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【ミ】『フリー・ミッションスレッド』 その3

1『名無しは星を見ていたい』:2018/08/18(土) 19:51:06
短編、単発のミッションなどにお使いください。
長編やシリーズものの予定でしたら、自分のスレで行うことをお勧めします。

426『せんせいのかくしごと』:2019/01/22(火) 21:40:37
>>425(鈴元)

「さて―――『鈴元君』。とにもかくにもまずは『情報』が必要だが、どうしようか」

 廊下にて『門倉』が早速、語り掛けてくる。

「『院長』に提示された情報収集の方法は

 1.『スタッフへの情報収集』
 2.『カウンセリングルームで患者へ対応』
 3.『セラピールームで患者へ対応』         の三点。

  もっとも、『スタッフ』は複数いるのだろうから、
  その選択肢は更に細分化されるだろうね。

 また、あくまで『優先順位』の話だから、時間があれば、
 最終的には全ての選択をとる事も可能かもしれない。
 ―――時間があれば、だが。

 あとはせっかく、二人居るのだから『分担』するのも手だ。
 君が重点的に調べたいところは君自身が行くといいが、
 そうでなければ俺が単独で調査して、後で情報を擦り合わせる事も出来る。
 『セラピールーム』はともかく、『カウンセリングルーム』の対応は
 俺には『ちょっと厳しい』というのもあるからね―――興味はあるけれど。

もちろん、『院長』が提案した『調査』以外の行動をとるのも自由だろう。
要は『呪いの正体』を暴き、それを無くせればいいのだから。
『解呪』への道筋はいくらでもあるという事さ―――」

『門倉』が状況をまとめる。『院長』との会談時に言葉少なだったのは、
頭の中で『鈴元』と話し合う事を整理していたのだろう。

『門倉』はあくまで『鈴元』に判断を任せていく方針のようだが、
その思惑通り、『どうするか?』をさっさと決めてしまってもいいし、
もう少し『門倉』と相談するのも悪くないだろう。

427鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/22(火) 22:28:29
>>425-426

「どないしよか……」

今日中だ。
今日一日で今回の件に決着をつけなければいけない。
そのためにはもっと情報が必要だ。

「やっぱり……カウンセリングん所は難しいやんねぇ……」

セラピーでもカウンセリングでも、異性の対応であることは変わりない。
男性を相手にする時もそうだが、人によって怒りなどのポイントが違う。
なので、どちらに言っても失敗する可能性はある。

「カウンセリングの所は僕が行くわ。僕もそんな似合うかとか不自然じゃないかはわからんけど」

「門倉さんは……セラピーの所でぇ」

それからどうするか。

「あと、鬼塚さんってナースさんにお話聞きたくて、それと診察室で一回って言ってはったからその時の患者さんの話も」

「鬼塚さんはナースさんやからお仕事の空き時間に話を聞くとして、患者さんの方は都合つくかわからんよね」

仕事などの用事で手が空いていない可能性がある。

「やから、お電話でもええから話出来へんか、阿多センセに掛け合ってもらいたいんよ」

「僕から患者さんに直接……やと怪しいかもしれんから、阿多センセから患者さんにお願いした方が確実かなぁって」

鈴元はカウンセリングルームでの調査を選んだ。
どこかの空いた時間でナースの鬼塚と可能なら呪いを受けた患者からの聞き取りを行う。
門倉にはセラピールームでの仕事と、阿多に患者へアポイントを取ってもらえるかのお願いをしておく。

428『せんせいのかくしごと』:2019/01/22(火) 22:53:26
>>427(鈴元)

「ふむ―――順番としては

 『院長に、診察室で【呪い】の出た患者の話を聞く』
 『出来るのであればその患者と電話にて話をする、その仲介は院長にお願いする』
 『その後は、俺は【セラピールーム】で男性ナースとして、
  君は【カウンセリングルーム】で女性ナースとして、
  それぞれ患者の相手をして呪いの発現をチェックする』
  『時間の調整やアポがとれたら鬼塚ナースと診断室の患者と話をする』 という流れでいいかい?

  今はええと、13時50分か。
  おそらくだけど『患者』は『午後開始』の14時を回れば来てしまうのだろうね。
  それまでに二人で、『院長』から『診察室の呪い』について訊いてしまうのはどうかな。
  ついでに『患者』や『鬼塚ナース』へのアポ調整の依頼もそこで行う―――

  その後にそれぞれの『ルーム』へ………とこんな形でどうだい?」

『鈴元』の意見を『門倉』なりに整理して、再度、確認をしてくる。

429鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/23(水) 02:20:20
>>428

「うん。それで大丈夫です」

門倉の言葉に頷く。
問題は無いはずだ。

「それじゃあ、あんじょうよろしゅうお願いします」

430『せんせいのかくしごと』:2019/01/23(水) 22:16:47
>>428(鈴元)

「よし―――じゃあ善は急げ、だ」

『門倉』は再び『院長室』のドアを開け、
眼前の『阿多』におもむろに語る。

「さて………調査方針が決まりました。

まず、私、『門倉』は『セラピールーム』で、男性ナースとして、患者の『呪い』を見る。
一方、『鈴元君』は『カウンセリングルーム』で女性ナースとして、患者の『呪い』を見る。
つまりハサミ討ちの形となるわけですね。

あとは、時間が出来たらでいいので、新人ナース、『鬼塚さん』と話をしたいので調整をお願いします。

それともう一つ―――『診察室で起きた呪い』について『院長』に訊いておきたいのです。
出来るなら、当事者である患者さんにもお電話か何かでお話してみたいのですが」

『方針』を一気に『阿多』に伝える『門倉』。

                             それに対し、

「分かったわ。正直、『門倉』さん。貴方が女性ナースに扮するのは少し難しいように感じていたけど、
 『鈴元』君なら、当院の技術を用いれば十分に可能よ。
 といっても ――フフフ――― メスを入れたりはしないから安心してね。

 『鬼塚』さんはじゃあそうね、大体、一人目の『患者様』の対応が
 終わった後くらいに、話が聞けるように時間調整しておくわ。

 あとは―――『診察室』の患者様と話したいという件は………
 一応、連絡はとってみるけど、『デリケート』な話だから難しいかもしれない。

 私の方で知っている事は伝えられるけど、具体的にどんな事を訊きたいのかしら。
 もう最初の『予約』まで時間もあまりない事だし、手短に済ませられるといいのだけど」

                             『阿多』がこう返してくる。

と、いう事なので、『鈴元』の方で『診察室』での『呪い』について、
特に重点的に訊きたい点があれば、提示してみるのがいいだろう。
『門倉』の説明に問題があれば、補足をいれてもいい。

431鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/24(木) 00:18:11
>>430

「お、お手柔らかによろしゅうお願いしますぅ……」

「あの、肌があんま強なくて、お化粧とかするんやったらその辺も……」

不安だ。
メスは入らないにしてもどんなことを受けるのだろうか。
ナースになる過程が分からなくてドキドキしてしまう。

「患者さんは出来たらで大丈夫です。そん時は阿多センセにその診察室の時こと聞かせてもらえるとありがたいけど」

今の所、何か呪いが起きるきっかけになる言葉があるのではないかとにらんでいる。
患者に起きたことだから患者の発した言葉が鍵なのだと思うが、その場にいたなら先生でも大丈夫だろう。
それとも今の予想とは違うところが核心なのか。

「診察室の時に一回だけって聞いて思ったんやけどぉ」

「何か、普段とは違うことしたとかあるんやろか?」

「普段せん話したとか、なんか失敗があったとか」

432『せんせいのかくしごと』:2019/01/24(木) 23:42:18
>>431(鈴元)
「そう……それならウチにお肌の状態まで
 しっかり考えてやってくれるナースがいるから、その娘に頼むわね」

『鈴元』の『ナース変身』への不安に、『阿多』が医師として応える。

「そして………患者、『玉置(たまおき)』さんの事ね。
 あの人のことは印象に残っている。30代の女性だったんだけど、
 事前に『セラピールーム』で長時間、愚痴を言ってたにも関わらず、
 私の診療の時も、施術と関係のないお喋りをちょくちょく、しててね。
 なんでも『結婚詐欺』にあったとかで、それの愚痴。
 次はもっといい男を見つけてやる、って事で、二重にする相談をしていたのだけどね。

 彼女の愚痴をしばらく、どこか上の空で聞いていたのだけど、
 突然、短い悲鳴のような声が聴こえたから、ハッと『玉置』さんを見たら………
 崩れてきていたのよ―――『顔』が。
     『目』が離れていったと思ったら、『鼻』が曲がったりね。

 『話』にはきいていたから、私はすぐに彼女に落ち着くよう声をかけて、
 ―――しばらくして『レストルーム』に連れて行って休んでもらったわ。

 一応、彼女には『整形する際の不安が顔に現れる事がある』なんて
 もっともらしい事を言っておいたけど、半信半疑という感じだった。
 結局、彼女に関しては整形代をこっち持ちにして、それとなく『口止め』して、
 それで………おしまいね。特に『失敗』したとかそういうのは無かった」

『もういいかしら』というふうに『阿多』はここで話を止める。

433鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/25(金) 00:19:36
>>432

「おおきに……」

ナースになるのはそんなに気負わなくてよさそうだ。

「結婚詐欺……それは、えらい難儀な……」

それで美容外科に来たということか。
よりいい男性と巡り合うためだろうか。
鈴元には理解しにくい感覚だが、女性の心はそういうものなのかもしれない。
そうでなければ、その感情故に衝動的になっていたのか。

「うわの空ってことは、そんなに詳しくは覚えてはらへんってことでええ?」

「それやったらそれで大丈夫なんよ。お話しいただけるだけで御の字やし」

だから、それ以上情報がなければ変身することになる。
ナースに。

434『せんせいのかくしごと』:2019/01/25(金) 01:12:00
>>433(鈴元)
「ええ………ごめんなさいね。それ以上は特には」

『阿多』が首を振る。

「でも、一応、『玉置』さんには連絡しておくわ。
 大丈夫そうなら、アポをとっておきます」

そういうと『スマホ』をいじり始める『阿多』。
『玉置』の連絡先をチェックしているのだろうか―――

          と………
 ♪
    ズズズズン ズンズン
             ズッズッ ジャジャジャジャァ〜〜〜〜ン
                                       ♪

 なにやら勇ましい音楽が『阿多』の『スマホ』から流れてくる。
  特別、聴き覚えはないが―――

                ………   ポチッ

 『阿多』が尋常でなく素早い動きでスマホのボタンを押し、音量をミュートにする。

         ……… ……… ……… ………

「………じゃあ、『ナース』達には連絡しておくから、
 『スタッフルーム』に行って頂戴。貴方達にはそこで着替えてもらいます。
 もう最初の患者様が来るまで、そんなに時間はないから」

そして、『阿多』は先程のメロディには一切触れずに
少し厳しい口調で二人を『スタッフルーム』へと誘導する。
確かに時間がないのは事実だろう。

435鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/25(金) 01:21:58
>>434

「……」

にこっと笑って、少し頭を下げる。
聞かなかったことにすることに決めた。
波風を立てるようなことを言うのは好きではない。
そもそもこの音に対しての指摘が問題になるかは分からないが、無音状態にする速度があまり触れられたくないのを表している気がした。

