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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』

1『幸せ兎』:2017/11/19(日) 16:05:07

――――禍福は糾える縄の如し。

                    『史記 南越伝賛』

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
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【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
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★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
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【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
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715高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/11/26(月) 23:31:22
>>711

「…………あ、」

 見覚えがある天上だ。怪我を負っての入院は、初めての事ではない。
 早見と見知らぬ人間を順に視線で追ってから、自分の調子を確認する。
 傷や欠損はあるか。意識はどうだろう。持ち物や衣服は、まだ身に付けているだろうか。

「……早見さん、怪我は?」
「つか、猫……『カーバンクル』と、五十嵐さんは……?」

 意識を失っていた間の情報を補完するために、二人に話しかける。

716『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/28(水) 06:02:48
【フリー】
>>712(スミノフ)

「ええ、あとはアリーナが上手くやってくれる。
 ――――でしょうから。やってくれるんでしょう?」

          「ええ、そりゃもう。
           オレらの沽券にも関わるんで」

窓の外に、夕日の星見町が流れてくる。

「ゴホッ、入院しちまったらしばらくは、
 粗食と栄養食のフルコースですからねェ。
 今日くらいは良いかもしれませんねェ〜ッ」

喋れる元気を取り戻したイラムシは暢気に返す。

彼の目に見えて大きな負傷は手と喉元の二カ所であり、
背中に深い刺し傷、足にも歪で苛烈な傷を負ったスミノフや、
全身切り傷や内出血、さらに脚に深い傷を負った硯よりはマシだ。

     ブロロロロ

「無茶はしない方が良いですよ、ってのはオレが言うべきじゃないですね!」

           「『アリーナ』に指図される気はありませんよォ」

運転をする吾妻は特に話題に混じってくる事はないが、
話そのものを聴いていないというわけでもないようだった。
この車が止まるまでの付き合いだろう。何かあるなら聞けるかもしれない。

その機会はもちろん――――この仕事を共にした、他の面々についても、言えることだ。

>>713(硯)

「舌にピアスを開けるのって周りでやってる子も多いけれど、
 喋り辛かったりはしないのかしら? 見たところしなさそうだけど」

「エピソードは兎も角、ま〜似合ってますよォ。エピソードはともかく」

壮絶なエピソードの数々を披露する硯に対しても、
フリーの二人は余裕をもって答えてくる。成功者の余裕だ。

「こちらこそ、何度でもお礼をさせてもらうわ。とりあえずは言葉だけだけれどね」

          「勝利の立役者ですからねェ〜ッ。
           先輩の俺もうかうかしていられませんねぇ」

と、そこで話を振られた吾妻がルームミラー越しの視線を硯に向ける。

「あ、こちらは――――」

「ええよ『ジョウキ』クン、せっかくの自己紹介だし自分でさせて」

吾妻のやや畏まった態度に対して、その女はやや独特なイントネーションで答えた。

                 クルッ

そいつは首だけ振り返り、主に硯に視線を向けてくる。
知った顔ではない。というか知った顔がいたら怖いのだが。
 
「あたし、『漣 世未美(さざなみ よみみ)』ですぅ〜〜〜。一応『漣派』のトップで」

              「自分で言うのもなんやけど、
               人の良さそうなメガネやろ〜?」

名前はもう、知っていた。
幸いなのかどうなのか分からないが、口から目まで笑っていた。

717『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/28(水) 06:04:22
【音仙】
>>714(宗像)

地獄の灼熱でもない。外の暑さでもない。
適度にエアコンが入った、生命的で文化的なぬるい空気。

          パシャ

アクアリウムの魚が跳ねる音が、静寂を打った。

「……………………ええ、申し訳ないですけど、『しおん』です」

       「まだ、あちらに行くには早い。
         残酷かもしれませんが……ね」

そこにいたのはやはり、藤原しおんだった。  
ここは、最初に来たあの部屋だ。
違うのは自分の怪我だけ。

「まず、キミの仕事は成功しました……間違いなく」

「今日一日で、『エクリプス』に関与する人間が4名消え……
 何より巨大な爆弾、『カーバンクル』はそれなりに、適切な管理下に置かれる」 

             「エエ……成功、と言って、差し支えはない」

「……………………それは、キミにとってなにか…………『救い』になるでしょうか?」

【早見】
>>715(高天原)

幾らかの傷はある。目に見えて大きいのは、脚の傷だ。
最終局面で『作業服』から受けた攻撃の痕跡は、
色濃く残っている。逆に言うとそれ以外の傷は、
打撲のレベルで止まっており、骨折などは見えない。

