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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その3
1
:
『名無しは星を見ていたい』
:2018/08/18(土) 19:51:06
短編、単発のミッションなどにお使いください。
長編やシリーズものの予定でしたら、自分のスレで行うことをお勧めします。
461
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/07(木) 00:02:14
>>460
(鈴元)
『鈴元』の言葉に『武藤』は深く頷く。
二人は再度、協力し合い、担架に『戸葉』を乗せた。
……… ……… ……… ………
赴いた『レストルーム』は、部屋の雰囲気は他の物と似ていた。
大きなソファとテーブル、中央には『お菓子』が置かれており、落ち着いた雰囲気。
個別にトイレルームが取り付けられており、大きな鏡と洗面台もある。
奥にベッドがいくつかあるのも特徴か。
これなら何人か、倒れても問題はないだろう。
協力し合い、『戸葉』を『レストルーム』のベッドに移す。
「ありがとうございます。後の事は任せて頂ければ。
『院長室』は、分かりますよね?」
『武藤』が軽く会釈する。問題なければ、
そのまま『院長室』へと向かい、『鬼塚』と会うといいだろう。
462
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/07(木) 02:18:23
>>461
ベッドがいくつもあるのはそれだけ人が入れられるようにするためだろう。
他にも理由はあるかもしれないけど。
またこのベッドに寝る人が増える日を作らないといけない。
(それはそれで問題か)
施術が立て込み過ぎている。
鏡で身だしなみを一応チェックしておこう。
「うん。院長室は一人で行けます」
「ありがとうございます」
頭を下げて礼を言って、院長室に向かう。
463
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/08(金) 07:04:11
>>462
(鈴元)
まずは鏡で身だしなみをチェック―――
清潔感溢れる『ナース服』、そして主張しすぎない『ナチュラルメイク』。
『鏡に映る鈴元』は『鈴元自身』が見ても十分に『女子』に見える。
その後、『武藤』へ一礼し、『院長室』へと向かう『鈴元』。
『呪い』を『単純なスタンドの腕力』で防止できない以上、
とにもかくにも『解決』には情報が必要だ。
今は黙々と必要な情報を集めていく時だろう。
……… ……… ……… ……… ………
「―――どうぞ」
『院長室』にてノックすると、『院長』の声が『鈴元』を出迎える。
部屋に入ると、『阿多院長』および、少し陰鬱そうな印象を受ける
細身の女性が居た。女性は『鈴元』と同じナース服を着ている。
「『調査』は順調? 話のとおり、『鬼塚さん』を呼んできたけど」
『阿多』の言葉に、
「『鬼塚』です……よろしくお願いしします………」
ぽつぽつともう一人の女性が喋る。彼女が、『鬼塚郷子』なようだ。
「どうする? 私が居るとよくないなら、席を外すけれど―――」
『阿多』がそう提案する。
464
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/09(土) 00:24:46
>>463
「……」
見られる女装なのがやっぱり不思議な気分だ。
もう少し所作に気を使えば女性として一日過ごせてしまいそうで。
(……うぅ)
自分の男性性に不満は無いが、これこれで困りものだ。
「はは……おかげさんで」
院長の言葉に曖昧に笑う。
順調というか呪いを起こしてしまった。
収穫といえば収穫なのだが。
「鈴元涼ぉ言いますぅ」
鬼塚に頭を下げた。
「あ、えっと……鬼塚さんが院長とおった方が話しやすいんやったらそれで大丈夫なんやけど」
465
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/09(土) 13:54:11
>>464
(鈴元)
「いえ……別に、話せます。一人でも」
『鬼塚』がそう答える。大人しそうな感じではあるが、
流石に一人で話せないレベルでは
ここの仕事はこなせないという事だろう。
「そう………では、私は『診察室』の方へ行っているわね。
そろそろ『セラピールーム』の患者様を診る準備をしておきたいし」
『阿多』はそう言うと、立ち上がる。
『セラピールーム』は『門倉』が立ち会っている方か。
『何事』もなければ、その後に『診察』という流れなのだろう。
このまま行けば、『阿多』は出ていくだろう。
そこから『鬼塚』との会話が始まるはずだ。
自分から何か言うようなタイプではなさそうだし、
『鈴元』から、会話を引き出してあげるといいのかもしれない。
466
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/09(土) 23:15:05
>>465
院長にはご退室願おう。
……『ザ・ギャザリング』を出現させ院長について行かせる。
セラピールームにいる門倉に呪いを起こしたのを伝えるためだ。
射程外の場合はスタンド会話で叫んでおこう。
一応、鬼塚にも見えているか少し確認だ。
「えっとぉ……改めて、鈴元涼です。今回の呪いの騒動をなんとかして欲しいと依頼されて、ここにおります」
改めての自己紹介。
「院長先生に呪いが起きる前に変わったことは無かったか聞いて、忙しなったから人を雇ったって話を聞いたんよ」
「それが鬼塚さん、でええんよね?」
467
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/10(日) 00:25:01
>>466
(鈴元)
『ザ・ギャザリング』が院長の後に続く。
『鬼塚』は見えていないように思えるが、それは、あくまで『印象』だ。
「あ、はい……『鬼塚』です」
『鈴元』の再度の自己紹介につられるように『鬼塚』も再び名乗る。
「え………『院長』がそんな事を言ってたんです?
私が『変わった事』って………や、確かに『変な事件』が起こる少し前に
私が入ったのは間違いないですけど………
え………疑われているんですか? もしかして私が?」
『鬼塚』は敏感なところがあるのか、今の話だけで不安になってしまったようだ。
468
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/11(月) 04:27:57
>>467
鬼塚は心配性なのだろうか。
口数が少なそうな感じであるし、そうなのかもしれない。
警戒されたり不安な気持ちがある状態では話もしにくいか。
「でも院長さんはこの呪いが始まっても辞めずに働いてくれてるって言ってはったよ」
「院長さんからしたらありがたいことやと思うし、多分鬼塚さんが頑張ってはるん知ってるんやと思うんよ」
あの呪いを何度も見れば辞表を出したくなる者も出るかもしれない。
しかし、それでもこの病院には人がいる。
「それに僕の聞き方も悪かったんやと思うわ」
「変わったことはないかぁなんて、怪しい人の出入りとかなかった? って、聞くべきやったやんねぇ」
「鬼塚さんが来はったんは、変わったことは変わったことでも、嬉しいことの方やよ」
柔らかく笑ってそう伝える。
鬼塚が気にする事は何一つないのだと伝えたい。
469
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/11(月) 11:51:22
>>468
(鈴元)
「え………『院長』が私をよく思っているって事ですか?
えへへ……本当ならうれしいな。
『院長』、いつも、カッコいいし、趣味もいいし………」
『鬼塚』は照れる。不安はいくらか解けたようだ。
「それで………訊きたい事というのはなんですか?
初めに言っておきますけど、私………『呪い』なんて全然分かりませんからね。
ほかのベテランの方と違って、遭遇した事もないですし……」
真剣な表情で『鬼塚』は語る。
470
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/13(水) 02:06:54
>>469
「僕はそうやと思うます……うふふ、鬼塚さん、院長先生の事尊敬してはるんやねぇ」
信頼というか、憧れのようなものだろうか。
そういう関係になる人がいるのはいいことだろう。
目標のような存在だ。
「とりあえず呪いを見た時のことを……へ?」
遭ったことがない。
遭ったことがないといったのか。
ベテランか若手というのは恐らく関係がない。
鈴元自身が呪いを確認したのだから、きっと関係はないはずだ。
「……それは」
なんでと相手に聞いても分からないだろう。
「鬼塚さんって他のお人さんと対応が違うんやろか……」
「あ、鬼塚さんは一人で患者さんの応対とかのお仕事してはるんやろか」
471
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/13(水) 04:52:49
>>470
(鈴元)
「え………そういう話出ちゃってます?
『鬼塚の対応なんか違うよねー』みたいな感じですか……?
