す。

「風歌鈴音、見ての通りの住所不定無職だ」

アリーナでシャワーを借りれるようになってから異臭は弱まったが、それでも普段着はやはりホームレスのそれ。
なんというか、見れば解る程度にはホームレスである。

745樋口『チェーンソー・ロマンス』:2021/05/29(土) 22:57:09
>>744

「ふうん」

「そうなんだ」

ホームレスと聞いてなにか嫌な顔をする訳でもなく、ああそうなんだなと納得する。
なんとなく、目の前のことに対する反応が薄い。
大きな感情の揺らぎや振れというのが無い雰囲気だ。

「何しに来たの……って」

「うるさいな」

スタンドの発現を止める。
チェーンソーの音が止まった。
それと同時に大きく息を吐く。

「で、なんの話ししてたっけ」

「あぁ、あんたが何しに来たのかって話」

746風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/05/29(土) 23:09:41
>>745
「クソうるせぇチェンソーの音がしたから気になって来た」

風歌は欠片にも飾らぬ本音で答えた。別段、隠す理由もないだろう。

「スタンド使いだってんなら、アタシの『歌』は聞いたんだろ? そのチェンソー音、『スタンド音』っつーのか? 『スタンド使い』以外にも聞こえる音なら……そろそろ、止めた方がいいぜ。いくらなんでも、響きすぎてるからな」

先程までスタンド音声で歌っていた自分は顧みずに、風歌は言ってのけた。

747樋口『チェーンソー・ロマンス』:2021/05/29(土) 23:51:48
>>746

「そうなんだ」

音が止まっているのを確認する。
脈拍も正常だ。

「でも」

「あんたの歌もうるさかった」

ごろり、とレジャーシートの上に寝転びながらそんなことを言った。
嫌味を言うような雰囲気でもなく。
ただ、そうだと思っているからそう言った。

748風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』:2021/05/30(日) 00:23:36
>>747
己の歌――確かに、『加減』は欠片もしていなかった。様子からすれば寝ていたのかも知れないし、確かに、迷惑ではあったろう。

「そりゃあ……悪かったな」

風歌は、後頭部をポリと掻きながら頭を下げた。

「アタシもちっとばかし考えが足りなかった、石を投げればスタンド使いにぶつかる町だ。森の中だろうと出くわす事は、考えておくべきだったよ」

そして、背を向ける。『音』が消えたという事は先程の現象は止まった――はずだ。

「昼寝の邪魔したみたいで悪かった。じゃあな」

749樋口『チェーンソー・ロマンス』:2021/05/30(日) 00:37:22
>>748

「……じゃあね」

手を振って風歌を見送った。

750更山 好陽『イルーシヴ・エデン』:2021/05/30(日) 05:25:00
 
「ゼイタクしてるって感じだよな」 
 
早朝、朝焼けは既に去り、頭上は淡い空色に染まりつつある。
そんななか湖畔近くの『自然公園』に設置されたベンチに腰掛け、男が誰にともなく呟いていた。
 
「星が見えて月が見えて、朝焼けが終わっておひさまが見えて、
 この時間が一番『ゼイタクしてる』って気がするぜ」
 
目元を薄いオレンジ色のレンズのサングラスで覆った、
カジュアルなシャツスタイルのその男は、言葉とは裏腹に手元の『スマートフォン』に目を落としている。
 
メジャーどころのスマホ利用者には馴染みのないデザインの、『格安スマホ』の類を『二台』、
左右それぞれの手に握り、器用に同時操作をおこなっていた。

「いいトコだよ、この辺は」
 
極端に色白で、目鼻立ちのはっきりした彫りの深く整った、
どことなく『嘘臭い』イメージを纏った、人工的な顔立ちの男だ。

早朝故に人気は無いが、男と同じくこの時間に散歩にでも出る者がいれば、
なんらかの出会いがあるのかも知れなかった。

751ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/05/30(日) 22:29:28
>>750

      チチチ


ベンチの前では小鳥がツンツンと地面をつついている。
誰も歩いていない。世界中に他に誰も居ないかのように静かだ。


               ガシッ


いや、ベンチの『下』に誰か居たようだ。
伸びてきた手が、更山のズボンの裾を掴む。
こんなところで寝ているとはホームレスだろうか。
それにしては手はいやに小さかった。子供の手だ。
この場合、浮浪児と呼ぶべきなのかもしれない。


「うぁむにゅ……」

752更山 好陽『イルーシヴ・エデン』:2021/05/31(月) 23:09:32
>>751
(昨晩はレス気づかずに眠ってしまいました。申し訳有りません。)
 
>ガシッ

「おおッとォ!?」
 
突如として裾を掴まれる感覚に思わず声を上げ、反射的にベンチから立ち上がる。
驚いた拍子に左手に握っていたスマホを取り落してしまうが、
そちらを気にするよりも先に、『ベンチの下』に潜む人影に目が行った。
 
「こりゃ……『コドモ』、だよな?寝てンのか?」
 
「おい、おーい。
 起きてくれよな、そんでもって手を離してくれよ……流石にビビったぜ。
 キャンプ……てより単に『野宿』だろ。
 
 おーいって」
 
まずは声のみを掛け、目を覚ますよう促してみる。
揺さぶってしまうのが早いのは分かっていたが、知らない子供にヘタに触るとマズいのだは、
という危機意識が働いたのだ。

753ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/05/31(月) 23:25:00
>>752

「なんじゃ……?」


蚊の泣くような声が返ってきた。
まだ夢の中、といった声色だ。


「誰じゃ……お前さんは……?」


にゅにゅっとベンチの下から顔を出したのは、金髪の子供だ。
髪が長いので女の子だろうか。小学校低学年くらいだろうに見える。
誰かいることは認識しているようだが、目は開いていない。
手はズボンの裾を握ったままだ。

754更山 好陽『イルーシヴ・エデン』:2021/06/01(火) 00:26:50
>>753

「無防備にも程度ってモンがあるだろ……いくらなンでも治安、良すぎないか?」
 
幼い子供が野外で夜を明かしているというだけでも驚きだが、
見知らぬ大人相手にこの警戒心の無さは流石にコトだ。
更山の地元だってここまでの子供は居なかった……よほど『星見町』の治安が良いということなのだろうか。
 
「『誰だ?』って言うならそれはこっちのセリフだぜ。
 まずはちゃんと起きてよ、それからその手を離してくれよ。
 マジで、マジで偶然ここに座ってただけなんだ……ケーサツとかは勘弁だぜ」
 
ハタから見れば幼女に絡んでいるようにも見られかねない。
人通りの少ない時間帯ではあるが、万一にも通報されてしまっては笑えない。
自然と弁解するような口調が混じる。

755ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/01(火) 00:40:20
>>754

「ワシ……誰?
 名前……ナイ……
 ヌオオ……」
                   ズズズズズ


朝日がまぶしかったのかベンチの下に戻っていく。


「手な……うむ。離す、離す……。
 大丈夫じゃ。わしは起きておる……。
 ……どこじゃ……ここは?」


まだ若干意識の方は怪しいが、
会話は通じているようで、ズボンから手は離した。

756更山 好陽『イルーシヴ・エデン』:2021/06/01(火) 22:12:18
>>755

「おうおう大丈夫か?
 その『ナイ』ってのが名前か……?
 なんだってこんなトコで寝てンだよ……ここは自然公園、『公園』だぜ」
 
ズボンの裾から手を離されたところで身を屈め、
地面に落としたスマートフォンを拾い上げる。
 
「家とか親とかどうしたよ。
 日本はそういうの、ちゃんとしてる国のはずだぜ。
 流石にこんなコドモ、放って置けないだろ。起きろ起きろシャッキリしろ」
 
年下の兄弟が多かったからか目の前の少女を捨て置くこともできず、
なんとか話しかけつつ覚醒するよう促してみる。

757ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/01(火) 22:29:26

>>756

「はて、わし……なんでこんなところで寝ておるんじゃったか……
 つい……いつのまにか……」


特に何があったというわけでもないらしい。
かくれんぼしている間に寝てしまったとか、そういうレベルのうっかりのようだ。


「親はおらん。
 家は……まあ、家がなくなった時のために、
 こういう経験もしておくのもいいんじゃあないかの」


目論見通り、会話しているうちに覚醒してきたらしい。
発言はふわふわしているが、発音はしっかりしてきた。
外国人だから喉の成長が早いのか、むしろ年齢のわりに舌足らずさが無いほうだ。

758更山 好陽『イルーシヴ・エデン』:2021/06/01(火) 22:44:35
>>757
 
「そっか。親いないか」
 
少女の言葉にあくまで軽く応じつつ、身を屈めベンチの下を覗き込む。
その表情は、薄い色のサングラスに阻まれうかがい知れない。
 
「誰だってなンかあるもんな。
 ほれ、出てこい出てこい。朝だぜ。
 子供らしく活動する時間なンだからよ」
 
ちょいちょいと手招きしつつ、ベンチの下から出てくるよう声を掛ける。

「マジのマジに家が無くなったときにするのはよ、
 野宿の練習じゃなくて、ちゃんとした大人に頼ることなんだぜ。
 ま、その口ぶりだと『家』の方はあるってことでいいンだよな?」
 
かくいう更山の容姿も、決して一般的な日本人の範疇というわけではない。
異国風の少女へ語りかける口調も極めてフラットで、そこに特別な感情は見られない。

759ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/01(火) 22:57:36
>>758

ベンチの下を覗き込み、出てくるように促すと、
亀のような緩慢な仕草で、まぶしそうにベンチの下から出てきた。


「ふあ……」


あくびをして伸びをするする姿は、猫のようでもある。
髪の毛についた土がポロポロ落ちた。


「うむ。家は爺が住んでおったのがあるんじゃが……
 警察とかに知られると、何か……外国に連れていかれたりとか……
 よくわからんが、テレビで見たんじゃが……そういう面倒なことになりそうでの」


大人もののぶかぶかの服を着ており、
ベンチの下で寝ていたため薄汚れているが、
何日も風呂に入っていないとかそういう臭いはしない。
家があることは嘘ではないらしい。

760更山 好陽『イルーシヴ・エデン』:2021/06/02(水) 00:40:44
>>759
 
「よしよし、よく出てきたな。 しかしナルホド、だ」
 
ベンチの下から這い出てくる少女を見つつ、
何かに納得したように頷いてみせる。
 
「警察にバレると外国に連れてかれちまうってのは、
 そうだな、お嬢ちゃんの言う通り『面倒』だ。
 そればっかりはゴメンだもンな――お互い、上手くやらないとよ」
 
少女の言葉に何か思うところがあるのかも知れない。
小脇に抱えたセカンドバッグから個包装のビスケット菓子を取り出すと、
野良猫に餌でもやるような動作で差し出してみせる。
 