「怪我はないよ。君のお陰でね……『カーバンクル』は、」

面目ない、を形にしたような表情の早見に、
アリーナ所属らしき人物が足を止めて割って入る。

「先に一応言うが、アリーナ『漣派』のものだ。初めまして。
 これも一応言うが、私は『スタンド使い』なので侮らないように」

どこか執事を思わせる『場違い』なスーツを着た男だが、
その場違いさは『芯の強さ』のように感じられなくはない。

「猫は『アリーナ』が回収しました。と言うと嘘になる。
 ……『フリーランス』のスタンド使いどもが回収し、
 その売約先とアリーナでの『共同管理』に落ち着いた」

「『最悪な結末』では無い。私の意見でしかないが、一応言う」

そして――――五十嵐の名前には、首を振る。

「猫を愛していたのかもしれない。
 お前には優しかったのかもしれない。
 あるいは『吊り橋効果』かもしれないし、
 私はお前とあれの関係を追及する気もない」

真剣な目だった。
言葉もそうだった。
それが『理由』になるのかは分からない。

「だが、あれは『殺人』の沙汰を犯している人間だ。
 一度や二度でもないし、あれば良いとは言わんが『大義』もない。
 ……仮に生き残っていたなら、遠からず私達が『討っていた』。
 それも大義の名を借りた『殺人』かもしれないが、私は必要な事と思っている」

   「気に病んでいたら悪いので一応言うが、『お前のせいではない』」

                        ・・・つまり、そういうことなのだろう。

718スミノフ『デマーケイション』:2018/11/28(水) 06:45:56
>>716

「肉だなぁ……肉食っときゃなんとかなる……」

そんなことは無いのは百も承知である。
ただ病院食のことは考えたくない。
入院したことはあるがいい思い出はあんまりない。
看護師さんの名前を覚えたり本を読んだりするぐらいが楽しみだった。

「吾妻ちゃん、色男くんよぉ」

「それとそっちの嬢ちゃんも来るか? 仕事抜きにすりゃあ別に敵対する用事もねぇし」

そもそも心から嫌っている訳では無い。
話も通じる人間だし、酒の席にいても嫌じゃない。

「くぁ…… 」

あくびが出た。

719宗像征爾『アヴィーチー』:2018/11/28(水) 23:36:41
>>717

(死に損なった――か)

簡単に楽になる事など許される筈も無い。
仮に行ったとしても、恐らく再会する事は無いだろう。
あいつと俺は『行き先』が違うからだ。

「そうか――」

「話が纏まったのなら、俺から言う事は何も無い」

藤原の話から、大体の事情は把握した。
それなら、それで構わない。

「俺の懸念は、あんたが困らないかどうかという点だけだ」

「依頼主に不利益を被らせるのは、著しく『義理』を欠いている」

『カーバンクル』について考えるのは止める。
それらは、もう終わった事だ。

「……ここを出る前に話した事を覚えているか?」

「俺の目的は、この命に『価値』を持たせる事だと――」

藤原の前に座っていた時の事を思い出す。
考えてみれば、長い一日だった。

「俺は――今、自分が生きている事に『意味』を感じられない」

愛する者も憎むべき相手も、この世から既に消えている。
本来ならば、俺が生きている意味は存在していない。

「だが、『命のやり取り』をしていた間、この命に多少の『価値』――
 生きている『意味』を与えられたように思う」

それは、僅かな間の刹那的な感覚に過ぎない事は分かっている。
また生きている事に漠然とした息苦しさを感じた時、
俺は迷わず同じような場に身を置く事を選ぶ。

「――俺には、それだけで十分だ」

最期の瞬間まで、それは繰り返されるだろう。
そうする事が、罪を犯した人間の果たすべき道だと俺は解釈している。

720硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/11/29(木) 21:43:08
>>717
「あなたが漣さんかい。
てっきり壮年の男性を想像していたんだが、まさか女性とは。
今の俺はきっとお面を外したにも関わらず、面食らった表情をしているよ。
本当にびっくりした」


そして後部座席から身を乗り出し、漣、そして運転してる吾妻に深々と頭を下げる。


「『お仕事』の為とはいえ、俺は貴女の名前を使って『アリーナ』の身分を騙った。
ヨミミさん、本当に、本当に申し訳ありませんでした」

「そして『ジョウキクン』さん、俺に騙された君の部下であろう『黒服』の人を責めないで欲しい。
騙した俺が悪いんであって彼らは何も悪くないんだ。
『打ち上げ』での説教もやめてあげて欲しい」

721高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/11/30(金) 00:23:04
>>717