う……うう……が、頑張っているんだけどなぁ………。
ひ、一人で応対する事もありますよ……。
穏やかな方とか………大人しい方とかは………
でも、私………なんか、『会話』を盛り上げるのが苦手で………
よく喋る患者様は、『気持ちよく喋れない』とかで、先輩方を指名したり………
イライラするとか…… なんとか………
………ううう……」
『鬼塚』は話しているうちに、だんだんと辛そうな感じになってくる。
話の限りでは、『患者が話す時間』が回数、質ともに
圧倒的に他のスタッフより少ないのだろう。
それでも『鈴元』よりは多いだろうが………
逆に『鈴元』が一発目に引き当てたのが『奇跡的』だといえるのかもしれない。
ともあれ、『鈴元』が『呪い体験』について
『鬼塚』に訊きたかったのであれば、あてが外れた事になるが―――
472
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/13(水) 22:57:08
>>471
「あぁ、すんません、辛いこと思い出させてもうて」
「誰で初めのうち慣れへんと思うし、ゆっくりで大丈夫やと思うよ?」
鈴元は彼女が今回の騒動の中心にいるのだと考えていた。
単純な考え方で、犯人の疑いがあると思っていた。
だから接触をしてみようと考えた。
若干毒気を抜かれた感があったが、しかし話してみれば犯人ではなさそうである部分の方が強い。
(気持ちよく……かぁ……)
「鬼塚さん、よかったら一緒にカウンセリングしてもらわれへんかな」
473
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/14(木) 04:25:03
>>472
(鈴元)
「あ………
はい……ありがとうございます………。
私、こういう感じなので、他の場所ではあんまり上手くいってなくて………
『院長』みたいなステキな方の元………働けるのは本当に嬉しいです」
『鈴元』の優しい言葉に、『鬼塚』は礼を言う。
『犯人』………アレが『スタンド』ならば基本的にはそれを操る『本体』がいるはずだ。
極論を言えば、『本体』をどうにかすれば『スタンドの謎』など解かなくても事態は解決する。
『呪い』の能力の詳細や、発動条件だけでなく、本体自体を特定するというのも一つの手か。
「え………『カウンセリング』? ああ……今、『鈴元さん』がやっているんでしたっけ。
『院長』が許してくれるんであれば………別にいいですけど」
『鈴元』の申し出を承諾する『鬼塚』。もっとも彼女が言う通り、
責任者である『院長』の許可は必要だろう。
474
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/15(金) 01:06:13
>>473
「うんうん。大丈夫やよ。いまお話してても鬼塚さん、ええ人やって思うし」
しかし鬼塚が犯人でないとなると困ったものだ。
院長の答えからすると新しい人の出入りもなさそうだし。
……流石に全スタッフを調べるのは難しそうだし。
「そう。もしかしたら呪いが起きる条件みたいなんがわかるんかもしれんと思って……」
「院長さんにお願いしてみよか……?」
475
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/15(金) 07:53:12
>>474
(鈴元)
『鈴元』は犯人について考える。
全スタッフ………そもそも全スタッフは何人なのだろうか。
『医師』は、おそらく『院長』一人。
更に『呪い騒ぎ』で人が辞めているとなると、意外と多くないのかもしれない。
「『呪いの条件』……? 私が居たら分かるんです……?
でも、それが分かって『院長』が喜ぶなら私もうれしいです……
『院長』、趣味もいいし、私に優しいし………」
『鬼塚』も乗り気のようだ。これ以上訊く事がなければ、
『院長』にお願いしにいくのもいいだろう。
476
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/16(土) 02:29:54
>>475
鍵になりそうなのは今のところ院長か鬼塚だろうか。
まだ分からないが。
原因が分からないことには絞り込みも難しいところだ。
「分かるっていうか、呪いが起きへんのはなんでかって調べられるんちゃうかなって」
(ほんまに院長さんのこと信頼してはるんやね……)
過剰とも思われるものかもしれないが、鈴元にとってはそれくらいの気待ちが普通だった。
院長にお願いしに行こう。
477
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/16(土) 03:41:10
>>476
(鈴元)
「なるほど……なんにせよお役に立てるなら喜んで……」
そんな『鬼塚』と共に、『鈴元』は『院長』の元、『診察室』へ向かう。
………
そういえば『ザ・ギャザリング』は無事、『門倉』の元へ行き、呪いの事を『スタンド会話』で伝えられた。
『ザ・ギャザリング』で確認した限りでは、『セラピールーム』では最初の患者との対話が終わっていた。
『セラピールーム』で『呪い』が発現した様子はなく、『角田』がそれとなく『門倉』にダメ出しをしていた。
さらっと聞いた感じだと、『門倉』がやたらと喋りすぎてしまったようだ。
そんなわけで『ザ・ギャザリング』は『門倉』に伝言を届けたまま、『セラピールーム』に居る。
そのままそこに居させてもいいし、一旦、戻すのもいいだろう。
………
そして、『鬼塚』と共に『鈴元』は『診察室』の前まで来た。
「……そう! ワタクシ、顔をいじるなんて! と思ってましたけれど、
大事なお友達がねェ、しちゃったって言うんですのよォ。ですから………」
中から声が漏れてきている。どうやら『診察中』のようだ。
流れとしては『セラピールーム』で、『門倉』達が対応した患者なのだろう。
声が非常に大きいようで、それなりに分厚い『診察室』のドアからも患者の声が漏れ聞こえる。
「………主人も、子供たちも賛成してくれて、
ワタクシ、感激してしまったんですのよ。
センセは『独身』でしたっけ?
………あらそう。
おキレイなのにねェ〜〜
やっぱり女のお医者サマだと色々と難しいのかしら? おほほ」
478
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/17(日) 02:31:00
>>477
(喋り過ぎ……かぁ……)
やはり喋る量なのだろうか。
鬼塚が呪いを見た事がないのが気持ちよく話せないからなら、その辺も関係がありそうだ。
まだ一応セラピールームにスタンドはいてもらおう。
「……」
診察室から聞こえてくる会話に少しだけ瞳が揺れた。
無意識のものだ。
あまり聞きたい話ではない。
阿多がどんな人生を歩もうとそれは自由で、独身であることも綺麗であることも何一つ問題は無い。
扉の向こうの客が笑う意味が鈴元には理解出来なかった。
「もうちょっとおろか」
479
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/17(日) 10:33:48
>>478
(鈴元)
『鈴元』は『診察室』の前で待つ事を『鬼塚』に提案する。
『鬼塚』は、無言。見ると明白な『怒りの表情』だ。
怒りのあまり、返事もできないような状況なのだろう。
「―――え?
ああ、少し声が大きかったかしら?ごめんなさいねェ。
『セラピー』の方であんまり話せなかったもので、つい。
でも、ワタクシ、さすがにあの『ナース』さん、良くないと思うんですのよォ。
自分ばっかり話しちゃって、アレじゃあねェ〜〜」
『ザ・ギャザリング』の情報と合わせて考えれば、『門倉』の事か。
ともあれ、『阿多』が患者の声が大きい事をそれとなく伝えたのだろう。
これ以降、『診察室』から声が漏れる事はなくなった。
「………『武藤さん』に聞いたんですけど、かなり昔に
『院長』には『真剣にお付き合いしている人』が居たんですって。
でも『お仕事』の事とか色々あって、結局、『結婚』しなかったって。
『院長』はそれだけこの仕事に賭けているんですよ。
ああいう厚顔無恥で極悪非道な誹謗中傷にも負けないくらいに………」
『怒気』と『気遣い』が、『鬼塚』の語りから感じられる。
480
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/19(火) 00:36:27
>>479
「……そんなことがあったんやね」
「やとしたら……まぁ、やとせんでも、さっきのは気持ちのええ物言いではなかったわぁ」
鬼塚の言葉に小さく頷いて同意する。
阿多を否定することなどできない。
自分が助ければいけない依頼人だからじゃない。
鬼塚に、人にこれほど慕われるにはよほどの魅力がなければならない。
ただ、人は時が経てば咲く花ではない。
努力の上に実を結ぶものがあるのだ。
「僕は今日のお仕事が終わったらさよならやけど、鬼塚さんはいてはるから」
「その院長センセの賭けを支えたってください」
(……)
そういえば、だが。
(さっき呪いを受けたお客さんもたしかあんな風に人を悪う言うてはったはず……)
(喋りたがりなんも一致してるんかな……)
(服の乱れが心の乱れ。じゃあ言葉の乱れは……)
顔の乱れか?
まさか。
481
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/19(火) 20:34:33
>>480
(鈴元)
「はい……! もちろんですとも……!
『院長』は、出来る女で、趣味がいいですからね………!
ずっとついていくつもりです………!」
『鬼塚』が『鈴元』の言葉に強く頷く。
そして―――
バタン
『診察室』から樽のような熟女が出てきた。
チャラチャラとつけた高価そうな装飾品は見せびらかす為につけているかのようだ。
彼女の顔に『異常』はみられない(元々の顔つきは『悪い』が)。
『言葉の乱れ』に着目した鈴元の憶測は、
少なくとも彼女に対しては当てはまらなかったようだ。
女はそのまま受付へと向かおうとしている。
これで『院長』はフリーになっただろう。
482
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/20(水) 23:25:49
>>481
(趣味がええのは知らんけど)
そこまでになると崇拝だが。
部屋から出る人を見る。
憶測は外れた。
また別のところから考えよう。
「行こか?」
鬼塚と院長のところに向かおう。
483
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/21(木) 01:26:00
>>482
(鈴元)
気を取り直し『阿多』のところへ向かう二人。
ノックすると、『どうぞ』の声。そのまま入る。
「―――ああ、お話はもう終わったの?
