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【ミ】『星屑のサラウンド』

1『朝山』:2019/02/11(月) 18:55:27
―――私としては確かなことは何も知らないが
星の光景は私を夢見させてくれる。
                       『ゴッホ』

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『朝山』がGMのミッションを行うスレです。

710『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/11(水) 00:02:47
>>707-709(レスを少々巻き進行でするが、影響は無し)

斑鳩の囁き、ドアノブの回す音。そして、鉄鎖での扉を完全に封鎖しようとした刹那。
崩落の音と共に扉の隙間から流れ出てくる肌色の人間の雪崩
こちらに向けてくる、あのおぞましい笑顔と大きな口が丁度成田と黒羽は見えた。

「ヒヒヒ! 来たか来たかっ 今日は患者の満員御礼だ!
丁度お前たちに贈ろうとした、たっぷりのプレゼントがあるんだよっ!!」

医者の声が良く通って聞こえた。不思議だった、奴等の『笑い声』が地面に
落ちると共に響き渡ると思えたのに、それは『聞こえなかった』……。
 だが、疑問に思う間もなく。医者の声が途切れると共に閉められた扉から
爆発の轟音が轟き、その衝撃は頑丈な鉄扉越しに三人へ襲い掛かる。

重力が消え、貴方達は前身に身を乗り出すと同時に開かれた扉の向こう側へ
放り投げられた。

・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・


「……おめぇさん達、何時戻って来たん?」
『しかも、私の見間違いでなければ。扉が開くと同時に
三人いっぺんに塊となってソファーに飛んできたように見えましたけど』

風景は、地獄めいた空間より。貴方達の内の誰かは見慣れた
『学生寮』の娯楽室となるホールの大き目のソファーに三人は身を投げ出されていた。
それを、不思議そうに覗き込む『芦田』とスタンドが一緒に居た。

どうしてこの二人、ならぬ一人と一体が学生寮で過ごしてるか理由は不明ながら。
遅れて、小さく驚きと共に駆け寄ってくるアイアン・セイヴィアーの連れだった
『アリゼ』の姿が映った。

三人とも、今まで地獄と化したアリーナに居たのが一瞬嘘かとも思える程に
見慣れた空間に居るものの。先程までの医者や探知者、魂を付け狙う怪物達の群れの真実
そして手元にある『矢』や成田が握る絵は今まであった事が決して夢でないと訴えている。

……一先ず、貴方達は無事に生還を果たせた。耐え難い犠牲も付いたが、確かに帰還出来たのだ。

711黒羽 灯世『インク』:2020/03/11(水) 03:28:04
>>710

「ッ――――――――」

無数の笑顔が降ってくる。
それはあまりにおぞましく、そして明確な『身の危険』。

      「―――――――――???」

幸いにして、それが自分に降りかかる事はなかった。

『学生寮』は我が家だ。
実家以上に安心できる、第二第三の故郷とも言える。

その平静さは……『芦田一行』のおかげなのだろう。
それは分かった。それは良い事だ。『矢』も間違いなく、ある。
分からないのは……あの瞬間だ。最後の瞬間。

(あの時『笑い声』が聞こえなかった、それはなぜ?
 戦術的にもあの瞬間、一斉に笑いかけるのは強力なはずだわ)

           (……出来なかったか、それともしなかったか?
             単に『扉』がそういう特性を持ってただけなのか)

「戻ってきたのは……今なのだわ。成田君、斑鳩さん……無事?」

ひとまず自身や、室内の様子を目で確認する。異常な点などは無いか?
喪ったものを振り返るには、まだ早い。安堵に身を沈めるにも…………

712成田 静也『モノディ』:2020/03/11(水) 17:09:20
>>710

!??

ワープするとはおおよその予想がついていたとはいえ、あまりの変化に一瞬に何が起こったのか理解できないほどだった。

芦田さんが目の前に現れてもまともに考えが浮かばずにここが学生寮かー初めて来た、とか

「あっ、はい。こんばんは(?)、芦田さん。」

といった気の抜けた返事をしてしまった。しかし目に移った『矢』と『絵画』が成田の思考を警戒状態に戻していく。

「…ええ、大丈夫、大丈夫です黒羽さん。気の抜けたところを見せてすみません。」

「・・・芦田さん、すみませんが少し距離をお願いします。感染したか否かを確かめるためにも。」

「貴方の『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』…『ウィゴー』さんはどうしました?いるならばここに呼んでくれませんか?」

「他の二人もスタンド使いならばスタンドを出していただけますか?」

「そうすれば警戒を解除します。」

モノディを出しながら、目の前の『芦田さん』と周囲に警戒を示す。

『アリーナ』で学んだ感染者の判別法、『スタンド使いならばスタンド出すことができるか』、それを確かめない限りここが安全とはまだ断言できない。

「黒羽さん、斑鳩さん、一応の警戒を。奴らは非感染に成りすますことができるので、彼が『ウィゴー』さんを見せない限り、まだ安全かわかりません。」

二人にも警戒を緩めないように言葉をかける。

713斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/11(水) 19:48:39
>>710

――ここは何処だ?

攪拌した視界と意識を、二つの頭が引き起こす
この感触には覚えがある、あのソファー、随分硬いな、もう少し金をかけたらどうだと、確か文句を……

視界に何か入ってきた、人影が2、ヴィジョンが1。

撃鉄を引き起こすように影の足を引きずり出し、跳ねるように地を蹴り飛ばす
分離、結合 近づいてくる影から距離を取りつつ、『鉄球』と『鎖』を展開する。

残弾3m、足止めに使った『10m』分は射程外で消滅しただろうが
攻撃用の鎖には15発分も有れば、人一人は容易に殺せるだろう、現にそうしてここまで来た。

 「――それ以上接近するな、『スタンド』を見せろ、出来ないのならば殺すまでだ。」
 「お前は既に、俺のスタンドの射程内にある。」

影の頭部に周囲を見張らせながら、ここは何処だと思い返す
……学生寮のホールに見えるが、他の敵は何処なのだ?射程を確認しながら、すり足で距離を取らねばならない。
まだ終わってない、次の手を考えなければならない。

714『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/11(水) 23:14:20
>>711-713(ALL)

此処は、学生寮の娯楽室だ。貴方達は大き目のソファーに身を投げ出されていた。
恐らく飛ばされてきたであろう扉は直ぐ近くにあったものの、そこから奴等が入り込んでくる
ような予感は無い。二人に離れてくれと命じた芦田が、へぇへぇと気のない台詞で下がり開けたドアの
向こうは学生寮の他の者の居室に通ずるだろう廊下が見えた事から、あのスタンド扉は三人を
こちらに送ったと同時に閉められた瞬間には、次元を捻じ曲げた出入口としての機能が消えたのだろう。

>貴方の『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』…『ウィゴー』さんはどうしました?
>――それ以上接近するな、『スタンド』を見せろ

芦田「俺 >710今さっきGМが俺と伴侶のウィゴーちゃんが一緒にお前等を覗き込んだ。
って、ちゃんとしっかり文面に書き込んだと思うんだがなぁ〜? てめぇ等の目ん玉は
節穴なのかよ?? 俺ちゃん、しっかり国語を学んでくれないのは悲しいぜ。
あと、俺を殺すのはともかく。ウィゴーちゃんに指一本でも触れたら 殺す前に
俺が化けて呪い殺してやらぁ〜 ケッケッケッ」

『なに、この本体は電波な事を行き成り喋りだしてんだ……いや、何時も通り変なんだけど
って言うか伴侶じゃねぇよボケ。私はウィゴーちゃんじゃなくて
ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトって正式名称で呼べって何度言えば良いんだ!
それと、笑うなって成田さんが言った事半日も経ってないのに忘れたのかっ!!
……と、言うか。特に男性の御二人とも、ボロボロですね。かなり気が立ってる御様子ですし
何があったんですか……?』

多分、何時も通りに突拍子のない気風の本体は成田と斑鳩にマイペースな態度で返答し。
それにスタンドは皮肉を返しつつ労わる口調で右目に付いたモノクルレンズの縁を撫でつつ
二人の様子を見つめる。その態度は、解散する前の平常な状態であると見受けられる。

アリゼは、三人の様子に少し片方の眉を上げつつも。ほれっと言う調子で
ピンク色の掌サイズなスライムのようなスタンドを発現させつつ喋りだした。

アリゼ「ハガネが、寮の正門付近で見張ってる手前 私がぐーすか眠るのも
何だか心苦しいんでね。適当に設置してるキッチンで晩酌をちょっとしたためてたら
そっちのヤバい芦田って奴が『んだ? 今の笑い声』って走るのを聞いてさ。
少し遅れて私も駆け付けたんだよ。何か随分ボロボロだけど、生きて帰ってきて何よりで。
小林とヤジって二人は、庭のほうでガソリンのタンクやら空き瓶やらで色々軽く戦争でも
しそうな準備してるよ。あそこまで用意する必要って本当にあんの? って思うけど。

……あのワン公……ベリルは一緒じゃないのかい? それとも馬が合わなくて別れたとか?」

教えた手前、多分同行してたと推察していたアリゼは犬猿の仲たる存在が三人と一緒でない事を
不思議がっている……。

715成田 静也『モノディ』:2020/03/12(木) 19:21:37
>>714

「フ?―――――――――ッ…。皆さんどうもすみませんでした、少し気を張り詰めることが多すぎましてね。」

「ワープのせいもあって気も動転してしまっていたようです。」

どうやら彼等はまだ奴らの支配下にいるわけではないようだ。

「スタンド使いが『奴ら』…『スマイリー・スマイル』に取り込まれたかを判別する方法はスタンドを発現できること。」

「取り込まれると魂が溶かされてスタンドが出せなくなるそうです。」

これまでに知った判別法を改めて彼らにも教える。

「それと前にも言いましたが、冗談でも笑うのはよしてください。」

「あいつらはそれをキーに魂を溶かすとんでもない奴なんですから。デロデロに解けていく『ウィゴー』さんは見たくはないでしょう?芦田さん?」

芦田さんを軽く諫めるように言う。

「…ベリルさんは、亡くなりました。オレは直接見たわけでは無いですが、おそらくは。」

オレは彼女の最期はまだ聞いていない。黒羽さんの方へ眼を向け、彼女の最期を教えてくれるように乞う。

「それが終わって、小林さんとヤジさんの無事を確認して…休息の時間はとれるかな…?」

あれだけのことがあったのだ、少しは休息が欲しい。

716斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/12(木) 22:45:06
>>714

 「……そうか、急に悪いな すまん。」

一々反論するのも面倒だ
こいつは確か……傭兵の片割れとキャンピングカーの奴か。

 「アンタも大変だな、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト、同情する 人格は本体を選べないからな。」

俺ももうすこし息が出来るような本体が欲しい。
窮屈で敵わない。

 「ところで、動かせる車かバイクは?アリーナの倉庫に行く、モノリスの回収も必要だ。」
 「何が役に立つか解らない以上、使えそうな物は手元に置かなきゃならない、番号も後は手当たり次第で当てられるくらいには解ったからな」
 「それと、一番近い飛行場を教えてくれ スマホ壊れたんで調べたくても無理だ。」

6M分のスタンドの鉄球を2つ生成し、ホルスターに込めるように腰に結合する
次の手を考えろ翔、何をすべきだ?

 「成田、ソイルの『矢』を貸してくれ、場合によっては使う 連中がどうやって知ったか解らないが、『矢』を求めているなら早晩ここに来かねない」
 「籠城に意味があるとも思えん、連中は重火器を持ち出しているからな。」
 「後は……待て、芦田とか言ったなお前、『笑い声』がしたのか?さっき?」

 「聞き間違いじゃないんだな?」

 (思えば、笑い声一辺倒だった奴が、急に話し始めたのがおかしかったんだ)
 (連中にとっては意思の疎通手段、俺達にとっては笑い声)
 (『アレ』は笑い声が会話に聞こえてたんじゃないのか?それを聞いてヤツは『感染が進行している』と判断したのか?)

一応筋は通る…か、アレは足止めと『確認』だったのか
だがその場合、あの感染しかけの男、隠したか俺に話して無いと言う事か……面倒な

 「――時間は無いな、傭兵は門前だな?話してくる。」
 「暇なら『絵』の確認をしておけ、まだヒントがあるかもしれん。」

 「……先に服の代えだな、俺の部屋に寄るか。」

717黒羽 灯世『インク』:2020/03/13(金) 09:12:52
>>714

「笑い声……それは、良くないわね」

(私達には『聞こえなかった』……『進行度合い』のせい?
 ……小林さんにも『聞こえなかった』としたら、多分そうなる)

(それとも単純に、扉を使った私達には聞こえないタイミングだっただけ?)

最も進行しているであろう人間は、彼だ。
小林は一度は『なりかけ』まで行っている。
あそこまで症状が見えた人間は自分達の中で彼だけだ。
彼の安否は気になるが、話を聞く限り今は無事なら良い。

「…………」

「ベリルさんは戦って死んだわ。それは『記者』の私が目にした『事実』」

「この戦いを終わらせるために、敵を足止めするために、戦って死んだ……」

多くを語る必要は、感じない。
彼女がいなければ自分はほぼ間違いなく死んでいたし、
最悪の場合、『ケープ』の侵攻を止められず全滅していた。

感傷に浸る時間はない……伝えるのは事実だけ。

「…………………………成田君、絵を見せてもらってもいいかしら?」

自分は負傷やダメージも、他二人ほどは負っていない。
が、それは独断専行ができるという意味ではない。

斑鳩の言う通り絵の確認は必要事項だろう。彼の動いている間に見ておく。
その上で時間が余るなら、庭にいるという二人の様子も確認しておきたい。

718『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/13(金) 23:14:19
>>715-717(ALL)

貴方(成田)が体験した出来事を、かいつまんで話すと。芦田は
ふぅーん? と真面目に受け取ってるか判断つかない表情で、一先ず納得した様子で頷く。

芦田「そりゃ、マジならウィゴーちゃんのスライム化なんて洒落にもならないが。
……率直な疑問言っていいか?
 笑うなって言われてるけどよ、その笑いってどこまでアウトでどんだけセーフなんだ?
笑顔を作るか、口の弧を上げる程度の微笑でも駄目なのか……そう言うとこ
はっきりと俺に納得させる解答出してくれや」

消化不良だとイライラすんだよ、と芦田は頭を軽く掻きつつ成田に告げる。
確かに、どこまでが奴等の能力のトリガーになるのか……それが把握出来ないと
この先でも思わぬ所で泥沼に嵌ってしまう危険がある。

斑鳩には、こう半目で返した。
芦田「おぅ アハハって言う、今まで俺の人生の中では全く聞き覚えはねぇけど
恐らく笑い声としか表現出来ないもんがな」

『私も、同じくこのイカレ本体と一緒でしたので間違いないですよ。
……良ければ、私がスマホや服を直しますよ? 代わりといってはなんですけど
出来れば私は弱い身なので、一緒の時は出来る限り守って頂きたいという本音もありますが』

芦田「ウィゴーちゃん……フッ 心配すんな。俺が君の事をちゃんと……」

『いまそう言うの別にいらないです。キモい それと何度でも繰り返すけど
ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトです。ちゃんと正式名称告げてる
こっちの方の爪の垢でも煎じて飲んでくれませんかね!』

どうやら芦田のスタンドは、親切でボロボロの君達の服やスマホなどを直そうと
提案をしてくれる。そう言う利便性のある力の持ち主のようだ……。それと共に
確かに笑い声が聞こえたようだ。……つまり『君達には笑い声が認識出来てない』と言う
可能性が至極高まっている。奴等の見えない毒を、完全に認める事が不可能になっている危機が。

>…ベリルさんは、亡くなりました。
>ベリルさんは戦って死んだわ この戦いを終わらせるために、敵を足止めするために、戦って死んだ……

アリゼ「……あいつが?
………………そう、か。ハッ……何時も鼻もちならねぇで、どんな逆境でもしぶとく生き延びるような
奴だってぇのに、ザマァないよな…………そうか。あいつ、死んだのか……」

黒羽と成田の言葉に、沈痛な面持ちが垣間見え。
鼻で笑い飛ばそうとも試みたようだが、すぐにその勝気な表情を浮かべるのも失敗して項垂れた。

アリゼ「悪いね、教えてくれて。……うん、車とか移動手段はそっちの奴(芦田)の車があるし
ハガネと私の乗り物もあるし、学生寮住まいの二人(小林・ヤジ)もバイクとか持ってたと思うけど。
………御免、ちょっとだけ一人にさせて」

彼女は少し黄昏たいようで、場を離れようと廊下のほうへ背を向けて歩き出した。

黒羽が、絵を鑑賞した結果だが。その探知者が描いたものは、木炭なりで描かれた
奴等の笑顔だ。見るだけで不愉快な気持ちが胸の奥から溢れ出る現実感が存在しており
長く見続けるのは良くないだろうと自然と感じる事が出来た。
 その笑顔以外は特に何か風景が描かれてたりなどはしない。ただ、笑顔のみが映し出されてる。

719斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/14(土) 01:17:31
>>718

 「――――…………。」

 「では、頼む この『スカーフ』と『腕時計』も戻せるか? ……スカーフの方は元はマフラーだったが。」

 「それと、俺の爪の垢はやめとけ、窒息するのが関の山だ。」

 (……さて。)

直るのを待つ間に思索にふける。

恐らく自分は隔絶している。

力に置いて、自分の右に出る者はおらず、それをもってしてもこの状況は変え難い。

ここに来るまで人間性をすり減らすのも、正しい形とは到底言えまい
現に成田と黒羽……あの2人はここまでに何をしてきた?
『自分の手でしたくもない殺人を犯し』『目の前で自身を守ってくれた人が死にゆく様を見た』
もはや限界なのではないか、ここが潮時なのではないか……彼らをせめてこの道の終わりにまでは運びたい、しかし、既にこの身もすり減っている。

ソイルのあの状況は、自身の魂が溶かされたことによる弊害であると言う
であるならば、今の自分がこの『矢』を使用する事は……恐らく、自殺と同義になるだろう。

その時に抱いた『意思』を、魂を燃やして実現する……それでもなお、この洪水が止まる事は無い
解決策も何一つ見つかってはいない、解ったのは『治療は不可能』『笑いと声を食器として魂を食らう』『最初の本体の居場所』のみ。

(これでは早晩全滅する、断頭台への行進の如く。)

生者が死者を羨む事にすらなりかねない、突破口すら見当たらない
――故に、前進し続ける他は無い、他に道がないのだから。

(……これがコミックやアニメの主人公なら、『気合』と『根性』とやらで覚醒して見せる場面なのだろう。)

残念ながら、自身はそうではない
運命がどうあろうと、自身の道を選択できる『黄金のような精神』を持たず、他者、そしてなにより自身を犠牲にしてでも目的を達成する『漆黒の意思』すら怪しい物だ。

(この道行きには『泥』しか見えん、どうすればいい?)

―――― 解らず。

(……倉庫への道は死にに行くような物だとドクターは言っていた、恐らく俺も、自分を守るので精一杯、成田と黒羽を守りながら行くのも考慮し難い)
(傭兵には飛行機の操縦ができるだろうか?重火器相手に対抗できるか?その辺りも含めて聞かねばならない、時間が欲しい……。)

(力だけがこの事態を解決するなら、元より自分一人で良い話、あの2人こそがこの事態を解決に導く鍵になるだろう)
(なら、最初にすり減るのは自分であるべきだ、自己犠牲などでは無く、僕の両親の為に、もう一度だけでいいから、あの人たちの心からの笑顔が見たい。)

 (……できるか?翔 やらなくてはならない、だが)

前進するのは前提条件、勝利するのは強者の義務、死は恐ろしい、だがそれ以上に、二度と両親に会えない事が恐ろしい
けれども自分は力不足で、挙句の果てには道具に頼らざるを得ない、こんな事では引き分けにすら持ち込めない。

 (今この瞬間にも、俺よりも非力な者達が、俺以上に無力感に苛まれているのならば……)

勝利を、より圧倒的な勝利を。
治った道具が戻ってきたことに、感謝を述べながら頭を下げ
門前まで移動しようとする、道中スマホで一番近い飛行場を確認する ――アハガル山地
アルジェリア南部、サハラ砂漠にある山地。玄武岩質の火山性の台地で、乾燥と浸食による奇岩の風景が広がる場所。

(その前にエクリプス……あの女とまた会う羽目になるとは、そもそもあの場所にいるかどうか、その前にも回収が先になるか。)

720成田 静也『モノディ』:2020/03/14(土) 15:35:31
>>718

「どうぞ、黒羽さん。」

あのときとっさに掴んだ『絵画』を黒羽さんに渡す。その際に成田も軽く『絵画』を見ておく。

さっきまで完全に気が緩んでいた。気を引き締めねば。

決着をつけるまで休むことはできない。

「ハッキリ言って『笑う』だけでどれほど影響が出るかはわかりませんが、悪影響があるのは確かでしょうね。」

「『スマイリー・スマイル』の本質の一部を知った人曰く、『カタツムリを喰うマイマイカブリ』だそうですから。」

「オレたち全員があの笑い声を聞いた以上、多少なりと影響を受けて『少しずつ溶かされてる』と見るのが妥当かと。」

「『笑う』ことが『感染者』の連絡手段で、奴らを呼ぶことになっているのかもしれませんね。」

芦田さんに憶測も入っているが所感を説明する。

「さて…やることはまだ沢山だ。小林さんとヤジさんの正気を確認して、『奴ら』になっているならば始末しなければいけませんし。」

言葉にすることで最後まで付き合う覚悟を示す。

先程、こちらに目配せした斑鳩さんの目はこちらを『労わる目』だった。また一人で抱え込むつもりのような『目』だった。

一人じゃ『スマイリー・スマイル』には勝てない。それは『アリーナ』で抗っていた人たちから確かなことだ。

彼を一人にしてはいけない。

「それに彼(?)の言葉、アハガル山地…アフリカにある山だったかな?その意味を知る人物に会わなければ。」

思い当たる人物はあの酒場であった『エクリプスのオペラ』…だったか?