「おいしくて、つよくなるお菓子だぜ……キャッチフレーズが気に入って買い込ンじまった。
 もし良かったら持ってってくれよ。つよくならないと、一人でやっていくのはしンどいぜ」

761ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/02(水) 01:08:18
>>760

「お前さんも外国から来たのかの?」


青い目をぱちくりさせて、首を傾けた。
明らかに顔立ちが日本人ではないとか、発音がカタコトだとかいうわけではなければ、
髪の色くらいならば普通に染めている者も多いので判断がつかないのだろう。
目の色はサングラスでよくわからないし。


「くれるのかの?
 ほう、強くなるのか……少し待て」


そう言うと、子供はしゃがみこんで、ベンチの下からズルズルとリュックを取り出した。


「何かカッコいいのがいいじゃろうな……うーん、
 よし、代わりにこれをやろう。
 『交換』じゃ」


子供は、小さな黒い石を渡してきた。
つやつやしていて平べったい。いや、平たいを通り越して、刃物のようになっている。
黒曜石の小刀だ。

762更山 好陽『イルーシヴ・エデン』:2021/06/03(木) 23:24:59
>>761

「自分の知らない所はどこだって外国さ。
 俺は行ったことないけどさ、きっと『シブヤ』とかはもっともっと外国じみてるンだろうな」
 
口の端だけを上げて笑みを作り、どこか誤魔化すようにそう言った。
『ワケアリ』なのはお互い様なのだろう。
 
「まあ、トンでもない田舎から来たってのは違いねェけどよ。
 しかし、アレだぜ、別に『交換』なンてしてくれなくても、菓子くらい――」
 
言いかけ、少女の取り出した小刀に目をやり、そこで驚いたように言葉を止める。
サングラスが軽く押し上げ、裸眼でその『黒曜石』をまじまじと見つめる。
 
「はは!懐かしいなこりゃ!
 ガキの頃よく作ったよ――これなら菓子と交換ってのも納得だな。
 いや、こういうの、この辺のコも持ってンだな。なんだか嬉しいぜ」
 
先程までの笑みとは種類の異なる、心からの快笑というところか。
昔を思い出し、屈託なくひとしきり笑ってみせると、
 
「ええと、『ナイ』で良かったか。
 こいつもなンかの縁だよな。どっかで会ったら、俺のことは『ハル』とでも呼ンでくれよ。
 地元の奴らはみんなそう呼ぶ」
 
サングラスから外れた瞳をナイの目にしかと合わせ、軽い調子で名乗る。
改めてサングラスを掛け直して屈めていた身を起こせば、いかにもこれでお別れという雰囲気だ。

ほんのひとときだけ見せたその瞳は、確かに翡翠の色をしていた。

763ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/06/04(金) 10:12:13
>>762

「知らんのか? 外国というのはな。この国の外なんじゃ」


比喩表現はあまりよく伝わらなかったらしい。
中身の無い解説をした。


「ナイ……ああ、まあ、いいじゃろ。うむ。お前さんはハルな。ハル。
 ではの。
 次も会ったらまた何か『交換』しておくれ」


青い目と翠の目の視線が一瞬だけ交差して、
子供は土で薄汚れた金髪をひるがえして、去っていった。

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<削除>

765更山 好陽『イルーシヴ・エデン』:2021/06/04(金) 23:59:46
>>763
 
「ヒヒヒ……勿論そういう意味でも、俺は間違いなく外国から来たってことになるぜ。
 こっちに来たのだって、そう、『探しもの』があったからでさ――」
 
くるりと踵を返すと、青い目をした少女に背中で手を振り歩き出す。
セカンドバッグに詰め込まれた複数の『白ロムスマホ』がざらりと音を立てた。
 
まともな身分証を持たないワケ有りの外国人に『それ』を売りつけ回線を契約するのが更山の副業だ。
本業よりもよっぽど実入りは良い。
シンプルな現実として、更山には金が必要だった。

顔を変え戸籍を買って入国するまでに、蓄えと人脈の全てを吐き出した。
それでも人捜しにはどうしたって金が要る。
 
「あんな子供がさ……野宿したってなンとも無いんだ。
 滅多なことにゃ、なってないと思うけどよ」

「だから無理だって言ったろ。連れ帰って説教だぜ……ヒヒ」
 
手の中の小刀を軽くなで、ふるさとの歌を口ずさむ。
亡霊が背骨を貫きにやってくる、それは不吉な歌であった。
 
 /|_________ _ _
〈  To BE CONTINUED…//// |
 \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ ~  ̄

766関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/05(土) 17:27:00

お団子頭に草花らしきアクセサリーで飾り、
ワンピースの上にエプロンを着た少女がいた。

「よいしょっ……と」

          バサ

そして白いレジャーシートを広げ、
湖の見える少し高い原に座った。

今日は『血』を集めに来たのではなかった。
余暇に四六時中そのために動いていては、
今度は自分が潰れてしまうのは明白だからだ。

(……単純に考えたらあと『5人』。
 遊部さんの方が色んな人に当たってるんだし、
 あと『3人』はなんとか私の方で……………)

      ブツブツ

だが、止められない思考が自然と口をついて出る。
それは周囲の人に聞こえるほどではないだろうが――

        『ココニハ 人ガ少ナイ』
        『血ヲ集メニ来タノデハ ナイハズ』

「……あっ、そ、そうでしたねえ、フニクラ」

今シートに下ろしたリュックの中に座する、
奇妙な『スタンド』には聞こえたようだった。

そして……その『2人』のやり取りは、周囲にも聞こえるだろう。

※『あなたの血が必要とされています!』参照
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/70

767 隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/06/05(土) 18:14:10
>>766(詳細確認)

 Dadadaッ!