何か実のある話が出来たならよかったけれど」
『阿多』は二人にそう話しかける。
「え………あ、はい。なんとなく、話は、出来ました。
それで、ええと………『事件解決』の為に、
私が『鈴元』さんと一緒に、『カウンセリング』を
行おうという話になったんですけど………大丈夫でしょうか」
先程の話は『鬼塚』の方からしてくれた。
「それは、別に構わないわよ。
『カウンセリング』の方は、もうしばらくしたら
新しい患者様が来る予定だし」
あっさり許可を得る事が出来た。
484
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/22(金) 02:07:59
>>483
「ありがとうございますぅ」
「……正直、意外というか、ええんですか?」
慣れてない同士のペアということになる。
「鬼塚さんが呪いにあったことないってことで、話を聞いてたんやけど」
というか院長は知らなかったのか。
485
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/22(金) 07:32:23
>>484
(鈴元)
「………このままじゃあこのクリニックは潰れてしまう状況よ。
だから『非科学的』だと思っても貴方たちに依頼した。
『解決』のためだと言うのならよほどの事じゃあなければ許可します。
ただし、私には貴方たちが『本物』かどうか確かめる術はない。
だから、期限は今日かぎり。今日だけはとにかく信じるし、
今日で無理なら他を探す、そういう線引きをさせてもらっているわ」
『阿多』はそう答える。確かに補佐をつけているとはいえ
『鈴元』や『門倉』に直接、患者対応させている時点で、
それなりの『覚悟』はあるのだろう。
「『呪い』にあったことがない……ああ、『鬼塚さん』は当たった事がないんでしたっけ。
『呪い』について訊きたいという事だったのなら、事前に言っておけばよかったわね」
『呪い』の直接体験は重要な情報ではあるが、他の情報に価値がないわけではない。
『阿多』としてはその他の情報を得るために『鬼塚』に接触したのだと思っていたのだろう。
………
それはそうと『ザ・ギャザリング』の視覚で、
『セラピールーム』にて『門倉』が一人になっているのが見えた。
どうやら『門倉』の相棒のナース、『角田』が何かの用事で席を外しているようだ。
もし、何かあるのなら一度、『門倉』と相談して
『現状の整理』や『新たな方針の模索』などしてもいいだろうし、
このまま、『鬼塚』と次の患者の『対応』を行ってもいいだろう。
もちろん、他の行動をするのも『鈴元』の自由だ。
486
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/22(金) 23:18:30
>>485
「……おおきに」
頭を下げる。
こちらとしても今日という日を全うしなければならない。
全て、だ。
全てを完全にしないと終わらせられない。
(もっと色々情報をとっときたいけど、どこからにしよかなぁ)
まだ手札も少ないし。
いったん整理した方がいいだろうか。
このまま呪いが起きるかどうかを確認し続けても、前進の兆しが見えないかもしれない。
『門倉さん、僕です』
『えっと、相談してもええやろか』
門倉が了承してくれたら以下のことを伝えよう。
『さっきお話聞いてたら呪いが起きて、その後に鬼塚さんから話を聞いてたんよ』
『鬼塚さん、呪いに当たったことがないって言うてはって』
『もしかしたら、呪いが起きへん理由がなんかあるんかと思ってこれからカウンセリングするんやけど』
『そっちの具合はどない?』
487
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/23(土) 01:01:41
>>486
(鈴元)
『鈴元』は『阿多』の話を受け、少し押し黙った。
―――ように『阿多』や『鬼塚』には見えただろう。
………
実際は『門倉』と『スタンド会話』を行っていた。
【こっちはまだ一人対応しただけで『呪い』に出会っていないね。
少し、ほんの少しだけ『トラブル』があったが―――
まあ『呪い』自体とは関係ないだろう】
『門倉』が喋りすぎてしまった件の事だろう。
【『呪い』の起きない理由、か。
ううん……時間があればそれもアリなんだろうが、
話をきくに『呪い』が起こる確率はさほど高くはないんじゃあないか?
それが『意図的』なのか『偶然』なのかは分からないが。
例えば今回、俺が立ち会った際に『呪い』は起きなかったわけだけど、
それが俺のせいかどうかは証明出来ない。鈴元君が明確な根拠の元、
『実証』の段階に入っている、というのなら話は別だが―――】
『門倉』はいつもの調子で長々と語る。
【個人的には今回の依頼、いくつか解決の糸口はあると思う。
具体的には『呪いの条件』『呪いの理由』『犯人』あたりか。
今、俺達は『呪いの条件』を中心に探っているわけだけど、
これはもうとにかく『サンプル』を増やさないと難しいように感じる。
出来るだけ多くの『発症事例』を集めて、それらを精査する事で条件を探る―――
正攻法だとは思うが、時間がかかるし袋小路に陥る可能性もある。
『呪いの理由』はそもそもなぜこのクリニックが『呪いの標的』になっているのか、という話だ。
これが分かればその理由を排除する事で解決に導く事も出来るし、
更にさっき言った『犯人』にそのまま繋がる可能性がある。
『犯人』………もしかしたらそんな者はいないのかもしれないが、
俺はこの事件はあくまで『スタンド使い』が起こしている事件だと思っている。
だから、いわゆる『本体』だね。それを見つければ解決はグッと近づくんだが】
『門倉』の言い分を信じるならば、『呪いの条件』と並行して、
『呪いの理由』や『犯人』に繋がる情報も探っていくべきかもしれない。
ただそうはいってもこちらも途方もない道な気がするが―――
【それはそうと鈴元君、君は実際、『呪いの現場』を見たという事だが………
そこでこの『呪い』、いや、『能力』がどういうものか、何か感じた事はなかったかい?
そもそもどういった『能力』なのか、それが理解できれば、
芋づる式に『条件』や『犯人』も分かる可能性だってある】
488
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/24(日) 01:26:48
>>487
『鬼塚さんが呪いにおうたことがない理由は……その、おしゃべりが他の人より苦手ってことやと思うねん』
『僕ん時は相手のお人さんが喋りはる人やったから相槌を打っとったんやけど』
『やから、おしゃべりの中身になんかきっかけがあるんかと思ったんよ』
ただ、それは確証ではない。
予想の範囲を出ないものだ。
『うん、そういうところも探りたくて』
途方もないが、核心は近い。
それに犯人も理由も密接にかかわっている。
どちらかが分かれば大きな前進と言って差し支えないはずだ。
『……手ぇやった。スタンドで触ろうと思ってんけどすり抜けて』
『武藤さんが本体じゃないんやったら、勝手に動いてるんやと思う』
『手ぇのスタンドじゃなくて、能力を使うために手ぇが出てるんかもしれへんね』
『……手ぇが目ぇを動かしてて……福笑いみたいに……』
『そういえば、目ぇの位置だけ動かしてた気が……』
思い出してみよう。
あれは目だけを動かしたのか?
多分、そのはずだが。
489
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/24(日) 08:54:35
>>488
(鈴元)
【『おしゃべりの中身』、ふむ………そうだね。
その話をきくに可能性としてはありそうだ。
そして、『勝手に動いているであろう触れられない手』か。
こちらのスタンドで無理やり止めるなんて事は出来なそうだね。
『自動操縦』みたいなものだったら、やはり『条件』がありそうだが――――
………目が手を動かす。
………『福笑い』………
確かに、今の話を聞くにその言葉はしっくり来るね】
『鈴元』は記憶を呼び起こす。『手』の動きに沿って動いたのは『目』だけだった。
だが、『阿多』は呪い時には『目や鼻や口がみんな顔の下に集まった』と証言していた。
『目』だけでなく顔のパーツがおかしな方向に動く………
それに『鈴元』の見た『手』を合わせて考えれば、『福笑い』というのは適切な見立てだろう。
【………やはり『鈴元君』を連れてきてよかった。
そういえば君は最初から、そう表現していたね(
>>419
)。
その『直観』―――俺にはないものだよ。
『福笑いを模した能力』………
仮にそれが正しいとすると、『呪い』という言葉とは違う趣きを感じるね。
『条件』『理由』『犯人』、それらに繋がるヒントになるような気もする。
それを軸にもう一度考察してみて、そして―――
………あ、すまない。『角田』さんが帰ってきた。
この会話なら継続出来なくもないが、
こちらもこちらで今の話を元に『情報収集』に集中してみるよ。
では、また―――】
『門倉』は一方的にまくしたて、そして、一方的に会話を中止する。
『ザ・ギャザリング』の視覚でも確かに角田は帰ってきている。
………
「………あの、じゃあ、『カウンセリングルーム』、行きましょうか?」
『鬼塚』が語りかけてくる。
当初の予定通り、彼女と『カウンセリング』しに行ってもいいだろうが、
『名探偵』とは気まぐれなもの。
『門倉』との会話を踏まえ、まったく別の事をしてもいいだろう。
また、どうしてもまだ『門倉』と相談したいという事なら、
その旨を『スタンド会話』で伝え、どこかで合流するのも手だ。
490
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/25(月) 23:16:47
>>489
『せやと、ええんやけど……』
福笑い。
なにか繋がるものはないか。
正月。
笑う門には福来る。
お亀……お多福。
(あぁ、お多福って阿多福やったか……)
そんなことも考えつつ。
ひとまず門倉とは解散しておこう。
後で合流出来そうならすればいい。
「……そうやね」
とりあえず鬼塚とカウンセリングに向かおう。
491
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/02/26(火) 22:45:56
>>490
(鈴元)
様々な思いを巡らせながら、
『鈴元』は『鬼塚』と共に、『カウンセリングルーム』と向かう。
「―――よろしくね」
去り際に『阿多』からの言葉。
………
「ええと……次の患者様は『板槻 波音(いたつき なみお)』さん。
二重手術がしたい方みたいですね」
『カウンセリングルーム』に向かう間に『鬼塚』がそう教えてくれた。
『阿多』から渡されたのであろう資料を見ての発言。
移動にさほど時間はかからないだろうが、
今のうちに『鬼塚』に何か訊いておきたい事があれば、
訊いておいてもいいだろう。
492
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/02/28(木) 01:45:10
>>491
「二重手術」
まぶたを二重にするのだろう。
生まれつき二重の自分にはやはり縁がない。
「そういえば阿多先生って落ち着いてはるやんね」
「こないな呪いが起きてるけど取り乱してる様子もないし」
「怒ったりすることとかあるんやろか」
493
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/01(金) 05:54:37
>>492
(鈴元)
移動時に『阿多』の話題をふる『鈴元』。
「え………『院長』の話? 『院長』に興味がある?