彼女やその仲間ならその言葉の意味を知っているかもしれない…またギャンブルを仕掛けられるか、

もう『奴ら』に取り入れているかもしれないが。

721黒羽 灯世『インク』:2020/03/14(土) 22:41:13
>>718

「何処からアウトなのか実験するわけにもいかないし、
 致死毒を『少しなら飲んで良い』なんて事はないでしょ?
 『スマイリー・スマイル』の場合、飲まれるのはこっちだけど」

芦田には見解を示す。

「とはいえ……口角まではどうかしらね。
 『笑い声』を聴かせる事が、どうもトリガーみたいだし。
 そこまでは無意識でも制御するのは難しいでしょうし。
 私だって今、自分がどういう表情かなんてあんまり意識してない」

「とにかく、『声を出して笑うのは禁忌』……これは自分で制御も出来る。
 で、なるべく『笑い』を作るのも……意識できる範囲では止めるべきだわ。
 100%の回答は誰も出来ないでしょう、なら最大限気を付けるしかない」

そして、『絵』に関しては受け取って成田に礼を返し、
一瞥した上で……これは不味いと判断して、裏返す。
意味を解釈することも、現時点では困難だろう。あるいは意味はそのままか。

一応、裏面や、あるいは二重になっているなどの要因で、
見えている表以外に何かが描かれていないかは見ておく。

「私は庭に行く。途中までは一緒に行くのだわ、悪いけれど…………」

そして、今は時間も余るだろう。
アリゼとほぼ同時に部屋を出る事になるのはやや気まずいが、中庭の小林らを見に行く。

場合によっては、今の内に何らかの対処をしなければならない……可能性はゼロではない。

722『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/15(日) 23:41:17
>>719-721(ALL)

芦田「魂の捕食者・・・ねぇ。成田坊主、俺 お前さんと最初に出会った頃合いで
何の気なしに言ったじゃん? その話が本当なら世界の終わりも近いんだろうなぁーってよ。
あん時は冗談交じりだったが……こりゃ普段はマジな話しないが、嘘から出た真って奴に
なっちまいそうだよなぁ。正体不明のマイマイカブリモンスターに人類って言うカタツムリの
群れが成す術なく捕食されるっつう面白くもなんともねぇ結末によー。
 ……カタツムリにも、カタツムリなりの意地と生きる術ってもんが普通あるもんだぜ。
アリーナの医者って奴も言ってたんだろ。手遅れな奴は介錯してやるしかねぇど
俺やお前さん方見たいな状態なら、まだ何とかまともな状態に出来る方法があるかもってよぉ」
なら、頑張ってみようぜ。と芦田は芦田なりのエールを成田を中心に三人に向けて送る。
 それと、小林とヤジは別行動とってるものの。この学生寮に半ば強引に外は危険だから
宿泊しておけと留まってた故に、あの二人が特に異常になってる様子は今のところ無いと言うのが
芦田の見解だった。そして、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは能力を発動する。

 キランッ……シュンッ ――ズギュンッ!   ブゥ゛ ウゥ―ン゛

スタンドがモノクルレンズを片方の手で回しつつ残る翳した手が当てられた
斑鳩の形見のスカーフ、続けて成田含めた衣類をスタンドで形成された
フィルムが抜き出され、軽い唸りの音と共に見分した後にスタンドがフィルムの中に
小さく映る爆発シーンへ指で滑らすように撫でると、その部分から切り取られ……そして
一瞬後には、斑鳩の着ていた衣服、携行品のスマホ二つや腕時計に財布など病院で
覚醒した頃と同様の元の状態に戻っていた。そして、同じ所作を成田にも行い
焼け焦げてた学ランや眼鏡、スマホや小物は修復された。
(※アリーナで短期間で手に入れてたサソリ等は含まれず。リトル太陽に被爆した際に
無事だったオペラから貰った錠剤はポケットに問題なく入ってる)
『はい、終わりましたよ。能力の使用上、どう言う事があったか軽く知りましたが……
一先ず、これ以上直す前の服になる程の無茶は控えてくださいよ? 非常事態としてもです!
私の能力では、そう何度も何度も直せはしませんし生物は以ての外なんですからね』

……このスタンドの性分なのか、服がボロボロになる程に命を張った行動に対して
もっと命を大事にしろ、と言う本体の性格や思考と当て嵌まらない酷く良識的な説教が開始される。
尚、成田の呟いた地名に関して。当たり前かも知れないが芦田もスタンドも無反応だった。

黒羽は、気落ちしているのが良くわかるアリゼと無言で通路を歩き斑鳩と成田から一旦離れる。
とは言え、此処はセーフティハウス。今は何者かが危害を及ぼす心配はしなくても大丈夫だろう。
 少々気まずい、アリゼとの同行も直ぐ終わった。彼女が女子寮の一室へと歩みの向きを変えたからだ。

アリゼ「……あぁ、あの二人のヤジって奴から。適当に、女子寮の空き室は使って良いって許可は
貰ってるよ。こっちも別に今は空き巣稼業なんてしてないからさ」

軽く弁解の旨を告げて扉を閉めて彼女が部屋の中に入るのをが黒羽は見届けた。暫くは一人になって
気持ちを落ち着かせたいのだろう。世界が終わるかの瀬戸際でもあるのが、それも大事な事だ。

庭のほうに直ぐ出れる透明な大閉口の窓がある場所へ辿り着く、そこから簡単なテントらしきものが
張られており、窓を開くと鼻を突くような裏通りへ赴いた時にも小林が放ったガソリンと同じ匂いが
鼻孔を襲った。開閉音にパッと人影二人の内の一人が振り向いた。

小林「あぁ、黒羽さんですか。もう真夜中の1時に差し掛かると言ったところです。お元気な姿を
見られて安心です。あとの二人の姿は見えませんが……今こちらに?
……確か大食堂のほうへ向かったんですよね。収穫はどうでした?」

小林青年の顔が見えた。学校で見かけた通りの丁重な口調と、外の闇夜で少々分かり辛いものの
部屋の明かりも相まって表情や顔色にも特段問題は無いと貴方には思えた。
 ヤジは、屈みこみ何かを混ぜ合わせたりと忙しそうな後ろ姿が小林の奥から認識出来る……。

723斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/16(月) 01:03:06
>>722

 「ウンウン(自分の中で無茶の定義に該当する事は)モウシナイヨー。」

説教を聞き流しながら耳をほじる、なんであの本体からこんな天使みたいなスタンドが生まれてるかはついぞ解らないが
事実と正論なので反論できず、それ故に脳内で愚痴るだけだ。

 (せやかて工藤、無理して勝てる根拠も無いし、無理しなくて勝てるなら俺もそうするんだけどさ、その爆発大体俺のせいだし成田に落ち度ほぼねぇんだけど。)
 (むしろついてくると成田危機一髪の確率が上がるんだけど……アレ、ほぼ成田のダメージ俺のせいでは?)

他はケープに突撃してピンボールみたいに弾かれて骨折くらいだし……そもそも俺は火傷以外は無傷だし、同行した方が危険なんじゃねぇかなぁ等と思わずにいられない俺であった。
むしろ火傷の方が重傷まである 利用するだけしておいて気分を悪くする罪悪感が俺にもまだあった ごめんなさいねホント。

 「はぁ〜〜〜〜耳が中耳炎よかいてぇわ ――さて、目的と優先順位をきめとくか」

 「1.『モノリスの確保とその情報源との接触』何処まで意味があるかは知らねえが。」
 「2.『倉庫内の確認』これが一番優先度は低いな、そこに解決方法があるなら、とっくの昔に持ち出してるだろうしな。」
 「3.『目的地への移動手段の確保』……これが最優先かねぇ つっても解決法が解ってねえ以上片手落ちだけど。」

 「……どれも時間かかりそうだよな畜生、誰か代わりにやってくんねえかなぁ。」

スタンド使いの能力はある程度の差が有れど、基本は『戦闘』が主眼でしかない
RPゲームで言う所のファイターやメイジであって、スカウトではない 少なくともこの俺はそうだ。

 (俺が3人くらい……いやまあいるんだけれども、動かせる身体は一つだから意味ねぇし。)

1に何処まで価値があるかは解らない
2はそもそも死にに行くような物だという扱いで
3を考えなしに実行しても、じゃあそこからどうするの?という羽目になる。

 「……うわぁ、微妙な選択肢しかねえ しかも手が足りねぇから他に任せられねぇのが更に困る。」

(そもそも本体が無限増殖ってなんだよ……プラナリアかよ戦う相手としても夢も浪漫もありゃしねぇ)
(呂畑の石ころが『自分は生命である』と勘違いした定義して、無節操に奪う事だけを実行し続けているようなこのガッカリトンチキ感)
(信念もなにもあったものじゃない、単なる人類の『危機』ではあったとしても人類の『敵』にはなりえない。)

 「罪悪感がねえのが一番の…いや、別に石ころ蹴り飛ばして罪悪感も何もあったもんじゃねぇわ、ホント塵だな。」

(どうすっかな……黒羽は別行動中だし、いても荒事には……ちょっと ねぇ?1・2番チョイスするのは要はアリーナに向かうって事で、イコール敵の最中に突撃するようなもんだし。)
(かといって俺以上の戦力は傭兵以外思いつかねえし、ここの防御は必要だし、黒羽がいない間にモノリスだけでも回収してあの女に話を聞くか?)
(PBWのクソ設定キャラの如くに行殺される可能性はある、あるが……まあ既に追い詰められてるんだからあんま変わんねえな、後か先かの違いだわ。)
(そもそもあの女に話を聞こうとしてもう一度『ゲームをしましょう♪』とか言われたらキレるぞ俺ァ そんな時間ねえのに。)

 (なんだ、ほぼ『死ににいく』以外のチョイスねぇじゃん)

――そもそも感染を確認したら自殺するつもりでいたのだから、死んだところで一石二鳥という物だろう
命を『使い捨てる』つもりなど毛頭ない、元より効率的に『使い潰す』つもりなのだから。

 「っし、行くかァアリーナ!まあ無理だったら俺の代わりは傭兵が何とかするだろうメイビー 車借りるぜ 誰のか知らねえが 燃料入ってるんだよな?」

その命が他人のであれ、自分のであれ。

 「――修理ありがとうね!」

踵を返して駐車場まで移動する、目的地はアリーナだ。

724黒羽 灯世『インク』:2020/03/16(月) 05:40:38
>>722

「ええ、私も許可するのだわ。ここの住人として……解決するまでは好きに使って」

アリゼにはそれ以上何も言わない。
自分にとってのベリルは多分に『打算』の付き合いだった。
それも、一日にも満たない付き合い……アリゼの心中は察するに余りある。
立ち止まれない状況は続くが、足を休めるのは必要な事だ。

(……『親しい人』がいなくなる、その悲しさは私にも分かるけど)

黒羽灯世の記憶には消えない名前があった。
記憶が一冊のノートだとして、自分の名前以外に、唯一表紙に書かれた名前。

今は思い出さないように努めた。意味がないから。

「……」 (ガソリン……)

小林とヤジの無事には安堵する。主義ゆえに一度道を違えたが、『目的地』は同じだ。

「ええ、私よ。貴方たちも無事だったみたいで、よかったのだわ。
 ……収穫はゼロではなかったけど、『解決』はまだ見えないわね」

           「『糸口』は、見えたかもしれないんだけど。
            ……『手段』と、『手がかり』は手に入ったから」

極めて重大なアイテム、『矢』の入手。
或いは成田が口にした地名――――『アハガル山地』。
動かなければ手に入らなかった、『解決の糸口』は確かにある。

「成田君と……斑鳩さんも、無事ではないけど生きているわ。ここにも来てる」

「……今は『武器』を作っているところ、かしら? この臭いは『ガソリン』よね?」

一応、『味方』が何をするつもりなのかは知っておく必要がある。『ただのガソリンだけ』ではないだろう。

725成田 静也『モノディ』:2020/03/16(月) 17:46:15
>>722

これで身なりもばっちりだ。

「芦田さん、『ウィゴー』さん、ありがとうございます。」

「奴らに『非捕食者(カタツムリ)』も牙や爪を持っていることを教えてやりましょう。」

>>723

「アリーナに戻るのは賛成ですね。『目的の物』の事をまだ奴らに気づかれていないかもしれませんし。」

「ですがその前に小林さんとヤジさんの様子も見ておきましょう。」

「もしも『奴ら』になっていたらここが安全では無くなってしまうのはマズいですからね。」

もしそうなったらここに逃げ込んでいる『一般人』の生徒を元に『スマイリー・スマイル』の兵隊を作られ、

物量を元にここを守るスタンド使い達をすりつぶしていくのは目に見えている。

「とりあえず、確認だけすましてからにしておきませんか?」

モノディを出し、忍び寄る足音などや『笑い声』などが無いかをまず確認させる。

726『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/17(火) 00:08:57
>>724(黒羽PC)

ヤジ「――イッ キシッッ! ジョー、さぼってねぇで空き瓶とってくれ……っと
おー黒羽ちゃん、元気な姿が見られて嬉しいよ。
 今なにしてるって? ナパーム弾作成さ、それプラス簡易爆弾も作成中」

不良青年の片割れである彼は、見た所砕いた発泡スチロールとガソリンを混ぜたり。
未使用の花火の火薬や鉄くずを工作した空き缶に詰めたりなど。日常で見れば
警察案件な武器を作ってるのが良くわかる。

ヤジ「アリーナに乗り込むとして、どんだけ化け物化してる奴等が居るか不明だからさ。
出来うる限り用意は越した事がないさ。他にも一応、クロスボウなり出来うる限り
役に立てそうなもんは幾らか出来てるから、欲しかったら遠慮なく言ってくれ」

鼻水を啜り、涙を流しつつ作業を続けるヤジも最初に会った頃と同等。花粉症染みた涙鼻水を
除いては特に異常な点は見受けられない。
 そして、彼等には知る由もないから仕方がないが。既にアリーナが壊滅してる事は知らず
朝になったら、解散前に宣言した通り地下のあそこへ乗り込もうとしているようだ。

>>723(斑鳩PC)
>>725(成田PC)

成田と斑鳩は礼をウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトに告げ場を去る。
まだ説教途中のスタンドは言い足りなさそうな表情を浮かべてたが、気を利かすように
茶々を本体が入れたお蔭で、ヘイトが逸れて貴方たち二人が呼び止められる心配は無い。

外に通ずる通路の正門部分に、ハガネことアイアン・セイヴィアーであろう人影が
腕を組んで佇んでいるのが見える。学生寮の車が停まる場所まで行くなら彼の前を
通過する事になる。もっとも、芦田達が問題ないのだから彼が奴等になってるリスクは低い。
 正門を開くと、音に気付いた彼は能面のような仏頂面を貴方達二人へ向ける。

ハガネ「……転移系の能力か。お前達二人では無いな
となれば、虎穴に入り込んだか」

歴戦の戦士であろう彼は、貴方達が突如自分が守ってた屋内から出現した事に動じず
貴方達が誰かしらの能力で、こちらまで跳んだ事を察した上で嘯く。

ハガネ「戦から直帰して、また再び赴くつもりか? そこまで急を要する目的や
理由が相応にあるのなら。俺も同行するが」

傭兵たる彼は、貴方達をあえて止めるつもりも無いようだ。だからと言って
明確に危険を冒す意義が無いと判断すれば、同行の主旨も撤回するだろう。

超聴覚を駆使すると、黒羽と小林らしき会話が庭の方面から聞こえた。危険そうでは無い。
また、周囲から大勢の足音が接近するとかの危機の兆しも捉えなかった。

727斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/17(火) 20:29:15
>>725

 「いいよ、あんな奴ら……僕から見れば自分に出来ない事を他人にやれと強要したあげく、他人の為にとか言いながら自分の都合(感情)優先させまくってる連中だぜ?」
 「死ねとまでは言わねぇが勝手にやってるだろ、たぶん 好きにしろよ、俺もそうする、した 結果また犠牲が出たのはまったく笑えねぇが。」

げんなりしつつ足を正門にむける、きっとアレは僕が神様にでも見えていたに違いない
そんなわけがあるわけないし、僕だって命は惜しいのだが。

>>726

正門でハガネの台詞を聞きながら、肩を竦める。

 「冗談だろう、ハガネ 俺でもわかっちまう理屈だぜ? あんたが居なくて誰が此処を守るんだ?」

 「そんな事より、あんたの相方が酷く落ち込んでいるのだから、電話でもメールでもいいので声の一つもかけてくださいよ」
 「……見ていられませんよ僕は、女の人のあんな強がり。」

 「まさかいい年こいた大人が、『できない』とか言いださねぇよな?」

女心がわからぬ男はしんでもよい、多分ニーチェ辺りが言ったんだろう、僕はまったく知らないが。

 「それに、大した事しに行きはしませんよ」
 「ちょっとスマイリーだかラフィングだかに占拠されたアリーナに、エクリプスの落とし物を拾いに行くだけです」

 「だいたいあんな『食いカス』ごときに、手間をかけていられるか。」
 「俺達の精神はそんなに弱い代物なのか?ちげぇだろ、重火器で武装していようが関係ねぇよ。」

 「勿論撃たれれば死ぬだろう、いくらスタンドが精神の力で、その精神を実体化できても、出力が足りなければ銃弾という物質はどうにもできないのだろう」
 「だからどうしたふざけるな、それが何の理由になる?前進すると決めたんだぞ、後は実行するだけだろうが 無理だなんだと知った事か、意思のある限り殺し続ける。」

           オレ
 「――勝つのは『私』だ。」
           ボク

 「そういうわけだからオアトヨロシクハガネさん」
 「あいつらの元本体の場所は解ったんだけど、そこからどうするかわかんなくってさー」
 「元天才にそんな頭脳労働させるなって話ですよネー。」

死にに行かないために死地に赴くとはこれ如何に
困るので今すぐスタンドが成長してもいいのよ、非常事態だからはやくしてね。

 「……にしても食いカスにした精神力でどうやってあのスタンド維持してるんだろうな?」
 「スタンドが物理法則に中指突き立てている力だからって、それにも『ルール』はあるってのに」
 「全部『ラフィング』化したら餌の供給なくなるだろ? あるいはそこに勝算があるのかもしれないが。」

全滅したら意味無いしなあと顎をさする、元に戻ったスカーフが指先に心地よい、あのスタンド…ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト…の能力は本当に有難い事だ。
感謝してもしきれない、ついでに壊れた心も巻き戻して治せたらまさしく僕の女神だったのだが ……できたら真っ先に本体を治すか。

 「あ、(車の)キーあります?あのモノリスっぽいのかさばるんですよね……だからトランクに置いてきたんだけど。」

728黒羽 灯世『インク』:2020/03/17(火) 21:18:41
>>726

「あなたこそ、元気でよかったのだわ。
 そうね、武器はいくらあっても嬉しいけど……」

剣呑かつ重要な備えだが、憂いはいくらでもある。
が、これがあれば少しは『マシ』ではあるだろう。

・・・それより。

(それはそうだわ、彼らは事の顛末を知らない。
 ……今ここに来てよかった、明日の朝になって、
 知らないうちに『何もない死地』に旅立たれる所だった!)

「あのね、あのね。重要なことを話すわ。
 ……私の知る限り、『アリーナ』は、もう壊滅した。
 今から行っても得られるものはほぼ無いと思うのだわ」

「少なくとも……主要な施設は『瓦礫の中』。
 生き残ってる箇所があれば、そこは『笑いの中』だとも思う」

顛末を伝えなければならない。
情報を共有する事には大いに意味があるだろう。
彼らは目的を一時的に失う事にはなるにせよ、
『アハガル山地』へ向かい解決を目指すとして、
それを成すまでの『防衛戦力』は、いくらあっても困らない。

「それでも行く理由があるなら別だけどね。……ちなみに『化け物』はいたのだわ」

729成田 静也『モノディ』:2020/03/17(火) 21:55:37
>>726-727

斑鳩さんを一人で行かせはしない。それは決定事項なので、モノリスの回収を優先する。

その後、校門でハガネさんが同行を申してくれるが彼がいなければここで直接戦闘できるスタンド使いがこれ以上減るのは得策ではないだろう。

「オレも同意見なので、ハガネさんはここの守りを引き続きお願いします。」

ハガネさんの申し出に断りを入れる。

>>にしても食いカスにした精神力でどうやってあのスタンド維持してるんだろうな?

「おそらくですが『ラフティング』を増やすのは副次的なもので、主目的は人類すべての魂を食い尽くして『もっとおぞましいナニカ』へと変わるのが目的な気がします。」

『アリーナ』で『金一』だったモノが言っていたこと、『もうすぐ誕生日』。これが意味するところから考察する。

『全てを食い尽くした後』に何をするかまではまるで想像もつかないが。

「とりあえず、早くアリーナに行ってブツの回収しないと奴らは『全にして個』な奴らですから待ち伏せされるかもしれませんし。」

とは言え『奴ら』も『アリーナ』進攻にかなりの数の兵隊を犠牲にしたはず。ならばしばらくは頭数をそろえるのに大人しくしているはず。

730成田 静也『モノディ』:2020/03/17(火) 21:57:41
>>729

すみません訂正します。

×「とりあえず、早くアリーナに行って」 → ○「とりあえず、早く斑鳩さんの車まで行って」

731『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/17(火) 22:52:03
>>727(斑鳩PC)
>>729(成田PC)
(※いま現在の所持品は、参加時の持ち物以外は斑鳩が『ソイル』の『矢』を携行。
オペラの贈与品である毒薬一錠のみか確認とります。出発前に屋内から持っていきたい
ものがあれば、返信で書いて頂ければ装備品に加えて出発のロールさせて頂きます)

ハガネ「わかった。……自分の力は過信し過ぎるな 気を付けて行け」

車のキーが斑鳩に投げ渡され、ハガネは正門の扉を開け始める。

寮の駐車スペースには、芦田が乗って来たキャンピングカー。
他にはヤジや誰かのらしいバイクが数台。寮で使用するらしい小型トラック
もう一台、ハガネが車名を告げたスズキ・アルトの黒色のセダンが置いていた。
彼曰く、改造して防弾製との事だ。奴等で警察の存在に遭遇しても頼りになるだろう。

>>728(黒羽PC)

ヤジ「・・・へ? 
……うっそだろ、おい。あのアリーナだぜ? カルト教団なり星見町最大規模犯罪組織
エクリプスを壊滅に追い込んだ、あのアリーナが壊滅した……?
 生存者は? 何かしらの緊急時の退避先とかは?
本当に……何も出来ずに全滅しちまったて言うのか?」

ヤジは、貴方(黒羽)の言葉を聞くと茫然自失の言葉がピッタリの表情を象る。
小林は話を聞いて、暫く黙り込んだ後に返答した。

小林「……事態は斜め下の方向へ向かって進み続けてるようですね。
因みに私達のほうは、黒羽さん達と別れてからは学生寮でずっとPCで世界中の
発信で異常が無いか調べたり、今のように武器の調達作成に勤しんでいましたよ。
 後者はともかく、前者の成果は芳しくなかったです。
オカルト程度に、最近不気味な笑い声が頻繁に何処からが聞こえると言った投稿は
あったんですが、それ等は全て核心に迫る前に途切れてるものばかりでした。
 ……アレ等は自分の正体に迫るものを先に口封じしている。
此処は未だハガネさんが目を光らせてる為、特に問題は起きてませんが。今日一夜
この穏やかさが保つかどうかも、はっきり言って断言出来ません……」

小林青年も、そう私見を述べ口を重く閉ざす。彼等の行動も、仕方が無いが貴重な
情報などは皆無に等しい。既に事は起きて手遅れに近い状態だ。
 これから一体、何を目途として解決に進むべきか……或るいは何とか逃れる為に
ノアの箱舟に乗る方法を考え付くべきか。

732斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/19(木) 01:09:42
>>731

 「過信?しますよ、しますとも。」
 「そうでなければ意味がない、僕は犠牲が必要だと考えはしますが」
 「犠牲が軽いとは一度も思いはしませんから。」

セダンのドアに手をかけて、シートに座ると肩を回す。

 (さーてと 啖呵はいくらでもキレるが、実質過剰業務の向こう側だろ今の俺)
 (手立ては兎も角、人生に労基署とかねぇのん?訴えて勝つぜ俺ぁ。)
 (大体、スタンド使えるだけのガキ3人で世界を救えるとかほざくやつは、頭の中がおがくずなのかと言われたところで仕方ねぇだろ。)

 キーを回し、ハンドルを握る 防弾ガラスか或いはフィルムか 向こう側の景色が悪夢のように歪んで見える

 「まぁ、何の意味も無く行くわけじゃない あいつらは『アリーナの襲撃時にさえ態々倉庫に手勢を割いていたんだから』。」
 「数が多いから手を分けた?結果が矢を持ち逃げされているじゃあないか、矢さえ手に入れれば勝利というなら全戦力を投入すべきだろ?」

懐を見ればナイフが1つ、スマホが2つ、使い捨てのライター3つ
後は己のスタンドとソイルの残した『矢』が1つ。

 「そうしないのは倉庫の中に、アリーナ側は把握していなくても、スマイリー側にとっては何らかの『アキレス腱』のような物が有る」
 「そう考えるのは、ぜーんぜん……おかしな事なんかじゃぁないな。」

(とはいえ、向こうの事情を知らないのだから、楽観論に変わりはないな)
(――『矢』の使用も、今じゃ事情がまったく異なる、自分が感染しているとわかれば、使って元に戻れるか?)
(とはいえ、この先まで温存しても、その時こそ戻れる確率は低くなるだろう……怖いもんだな、死ぬというのは。)

 「成田もくるというのなら、盾くらいにはなってもらうぜ」
 「銃弾は軽い、速度を持って横から叩き逸らせば『止める』事は出来なくとも『弾く』事なら充分可能性はある。」
 「とはいえ笑い声はもう探知できない、呼吸音、足音、そういうので見分けるしかないな。」

……さて、アリーナに向かう時か?