「heyheyheyHEYィイッ!!
なんだよ! なんだよ、ソレ!?
 それ、もしかしてUFOの偵察機か!
なぁなぁなぁなぁなぁなぁっ あんた!
もしかして、あんたUFOの知り合いだったりするのか!」

フラワーキッズを探してみるが、どうやら近場に居ないようだが
それとは別に、なんか面白そうなUFOっぽいヴィジョンと地球人が
一緒に居るのを見かけたっショ!!

「なぁ、あんたっ! それUFOかい?! UFOなんだろ!?」

頼むぜ、おい! UFOだって言ってくれーーっ!!

768関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/05(土) 18:51:52
>>767

「えぇっ、ゆ……ユーフォー? ですか〜?」

いかにも慣れない発音で、
突如現れた少年に反応した。

「あっ! 違いますよう、これ……この子は…………」

          『私ハ フニクラ』
          『ユーフォー デハナイ』

そして、即座に『期待』を外した。
ボールに浮かんだ文字列が、完全に否定する。

「そう、フニクラはユーフォーじゃなくって、
 そのう……『スタンド』 なんですけど」

浮遊する謎の玉は『未確認飛行物体』ではあるが、
狭義での『UFO』とは、どこか違う。

          ・・・と、自認している。

「ええと、『ユーフォー』の方がよかった……ですかねえ?」

剣幕にどこか申し訳なさも感じつつ、リュックから水筒を出す。

769隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/06/05(土) 19:19:30
>>768

>『私ハ フニクラ』 『ユーフォー デハナイ』

「おいおいおいっ! なんだよUFOじゃねーのかよ! まぎわしい!!

鈴蘭パーカーを揺らしつつ、黒いサングラスから覗く目はいかにも
残念そうな感じになりつつ、天を仰ぐっショ!

「けどけどぉ! こんなに未確認飛行物体に近いんだ!
空を飛ぶUFOだって仲間かと勘違いして寄ってきてくれるかもしれねぇ!
 woW! 俺ってばめちゃ冴えてる発想だ!
そんじゃあ、そのシートちょっと借りるぜ」

 パンテオン・ロココォ! と叫びつつ『パンテオン・ロココ』に
白いレジャーシートを地面に押し込んで『シート地上絵』の完成だぁ!

うをおおおぉ!! UFO!! ここに俺はいるぜぇええ!!

「はい ご一緒にぃいい!! U! F!! O!!!
U!! F!!! Oぉぉおおおおっっ!!!!」 〜〜♫

地上絵の周りで体をくねらせつつ空へと叫ぶぜ!!

770関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/05(土) 21:00:09
>>769

「え、えぇ〜…………? そんな事言われても」

            『スタンド使イ』
          『血ヲ集メル 機会デハアル』

フニクラは気にしても無さそうだが、
関は押しがゲキ強のUFOボーイに困惑する。

      さらに。

「借りるって…………きゃ!?」

            ボス

レジャーシートが突然沈み、
よく分からないままに尻餅をつく関!

「たたっ……え! わ、私のシートが、地面の『絵』みたいに……」

     「なって……あっあぁ〜っ荷物が…………!」

そして……結果的に『地べた』に置かれた上に、
地上絵の上にあるため、白線を引かれた荷物。
弁当箱をまだ開いてなかったのは不幸中の幸いだ。

「……あのう、ちょっと! ご一緒に、じゃないですよう!
 何でいきなりこんな……あ、あんまりじゃないですかあ?」

               フヨフヨ

(フニクラは、そんなに嫌がってはいないみたいだけれど……)
 
比較的穏和な部類の関だが、これには流石に抗議の声を上げた。
フニクラについては、隼士に合わせて動いているようでもあった。

771隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/06/05(土) 22:02:43
>>770

>何でいきなりこんな……あ、あんまりじゃないですかあ?

パチパチ

「あんまりって? なにがだ??
だってUFOだぜUFO!!
この空には別の銀河から来た、地球人の想像ぶっち抜けた奴らが
空を飛んでるんだ!
 そいつ等と会える為なら、ある程度の事なんて些細っショ!」

きっと宇宙には未だかつてない、俺のこんな小さな世界を無限大に
膨らませてくれるものがぜってーある!
 
>『スタンド使イ』 『血ヲ集メル 機会デハアル』

「あん?? 血ぃ!??
なんだってUFOと何の関わりもない奴に、血なんてあげないといけねぇっショ」

隼士は、いまいち乗り気ではないようだ。

(※題:UFO狂いの隼士を、なんらかの方法を駆使して
献血に乗り気にしてみよう!)