『鈴元』さん、もしかして『院長』を狙っているんですか………?」
何やらおかしな方向へと話を展開させる『鬼塚』。
「やめといた方がいいですよ! やめといた方がいいですよ!
『院長』は付き合えるようなタイプじゃあないんです!
『どこかに行きましょう』って誘っても、大抵断られる………
『阿多 佳久子』………院長は、33歳、独身……
仕事はまじめでクールビューティーな、『趣味』のいい女性……
なんだかエリートっぽい気品ただよう顔と物腰をしているため、
女子スタッフのあこがれの的だけど、オフの姿はほとんどみせない………」
謎の説明と共に『鬼塚』の話は続く。
「『呪い』についてはずっと起きている事だから、
もう『取り乱す』という段階は超えているんじゃないですかね………。
『怒ったり』………ですか。
ミスをすればそれなりに叱られますけど、それも仕事熱心だからでしょう。
家だって隣だし、何かあったらすぐに対応できるようにしているんです……」
494
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/01(金) 22:32:18
>>493
「え、あ、え、いや、なんで?」
急にそんなことを言われて慌ててしまう。
ぽっと頬に赤みが差した。
別にそんなつもりはなかったのだが。
「あぁ……さいですか」
阿多福というよりはやっぱりお高い人か。
鬼塚の熱意が強いのは十分理解できた。
「家も隣なんや」
不思議な話ではないか。
通勤が楽である。
そのかわり、仕事とプライベートの境目が無くなっていくが。
「やっぱり落ち着いた人なんやねぇ」
『ザ・ギャザリング』にその家に呪いの原因がないか探しに行かせてみよう。
495
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/02(土) 01:39:37
>>494
(鈴元)
隣の家―――『門倉』が言っていたデカい家か。
『鈴元』は改めて『クリニック』と『デカい家』の位置関係を思い出す。
『ザ・ギャザリング』の射程距離は『20m』。
隣といってもデカい家、駐車場や塀、庭の位置関係から考えるに、
20mでは『家』を遠巻きに見るのが精いっぱいだろう。
そして仮に入れる距離だったとしても、
鍵がかかっていれば正規の方法では入りづらい。
強行突破するか、あるいは正規の方法、『阿多』に話を通すか―――
………
そうこうしているうちに『カウンセリングルーム』はすぐそこだ。
腐っても『鬼塚』は正規のナース、
『カウンセリング』は彼女に任せてもいいだろうが………
496
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/02(土) 02:54:29
>>495
無理そうか。
まぁ、それも仕方ない。
『ギャザリング』は近くに呼び戻しておこう。
何かの役に立つかもしれない。
「……」
とりあえず今回は鬼塚に任せてみようとは思う。
何が原因なのか、というのが気になる。
起きなかった場合と起きた場合の違いだ。
自分が口を出して呪いが起きてしまった時は、手の挙動が気になる。
あの時は目だけだったのには理由があるかもしれない。
「じゃあお願いしますぅ」
497
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/02(土) 03:12:27
>>496
(鈴元)
とりあえず、『ザ・ギャザリング』を呼び寄せつつ、
『鈴元』は『鬼塚』と共に『カウンセリングルーム』に入る。
………
「どうもォー、板槻です」
中には大学生くらいの茶髪の女性が居た。
切れ長の目は濃いメイクで大きく見せる努力がされている。
「え……あ、はい………あの……『鬼塚』………です。
お話をききに……あ……ここの『看護師』なんですけど………」
対する『鬼塚』は露骨に緊張している。
腐っても正規のナースのはずだが………
「あ……はい、よろしくお願いします」
『板槻』は笑顔を見せるが、どことなくぎこちない。
『鬼塚』の対応に少し戸惑っているのだろう。
助けを求めるかのごとく、ちらっと『鈴元』の方を見てくる。
498
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/02(土) 21:44:40
>>497
「……」
正規ナースの仕事振りだ。
「……」
鈴元の目的は基本として呪いが起きないケースを確認して起きたケースと照らし合わせることだ。
だから、極力鬼塚に任せよう。
「……」
任せよう。
「……」
それでも手を差し伸べてしまうのが鈴元の欠点である。
「えっと、鈴元って言いますぅ。今回は鬼塚さんの補佐で入らせてもらってるんですけど」
「お話をさせてもらって、ご要望とかご希望を聞かせてもらいますぅ」
にっこりと笑って話して、相手にリラックスして貰えるように努める。
499
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/02(土) 22:04:58
>>498
(鈴元)
「あ、はい。よろしくお願いします。
あなたが……補佐………あー……補佐なんですね。
………なるほど。はい、では、ちょっとお話聞いてもらいますね」
『鬼塚』より明らかに流暢に喋る『鈴元』。
『板槻』は、そんな『鈴元』が『補佐』という立場な事に疑問を覚えたようだったが、
『鈴元』と『鬼塚』の年齢差を確認し、自分なりに納得したらしい。
………
「ええと、私は今、大学生なんですけどね。
高校時代はすごく地味な存在で、クラスの隅で一人で
本読んでるようなタイプだったんですけど。
せっかく大学入ったんだからってんで、すこし頑張ってみようかなと思って。
『普通』になる努力してみてるんですけど、ハハハ、どうも上手くいかないというか。
自信ってのは『一朝一夕』で、つかないもんなんですよね」
そして、『板槻』は話し始める。
ここから『鬼塚』に相槌を打たせるか、『鈴元』が話を繋ぐかは自由だ。
500
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/02(土) 22:44:52
>>499
鬼塚に任せよう。
「なかなか難しいですよねぇ」
「自信はねぇ」
相槌はうっておくが。
501
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/02(土) 23:31:16
>>500
(鈴元)
「そ………そ………そうですよね………
自信……自信……そうなんですよね………
それさえあれば……あれば………」
『鈴元』は『鬼塚』に対話の主導権を任せる事にしたが―――
適度な『鈴元』の相槌と違い、『鬼塚』のそれは、なんというか、『重い』。
「……あー、はい。
そうなんですよ。自信がなくて、
出来るだけ友達増やそうとしたり、
メイクに力入れたり………。
でも」
「ダメだった……!
そうですよね。そんなに性格変えられたら苦労しませんよね………。
分かる、わかる、分かります………
私も、本当、どうすればいいのか………
………ねえ、どうすればいいんでしょう?」
そして、今度は『板槻』の語りをもぎ取るように途中から『鬼塚』が言葉を紡ぐ。
………
話しやすい環境を作るのに確かに『共感』は有効だ。
もしかするとこれが『鬼塚』なりに
必死に編み出した『話法』なのかもしれないが………
「……ええと、あー、どうなんでしょうね。
とにかく、まあ、私は自信がないので一番のコンプレックスである
『一重』をなんとかしてもらおうとここに来ました。
…………あー ……、あとは『先生』と話せば大丈夫ですかね?」
明らかにそわそわし出した『板槻』は
話を相当端折ってこの場を終わらせようとしている。
………
これが『鬼塚郷子』の『カウンセリング風景』―――ッ!
502
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/04(月) 01:13:15
>>501
不味い。
参考になるならないの問題ではなさそうだ。
もう少し話してもらおう。
「……二重に、とのことですが」
「どのような印象にしたいかなど、理想はございますか?」
「先生ぇにお話頂いてもいいのですけど、術前の時間は限られますので」
「有名人の方のように、とのことでしたら、そう、伝えておきます」
503
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/04(月) 22:07:49
>>502
(鈴元)
「あー……はい。そうですね」
スラスラ問いかける『鈴元』に、『板槻』はホッと胸を撫で下ろす。
ゴソゴソとバッグからスマホを取り出すと………
「この人みたいな感じが理想なんですけど………」
画面に映る写真を見せてくる。
そこには、くっきり二重の20歳くらいの女性が映っていた。スタイルもいい。
「『華麗度100%ッ!』で有名な『成増・カレイド・万華(ばんか)』です。
成増三姉妹の長女の………知ってますよね?」
『鬼塚』を見ると、オオ……という感じの表情を浮かべている。
彼女も知っているようだ。
「え………そりゃあ………さすがの私も知っています………
凄いですよね、あの身のこなし………火の扱い………」
504
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/04(月) 22:51:40
>>503
「身のこなし……火の扱い……」
知らない。
世俗には疎い。
疎いというか、数が多すぎて実際に会わないと記憶できない。
テレビの向こうはどうにも世界が違うように思えて。
自分とは違う輝いた世界に見えて。
「こういう風に……ですね?」
「お好きなんですか?」
505
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/04(月) 23:06:33
>>504
(鈴元)
「あー、そうですね、憧れの人です。
『仮面舞踏部 〜ドサ回り編〜』の頃から好きなんですよね。
アレが出来るって信じられないですよね?
『めくーるめーく♪ スピィいン ダーンス♪』」
『板槻』がニッコリと笑う。
知っていれば理解できる話なのだろうが………
………
このまま『鈴元』が話を促していくのも、
『板槻』との対話をほどほどに打ち切って次の行動に移るのもいいだろう。
もちろん再度、『鬼塚』にチャンスを与えてもいい。
506
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/04(月) 23:33:34
>>505
(ドサ回り編……?)
するのだろうが。
するのだろうが、そこを描写していいのだろうか。
(どこの層を狙って……?)