733成田 静也『モノディ』:2020/03/19(木) 13:14:11
>>731-732

「という事でハガネさん、学生寮をお願いしますが危なくなったらみんなで逃げてください。」

「拠点も大事ですが、『守るべき人たちが残っている』。これがオレには一番大事なんで。」

どんなに辛くてもここまでやって来れたのはこの一言で片が付くだろう。

親、知り合い、友人、そしてこの町、それを守りたいからそれを汚す『スマイリー・スマイル』が許せないのだ。

「無論オレもついていきますよ。盾でもなんでも頼って下さいよ。」

少し強がりも入っているが、斑鳩さんに応える。

アリーナでモノリスを手に入れる。それで『奴ら』に致命傷を与えてやる…!

734黒羽 灯世『インク』:2020/03/20(金) 02:03:12
>>731

「まだ見ぬ生き残りがいるとか……
 私たちが回収し損ねた何かがあるとか、
 そういう可能性はゼロではないでしょうね」

知った範囲では、残せたものはごく少ない。
アリーナに他の支部があるなどすれば、
そちらでの生き残りはいるかもしれないが、
今からそれを探すなどというのは現実味ゼロだ。

「それに、何もできなかったわけではないのだわ。
 『アハガル山地』……そこに何かがある、という情報。
 それと、敵が求めていたものを『死守』してもいた……」

二つの矢は『成田』が携行していただろうか。
今ここで見せびらかすつもりも、特には無いが。

「……成田君と斑鳩さんがどうするつもりかは知らない。
 けど、『アハガル山地』……そのヒントを無視する気は起きない」

「とはいっても、飛行機でもないと行ける場所では無いけど……」

解決の余地、目途があるかは分からない。
が、一つだけ確かな事は『アハガル山地』を無視するつもりは無い。
『そこ』に、今まで背負ってきた全てを導く必要がある。

(今生きている交通手段があるとしたら、『オペラ』……『エクリプス勢力』か)

アリーナにその余力は最早ない。民間にも無いだろう。
念のため空路を検索しておくが、あまり期待はしない。通常の飛行機は『棺桶』になりかねない。

735『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/20(金) 21:51:06
(若干巻き進行でいきます)
>>732-733(斑鳩PC・成田PC)

  ブゥ―――――ゥゥゥゥゥ゛ゥ゛

セダンの車は、街灯が照らす夜の道を駆け抜ける。
 朧月とも言えそうな淡い月光が空から見えた。走らせる車の外から
慣れ親しんだ、すれ違う車の走行音や風などの環境音が聞こえてくる。

特に何事もないままに貴方達が運転する車は既に崩壊している地下アリーナが
存在する総合グラウンド体育館のある場所まで辿り着いた。
 ここまで来ると、立地の為かちらほら見えた通行人等は無く。幾つか大型のトラックや
軽自動車が数台周囲に駐車されているだけだ。確かベリルと同行していた時、これ等の
車両は無かったと思うが、別に気にする程のものでもない光景でもある。
 
 ……ブゥゥ――――ウゥゥ゛     キュ キュキュッッキュッッ゙……

総合体育館入り口に進む為にカーブする為に減速する際に、貴方達の後方から
エンジンを起動したのであろう音が成田の超聴覚では捉えられた。
 運転手である斑鳩の視点で、総合グラウンドの駐車スペースを伺ったところ
貴方達が乗り込んだ時と同様に、駐車場は至って変わらず乗って来たモノリスが
入っていた派手なスポーツカーが置かれてるのが良く見えた。
 とは、言っても。総合体育館周辺は植林や遮蔽物も多い……貴方達のいる方から
誰かが潜伏しているかどうかを詳細に知る事は難しいであろう。

>>734(黒羽PC)

貴方は『グレイシャー』の『矢』を持っている。
今は使い時では無いだろうが、いずれソレは何かしらの役割を必ず背負う気はする。

>『アハガル山地』……そこに何かがある

ヤジ「……アハガル山地? …………なんか、聞いた地名だな。
………………何処で聞いたっけ」

小林「学校での地理の授業とかでは? 
アルジェリアの砂漠地帯、ですか。流石にそこまでは飛行機を使わないと無理ですよね
……ただ、そこまで向かう絶対の理由が話を聞いた限りでは保証は少ないと言うのが
私からの考えです。あくまでも私見の意見ですのでご容赦願いますが
世界規模で奴等が潜伏しつつ増殖しているのを考えれば。そこまで向かう道中に
どこまで危険が降りかかるのが予測不可能です」

ヤジは、貴方の言葉に首を傾げ。小林はスマホで検索をしつつ彼に回答しつつ
黒羽に其の述べた地点に向かうのは無謀なのでは? と意見する。
 スマイリー・スマイルの現段階で把握出来る不可避な絶対感染と言える同化増殖。
世界中の半数、それ以上の数が今も動いていて。通常の渡航手段を使用するのは
不可能と思える状況で、わざわざ其処まで向かいこの盤面を引っ繰り返す奇跡的な
手段を見つけられるとは到底思えないというのが彼の理論だった。

二人は各自反応を終えると、作業を一休みして一旦休憩を挟む事を提示した。
貴方はコーラの影響もあり、肉体的な疲弊は少ないものの衣類には汚れもあるし
ベリルの死を間近で見たりなど、落ち着けば衝撃的な体験に精神的な疲れも降りかかる。
屋内に戻ると、戻ってきましたかとウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトが湯気の立つ
紅茶の良い香りのするポットと、茶器を今いる人数分用意してテーブルに置くところだった。

『皆さん、お疲れでしょう。私は非力ですので、こんな事でしかサポート出来ませんが』

芦田「ウィゴーちゃん……口移しを俺は望むが」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトだっつーの。おらっ いの一番に紅茶並々注いで
やるから黙って飲んでろ。暫く喋んなよ! いいかっ、振りとかじゃねぇんだからな!!』

一人と一体の漫才? を見つつヤジが一人でおっさんが奇行してるようにしか俺には見えないが
多分見えてもやばいってのはわかる。と呟くのを皮切りに紅茶に各々が口付け始めた。
その時、そんな彼が間を悪く くしゃみで鼻水は辛うじて入ってないだろうが涙交じりの
紅茶を他の面子のカップに飛ばしたのはご愛敬だ。芦田はきたねーなと軽く怒鳴り
小林は苦笑を模った表情でカップを取り換える事なく飲み進める。今は外が異常である事を
忘れる事が出来れば、スタンド使い同士の少し騒がしい交流といった穏やかな光景にも思える所。
(※別にPCは飲まなくても良い)

 コツ コツ……。

そんな折に、アリゼが溜息をつきつつ貴方たちのいる場所まで歩いてきた。女子寮の部屋から
気持ちを落ち着かせたのか出てきたようだ。

芦田「んだ、あんた。もう引き籠るのは卒業かい?」

アリゼ「だーれが引き籠りだ狂人。……いや、これ言っちゃあ悪いかも知れないけど
隣が汚部屋なのか何なのか知らないけど異臭がすんだよ」

だから出てきたと、アリゼは告げた。
 黒羽は、此処の住人であるならばわかる。確かアリゼが引き籠る部屋の両隣は
一つは空室。もう一つは『遊部』と言う人物がいた筈だったが……。

736斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/20(金) 23:44:19
>>735

 「……うむ、妨害無し 問題なく到着したな」

少し拍子抜けではあったが、むしろ妨害が有ればこちらの拠点がバレているような物だ
むしろあったら困るという物。

 「来るまでに見えたのは大型車両、軽自動車……駐車場周辺はどうも遮蔽が多いな」
 「銃弾の数発なら俺も防ぐ手段はある、が、それは敵が見えている前提だ。」

目標は既に見えている、しかし このまま突っ込むのは得策とは言えない
顎を開いた虎口に飛び込むような物か?向こうが重火器拾って数を頼みに攻めている以上、下手をすれば穴開きチーズだ。

 「……さっき見た車両を借りてくるか」                                   アッシュローズ
 「鍵をぶち壊してエンジン直結、俺のスタンドでハンドルとアクセル固定して、ガソリンタンク内に『灰ノ薔薇』放り込んで直進させよう」
 「名付けて『半径20mトラックミサイル』、向こうが理不尽で挑んできているのだから、こっちも相応の手を取ろうという物だ、遮蔽もろとも爆散させてやろう。」
 「――どうせもう『人間』はいない。」

まあ、乱暴な手であるのは確かだが
残っているのは食いカスだけだ、たとえそれがどんな形をしていようとも。

 「……或いは、様子見として『一度この駐車場を回ってみる』かだな」
 「このバン、銃撃くらいなら耐えるだろう タイヤの方はどうか知らんが……そこからは成田の索敵任せだな」
 「なにもなければそれで良し、耳で探知できなければ…まあ運が無かったのだろう。」

とはいえ、此方も穏当な手だがリスクが無いわけでは無い
ようはこの提案は、成田の精神を酷使すると言う事と同じだ、既に感染しているにしても
その聴覚で『笑い声』を拾うと言う事は、耳元で囁かれるのと同義、あの怪物に自ら食われに行くような物だ。

出来るなら前者を選びたい物だ、警察がショットガン持ってこようが、取れる手が減る事の方が痛い、と 理屈の上では言える。
感情の面では? 知らん、俺は怒るだけだ。

 「俺から提示できる手はこの2つくらいか、何もせず帰るというのは有り得ん手だ」
 「……いや、もう1つあったか。」

懐からハンカチで包まれた『それ』を取り出す
時代錯誤のそれは、この手中にあってなお、何処か現実味の無い異質な輝きを放っているように見えた。
――『矢』 あの2人が使った、非日常の象徴のような物体。

 「――最初から『コレ』を使う、ソイルの顕現させたあの規模を鑑みれば、まず敗北は無い、無いが」
 「盛大な博打だな、何方が使ってもなにが起こるか解らん。」

だが、戦うために使うならこのタイミング以外思いつかない
連中がスタンドを使えない事、感染した自らの限界、双方から考えても十全に使えるタイミングとしては他にないだろう
何より……向こうは数回使えても、こっちは使い捨てだ。

 「で、どうする? 選択肢に成田の協力がいる選択肢がある以上、決めるのは成田だ。」
 「敵がいた場合、何方にしろ俺が戦うのは確定なのだからな。」

(――或いは、このバンを鎖で動かして囮にする手も有るが)
(ここまで接近した以上はあまり意味がないな、このチョイスは無しだ。)

737成田 静也『モノディ』:2020/03/21(土) 22:49:53
>>736

さすがの奴らも自分の端末と化した人間に情報が入らなければ情報は共有されないらしい。

おかげで無事に目的地まで着いた。

「『矢』を使う気ですか?しかし、それが『残り1回』しか使えないことは斑鳩さんも承知の上ですよね?」

ソイルは託してくれた時に『矢』は不完全故に2度目の仕様後に耐えられないと言っていた。

「それに所感ですみませんが、『矢』による『レクイエム』は元の能力に加えて、魂にまで影響を与えれるほどの進化をもたらすものだと思われます。」

「しかしソイルさんとグレイシャさんの変化を顧みるに『不完全』もしくは『スマイリー・スマイル』の影響を受けすぎた『スタンド使い』では

使用した時の『想い』をひたすら遂行する自動操縦のようになるのでしょう。」

「故に同じく魂に影響を与えれる『スマイリー・スマイル』にはこちらは『きちんとした目的』と、『狙うべき対象』を絞った

レクイエムを二つ用意しなければ勝てないと考えています。」

ひょっとしたら『奴』…最初の本体も何らかで『矢』を使ったか、もしくは突然変異でそうなったか知らないが『スマイリー・スマイル』は『レクイエム』、
もしくはそれに近しい領域まで到達したものだと考えられる。

「ですから『矢』を使うならば残りを持っている黒羽さんと合流してからじゃないと完全討滅は難しいかと思います。」

『レクイエム』には『レクイエム』を、それも不完全とは言えその数が多ければ多い方が勝つのが道理。

ここは斑鳩さんに使用してもらうのはまだ我慢してもらった方が無難だろう。

738黒羽 灯世『インク』:2020/03/22(日) 23:24:06
>>735

『グレイシャーの矢』・・・『今はその時ではない』のは分かる。
いつ使うべきなのかは分からないが、『今ではない』。
不思議な感覚だが、素直に飲み込める。

     「……ありがとう」

出されたコップには手を付けない。
精神を癒すために『気になるもの』に手を付けるのは逆効果だ。
『芦田のスタンド』が裏切る可能性はほぼありえないだろうし、
唾が入ったことが『スマイリー・スマイル』に関係があるとも思えないが、気分だ。
自室には未開封の飲み物もある……そこまで干渉されてるならもうお手上げだ。

「そうね、向かって『何をどうすればいい』か分からない以上、
 今の『行くべき』は『自己満足』の感情でしかない。
 ……それでも、『終着点』はそこになる可能性は高いのだわ」

「私たち3人が……その最終局面で、そこに向かえる状態かは分からない。
 貴方たちにも『知っていてほしい』。『ニュース』は、何より大きな力になるのだわ」

「……っと、『異臭』?」

(…………そこに隣り合う部屋は、確か、『遊部』?
 顔が浮かばない……『取材対象』になるような相手ではない、
 そういう印象だけど……『異臭』を放置する人種ではないはずだわ)

少なくとも、女子寮に今まで住んでいて『そういう話』に聞き覚えは無い。
『異臭』……血の匂いなど、剣呑なものなら『アリゼ』なら気付くだろう。なんだ?

「部屋に物を取りに行くついでに、その『汚部屋』を見てくるのだわ。
  ……それが解決に関係するとは思わないけど、『気になる』から。調べたいの」

739『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/23(月) 22:55:08
>>736-737(斑鳩PC・成田PC)

 ズズッ……。

オペラ「雄のほうの小鼠ちゃん、二匹分の付けてた盗聴器は壊れちゃったのよね。
残りは、もう一匹のほうだけか」

「情報の収集は引き続き行います。移動は直ぐ開始いたしますか?」

オペラ「うーん、まだいいわ。面白い事が起きるかも知れないし、そのまま期待外れで
終わっちゃうかも知れないし……黒い雌鼠ちゃんに付けてたほうから察するに
雄の野鼠ちゃん達は、またアリーナのほうへ向かうんだっけ? 
まぁ、この町に何故か知らないけど滞在してる。最強と謳われている傭兵も一緒なら
その手も別段悪くはないのかも知れないわよね」

ビッグ・クランチ。現在エクリプスの幹部クラスと言って良い裏社会の支配層の
女性は、三人に餞別として送ったコートに密かに付けてた盗聴器で配下から情報を
入手しつつ、そう感想を述べていた。斑鳩と会話をした、自称使い捨ての人材たる
ヘルマンが酒を飲みつつ、しゃっくりと共にオペラへ告げる。

「支配人〜。仮に、傭兵も何も誰も連れずに。そのまんまほぼ無策で向かったのなら?」

オペラ「あははっ! ナイスジョークね、ヘルマンっ。でも、そこまで
頭も溶けてないでしょうに」

 ――もしも、そうなら。自分から棺桶に入りに行くようなものよ


 …………

まず『異変』を感知したのは『成田』だった。
つい先程>735聞こえた物音。
『貴方達の後方からエンジンを起動したのであろう音』の方角からカーライトもなく
エンジン音が急激に接近してくる。簡潔に告げれば大型トラックが突進してくる音を
成田は聞きつけ、少し遅れてから斑鳩にもミラー越しに闇夜の街灯が照らす輸送トラック
であろう車両が後ろから猛スピードで迫るのを聞きつけた。

次に聞きつけたのは『無数の足音』だ。これも、成田の超聴覚にしか聞こえないながらも
それがアリーナに続く総合体育館周辺の内部や遮蔽物に隠れた付近から聞こえてきた。
 小さな擦れるような足音は、100か? 200? いや、それ以上あるかも知れない。
ただ、沢山あると言う事だけは認識出来る 足音のみ。
もしかすれば、笑い声を発しているかも知れないが。今の貴方達には、それを聞き取る術は
あるかどうか不明なのだから……!
 
 貴方達が準備をして、この総合体育館に向かうまで約30分程度の時間は要したであろう。
奴等の何らかのネットワークは、わざわざ電話などを介して情報を共有するに時間をかける
必要は無いようだった。つまり、今この町で増殖しているスマイリー・スマイル達が
戻ってくるかも知れない貴方達を待ち伏せする事とて、左程 難しい事では無い……!

740『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/23(月) 23:16:38
>>738(黒羽PC)

湯気の立つ紅茶に貴方は手を付けない。だからと芦田のスタンドは
今はゆとりが無いのだろうと気遣って配慮の沈黙を貫くし。この中で
唯一、ウィゴーちゃんの注いだ茶が飲めねーのかとブー垂れそうである
スタンドの本体は茶を飲む事に集中して貴方に対し幸いにも茶を飲むのを
強制する事は無かった。

ヤジ「異臭? ゴミでも溜めこんでんのかね。
俺はこれ飲んだら、もうちょっと庭で作業するからさ。
寮のマスターキーなら、玄関口にあるぜ。今は寮母さんも他の奴等も
所用あってか、この寮にいるの俺達位だし」

小林「私も彼を手伝いますので」

不良青年達は武器の作成を続けるようだ。アリゼは気を紛らわせたいのも
あって貴方の手伝いをすると申し出て、芦田のほうは適当にテレビでも
此処で見てるから何か用あれば呼んでと告げ場を動かない。

貴方が軽く汗ばんだ衣類を私室で着替え、遊部の部屋に赴く。
(※何か用意するもの等は、目的あって外に出るか状況が急変した際に
記載して頂ければ、既に携行していると解釈するので、今は特に携行品の
詳細を記入しなくて構わない)

アリゼが、貴方が着替えた際に持ってきたのであろうキーで遊部のドアを開く。
開いて足を踏み入れた先には……。


 アリゼ「……ぅ゛ こりゃ……死体」

…………そこには既に物言わぬ躯が座っていた。
 死後一日は経過してるのか腐敗している女子生徒の遺体。
顔を伏せて表情は分からないが、口元は貴方が今まで見てきた奴等に
似た口が不愉快な笑みの形に模っているように見えた。
 胸元には、鋭い刃物が突き刺さっている。誰かが彼女に刃物を
突き立てたようだが……不思議な事に遺体には抵抗したような感じは無い。
 それと共に、備え付けられたキッチンには半分程燃え焦げている『日記』が
置いていた。読むのは、とてもじゃないが難しそうだ。

 アリゼ「たくっ、今まで色々なもん見てきたから吐きはしないが
不愉快なもん目の当たりにしちまったよ。……警察に連絡も出来ないし
どうすんだよ、これ」

ハガネを呼ぶなりして、とりあえず遺体を別室に安置させるか? と
困った様子でアリゼは室内を見渡している。

 他殺のようだが、不思議と抵抗した様子のない遊部と思われる遺体。
そして、半分程焼け焦げた日記帳。
 
 これが、この室内で見受けられる特徴的な異常だ……。

741斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/24(火) 06:51:37
>>739

ミラー越しに輸送トラックが後ろから猛スピードで迫るのを聞きつけた瞬間
俺は灰色の脳細胞に絡まってるシナプスが光る前にアクセルをべた踏みした。

空転したタイヤが甲高い叫びをあげ、猛烈なGがシートに俺の体を沈みこませる
ハンドルは真っすぐ、速度の乗ってない内に無闇に左右にハンドルを切ろうものなら車体の前と後ろがオサラバするに違いない
成田を蹴り飛ばした反動で車外に出ても良かったが、それだと手足が無くなるだろう。

 「よーし成田、今から元天才の俺が超スーパー冴えた作戦を伝えるから、耳穴かっぽじってよく聞けよ?」

とはいえ元の加速差と車体の防弾処理で速度はほぼでないだろう
数秒もすれば後ろから押されてミンチになるのは想像に難くない、つまり現時点で寿命が数秒伸びただけだ

 「今から後ろのデカブツをこの車体のケツギリギリまで引き付けてハンドルを切ってドリフトする」
 「カーブ勝負に持ち込めば重量差の遠心力でむこうはカーブが大きく膨らむだろう、後はすれ違いざまにアジトに戻る。」
 「幸いここは駐車場だ、曲がるスペースには事欠かねぇ。」

うまくいけば……勿論2台3台と突っ込んでこない限りはまあこれで逃げれるだろう
まあ、俺は逃げに来たのではないが。

 「上手く行ったら『後はオマエが運転しろ』『俺は此処でトラックと連中に勝利してからアジトに戻る』」
 「運転何度も見てんだろ?悪いが出来なくてもお前がやるんだ 俺は助けてやれねぇからな。」

成田の懐に矢を押し込んで、落とすなとばかりにはたく
使えないのなら俺が持ってても意味がない。

 「あ、反論は受け付けてねぇからドリフト時に舌噛むなよ。」

腰に付けた鉄球を(3m分)4つに分けて、両手両足に手袋とブーツのように融合させ
ハンドルとサイドブレーキに手をかける後はタイミングの問題だ。

 (ま、上手く行かなかったらそもそも此処で死ぬんだがな……いやぁ楽しいねぇ いったい何人待ち伏せてるんだ?)