772関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/05(土) 23:24:19
>>771

          『血ガ必要トサレテイル』
          『出来ルカギリ 早ク』

「それは……確かに宇宙は凄いですし、
 宇宙人も多分いるんだろうとは思いますけど」

(この人……無茶苦茶で、理屈じゃない。
 それだけすごいエネルギーがあるけど、
 話をしたら聞いてくれる人とは違う……)

宇宙の凄さは『漠然としか分からない』
関はもっと小さな世界を生きているし、
小さな世界のために色々とやってきた。
夢へ飛ぶ鳥と、巣を守る鳥は根本的に違う。
だから多分…………『相性の悪い』相手だ。

(別にこの人から血をもらうのに、
 こだわる理由はどこにもないけど)

「でも……こっちの話も聞いてくださいよう」

(……こういう人とちゃんと、私が向き合わないと)

だから本来、ここは退いても良い。
だが、『そうしない』事にした。

「たしかに宇宙人に関係はないですけど……
 私、前にテレビで見たことがありますよ。
 ユーフォーは、牛とかの血を奪っていくんだって」
 
        『私ハ ユーフォーデハナイ』

「……この、『よく分からない飛んでるもの』に、
 いきなり『血を取られる』…………それって、
 ユーフォーに会う『予行演習』になるんじゃないですか?」

        「……いえ、違ってたらすみませんけど」

謎の儀式までして『UFO乞い』をしている少年だ。
『UFOに関係がある』形なら、話を聞いてくれるかもしれない。

関自身完全に知らない分野なので、歯切れは悪くなってしまうが……

773隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/06/06(日) 17:23:11
>>772(悪いな! 寝てたぜ!)

>私、前にテレビで見たことがありますよ。
>ユーフォーは、牛とかの血を奪っていくんだって

「俺って牛なん??
あ、でもでもぉ そうっショ! 1961年のヒル夫妻は宇宙人に誘拐された時に
爪とか髪のサンプルと共に皮膚も採取されたっぽい証言してたんだ!!
 って事は俺も搭乗する時に血を採られるかもな!」

 指を鳴らしつつ、笑顔で快諾の頷きをする!
おめでとう! どうやらUFOフリークの青年は貴方の言葉に
乗り気になったようだ!

 「そんじゃ、お願いっショ!
けどけどぉ! 俺の頼みも聞いて欲しいっショ!
時間あって、UFOに関して重要な話があったら清月のミス研に顔出して
教えて欲しいっショ! だってUFOは直ぐ近くにきっと居るからさ!」

『パンテオン・ロココ』の腕を差し出しつつ、図々しく頼みもした!

「このパーカーも、鈴蘭を頭に生やしたキッズガールから貰ったんだぜっ
多分、あの娘は宇宙人が作った花を利用して作成した擬人偵察機に
違いないっショ!! その娘に遭ったら、色々情報提供おねがいするっショ!!」

774関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/06(日) 22:37:40
>>773

「う、牛では無いですけど……それじゃあ、ええと――――
 あ、人間も、そういう風にされることもあるんですねえ!?」

やはり知識不足も響いたが――――
逆に、『UFOフリーク』の知識に助けられた形となった。
彼が納得した上で協力してくれるなら、それが一番いい。

「ええ、分かりました。ユーフォーとか……
 ええと、す、すずらんを生やした子? とか、
 そういう不思議なものを見かけたら、教えに行きますよう。
 困ったときは、お互い様ですもんね」

        「それじゃあ――――『フニクラ』」

         『血ガ必要トサレテイマス』
         『少シデモ早ク』『少シデモ多ク』

世の中には不思議な物が『ある』。
スタンドもそうだし、UFOもそうかもしれない。
あるいは花を頭に生やした女の子も、だ。
         
「血を採るのはすぐですから……
 ちょっとチクっとしますけど、我慢してくださいねえ」

                シュッ

ともかく今は――――フニクラから注射器を取り、手早く『採血』を済ませてしまう事にする。

775隼士 賢『パンテオン・ロココ』:2021/06/06(日) 22:56:28
>>774(お付き合い感謝)

>シュッ

そうして、俺の腕から血が抜かれる感覚がする。
 ちょーっと抜かれたほうから怠くなってるっショ!
本当の献血とおんなじ感じで、そんなに驚くような事はないなぁ。

あー、やっぱUFOUFOU F O だぜぇ!!

「おーっし! もう良いよな!? 
俺、もうちょい別の付近でフラワーキッズを探してみるっショ!
 さーUFO 待ってろよぉ〜〜っ!!!」


 きっとどっかに飛んでる筈だ! 絶対見つけて乗り込むっショ UFO!!

776関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/06/06(日) 23:28:34
>>775

            シュピッ

注射器を抜き取り、『フニクラ』の中に収める。

「ええ、もう大丈夫ですよう。
 ちょっとだるいと思いますから、
 運動をする時は気をつけて――――あっ!」

        『モウ 行ッテシマッタ』
        『合理的』『イイコトダ』

「す……凄い勢いでしたけど、
 どうしましょう、せっかく……あれ!?
 いつの間にかレジャーシートが戻って……?」

        『私ハ特別ダガ』
        『遠クニ イキスギタカラ ダロウ』

「ああっ、射程距離で……
 ……でしたら、とりあえずご飯にしましょうか。
 お弁当箱はちょっとだけ汚れちゃいましたけど」

        『食ベルノニ 問題ハナイ』
        『質ハ 気ニシテイナイ』
        『大事ナノハ 血ニナルカドウカ』
        『食ベルノガ 合理的ダ』

「……ふふ、もったいないですもんねえ。
 さ……それじゃあ、いただいちゃいましょう〜」

それを届けに行くのは、少しだけ後の事になるだろう……

777草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/06/09(水) 23:20:16
ザッ!