「じゃあ、行ってきますぅ」

スタッフルームに移動する。

436『せんせいのかくしごと』:2019/01/26(土) 00:06:55
>>435(鈴元)
公の場でスマホの音を鳴らしてしまい、焦るような事はままある事だ。
時間もない―――『鈴元』はそのまま『スタッフルーム』へと向かう。それに続く、『門倉』。

 ……… ……… ……… ……… ………

「ここだったね」

『スタッフルーム』前に行くと、『門倉』が躊躇なくノックし、そのまま入っていく。それに続く、『鈴元』。

『スタッフルーム』はいわゆる『休憩室』のようで、大きなテーブルに複数の椅子が備えてある。
冷蔵庫や電子レンジ、流し場なども設置されている。ロッカーもある。
また、奥の方に男女に分かれたトイレ、また、文字通りの『化粧ルーム』も設置されているようだ。

『スタッフルーム』には二人の男女が居る。いずれもナース服を着ている。

「ようこそいらっしゃいました。私は『武藤』と申します。
 『武藤 暮(むとう くれる)』、看護師をしています。
 例の怪事件を調査している方々―――ですよね?」

眼鏡をかけた長い髪の女性が二人に会釈をする。
落ち着いた上品な印象だ。

「アレ、一人はまだ若いんじゃん? でもなんか雰囲気あるねェ〜〜確かに。
 『霊』とかそうゆうのバッとハラってくれそうなカンジ?
 こりゃあイケるんじゃあないのぉ? 『インチョウ』もイイ人呼んできたんじゃない?
 あ、オレは『角田 連(つのだ れん)』。よろしーく」

対照的にチャラい男。金髪に近い伸びた茶髪。わりに目立つピアス。
一般的な医療職のイメージとかけ離れているが彼も『ナース服』を着ている。

「―――『少年の方』………貴方ですね。
 『カウンセリングルーム』で私と共に患者の話を聞きたいとの話を伺っています。
 お聞きでしょうが、ここは『同性のナース』が立ち会う場所。
 でも、そうですね―――『院長』が言っていたとおり、貴方なら、大丈夫でしょう。
 早速、『化粧ルーム』に、共に行きましょうか」

二人が『スタッフルーム』に来るまでの間に、『院長』が連絡してくれていたようだ。
どうやらこの『武藤』が当面、『鈴元』の面倒をみてくれるらしい。

「あ、『セラピールーム』の人はオレとねェ〜〜〜」

一方の『門倉』は『角田』と、という事のようだ。

437鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/26(土) 00:25:42
>>436

「鈴元涼ぉ言います」

二人のナースに頭を下げる。
男性の方はなんだかナースというか医療従事者っぽくないが、院長と同じ理由だろう。
……多分だが。

「えっと、じゃあ武藤さんと一緒に、やね」

「よろしゅうお願いします」

「門倉さん、なんかあったら連絡でぇ」

門倉に小さな声でそう伝えて、化粧ルームに移動しよう。

438『せんせいのかくしごと』:2019/01/26(土) 01:07:44
>>437(鈴元)

「ああ―――分かった。幸運を祈るよ」

『門倉』も自己紹介を終え、『角田』と共に準備を始めた。
しばらくは別行動となるだろう。

 ………  ……… ……… ………

「では、始めます………

   ―――力を抜いて―――

              まずはスキンチェックから………」

『鈴元』は『武藤』と共に『化粧ルーム』に行き、

     そして―――

               桜が舞うように

                            生まれ変わる―――ッ!

  これが私……?  そう! これが『鈴元 涼』ちゃんだッッ!
  鏡を見れば、すぐそこに『ナース服の少女』が居る!
  『武藤』のスタンド能力か? と疑うばかりの超絶テクニックで、
  パッと見は完全に少年から少女に変化した『鈴元』。

「髪………束ねたままでもいいですけど、
 ミサンガをとってしまてもカワイイと思いますよ。どうします?」

『武藤』が尋ねてくる。
『医療の場』としては束ねておいた方がよさそうだが、
やはり少し価値観が違うのだろう。

439鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/26(土) 02:02:47
>>438

「は、はい……その、優しゅうしてな……?」

少しビクつきながらそんな風には返した。
力を抜いて、相手を受け入れる。

「こ、これが僕なんやね」

(なんかエラいことになってもうたなぁ)

武藤のテクニックに感嘆する。
と同時に客観的に自分の女装というものを久しぶりに見た。
正月などに親族の余興で母の着物を着たり、姉の服を着たが、それとは訳が違う。
本気の、全身全霊の、女装である。

「ミ、ミサンガ取るん?」

「うん……武藤さんがそう言うんやったら」

「僕はエエよ……?」

慣れた手つきでミサンガを解く。
癖のある黒髪が解放されて揺れる。
ふうと息を吐いた。
ポケットがあるならそこにミサンガを入れておこう。

「これで、エエ?」

440『せんせいのかくしごと』:2019/01/26(土) 02:30:25
>>439(鈴元)
ミサンガをとり、解き放たれる『鈴元』の黒髪。
それなりに彼を知っている者でも
彼だという事を認識できないかもしれない。

「いいんじゃないでしょうか。
   やはり、そちらの方が―――いいですね」

『武藤』が自然に『鈴元』の髪を慈しむように撫でる。

「では、そろそろ行きましょう。患者様には
 すでに『カウンセリングルーム』でお待ち頂いています」

『武藤』と共に、化粧ルームを出る。すでに『門倉』達の姿はない。
『セラピールーム』の方へ移動したのだろう。
『鈴元』たちもそのまま『カウンセリングルーム』へと向かう。

「30歳、女性、会社員、『戸葉 彩江(とば あやえ)』様。
 今からカウンセリングする方です。鼻を高くしたいとのご要望。
 具体的な施術の確認や説明は私が行いますので、
 『鈴元』さんは彼女の『思い』を傾聴してもらえれば、と思います」

着く間に簡単な説明を受ける『鈴元』。
せっかくの機会、この間に『武藤』に質問があればしておくといいだろう。

441鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/27(日) 00:39:46
>>440

「あ……え……」

思わず頬が赤くなる。
くすぐったそうに笑う。

「う、うん。行こか……」

いそいそと武藤について行った。

「戸葉彩江さん……」

「そういえば武藤さんは長いことここに務めてはるん? 落ち着いてはるって言うか……」

「あぁ、いや、こんなん仕事と関係あらへんし、聞かれても困るやんね? えっと、呪いって見たりとかしてはります……?」

442『せんせいのかくしごと』:2019/01/27(日) 01:01:47
>>441(鈴元)
「ええ、もう随分長く勤めていますね。『院長』には、とてもお世話になっています」

『武藤』がそう答える。

「『呪い』……ああ、例の『顔』が崩れてしまう………。
 はい―――ありますよ。二回ほど。

 ………貴女は、あれを調べているんでしたね。

         ………では、聴きますか? 『その時の音声』」

『武藤』から意外な提案を受ける。

「『院長』には内緒ですよ?
 『院長』はプライバシーを重視しているのでそういう事は禁止しているのです。
 ただ、いざ『クレーム』が来た時に困るのは私ですからね。
 適正な対応を行った『証明』として、ひそかに録音しているのです。

 ………もちろん、今すぐは無理ですよ。『予約客数人』の対応がありますからね。
                          それが終わった小休憩の時間にでも」

そんな話をしているうちに『カウンセリングルーム』はもう間近だ。
一応の収穫はあったが、最後に一言二言で
確認できる事があれば、さらに何か聞けるかもしれない。

443鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/27(日) 01:39:01
>>442

「長いんやねぇ。落ち着いてはるというか、慣れてはる感じやったからそうなんかなと思うて」

実際そうらしい。

「え、聞いてエエの? 音声」

「出来るんやったら聞かせてもらいたいんやけどぉ」

真実に近づくことが出来るのなら必要なことだ。
多少院長からの心象が悪くなるかもしれないが、こっちも期限がある。

「あ、その音声ってどこの部屋のやつやろか」

444『せんせいのかくしごと』:2019/01/27(日) 02:06:49
>>443(鈴元)
「音声はここ、『カウンセリングルーム』のものよ」

『武藤』が質問に答えるのとほぼ同時に二人は部屋と辿り着く。

  ………

          コン コン コン

   「失礼します―――『戸葉』様」

そして、『武藤』が一礼しながら部屋を入り、『鈴元』も続く。

部屋には『院長室』と同じような応接用のテーブルとソファが設置されている。
そのソファにどっかりと座るのは少し太めの、セミロングの髪の女性。
この女性が『戸葉』だろう。施術したいという『鼻』は………
確かに少し上向きでお世辞にも高いとはいえなかった。

「少し遅いんじゃなァい?
  ええええと、『武藤』さんだっけ? あとはぁぁ―――」

『戸葉』の視線が『鈴元』に注がれる。

「ナースの『鈴元』と申します。新人なので何卒よろしくお願いいたします」

その視線を跳ね返すがごとく、先輩として『武藤』が『鈴元』を紹介する。
これからこの『戸葉』の話を聴かなくてはならない。
『鈴元自身』からもしっかり挨拶しておいた方がいいだろう。

445鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/27(日) 02:57:35
>>444

「失礼します……」

少し緊張きた心地で中に入る。
この女性が戸葉なのだろう。
頭を下げて一礼をする。

「鈴元です。まだ未熟者ですけど、よろしゅうお願いします」

なるべく標準語のアクセントで話そうとするが、どうしてもお国の言葉が顔を出す。
多分、少し訛っているように聞こえるだろうが、誠意は変わらない。
にこっと微笑む。

446『せんせいのかくしごと』:2019/01/27(日) 23:57:30
>>445(鈴元)
「よろしくお願いいたします、『戸葉』さん」

『武藤』も『鈴元』にあわせ、礼をする。

「ふゥん、『鈴元』さんねェ―――
 随分と若そうだけどダイジョウブなのかしらねェ」

『戸葉』は値踏みするかのように『鈴元』を眺める。

「それはもう………『院長』も認めた『優秀』な人材ですので。

 それでですね、『戸葉』さん………本日はこの『鈴元』に、
   『お話の聞き役』をさせて頂いてもよろしいでしょうか。

    『新人』にもいつかは『経験』させなければいけない事。
     心優しい方にしか頼めない事なのです―――『戸葉』さんのような」

 『武藤』がそんな『戸葉』に依頼する。

 『戸葉』は『えェ〜どうしようかなァ〜〜』などと渋るフリをしていたが、
   『武藤』のヨイショに気をよくしたのか、最後には許可してくれた。

「いいわよォ、じゃあ、『鈴元』さんだったっけ。

   まずきかせてもらうけど、
                   アナタ、『人生の目的』ってなんだと思うゥ?