笑えないのが本当に、心の底から残念だ。

742黒羽 灯世『インク』:2020/03/24(火) 12:38:16
>>740

普段着ている『振袖』仕様に改造した学生服には予備もある。
それに着替える。『正装』だ、あえて違う格好をする必要もない。

問題は――――部屋の惨状。

「うっ……――――これ、『他殺』? 待って、死体には触らない方が良い」

          「……の、だわ。何が起きるか分からない」

『死』への感覚はずいぶん麻痺してしまった。
今はそんなことを気にしている場合でもない。

「お分かりかしら? この『笑い』は……『例の敵』の影響よ。
 それなら『殺されそうになっても抵抗してない』のも分かる。
 アレはそういう『生態』……『燃やされても構わず襲ってきた』」

「でも、この日記帳は何……?
 なんでこれだけが燃えてるの?
 殺した誰かがそうした……『なぜ』?」

「ねえねえ、とても気になるわ。私の『記者の勘』が騒いでいるのだわ!」

自分で燃やした? なんのために?
あるいは『殺した誰かが燃やした』のか?
なんのために? 『何が書いてあった』?

「…………確か『芦田さんのスタンド』は『モノを復元できる』」

「今更『プライバシー』なんてどうでもいいのだわ。
 彼女の能力でこの日記帳を復元して読んでみましょう。
 ……他にも復元したいものが見つかるかもしれないし、
 こっちに来てもらった方が『話が早い』わね、きっと。
 ……私はもう少し調べておくのだわ、アリゼさんお願いできる?」

アリゼに『呼んできてもらう』ように頼む。何かあったのだから呼ぶのだ。
また言葉通り、部屋の中を回って他の何かの痕跡などが無いかは一応見ておく。無さそうだが。

743成田 静也『モノディ』:2020/03/25(水) 22:12:46
>>740

・・・ここまでの接近を許すなんて…!戻ってきてから緩みっぱなしだ…!これ以上は許されない、他でもないオレがオレを許さない!

「文句を言う資格は無いので気にせずどうぞ。」

モノディで探知しているトラックと足音以外の伏兵が無いかを探る。

「斑鳩さん『鉄球』は出せますか?出せるならば運転している斑鳩さんの代わりにオレが投げます。」

「それと場合によってはモノディの『奥の手』を使うので斑鳩さんとスタンドの声を貸してもらえませんか?」

モノディの『奥の手』…ストックできる『音核』4つを飲み込み、放つ『音響兵器』…『ハウリング・キャノン』とでも呼ぼうか?

これならば対生物相手ならば死に至らしめることができる。

ただし音量の分だけ『センサー』にダメージが行くが仕方があるまい。

「トラックは『鉄球』で、『集団』には『音響兵器』で蹴散らすんで、鼓膜を守るためになんか耳に詰めておいてくださいね」

斑鳩さんに確認をとって仕掛ける体制をとる。

もしうまくいかなければオレが運転することになるだけ…。

ここはまだ『矢』を使う時ではないはずだ。『矢』抜きで切り抜けなければ…。

744『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/26(木) 21:24:44
>>742(黒羽PC)

貴方は芦田とウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトに呼びかけつつ、室内を見渡す。
 まず目につくとしたら一つの絵画、それは死体に良くにた容姿をしてるような
涙を流して泣きじゃくる少女の絵だった。題名は『もっとも弱き原型の一つ』

他に貴方が室内を見て、推察した事は。台所の備えられた包丁の一本が無い為
それが遺体の凶器である事。付けられてる小窓などは施錠してる為に完全な密室な事。
他と言えば、日記帳は半分燃え尽きてるが。途中で何者かが覆いかぶさるか何なりで
燃やしたのを止めたように思える……と言うところか。尚、遺体の遊部の体に焦げ目や
火傷が無い事から、彼女が自分でナイフを刃物に突き立てた後に何かしら心変わりして
自分で燃やし始めた日記を消火してから力尽きて死んだ、とか言った馬鹿げた事は無い。

芦田「おいおい、SFパニックが周囲で起こり始めてるって話聞かされたら。今度は
火サスか何かかよ?」

『だまらっしゃい。……燃えたのは、フィルムの記録から察するに昨日かそう昔でもない。
うん、これでしたら復元は問題ない』

 ズギュン……。

元に戻った日記帳がスタンドの手に収まる。渡された日記帳を開くと
殴り書きに近い草書体のような文章が収められていた。
内容はこうだ。

『アリーナの指令により私はアレに遭遇した。アレはフラジールの
能力を発動すると全体が認識出来なくなることが判明したが、質量の力では
太刀打ちは困難であり、止むを得ず遁走した。
 私の中の我々となる散らばった集合体の大半は、もう既に消えた。
いや、これは啜られた 連れ去られたと表現すべきだ。私も残り数分程度で消える。
全ての中の私が消え尽きる前にフラジールへ命じ自死を試みる。
 いま、わかる事は。私達の中の多くの偽たる私達を消し去ったアレは迎合出来ないものであり
その本質は虚無であり、私に近くあるが限りなく私とかけ離れてると言う事だ。
 だが、意外な事実だが【私達の中で一番みすぼらしく、みじめな私】は十数分間にも渡り
奴等に連れ去られてないと言うのは驚異的であり不可解でもある。

恐らく、あの子が。アレを攻略する為の一つの要因に鳴り得るのだろう。だが、もう私達は
アレの声を 顔を 浴びすぎた。
 
 介錯はフラジールに任せる。ただ、口を開くと奪い去られた私達の穴を通してアレは
この記録を消せと訴えかける。だから、最後にこう遺しておこう

 舐めるなよ たかが化け物風情が』


……日記はここで終わりを迎えている。

745『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/26(木) 21:54:59
>>741(斑鳩PC)
>>743(成田PC)

背後から貴方達の車を破壊せんと大型トラックが迫る。それを認識した
斑鳩がアクセルを渾身の力で踏み抜き、急激なGを受けつつセダンの防弾車は
前にスピードを上げるが。確かに今のままでは防弾製である事を踏まえ
激突しても車が大破する危険のリスクが低いかも知れないと言う楽観を抜かしても
そのまま大型トラックの激突と言う衝撃で、今唯一の移動手段が破壊されれば
周囲から獲物の息の根を止める軍隊アリの如く闇夜に集い始める奴等によって
手も足も出ず、奈落のほうに魂が誘われるのは想像に難くない。

総合体育館の駐車場の内部へと、車はガーデニングされた植木などを突っ切り
そのまま押し進める。そして、モノリスが入ってるであろうスポーツカーが
直ぐ15m先程に駐車されてるのと……。

 ――『絶望』が、眼前に広がっているのを目視した。


      ――――ヲヲヲヲォォォ・・・

人 人 人 人
 人人人人人人人人……無数の人の群れが総合体育館の入り口
貴方達のいる東西南北のいずれにも、既に夜の3時を回る絶対に本来ならば
密集しない場所に約1000は超える人垣が姿を現していた。
 超聴覚など駆使しなくても、貴方達の車に歩みを進める音の波が耳を打つ。

一番近い人垣は貴方達から見て15m前後か? まだ遠いと思える距離とて
あと5秒足らずで人の群れは車を覆いつくさんとする。

 どう考えても、この人の群れは『奴等』だ。顔を 音を見聞きすれば
魂を融解し、最終的にはソイルが告げたように天国とも地獄にも行けぬ場所へ
引きずられていくであろう、その地獄の鎮魂歌が反響する肉塊の群れ達だ。

車のルームミラーを、ふと見ると顔が暗がりで気の所為かも知れないが
貴方達の顔色は『酷く青白い』 余りの恐怖からか手足は震えと痺れを感じ
喉が痛み始めてきている。

隣に、仲間がいると言うのに関わらず。この世界でたった独りぼっちのような
感覚を覚え始め……そして漠然と、こうも感じる。

――恐らく、このままでは『終わる』
例え、貴方達の中で最も火力のある斑鳩が切り札であるLost Identity/Prominenceや
成田が音核をクラクションなり束ねてハウリング・キャノンとやらを使用してもだ。
 この数百の魂を啜る事のみを徹底とする地獄の使途の群れには焼け石に水でしか無い。

車で突撃なりしても、構わず肉壁となる奴等が纏わりつけば。いずれ血肉が
タイヤに挟まり速度も緩まり、後方からトラックに追撃され力尽きる。

斑鳩が捨て身で車外に出て奮戦したとして、それがどれ程の時間を稼ぐだろうか?
 一分、いや十数秒保てば良いほうだろう。繰り返し述べるが、この絶望的な
状況では、例え一人が囮になったとして、もう一人が逃げ延びる事すら難しい。

生きる望みは限りなく低く、されどこのまま立ち往生すれば死よりも遥かに
過酷な結末が貴方達を待ち受ける。





……渡そうと、斑鳩が成田に伸ばした片手には『矢』が握られ
そして成田もその中央を握る形で片手は『矢』に添えられている

746斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/03/26(木) 23:46:25
>>745

『好きにしろ』
5秒――成田にスタンド会話でそう告げながら、その数にたまらず俺はドアを開けた

待ち伏せがある事を想定していたか?

その数がこうだと予想していたか?

――1000!1000!1000!!!
ああ、心が躍る、この『俺達』が『全力を出せる』!

喉に冷気がへばりつき孤独感が心を埋め尽くす事は否定しない絶望に対して恐怖もある
だがなおその下から溶岩のように湧き上がる『歓喜』『勇気』『闘志』

なんてすばらしい『俺はこの数相手なら、自分に嘘をつかずに済む』のだ
俺は必ず勝利する 求める物は勝利か より圧倒的な勝利なのだから

 「――ああ『最後の切り札』は文字通りこういう時まで隠しておくもんだよなぁ!」

4秒 成田の乗るバンを巻き込まないように背後に送る……思えばここに来るまでのは殆どが運試しと確認だった

最初の応用は公園で包囲された時だ
アレで『鎖同士を融合しておける』のを確認し、出来なければただ死ぬのみだった

次の応用は非常階段の攻防だ
アレで『分裂と空気圧縮からの解放による爆破』を確認した
疑問に思ったのは予想より威力が大きかった事だ

三つ目の応用はケープの腕を焼き溶かした時
『大気圧縮からの金属溶解』と『熱の遮断』と『補充での金属殻の維持』を確認した
本来ならありえない動作を『完了できてしまった』自分の勘違いに気がついた
……こうではない別の使い方がある、それが最後の応用だ、全てはこのためにあった。

 (千倍の『数』で圧殺して勝利できると思うなら億倍の『質』で蹂躙するのみ)
 (――お前は敵に回す存在を間違えた、これが俺の『切り札』だ)


3秒……鎖の素材である『鋼鉄』の『ユゴニオ弾性限界』は1.2㎬(ギガパスカル)であり、これを超える圧力を受けた鋼鉄は「個体の金属のまま液体のように動く」
そして液体のようになったこの鋼鉄を、『メタルジェット』と呼び、前述の圧力を持って投射されるそれは『メタルジェットを含有する衝撃波のビーム』と化し
その速度は『秒速8km』以上をマークする、時速に直されたそれは『28,800km/h』『マッハ24』を記録する
これは宇宙空間を飛ぶデブリ等の速度と同等であり、螺子一本がこの速度で直撃するだけで風穴を開ける


――今までの応用など児戯に等しい
天才の基準とは1(可能)を100(完璧)にする事に非ず0(不可能)を1(可能)にする事に有る


この地球上には今まで存在しなかったのだ
無から鎖という金属を無限に生成し、全ての金属原子に同じ位置にあるそれを同時に存在させ、あまつさえそこに存在する事実だけで
均等にムラ一つなく、数億分の1のズレの時間なく同時に、有り得ない圧縮を可能にする装置など今までの全ての結果で存在すると証明された

それが今、このスタンド使いの四肢に存在している
理不尽?非常識?不可能?戯言はよせ、今こそ『スタンド』という物理法則を超越した現実として此処に在る
『斑鳩 翔』と名付けられた『天才』がその悩みから生み出された『力』を手加減無く使いだす

ご都合主義はこの世に無く、理不尽こそが現実だと、眼前の千が謳いあげるというならば
当然その千さえもご都合主義など存在せず、物理法則をもって才能という名の一に理不尽に蹂躙される時が来た

――融合 分離 圧縮 解放 そのプロセスに1秒も必要はない、ただ一瞬だけで効果を得られるならば、金属による外殻の維持すら必要はなく鎖の補充は充分に間に合う、1秒も持たない?限りなく0に近い時間を持てばいい。
マッハ24の衝撃波を1秒未満靴底から放出し、気絶せぬようにGを抑えながら当然のように飛翔する、全身の鎖が融合し、甲冑のような外骨格を形成、身体を制御し(精密B)千の上空からその掌底を向ける、死の奔流を放つ銃口と不可視の拳を。
僅か数gのメタルジェット自体はスタンドの産物、20mの射程限界が当然存在し、飛散すれば威力は大きく減退し、のこのこと追いかけているトラック相手なら兎も角、現行戦車の装甲を貫通しない
だが効果が無いのはあくまで戦車に対してである、人体に掠れば文字通りに四散し、あまつさえ薙ぎ払えば本来なら飛散するそれを『融合し、鋼の刃とする』事など容易い事、失われる筈の火力は意思により現実を無視する
その攻撃に伴う『マッハ24の衝撃波』は射程限界の無い『物理現象』である、回避、防御、出来る物ならするがいい、飛来する銃弾がこの衝撃波を抜けて斑鳩に到達するなどあり得ない。
千であろうと万であろうと関係ない、相手が死ぬまで放ち、笑い声をかき消しながら潰し続ける、1秒にも満たない不可視の衝撃を拳として放つ『ラッシュ』を、魂の底から絶叫し放ち続ける。

 『――ShuraaaaaAAAAAAAAAA!!!!!』

――大気の絶叫が奏でる葬送行進曲に『お前らは十数秒保てば良いほうだ』 と。

747成田 静也『モノディ』:2020/03/27(金) 01:21:20
>>745-746

敵の数を見て甘い考えを修正する。

「いや、斑鳩さん、コイツはオレら二人じゃ無理だ。このままじゃあな…」

手に握られた矢を見る。

オレは…未熟者のオレにこの『矢』を使いこなせるか…?

いや、使いこなさなければならない!そうしなければ二人とも死ぬ…!

「だから…『矢』を使う…それでコイツらを蹴散らす!」

そのために必要な物、『スマイリー・スマイルを滅ぼすという意思』。

「斑鳩さんも巻き込むかもしれませんので何とか避けてください。」

斑鳩さんに一応の警戒を促す。何が起こるかはオレにすらわからない。

やるべきことはやったはず。…じゃあやるか。

スタンド『モノディ』に『矢』を突き立てる。必ずやり遂げる。

『スマイリー・スマイル』…この腐れ外道どもを滅ぼす。そして皆を救う。それだけを考える。

748黒羽 灯世『インク』:2020/03/27(金) 16:58:44
>>744

袖を口元に当て、得られた情報を頭の中で整える。

「……………………『自殺』」

「『フラジール』というのはこの人の『スタンド』かしら。
 それは今となっては分からないし……文章もよく分からない。
 『集合体』『偽たる私達』……きっとスタンドに関わる言葉」

「この人はスタンドで自殺をした。それ以上は分からない」

遊部の文章の意図は完全には分からない。
彼女の人格も、前提となる知識も無いのだから。

「分かるのは『スマイリー・スマイル』がこれを消そうとした事。
 つまり、ここには不都合な事実が書かれているという事だわ」

全員の顔を見回す。

「……『一番みすぼらしく、みじめな私』。
 『もっとも弱き原型の一つ』……『泣きじゃくる』?
 『悲しみ』……いえ、『泣くこと』が『笑うこと』を中和する?」

「…………泣くのが得意な人はいる?」

『インク』を取り出し、その筆先で自分の『左目』を撫でる。
涙を出すためだ。『反応』に過ぎない、感情を伴わない涙だが。

749『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/27(金) 23:35:11
>>746(斑鳩PC)

 ……う     ……う!

 「翔(しょう)っ! 寝ぼけてんのかぇっ!!」 パシンッッ

何かしらの理由で、斑鳩 翔は彼方を見遣りつつ意識に空白があった。
 後頭部に鋭い衝撃と僅かな痛みが生じる。反射的に振り向いた先には
幾らか興奮と、そして何度声を掛けても無反応だった孫に対する苛立ちと心配が
入り混じった怒りと言う複雑な表情を浮かべる祖母の顔が目に映った。

祖母の手には、何時かの日に貴方が買ったであろう宝くじが握られてる。

「ほらっ、見な! 当たってたんだよ三等がね!
100万だ100万っ! がははっ! 流石はうちの孫だよ! 金運も
大したもんだねぇ! ……どしたんだい、ぼーっとして」

しゃっきりせんかい! 当たった金はあんたのものなんだから大事に使うんだよ! と
肩を強めに叩きつつ宝くじを貴方に押し付けて、食事なりの用意へと場を離れた。

此処は貴方が今住まう祖父母の家。少し目線を別のほうに向ければ、寝そべりつつ
テレビを見遣る祖父の姿もある、何時もの日常。

ただ……。

 ――貴方(斑鳩)には、今この瞬間。その数十分後には忘れてしまう感情だが。

 ――とても、何故だか切ないような 
 ――とても、何か大切なものを喪失したような 堪らない気分だった。

  斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』⇒『100万』get!

750『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 00:01:55
>>747(成田PC)

眩暈がする、意識が段々と下がり呼吸や脈に乱れが起きてきた。
 恐らくは自から死を決心した刑事の吉岡。救急隊員なども
魂が引き抜かれる最中には、これを感じていたのだろう。
前者はもしかすれば奴等に啜られる前に、その魂は無事何処かへと
旅立つ事に成功したかも知れないが、今や周囲全てが奴等に包囲されてる
貴方の状況では、救命士と同じ末路が否でも想定される。

斑鳩が車内から飛び出すと同時に、矢を発現したスタンド
『モノディ』に突き刺した。

 ――キィーン……。

一瞬耳鳴りが、生じ。全てが無音と化した 斑鳩の咆哮 
後方から猛スピードのトラック 無数の周囲から迫る奴等の歩行音 全てが。

それと同時に、貴方の目に別のものが映っていた。
車内 窓から見える無数の人間に建物。それ等が透明化していき
赤黒や茶黒が入り混じったような濁った色合いで構成された波が貴方の鼻から
下までを覆うように揺れている。その視覚内では貴方は既に溺れかける程だが
実際にその波で息苦しさは感じられない。
 感覚的、直感で貴方は悟る。これは『音波』だ
人間や動物の可聴周波数である空中を伝播する弾性波と言われるもの
『超音波』を貴方は認識しているのだ。矢によって高次の場所へ昇華され
貴方は奴等の本質的なものを視ている。
 そして、その中で唯一薄汚さのない光の点の塊で構成されたものがある。
そう…… ――車から飛び出した斑鳩だ。

人としての視点では、無数の人垣で斑鳩に一番近い者達が人差し指を向けるのと
斑鳩がロスト・アイデンティティを広げるのは、ほぼ同時であり。

レクイエムに至る『モノディ』と同期した視点では、薄汚い色合いの大波が
轟轟と人型の煌きを、その奔流で飲み込むのも また同時だった。

貴方が、彼へ向けて制止の声や危険を告げる間もなく……。


――斑鳩の『ロスト・アイデンティティ』は貴方の視界の中で消滅し。
……無数におぞましい笑みの人波へ突撃せんと言う姿勢だった彼はスタンドを
振るおうとしたポーズで一瞬硬直し、体を弛緩させ腕を下ろして。
ゆっくりと……貴方へ向けた顔には『笑顔』が張り付いていた。

レクイエム・モノディの視覚内には既に。
光は消失し、その汚れ切った血か糞尿のような色合いの音と同色の
波で出来た塊が、その光のあった時点に在るのを認めた。



      斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』⇒『消滅』

751『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 00:15:20
>>748(黒羽PC)

芦田「俺は、別にそんな泣くのは得意じゃねぇが……
ウィゴーちゃんが泣いてくれって言うなら1ガロンでも泣くぜ」

『てめぇの泣きっ面なんて誰も見たくないし、私も期待しないから安心して。
そして頭に刻め込め! 
マイネーム・イズ・ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトっっ!!』

彼等の漫才に慣れてきたアリゼは、黒羽が肉体的な反応で片方の目から
涙を流すのを見ながら首を捻りつつ告げる。

アリゼ「んー……もうちょい何か悲しい事でも想像するか、鼻毛でも
引っこ抜くなりすれば流すのは出来るけど。
 って言うかさ。
庭のほうで滅茶苦茶今でも涙流しっぱなしの奴がいるじゃん」

風邪かアレルギーなのか知らんけどさ。とアリゼが告げる。

確かに、貴方と出会い常に涙を流し続けている人物と言えば『ヤジ』だ。
とは言え、彼は何の力もない一般人であり。奴等の音も浴びていたが
貴方達と違い、頻繁に奴等と遭遇していた訳でない。症状が何処まで
進行してるのか不明だし、中和出来ているのかも正直不明だ。

 医者は告げていた。改善した症例は未だかつて発見出来ていない……と。

この世に既に存在してないが、遊部は確かに奴等の毒とも言える攻撃を
完全とは言えないが中和は出来ていたのだ。
 その方法を解明出来れば……この地獄を脱出する事も出来るのかも。

752黒羽 灯世『インク』:2020/03/28(土) 03:10:04
>>751

芦田コンビに関してはあしらいつつ、アリゼの言葉にうなずく。

「アリゼさん、鋭いわね。私も負けちゃいないつもりだけど。
 そう言われてみればヤジさんはずっと『泣きっぱなし』だわ。
 でも……分からない。それが彼が『無事』なのと関係あるのか、
 どう確かめればいいのかしら…… そこも『分からない』……」

「『自覚症状』が無いのが、厄介なのだわ。
 それがあるころには多分もう手遅れだもの。
 …………私が今こうして涙を流しても、
 意味があるのか無いのか判断できないのよね」

念のため右目からも涙は流しておく。
意味は無いかもしれないが、あるかもしれない。
ただ泣けばいいだけなら改善した症例も出そうなものだが、
『ただじゃない泣き方』というのがどういう物かは知らない。

「この遊部という人が特別なだけ……って可能性もあるのだわ。
 どうにも、どこにでもいる普通の人ではなさそうな感じだし。
 日記帳……日記を普段からつけてるなら、昔の分も無いかしら?」

不可解な少女の『事実』を探らねばならない。
日記帳は、普段から日記を付けない人間は持たない物だ。
部屋を探索し、私物を漁ってみる事にする。

「彼女の、『人となり』を知りたい。
 ……『一番みすぼらしく、みじめな私』の意味を。
 そんな形容を自分にするなんて、ただことではなさそうだけど」

黒羽には分からない感情だ。それを抜きにしても、単純な卑下ではなさそうだが。

753成田 静也『モノディ』:2020/03/28(土) 19:00:04
>>750

斑鳩さん・・・!