たぶん自分以外の層だと思われる。
それとなく鬼塚に目配せしてバトンタッチしよう。
多分、この話題なら膨らませられそうだし。
507
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/06(水) 02:58:52
>>506
(鈴元)
それとなく会話からフェードアウトする『鈴元』。
会話のスイッチを伝えるべく『鬼塚』に目配せをしたが、
緊張する『鬼塚』にはあまり伝わっていないようだった。
だが、彼女には彼女なりの仕事への『使命感』がある。
憶する事なく、『板槻』との会話へ突入していく。
………
20分ほど経っただろうか―――
ぎこちなくはあるがなんとか『鬼塚』の対応は続く。
『板槻』の方も『こういう人なんだ』と受容してくれたらしく、
それなりに会話は継続できていた。
「………あー、でも、ここでこんなふうに話が出来てよかったです。
やっぱり悩んでいたんですよね。結構シリアスに」
『板槻』はどうやらある程度満足できたようだ。
「………そうですよね。眠れなかったりとかもあったんでしょう?」
『鬼塚』が相槌をうつ。だいぶ緊張は解けてきたようだ。
「ハハハ、寝つきの悪い日々が続いていたのは事実ですね。
でもそれも今日で終わるかもしれません。
整形なんてする必要ないよ、なんて言ってくれる人もいるんですけどね。
あー、なんていうか、心と体って繋がっているんですよね。
身体のもやもやをどうにかする事で心のもやもやを解決出来るなら、
私はそれでいいと思っています」
………
508
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/06(水) 03:00:53
>>506
(鈴元)
………
ギ ュ ウ ン
そして―――
『鈴元』にとっては二度目の邂逅が訪れる。
『小さな一対の手』。
『板槻』の鼻と口あたりに出現している。
初出の場所はなんというか、それほど精密ではないように感じられる。
この能力が『福笑い』なのだとすれば、出現場所も『無作為』なのかもしれない。
例によって、この場にいる二人、『鬼塚』と『板槻』はこれに気づいていないようだ。
ゴゴゴ ゴ ゴゴ ゴ ゴゴ
『手』はゆっくり無軌道に動き出す。
『口』と『鼻』がそれにあわせ、奇妙に動き始める。
「………? なんだか、なんだろう。……おかしい、です」
それにあわせ『板槻』が異変を口にする。
対面する『鬼塚』の顔は、見てわかるほど青ざめている。
彼女にとっては『初』の対面となるのだからそれも止む無しか………
509
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/06(水) 10:11:30
>>507-508
なんとか穏やかに進行しているようでよかった。
あの手の発動条件が何かはわからない。
鈴元的には何らかの言葉があると思っていたが。
「!」
想定内だが、予想外だ。
板槻の言葉に荒っぽさや問題のある言葉はなかったはずだ。
前に見た時との類似点は現状見られなかったように思える。
だとしたら何が問題だったのか。
時間か?
それとも別の要因か?
というか、目の悩みなのに鼻にも手が出ている。
分からないが、この手の妨害は不可能らしいことは分かっている。
ただ、何とかしないといけない。
「……」
『ザ・ギャザリング』を発現。
板槻の顔に触れ、少しだけ揺らす。
花びら化を行い、手の目を奪えるか試す。
510
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/06(水) 23:04:22
>>509
(鈴元)
様々な要因に思いを巡らせながら、
『ザ・ギャザリング』を操作し、板槻の顔を揺らす。
ゆ さ ゆ さ
は ら り
少しの揺れの為、『花びら』が数枚、舞い落ちる。
それは『板槻』の肌の表面が変化したものだ。
『花びら』が付着したものの『目を奪う』―――
その効力が『手』に効果があるか確かめたかったが………
す る り
そもそも『花びら』は『手』をすり抜けて落ちてしまう。
先程もそうだったが『手』は顔のパーツ以外に干渉しないし、されないようだ。
「え………肌が……? 今度は何………?」
実体化した『花びら』は『鬼塚』に混乱を生み出していた。
『板槻』も『ザ・ギャザリング』に揺らされ、混乱しているようだ。
………
そして、『手』は『口』と『鼻』をバラバラな位置に置いた後、ふっと消えた。
511
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/07(木) 07:22:22
>>510
(あかんか)
花びらは解除しておこう。
やはり干渉はできない。
手が出てきてからでは遅いようだ。
「……」
さて問題はこれからどうするかだな。
512
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/07(木) 23:47:36
>>511
(鈴元)
『ザ・ギャザリング』の花びらは解除される。
しかしそれでも場は混沌としていた。
……… ……… ……… ………
沈黙が訪れる。実際はそれほど長い時間ではなかったのだろうが、
やけにゆったりと時が流れているように感じる。
「………私、なんか、おかしいんですけど」
しばらくして、そう発言したのは『板槻』。
口が額近くまで移動しているのだから、異常な感覚があって当然。
だが、現実味がないこの現象に完全にはついていけていない、そんな様子だ。
確か、この『呪い』は時間で切れるという話なはず。
『レストルーム』あたりに上手く誘導して、付き添いつつ、
少し休んでもらうのがいいのかもしれない。
『鈴元』がそれをやってもいいし、傍らで目を白黒させている『鬼塚』か、
あるいは他のスタッフを呼んでその者に依頼してもいいだろう。
もちろん、他の思惑があれば、それを行うのも自由だ。
513
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/08(金) 00:16:44
>>512
「……術前のストレスが原因かもしれませんね」
「一旦休んでから経過を見ましょう」
それっぽいことを言いつつ。
冷静に考えればストレスで顔の部位の位置は変わらない。
「鬼塚さん、レストルームまでお願いできますか?」
「先生への質問は私がしておきますから」
鬼塚に付き添いをお願いしよう。
514
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/08(金) 00:35:28
>>513
(鈴元)
「あー………はい。
声がなんか、頭に響いておかしい感じなので。
はい、少し休ませてもらいますね」
『板槻』はどこかぼんやりとした様子だ。
明らかな奇異な現象に理性がついていかないのだろう。
感覚はメチャクチャだろうが、鏡などは見ていないので、
とりあえずまだ信じられそうな『鈴元』の言葉に飛びついた形か。
『鬼塚』は無言で『鈴元』の言葉にぶんぶんと首を振る。
かなりのショック状態のようだが、職務はなんとかこなしてくれるだろう。
ばたん
そして、二人は『カウンセリングルーム』を出ていく。
………
これから『鈴元』はどうするべきか―――
『カウンセリング』の継続、『武藤』が持っているという『録音』の確認、
『阿多』への報告や対話、『門倉』との相談、他スタッフへの情報収集………
その他もろもろ、やれる事は様々だ。
515
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/08(金) 23:47:27
>>514
椅子に座り、天井を向く。
すっかりあてが外れてしまった気分だった。
言葉の乱れでは無いのだろう。
門倉が相手をした患者には起きず、今回の患者には呪いが起きた。
喋る長さなのだろうか。
だとしたは門倉自身が呪いを受けていないとおかしくはないだろうか。
だとしたら、そこではない何かが問題なのだ。
武藤の持つ録音の確認で真実に近付けるだろうか。
……犯人や原因にはまだ遠い。
福笑いという発想が正しかったとして、そこに繋がる部分もまだわからない。
「一旦せんせと話し合うべきなんかな」
情報収集という意味では重要だ。
院全体のことを把握しているのも彼女だろう。
「……」
外部からの犯行でなければ内部からということになる。
呪いが起きる前にあった主な出来事である鬼塚の勤務。
怪しいかと思っが、鬼塚自身は特に関係がなさそうだ。
病院で働く人間は全員灰色だが、重要度が高いのは阿多だ。
彼女が知らず知らずのうちにスタンドに目覚めている、という可能性もあるかもしれない。
「阿多せんせぇー」
カウンセリングルームか、院長の部屋で話をしよう。
516
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/09(土) 23:24:48
>>515
(鈴元)
鈴元は独り、途方に暮れる。
そこで、考える。考える事は重要な事。
そして、出した答えは―――『阿多』に話を訊く事だ。
………
『鈴元』は『院長室』を訪ねる。
幸いというべきか、『阿多』はそこに一人でいた。
自分の机で何やら『書き物』をしていたようだ。
『鈴元』が来ると書いていた紙を裏にし、さっと引き出しにしまう。
「ああ、貴方………『カウンセリング』は終わった?」
『阿多』が問いかけてくる。
どうやら『板槻』が発症した事はまだ伝わってないようだ。
517
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/11(月) 12:51:24
>>516
「……はい」
何を書いていたのか。
病院に関することだろうか。
それともカルテか何かか。
機密事項なのだろうが、今この場においてはなるべく多くを知っておきたい。
恥ずべきことだが覗き見させてもらおう。
「終わったのは終わったんですけどぉ……呪いが出て……」
『ザ・ギャザリング』を発現。
「とりあえず現状の確認とかも兼ねてお話をしたいんやけど」
「その、試したいこともあるしカウンセリングルームまで来てもろてもええでしょうか?」
カウンセリングルームに移動する流れになったら『ギャザリング』に引き出しを開けさせて中の書類を確認する。
518
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/11(月) 21:16:57
>>517
(鈴元)
「『呪い』がまた………」
『鈴元』の報告に、『阿多』は一瞬眉を顰める。
「試したい事? ………ええ、いいわ。
『解決』の足しになるのなら、付き合いましょう」
『阿多』は『鈴元』の申し出を素直に受ける。
二人は部屋を出て、『カウンセリングルーム』へ―――
……… ………
そして、部屋に残されたのは、『鈴元』の異能、『ザ・ギャザリング』。
彼の目当ては、『阿多』がしまった紙だ。
ただの重要書類というだけかもしれない。しかしそうでないかもしれない。
引き出しを開け、紙を取り出し、裏返すと………
なんだろう、これは?