          『人って何を目指して生きていけばいいのォ?』」

そして『戸葉』が『鈴元』に問いかけてくる。
 見かけのわりに、いや見かけどおりの、『ちょっとヘビィ』な話し始めだ。

447鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/29(火) 01:58:12
>>446

(そら、若いわな)

中学三年生だ。
この院内の平均年齢を下げている一員である。

「人生の目的……ですか?」

考える。
どう答えるか、ではなく答えてもいいかという意味で。
こういう場はなるべく相手に合わせるべきだ。
特に、こういうタイプの人間は。

「美意識」

「あるいは、納得とか哲学と言ってもいいですけど」

じんわりと背に汗がにじむ。
鈴元涼の背にある刺青。
咲いた桜のそれは鈴元涼が咲いた桜のようになりたいと願ったから掘られたものだ。

「なので、何を目指すかと言われれば、自分の思う自分、かと」

448『せんせいのかくしごと』:2019/01/31(木) 22:47:31
>>447(鈴元)
「へェ〜〜〜『自分の思う自分』か。
        そうねェ、その通りかもねェ〜〜〜〜」

『鈴元』の答えに『戸葉』はそういうと高笑いする。
印象はけして悪くはなかったようで、彼女はそのまま話し始める。

「ワタシも自分の『美意識』を信じて頑張っていたわ。
 若いころはね〜〜〜志も信念もあったわねェ〜〜〜。

 でも、世の中、いろんな形の『障害』が多すぎるのよ。
  自分の思う自分を目指して一本気に生きても、
    つまァ〜〜らない事で
       足をすくおうとする連中が多すぎるのねェ〜〜〜

  だから、ワタシはもっとも単純で、だけど、
   大抵の困難を解決してくれる魔法の『切り札』を集める事にしたの。

            それはァ〜〜〜『お金』。
      私の『人生の目的』は『大金持ち』になる事よォ〜〜〜〜

    こういうと見下す人もいるけど、シンプルでいいと思わない?
     悩み続けるのも大事かもしれないけど、
      分かりやすい『価値』を見つけたら後はそれを目指せば、
       限りある人生の時間を一番有効に使えると思うのよねェ〜〜〜」

『戸葉』は自分の話を一方的に語りだす。
自分がいかに苦労したかや『金もうけ』の話などを怒涛の勢いで喋り倒していく。

これを聴くというのが、このクリニックのサービスに
なっているようだが、聴く方は結構、大変かもしれない。

とはいえ『鈴元』の目的は『呪いの発現』。
それがこういうシチュエーションで出やすいというのであれば、
とりあえず口を挟まず、彼女に喋らせておくのも手だろう。

あるいは、『戸葉』に『クリニック』について、尋ねてみるのも悪くないかもしれない。

449鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/01/31(木) 23:36:35
>>448

「なるほどぉ」

人間の喋りというのはだいたい三つ。
話したがりか、寡黙か、聞かれれば答えるだ。
寡黙はそもそも答えも淡白で会話になりにくい。
目の前の人間は話したがりだ。
自分の話した言葉をフックにして別の話を展開する。
こういうタイプは気持ちよく合いの手を入れてあげればいい。

「それは大変でしたねぇ」

同調。
下手に口を挟まず、とりあえずは喋らせておいてみよう。

450『せんせいのかくしごと』:2019/02/02(土) 03:49:49
>>449(鈴元)

『鈴元』のとったの態度は『同調』。
それに乗じて『戸葉』はペラペラと話を続ける。


  ペラペラ
          ペラペラ
    ペラペラ
                 ペラペラ

         ペラペラ
                          ペラペラ

  ………
           ………
                       ………

上手く行き過ぎたようで、『戸葉』の話は止まらない。
これがいいのか悪いのか――――

とりあえず、いまのところ、『呪い』の兆候は一切ない。
そんなに数多く出現するような話ではなかったので、
あるいは『戸葉』のケースでは『呪い』は発動しないのかもしれない。

「それでその娘、『株』とか『投資』とかそうゆうのは『よくない』っていうのよね。
 それは『ギャンブル』なんだって! 『邪道』なんだってさァ〜〜〜。
 あ、バカなんだ、って思うわよね。
 日本の教育ってお金を稼ぐ方法については教えないじゃない?
 むしろ『真面目に働く』のが唯一の道、みたいなノリだものね〜〜〜
 あれじゃあ仕方がないのかしらね。ああいう娘が産まれちゃうのは。

 でも、ふふふ、それなのによォ〜〜〜、ふふふ、笑っちゃう。
 その娘、体よく『カモ』にされちゃったのよ。
 ちょっとイケメン風の………ふう、よ。ふう。
 よく見たら大した事のない男に『マルチまがい』の商材
 押し付けられてヒイヒイ言っているの!
 『それだけで儲かる! 大金が入る!』
 そんな話を信じちゃうのねェ〜〜〜〜愚か。

 最後は『戸葉さァん、この化粧品買ってくださァい』なんて
 ナメた事言ってきたから、ブロックして、完全無視。

 今、どうしてるのかしらェ〜〜〜
    転落人生まっさかさまかしら? 自業自得だけど」

『これ、美容外科で話さないといけない話ィ?』みたいな無駄話が続く。
ただ、そういう話をサービスで聴いてあげているから、ここは流行っている(た)のだろう。
『王様の耳はロバの耳』。愚痴の吐露の場の提供は、それだけで『癒し』という事か。

451『せんせいのかくしごと』:2019/02/02(土) 03:53:27
>>449(鈴元)


 ………
         ………


 ゴゴ
            ゴゴゴゴゴ

          ゴ

                 ゴ
                                ゴ


 ―――そして、『その瞬間』は唐突に。

            ふと、『鈴元』は『異変』に気づく。

正確なタイミングは分からなかったが、
 いつのまにか―――『手』。
 『目』を覆うのにちょうどいいサイズの『小さな両手』。
  それが『戸葉』のそれぞれの目を覆っていた。

  その『デザイン』は人間のそれではなく、
           『鈴元』が馴染む『異能』の意匠だ。

  ゴ    ゴゴゴ  ゴ ゴゴゴ ゴ ゴ ゴ

 『戸葉』や『武藤』はそれに気づいていないように思える。
 もちろん、そういう『演技』をしている可能性はあるが―――
 少なくとも目が塞がれている『戸葉』は『見えて』いれば、
 何かしらのリアクションをするのではないだろうか。

 ………

      「………? あら? あらァ?」

『戸葉』が混乱し始めたのは『手』が動き出し、
彼女の目がそれにあわせ、左右に明確に離れていってからだ。
あそこまで離れれば『視界』に確実に影響があるだろう。

『手』は更に移動し、それにあわせ
 『左目』は『頬』に『右目』は『額』に移動し始めた。
『戸葉』は何が起きているのかわからず、
 自分の顔を触りだすが、『現れた手』は『戸葉の手』を『透過』する。

「ちょ、ちょっとォ? なに!?

      どう、どう、どうなってるのォぉぉ〜〜〜〜!?」

『戸葉』の悲鳴にも似た訴え。
『武藤』は意外なほど冷静だが、
彼女はこの現象をすでに何度か見ているとの事。
『覚悟』がある、という事なら、
取り乱したりしないのはおかしい事ではないのかもしれない。

このまま『観察』を続けるか、
     あるいは何かしらの『干渉』を行うか。
              それは、『鈴元』の考え次第だろう。

452鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/03(日) 00:21:58
>>450-451

「それは難儀でしたねぇ……」

柔らかく笑みんで返しながら相手の様子を見る。
話の内容も重要なので聞いておくが、気分のいい話ではないかもしれない。
否定できる立場でも人生でもないし、性格でもないからちゃんと聞くが。

「……!」

(出た、出てきた……!)

特に引っかかるような特別な言葉はなかったはずだ。
だとしたら、これは言葉に反応するものではないのか?

(来て……)

『ザ・ギャザリング』を発現し、現れた手を掴みに行く(パス精CCC)

「……多分、心のどっかの不安な気持ちが出てきてるんだと思いますから」

「目を閉じて深呼吸を……必要なら手を握っても……」

聞きいれられるかは分からないが、一応声はかけておく。
自分が取り乱しても相手の動揺をあおるだけだし。
どんな人間でもここに来た以上は自分の客だ。
この場で安心安全の保障は出来ないが、不甲斐ない姿は見せられない。

453『せんせいのかくしごと』:2019/02/03(日) 00:53:01
>>452(鈴元)
「不安………そう、なの………!?
 でも! グルグル目がァ〜〜!
  『メマイ』って、れ、レベルじゃあないわよォ〜〜〜!!」

『戸葉』に声をかけるが、容易に心を落ち着かせられる状況ではないようだ。

そこで、『鈴元』は、祈り、念じ、

           『 ハ ラ リ 』

     舞い落ちるように『ザ・ギャザリング』を発現する。
               そして、すぐさま、元凶の『手』を掴もうとするが………

                      ―――『するり』

『手』は『ザ・ギャザリング』のそれを『透過』して掴ませない。
おそらくだがこれは『能力(?)』の『象徴』のようなものなのだろう。
すでに『発動』してしまっている証―――普通のやり方で止める事は難しそうだ。

  ………

          ………

『一分』ほど経っただろうか。『両手』はおもむろに消える。
そして、後に残るは『手』が最後に消えた位置に『目』を持つ『戸葉』だった。
『右目』は顎の部分、『左目』は鼻の横あたりで固定されてしまっている。
そんな事態になっても、ずっと『見えて』はいたようだ。

    「…………ど、どうなっちゃったのォ!?」

『戸葉』にとってみれば『視界』が動くのが止まった形だろう。
このタイミングを逃さず、慌てて自らのバッグからミラーを取り出し、

   そして………
                       パたリ。

     自らの顔を確認した『戸葉』は、『意識』を失う。

「………倒れてしまいましたね。まあ、無理もないと思いますけど」

『武藤』が呟くようにそう語る。冷静そうにみえるが、その顔は蒼白。
やはり、『覚悟』していても『呪い』をみるのは
気持ちのいいものではない、という事なのだろうか。

「手伝ってもらえますか?」

『武藤』は部屋の奥に置いてあった『担架』を持ってきた。
さきほどは気付かなかったが、奥のスペースに『ベッド』もあるようだ。

               「一度、ベッドに寝かせてしまうので」

454鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/03(日) 01:57:24
>>453

(うわ)

触れない。
すでに顔の変質は決定づけられている。
回避は事前に謎を潰しておくしかない。

「……」

やってしまった。
申し訳なさそうに目を伏せた。

「はいな……」

武藤を手伝って担架を持とう。

「武藤さん、慣れてはるんやね。僕まだ心臓がバクバクして、全然アカンかったわ……」

「すんません……」

455『せんせいのかくしごと』:2019/02/03(日) 02:29:40
>>454(鈴元)
「『初めて』なら仕方がないでしょうね。
 先ほども言いましたが私は『二回』、直接目にしていますし
 他の人が見た話も聴いてますから―――」

二人がかりで『戸葉』をとりあえずベッドに乗せた。
グッタリとする『戸葉』。目の位置は奇妙な場所のままだが、
改めて見ると、まるで始めからその位置についていたかのような自然な癒着だ。

「―――大丈夫。時が経てば治りますよ。
 今までの発症した方すべてがそうでしたから」

『武藤』が『鈴元』にそう声をかける。

「………次の『予約』まで、まだ時間があります。
 少し落ち着いたら『戸葉さん』を『レストルーム』に運んでしまいましょう。

 ―――しかし、本当になぜ、こんな事が起こるのかしら。
     『呪い』だとか言うけれど『院長』は本当に頑張っていらっしゃるのに」

『武藤』が軽くため息をつく。
幸か不幸か、『呪い』のおかげで少しだが時間が出来た。

『考察』をするもよし、『情報収集』するもよし、いっそ『休息』したっていいだろう。

456鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/04(月) 04:22:59
>>455

「そうやとしても、流石です」

こういうことがそう何度も起きると院としても大変だ。
やはりこれはなんとかしないといけない問題である。

「……武藤さんが前に呪を見はった時もこんな感じやったん?」

457『せんせいのかくしごと』:2019/02/04(月) 21:55:04
>>456(鈴元)
「ええ、そうですね。私の時も、二度とも患者様の『話』を聴いていたら
 患者様の顔の部位があんな風に目まぐるしく崩れていって………
 終わる時間も大体あのくらいでした」