もはや音は聞こえない。『奴ら』も見えない。代わりに纏わりつく『波』のようなモノ。

これは…『音波』か?

しかしこの混沌とした状況で確実にわかることが一つある。

『オレのミスで、オレのせいでたった今、斑鳩さんは死んだ』。

『「スマイリー・スマイル」共に精神をすりつぶされて、殺された』。

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

自分でも声が出ているかはわからない。

『怒り・悲しみ・後悔』、それらが入り混じった、文字通り声にならない叫びだった。

それと同時に頭には一つの仮説が浮かんだ。

『コイツらの発する気色の悪い「波」、これをオレが作る「逆位相の音の波」をぶつけてやれば消えるのではないだろうか?』

『音に音を重ねると音が消える』というものだったか。

奴らの音と『逆位相』の音をぶつけると対消滅して音が消えるというものだ。

まだこの『レクイエム』が何ができるかはよく分からないが、『スマイリー・スマイル』を消滅させる第一歩として試してみよう。

切り抜けるために、『スマイリー・スマイル』の放つ『音』と『その源』を完全に消しされ…!

『レクイエム』に命令を下す。

754『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 23:08:00
>>752(黒羽PC)

貴方は日記を捲り、重要な部分が無いか吟味する。
 書かれている内容は、至って普段何があったかを記録するものだが
気になる事と言えば、何ページか毎に文字の特徴が異なってるものがある事。
 誰か別人が記入してるような独特の筆跡である事は記者として様々な文面を
見てきた貴方なら間違えない。だが、プライベートらしい日記に
そんなに様々な人間が交換日記でも無い普通の個人の日記に記入するのかと言う
疑問が貴方には持てた。他に気になる私物と言えば、演劇部などに関わってたのか
数種類の鬘(かつら)に男装用の衣装。書籍などは哲学から児童用絵本など関連性が無い。
 まるで、この一つの部屋に大多数の人間が居住してたような……そんな錯覚を受ける。

アリゼ「一先ず、この子は適当にシーツなり包んで部屋の隅に安置させておくよ。
とりあえず、あんた達の言ってる笑顔の化け物共って奴? 
 私は実際に対峙してないから実感沸かないけど、あの鼻風邪小僧は
あんた達と一緒に遭遇してる身なんだから、直接何か無事な心当たりとか
この死んだ子についてとか聞けばいいんじゃない?」

同じ学校の子なんだろ、とアリゼは呟きつつ部屋にあるシーツなど引っ張り出し
遺体の遊部を簡易的な包装をして隅に移動させようとし始めた。

確かに、この遊部と言う少女は貴方と同じ清月学園の生徒だ。
そしてヤジは自称情報通と謳っていた記憶もある。もしかすれば、この少女について
何かしら知っている事は有り得るかも知れない……。

755『星の女』:2020/03/28(土) 23:31:26


 ギィ クルクルクル・・・    ギィ   
         …………クルクル

私は再度壊れた地球を押した。
 力が消失した母なる惑星は、当然そのままに止まるだろうと思えたが
どう言う訳か、ほんの少しだけ再び回転が行われた。
 気紛れか、気の所為と思える程に弱く緩やかだが……確かに回ったのだ。

 「ほぉ」

「やはり、この星に生きとし生ける者達は面白い」

 「日陰のままに咲き、終ぞ誰の目にも止まらぬままと思えていたものが
私でも思わぬ程に……」

「『彼』は、もしかすれば濁流に飲み干される一つの砂利ではなく」

「もしかすれば 或いは 荒れ狂う大河が生じる風に跨るままに
新たなる新天地に降り立ち、命を繋げる種子なのかも知れない」

756『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/28(土) 23:47:13
>>753(成田PC)

貴方の中に様々な事が去来していた。

斑鳩 翔。普段は温和で気さくな青年でありつつも
いざ危機的状況では冷徹に事態を卸す事も可能な側面を担う存在。

彼との付き合いは決して長くは無かった。
されど、数えられる程の時の中で貴方達は褪せぬ程の体験を共に分かち合った。

そんな『仲間が死んだ』 今まさに目の前で。

その想いのままに『慟哭』する。幾ら張り叫んでも足りないと言わんばかりの
貴方は咆哮した。


     『「――――――――ッッッッ゛!!!!!」』


 ――瞬間、貴方のレクイエムの視点にて変化が生じた。
自身の体から、口からエメラルドグリーン色にも見える輝きの粒子が放散される。
 奴等に捕食され、つい今しがた奴等に成り果てた斑鳩であったモノが貴方も
同化せんと車へ張り付こうとしており、他のスマイリー・スマイル達の包囲網も
狭まろうとした瞬間だった。

 強烈なラップ音のようにも聞こえた。その音を聞く中で、車窓に伸ばそうとした
斑鳩の姿形に成り代わった存在が数メートル程後方に吹き飛び。
 また、包囲網を狭めていた奴等が。ほんの僅かではあるか確かに後退り進行を止めた。

  ・・・・・
――効いている。


 原理は未だ完全に貴方の中で解明出来ていない。本能のままに行ったゆえに
どのような力が、奴等を退けるに至ったかは未だ不確かだが……。

貴方自身の、その『咆哮』は確かに奴等を押しのける力を証明した――!


       ――ヲヲヲォォ――ッッ゛!

人垣の包囲網を形成するスマイリー・スマイル達は、貴方に接近するのを
止めて、警戒するように十数メートルの位置を維持しつつ笑顔のままに
貴方の次の行動に備えている。
 斑鳩であったモノは、吹き飛ばされた影響か。余り体が上手く動かないのか
ぎこちない様子で立ち上がろうとするのを試みている。

757黒羽 灯世『インク』:2020/03/29(日) 00:08:24
>>754

(……これは何? 『書いてること』はごく普通のことばかり。
 なのに、何もかもがおかしい。『複数人』……『私達』?
 …………荒唐無稽だけど、『あのページ』のことを考えると)

「…………違和感はある。それもかなり。
 でも確信が出来ないのだわ。
 ……そうね、彼に話を聞いてくる。
 申し訳ないけど、遺体のことは任せたのだわ」

特にアリゼの考えに異論はない。
ヤジの元に行く。日記帳は、持っていくことにしておこう。

758成田 静也『モノディ』:2020/03/30(月) 01:43:36
>>756

―――!?

何をしたのかは分からないが、効いている?やはり『レクイエム』ならば『スマイリー・スマイル』にも効果があるのか?

しかし今、オレのやるべきことは車に乗せている「モノリス」を然るべき場所へと運ぶことだ。

「―――――――――!!!」

もう一度、叫び声を轟かせる。

そのためにもこの場を切り抜けて『学寮』へ戻らねば…コイツらが今は様子見なのも『レクイエム』が長く続かないのが
分かっているからの可能性も十分にある。

周囲の音の波の様子も探る。不審な動きをする『波』が無いかを警戒する。

759<削除>:<削除>
<削除>

760『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/30(月) 23:04:32
>>757(黒羽PC)

貴方はアリゼに返答して、芦田達の間を抜けて庭に移動する。
 芦田はちゃっかり貴方に続いてホールのほうへ戻ろうとしたが
アリゼの手伝いをしろとスタンドに引き留められ、しぶしぶと遊部の部屋へ戻った。

ヤジ「おっ? 黒羽ちゃん、疲れてんだし少しでも横になったほうがいいぜ。
もう二時過ぎて夜明けまで数時間程度なんだし」

庭に出ると、案の定だが武器の工作を続けてた二人。声を掛けると作業を中断しつつ
遊部についての話を不良コンビは黙って耳を傾けた。

ヤジ「遊部……もしかして、あの子かな。
いや期待させられても困るんだけど、学校では何か他のクラスメイトから
パシリさせられてたりして、なんか虐められてんのかなーって
お節介で声かけた事あるんだけどさ。俺がこんなナリしてるからかだけど
直ぐ泣き出して謝罪一辺倒でさ……だから、かなり気弱そうな子って言う印象以外
俺は特にその子の人となりは知らないんだよな」

ヤジの話を聞くと、スクールカーストでは随分低い位置にいるような子だったようだ。
 だが、次に口を開いた小林は。また違った見解を示した。

小林「……一度、図書室なりでチラッと。その方の特徴に似た人物を見かけた事が
ありますけど、私には意志薄弱な方には見えませんでしたね。
 どちらかと言えば、冷淡な印象を抱きましたが」

ヤジ「えー? ジョー、それ誰かと見間違えてんじゃねぇの」

小林「かも知れませんけどね。ただ、黒羽さんの言う目立つ特徴の
髪型や容姿の人物が学園にそうそう何人もいるとは思えないんですよね」

遊部について聞く際、特徴的な桃色の髪の毛なり背格好など情報を開示するだろう。
頻繁に染色してるとかならともかく、普段からそう言う恰好ならばヤジと小林も
別人を間違える可能性は低い。『雰囲気が真逆』であったらしい遊部。
 
……貴方がつい先ほどまでの修羅場で、共に戦ってた仲間の一人も確か
そう言った部分が垣間見えてた気がする。

ヤジ「……つうか、その子も学生寮で。奴等の攻撃を受けて、結果的に死んでんだよな。
…………畜生、俺にもっと力があれば気が付いて助けてやれたんだろうけどよぉ」

口惜しいぜ、と呟きつつ。彼は残り少ない風邪用の市販薬を口に放り込んで
泣きながら水筒の水を飲みこむ。

小林「そう言えば。残る、お二人とも今どちらにいるんです?」

黒羽に、小林は斑鳩と成田の所在は気になったようで尋ねてきた。

761『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/03/30(月) 23:28:40
(※>745以降で斑鳩PCが車から飛び出した時の、二人が乗ってる車の
時速だが、植林などがスピードを軽減して人が早歩きする程度でしか
走行してない状態と受け取る。でなければ、斑鳩PCが車を飛び出した時が
時速30か40kmならば車外に飛び出た瞬間に慣性で盛大につんのめって
転倒するような非常に酷い事になりかねないので)

>>758(成田PC)

貴方は再度、取り囲もうとする地獄からの軍勢を退けようと腹に力を込めた。

音の波……それはあった。死が既に背後以外にもチラついてる故か
意識から抜け落ちていた、背後から迫る巨大な音波。
 そう――『貴方達の後ろから迫る大型トラック』の走行音。

    ――ド―――zノッオ゛ッッッッ―――!

背後からのけたたましい衝撃音、腹にくる肺の空気が無理やり吐き出される苦しみ。
 前に体の重心が傾く。座ってた助手席のダッシュボードに運悪ければ
頭か額を打ち付け、目から火花のように衝撃が走っただろう。
 銃弾も防ぐ頑丈な装甲に改造しているお蔭か、かなりのスピードで
後ろから激突されたものの完全に乗用車は大破してない。
 また、シートベルトも外してなかった事と不幸中の幸いか今の勢いで
トラックに押されつつ貴方達がモノリスを運んでたスポーツカーのある
地点まで目の鼻の先の距離へと到達した。

 とは言え、現状は『悪い』

今の衝撃の所為か、貴方達の乗るセダンの防弾車は動かぬ置物へ変わった。
 車から何とか降りる事は出来そうだが、周囲には奴等が取り囲んでいる。

貴方が先程した『叫び』を警戒してか、多勢で迫り攻撃は未だ起こさないが
遠巻きの動かぬ笑みを模した顔は、決して穏便に現状を解決する気は無い。

  ドクドクドク……。

追突した時だろう。ガソリンが漏れる音が超聴覚で捉えられた。
 更に、こちらへ迫る歩行音……斑鳩がいた地点から一人。

それと、頭上から何かが飛行するような翼の音もだが辛うじて聞こえた……。

762成田 静也『モノディ』:2020/04/01(水) 13:23:20
>>761

「トラック…音で止まったわけじゃ…なかったのか…。」

何とか手早く体制を整える。

状況は最悪だな。

周りの『ラフティング』はまだ周囲を囲んでいるし、『斑鳩さんだったモノ』の方から聞こえる音は恐らく『ソレ』が立ち上がって向かってきているんだろうな。

それにガソリンが漏れている…最悪爆発でコイツらの手で無くとも死ねるな。

しかし死ぬならやれること全て試みた上で死ぬべきだ。

まずは後ろのトラックは停止したのかと歩き始めた奴以外のラフティングの同行を確認する。

トラックが停止しておらず2度轢きなんてご免被るぜ。

次に潰れたトランクから「モノリス」を取り出せるかだな。取り出せるなら取り出すが、無理なら諦めるほか無いな…。

最後に上の飛翔音、鳥だろうか?いや、こんな状況で近くを飛ぶ鳥はいないだろう。

ならば『誰かのスタンド』かもしれない。目の前の藁にすがってみるか。

「そこで見てる人、ちょっと助けてくれないですかね?かなりピンチなんですよ。」

我ながらアホらしい姿だ。

もし駄目なら最期の手としてガソリンに火をつけて爆風に紛れることに賭けるしかない。

運が良ければその後に音波で怯ませて強行突破してやる。

763黒羽 灯世『インク』:2020/04/01(水) 18:00:35
>>760

「心配はいらないのだわ。
 話が終わったら一休みするから。
 貴方たちも根を詰めすぎないように」

出来る状況なら、だが。
それより、気になるのは話の内容だ。

「………………………『多重人格』! 」

思わず零した言葉は斑鳩を思い出させる。
しかし……彼でさえ『笑い』への『特効薬』にはなっていない。
知能、戦力ともに『上等』で、自分達と組んでいる彼でさえだ。
『多重人格だから』は理由ではないし、解決の糸口とも思えない。

「一人の人間にいろんな面があるのは普通だけど、
 日記の内容、部屋、その話からして、
 先天的か、それとも『そう振舞ってたのか』知らないけど、
 遊部さんには……『人格』が複数あったと考えられるのだわ!」

「多重人格……『解離性障害』はファンタジーでもメルヘンでもない!
 身近にいても、なにもおかしくはない……偶然彼女が『そう』だった」

「そして、その中の『泣き虫な人格』だけが『長く生き延びた』。
 あなたが会った『気弱そうな』彼女がそれである可能性は高いわね」

「でも……・『魂』ってものが、人格ごとに1つあるとは思えない。
 そうなると……魂が、人格ごとに細かく分かれていた?
 それで最後の一かけらとして啜り遺された? ……謎は尽きないのだわ。
 新聞記者じゃなくって『探偵』……いえ『オカルティスト』の気分ね、これは」

                          ルール
         「能力である以上、何かの法則でそうなったはずだけど……」

遊部の『人格の特質』がそれを引き起こしたのか?
魂という概念の『性質』か? 敵の『能力』のルールか?
いずれにせよ、ここで話していて答えが出る気が起きない。

それより・・・

「……そうだわ、そういえばあの二人はどこに行ったんだったかしら?」

さきほど彼らを残してヤジらの様子を見に来て……それから見かけていない。
彼らの動向を誰かから聞いた覚えもない。『敷地内』にいるなら、見かけそうなものだが。

764『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/01(水) 21:41:19
>>762(成田PC)
(スタコンも開催してますし、ゆっくり熟考しての返レスで構いません)

貴方は現状をレクイエム及び肉眼の視点で状況を探る。
 まず、第一に激突した後ろのトラックは今現在動いてない。運転してたと
思われるラフィングの運転手は、貴方達の車を大破する事さえ出来れば自分の
肉体がどうなろうと構わなかったらしく、フロントガラスに一人分の罅と流血らしき
形跡が見られた事から、運転席にいた奴はまともに動く事は出来ないだろう。

円状に貴方を囲むラフィング達は、その笑顔のまま微動だにせず傍観している。
そして、斑鳩だったモノであるラフィングが貴方に近寄るでもなく
ガソリンが零れ出ている場所で立ち止まるのが聞こえた。

スポーツカーのトランクは、奴等が調べた為か開かれている。窓ガラス越しに
『モノリス』は問題なく、開かれたトランクの中に収納されてる無事を確認出来た。

頭上を確認する。アレは……『コンドル』のような大型の鳥が旋回するように飛行してた。
然し、本来そのような鳥獣がこんな異常な状況で。ましてや、この日本に居る筈もない。

……And so I ran Away from there
And right behind Me was that bear…♫

死の極限が迫る中、『森のくまさん』がコンドルの口から謳われるのが聞こえた。


それと肝心の貴方の体の調子だが、トラックの衝撃による為か奴等の能力が深刻化してるのか
『上手く声が出せない』 叫ぼうとしても、口から出す前に其の力強さが失われていく。
先程のような咆哮を繰り出すのは難しいようだ……。

(※今、現在の立ち位置は自由に決めて構わないが。トラックの荷台の上など
余りにも不自然なのは却下。乗ってたセダンの車周辺か、モノリスのある
トランク付近など細かい指定をお願いする)

765『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/01(水) 22:02:06
>>763(黒羽PC)

『多重人格』 思わずと言った調子で、少し面を食らったヤジを差し置き
大き目に呟いた貴方には、遊部の正体が斑鳩の既視感と重なり自然と納得が出来た。

だが、貴方も想定している通り。斑鳩は貴方と同じようにスマイリー・スマイルの
能力の影響を受けていた。奴等の笑い声を認識出来なくなっていたようであったし
それは人格が切り替わっていても同じようだったように思える。

ヤジ「俺には、黒羽ちゃんの話は唐突でちょっと理解が追い付かないけど。
えっと……遊部って娘も俺見たいにずっと泣いていたから、奴等の攻撃を
何とか凌げたって事を言いたいんだよな?
 でも、奴等が笑ってからって。だから怖いーって泣いたら無効化される??」

そりゃ、ちょいと安直過ぎるんじゃないの。とヤジは首を捻る。
 小林は少し考えてた様子だったが、彼の感想の後に口開いた。

小林「生きてさえいれてくれれば、真相にも辿り着けたでしょうが。
無いもの強請りをしても仕方がないです。
 ……魂の溶解、ですか。
私は一度、ほぼ0距離で味わった時。アレの音が頭の中の大部分を占め
非常に深刻な孤独感を味わいましたが……あの感覚が魂を溶かされると
言うものなのでしょうね」


『……あのお二人ですか? 確かアリーナへ向かうとか言ってましたけど。
モノリスとか、情報源を確保とか呟いてたような』

二人と会話を終え庭からホールへ戻る。すると、遺体安置の作業を終えたらしく
欠伸をする芦田と、手を軽く拭うスタンドが居た。
 そして、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトから彼等の行き先を聞いた。

どうやら、貴方に告げる事なく。再びアリーナへ舞い戻ったようだ……。

766黒羽 灯世『インク』:2020/04/03(金) 12:56:40
>>765

「私の中では唐突でもないの。それらしい状況証拠はいくらかあるのだわ。
 ただ……そう、そこに違和感がある。泣くだけで良いならこんなに広がらない。
 こんな恐ろしい状況、泣かない私が『強い』というだけなんだから……」

「あるいは小林先輩の言う『孤独感』に慣れてる、耐えられるのが重要……?
 可能性の話しか出来ないわね。実際に試せるわけでもないし……本人にだって、
 どういう理屈で『持ち堪えてたのか』は、日記を見る限り分かってなかったんだし」

ヤジと小林の懸念意見は、正論……ごもっともという他無いだろう。
わずかな情報から全ての答えを得られるとは思わないべきだと、考えを改める。
もちろん、覚えてはおく……『泣く人格』が生きながらえていた、その結果だけは。

「アリーナに……!? 情報源……? 確か『モノリス』っていうのは、
 斑鳩さんが言ってた気がするのだわ。私は詳しく知らないけど」

「……まずいわね。二人だけじゃ危険すぎる」

何か意図がある……のだろう。が、危険性は甚大だ。
二人は『無事』ではないかもしれない。

「今から……『追いかける』にしても、私一人で行った所では犬死にだわ。
 二人だけじゃ危険すぎるけど、二人は私より『戦闘力』は上……
 一応聞いておくけれど、『ハガネ』さんは今も正門前にいたかしら?」

767成田 静也『モノディ』:2020/04/04(土) 16:33:43
>>764

!?声が…出ない…やはりソイルやグレイシャと同じく、『レクイエム』は完全なコントロールはできていなかったか…!

それに音波を出すにもダメージか、レクイエムの限界か、弱くなってきている。

引き続き、音波の動きに注目しながらトランクへと近寄る。

とりあえずトランク内のモノリスが無事でよかった。

トランクのモノリスを入れていたケースがあるならそこに詰めてから、なければそのまま取り出す。
そのついでに発煙筒も詰んであればそれも取り出し、トラックの方へ隠れやすいようにと少しだけ離れる。

乗っていた車が爆発してもトラックを盾に爆風を多少は凌げるはず。

そして上の鳥はやはりスタンドか操作された鳥かのどちらかだろう。

しかもあの歌…助けの神がよりにもよってあの『エクリプス』のオペラだとはな…。

弱っていく『レクイエム』に音波のモールス信号で『SOS、取引しよう。』となるように鳥に当てる命令をする。

これで気づいてくれればいいのだが、気づいてくれず何のアクションもなければ
予定通りトラックの下に隠れて、発煙筒を使ってガソリンに火をつけて爆破する。

もしガスが漏れているのがバスの方だったら?その時は諦めるほかあるまい。

768『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/04(土) 22:20:25
>>766(黒羽PC)

>あるいは小林先輩の言う『孤独感』に慣れてる、耐えられるのが重要……?