  スゥゥゥ――・・・

シュタ!

「暑い……!」

汗を拭き拭き、変な動きを繰り返している。
『スタンド』は傍らでぼーっとたたずんでいる。

778空井イエリ『ソラリス』:2021/06/11(金) 00:08:30
>>777

童話のようなメルヘンな服を着た、
眠たげな顔立ちの少女が、、
やや離れたベンチで本を読んでいた。

「……?」

そして――――
ふと顔を上げた先の光景に、
何をしてるんだ? と言いかけたが、
スタンドを見て一瞬言葉が止まった。

「いや……何をしてるんだ?」

が、改めて口を突いて出るそれを止めかねた。

    なお、『イエリ』と『草摺』は同い年だが、
    この町に同い年の人間などごまんといる。
    なので、知り合いなのかどうかは『草摺』次第だ。

779草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/06/13(日) 22:18:17
>>778

スゥ―ッ

変な動きだ。『スタンド』によるものだと理解できるだろう。
何でもないところで『滑るように』移動しては、コケそうになったりしている。
よく見れば明らかに斜めに浮き上がっていくときもある。

>「いや……何をしてるんだ?」

   ギクリ

「オレ?」

「(しまった聞き流せば良かった!聞こえねーフリをして「あーつかれたー」とか言って帰れば)」
「(……いやでも別にフツーにしてれば怪しくはないよな。かくし芸の練習でも不自然じゃあないよな)」

「かくし芸の練習です」

作業服(暑いので上着は腰に巻いている。紺色のインナー一枚だ)の男の返答は、不自然だった。
なぜか敬語だったし、目も泳いでいる。なお、『知り合い』ではない。

780空井イエリ『ソラリス』:2021/06/13(日) 22:33:05
>>779

「そうか……それは、邪魔をしちゃわるいよな」

真面目な顔で、頷いた。
そのまま本に目を落とそうかと少しだけ思ったが、
視線を上げ直して、『スタンド』を見る。

「たださ。おれには『種が見えてる』ぜ。
 つまり……もし大勢の前で披露するなら、
 何人かはそういう奴もいると思うからさ。
 ソレを隠す方法も考えた方がいい……と思う」

見かけと違わない鈴の鳴るような声が、
ぶっきらぼうな口調で、紡いでいく。

「いや、別に助言を求めちゃ、いないよな。
 知らねーやつのつまんねーお節介だと思ってくれ。
 見えた所で、どんな技なのか不思議ではあるし」

つまり、『納得することにした』のだった。

スタンドが使えるからこそ――
スタンド使いでないと見えない物を知るからこそ、
スタンドで芸をする、という発想は『有り得る』。
目が泳いでいるのは……

(深く追及しないでやるのが、いいことだろう。
 おれだって練習はしたよ。ちょっとくらいは……)

781草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/06/13(日) 23:30:22
>>780
>「たださ。おれには『種が見えてる』ぜ。

「えっ」

> つまり……もし大勢の前で披露するなら、
> 何人かはそういう奴もいると思うからさ。
> ソレを隠す方法も考えた方がいい……と思う」

「えっ」
「……。いや、その、ありがとう」「(『いい人』ッ!!カワイイ!!)」

条件反射だ。
アドバイスをもらったので、素直に礼を言うタイプだ。
また女の人に話しかけられるだけでときめくタイプだ。中学生並みの精神だ。

「あっ。でもゴメン、かくし芸ってのはウソなんだ。
 こーやって、滑るみたいに動けるし、動かないこともできるしで便利なんだけど不慣れでよくコケるから」

とっさについたつまらないウソも良くなかった。
素直に『スベる練習』とでも言っておけばちょっと面白かったかもしれない。いや、面白くはないな。
とにかく、練習は練習だが『スタンド能力』の練習だ。その『スタンド』はぼーっとしている。

782空井イエリ『ソラリス』:2021/06/14(月) 01:25:40
>>781

「なんだ、ウソだったのか……
 いや、でも、わかるよ。理解できるウソだ。
 例えばおれも…………『これ』を、」

         『ズギュン』

「練習するところをもし見られたら、
 きっと何か咄嗟に、嘘をつくだろうからな」

『ソラリス』を自分の背後に立たせ、
その操作をもって、首肯をさせる。

「まして自分が動いたり……動かなかったり?
 する能力なんて、絶対、練習した方がいいもんな。
 自転車や自動車にだって練習がいるんだし、
 それに……おれたちには『免許』とかもないしさ」

自分の能力は『何も無い空間』に作用するものだが、
自分自身や、他人に作用する能力だとしたら、
練習しないとマトモには使えないだろう。

「――呼び止めちゃって悪いな。練習、続けてくれていいぜ」

ブックカバーを付けた本は開いたまま、練習の再開を促した。

783草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/06/14(月) 23:12:23
>>782

「(理解がふかい!)(先輩っぽい!!)」

「そう、そうなんだよ。自転車とか自動車よりも、もっと便利で、」
「それに危険……危険だ」

彼女の『スタンド』も見える。
考えてみれば、他人の『スタンド像』、ハッキリと見るのは初めてだ。
観察するみたいな目になってしまってたら失礼だな、と思ったが、見ちゃうんだよな。