『手』の事には触れない武藤。
 時間については『能力』の施行時間とみるべきか。
 そして『条件』については、素直に考えれば、
  やはり『話』が怪しい、という事になるのかもしれない。

「先程も言いましたけど『録音』についてはのちほど。
 一刻も早く、貴方達に、『呪い』を解いてもらいたいものです」

『武藤』は心から心配しているようにみえる。
もちろん、人間の心中などそう容易く
分かるわけはないので、絶対とは言えないが―――

458鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/05(火) 00:26:38
>>457

「その時になんか変なもん見たりとかせぇへんかったですか?」

多分、手は見えてないのだと思う。
もしも見えていたのだとしたら教えてくれていただろうとも考える。
人を疑うより、人を信じていたかった。
少なくとも、現段階においては。
『ザ・ギャザリング』で攻撃する振りをすれば、反応があるか確かめられるかもしれないが、それをする気にはなれなかった。

「そうやね、録音とかも確認して考えんと」

「実際この目で見れたんは収穫といえば収穫やけど」

院的には起こさないに越したことはないだろう。

459『せんせいのかくしごと』:2019/02/05(火) 22:22:27
>>458(鈴元)
「変なもの……? この現象そのものが変と言えば変ですけど………?」

『武藤』が首をかしげる。やはり、心当たりはない、といった様子ではある。

 ………

        とぅるるるるる

と、ここで『カウンセリングルーム』の電話が鳴る。
手際よくそれに出る『武藤』。

「『武藤』です。

    ―――はい ――――はい。

                    分かりました。伝えます」

少しのやり取りで『武藤』は電話を切り、『鈴元』に話しかけてくる。

「『院長』からでした。『鬼塚』さんの時間がとれそうなので、
 もし、今、話を聴きたいのであれば、『院長室』まで来てほしいとの事です。
 ただ、まだ、他の『患者様』の話を聴きたいのであれば、
 『後回し』にしても構わないとの事でしたが―――」

『鬼塚』は確か、呪いが起こる前に雇ったナースという話だったか。

「いずれにせよ『戸葉』さんを『レストルーム』に運んでから、という事で構いませんか?」

460鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/06(水) 00:23:23
>>459

「いや、ええんよ。ちょっとそう思っただけで」

ひとまず、そういうことにしておこう。
現実はどうか分からないが。

「鬼塚さん?」

思ったより早かったか。
いや、これぐらいの予想だったか。

「……そうやねレストルームに運んでから、鬼塚さんとお話させてもらおかな」

461『せんせいのかくしごと』:2019/02/07(木) 00:02:14
>>460(鈴元)

『鈴元』の言葉に『武藤』は深く頷く。
二人は再度、協力し合い、担架に『戸葉』を乗せた。

 ……… ……… ……… ………

赴いた『レストルーム』は、部屋の雰囲気は他の物と似ていた。
大きなソファとテーブル、中央には『お菓子』が置かれており、落ち着いた雰囲気。
個別にトイレルームが取り付けられており、大きな鏡と洗面台もある。
奥にベッドがいくつかあるのも特徴か。
これなら何人か、倒れても問題はないだろう。

協力し合い、『戸葉』を『レストルーム』のベッドに移す。

「ありがとうございます。後の事は任せて頂ければ。
『院長室』は、分かりますよね?」

『武藤』が軽く会釈する。問題なければ、
そのまま『院長室』へと向かい、『鬼塚』と会うといいだろう。

462鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/07(木) 02:18:23
>>461

ベッドがいくつもあるのはそれだけ人が入れられるようにするためだろう。
他にも理由はあるかもしれないけど。
またこのベッドに寝る人が増える日を作らないといけない。

(それはそれで問題か)

施術が立て込み過ぎている。
鏡で身だしなみを一応チェックしておこう。

「うん。院長室は一人で行けます」

「ありがとうございます」

頭を下げて礼を言って、院長室に向かう。

463『せんせいのかくしごと』:2019/02/08(金) 07:04:11
>>462(鈴元)
まずは鏡で身だしなみをチェック―――
清潔感溢れる『ナース服』、そして主張しすぎない『ナチュラルメイク』。
『鏡に映る鈴元』は『鈴元自身』が見ても十分に『女子』に見える。

その後、『武藤』へ一礼し、『院長室』へと向かう『鈴元』。
『呪い』を『単純なスタンドの腕力』で防止できない以上、
とにもかくにも『解決』には情報が必要だ。
今は黙々と必要な情報を集めていく時だろう。

 ……… ……… ……… ……… ………

「―――どうぞ」

『院長室』にてノックすると、『院長』の声が『鈴元』を出迎える。
部屋に入ると、『阿多院長』および、少し陰鬱そうな印象を受ける
細身の女性が居た。女性は『鈴元』と同じナース服を着ている。

「『調査』は順調? 話のとおり、『鬼塚さん』を呼んできたけど」

 『阿多』の言葉に、

 「『鬼塚』です……よろしくお願いしします………」

ぽつぽつともう一人の女性が喋る。彼女が、『鬼塚郷子』なようだ。

「どうする? 私が居るとよくないなら、席を外すけれど―――」

『阿多』がそう提案する。

464鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/09(土) 00:24:46
>>463

「……」

見られる女装なのがやっぱり不思議な気分だ。
もう少し所作に気を使えば女性として一日過ごせてしまいそうで。

(……うぅ)

自分の男性性に不満は無いが、これこれで困りものだ。

「はは……おかげさんで」

院長の言葉に曖昧に笑う。
順調というか呪いを起こしてしまった。
収穫といえば収穫なのだが。

「鈴元涼ぉ言いますぅ」

鬼塚に頭を下げた。

「あ、えっと……鬼塚さんが院長とおった方が話しやすいんやったらそれで大丈夫なんやけど」

465『せんせいのかくしごと』:2019/02/09(土) 13:54:11
>>464(鈴元)

「いえ……別に、話せます。一人でも」

『鬼塚』がそう答える。大人しそうな感じではあるが、
流石に一人で話せないレベルでは
ここの仕事はこなせないという事だろう。

「そう………では、私は『診察室』の方へ行っているわね。
 そろそろ『セラピールーム』の患者様を診る準備をしておきたいし」

『阿多』はそう言うと、立ち上がる。
『セラピールーム』は『門倉』が立ち会っている方か。
『何事』もなければ、その後に『診察』という流れなのだろう。

このまま行けば、『阿多』は出ていくだろう。
そこから『鬼塚』との会話が始まるはずだ。

自分から何か言うようなタイプではなさそうだし、
『鈴元』から、会話を引き出してあげるといいのかもしれない。

466鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/09(土) 23:15:05
>>465

院長にはご退室願おう。
……『ザ・ギャザリング』を出現させ院長について行かせる。
セラピールームにいる門倉に呪いを起こしたのを伝えるためだ。
射程外の場合はスタンド会話で叫んでおこう。
一応、鬼塚にも見えているか少し確認だ。

「えっとぉ……改めて、鈴元涼です。今回の呪いの騒動をなんとかして欲しいと依頼されて、ここにおります」

改めての自己紹介。

「院長先生に呪いが起きる前に変わったことは無かったか聞いて、忙しなったから人を雇ったって話を聞いたんよ」

「それが鬼塚さん、でええんよね?」

467『せんせいのかくしごと』:2019/02/10(日) 00:25:01
>>466(鈴元)

『ザ・ギャザリング』が院長の後に続く。
『鬼塚』は見えていないように思えるが、それは、あくまで『印象』だ。

「あ、はい……『鬼塚』です」

『鈴元』の再度の自己紹介につられるように『鬼塚』も再び名乗る。

「え………『院長』がそんな事を言ってたんです?
 私が『変わった事』って………や、確かに『変な事件』が起こる少し前に
  私が入ったのは間違いないですけど………

   え………疑われているんですか? もしかして私が?」

『鬼塚』は敏感なところがあるのか、今の話だけで不安になってしまったようだ。

468鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/11(月) 04:27:57
>>467

鬼塚は心配性なのだろうか。
口数が少なそうな感じであるし、そうなのかもしれない。
警戒されたり不安な気持ちがある状態では話もしにくいか。

「でも院長さんはこの呪いが始まっても辞めずに働いてくれてるって言ってはったよ」

「院長さんからしたらありがたいことやと思うし、多分鬼塚さんが頑張ってはるん知ってるんやと思うんよ」

あの呪いを何度も見れば辞表を出したくなる者も出るかもしれない。
しかし、それでもこの病院には人がいる。

「それに僕の聞き方も悪かったんやと思うわ」

「変わったことはないかぁなんて、怪しい人の出入りとかなかった? って、聞くべきやったやんねぇ」

「鬼塚さんが来はったんは、変わったことは変わったことでも、嬉しいことの方やよ」

柔らかく笑ってそう伝える。
鬼塚が気にする事は何一つないのだと伝えたい。

469『せんせいのかくしごと』:2019/02/11(月) 11:51:22
>>468(鈴元)

「え………『院長』が私をよく思っているって事ですか?
 えへへ……本当ならうれしいな。
 『院長』、いつも、カッコいいし、趣味もいいし………」

『鬼塚』は照れる。不安はいくらか解けたようだ。

「それで………訊きたい事というのはなんですか?
 初めに言っておきますけど、私………『呪い』なんて全然分かりませんからね。
 ほかのベテランの方と違って、遭遇した事もないですし……」

真剣な表情で『鬼塚』は語る。

470鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/13(水) 02:06:54
>>469

「僕はそうやと思うます……うふふ、鬼塚さん、院長先生の事尊敬してはるんやねぇ」

信頼というか、憧れのようなものだろうか。
そういう関係になる人がいるのはいいことだろう。
目標のような存在だ。

「とりあえず呪いを見た時のことを……へ?」

遭ったことがない。
遭ったことがないといったのか。
ベテランか若手というのは恐らく関係がない。
鈴元自身が呪いを確認したのだから、きっと関係はないはずだ。

「……それは」

なんでと相手に聞いても分からないだろう。

「鬼塚さんって他のお人さんと対応が違うんやろか……」

「あ、鬼塚さんは一人で患者さんの応対とかのお仕事してはるんやろか」

471『せんせいのかくしごと』:2019/02/13(水) 04:52:49
>>470(鈴元)
「え………そういう話出ちゃってます?
 『鬼塚の対応なんか違うよねー』みたいな感じですか……?
   う……うう……が、頑張っているんだけどなぁ………。