貴方の推測に対し、彼はゆっくりと横に首を振った。

小林「いえ……別に私は孤独に慣れてるわけでも無いです。
…………こんな状況ですし、別に隠し立てする事もないので告白しますが。
私は多分、少々変わった経歴と言うか過去がありましてね。多分人よりも
『魂が希薄』なんだと思います。どうなって、そうなったかと言うのは
今の出来事には無関係だと思いますし省きますよ。
 ですから、スタンド越しの音でも私は皆さんより影響を受けましたでしょうし。
……正直、コンビニのほうまで逃げ延びてる間も脈は乱れて喉は痛み手足は震え。
こうして皆さんと落ち着いて過ごしてられるのは正直不思議だと思ってます」

ヤジ「おいおい、んな事一言も言ってくれなかったじゃねぇかジョー」

話てくれないと。と少し怒った口調の相棒に、心配を余りかけたくなかったですからと
小林が穏やかに返すやりとりを貴方は見た……。

ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは、確か居る筈だと呟き。少し遅れてから
参上したアリゼは。貴方たちの会話を拾い、正門で今も立っているから
用事があるなら直ぐに会えるし、何なら呼ぶけど? と告げた。

少し移動すれば、玄関口より向こうの外で。施錠されてる門に不動で佇む
ハガネの後ろ姿が見えた。
 彼はどうやら、二人に付いて行く事はしなかったようだ……。尤も
この砦(学生寮)を守るよう告げてたし、アリーナへ舞い戻った彼等も
此処が襲われる事を懸念して未だ戦う姿は見た事ないものの最高戦力だろう
ハガネを連れて行く事は得策じゃないと判断したのだろうが。

769『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/04(土) 22:38:06
>>767(成田PC)

貴方の中に焦燥が産まれる。確かに肉体のダメージは些か存在するのは否定出来ない。
 だが、貴方のモノディは『レクイエム』の影響を確かに今も持続して帯びているのは
実感が出来る。声が上手く大きく出せないのは、トラックの激突によるダメージが起因と
言うよりは、レクイエム前に受けたスマイリー・スマイル達の多勢による音波の影響が
大きく関わっているほうが可能性ありそうだ。現に、何とか力を籠めれば大声を
発せれそうな気がするのだが、口からソレを吐き出す前に形を成さず溜息に似た残骸に
至ってしまう。今のままでは、どうやっても先程のような退ける力は発揮されない。

開けっ放しのトランクには、同じく開かれたケースに入っている人間大サイズの
傷一つないモノリスがアリーナに決行する前のままに収められている。
(※既にスタンドなりに携行させていても構わない。モノディのスペックならば
辿り着いた瞬間に、素早く持ち抱える事も可能であろうから)
 発煙筒を探したり、上空で貴方や奴等の様子を伺っているであろうオペラが従える
スタンドコンドルに合図をなす前に、だ。

     ――カチ カチ……     ボッ

……貴方が下りたセダンの防弾車より、少し後ろのトラックのある付近。
 恐らく、いや十中八九。数分、いや数十秒前は貴方と死出に足を並べていた
斑鳩だったモノが何かを取り出して、点火させた音。

 そう言えば   彼は 

   確か……  使い捨てライターを

      ――ジジッッッ゛゛!!!

770黒羽 灯世『インク』:2020/04/04(土) 23:48:40
>>768

「あら……そうだったのね。
 無神経な言い方だったようだわ、
 小林先輩。……………?」

(小林先輩……待って。そういえば小林さんは、
 進行状態からの『回復例』なんじゃあ…………?
 少なくとも一瞬は『ほぼ取り込まれかけていた』所から、
 今、こうして『通常通り会話できる』所まで戻っている)

「でも……そうね、確かに『不思議』かもしれないのだわ。
 『いい意味で』……小林先輩の状態は例外的な気がする」

(……小林先輩の『行動』『精神性』に、『意味』がある?)

とはいえ、考えていても答えは出てこないだろう。
実際には単なる『小康状態』に過ぎないのかもしれないし、

『自分達』も笑いの悪影響を受けながら今、『平常』を保ってはいる。
それほど大きな『例外』という訳では無い可能性も、十分に高い。

いずれにせよ移動し、ハガネの姿を見た。
つまり『連れて行かなかった』という事。

「……」

(斑鳩さんは、ハガネさんを残していくべきだと考えたんだわ。
 彼は上等な人。『完璧』とは限らない。けど、常に『考えて動ける』人。
 もし……『間違った判断』だとしても、『意味のある判断』なのでしょう)

             (成田君も、その判断を支持したようだし)

「ハガネさん、お疲れ様。……二人は随分前に出て行ってしまったのかしら?」
  
この問いには……『価値』があるかは分からない。だが、彼と話しておく『意味』はある。

771成田 静也『モノディ』:2020/04/07(火) 16:20:57
>>769

・・・オレはやっぱり斑鳩さんたちみたいに、上手くはいかねえな。

オレは頭が悪いんだろうな…。

そう思いつつ、急いでトラックの下へと駆け込み、耳を塞ぐ。

これで爆発してもトラックに誘爆しない限り、多少のダメージを防ぐことができるはず。

まさか考えていたことを先にやられるとはな。

ついでに焼け石に水だろうが、モノディに音の壁を作れるだけ作らせて爆風に備える。

もしこれで生きていたら爆風で囲んでいる『奴ら』にも多少の『穴』が生じるはず。

それに乗じて包囲網からの脱出を図る。その最中で発煙筒を使って上空の『鳥』とコンタクトを取ればいい。

無論、生きていればの話だが。

772『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/07(火) 21:33:59
>>770(黒羽PC)

貴方は小林を注視する。顔色は依然と変わらず普通の人間と同じ血色は通っており
スタンドは、先程の武器作成でガソリンを移し替えるなりで使用してたので
既に奴等化してる可能性は無い。
 彼は、医者が言っていた症例の中で。今まで貴方が目撃した中では確かに唯一の
『回復例』であろう。暗がりの通路で、貴方が奴等から遁走する最中は彼の顔色は
青白く、コンビニのほうまで辿り着く先まで呼吸に乱れがあった事は思い出される。
 そこで小休止をとった後は、うろ覚えではあるが彼の顔色は元に戻っていたが……。

ハガネに声を掛けると、彼はチラッと腕につけられた時計を一瞥してから
出発して十五分程度は経っているなと簡潔に告げた。

十五分……決して短い時間とは言えない。この学生寮から車をフル稼働して
アリーナのある総合体育館まで向かうとすれば、もう辿り着いて可笑しくない。

ハガネ「……日が昇るまで待つが。それでも帰って来なけいか連絡が無ければ
もう手遅れだと思ったほうがいい」

 少しは体を休めとけと彼は告げ、再度体を正門に向ける。
コーラの影響で眠気はないものの動き続ければ体は確実に消耗する。
彼の意見も正しいが……。



――丁度その時、貴方がふと何の気なしに夜空を見ると。
雲の切れ間から一筋の流れ星が通過するのを見届けた。

773『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/07(火) 21:59:00
>>771(成田PC)

 ドォンッッ!!

    「あっ! すみませーんっ!」

鋭い爆音にも似たような音を聞いて、貴方は飛び起きた。
 此処は何処だ? ……銀行だ。
意識が半覚醒な貴方は混乱しつつ、音のほうを見ると清掃員らしい
人物が倒れた幾つかのボトル等を慌ててバケツに戻しているのが見える。
 先程の落下音はこれが原因だ。

体は汗ばみ、長い事悪夢を見ていたような気がした。 
 まるで、ついさっきまで死と隣り合わせの場所に居合わせていたような……。
無意識に咄嗟で警戒態勢で発現させたのであろう『モノディ』も心なし
普段よりも研ぎ澄まさった表情で、一回り大きいような気さえした。
 そんな不思議な高揚と緊張感で汗ばんた手には、『150万』相当の宝くじが
握りしめられている。そうだ、貴方はつい数日前に高額の当選番号が数枚当たり
換金の為に宝くじへと来ていた事を思い出した。

受付へと赴き、金額が金額の為に色々な手続きをする為に少々の待ち時間で
転寝をしたのだろう。先程までの、思い出せないが多分悪夢だった内容も
きっと急な大金を手に入れた不安や興奮が見せた幻影だ……。

       コツ  コツ   コツ   ピタ……。

    ……ギシッ。


そんな折、貴方は自分の隣から歩き。少し間隔を空けて座る音を捉えた。
 そちらへ顔を向ければ、革ジャンに赤い手作りのような少々古びた感じのする
スカーフかマフラーのようなものを首に巻き付けた。貴方と大体同年齢らしい人物

彼の手にも、奇妙な偶然だが宝くじがあるように見えた。

 そして……これも奇妙な事だが。

 ――彼の顔を見ると。
 
赤の他人のはずなのに関わらず。泣きたくなるような 安堵の笑みを浮かべたくなるような
 まるで死別した旧友に再会したかのような、切ない音が貴方の胸を横切るのだった。

 成田 静也『モノディ』 ⇒『150万』get!
 危難BC相当の経験値 get!

774『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/07(火) 22:12:01
>>771


 コンドル(オペラ)は目撃した。その顛末を

上空を優雅に舞うスタンドの鳥は、地上にてサバトよりもおぞましい存在達が
跋扈する中で、一人奮戦する存在がトラックの中に滑り込むようにスタンドと
共に逃げ込むのを目撃した。

 そして、それに劇場支配人は 憐れな、と冷笑をビッグ・クランチで浮かべた。


爆音と、轟音。高度を上げた空からの視界では小さく見えるが周囲にいる
スマイリー・スマイル達の包囲網が幾らか弾けて一瞬亀裂が起きる程の
衝撃が外界にて起きたのが雄弁に物語っている。
 アレではまず助からないであろう。
『レクイエム』は魂の次元を昇華すると言えど、人の肉体までトラックや車を
燃料とした爆発に耐えうる程の強度には至らない。
 ……もし、その爆発を凌げるとすれば。彼の伝説の傭兵の担う鋼のスタンドか。

 『……あら、あの燃える中でも全く傷一つないは あの箱は』

大型車両と、追突された車も含めた爆発地点の業火の中で。何事もないかのように
地面に放り捨てられた形ながら、焼け焦げ一つないモノリスが見えた。

 『……アレ達には開く事は無理でしょう。回収する気も起きないわ』

砂糖に群がる無数の蟻のように、黒い点が轟轟とオレンジや赤の火柱に集う。
 あの箱を何処かに持っていって、それで扱えないとわかれば誰にもわからない
場所に埋めるなりして二度と見つからないようにするのだろう。
 役に立たないようなら、結局用無し。そう言う結末しか起こせない下等な存在だ。


……燃え広がる場所に、既に炭化して倒れ伏す人影が三つあった。
 その正体は凡そ知れるものの、何も言わずコンドルは反転し主の居る場所へと
霞む月を背にして翼を再度はためかすのだった。

 成田 静也『モノディ』 ⇒『死亡』

775黒羽 灯世『インク』:2020/04/07(火) 23:14:55
>>772

小林の事例は『謎』だ――――『あの時』。
特別な何かがあったとは、思えない。
『ヤジ』と『自分』と『小林』三人の行動は、
ごく普通だった。小林に特殊な働きかけもしていない。
あるいは……『小林とヤジは常に行動を共にしていて』
ヤジは常に『泣いている』……そこにヒントがあるのか。

いずれにせよ、今はハガネに応える。

「……そうね。『今から追いかけたい』とも思えない」

「明日に備えるのだわ。
 釈迦に説法も承知だけど、
 あなたもちゃんと休んでね」

ハガネの『戦局眼』は自分より『上等』だろう。
経験が違う。新聞を書くのは自分の方が上手いと思うが。

「……『流れ星』」

「『私達』が負ければ、あれに『願いを託す』
 そんな『文化』もこの世から消えるのでしょうね」

            「…………そうはさせないのだわ」

ひとまず屋内に戻る。
状況が動いている、という期待は流石にしていないが、戻らない理由は無い。
感傷に駆られて独断専行をすれば、『戦えない』黒羽には『何もない』のだ。

776『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/08(水) 23:02:53
>>775(黒羽PC)

……それから、約三時間程が経過した。

私室で手持無沙汰な貴方は、自室なり寮に置いてあるPCを使うなり
テレビを見るなりしても構わない。少なくとも、その間には敵の襲撃は
全くなかったし、その兆しも見当たらなかった。
 ……斑鳩と成田は、結局連絡は無く帰還する事は終ぞ無かった。

アリゼ「気休めな事は言わない質だからね。もう、二人の生還は絶望的だと思う。
……あと、もし仮に二人が。その例の化け物見たいなものに変貌してるとして
そうなっても此処を襲って来ないのはハガネの事を少しなれども知識にあるから
じゃないかな。自慢じゃないけど、ハガネは本当に強いから」

二人の安否に関し、諦めるほうが賢明だと告げつつ。彼女は此処が襲われないのは
一重に、アイアン・セイヴィアーが存在するのを脅威と見てではないかと予想する。
 何でも、彼の戦場での功績は大多数の軍隊にも一人でほぼ無傷で圧倒させた事が
あるとの事だった。それが本当ならば、奴等の中に彼を目撃したものが居るなら
警戒するのも当然であるとは考えられる。

 数時間程度、仮眠した残りの者達が食堂に集う。
小林・ヤジ・アリゼ・ハガネ・芦田……貴方を含めて今六名が、世界を覆いつくす
スマイリー・スマイルの脅威を大小あれど認識し対抗しようとする勢力だ。

小林「一先ず、これからどう動くかは難しいところですね。倒すにしても、能力の
根幹や弱点も今のところ見いだせない。物理的な火力で圧倒するにしても、黒羽さん達の
話から察するに世界規模で十数億が私達を襲える存在に成り代わっている」

ヤジ「完全に、多勢に無勢…………だよな。
アリーナは壊滅したらしいし……エクリプスには、頼りたくねぇな。
お二人さん、傭兵なんだっけ? じゃあ上の者とか頼れない?」

アリゼ「ハガネは、今はフリーランスなんだ。多少は知り合いに組織的な幹部とか
顧客はいるけど、信用出来るに値するかと言われると素直にYESと言えないし。
 ……どうなの、ハガネ?」

ハガネ「……余り芳しい予感がしなくてな。幾らかの者には援助は要請したが
期待はもたないほうが良い。……他の者達も、自分の身を守るのに手一杯だろう」

スマイリー・スマイルを倒すかどうか。何処ぞの組織に今からでも避難が可能か
 議論は進まない。そんな者達を芦田は欠伸交じりに尻目で眺め、貴方に顔を向ける。

芦田「とりあえずよー。こん中で、その化け物共と一番多くて間近で衝突したのって
その学生二人(小林・ヤジ)を除けば、嬢ちゃんだけなんだろ?
 敵の内情を一番知ってんのは、あんたなんだからよー。
とりあえず、方針とか語ってくれよ」

 面倒くせーから、俺はあんたに従うぜ。尤も、一番はウィゴーちゃんの意見だがな。
それに対し、スタンドは慣れた調子で自分の正式名称を名乗り。少し本体と同じ意見なのが
不承不承とばかりな様子を見せつつ、自分も黒羽の意見を一番として行動すると明言した。

四人も、その言葉を少し考えてから異論ないと首を縦に振った。
 ……今この場で一番の発言力は貴方だ。

777黒羽 灯世『インク』:2020/04/08(水) 23:45:46
>>776

「…………………『確かめていない』のだわ」

「だから、『偲ばない』……非情だからじゃあないのだわ」

内心ではほぼ、確信している。

聡明な斑鳩が。
理性的な成田が。
何も言わず戻らないなら、それは『戻れない』のだ。
だが、あえてそれを受け入れない。『仲間』の『死』は重過ぎる。

それ以上、彼らのことは口に出さない。

「……『レクイエムの矢』がある。
 そして『アハガル山地』というキーワードもある。
 逆に言えば、『それだけ』しか得られなかったけど」

「この『矢』は、解決のためのカードになると思うのだわ」

矢については全員に知っていることを共有しておく。

「『アハガル山地でレクイエムの矢を使う』……これが『プランA』。
 つまり一番『浅慮』で『すぐ動ける』パターンだけど、問題は山積み」

飛行機が無い。
現地からアハガル山地への交通手段も無い。
そこで使って解決する確信すらない。

「『プランB』は……『まだ多少は私たちより知識がある者に頼る』かしら。
 『エクリプスのオペラ』は完全に信用できるような存在ではない。頼りたくはない。
 でも知ってる事は私たちより多い。……これの問題は『悠長』なのと、『教えてくれるとは限らない』」

「一応聞くけど、『プランC』……いえ、AやBの補強でもいい。『何か意見』がある人は?」

778<削除>:<削除>
<削除>

779『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/10(金) 00:15:23
>>777(黒羽PC)

『アハガル山地』に関し、ハガネやアリゼも特に芳しい反応は無かった。
 ただ、そう言う地名は確かあると言った普通のリアクション。
ヤジは多少深く考え込んでいたものの、彼もそれ以上そのワードに言及してない。

『レクイエムの矢』に関し、噂で聞いた事あるが実物をこの目で見る事になるとはなと
ヤジは少々驚き、かなりのお宝じゃんとアリゼも少し目の色を変えた。知る人ぞ知る
貴重な価値ある存在である事が二人の反応からも改めて理解出来る。

ハガネ「……最初のプランは『危険すぎる』
俺やアリゼは普通の旅客機でこの町に来た……プライベートジェットは、やろうと思えば
チャーターは出来るが。ほぼそれを誰にも悟られずには不可能だ。
 その『奴等』が一般的な知識を有してるなら、俺達が乗り込む事は遅かれ早かれ必ず
知られるのは間違いない。……アルジェリアの上空を通過する際に撃墜されない保証も無い」

ヤジ「オペラってのは、アリーナの下働きの俺でも聞いた事あるぜ。
エクリプスからも半ば厄介者扱いされてる、独りよがりでめちゃ気分屋の女王様気どりの
やべー奴だって話だからさ……真面目に頼み込んでも、おちょくられて最悪終わりって事も」

アリゼ「んな事一々くよくよ考えても仕方がないんじゃない?
ハガネも居るし、この大所帯で行けば。無理くり聞きたい事全部ゲロさせるのも意外と
簡単かも知れないし。Bプラン、悪くないと思うけどな」

話し合いの感じでは、AよりはBを全体が推す感じだ。
 そんな中、空気読まない感じで芦田が片手を上げ告げた。

芦田「じゃあCプラン。『さっさと矢を使ってみる』
……おいおい、おりゃあマジだぜ?
襲ってくるかも知れん、その奴等が世界規模って事以外は
攻撃に関する詳細や、その対抗策もまったく整ってねぇ。んでもって嬢ちゃんは
その攻撃の毒で、随分と手痛いダメージ負ってるときたもんだ。
それなら、ワンチャン イチかバチか狙ってレクイエムの矢ってぇので
打開する力が引き出せるのを期待するのも悪くねぇだろ?」

……完全には無視し辛い意見だ。
レクイエムの矢。精神を高みへ至らせる神秘の産物……これに頼り
スマイリー・スマイル突破の鍵が手元へ手繰り寄せられる可能性も少なくないのだ。

780黒羽 灯世『インク』:2020/04/10(金) 02:41:23
>>779

(アハガル山地に私の知らない『事情』がある、
 そういう線は薄そうだわ。もしあるとしても、
 彼らさえ知らないなら調べるのは至難か……)

この中でも『手練れ』はハガネとアリゼだ。
彼らの知らない線は、『今から知る』のは難しいだろう。
取っ掛かりがあったり、向こうからきてくれるならともかく。

「そうね、『プランA』は私も見込みは薄いと思う。
 危険すぎるし時間もかかるわりに、『結実するとは限らない』。
 しかもそこで解決しなければ、時間的にもリソース的にも次はない」

「『オペラ』を尋ねるのは空路を行くほどは危険じゃないし、
 『彼女』も『世界滅亡』を積極的に望んではいないはず。
 おちょくられて終わっても、『そこでおしまい』にはならないのだわ」

大方の『流れ』はそちらにあるようだし、
黒羽としても『怪しいから』といった感情論で、
オペラという巨大な力を避ける局面ではないと感じる。

――――それよりも。

「……なるほど、考えてもみなかった『C』なのだわ」

『矢』を見つめる。

「私の『インク』は『空間に文字を書く』のが大元の能力。
 仮に『スマイリー・スマイル』の根源にたどりついて、
 首尾よくそこで『レクイエム化』したとして……
 能力が、即座に『解決』出来る手段に進化するとは限らない」

「それなら『根源を見つける』までの『力』にするのも、悪くないか。
 あなた、なかなか『発想力』があるじゃない。……検討の余地はあるわね」

「一応確認するけど、私以外に『矢を使いたい』人はいるかしら?
 『インク』より、あなたたちの能力の方が『期待値』が高いという事もあるかも」

781『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/10(金) 22:52:26
>>780

貴方の『矢』の使用に対し、ヤジは『一般人だし、聞きかじった噂では
スタンド使いでないものが刺せば、スタンド使いになるらしいが
適正がなければ即死、なれても数日は高熱などになるから無理』と告げ。
小林・アリゼ・芦田は能力が戦闘向きでなし、またスマイリー・スマイル達の
魂を融解する声を止めるのに適したような力でも無いから止めておくと言う
内容で貴方に拒否の回答を下した。

ハガネ「……俺は、既に自身の力を認めている。これ以上の力を望まないし
過ぎたるものは身を亡ぼす」

例え、世界が破滅に繋がっていたとしても。と、彼なりの持論があるらしく
矢を使おうとする意志は無い。
 この中でレクイエムとなるグレイシャーの矢の使用権は貴方のみだ……。