そこに書いてあるのは、絵だ。『阿多』は絵を描いていた。
『落書き』といってもいいそれはかなり上手い部類に入るだろう。
そのモチーフは―――『奇妙な人型』。
ゴーグルをつけた顔は『皿』のようなものに埋まっている。
身体は黄色を基調としたスーツに覆われている。
傍らには『笑顔のディッシュ』と走り書きがしてあった。
519
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/12(火) 23:30:30
>>518
(え……?)
絵。
なぜ絵を描いていたんだ?
手慰みというか、暇潰しか趣味か?
しかし、この絵はなんというか象徴的だ。
皿に乗った顔。
皿は作った料理を乗せる物だ。
笑顔のディッシュ。
「そういえばせんせぇは仕事熱心な人やって聞いたんやけど」
「ご趣味ってあったりします? お散歩とか絵を描くとか、そういうのは」
「そこで会った人とかそういうのをしてる時に起こったこととかが関係してるかもしれへんから一応」
520
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/13(水) 22:14:58
>>519
(鈴元)
「………趣味?」
『カウンセリングルーム』への道すがら、
『鈴元』は『阿多』に問いかける。
その問いかけに怪訝そうな表情を浮かべる『阿多』。
「いいえ、私は『無趣味』なのよ。残念ながら」
『阿多』はきっぱりと自らに趣味などないと宣言する。
「だから、そのへんの事はなんら関係ないでしょうね」
単純な『探り』のレベルでは、『阿多自身』はこれ以上、
この件、つまり『趣味』に関して何か喋る事はなさそうだ。
521
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/14(木) 01:39:14
>>520
「さいですか」
「それやったらよかったです」
微笑んで言葉を返す。
仕事の鬼、ということらしい。
笑顔のディッシュについて急に切り出すと怪しまれる可能性もある。
もう少し、話をしている流れで差し込んだ方がいいだろか。
カウンセリングルームに向かおう。
「カウンセリングを始めんとね」
522
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/15(金) 03:31:45
>>521
(鈴元)
『鈴元』は思案し、そして、二人は『カウンセリングルーム』に入る。
『カウンセリングルーム』には、誰もいない。
『鬼塚』は『板槻』を『レストルーム』に連れていっている。
おそらくだが次の『カウンセリング』患者はもうしばらく後に来るのだろう。
「―――で、試したい事というのは何かしら?」
『阿多』が『鈴元』に早速、こう切り出してくる。
523
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/15(金) 18:20:59
>>522
「カウンセリング……ちゅうか、報告っちゅうか」
阿多が椅子に座ったら自分も座ろう。
座らないなら立ち話でいい。
「現状、二件の呪いと聞き取りの結果の報告」
「それからちょっと阿多先生ぇに聞きたいこともの質問」
「同時に、その間に僕らのどっちかに呪いが起きるかどうかも確かめますぅ」
これからするのはそういう事だ。
「最初の聞取りでなんか患者さんの言葉が呪いを起こすんかと思って調査しました」
「途中で鬼塚さんが呪いを見た事がないって聞いて……呪いが起きた時との相違点を探そうとして」
結果としては呪いが起きた。
鬼塚に任せたままにすれば恐らく起きなかっただろう。
「最初に考えた『言葉』が呪いを起こすっていう予想、僕の見た二人の患者の発言に似たような言葉はなかった」
方向性は似ていても違う悩みであるので当然とは言える。
「やから今度は時間にも注目しようと思います」
だからこの部屋での会話を選んだ。
(まだ発言が鍵であるとは思うけど)
524
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/16(土) 00:51:26
>>523
(鈴元)
『カウンセリングルーム』―――
『阿多』が座るのに合わせ『鈴元』も席に座る。
「なるほど………
それで、『時間』というのは『話している所要時間』という事?
しばらく『話し続ける』必要があるというわけかしら?」
『阿多』はチラリと『腕時計』を見る。
「あまりにも長い間、話すのなら、スケジュールを調整しないといけなくなるわね」
『患者』の予約などもあるし、当然といえば当然か。
「出来たらそういう実験は、
他のスタッフにお願いしたいところだけど―――そうもいかないという事かしら」
525
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/16(土) 22:53:31
>>524
「そう、ですねぇ」
「この呪いがどこから来たのか、はまだ分からんけど」
「外からならこの病院が狙われてるってことで、同時にそれは院長が狙われてる可能性もありますから」
要は阿多に恨みを持った者が犯行をしているのではないかということだ。
だから、趣味のことを聞いたりした。
そういう説明をしよう。
「お忙しいとは思うので、その場合は他の人に手伝ってもらいますぅ」
「それと……ひとつ聞かせてもらいたいことがあるんですけど」
「『笑顔のディッシュ』って言葉に心当たり、あります?」
無いとは言わせないが。
時間が無くてもこれの答えぐらいは聞かせてもらおう。
526
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/17(日) 18:48:15
>>525
(鈴元)
「私が………狙われている。
そうね、この呪いが『営業妨害』を意図しているなら、
恨みを持っていると考えるのが自然ですものね」
『鈴元』の説明に『阿多』は首を振りながら答えた。
そんな『阿多』に『鈴元』は問いかける。
『笑顔のディッシュ』という言葉について―――
「………」
一瞬、沈黙があったが、すぐに、
「……ああ、確か、『鬼塚』さんが好きな……
何かのキャラクター………だったかしら?」
そう答えた。
527
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/17(日) 20:50:44
>>526
「せやから、出来たら阿多先生からお話聞かせていただけた方が、とは思うんですけど」
そう言って笑いかける。
「……」
本当に鬼塚の好きなキャラクターなのか?
だとしたらなぜそれの絵を阿多が描いている。
指摘すべきか。
「先生の好きなもんやと思ってたんやけど」
どう反応するか。
528
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/17(日) 21:46:47
>>527
(鈴元)
「………なぜ」
『鈴元』は、『阿多』の態度が硬直しているのを感じる。
「なぜ、そう思うのかしら?」
『証拠』として『絵』の事を出すのは簡単だろう。
ただ、その場合、『鈴元』が何らかの方法で絵を盗み見た事を告白する事になる。
有益な反応が得られる可能性もあるが、信頼関係は損なわれるだろう。
529
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/18(月) 23:38:04
>>528
明らかな緊張。
やはり、何かあるのだろう。
つまびらかに話せば問題になる。
上手く切り抜けなければ心のシミを残す。
ハッタリにはハッタリで返してもいいが。
どう返すか。
「笑顔を作るんは阿多先生の仕事やから、かな……?」
「仕事熱心で尊敬するって鬼塚さんも言ってはったし」
誰からどこで笑顔のディッシュという言葉を聞いたのかは答えない。
「阿多先生大丈夫です?」
「なんか緊張してるっていうか、強張ってますけど」
530
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/19(火) 20:46:39
>>529
(鈴元)
「………なんでもないわ」
『鈴元』の言葉に『阿多』は言葉少なに返す。
「………もう、いいかしら?