 ひ、一人で応対する事もありますよ……。
   穏やかな方とか………大人しい方とかは………

   でも、私………なんか、『会話』を盛り上げるのが苦手で………
      よく喋る患者様は、『気持ちよく喋れない』とかで、先輩方を指名したり………

       イライラするとか……  なんとか………
                                   ………ううう……」

『鬼塚』は話しているうちに、だんだんと辛そうな感じになってくる。
話の限りでは、『患者が話す時間』が回数、質ともに
圧倒的に他のスタッフより少ないのだろう。

それでも『鈴元』よりは多いだろうが………
逆に『鈴元』が一発目に引き当てたのが『奇跡的』だといえるのかもしれない。

ともあれ、『鈴元』が『呪い体験』について
『鬼塚』に訊きたかったのであれば、あてが外れた事になるが―――

472鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/13(水) 22:57:08
>>471

「あぁ、すんません、辛いこと思い出させてもうて」

「誰で初めのうち慣れへんと思うし、ゆっくりで大丈夫やと思うよ?」

鈴元は彼女が今回の騒動の中心にいるのだと考えていた。
単純な考え方で、犯人の疑いがあると思っていた。
だから接触をしてみようと考えた。
若干毒気を抜かれた感があったが、しかし話してみれば犯人ではなさそうである部分の方が強い。

(気持ちよく……かぁ……)

「鬼塚さん、よかったら一緒にカウンセリングしてもらわれへんかな」

473『せんせいのかくしごと』:2019/02/14(木) 04:25:03
>>472(鈴元)
「あ………
        はい……ありがとうございます………。

 私、こういう感じなので、他の場所ではあんまり上手くいってなくて………
 『院長』みたいなステキな方の元………働けるのは本当に嬉しいです」

『鈴元』の優しい言葉に、『鬼塚』は礼を言う。

『犯人』………アレが『スタンド』ならば基本的にはそれを操る『本体』がいるはずだ。
極論を言えば、『本体』をどうにかすれば『スタンドの謎』など解かなくても事態は解決する。
『呪い』の能力の詳細や、発動条件だけでなく、本体自体を特定するというのも一つの手か。

「え………『カウンセリング』? ああ……今、『鈴元さん』がやっているんでしたっけ。
 『院長』が許してくれるんであれば………別にいいですけど」

『鈴元』の申し出を承諾する『鬼塚』。もっとも彼女が言う通り、
責任者である『院長』の許可は必要だろう。

474鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/15(金) 01:06:13
>>473

「うんうん。大丈夫やよ。いまお話してても鬼塚さん、ええ人やって思うし」

しかし鬼塚が犯人でないとなると困ったものだ。
院長の答えからすると新しい人の出入りもなさそうだし。
……流石に全スタッフを調べるのは難しそうだし。

「そう。もしかしたら呪いが起きる条件みたいなんがわかるんかもしれんと思って……」

「院長さんにお願いしてみよか……?」

475『せんせいのかくしごと』:2019/02/15(金) 07:53:12
>>474(鈴元)
『鈴元』は犯人について考える。
全スタッフ………そもそも全スタッフは何人なのだろうか。
『医師』は、おそらく『院長』一人。
更に『呪い騒ぎ』で人が辞めているとなると、意外と多くないのかもしれない。

「『呪いの条件』……? 私が居たら分かるんです……?
 でも、それが分かって『院長』が喜ぶなら私もうれしいです……
  『院長』、趣味もいいし、私に優しいし………」

『鬼塚』も乗り気のようだ。これ以上訊く事がなければ、
『院長』にお願いしにいくのもいいだろう。

476鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/16(土) 02:29:54
>>475

鍵になりそうなのは今のところ院長か鬼塚だろうか。
まだ分からないが。
原因が分からないことには絞り込みも難しいところだ。

「分かるっていうか、呪いが起きへんのはなんでかって調べられるんちゃうかなって」

(ほんまに院長さんのこと信頼してはるんやね……)

過剰とも思われるものかもしれないが、鈴元にとってはそれくらいの気待ちが普通だった。
院長にお願いしに行こう。

477『せんせいのかくしごと』:2019/02/16(土) 03:41:10
>>476(鈴元)

「なるほど……なんにせよお役に立てるなら喜んで……」

そんな『鬼塚』と共に、『鈴元』は『院長』の元、『診察室』へ向かう。

  ………

そういえば『ザ・ギャザリング』は無事、『門倉』の元へ行き、呪いの事を『スタンド会話』で伝えられた。

『ザ・ギャザリング』で確認した限りでは、『セラピールーム』では最初の患者との対話が終わっていた。
『セラピールーム』で『呪い』が発現した様子はなく、『角田』がそれとなく『門倉』にダメ出しをしていた。
さらっと聞いた感じだと、『門倉』がやたらと喋りすぎてしまったようだ。

そんなわけで『ザ・ギャザリング』は『門倉』に伝言を届けたまま、『セラピールーム』に居る。
そのままそこに居させてもいいし、一旦、戻すのもいいだろう。

        ………

そして、『鬼塚』と共に『鈴元』は『診察室』の前まで来た。

「……そう! ワタクシ、顔をいじるなんて! と思ってましたけれど、
 大事なお友達がねェ、しちゃったって言うんですのよォ。ですから………」

中から声が漏れてきている。どうやら『診察中』のようだ。

流れとしては『セラピールーム』で、『門倉』達が対応した患者なのだろう。
声が非常に大きいようで、それなりに分厚い『診察室』のドアからも患者の声が漏れ聞こえる。

「………主人も、子供たちも賛成してくれて、
     ワタクシ、感激してしまったんですのよ。

  センセは『独身』でしたっけ?

  ………あらそう。

   おキレイなのにねェ〜〜
    やっぱり女のお医者サマだと色々と難しいのかしら? おほほ」

478鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/17(日) 02:31:00
>>477

(喋り過ぎ……かぁ……)

やはり喋る量なのだろうか。
鬼塚が呪いを見た事がないのが気持ちよく話せないからなら、その辺も関係がありそうだ。
まだ一応セラピールームにスタンドはいてもらおう。

「……」

診察室から聞こえてくる会話に少しだけ瞳が揺れた。
無意識のものだ。
あまり聞きたい話ではない。
阿多がどんな人生を歩もうとそれは自由で、独身であることも綺麗であることも何一つ問題は無い。
扉の向こうの客が笑う意味が鈴元には理解出来なかった。

「もうちょっとおろか」

479『せんせいのかくしごと』:2019/02/17(日) 10:33:48
>>478(鈴元)

『鈴元』は『診察室』の前で待つ事を『鬼塚』に提案する。
『鬼塚』は、無言。見ると明白な『怒りの表情』だ。
怒りのあまり、返事もできないような状況なのだろう。

「―――え?
 ああ、少し声が大きかったかしら?ごめんなさいねェ。
 『セラピー』の方であんまり話せなかったもので、つい。

  でも、ワタクシ、さすがにあの『ナース』さん、良くないと思うんですのよォ。
  自分ばっかり話しちゃって、アレじゃあねェ〜〜」

『ザ・ギャザリング』の情報と合わせて考えれば、『門倉』の事か。

ともあれ、『阿多』が患者の声が大きい事をそれとなく伝えたのだろう。
これ以降、『診察室』から声が漏れる事はなくなった。

「………『武藤さん』に聞いたんですけど、かなり昔に
 『院長』には『真剣にお付き合いしている人』が居たんですって。
 でも『お仕事』の事とか色々あって、結局、『結婚』しなかったって。

 『院長』はそれだけこの仕事に賭けているんですよ。
 ああいう厚顔無恥で極悪非道な誹謗中傷にも負けないくらいに………」

『怒気』と『気遣い』が、『鬼塚』の語りから感じられる。

480鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/19(火) 00:36:27
>>479

「……そんなことがあったんやね」

「やとしたら……まぁ、やとせんでも、さっきのは気持ちのええ物言いではなかったわぁ」

鬼塚の言葉に小さく頷いて同意する。
阿多を否定することなどできない。
自分が助ければいけない依頼人だからじゃない。
鬼塚に、人にこれほど慕われるにはよほどの魅力がなければならない。
ただ、人は時が経てば咲く花ではない。
努力の上に実を結ぶものがあるのだ。

「僕は今日のお仕事が終わったらさよならやけど、鬼塚さんはいてはるから」

「その院長センセの賭けを支えたってください」

(……)

そういえば、だが。

(さっき呪いを受けたお客さんもたしかあんな風に人を悪う言うてはったはず……)

(喋りたがりなんも一致してるんかな……)

(服の乱れが心の乱れ。じゃあ言葉の乱れは……)

顔の乱れか?
まさか。

481『せんせいのかくしごと』:2019/02/19(火) 20:34:33
>>480(鈴元)

「はい……! もちろんですとも……!
 『院長』は、出来る女で、趣味がいいですからね………!
  ずっとついていくつもりです………!」

 『鬼塚』が『鈴元』の言葉に強く頷く。

   そして―――

                               バタン

『診察室』から樽のような熟女が出てきた。
チャラチャラとつけた高価そうな装飾品は見せびらかす為につけているかのようだ。

彼女の顔に『異常』はみられない(元々の顔つきは『悪い』が)。
『言葉の乱れ』に着目した鈴元の憶測は、
少なくとも彼女に対しては当てはまらなかったようだ。

女はそのまま受付へと向かおうとしている。
これで『院長』はフリーになっただろう。

482鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/20(水) 23:25:49
>>481

(趣味がええのは知らんけど)

そこまでになると崇拝だが。

部屋から出る人を見る。
憶測は外れた。
また別のところから考えよう。

「行こか?」

鬼塚と院長のところに向かおう。

483『せんせいのかくしごと』:2019/02/21(木) 01:26:00
>>482(鈴元)

気を取り直し『阿多』のところへ向かう二人。
ノックすると、『どうぞ』の声。そのまま入る。

「―――ああ、お話はもう終わったの?
 何か実のある話が出来たならよかったけれど」

『阿多』は二人にそう話しかける。

「え………あ、はい。なんとなく、話は、出来ました。
 それで、ええと………『事件解決』の為に、
  私が『鈴元』さんと一緒に、『カウンセリング』を
    行おうという話になったんですけど………大丈夫でしょうか」

先程の話は『鬼塚』の方からしてくれた。

「それは、別に構わないわよ。
 『カウンセリング』の方は、もうしばらくしたら
 新しい患者様が来る予定だし」

あっさり許可を得る事が出来た。

484鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/22(金) 02:07:59
>>483

「ありがとうございますぅ」

「……正直、意外というか、ええんですか?」

慣れてない同士のペアということになる。

「鬼塚さんが呪いにあったことないってことで、話を聞いてたんやけど」

というか院長は知らなかったのか。

485『せんせいのかくしごと』:2019/02/22(金) 07:32:23
>>484(鈴元)

「………このままじゃあこのクリニックは潰れてしまう状況よ。
 だから『非科学的』だと思っても貴方たちに依頼した。
 『解決』のためだと言うのならよほどの事じゃあなければ許可します。

ただし、私には貴方たちが『本物』かどうか確かめる術はない。
 だから、期限は今日かぎり。今日だけはとにかく信じるし、
 今日で無理なら他を探す、そういう線引きをさせてもらっているわ」

『阿多』はそう答える。確かに補佐をつけているとはいえ
『鈴元』や『門倉』に直接、患者対応させている時点で、
それなりの『覚悟』はあるのだろう。

「『呪い』にあったことがない……ああ、『鬼塚さん』は当たった事がないんでしたっけ。
 『呪い』について訊きたいという事だったのなら、事前に言っておけばよかったわね」