芦田「とりあえず、そのオペラって奴に会うんならキャンピングカーの
点検だけ済ませておくぜ」

ヤジ「なら、おっさん。用意した特製爆弾なり積むから俺も手伝うよ」

小林「同じく」

Bプランがほぼ確定の空気でもあった為、芦田がそう声を上げると
不良コンビも外の駐車されてるほうに向かう為に立ち上がった。

ハガネは外で引き続き見張りを行い。アリゼは冷蔵庫の食糧をあるだけ
寮にあった段ボールで詰めるようだ。

アリゼ「此処も、どれ程安全かわからないからね。必要だと思えるものが
あれば私室から持ってきたほうがいいよ」

最低限の物資を車に詰めて出発する気なようだ……。
貴方は他にも良い案があるなら、方針を撤回するのも構わないし
有言実行で矢を使用してみるのも良いだろう。

782黒羽 灯世『インク』:2020/04/11(土) 23:06:19
>>781

(……私の能力も、別に戦闘向けではないのだけど。
 でも、矢は『意志』に応えてくれるように『推測』出来る。
 『グレイシャーの炎』も『ソイルの構造』も、単なる強化じゃない。
 『あの場でスマイリー・スマイルの好きにさせない』為の能力)

(『止めておく』人間に矢を使っても、効果は薄そうだわ)

考察もそこそこに、『グレイシャーの矢』を掲げる。

「なら、残るのは私だけね。
 『適任』だったと、後で言わせて見せましょう。
 念のため少し開けた場所で『使って』来るのだわ」

「使わずにいれば、選択肢は増える。
 例えば、『協力の対価』として提示するとか。
 でも……『オペラ』にこれを渡す選択は、
 この戦いの『後』を考えればありえない。
 なら、彼女の元に持っていく自体がリスクを生む」

「逆に……今ここで私が使っておけば、
 私も彼女に対する『抑止力』になれるかもしれない」

向かう先は『中庭』なり『外』なりで、
他の誰かに干渉しない場所にする。
発動時に『爆発』でも起きないとは限らない。
 
「どういう力を得たかは後で教えるのだわ。車に乗ってからでも」

他の面々にはその間に準備をしておいてもらう。持ち出す私物は、自分には特にない。

783『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/11(土) 23:35:49
>>782(黒羽PC)

貴方は庭へ出た。 
 ……静かだ。当たり前ながら周囲には人気が無く、まだ夜が明けたばかり故か
辺りからは車が走ったり等の環境音も聞こえない。冷たい風が頬を撫でる。
 ふと、冷たい空気を肺に満たして『矢』を刺す心構えを作っていると
静寂ゆえに研ぎ澄まされた感覚が、横から何かを通過する気配を感じ取り
目線をそこに向ければ、赤い蝶々が一羽空を飛んでいた。ヒメアカタテハと
呼ばれる蝶のようだ……特に危険は見受けられない。

 意を決し、貴方は(※特に要望は無ければ、一番傷が少ない手の甲等を刺す
描写で進行する。これで何かしら不利益は発生しない)その鏃の先端を皮膚に刺した。




 ――痛みを覚悟して、一瞬瞑った瞼の裏に光が過ったと感じた直後真っ暗な闇も感じた。
開いた視界には、先程まで居た庭と異なる別の風景があった。
 黒板 机 椅子……横には窓と、そこから見えるグラウンド。
此処は……清月学園? まさか、転移の能力でも得たのかと考えた矢先 背後から声がする。

      「――黒羽 お前に尋ねておく。これからの歩む先に覚悟があるか」

   「……そして今此処で柄じゃないが詫びておくよ。最後の別れ台詞が悪態だったのをな」

 背後から 女性の声が聞こえた。

 貴方と出会った時間は、かなり短くも……未だ色褪せない声だった。

784黒羽 灯世『インク』:2020/04/13(月) 00:59:39
>>783

『ヒメアカタテハ』――――見かけない蝶ではない。
だが、そんなもの一つにも『意味』を探してしまう。
自分は『追い詰められている』側だと、再確認する。


「……………」


意を決するまでに、逡巡する思いが無かったとは言えない。
己に記者の道をくれた『彼』のことを思い出す。
あるいは、そう、『彼女』の――――――


「…………っ」


『彼女』の声が聞こえた。
周囲の風景が『変わった』事に気付いた。
ここは、『分岐点』――――そう思った。

「私は……『常に覚悟してる』のだわ。
 『日常』は簡単に崩れて『取り返しがつかなくなる』って。
 でも、『崩す覚悟』は、今までできていなかったかもしれない。
 『矢』を使って、『スマイリー・スマイル』を滅ぼす……
 その先にあるのが『元通り』の世界じゃないという覚悟は」

矢を刺した手の甲を見る。
『覚悟』――――『元通り』じゃあないのは、『自分自身』だろう。

「……今、声を掛けられなければ、曖昧なままだった。
 『ありがとう』……私も、貴女のように『気高い』道を行きたい」

         「貴女は私の人生で、『最上』の『仲間』の一人よ」

785『星の瞬きに 世界が終わる日に:2020/04/13(月) 23:31:55
>>784(黒羽PC)

「…………そうか。無粋な問いだったな」

「『ありがとう』は、私の台詞さ。
本来、途絶えていた筈だったんだ。私の道は、あの店で……」

振り向いた先には、教室の椅子に腰かける女性が居た。朱色のコート
耳には幾つかのピアス。ケープに壁に圧し潰された『ベリル』の生前が。
 ……少しだけ、忘れがたい其の人物の容姿に微妙な差異はあった。周囲の
教室や外の風景もだが、色が付いてない……全て『モノクロ』だ。
 真っ白な世界を、インクの黒のみで構成しているような世界に貴方とベリルは
二人っきりで向かい合っている。

少しだけ、沈黙を守った後に彼女は貴方を見詰めて口を開いた。

「此処は、黒羽。お前の心象風景……お前が生き抜いた精神の断片。矢によって引き起こされた
内側の現象の中で微睡んでいる……。
 私は、死んだ。だが、お前は『忘れない』と告げた。だから、私は此処に居られる」

そう長くはいられないが、と。彼女と短い同行の中では決して浮かべなかった悲しそうな微笑を
貴方に見せながら話は続く。

「単刀直入に告げよう。奴等を倒す術を、奴等の能力に抗う術を知りたい筈だ。
……私は、神様でないからな。ソレの答えを持ち合わせてない。
だが私の能力は、確か教えたよな? 嘘を見抜き、裁く……。
 つまり、謂わばソレは  ――『真実の看破』だ」

              ――ドクンッ

空間に揺らぎが生じた。すると、教室の中の机や椅子等の備品……いや、『インク』で描かれてた
であろう黒い構成物は取り払われ、全てが白に染まったかと、思うと空間全体に文字が浮き出た。

……これは、どうやら貴方達の今までの体験談を記した文章のようだ。
斑鳩・成田・そして貴方(黒羽)が奴等と遭遇し、ここまで歩んできた記録。
(※メタ的に言えば>177から星の女やPL・GМの質疑などを抜かせたレス内容を抜かせたもの)

「……私のシンプリー・レッド、第二の能力 通称『RRoD(レッドリングオブデス)』 」

ベリルは血に濡れたような深紅のスタンドを傍らに発現させ、そして鉄輪が
両腕に二つずつ嵌められた両腕を地面に埋め込むように振り下ろした。

 ……すると、無数の記録の中から四つの文が浮き上がる……

・[It is not in the stars to hold our destiny but in ourselves.]
(私たちの運命を握っているのは星の中ではなく、私たち自身の中だ。)

・>332[The Show Must Go On]

・>753[逆位相]

・>770[精神性]

この、四つの文字が紅のように眩しく輝いていた。

 
           ――カツ  カツ   カツ

……気づけば、ベリルは貴方に背を向け遠くへと歩いている。
 その先には目を凝らすと、教室の引き戸のような扉が見える……。

786黒羽 灯世『インク』:2020/04/15(水) 07:04:08
>>785

「…………私は『未練』深いのよ、こう見えてもね」

「諦めが悪い、とも言い換えられるかしら?」

モノクロを見る必要はない。
朱色だけでいい。

モノクロは本質的に『己の力』だと理解できる――――

「これは……私達に起きた、『事実』……なら、あの二人は……」

浮かび上がる文字は、自分自身すら知らない『事実』の列挙。

「…………『私たち自身の中』」
「『ショーは終わらない』……『逆位相』『精神性』」

そして謎めいた四つの言葉。
それも、『意味』は分からない。
『それらしさ』を求める事は出来ても、それは答えではないだろう。

「……行くのね、ベリルさん」


             ザッ

「あなたのくれた『真実』も、私はこの先に持っていく。
 それがどこに辿り着くかは分からないけど……私は『強い』わ。『無駄にはしない』」

『笑いの逆位相』は『悲しみ』――――『それだけ』とは思えない。
斑鳩は『涙を流していた』 成田は『悲しみに叫んだ』――――『それ』を繋がなければならない。

787『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/15(水) 23:00:08
>>786(黒羽PC)

ベリルは引き戸のある場所まで辿り着いた。
 天国か、または別の何処かなのか……それは通過したものにしか解らない。
ただ、彼女の魂は無事に、奴等の手に届かない向こう側へ旅立てるのだろう。

ベリル「黒羽……覚えてるか? 斑鳩と成田、あの二人と別れて通路を散策してた時の事」

戸に手をかけた彼女は、ふと気が変わったかのように振り向き、そんな事を呟いた。

ベリル「あの時、一緒にコーラを飲んだよな。真っ黒で、お前の翳す力と同じ色合いの」

ベリル「……美味かったよ。本当、可笑しみを感じる位に美味かったんだ。
また、別の形で。何時か何処か違う場所で、また飲み合えたら良いな……」

ベリル「お前は『強い』さ……でもな黒羽。たまには弱さを見せたって良いんだ。
強さ、弱さの意味を履き違えるな」

        「――忘れるな。私は何時だって、お前が名を記してくれれば……」



  ・   ・   ・

視界が暗転する。貴方は立ち尽くした状態で、少し手の甲に切り傷が見える片手と
少し神々しい色が淡く見えるが、次第に弱まっていく矢を握っていた。

『ヒメアカタテハ』と思える小さな影は、強く羽ばたき寮の壁を越え
空の彼方へと飛び去って行った……。

ヤジ「おぉーーーい! 黒羽ちゃんっ、こっちは準備完了だ!
 何時でもオペラのほうへ突撃出来るぜ!」

呼びかけがホールから聞こえた。彼等の準備は完了したようだ。

788黒羽 灯世『インク』:2020/04/15(水) 23:31:34
>>787

『強くあれ』――――それを『学んだ』日があった。
黒羽一族の寵児ではなく、『黒羽灯世』として。

「…………あなたは私の最上の仲間。
 そして、『二人目』の『先生』だったのかも、しれない」

                「……行ってきます」

その考えが消える事は無い。
『弱さを見せることは記者にとって致死を意味する』

だが――――『弱さを見せられない』事も『弱み』ならば。

「…………!」

「ここは……」

周囲を見渡す。
矢は、『役目』を終えた――――それが分かる。
『インク』がどのように変わったのかは未知数だが。

「ええ、私も準備は出来た、のだわ。すぐそっちに行く」

……『ヒメアカタテハ』を目で追う事はしない。

ホールに向かう。『インク』を確かめるのに時間を割く余裕はあるまい。

789『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/16(木) 23:17:35
>>788(黒羽PC)

 ブロロォ……。

キャンピングカーは芦田を運転手として発進した。後部には段ボールに詰められた
密封してても可燃性特有の匂いがする瓶なり空き缶爆弾なりが詰められている。
中央には、貴方達五人が少し息苦しさを感じつつも自分なりのスペースを確保して
道なりを曲がる時の揺れを自力で支えつつビッグ・クランチ向けて走っていた。
 もう少し走れば、総合体育館 アリーナ地下拠点のある場所を通過するだろう。

ヤジ「……出来れば、緊急性高い時の連絡網なりのリストを回収したかったが」

小林「無い袖は振れませんよ、親友。
……黒羽さん、そのオペラ氏に情報を求めるとして。恐らく高い可能性で
取引などの交渉が求められると思いますが……どうします?」

ヤジは、少々名残惜しく自分が勤務していたアリーナのある場所を窓越しに
眺めつつ呟き。それを小林は諫めつつ貴方に到着次第の方針を振った。

確かに、大食堂の場所で従者たちに囲まれていた彼女が素直に貴方達へと
情報を出すとは思わない。ザ・カード・チートが裏社会の上級層である事を
仄めかしてたのを考えれば、大体のものは自分の力で保持してると考えられる。

若しくは、強硬手段で戦力未知数の彼女に戦いを仕掛け脅迫するなり
他の方法もあるだろうが……。

790黒羽 灯世『インク』:2020/04/16(木) 23:51:18
>>789

「確実な『世界滅亡』の瀬戸際に、ゲームに興じるような手合だものね。
 素直にハイ、じゃあ話しますとは行かない。かといって差し出せるものもほぼ無い」

「『アドリブ』で行くしかないでしょうね。『これを出します』なんて、
 決め打ちできる『正解のカード』は、少なくとも私には思いつかない……」

いずれにしても『強硬策』は『最後の手段』でしかない。
レクイエム化した『インク』も、無敵ではないだろう。
そもそも問答無用で殺すような力があったとして、
それを発動してしまえば『吐かせられない』なら無意味。

「偶然あるとしても、『私たち自身がそれの価値を知らない』カードは提示出来ないしね」

珍しいものといえば『使い終えた矢』くらいのものだろう。
いずれにせよ、今から足掻いてもモノは増えない。到着を待つ。

791『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/18(土) 00:10:56
>>790(黒羽PC)

   ブロロロォ……キキィ。

キャンピングカーは、特に障害なくビック・クランチへ辿り着く。
 スマイリー・スマイルの奇襲は懸念にあったが。今のところその兆候は見られない。
奴等に斑鳩や成田が取り込まれているなら、この車の情報なりもある筈。まだ、それが
全体に行き届いてないだけかも知れないし、別の理由も考えられるが……。

アリゼは、ある程度の食物を自分のスタンド ピンククリーム・69へ摂取させ車内で
成人男性程度の大きさのピンクスライムの大きさへ変貌させ食堂玄関口へ堂々と降り立つ。

アリゼ「私のスタンドなら、矢でも鉄砲でも受けきれるしね。先頭は任せろって」

無言で、そんな彼女をそれとなく庇える位置で人サイズの規格外な黒い包丁のような
鉄板のヴィジョンを背負うハガネが続き、貴方の隣に爆弾なり忍ばせたヤジと小林。
貴方達の後ろを芦田がやる気なさそうに続き、そんな挙動に何時も通りと言った感じで
スタンドが小言を本体に呈じしている。

黒羽御一行が大食堂の入り口となる階段を上がろうとした束の間、その玄関は開け放たれ
数人の油断ならない目をした若者たちが出迎える。

アリゼ「あらあら、1日振りねぇ小鼠ちゃん達。顔ぶれを変えて、今日はどんな御用事?」

従者達の列の後ろから、そう陽気な声でゴスロリの少女……『オペラ』は
何もかも知りぬいたような笑みと瞳で黒羽達を見下ろした。

アリゼ「まぁ、要件は大体わかるけどね。
――何を貴方は差し出せるの?」

黒羽だけを見詰め、オペラはそう訊いた。

792黒羽 灯世『インク』:2020/04/18(土) 02:44:54
>>791

まず自分以外の全員を手で制する。
彼らはここまで自分に『選択権をゆだねて来た』のだ。
ここでも自分の『選択』を損なわせてほしくは無い。

「『何が欲しいのか』――――それが分からないとどうにもね。
 『サンタクロース』だって『お手紙』がなきゃプレゼントを決められない」

「――――けど、『記者』っていうのは結構『贈り物』が得意なのよ」

               スゥ

『矢』を見せる。
もちろん『使った後の』だが、『無価値』ではないだろう。

「『レクイエムの矢』」

「これはあげられない。『私自身に使った』
 貴女は『何でも持っていそう』だけど、
 ……『スタンド』は『替えが効かない』。
 まして、『レクイエム化』したスタンドはね」

が、価値を知らないカードを提示はしない。
提示するのは、己がよく理解する価値。

「それを使う本体……『私の価値』は、既に、少しは示したわね」

すなわち。己の『強さ』だ。

『オペラ』には一つだけ間違いのない『事実』がある。
それは、彼女が『人間』を協力者にしている事だ。
自分が動くのが面倒なのか、人を使うのが好きなのか、
それとも純粋に必要なのか、理由は無いのかは知らないが、
彼女は常に『他者』を動員している。『自力だけに頼らない』。

推論でしかないが、『道理』だ。

「貴女に『身を捨ててでも、全身全霊で私の目的を助けろ』なんて、
 そこまでお願いしに来たわけじゃない、それは分かってくれてるはず。
 今『手を貸して』欲しい……その分、私は『この後で手を貸しましょう』」

「『スマイリー・スマイル』……これが『終わった後』にあるのは『平穏』じゃないわよね。
 『表社会』もだけど……あなたの遊び場、『裏社会』にこそ、『動乱』が待ってるんじゃない?」

「貴女は既に戦力を持っているかもしれない。
 でも、『私という大戦力を確保するアテ』はまだ無い……」

――――『スマイリー・スマイルを倒したので世界は平和になりました』。
そんな甘い話は無い。最低でも『アリーナ』の消えた『空席』は『火種』になるし、
『エクリプス残党』の有力者も、『解決できた事態から逃げた』という事実は『立場を崩す』。
動乱は必ず来る。それは今回のような『災害』ではなく、『スタンド使いの戦争』という形のはず。
武力行使をしあうのか、テーブルの上で行うのかは知らないが、『戦い』はやまないだろう。

無論だが、単に今手を借りるために未来を安売りしているのではない。むしろ『先も見ていた』。
黒羽は、『この事件を終わらせた後』――――『素知らぬ顔』で日常に戻れるとは考えていない。
自分は知りすぎた。背負いすぎている。恐らくは、望まずとも来たる『動乱期』の『当事者』になってしまう。
『弱さを自覚する』……抗っても恐らく『オペラ』には勝てない。だが、『近付いておけば、監視する事は可能』だろう。
また、少なくとも事件を解決した直後にいきなりオペラによる奇襲を受けるとか、そう言う心配も減らせる。

――懸念は『ヤジらの反発』など幾つかあるが、彼らに『代案』は無いだろう。あるなら話は別だが、まずは惜しまず、このカードを切る。
日和って『安全・安心そうな無難で安いカードから切っていく』のでは、このオペラという狂気の女王をテーブルにさえつかせられまい。

793『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/18(土) 19:54:57
>>792(黒羽PC)

「…………」

オペラは、貴方の話に茶々を入れるとか口を挟むなどするでもなく静かに耳傾ける。
 『未来』……この世界が変革する規模の能力。スマイリー・スマイルの終末を
押し留められると言う自信を暗に秘めての交渉。隣にいるヤジなどは、何か
言いたげな顔をするものの貴方の邪魔をする事は無かった。

 「――ハッ」

「あは……あっはっはっはっはっはっはっはっ!!!
 ははは……あー、可笑しい。って、ストップストップ
なに問答無用で攻撃仕掛けようとしてるのよ」

目を瞑り、黙り込み貴方の言葉を吟味していたオペラは。
数秒後に眉間を震わせたと共に哄笑を放った。
 すかさず、笑い声にトラウマのある面子である小林やヤジ
情報のみだが危険性を理解してるセイヴィアー達も臨戦態勢に移るが
アリゼは笑いを抑えると、軽く手を振って自分が正気? であると告げる。

一息つくとばかりに、控えさせてる者達の一人から適温の紅茶が入ったカップを
受け取って一口味わうと、冷笑と共に貴方の交渉に感想を述べた。

「……不確定で 不確実で 不安定で 不慥かな話ねぇ。
まるで、この終息が貴方の中では既に決定事項みたいな話し振りじゃない?
『記者』なんて辞めて作家におなりなさいよ、貴方。その頭の中の絵空事を
文章にして出版すれば、きっと大ベストセラー間違いなしよ」

まぁ、もうベストセラーになる程に読者となる人類がこの世界には居ないでしょうけど
と、彼女は自分のブラックジョークに先程よりも小さいが再度笑い声をあげる。

「……まっ、いいわ。『貴方の知りたい事、聞きたい事』
教えてあげるわよ」

笑い声を収めた彼女は、唐突にそう答えた。
 
「どう言う風の吹き回し、って思ってそうね?
あのね、私には正直『どちらでもいいのよ』
世界が終ろうとも、このまま続こうとも。
 終わるなら終わるで、最後の最後は派手に周りが壊れるまで
遊びまわるだけだし。終わらないなら、終わらないで、その後の
誰かさん達が作る枠組みの中を突っついて嘲笑って生きてくだけよ」

お判り? 敏いと自分で思ってる野鼠ちゃん。そう彼女は謡いつつ告げる。

「ずっと……何でも求めたら大体手に入る、そんな飽きがくるこんな世界に退屈してたわ。
貴方達には判らないでしょう。でも、当たり前よね。自分の心を理解してくれるのなんて
自分以外に存在しないわ、私は一人例外を知っているけれど。
 そんな飽き飽きした世界が、どう言う形とて終わる。こんな素敵な事ってそうそう無いでしょう?」

ヤジ「……いかれてるぜ、あんた」

思わずと言った拍子に、小さく貴方の隣で不良青年が涙と流れる鼻水を拭き取りつつ呟く。
 目敏く、オペラはそんな彼を鼻で笑いつつ返答した。

「どう思われても構わないけどね。……それでね、野鼠ちゃん
つかぬ事を聞くけど、どうやって貴方。件の崩壊を終わらせようと思ってるの?」

大小判を押したからには、何かしら確証あってのプランなのでしょうね。と
呟き、貴方の答えを待つ。

 オペラは、何であれ知りたい事を彼女が知る範囲で情報を開示してくれる
気分なようだ……この機は逃せない。

794黒羽 灯世『インク』:2020/04/20(月) 02:22:19
>>793

「あなた……『推理小説』の追い詰められた犯人みたいな事を言うのね。
 まあ、私の文才は『フィクション』にだって、もちろん対応してるはずだけど」

黒羽は己の知性に自信を持っている。
そして、『前進』『上昇』の志向にもだ。
根拠など必要ない。『才が無い』と断じる事は出来ない。
進もうと……上ろうとしようとする限りは。

「……『感染拡大の防止』は『必須』。
 今無事な人間は、一人でも多く生存すべき。
 それから『敵の減少』は『必要』ね。
 こっちに伝染はしなくても、世界が奴らに
 埋め尽くされていたら『生活』が立ち行かない。
 その減少方法としては……『能力の除去』が理想」

「拡大防止の条件については……多少のあたりはついているわ。
 実験なんてしてる暇はなかったから、本当に『あたり』だけだけど。
 『涙』……『泣く』『慟哭』……『笑うの逆位相』の『精神』に鍵がある」

「それを解き明かせば、まず『問答無用の全滅』は避けられる……はずよ」

795『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/20(月) 22:49:26
>>794(黒羽PC)

>それを解き明かせば、まず『問答無用の全滅』は避けられる……はずよ

オペラ「なーんだ……結局、全部貴方の中の推論で たら ればの域を出ないって事ね?」

肩透かしをくらった、と言う顔付きにオペラはなる。

オペラ「能書きは良いのよ。証明をしてみなさいな
貴方達の中の一人が、能力で変貌する前に回復したって言うのが偶然で無く
誰か見聞きしても納得できる説明を」

アリゼ「あん? どうやって、その情報知ってんのさ
私達の誰も、んな事話さなかった筈だけど」

オペラ「私は全知全能なのよ、子猫ちゃん。……冗談はさておき
野鼠ちゃん、私が無償でコートを上げるような慈善家では無いって事よ」

小林の回復例……それに関して、どうやら貴方のコートに盗聴器が
取り付けてあったのであろう事が伺える旨を彼女は告げる。

オペラ「それと、こんな寒空の下で長話する程に私は気が長くないの。
慈悲深い私はもう一度だけ言ってあげるわ。
『貴方の知りたい事、聞きたい事教えてあげる』」

そう告げて、彼女は紅茶を啜る。
……これ以上は、オペラは貴方達の話に対し関心を向け
良い方向へと行動を取ろうとする気紛れは起きなさそうだ。

796黒羽 灯世『インク』:2020/04/21(火) 00:36:12
>>795

「『結論』が分かるなら、もう行動してる。
 裏どりなんてしている場合じゃないもの。
 『推論』しかないから、『聞きに来てる』の。
 『知りたいこと』『聞きたいこと』をね」

「単刀直入に聞く。『笑いの感染』を防ぐ手段、貴女は知っているの?
 あるいは『回復できる手段』。もしくは『根絶』……『解決策』」

回りくどい言葉のやり取りは『勝ち目』は無いだろう。
盗聴器を調べる手段は存在しないし、
それ以外の情報力も相手のそれは不明だ。

ならば遜って見下され続けるより、ストレートに聞いた方が早いだろう。

797『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/21(火) 22:39:45
>>796(黒羽PC)

>『笑いの感染』を防ぐ手段、貴女は知っているの?