さっき提案してた実験は『武藤』さんか『鬼塚』さんに手伝ってもらう形でお願いするわ。
好きな方を使ってもらって構わない」
そして、話を強制的に打ち切ろうとする『阿多』。
これ以上、『笑顔のディッシュ』について語る気はないようだ。
531
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/20(水) 23:48:25
>>530
「……」
ここで阿多に行かれのは好ましくないかもしれない。
だが、恐らく彼女の中で自分への信頼度というものは下がっているだろう。
警戒の対象となっているような気はする。
下手に刺激しない方が得策なのかもしれない。
「阿多先生」
「この仕事をする以上、一日で出来ることは確実に全部潰さんとあかん」
「ごまかしや隠し事はお互いの勝手やけど、少なくとも僕は、今日の仕事を適当にしようとは思ってへん」
だからとりあえず、自分の想いだけでも伝えておきたい。
「今日のこの仕事で生まれる感情は一瞬。ただ、今日片づけられる問題を片付けられへんで終わる後悔は一生」
「やる以上は、やりきらせてもらいます」
532
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/21(木) 05:57:26
>>531
(鈴元)
「―――確かに私は貴方に依頼して、
今日いちにちは貴方に協力する、そう言ったわ。
ただ、それには限度というものがある。
たとえば確たる理由や根拠もなく『裸になれ』と言われても、
さすがにそれに応じる気はないという事よ。
………貴方にも何か思うところがあるようだけど。
………
ごめんなさい、そろそろ失礼するわ」
『鈴元』は自らの思いを伝える。
『阿多』にもいくらかは響くところはあったのだろうか―――
だが、結果として『阿多』は何も語らず
バタン
部屋を出て行った。
……… ……… ………
『阿多』が『笑顔のディッシュ』を話した以上に知っているのはあの絵からも明白だ。
しかし、彼女はそれをぼかした。
『裸になれ』などという喩えを出してきた。
それほどまでに隠したい事なのだろうか。
―――『先生の隠し事』
ただ、『阿多』は『確たる理由や根拠もなく』とも言っていた。
『笑顔のディッシュ』と『阿多』の具体的な関連、
あるいは事件に関わるであろう根拠をやましくない方法で収集、
提示できれば、彼女も観念して、何か語ってくれるかもしれない。
もちろん違う方向から事件を探ってもいい。
現在、『鈴元』の予定は白紙であり、フリー(自由)だ。
533
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/21(木) 21:34:17
>>532
「……どうも」
会釈をして阿多を見送る。
とりあえずはこのぐらいが限界だろう。
腕を組み、息を吐く。
どっと疲れが出たような気がする。
重たいものが体にまとわりつく。
人の心に深く踏み込むようで、どうにも気を張ってしまう。
礼儀、遠慮、それこそを美徳としつつも意志を伝える。
やはり作法とは難しい。
「『笑顔のディッシュ』かぁ……」
自分たちは笑顔を皿には載せない。
皿に載せた和菓子が笑顔を作った。
言葉というものを扱ったとしても、皿に載せるのは言の葉のサラダだ。
「門倉さんにもお願いしてみよかな……」
『ザ・ギャザリング』を操作して、門倉に『笑顔のディッシュ』についての調査をお願いしてみよう。
とりあえず鈴元自身もカウンセリングルームを出る。
534
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/21(木) 22:07:45
>>533
(鈴元)
『鈴元』は今あった事に思いを馳せながら、
『門倉』の方に『ザ・ギャザリング』を向かわせる。
―――『門倉』が居るであろう『セラピールーム』のドアは閉まっており、
中から薄っすら話し声が聴こえる。どうやら女性の声だと思われるので、
おそらく『患者』の対応中なのだろう。
『ザ・ギャザリング』が入るにはドアを開ける必要があり、
スタンド使いでない者が見れば、誰もいないのになぜかドアが開く形となる。
まあ、その中に『門倉』以外スタンド使いが居なければ
『不思議だね』で終わる話かもしれないが―――
しばらくすれば話も終わるだろうから、
それを待ってから用を済ませてもいいかもしれない。
『鈴元』は、『カウンセリングルーム』を出る。外には誰も居ない。
『セラピールーム』は使用中、おそらく『門倉』と男性ナースの『角田』が患者の対応をしている。
『阿多』はおそらく『院長室』か『診察室』に戻ったか。
『受付』にいけば受付嬢である『水野』や、場合によっては待っている『患者』に会えるかもしれない。
『武藤』や『鬼塚』は『スタッフルーム』や『レストルーム』あたりにいるのだろうか。
行ってないのは『手術室』や『トイレ』あたりだが、特別、理由もなければ行く必要もないか?
さて―――
535
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/22(金) 00:18:31
>>534
『笑顔のディッシュを!』
叫ばしてみよう。
なにか反応があればきっかけになるかもしれない。
門倉にすぐ反応がなくてもいい、とりあえず自分がいることを知らせられるならそれで。
(行ってない所に行ってみよかな……)
手術室は難易度が高そうなので、さしあたってはトイレがいいか。
「あ」
今の自分は女性の格好をしているはずだ。
職員はこのことを知っているだろうが、不用意に入って大丈夫だろうか。
もちろん、男トイレにだ。
「……」
客は女性が多い。
ならば、男性トイレで誤解を招く可能性は低い。
男性トイレに入ろう。
536
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/22(金) 07:34:20
>>535
(鈴元)
『ザ・ギャザリング』が唐突に叫ぶ。
『門倉』は中でビクッとなっているだろう、おそらく。
他にもビクッとなった者が居れば怪しいのだが………
中を覗き見る事は出来ない。後で確認するといいかもしれない。
………
そして『鈴元』は『トイレ』に向かい―――
どちらに入ればいいか思案する。
昨今、議題にもあがるデリケートな問題………
とりあえず今回は『鈴元』は男子トイレを選んだ。
中には洗面台が二つ、立ってするタイプのトイレが二つ、二つの個室。
更に掃除用具置き場であろう細いドアが一つ。そして―――
「………うわッ」
洗面台で手を洗う一人の男が居た。
20代中盤くらいか? ここのナース服を着ている。
名札には『武藤(拓)』と書かれていた。
「………あ、あなたは? ここは男子トイレですよ!」
『鈴元』がナース服を着ている事に疑問を覚えつつも、
とりあえず男子トイレである事を主張してくる。
537
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/22(金) 22:58:05
>>536
「あ……」
会ってしまったスタッフか。
大丈夫だ。
自分は男だ。
「あ、や、その、ちゃうんです。僕は鈴元涼っていって、院長先生から聞いてへんかなぁ、あの」
「呪いの件で来てて、それで……」
わたわたとしながら言葉を返す。
何かないかと言葉を探して、ぱっと目に付いたのはいての名札。
「武藤、さん……?」
「武藤暮さんじゃなく?」
538
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/23(土) 00:36:19
>>537
(鈴元)
「ぼ、僕ッ娘………」
『りょう』という名は女性にもある。
声はそれなりに低いだろうが、
それよりも『外見』のインパクトに引きずられ、
『誤解』は解けていないようだ。
「……あー、『姉』を知っているんですかね?
俺は『武藤 拓馬(むとう たくま)』。
『姉弟』ともども、こちらでお世話になっています」
混乱しながらもとりあえず、自己紹介をするこの男。
どうやら『武藤暮』の弟らしい。
「俺が後から来たんでここで『武藤』といえばもう姉の事になっちゃってますね。
俺はもっぱら『弟』とか『拓馬』とかそう呼ばれる感じです」
更に補足までする。マイペースな人物のようだ。
539
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/23(土) 01:05:10
>>538
「え、いや……」
まだ誤解されている。
かと言ってじゃあここで証拠を見せるというのもはしたない話だ。
ゆっくり話していれば納得されるだろうか。
「あぁ、弟さんなんやね」
「拓馬さん、って言いはるんや」
優しく笑んで会話を続ける。
「拓馬さんはいつぐらいから働いてはるんやろか」
540
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/23(土) 01:34:33
>>539
(鈴元)
「………関西の人? とりあえず外に出ましょうか」
『拓馬』に促される『鈴元』。
「俺は二年半くらいかなあ。姉の紹介でそのままって感じですね」
多分『拓馬』は『鈴元』が何者かよく分かってなさそうだが、
とりあえずベラベラと訊いたことに答えてくれる。
「アレですか? トイレを間違えたんです? 女性はあちらですよ」
『誤解』は解けていないようだ。
541
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/23(土) 02:34:02
>>540
「……出身は京都やけど」
こちらに住んでどれくらいになるだろうか。
「二年半……長いんやねぇ」
となると呪いのことは知っているだろう。
「え、いや、僕……男の子なんよ……」
「今はカウンセリングのお手伝いと調査があるからお化粧とかさせてもろてるけど」
ぱっと相手の手を握ろうとする。
「ほら、手ぇとか男の子の手ぇやろ」
白くて柔らかい手だった。
542
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/23(土) 11:41:27
>>541
(鈴元)
「へェ〜〜京都。よさそうなところですね。
……って、男? 男って言いました?」
困惑する『拓馬』の手をギュッと握る『鈴元』。
白くて柔らかい温もりが『拓馬』に伝わっていく………
………
「あ〜〜いや! これは女ですね! まごうことなき女の手!
俺は騙されない。むしろ君が親から騙されていたのでは?
京都の名家で長男が欲しい両親は女に産まれた君を
男として育ててそれに洗脳された君は自分が男だと
思い込んでいるんですよ。マインドコントロールですよ。
その『呪い』が今、解き放たれつつあるという事ですね。
さっき言ってた『呪い』の件でズバリ! それでしょ?」
『誤解』は深まる。
まあ別に解く必要もないのかもしれないが―――
543
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/24(日) 00:43:31
>>542
「いや、男なんやけど……」
困ったように笑う。
手から年齢が分かるというのは嘘だったのだろうか。
「そんなに疑うんやったらお姉さんに聞きはったらええですよ……」
「えっと、呪いっていうんは顔の……」
あまり大きな声では言えないことだ。
「あべこべに変わるっていうあれ」
「それの調査」
544
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/24(日) 12:47:11
>>543
(鈴元)
「え〜〜本当ですか? ホントにホントォ?
じゃああとで『姉貴』にきいとくか………」
なおも疑う『拓馬』だったが、とりあえずその話題は終える。
「『呪い』ってあれか。顔が変わるやつ。
俺もまあまあ見てますよ。グロい感じでイヤですよね。
あれの調査かァ〜〜、そうかァ〜〜」
うんうんと頷く『拓馬』。思い込みはやや激しいようだが、
悪い人物ではなさそうだ。何かあれば訊いておいてもいいだろう。
545
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/24(日) 16:39:25
>>544
「そう、それなんですけど」
「拓馬さんも見たことってあります?」
とりあえずその辺から聞いてみよう
546
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/24(日) 18:43:42
>>545
(鈴元)
「ん、ああ、さっきも言った通りまあまあ見てますよ。
顔のパーツがグシャーと色々動いたりするのがねー結構キツいですね」
『拓馬』の証言に『小さな双手』への言及はない。
「調査っていうと色々調べてどうにかしようってわけですかね?