『呪い』の直接体験は重要な情報ではあるが、他の情報に価値がないわけではない。
『阿多』としてはその他の情報を得るために『鬼塚』に接触したのだと思っていたのだろう。

 ………

それはそうと『ザ・ギャザリング』の視覚で、
『セラピールーム』にて『門倉』が一人になっているのが見えた。
どうやら『門倉』の相棒のナース、『角田』が何かの用事で席を外しているようだ。

もし、何かあるのなら一度、『門倉』と相談して
『現状の整理』や『新たな方針の模索』などしてもいいだろうし、
このまま、『鬼塚』と次の患者の『対応』を行ってもいいだろう。

もちろん、他の行動をするのも『鈴元』の自由だ。

486鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/22(金) 23:18:30
>>485

「……おおきに」

頭を下げる。
こちらとしても今日という日を全うしなければならない。
全て、だ。
全てを完全にしないと終わらせられない。

(もっと色々情報をとっときたいけど、どこからにしよかなぁ)

まだ手札も少ないし。
いったん整理した方がいいだろうか。
このまま呪いが起きるかどうかを確認し続けても、前進の兆しが見えないかもしれない。

『門倉さん、僕です』

『えっと、相談してもええやろか』

門倉が了承してくれたら以下のことを伝えよう。

『さっきお話聞いてたら呪いが起きて、その後に鬼塚さんから話を聞いてたんよ』

『鬼塚さん、呪いに当たったことがないって言うてはって』

『もしかしたら、呪いが起きへん理由がなんかあるんかと思ってこれからカウンセリングするんやけど』

『そっちの具合はどない?』

487『せんせいのかくしごと』:2019/02/23(土) 01:01:41
>>486(鈴元)
『鈴元』は『阿多』の話を受け、少し押し黙った。

  ―――ように『阿多』や『鬼塚』には見えただろう。

 ………

実際は『門倉』と『スタンド会話』を行っていた。

【こっちはまだ一人対応しただけで『呪い』に出会っていないね。
 少し、ほんの少しだけ『トラブル』があったが―――
 まあ『呪い』自体とは関係ないだろう】

    『門倉』が喋りすぎてしまった件の事だろう。

【『呪い』の起きない理由、か。
 ううん……時間があればそれもアリなんだろうが、
 話をきくに『呪い』が起こる確率はさほど高くはないんじゃあないか?
 それが『意図的』なのか『偶然』なのかは分からないが。

 例えば今回、俺が立ち会った際に『呪い』は起きなかったわけだけど、
 それが俺のせいかどうかは証明出来ない。鈴元君が明確な根拠の元、
 『実証』の段階に入っている、というのなら話は別だが―――】

     『門倉』はいつもの調子で長々と語る。

【個人的には今回の依頼、いくつか解決の糸口はあると思う。
 具体的には『呪いの条件』『呪いの理由』『犯人』あたりか。

 今、俺達は『呪いの条件』を中心に探っているわけだけど、
 これはもうとにかく『サンプル』を増やさないと難しいように感じる。
 出来るだけ多くの『発症事例』を集めて、それらを精査する事で条件を探る―――
 正攻法だとは思うが、時間がかかるし袋小路に陥る可能性もある。

『呪いの理由』はそもそもなぜこのクリニックが『呪いの標的』になっているのか、という話だ。
これが分かればその理由を排除する事で解決に導く事も出来るし、
更にさっき言った『犯人』にそのまま繋がる可能性がある。

『犯人』………もしかしたらそんな者はいないのかもしれないが、
俺はこの事件はあくまで『スタンド使い』が起こしている事件だと思っている。
だから、いわゆる『本体』だね。それを見つければ解決はグッと近づくんだが】

   『門倉』の言い分を信じるならば、『呪いの条件』と並行して、
   『呪いの理由』や『犯人』に繋がる情報も探っていくべきかもしれない。
   ただそうはいってもこちらも途方もない道な気がするが―――

【それはそうと鈴元君、君は実際、『呪いの現場』を見たという事だが………
 そこでこの『呪い』、いや、『能力』がどういうものか、何か感じた事はなかったかい?

 そもそもどういった『能力』なのか、それが理解できれば、
  芋づる式に『条件』や『犯人』も分かる可能性だってある】

488鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/24(日) 01:26:48
>>487

『鬼塚さんが呪いにおうたことがない理由は……その、おしゃべりが他の人より苦手ってことやと思うねん』

『僕ん時は相手のお人さんが喋りはる人やったから相槌を打っとったんやけど』

『やから、おしゃべりの中身になんかきっかけがあるんかと思ったんよ』

ただ、それは確証ではない。
予想の範囲を出ないものだ。

『うん、そういうところも探りたくて』

途方もないが、核心は近い。
それに犯人も理由も密接にかかわっている。
どちらかが分かれば大きな前進と言って差し支えないはずだ。

『……手ぇやった。スタンドで触ろうと思ってんけどすり抜けて』

『武藤さんが本体じゃないんやったら、勝手に動いてるんやと思う』

『手ぇのスタンドじゃなくて、能力を使うために手ぇが出てるんかもしれへんね』

『……手ぇが目ぇを動かしてて……福笑いみたいに……』

『そういえば、目ぇの位置だけ動かしてた気が……』

思い出してみよう。
あれは目だけを動かしたのか?
多分、そのはずだが。

489『せんせいのかくしごと』:2019/02/24(日) 08:54:35
>>488(鈴元)

【『おしゃべりの中身』、ふむ………そうだね。
 その話をきくに可能性としてはありそうだ。

 そして、『勝手に動いているであろう触れられない手』か。
  こちらのスタンドで無理やり止めるなんて事は出来なそうだね。
   『自動操縦』みたいなものだったら、やはり『条件』がありそうだが――――

 ………目が手を動かす。

           ………『福笑い』………

      確かに、今の話を聞くにその言葉はしっくり来るね】

『鈴元』は記憶を呼び起こす。『手』の動きに沿って動いたのは『目』だけだった。
だが、『阿多』は呪い時には『目や鼻や口がみんな顔の下に集まった』と証言していた。
『目』だけでなく顔のパーツがおかしな方向に動く………
それに『鈴元』の見た『手』を合わせて考えれば、『福笑い』というのは適切な見立てだろう。

【………やはり『鈴元君』を連れてきてよかった。
 そういえば君は最初から、そう表現していたね(>>419)。
 その『直観』―――俺にはないものだよ。

 『福笑いを模した能力』………
  仮にそれが正しいとすると、『呪い』という言葉とは違う趣きを感じるね。
 『条件』『理由』『犯人』、それらに繋がるヒントになるような気もする。

  それを軸にもう一度考察してみて、そして―――

    ………あ、すまない。『角田』さんが帰ってきた。
     この会話なら継続出来なくもないが、
     こちらもこちらで今の話を元に『情報収集』に集中してみるよ。

                            では、また―――】

『門倉』は一方的にまくしたて、そして、一方的に会話を中止する。
『ザ・ギャザリング』の視覚でも確かに角田は帰ってきている。

 ………

「………あの、じゃあ、『カウンセリングルーム』、行きましょうか?」

『鬼塚』が語りかけてくる。

当初の予定通り、彼女と『カウンセリング』しに行ってもいいだろうが、
『名探偵』とは気まぐれなもの。
『門倉』との会話を踏まえ、まったく別の事をしてもいいだろう。

また、どうしてもまだ『門倉』と相談したいという事なら、
その旨を『スタンド会話』で伝え、どこかで合流するのも手だ。

490鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/25(月) 23:16:47
>>489

『せやと、ええんやけど……』

福笑い。
なにか繋がるものはないか。
正月。
笑う門には福来る。
お亀……お多福。

(あぁ、お多福って阿多福やったか……)

そんなことも考えつつ。
ひとまず門倉とは解散しておこう。
後で合流出来そうならすればいい。

「……そうやね」

とりあえず鬼塚とカウンセリングに向かおう。

491『せんせいのかくしごと』:2019/02/26(火) 22:45:56
>>490(鈴元)

様々な思いを巡らせながら、
『鈴元』は『鬼塚』と共に、『カウンセリングルーム』と向かう。

「―――よろしくね」

去り際に『阿多』からの言葉。

 ………

「ええと……次の患者様は『板槻 波音(いたつき なみお)』さん。
 二重手術がしたい方みたいですね」

『カウンセリングルーム』に向かう間に『鬼塚』がそう教えてくれた。
『阿多』から渡されたのであろう資料を見ての発言。

移動にさほど時間はかからないだろうが、
今のうちに『鬼塚』に何か訊いておきたい事があれば、
訊いておいてもいいだろう。

492鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/02/28(木) 01:45:10
>>491

「二重手術」

まぶたを二重にするのだろう。
生まれつき二重の自分にはやはり縁がない。

「そういえば阿多先生って落ち着いてはるやんね」

「こないな呪いが起きてるけど取り乱してる様子もないし」

「怒ったりすることとかあるんやろか」

493『せんせいのかくしごと』:2019/03/01(金) 05:54:37
>>492(鈴元)
移動時に『阿多』の話題をふる『鈴元』。

「え………『院長』の話? 『院長』に興味がある?
  『鈴元』さん、もしかして『院長』を狙っているんですか………?」

    何やらおかしな方向へと話を展開させる『鬼塚』。

「やめといた方がいいですよ! やめといた方がいいですよ!
 『院長』は付き合えるようなタイプじゃあないんです!

『どこかに行きましょう』って誘っても、大抵断られる………
『阿多 佳久子』………院長は、33歳、独身……
仕事はまじめでクールビューティーな、『趣味』のいい女性……
なんだかエリートっぽい気品ただよう顔と物腰をしているため、
女子スタッフのあこがれの的だけど、オフの姿はほとんどみせない………」

謎の説明と共に『鬼塚』の話は続く。

「『呪い』についてはずっと起きている事だから、
 もう『取り乱す』という段階は超えているんじゃないですかね………。

『怒ったり』………ですか。
 ミスをすればそれなりに叱られますけど、それも仕事熱心だからでしょう。
 家だって隣だし、何かあったらすぐに対応できるようにしているんです……」

494鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/01(金) 22:32:18
>>493

「え、あ、え、いや、なんで?」

急にそんなことを言われて慌ててしまう。
ぽっと頬に赤みが差した。
別にそんなつもりはなかったのだが。

「あぁ……さいですか」

阿多福というよりはやっぱりお高い人か。
鬼塚の熱意が強いのは十分理解できた。

「家も隣なんや」

不思議な話ではないか。
通勤が楽である。
そのかわり、仕事とプライベートの境目が無くなっていくが。

「やっぱり落ち着いた人なんやねぇ」

『ザ・ギャザリング』にその家に呪いの原因がないか探しに行かせてみよう。

495『せんせいのかくしごと』:2019/03/02(土) 01:39:37
>>494(鈴元)