アリゼは、頬杖をつきつつ。若干呆れ声で返答する。

オペラ「しーらない。と言うより、知っていたら他の皆が
海のほうに避難なんてしない筈だって、分からないかしら?
 まぁ、特定の攻撃をシャットダウンするとか。そう言った
防御系の能力者はエクリプス内に居た筈だけど」

私、そこまで組織の者に深く関わらないし。と彼女は区切る。

>『回復できる手段』。もしくは『根絶』……『解決策』

オペラ「それこそ、そっち側が理解してるんじゃないの
『回復できる手段』の前例が、そっちの控えてる誰かでしょ?」

彼女は、黒羽の傍にいる者達をズラッと見つつ、話しを続ける。

オペラ「少しも興味が無い、とは言わないわ。
もし、その回復手段が解明されるなら。私も悪魔じゃないんだし
助ける取引は可能よ。とは言っても、世界中がスマイリー・スマイルに
侵されるタイムリミットも……残り一日あるかどうかって感じだし。

『根絶』? 私のほうが聞きたいところだけど。
『解決策』だって全くないから、こんな場所を占領して気ままに
遊び耽ってるって言うの見て分からないのかしら?」

オペラは段々と表情と声につまらなさと不機嫌さが見え隠れしてきた。
 貴方(黒羽)との会話に、楽しみが持ち得なくなってきている……。

798黒羽 灯世『インク』:2020/04/21(火) 23:34:54
>>797

「成る程、確かに『全知全能』じゃあないのね」

『小林は、なぜ回復したのか』――――
それが分からないゆえに聞きに来たわけだが、
それが分からない限りは助力を求められないという事か。

                チラ

……背後に控える人間たちに、何らかの期待をする気は湧かない。
『戦力』は頼りになるだろうが、『状況』がそれを許すまい。
『斑鳩』『成田』の喪失は大きい……彼らも『判断ができる人間』だった。
が、悔やみは無用。この空間で唯一『上』を向く自分が。やらねばならない。

(……『小林先輩自身』にも『心当たり』が無い。
 『ヤジさん』のように『仲のいい人間』でも同じ。
 『インク』の新たな力……その片鱗でわかったのは、
 4つの単語……[The Show Must Go On][逆位相][精神性]
 そして[It is not in the stars to hold our destiny but in ourselves.])

(『私たち自身の中』……
 『自分の中で、笑いと逆位相の感情を止めどなく保つ?』
 『笑いとは逆の感情』……私たちは『常に』そうだった……)

(『確証』……そう言えるものがそこから導き出せる?
 導き出せたとして、『証明手段』がどこにあるかしら……)

自分がどの程度『進行している』のかが分からない。
他に進行している可能性があるのは『小林』だが、
それもやはり、進行度が分からない以上『治療の実感』が無い。

「……」

         ス

可能性があるとすれば――――『インク』の中にあるのではないか。
『墨の量が増える』『造形が出来る』が、あの光景が『全て』と断定はできない。

スタンドを発現する。『インク・レクイエム』は――――『何が出来る能力』だったろうか?

799『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/22(水) 23:45:31
>>798(黒羽PC)

貴方は『インク』を発現する。『矢』に刺す以前と、そのヴィジョンは
特別に形が変わっているようには見られない。
 スタンドを発現した事に、少しだけオペラに従属する者達は警戒の色を
空気に濃くしたが、直ぐにリーダーである彼女が手で何もしないように
示唆した為に動く事はない。

オペラ「ふぅん? それがレクイエム化したって言うスタンド……ね」

目で彼女は語っている。『豪語したからには、実際にその力量を示せ』……と。

(※いま黒羽PCの能力は、詳細にも記されている基本的なスペックは変わっておらず
『ゴースト・ストーリーズ』も変わらず使用は出来ると感覚的に理解してる。

『レクイエム』としての能力を引き出すとして、『明確に何を望む』か『何を再現』
するかをスレ内で記入して頂ければ、GМがそれを見た上での行動処理を行う。

※:他にも引き出せるものは存在する。ベリルとの最後の台詞がヒント    )

800黒羽 灯世『インク』:2020/04/24(金) 02:07:40
>>799

『インク・レクイエム』――――『何が出来る』のかが分かった。

「……」

            シャッ

『ゴースト・ストーリーズ』は変わらず使えるようだ。
が……『インク』は『スタンド能力』を再現できない。
『ゴースト・ストーリーズ』で『小林の快復』を再現しても、
それは『スマイリー・スマイル』の影響を省いたもの。
つまり無意味に近いのは、『変わらない』だろう。

そもそも『あの快復は見た目には何の変化もなかった』。
あの様子を見せる事が仮に『偶然そういう成長で』出来たとして、
『なぜなのか』は分からないまま。それでは『納得』は得られない。
『出来るかも分からないし意味も恐らく無い事』を今する時間は無い。

(つまり……その先。『レクイエム』の領域に『踏み込む』必要がある)

    (『スタンド能力の再現』は……出来ても意味がない。
     『スマイリー・スマイルの能力という事実』は、
     この世界の誰もが知らない可能性が高いのだから。
     あるいは斑鳩さんや成田君、ベリルさん……
     彼らのスタンドにも『答えを出す』効果は無いし、
     治療に使えても『効き目を証明する手段』は無い……)

         (なら例えば……私があの時見た『光景』。
          『私が知るはずのない光景』。
          『斑鳩さんや成田君の心情』まで読めた)

            (……でもアレは『各々の主観』。
             『状態』は各々には分からない。
             『ゴースト・ストーリーズ』は『1度に1つ』。
             小林先輩を出して、それで終わりにしかならない)

(それなら、あるいは……『小林先輩のそれ』とは違って、
  極めてハッキリ『精神を向上させる』効果があるものなら?)

(『知らないし答案の無い方程式』を追い続けるより、
 ……強力な『精神作用』を持つ、『アレ』を『再現』出来ない?)

ハッキリ言って――――『逆位相』も『精神性』も『主観性』の強い概念だ。
意味するところは立ち位置次第で大きく変わるし、『証明』の手段に乏しい。
運よく『治療に使える効果』を帯びた『何か』を再現したとして、
それが小林や自分に効いたとして……それも『主観』の範疇だ。
感染していないであろうオペラ自身に『客観的に証明して見せられない』。

それに対し黒羽は戦いの中、唯一、『精神に効くことが誰にでもわかる』ものを知った。

                         ――――『コーラ』。
                               ベリルと飲んだ『アレ』を、出せないか?

801『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/25(土) 21:02:48
>>800(レス遅れ失礼しました)

『スマイリー・スマイルの能力という事実』
貴方はそれの再現を考えるものの、直ぐに思い直す。
 『レクイエム』化した『インク』は、スタンド能力も再現出来るかも知れない。
然し、仮に再現したところで。今この場で、その能力が自分達に影響を齎すのか?
 そしてオペラを『納得』させられるのか? 様々な不確定要素が山積みにされている。

そこで貴方は『コーラ』を思い至った……。

   シャララ

             キィィ――zノイン・・・!

インクによって、宙に書かれた『コーラ』と言う字は、収束されて
一つの硝子瓶とキャップ。その中に黒い液体が並々と詰まっている。

あの時のコーラ……ベリルと一緒に飲んだ精神の活性化のコーラだ。

オペラ「……ふぅん」

そのコーラは『実体化』されていた。ヤジも行き成り現れた物体に
目を瞬いてる事がソレを証明している。
 おもむろに、オペラは階段を降りると無造作に貴方が発現された
コーラを周りの従者が制止の声を上げる間もなく口にした。

 ゴクゴク…… プハッ

オペラ「…………ふぅん」

数秒の沈黙、そしてコーラを冷ややかに向ける視線は貴方のほうにも向けられる。

オペラ「……『再現』か。『再現』ねぇ……野鼠ちゃんの詰まっている
脳味噌の中に、この迫りくる終焉を止める『真実』を『再現』出来る可能性は
あるって言う訳? …………ふぅん」

 オペラは、余り面白くなさそうな表情で貴方を見遣る。
その纏う空気は面白くなさそうで刺々しさがあり、周囲が口出し出来ない高圧さがある。

オペラ「……『アハガル山地』には、『入ってはいけない洞窟』があるって言う話があるわ」

数秒、睨むような半眼を向けてた彼女は。そう、ぼやくように階段を上がり同じ位置に
戻りながら貴方へ告げた。

オペラ「『入ってはいけない洞窟』に入ると、どうなると思う?
ま、誰も戻ってこないのだから確かめようがないけどね。
 けど、サン族の言い伝えではこう言われてるらしいわ。
その洞窟には、人一人分の割れ目があって『地獄』へと通じている」

まぁ、少数民族の良くあるありふれた言い伝えだけど、と彼女は区切りつつ
貴方に対して、嘲るような口調で告げた。

オペラ「仮に、あのスマイリー・スマイル達の本体がアハガル山地の
『入ってはいけない洞窟』に落ちた何者かで、その落ちた最中に
発現したのがスマイリー・スマイルだった……って言うのなら」

この今も、世界を地獄絵図に水面下で広げてるのも、何だか納得出来そうじゃない?
 と、オペラは妙に説得力のあるような仮説を立てた。

802黒羽 灯世『インク』:2020/04/26(日) 00:22:34
>>801

『ぶっつけ本番』――――『アドリブ』というほどきれいでもない。
『インク・レクイエム』が『偶然』これを可能にしていた『だけ』。

だが、それで『負けない』なら悪くは無い。

「『可能性はある』――――わ。
 『インク』は『私の想像』を超える『事実の力』がある」

「『何もできずには終わらない』……」

今の『インク』は、黒羽の『記者の信念』さえ超えた能力だ。
己の確かめていない真実を『確かに知っていた』。
それこそ、『レクイエム』足る力なのだろう。

「……『入ってはならない洞窟』?」

僅かに気圧されながらも、謎めいた言葉を反芻する。
『地獄』に繋がる洞窟……『眉唾』だ。

だが、この『災害』もまた『眉唾』……『妙な説得力』だ。

「成る程…………『それ』を探すことは、『解決』に繋がるかもしれない」

「『地獄』は、『人間の心』が生んだ概念だけど……
 もしあるとすれば、まさにすべての『人間の心』と繋がるもの。
 心を通じて『全世界』に拡散されるだけの謂れはある」

「何の情報もナシで『アハガル山地』に行くよりは、よほど指針になりそうだわ」

803『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/26(日) 22:17:09
>>802(黒羽PC)

>何の情報もナシで『アハガル山地』に行くよりは、よほど指針になりそうだわ

オペラ「何しに?」

 彼女は、差し出された紅茶のカップを軽く回しつつ貴方へ訊いた。

オペラ「その地獄へ繋がる場所を岩か何かで塞ぎに?
それとも、其処へ飛び込んで貴方のその筆で本体を倒しにでも?
 冗談は休み休み言いなさいな、野鼠ちゃん。

貴方や、その御仲間たちで。どう其処まで無事に辿り着いて
どうやって能力を解除するおつもり?
 レクイエムのパワーで、なんでもかんでも解決出来ると思ってるの?」

皮肉気な笑みを向けつつ、彼女は嘯く。

オペラ「まさか、私がそこまで連れてってあげるとか期待してるのなら
先に言うけど拒否するし無駄よ。
 貴方のヒーローショーに付き合う気は毛頭ないわ。
もう知りたい事は全て教えたと思うけどね?」

くるりと、彼女はゆっくり背を向けてビック・クランチに戻ろうとする。

アリゼ「おい、まだ……」

ハガネ「やめておけ……呼び止める権利があるのは、その娘(黒羽)だけだ」

控えてる勝気な彼女は、話は終わってないと告げようとするが。そこで
一段とオペラを中心に空気が終わるのを最強の傭兵が感じ取り、制止する。

これ以上はオペラも話に付き合う気が無いようだ。
 何か関心を向けられる要素が、最後に2、3 交渉の場に表立った貴方が
乞えば何かしら聞けるかも知れない……。

804黒羽 灯世『インク』:2020/04/27(月) 20:38:13
>>803

「『何もしない』なんて事はあり得ない……それだけ。
 貴女に理解してほしいとも、してもらう必要もないわ」

「貴女は『情報』をくれた。『知った』ことは『動く』理由になる」

オペラは『神』ではない。
結局は『スマイリー・スマイル』の『被害者』の一人でしかない。
彼女の『意向』に沿わない事は『意味がない』……そんなわけはない。

ここでの話は『終わった』……彼女は『これ以上知らない』。
少なくとも『スマイリー・スマイル』攻略に直結するような、
大きなヒントなどは持っていないか、『言おうとしない』だろう。

「いえ……いいわ、呼び止める理由は私には思いつかない」

それ以外の『彼女について』や『彼女の所感』等を聴いても、
そもそものスタンスが違いすぎる事、そして現状への意味を考えて、
『妙な地雷を踏んで彼女から妨害を受ける』リスクとの天秤には乗らない。

必要なのは『確度のある情報』だ。
彼女自身言っていたように、『解決につながる情報』は無いのだろうから、
これ以上の干渉は余計なリスクを増やすだけだろう。呼び止めない。

805『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/28(火) 00:29:36
>>804

He looked at me I looked at him〜♬
He sized up me I sized up him〜♪

 ……ゾロゾロ バタンッ

ヤジ「……はーっ 生きた心地があんましなかったな
こっから、どうすんの黒羽ちゃん? 学生寮に戻るかい」

オペラは、森のくまさんを口ずさみつつ貴方達の視界から消えた。
不良青年は、オペラと従者たちが全員大食堂の中に戻るのを見届けると
大きく溜息をついて、貴方にそう声を掛けた。

アリゼ「唯一、なんか知ってそうな奴から聞いた情報は
価値があるのかないのか、いまいち不明だったが……その、アハガル山地に
本気で行くって言うのなら、何とか飛行機を手に入れる伝手を探すしかない。
となると、空港まで直行で行ってみる?」

ハガネ「……実力行使で飛行機を略奪出来たとして、運転はどうする気だ?」

アリゼ「ぅ゛ ま、ちょ ちょっと誰かしら脅せば何とかならない、かなぁ……」

控えてる他の者は、各々と自分の考えは口にするが。この現況では指針が無いゆえに
進むべき目標が出来ていない……。

小林「一先ず、何処へ向かうべきか……ですね。話から察するに総合グラウンドの
アリーナは、行くのが余りに危険すぎる。
 ……親友、他にアリーナの支部がある場所は?」

ヤジ「倉庫街とかにも、ある筈だが……あそこら辺は俺もほぼ出入りしてないから
場所こそ大体検討つけていても、安全なのかどうかわかんねぇよ。
 ただ、まぁアリーナの機能が生きてんなら自家用ジェット機とか手配出来る
可能性は、今の状況を話せばワンチャン借用可能……かねぇ」

そう言った話を不良コンビは伝える。ただ、その情報源が期待出来るかは
未知数である事は言うまでもない……。

806黒羽 灯世『インク』:2020/04/28(火) 02:22:30
>>805

「『貴方たちも皆来なさい』とは言わないけど、
 『何もせずに終わりを待って遊ぶ』よりは、
 『死地に飛び込む』方が私は『上』だと思うわ」

座して死を待つつもりは無い。
無意味に暴れ回る気も無いが、
意味があるかもしれないなら動かない理由は無い。
『時間の無駄』かもしれないが、動かない時間にも意味は無い。

「……『アハガル山地』に謎を追いに行くか、
 それとも『治療法』の実験でもやってみるか。
 あの場で『オペラ』を納得させられる根拠が無かったのは、
 『インク』の挙動を完全に理解できていないから、というのも大きかった。
 それと、どれだけ試しても『確たる証拠』にはならない、っていうのもね」

繰り返すようになるが、『スマイリー・スマイル』の症状は無自覚。
『治ったという証拠』などというものは、『存在しない』可能性が高い。
外から見ても『わかる』状態の患者を用意できるならば別だが、
あの場では調達できない(『インク』次第だ。試す余裕は無かった)

――――時間を取れるなら、幾つかの前提は覆る。

「もしくは、例の『地獄への裂け目』みたいな話が、
 『国内にも無いか』でも調べるか……っててところかしら。
 『地獄』とやらに通じる穴が、世界に一つだけとは限らないのだし……
 これをやるなら、今言った『治療法の実験』と並行してもいいかもしれない」

『何もしない』ことは停滞だ。『可能性』がある限りは『動く』ことが、『上等』なやり方だろう。

807『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/28(火) 22:55:47
>>806

ヤジ「となれば、だ。どちらにしろオペラ女王様の話の信憑を高めるのと
移動手段を確保する為に『倉庫街』へ行くのが一番ベスト……だな」

貴方の話を聞いて、方針は決まった。行き先は、アリーナの他の支部があると言う
『倉庫街』へとだ……。

車を走らせる道中、何の気なしに芦田は備え付けてるキャンピングカーのラジオを付ける。
 そこからは、幾分興奮した声でこう話し声がなされていた。

『……皆さんっ 今日は世界中にとって大きな記念日になるのかも知れません
世界中への平和が、人類の夢が叶う一歩を私達は目にして……』

芦田「んぁ? なに言ってんだ、この司会者」

アリゼ「……おいおいおいおいっ、なんだこのニュース?
おい、あんた達。スマホ見てみろっ」

彼女は、手持無沙汰なのを埋める為に取り出したスマホのニュースを
見た瞬間に顔付きを引きつらせつつ、黒羽含む全員に促した。

そこには、大々的にこう表示されている。

『……北〇〇 アメリカが和平の為に会談を動き出す』

『中東テロ 〇〇の指導者降伏を宣言』

『北方領土返還の意をロシアが示す』

……世界各国で起きている対立が解消されようとする動きがされている。
 全体未聞の朗報だが、これが劇的な奇跡などと日和見な感想を今この瞬間
このキャンピングカーの全員誰も抱きはしなかった。

小林「……もう、一刻の猶予も無いんでしょうね」

既に、『奴等(スマイリー・スマイル)』に国家の大部分は支配されたのだろう。

暗い呟きが車の中を満たす。依然 倉庫街を目指して街並みをキャンピングカーは駆ける……。

(※特に何かアクションを起こさないのなら、次レスで目的地の描写へ移る)

808黒羽 灯世『インク』:2020/04/29(水) 23:29:17
>>807

「…………『世界平和』……『そのための能力』だとでも?」

『日本人』である自分にも『分かりやすい』道筋。
或いは、この現象の最初の本体も、
近い文化圏に生きる人間だったのだろうか。

(平和な世界を望むのはそこで『生きる』ため……
 この能力の行き着く先は『無』であって『平和』じゃあない)

           (…………)

               ギリ

何もできる事は無い。『目的地』に到着する事を、待つ。

809『星の瞬きに 世界が終わる日に』:2020/04/30(木) 23:26:57
>>808

ヤジ「世界平和……な。黒羽ちゃん あん時、俺達死に物狂いで
あの笑顔の奴等から逃げたじゃん? あいつ等がそんなん1パーでも
叶えようって言うのが真実なら、俺は剃髪して坊主にでもなるよ」

小林「親友の軽口はともかく……まず、そんな目的ではないでしょうね。
大きなイベントで、まだ非感染な人物を集合させ。あの声の能力で一斉包囲し
感染を増幅させる……と言うのが狙いでしょうね」

貴方の言葉に、不良コンビがそう仮定を繰り出すと。運転していた芦田が
振り向いて、呟いた。

芦田「なんかめんどーな事を世界規模でやってんだな。テレビなり何なりで
その能力使用すればいいだけの話だろーに」

ヤジ「それが出来ないから集めてんだ…………あっ そうか!」

芦田の言葉に、ヤジは膝を叩いた。

ヤジ「て事は、あいつ等。まだ機械とか通して能力を拡散するの
出来ないんじゃねぇか!?」

ハガネ「……有り得なくはないな」

そう、推論を重ねたところでキャンピングカーは倉庫街に到着した。

参考画像↓
(ttps://www.photolibrary.jp/img87/24691_291501.html)

車は数台置かれている……輸送用のトラックや乗用車などもある。
 まだ早朝だからか? 人気は無く、随分と静かだ……。

ヤジ「此処ら辺の支部については、言った通り、俺は初めてだからな……
手あたり次第に散策するか?」

芦田「めんどくせー。どの倉庫入ればいいんだよ?」

全員が一先ず車から降りた……肌寒い風が貴方達の顔を叩く。

目的地まで辿り着いたが、肝心の倉庫の場所は把握出来ない。
適当に歩き回れば、それらしい出入口を発見出来るかも知れないが……。


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