「……ハジメマシテ」

 機械的に挨拶に応じる。
 一時でも、敵対したことになる相手の勢力だ。
 それが、自分が目を覚ますまで手を出すこともなく待っていた、というのはどういうことか。

「『フリーランス』……ね。『アリーナ』とも別の、雇われってことスか」

 男の話を、頷きながら飲み込む。
 望まずとも、足を踏み入れてしまった世界の話だ。
 今後、万が一のために、少しでも情勢を把握しておきたい。

「ま、俺たちゃ最初から、それ以上に部外者だったワケだし……
 あの猫の去就についちゃ、そもそも口出せる立場じゃあねェって、分かってます」

「…………アンタの言うことも、分かりますよ。
 見ねーフリしてた方が、都合よかったから、そうしてただけだ。
 『仲良しこよし』してたワケでもねーし……
 言っちゃあヒデー話だが、あそこで『あの人』と無事に別れてたらサ、
 その後の事なんて、知ったこっちゃあなかったぜ。むしろ一目散に逃げてたね」

「でもさぁ、」

 足の傷痕に手を伸ばし、ぎゅっと力を込める。
 傷は、残ってくれた方がいい。

「正しくても、正しくなくても……そこにいた『責任』って、あるじゃん」

 罪を重ねた。
 いずれ討たれる予定だった。
 互いに、利用し合うための関係だった。
 だとしても。

 自分は、あの場にいたのだ。
 あの男に背中を預け、また背中を任された。
 そのために動いて、そして、何事も為すことは出来なかったのだ。

 その結果が、『五十嵐の死』。

「情けねえ」

 俯いたまま、しばらくの間、指に力を込めて。

「……なんつって、気ぃ遣ってくれたアンタに愚痴っても、困らせるだけだよな」

 ふと、顔を上げ、力の抜けた笑みを見せる。

「教えてくれて、どうもッス」

722『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/30(金) 21:42:49
【フリー】
>>718(スミノフ)
>>720(硯)

「『アリーナ』公認とはちゃうし、
 あたしの儲けにもならへんけど、
 『金』さえ出せば入院はいらんよ〜。
 そういう『能力』の人間がおるらしいの」

        「そーいう特殊な治療は、
         代金は出しませんけどね」

見透かす、というわけではないのだろうが、
漣からそのような『抜け道』が提示された。

「え。まあオレは別に良いですけどね!
 協力者ですし、そういう方と飲みに行くの、
 ウチではルール違反ってわけでもないんで」

        ニッ

吾妻は乗り気のようだった。
いわゆる『飲みにケーション』は彼の処世術なのかもしれない。
そして、硯の謝罪については――――
 
「――――ああ、もちろん説教なんてしませんよ!
 情報の管理については、今後考え直すとこもありそうですけど」

少なくとも飲み会が反省会になる惨劇は起こり得ないようだ。

「あたしは別にええよ〜。『結果論』やけどお陰さまで協力出来たし。
 せやけどあたし以外の名前は、勝手に使ったりせん方がええから〜。
 今後も『アリーナ』絡みで仕事するなら、あたしの名前出してくれてもええよ」

            「ウソの身分じゃなくせばええんやから〜〜〜」

そういえば『漣は外の人間も使う』というような話もあった。
硯は、ツバを付けられそうになっているのかもしれない。

「『アリーナ』の連中と酒飲むなんて、
 妙な評判が広まっちまいそうですがねェ」

    「ただま、今日の功労者は旦那と硯クンなんで。
     お二人が呼びたいってんならオレも良いですよ」

「ジョウキ君は飲み会とか大好きやからね〜。
 そういう場で説教とかするような人間でもないし。
 あたしは酔うたらウザ絡みしてまうけど、それでええなら行こかな。
 ああ、そういう場はオフやから『アリーナこぼれ話』は期待せんでな」

           「知らん女が混じってみんな楽しいんかは知らんけど〜」

身内の反発もない。『アリーナの』という肩書は期待できないが、打上げに呼べはしそうだ。
そうこうしているうちに車は星見町――――今日の戦いの終着点でもあった、繁華街の風景に差し掛かる。

723『金融永久機関カーバンクル』:2018/11/30(金) 21:54:51
【音仙】
>>719(宗像)

「…………困りはしません。私は『音仙』だから、ネ。
 書いている楽譜は一つではないし、演者は一人ではない」

        フフ

その背後には変わらず、『音の木』が立っていた。
コードのような蔓は、宗像に伸びてはいなかったが。

「…………この町は『平和』ですから。
 ……『アリーナ』が『天蓋』のように敵を遮り、
 彼ら自身も、平時は『派閥』単位の戦力でしかない。
 群雄割拠の時代ではなく、『死線』の数は減りました」