隣の家―――『門倉』が言っていたデカい家か。
『鈴元』は改めて『クリニック』と『デカい家』の位置関係を思い出す。

『ザ・ギャザリング』の射程距離は『20m』。
隣といってもデカい家、駐車場や塀、庭の位置関係から考えるに、
20mでは『家』を遠巻きに見るのが精いっぱいだろう。

そして仮に入れる距離だったとしても、
鍵がかかっていれば正規の方法では入りづらい。
強行突破するか、あるいは正規の方法、『阿多』に話を通すか―――

 ………

そうこうしているうちに『カウンセリングルーム』はすぐそこだ。
腐っても『鬼塚』は正規のナース、
『カウンセリング』は彼女に任せてもいいだろうが………

496鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/02(土) 02:54:29
>>495

無理そうか。
まぁ、それも仕方ない。
『ギャザリング』は近くに呼び戻しておこう。
何かの役に立つかもしれない。

「……」

とりあえず今回は鬼塚に任せてみようとは思う。
何が原因なのか、というのが気になる。
起きなかった場合と起きた場合の違いだ。
自分が口を出して呪いが起きてしまった時は、手の挙動が気になる。
あの時は目だけだったのには理由があるかもしれない。

「じゃあお願いしますぅ」

497『せんせいのかくしごと』:2019/03/02(土) 03:12:27
>>496(鈴元)

とりあえず、『ザ・ギャザリング』を呼び寄せつつ、
『鈴元』は『鬼塚』と共に『カウンセリングルーム』に入る。

 ………

「どうもォー、板槻です」

中には大学生くらいの茶髪の女性が居た。
切れ長の目は濃いメイクで大きく見せる努力がされている。

「え……あ、はい………あの……『鬼塚』………です。
 お話をききに……あ……ここの『看護師』なんですけど………」

対する『鬼塚』は露骨に緊張している。
腐っても正規のナースのはずだが………

 「あ……はい、よろしくお願いします」

『板槻』は笑顔を見せるが、どことなくぎこちない。
『鬼塚』の対応に少し戸惑っているのだろう。
助けを求めるかのごとく、ちらっと『鈴元』の方を見てくる。

498鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/02(土) 21:44:40
>>497

「……」

正規ナースの仕事振りだ。

「……」

鈴元の目的は基本として呪いが起きないケースを確認して起きたケースと照らし合わせることだ。
だから、極力鬼塚に任せよう。

「……」

任せよう。

「……」

それでも手を差し伸べてしまうのが鈴元の欠点である。

「えっと、鈴元って言いますぅ。今回は鬼塚さんの補佐で入らせてもらってるんですけど」

「お話をさせてもらって、ご要望とかご希望を聞かせてもらいますぅ」

にっこりと笑って話して、相手にリラックスして貰えるように努める。

499『せんせいのかくしごと』:2019/03/02(土) 22:04:58
>>498(鈴元)

「あ、はい。よろしくお願いします。

 あなたが……補佐………あー……補佐なんですね。

   ………なるほど。はい、では、ちょっとお話聞いてもらいますね」

『鬼塚』より明らかに流暢に喋る『鈴元』。
『板槻』は、そんな『鈴元』が『補佐』という立場な事に疑問を覚えたようだったが、
『鈴元』と『鬼塚』の年齢差を確認し、自分なりに納得したらしい。

 ………

「ええと、私は今、大学生なんですけどね。
 高校時代はすごく地味な存在で、クラスの隅で一人で
  本読んでるようなタイプだったんですけど。

 せっかく大学入ったんだからってんで、すこし頑張ってみようかなと思って。
  『普通』になる努力してみてるんですけど、ハハハ、どうも上手くいかないというか。
    自信ってのは『一朝一夕』で、つかないもんなんですよね」

そして、『板槻』は話し始める。

 ここから『鬼塚』に相槌を打たせるか、『鈴元』が話を繋ぐかは自由だ。

500鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/02(土) 22:44:52
>>499

鬼塚に任せよう。

「なかなか難しいですよねぇ」

「自信はねぇ」

相槌はうっておくが。

501『せんせいのかくしごと』:2019/03/02(土) 23:31:16
>>500(鈴元)

「そ………そ………そうですよね………
 自信……自信……そうなんですよね………

         それさえあれば……あれば………」

『鈴元』は『鬼塚』に対話の主導権を任せる事にしたが―――
適度な『鈴元』の相槌と違い、『鬼塚』のそれは、なんというか、『重い』。

「……あー、はい。
  そうなんですよ。自信がなくて、
   出来るだけ友達増やそうとしたり、
    メイクに力入れたり………。
      でも」
         「ダメだった……!
          そうですよね。そんなに性格変えられたら苦労しませんよね………。
          分かる、わかる、分かります………

            私も、本当、どうすればいいのか………
            ………ねえ、どうすればいいんでしょう?」

そして、今度は『板槻』の語りをもぎ取るように途中から『鬼塚』が言葉を紡ぐ。

 ………

話しやすい環境を作るのに確かに『共感』は有効だ。
もしかするとこれが『鬼塚』なりに
必死に編み出した『話法』なのかもしれないが………

「……ええと、あー、どうなんでしょうね。

 とにかく、まあ、私は自信がないので一番のコンプレックスである
  『一重』をなんとかしてもらおうとここに来ました。

   …………あー ……、あとは『先生』と話せば大丈夫ですかね?」

明らかにそわそわし出した『板槻』は
 話を相当端折ってこの場を終わらせようとしている。

  ………

    これが『鬼塚郷子』の『カウンセリング風景』―――ッ!

502鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/04(月) 01:13:15
>>501

不味い。
参考になるならないの問題ではなさそうだ。
もう少し話してもらおう。

「……二重に、とのことですが」

「どのような印象にしたいかなど、理想はございますか?」

「先生ぇにお話頂いてもいいのですけど、術前の時間は限られますので」

「有名人の方のように、とのことでしたら、そう、伝えておきます」

503『せんせいのかくしごと』:2019/03/04(月) 22:07:49
>>502(鈴元)

 「あー……はい。そうですね」

スラスラ問いかける『鈴元』に、『板槻』はホッと胸を撫で下ろす。

ゴソゴソとバッグからスマホを取り出すと………

「この人みたいな感じが理想なんですけど………」

画面に映る写真を見せてくる。

そこには、くっきり二重の20歳くらいの女性が映っていた。スタイルもいい。

「『華麗度100%ッ!』で有名な『成増・カレイド・万華(ばんか)』です。
 成増三姉妹の長女の………知ってますよね?」

『鬼塚』を見ると、オオ……という感じの表情を浮かべている。
彼女も知っているようだ。

「え………そりゃあ………さすがの私も知っています………
 凄いですよね、あの身のこなし………火の扱い………」

504鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/04(月) 22:51:40
>>503

「身のこなし……火の扱い……」

知らない。
世俗には疎い。
疎いというか、数が多すぎて実際に会わないと記憶できない。
テレビの向こうはどうにも世界が違うように思えて。
自分とは違う輝いた世界に見えて。

「こういう風に……ですね?」

「お好きなんですか?」

505『せんせいのかくしごと』:2019/03/04(月) 23:06:33
>>504(鈴元)

「あー、そうですね、憧れの人です。
 『仮面舞踏部 〜ドサ回り編〜』の頃から好きなんですよね。

 アレが出来るって信じられないですよね?

           『めくーるめーく♪ スピィいン ダーンス♪』」

『板槻』がニッコリと笑う。
知っていれば理解できる話なのだろうが………

 ………

このまま『鈴元』が話を促していくのも、
『板槻』との対話をほどほどに打ち切って次の行動に移るのもいいだろう。
もちろん再度、『鬼塚』にチャンスを与えてもいい。

506鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/04(月) 23:33:34
>>505

(ドサ回り編……?)

するのだろうが。
するのだろうが、そこを描写していいのだろうか。

(どこの層を狙って……?)

たぶん自分以外の層だと思われる。
それとなく鬼塚に目配せしてバトンタッチしよう。
多分、この話題なら膨らませられそうだし。

507『せんせいのかくしごと』:2019/03/06(水) 02:58:52
>>506(鈴元)

それとなく会話からフェードアウトする『鈴元』。
会話のスイッチを伝えるべく『鬼塚』に目配せをしたが、
緊張する『鬼塚』にはあまり伝わっていないようだった。

だが、彼女には彼女なりの仕事への『使命感』がある。
憶する事なく、『板槻』との会話へ突入していく。

 ………

20分ほど経っただろうか―――
ぎこちなくはあるがなんとか『鬼塚』の対応は続く。
『板槻』の方も『こういう人なんだ』と受容してくれたらしく、
それなりに会話は継続できていた。

「………あー、でも、ここでこんなふうに話が出来てよかったです。
 やっぱり悩んでいたんですよね。結構シリアスに」

『板槻』はどうやらある程度満足できたようだ。

「………そうですよね。眠れなかったりとかもあったんでしょう?」

『鬼塚』が相槌をうつ。だいぶ緊張は解けてきたようだ。

「ハハハ、寝つきの悪い日々が続いていたのは事実ですね。
 でもそれも今日で終わるかもしれません。
 整形なんてする必要ないよ、なんて言ってくれる人もいるんですけどね。
 あー、なんていうか、心と体って繋がっているんですよね。
 身体のもやもやをどうにかする事で心のもやもやを解決出来るなら、
 私はそれでいいと思っています」

 ………

508『せんせいのかくしごと』:2019/03/06(水) 03:00:53
>>506(鈴元)

 ………



   ギ   ュ   ウ    ン

     そして―――

『鈴元』にとっては二度目の邂逅が訪れる。

     『小さな一対の手』。

『板槻』の鼻と口あたりに出現している。
初出の場所はなんというか、それほど精密ではないように感じられる。
この能力が『福笑い』なのだとすれば、出現場所も『無作為』なのかもしれない。

例によって、この場にいる二人、『鬼塚』と『板槻』はこれに気づいていないようだ。


   ゴゴゴ   ゴ  ゴゴ  ゴ ゴゴ

『手』はゆっくり無軌道に動き出す。
『口』と『鼻』がそれにあわせ、奇妙に動き始める。

「………? なんだか、なんだろう。……おかしい、です」

それにあわせ『板槻』が異変を口にする。
対面する『鬼塚』の顔は、見てわかるほど青ざめている。
彼女にとっては『初』の対面となるのだからそれも止む無しか………

509鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/06(水) 10:11:30
>>507-508


なんとか穏やかに進行しているようでよかった。
あの手の発動条件が何かはわからない。
鈴元的には何らかの言葉があると思っていたが。

「!」

想定内だが、予想外だ。
板槻の言葉に荒っぽさや問題のある言葉はなかったはずだ。
前に見た時との類似点は現状見られなかったように思える。
だとしたら何が問題だったのか。
時間か?
それとも別の要因か?
というか、目の悩みなのに鼻にも手が出ている。
分からないが、この手の妨害は不可能らしいことは分かっている。
ただ、何とかしないといけない。

「……」

『ザ・ギャザリング』を発現。
板槻の顔に触れ、少しだけ揺らす。
花びら化を行い、手の目を奪えるか試す。

510『せんせいのかくしごと』:2019/03/06(水) 23:04:22
>>509(鈴元)