「オレは、自分で何ができるかは知ってる。でも、それで何が起こるかはやってみないと分からない」
「チェーンソーの機能を理解してても、木っ端が顔に吹っ飛んでくるのは木を切らないと分からないよーに」

それに聞かれてもないことを話しちゃうんだよな。
別にナンパってわけじゃない。ヘタレだし。
ただ、『スタンド能力』の話が通じる相手なのでつい、ってことだ。

「こっちこそ、読書の邪魔になっちゃったよな。

 ……邪魔ついでに、ひとつ聞きたいんだけど」


だから、『つい』だ。別に深い意図も何も無い。
『スタンド』は便利で危険だ。自転車や自動車やチェーンソーみたいなもんだ。それ以上の意味は無い。


「アンタの、その、そいつ(『ソラリス』を見ながら)」
「『人、殺せるの?』」


言葉遣いに気をつけろと、職場でもよく叱られる。
会話での、単語の選び方がなっちゃいないだけだ。

784空井イエリ『ソラリス』:2021/06/15(火) 03:12:59
>>783

「いいんだ。おれだって本を読むのも好きだけど、
 人と話をするのも、実際のとこ、嫌いじゃあないから」

もちろんナンパじゃあないのは分かってるし、
だからこそ、こうして話に乗ってもいた。

人型のヴィジョン――――だが、その細部は大きく異なる。
どこか旅人を思わせるようなマントを羽織る、その姿。
視線を感じるが、それに特に抵抗はない。隠す気もない。

「いや、そうだな――――
 おれの『ソラリス』で、人を殺す事は、出来るよ。
 人を殺す能力なんじゃあなくって、能力で人を殺せる。
 もちろんしないが、『それができる』事は知っている」

         「ふっ、試して知ってるんじゃないぜ。
          でも……考えたら、『できる』だろう」

『餃子』(裏とかは無く、あの『餃子』だ)を巡る戦いの中で、
一歩間違えば死ぬような攻防を繰り広げた。
あの時は双方『殺意』が無かったゆえに軟着陸したが、
逆に、どちらかにそれがあれば、『死』の結末はたやすく訪れる。

「それくらい危険だってわかってるほうが、良いんだと思う。
 おまえさんも言ってるよーに、『危険性』を知ってても、
 それでも事故が起きちまう事はあるだろうし――――」

「自分の扱ってるのがチェーンソーか、ぬいぐるみか、何なのか、
 それを知っとかないと、『いざというとき』にどう振れば良いのか分かんないしな」

                  「だから、練習ってのは、いい事だと思うんだ」

785草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/06/15(火) 23:11:40
>>784
「うん、そうだ」「そーいうことを言いたかったんだ」
「アンタ頭イイな!」

こくこく頷きながら、完全に同意!って顔と言葉を相手に向ける。
特に深い意味はないが、『ブレーキング・ポイント』も超スゴい勢いで連続首肯している。(スA)

草摺十三には、『一歩間違えば死ぬ』ような経験も『餃子(餃子…餃子?)』を巡って攻防を繰り広げたことも無いし、
そもそも『スタンド』で戦うという概念そのものを思いついていないレベルの平和マンだが、それでも『危険かどうか』は分かる。
そういうことなのだ。

「いやァ、なんか嬉しいな。こういう話ってなんか楽しいもんだな。 
 あっゴメン、名前も言ってないのにアンタとかさっきからめっちゃ呼ばわってるなオレ」

オホン

「オレは草摺十三でこっちは、」スタンドは首振りを止めた。細い針金を束ねて、それで拵えたような、細身の『像』。
「『ブレーキング・ポイント』」 「って呼んでる」

786空井イエリ『ソラリス』:2021/06/15(火) 23:54:00
>>785

間違えずとも死ぬような死線は知らないイエリも、
それらしい言葉を見つける事は出来るのだった。

「ありがとう。それは、悪い気はしないぜ。
 ただ、『言語化』したのはおれだけど……
 そういう感覚を持ってるおまえさんも、きっと『賢い』んだろう」

そして――人が気付いた事を言葉に直すのも、
言葉に出来ない所に気付くのも、
きっと同じくらい大事な事なのだろう。

「――――ああ、いや。おれも自己紹介をするのを忘れてた。
 それに、おまえさんの事を『おまえ』なんて言ってるからさ。
 その辺は気にしないことにしようぜ、お互いに」

     ウツイ
「おれは『空井イエリ』
 それで――――こいつは『ソラリス』」

           シュ
             バ

『ブレーキング・ポイント』の首振り同様に、
『ソラリス』もまた、信じがたい速度(スA)の『お辞儀』を見せた。

「お互い『スピード自慢』って感じなのかな。
 競う理由はないし、スタンドが似てたッて、
 おれ達はきっと全然似てないだろうけど」

「スタンド使いだし、年も近そうだしさ。今後ともよろしくって感じかな。草摺君」

787草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/06/16(水) 21:28:38
>>786
「『賢い』?オレぇ? ……言われ慣れてねえェー……」

でも嬉しそうだ。ニヤァってなっている。

「ウツイさんに、『ソラリス』か。覚えたぞ。
 っていうか速。…自分で動かしたり、無意識で動かしてるのか気づいたら動いてたりするけどさァ。
 速すぎてちょっと気持ち悪いときない? オレだけかな」