ん〜〜、俺なりに考えてみた事ありますけど、老若男女問わず
アレは現れますし、話している『内容』もな〜〜バラバラって感じです。
話している『時間』だって、話し始めてすぐに出るパターンもありましたしね。
まったくのランダムか、あるいは、『言ったら出る』みたいな言葉があって、
それに反応しているか………そんな感じじゃあないですか?」
『拓馬』が自説を述べる。
547
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/24(日) 21:07:08
>>546
「なるほど」
頷く。
拓馬の認識は自分のそれに近い。
どちらかと言うと、話している内容がバラバラであるという考えが補強された気もする。
全くのランダムというのは考えにくい。
鬼塚が見たことがない理由があの対応ゆえだとしたらやはり『言ってはいけない言葉』があるのだろう。
「僕の方もそんな感じの認識で」
「やっぱり何かしらの言葉に反応してるとは思うんやけど」
「心当たりとかってあります?」
548
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/24(日) 21:36:22
>>547
(鈴元)
「う〜ん、そこなんですよね。
肝心のキーワード的なものが分からない。
それがあるとしたら『一つ』じゃあないのは確かでしょうけど」
『拓馬』はそう答える。確かに『一つ』であれば、
数多い事例の中、絞り込む事が出来ただろう。
「……まあそもそも謎のパワーなんで、そういうの全部無視して
まったく未知の何かで動いているのかもしれないですけどね」
『スタンド』の存在を知らない一般人にとっては、
これ以上の『考察』は果てがなく、難しいかもしれない。
(もちろん彼がスタンド使いではないという保証はないが)
………
『拓馬』はチラと廊下を見やる。
彼も仕事中だろうから、そろそろ戻るべきなのかもしれない。
549
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/25(月) 23:58:27
>>548
(まぁ、そうやんねぇ……)
事というのはそう単純ではない。
方向性のようなものを絞り込んだ方がいいかもしれない。
「拓馬さん、最後に聞かせて欲しいんやけど」
「『笑顔のディッシュ』って言葉に聞き覚えあらへんかな?」
「そのままじゃなくて、似たような言葉とかでもエエんやけど」
550
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/26(火) 20:52:24
>>549
(鈴元)
「『笑顔のディッシュ』―――
ああ、確か、『鬼塚』さんがなんか言っていたな。
専門的な話だったんで半分きいていなかったけど」
『拓馬』はそう答える。出てきたのはまた『鬼塚』の名前だった。
「なんか仲間が居るんですよ。『怒ったナイフ』……? とか、
『明るいスプーン』みたいな名前の。
……すみません、自分が知っているのはこんなもんですかね。
じゃあ、このへんでそろそろ。『呪い』の調査、上手くいくといいですね」
『拓馬』はそのまま去ろうとしていた。
551
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/26(火) 21:32:15
>>550
「鬼塚さん?」
阿多からではないのか。
それは阿多に悪いことをした。
言ったことは事実で間違いなかったのだろう。
気になるのは何故それを描いていたのかだが、そこはいま重要ではない。
「ま、待って……! それって有名なもんなんですか?」
専門的な話と言っていたが世間的に浸透しているのだろうか。
「鬼塚さんだけがそれを知ってるとか?」
552
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/26(火) 22:07:06
>>551
(鈴元)
「有名ってほどじゃあないみたいですよ?
でも『番組』でやってるらしいから知っているのは
『鬼塚』さんだけじゃないでしょうね」
『拓馬』はそう答える。
「『鬼塚』さんはそーゆーの好きみたいですね。
アニメとか漫画みたいなの。
自分も子供の頃は見てましたけど今はねェ……ちょっと」
『拓馬』は軽く苦笑いする。
「詳しく知りたいならそれこそ『鬼塚』さんに訊いてみるのがいいんじゃないですかね」
553
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/27(水) 17:59:50
>>552
「分かりました。ありがとうございます、拓馬さん」
頭を下げて礼を言う。
スマホで確認してみよう。
ついでに『ギャザリング』で鬼塚を探す。
「……」
何か、進んでいるような気はする。
554
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/27(水) 23:31:40
>>553
(鈴元)
『スマホ』を取り出し、検索窓を開ける。電波はバッチリ。
得た情報を総合し、『検索ワード』を入れるといいだろう。
それはそれとして『ザ・ギャザリング』は『鬼塚』を探す。
………
いや、探すまでもなかった。
『男子トイレ』の隣、『女子トイレ』から『鬼塚』が出てきたのだ。
「え………あ、どうも………」
なんとなく気まずいのか『鬼塚』がペコリと礼をし、下を向いて立ち去ろうとする。
555
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/03/28(木) 23:36:34
>>554
「どうもぉ」
優しく笑って会釈する。
スマホを後ろ手で隠し、ギャザリングに操作させる。
触れられるならタッチパネルを操作出来るのではなかろうか。
「それで、どないでした? 患者さんは……」
一旦業務の話をしよう。
『笑顔のディッシュ』はそれからだ。
556
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/03/31(日) 22:36:09
>>555
(鈴元)
「ああ、あれから『武藤』さんがうまく話してくれて……
『レストルーム』のベッドで休んでくれています。
時間が経てばあの『呪い』も消えるはずですし……
大事にはならないかと」
『鬼塚』が言う。ここで出てくる『武藤さん』は女性の、
つまり先程の『拓馬』の姉の方だろう。
「えー……『鈴元』さん、院長との話は終わったんですか?
また、私が『患者さん』の相手をした方がいいんですかね?」
逆に『鈴元』の方から問いかけてくる。
557
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/04/01(月) 22:56:54
>>556
「そうなんですねぇ」
武藤が対応したなら安心だ。
「院長先生とのお話は終わったんやけど、他にも疑問があって」
「……『笑顔のディッシュ』について聞きたいんやけど」
558
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/04/03(水) 07:00:18
>>557
(鈴元)
「そうなんですよー」
『鈴元』の反応をオウム返しする『鬼塚』。
その様子は朗らかだ。
………『その時』までは。
ゴゴゴ
ゴゴ
ゴゴ
ゴゴ
ゴゴゴ
『笑顔のディッシュ』という言葉を『鈴元』が発した途端、
『鬼塚』の様子が一変する。
何か、ただならぬオーラを放っているような気がする。
『鬼塚』の方を見る。その表情は時が止まってしまったかのように読めない。
「『笑顔のディッシュ』……? そう言いましたか………?
それって」
―――そして。
「それってローカルTV制作ながら口コミでプチバズりをめくるめく繰り返し
今まさにクライマックス編を迎えようとしている『満腹戦隊タベルンジャー』、
そのムードメーカーにしてノリボケ担当、黄色を司る『笑顔のディッシュ』!
(タベルンディッシュ)。彼の事ですか?いや彼の事ですよねそりゃあね、
他にそんな特徴的な名前のキャラなんているはずもないですよね(笑)。
ああでも私としてはリーダーの『憤怒のナイフ』(タベルンナイフ)推しかな
彼っていつも義憤に駆られてるんですけど落ち着くためにリンゴの皮剥き
するんですよね。その皮の長さで怒りの強さが分かるって演出がエモい
んですけどこの前のナイフ妹回見た?って見てないないですよねハハ
皮が床までいって蛇がトグロ巻くみたいになっちゃってタベルンカップ、
ああもちろん『安楽のカップ』の事ですけど彼に心配されるんですよ、
あのカップがですよ?そこが尊いというか、いや別に刃×杯推しじゃあ
ないんですよ?基本は刃×匙、いや匙×刃だな。うん。で、ナイフが
結局、妹助けるんですけど、そのシーンがまた、またね……(極泣)。
でも妹、意外と怪しいんですよね。今更六人目はないと思うんですけど
三月で終わりですしね。いやでもマジで三月で終わっちゃうんですよ。
終わったら私はどうすればいいんです?ロスってレベルじゃないですよ
デスですよキルですよ、あああ、なんだか辛くなってきたどうしよう……」
怒涛の詠唱が始まった。
適当なところで止めないと延々と続いていきそうだ。
559
:
鈴元 涼『ザ・ギャザリング』
:2019/04/03(水) 23:13:50
>>558
「……」
(お兄ちゃんみたいやなぁ)
ここにはいない兄の姿を思い浮かべる。
思い返しても仕方のないことだが。
鬼塚に喋らせ続けてもいいが、終わりが見えない。
多分、終わらない。
鬼塚という人間の対話能力というのはカウンセリングである程度認識している。
「あ、あぁ、その笑顔のディッシュなんやけど……」
「院長先生と話してる時にそんな事聞いて。『鬼塚さんが好きなキャラクター』って」
「センセにも笑顔のディッシュの話しはったんかな?」
「後、そのキャラクターの見た目ってこんな感じ?」
阿多の描いた絵の特徴を伝えよう。
560
:
『せんせいのかくしごと』
:2019/04/04(木) 21:34:47
>>559
(鈴元)
! ! ! ! ! !
! ! ! ! ! !
言葉のマシンガンの合間をくぐり、『鈴元』はなんとか自分の疑問を挟み込む。
「それは確かに『笑顔のディッシュ』ですね。
あと、先生にも勿論話しましたよ。だって…………」
と、ここで『鬼塚』の言葉が濁る。
「………い、いやなんでもないです。
……それよりアレですね、アレ。ディッシュ回の話します?
『さらわれた』と『皿割れた』がダブルミーニングになっていた回。
アレはガチでヤバい!て思っちゃいましたよね。途中で離脱とか
アリなの!?って………」
何か不自然に話題を捻じ曲げた様子がありありと見てとれた。
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