様々な要因に思いを巡らせながら、
『ザ・ギャザリング』を操作し、板槻の顔を揺らす。

 ゆ さ ゆ さ
                  は ら り

少しの揺れの為、『花びら』が数枚、舞い落ちる。
それは『板槻』の肌の表面が変化したものだ。

『花びら』が付着したものの『目を奪う』―――
その効力が『手』に効果があるか確かめたかったが………

   す る り

そもそも『花びら』は『手』をすり抜けて落ちてしまう。
先程もそうだったが『手』は顔のパーツ以外に干渉しないし、されないようだ。

 「え………肌が……? 今度は何………?」

実体化した『花びら』は『鬼塚』に混乱を生み出していた。
『板槻』も『ザ・ギャザリング』に揺らされ、混乱しているようだ。

 ………

 そして、『手』は『口』と『鼻』をバラバラな位置に置いた後、ふっと消えた。

511鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/07(木) 07:22:22
>>510

(あかんか)

花びらは解除しておこう。
やはり干渉はできない。
手が出てきてからでは遅いようだ。

「……」

さて問題はこれからどうするかだな。

512『せんせいのかくしごと』:2019/03/07(木) 23:47:36
>>511(鈴元)

『ザ・ギャザリング』の花びらは解除される。
しかしそれでも場は混沌としていた。

 ……… ……… ……… ………

沈黙が訪れる。実際はそれほど長い時間ではなかったのだろうが、
やけにゆったりと時が流れているように感じる。

「………私、なんか、おかしいんですけど」

 しばらくして、そう発言したのは『板槻』。

口が額近くまで移動しているのだから、異常な感覚があって当然。
だが、現実味がないこの現象に完全にはついていけていない、そんな様子だ。

確か、この『呪い』は時間で切れるという話なはず。
『レストルーム』あたりに上手く誘導して、付き添いつつ、
少し休んでもらうのがいいのかもしれない。
『鈴元』がそれをやってもいいし、傍らで目を白黒させている『鬼塚』か、
あるいは他のスタッフを呼んでその者に依頼してもいいだろう。

もちろん、他の思惑があれば、それを行うのも自由だ。

513鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/08(金) 00:16:44
>>512

「……術前のストレスが原因かもしれませんね」

「一旦休んでから経過を見ましょう」

それっぽいことを言いつつ。
冷静に考えればストレスで顔の部位の位置は変わらない。

「鬼塚さん、レストルームまでお願いできますか?」

「先生への質問は私がしておきますから」

鬼塚に付き添いをお願いしよう。

514『せんせいのかくしごと』:2019/03/08(金) 00:35:28
>>513(鈴元)

「あー………はい。
 声がなんか、頭に響いておかしい感じなので。
 はい、少し休ませてもらいますね」

『板槻』はどこかぼんやりとした様子だ。
明らかな奇異な現象に理性がついていかないのだろう。
感覚はメチャクチャだろうが、鏡などは見ていないので、
とりあえずまだ信じられそうな『鈴元』の言葉に飛びついた形か。

『鬼塚』は無言で『鈴元』の言葉にぶんぶんと首を振る。
かなりのショック状態のようだが、職務はなんとかこなしてくれるだろう。

                         ばたん

そして、二人は『カウンセリングルーム』を出ていく。

 ………

これから『鈴元』はどうするべきか―――

『カウンセリング』の継続、『武藤』が持っているという『録音』の確認、
『阿多』への報告や対話、『門倉』との相談、他スタッフへの情報収集………
その他もろもろ、やれる事は様々だ。

515鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/08(金) 23:47:27
>>514

椅子に座り、天井を向く。
すっかりあてが外れてしまった気分だった。
言葉の乱れでは無いのだろう。
門倉が相手をした患者には起きず、今回の患者には呪いが起きた。
喋る長さなのだろうか。
だとしたは門倉自身が呪いを受けていないとおかしくはないだろうか。
だとしたら、そこではない何かが問題なのだ。
武藤の持つ録音の確認で真実に近付けるだろうか。
……犯人や原因にはまだ遠い。
福笑いという発想が正しかったとして、そこに繋がる部分もまだわからない。

「一旦せんせと話し合うべきなんかな」

情報収集という意味では重要だ。
院全体のことを把握しているのも彼女だろう。

「……」

外部からの犯行でなければ内部からということになる。
呪いが起きる前にあった主な出来事である鬼塚の勤務。
怪しいかと思っが、鬼塚自身は特に関係がなさそうだ。
病院で働く人間は全員灰色だが、重要度が高いのは阿多だ。
彼女が知らず知らずのうちにスタンドに目覚めている、という可能性もあるかもしれない。

「阿多せんせぇー」

カウンセリングルームか、院長の部屋で話をしよう。

516『せんせいのかくしごと』:2019/03/09(土) 23:24:48
>>515(鈴元)
鈴元は独り、途方に暮れる。

 そこで、考える。考える事は重要な事。

   そして、出した答えは―――『阿多』に話を訊く事だ。

 ………

『鈴元』は『院長室』を訪ねる。
幸いというべきか、『阿多』はそこに一人でいた。
自分の机で何やら『書き物』をしていたようだ。
『鈴元』が来ると書いていた紙を裏にし、さっと引き出しにしまう。

 「ああ、貴方………『カウンセリング』は終わった?」

『阿多』が問いかけてくる。
どうやら『板槻』が発症した事はまだ伝わってないようだ。

517鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/11(月) 12:51:24
>>516

「……はい」

何を書いていたのか。
病院に関することだろうか。
それともカルテか何かか。
機密事項なのだろうが、今この場においてはなるべく多くを知っておきたい。
恥ずべきことだが覗き見させてもらおう。

「終わったのは終わったんですけどぉ……呪いが出て……」

『ザ・ギャザリング』を発現。

「とりあえず現状の確認とかも兼ねてお話をしたいんやけど」

「その、試したいこともあるしカウンセリングルームまで来てもろてもええでしょうか?」

カウンセリングルームに移動する流れになったら『ギャザリング』に引き出しを開けさせて中の書類を確認する。

518『せんせいのかくしごと』:2019/03/11(月) 21:16:57
>>517(鈴元)

「『呪い』がまた………」

『鈴元』の報告に、『阿多』は一瞬眉を顰める。

「試したい事? ………ええ、いいわ。
 『解決』の足しになるのなら、付き合いましょう」

『阿多』は『鈴元』の申し出を素直に受ける。
二人は部屋を出て、『カウンセリングルーム』へ―――

 ……… ………

そして、部屋に残されたのは、『鈴元』の異能、『ザ・ギャザリング』。
彼の目当ては、『阿多』がしまった紙だ。

ただの重要書類というだけかもしれない。しかしそうでないかもしれない。
引き出しを開け、紙を取り出し、裏返すと………

        なんだろう、これは?

そこに書いてあるのは、絵だ。『阿多』は絵を描いていた。
『落書き』といってもいいそれはかなり上手い部類に入るだろう。

そのモチーフは―――『奇妙な人型』。
ゴーグルをつけた顔は『皿』のようなものに埋まっている。
身体は黄色を基調としたスーツに覆われている。
傍らには『笑顔のディッシュ』と走り書きがしてあった。

519鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/12(火) 23:30:30
>>518

(え……?)

絵。
なぜ絵を描いていたんだ?
手慰みというか、暇潰しか趣味か?
しかし、この絵はなんというか象徴的だ。
皿に乗った顔。
皿は作った料理を乗せる物だ。
笑顔のディッシュ。

「そういえばせんせぇは仕事熱心な人やって聞いたんやけど」

「ご趣味ってあったりします? お散歩とか絵を描くとか、そういうのは」

「そこで会った人とかそういうのをしてる時に起こったこととかが関係してるかもしれへんから一応」

520『せんせいのかくしごと』:2019/03/13(水) 22:14:58
>>519(鈴元)

「………趣味?」

『カウンセリングルーム』への道すがら、
『鈴元』は『阿多』に問いかける。

その問いかけに怪訝そうな表情を浮かべる『阿多』。

  「いいえ、私は『無趣味』なのよ。残念ながら」

 『阿多』はきっぱりと自らに趣味などないと宣言する。

 「だから、そのへんの事はなんら関係ないでしょうね」

単純な『探り』のレベルでは、『阿多自身』はこれ以上、
この件、つまり『趣味』に関して何か喋る事はなさそうだ。

521鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/14(木) 01:39:14
>>520

「さいですか」

「それやったらよかったです」

微笑んで言葉を返す。
仕事の鬼、ということらしい。
笑顔のディッシュについて急に切り出すと怪しまれる可能性もある。
もう少し、話をしている流れで差し込んだ方がいいだろか。
カウンセリングルームに向かおう。

「カウンセリングを始めんとね」

522『せんせいのかくしごと』:2019/03/15(金) 03:31:45
>>521(鈴元)

『鈴元』は思案し、そして、二人は『カウンセリングルーム』に入る。

『カウンセリングルーム』には、誰もいない。
『鬼塚』は『板槻』を『レストルーム』に連れていっている。
おそらくだが次の『カウンセリング』患者はもうしばらく後に来るのだろう。

 「―――で、試したい事というのは何かしら?」

『阿多』が『鈴元』に早速、こう切り出してくる。

523鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/15(金) 18:20:59
>>522

「カウンセリング……ちゅうか、報告っちゅうか」

阿多が椅子に座ったら自分も座ろう。
座らないなら立ち話でいい。

「現状、二件の呪いと聞き取りの結果の報告」

「それからちょっと阿多先生ぇに聞きたいこともの質問」

「同時に、その間に僕らのどっちかに呪いが起きるかどうかも確かめますぅ」

これからするのはそういう事だ。

「最初の聞取りでなんか患者さんの言葉が呪いを起こすんかと思って調査しました」

「途中で鬼塚さんが呪いを見た事がないって聞いて……呪いが起きた時との相違点を探そうとして」

結果としては呪いが起きた。
鬼塚に任せたままにすれば恐らく起きなかっただろう。

「最初に考えた『言葉』が呪いを起こすっていう予想、僕の見た二人の患者の発言に似たような言葉はなかった」

方向性は似ていても違う悩みであるので当然とは言える。

「やから今度は時間にも注目しようと思います」

だからこの部屋での会話を選んだ。

(まだ発言が鍵であるとは思うけど)

524『せんせいのかくしごと』:2019/03/16(土) 00:51:26
>>523(鈴元)

『カウンセリングルーム』―――
『阿多』が座るのに合わせ『鈴元』も席に座る。

「なるほど………
 それで、『時間』というのは『話している所要時間』という事?
 しばらく『話し続ける』必要があるというわけかしら?」

 『阿多』はチラリと『腕時計』を見る。

「あまりにも長い間、話すのなら、スケジュールを調整しないといけなくなるわね」

 『患者』の予約などもあるし、当然といえば当然か。

「出来たらそういう実験は、
 他のスタッフにお願いしたいところだけど―――そうもいかないという事かしら」

525鈴元 涼『ザ・ギャザリング』:2019/03/16(土) 22:53:31
>>524

「そう、ですねぇ」

「この呪いがどこから来たのか、はまだ分からんけど」

「外からならこの病院が狙われてるってことで、同時にそれは院長が狙われてる可能性もありますから」

要は阿多に恨みを持った者が犯行をしているのではないかということだ。
だから、趣味のことを聞いたりした。
そういう説明をしよう。

「お忙しいとは思うので、その場合は他の人に手伝ってもらいますぅ」

「それと……ひとつ聞かせてもらいたいことがあるんですけど」

「『笑顔のディッシュ』って言葉に心当たり、あります?」

無いとは言わせないが。
時間が無くてもこれの答えぐらいは聞かせてもらおう。


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