スピード:Aあるあるだと思うんだけどな。
と。
    〜〜♪

『着信音』。草摺のポケットからだ。

788空井イエリ『ソラリス』:2021/06/16(水) 23:19:53
>>787

「おれも『最初』は慣れなかったよ。
 褒められるのも、スピードも……
 でも、今はそんなに、悪い気はしないな。
 やっぱり、実際に動かしてみるに限るんだろうな」

人間同士の交流に強い意味は求めない。
だが、それを改めようと動いていれば、
褒められて良い気分になる日だってある。
それは、いい傾向だと自分でも思っている。

「……電話か、出るといいぜ。
 おれは本を読むのに戻るからさ。
 それが終わって、まだ暇だったら、
 話をまた始めてもいいけど」

       パラララ…

しおりを挟んだページを開いて、視線を落とした。
残っているページはそんなに多くも無い。

「それまでに、おれの方が終わって帰るかもしれないしな……」

そう言うと、電話に出るであろう草摺に、それ以上話しかけはしない。

789草摺十三『ブレーキング・ポイント』:2021/06/18(金) 23:42:19
>>788(失礼しました!)
「ああ、多分仕事の電話……やっぱり」

着信画面をみて、通話ボタンを押す前に。

「悪いな、ウツイさん。ありがとな。また会おう」

挨拶をしてから、電話に出た。そしてそのまま離れる――

「あっモシモシ先輩、お疲れ様っス。え? いやもう今日は…
 あっ、そうなんスか。わかりましたァー。向かいます。いや遊んでねーですって。マジっス」

罪のないウソを吐きながら、立ち去った。

790りん『フューネラル・リース』:2021/06/20(日) 07:43:58
『鈴蘭畑』にて

「優しい記憶に触れようとして
  私の指先は ひどく切り裂かれるの♪」

何かを箱詰めにした物を運んでいる
今日は『納品の日』だ

791りん『フューネラル・リース』:2021/06/21(月) 09:22:57
>>790
そういえば身体的特徴を書くのを忘れていたが、まぁいいか…

りん「今月の分のノルマ達成したから、確認しといて」
業者「りっさん、いつもご苦労様です!
   えぇと…うん、ちゃんと全部入ってますね、ありがとうございます
   にしても、りっさんが育てると何でこんなに綺麗になるんですかねぇ?」
りん「えへへ、愛だよ愛!」

  _
  \)
   Y)
  _ Y
  \ヽ|
    ̄ム
   人)
   /    ()フ
  /   (\/
  |     ̄Zフ
  |    |
  \_/(__ノ
  /⌒ ⌒\\
__/ /⌒⌒\ \゙z_
\/ /ィハレVレハヾ Y_ノ
 レ K●  ●>|从|
 |人 ヽニフ ノイノノ
    ̄ ̄ ̄
    十ヽ -|-、レ |
    d⌒) /| ノ ノ

792一抹 貞世呀『インダルジェンス』:2021/06/21(月) 20:32:02
夕暮れ時の湖畔に一人の少年が佇む。
迎えに来た親に連れ帰される子を見つめている。

一ーーーーーーーー

「ねぇ、おじいちゃん。孤児ってなぁに?
 ぼくって『捨て』られたの?」

「そうなんだ。育てるほどの『価値』も無かった。
 ゴミ袋に捨てられたからクズなんでしょう?
 みんなからゴミ臭いって言われるし…」

「ほら、やっぱり血の繋がりが家族なんだ!
 ぼくは不良品なんだ! だから思い知せてやる…」
 ぼくが何者なのか。復讐してやるんだッ!!」

ーーーーーーーー

「でも、スタンド使いになっちゃったよ。
 いつの日か殺せるかな。はぁ、殺したい…」

と、言いつつ湖畔を去ろうとする。
最近はホームレスのみんなも湖畔に来てるからだ。
邪魔になってはいけない。

793一抹 貞世呀『インダルジェンス』:2021/06/22(火) 00:09:19
一応、ageです

794遊部『フラジール・デイズ』:2021/06/22(火) 09:24:29
>>793

詳細↓
【対応してくださる方々へ】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/70n

>でも、スタンド使いになっちゃったよ。
 いつの日か殺せるかな。はぁ、殺したい…


 (……見つけた)

 (残り一人……最後の『スタンド使い』っ)

    ┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……

声(一抹)を聞いて絶好の機会だと思った。幸い、背負ってるリュックには
色々と『準備』も出来ている。
 最初に、この湖畔で献血をする相手と巡り合い。そして最後もこの場所で
終えると言うのはフィナレーとして美しいだろう……。

 (よし……『フラジール』も定位置に忍ばせた……いくぞ!)

 タッ!  ダッダッダッ!!

 「はぁ……っ はぁ……! お、お願い、助けて!」

少年(一抹)に学生服の女性(遊部・本体)が必死の表情で
助けを求める形で駆け寄ってくる。

795一抹 貞世呀『インダルジェンス』:2021/06/22(火) 15:12:34
>>794
「どうかなさいましたか?」

『何か』に追われる少女を観察する。
靴底、袖、髪の間に変なものを仕込んでないか心配だ。
私に起きる不幸は全てがスタンド絡みであるがゆえに警戒をする。

「『何が』来てるんです? 暴漢なら無償去勢しますよ」
 先ずは冷静になりましょうね」

『インダルジェンス』で彼女に触れて『鎮静』。
事情を聞きながら縄跳びを取りだそう。


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