     「ですが、無くなったわけではない」

           「……キミの『意味』がそこにあるなら。
             キミが『意味』を喪う事は、ありません」

藤原しおんは儚い笑みを浮かべる。
自嘲とか、納得のようなものがその表情を作っていた。

「ええ……キミに『死線』を味合わせた私は卑怯者です。
 キミの心を、それはとても熱く……危険に燃やすから。
 その自覚と……罪くらいは、私が背負うべきものなのでしょう」

                      「……」

     ス…

「…………写真は、こちらに。……もう、出られますか?」

ベッドのサイドテーブルに、簡素な保護ケースに入れて、例の写真が返された。

【早見】
>>721(高天原)

「一応言うと別に『フリーランス』という組織ではない。
 想像通り『雇われればどこにでもつく』連中の事だな」

補足が入ったが、想像通りのことだ。

「たとえば『エクリプス』にでも……そういう人間を、
 私の派閥に関しては、一々摘発したりはしていない。
 そしてお前の身柄は私の派閥が確保した。『そういう事』だ」

           ザッ

「……私に言えるのはそれだけだ。
 慰めも、同情も、『無責任』にしかならない。
 お前の『後悔』は私のものではないのだから」

傷跡に伸ばす手を止めるでもなく、男は目を細める。

そして、再び足を進めようとする。
言い残すことがあった、というだけなのかもしれない。

「一応言うが、お前を気遣うのは私が親切だからじゃない。
 あくまで『市民』を守るのが『アリーナ』の『責任』だからだ」

           「……他に何も無ければ、私は行く。
            一応言っておくが、『次』があるとは限らない。
            くれぐれも『アリーナ』の敵にならない事を祈っている」

724スミノフ『デマーケイション』:2018/12/01(土) 02:23:24
>>722

「特殊な治療ねぇ……まぁ探してみるか」

抜け道については承知した。
本当にあるのかは自分の目で確かめておこう。

「待てよ一応後輩だ……スカウトはパイセン通しな」

「硯ちゃん、俺の親父の言葉だが……年上の女のエロい誘い以外の女の誘いは気を付けた方がいい」

今回の件においてはだが。

「ま、ただその辺は……本人の意志で……後は酒の席にしようや」

丁度繁華街だ。

725高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/01(土) 23:28:21
>>723

「ああ、うん。それは分かってるッス、大丈夫」
「……ご迷惑、おかけしました」

 相手の立場からしてみれば、『市民』だとしても『エクリプス』を幇助した人間だ。
 見捨ておくことだって出来ただろうに、手間を取らせてしまった。

 深々と頭を下げて、男を見送りたい。

「……そッスね。俺も、『次』がないように気をつけます」

 男の言葉を真に受けるなら、
 この『後悔』だけは、唯一手に入れたものになる。

726宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/02(日) 20:31:16
>>723

相変わらず、藤原は読めない女だ。
しかし、その考えの奥底を知ろうという気は起こらない。

多かれ少なかれ、人は誰しも自分が正しいと思う考えを持ち、
それに従って行動する。
それは藤原に限った話ではなく、
あの争いに加わっていた者達の全員が同じだったのだろう。
そして、俺自身も例外ではない。

ただ、それだけの事だ。

「ああ――」

短く答え、差し出された写真に視線を落とす。
写真の中に残る姿は、何一つ変わる事がない。
その全てが、あの頃のままだ。

(だが、俺は変わった)

(お前が知っていた俺は、既に存在しない)

それを受け取る事に僅かな躊躇が生じ、写真を見つめる。
幾らかの間が空いた。
不意に写真から視線を外し、藤原に向き直る。

「――その前に、済ませておきたい事がある」

「『アリーナ』のスタンド使いに電話をさせて貰えるか?」

藤原に断りを入れ、名刺の番号から吾妻に連絡を取る。
『アリーナ』とは、あくまで利害の一致の上での協力関係だった。
しかし、一応の『義理』は果たしておかなければ寝覚めが悪い。

727硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/12/02(日) 20:36:50
>>722>>724


「スミノフさん、ありがとう。
俺はウブな男子高校生だからな。危うく、漣さんの事を好きになってしまう所だった」

吾妻とも漣とも出会って1時間も経過していなが、
『吾妻』は大組織の『幹部』たりえる器を持っているようだし、
『漣』も予期せぬ状況に対応できる『柔軟性』も兼ね備えている。
『硯研一郎』の2人に対する印象は決して悪くない。いや、むしろかなり好印象だ。


「ああ、早く打ち上げと洒落込もうじゃあないか。
俺は未成年で『酒』は飲めないので『オレンジジュース』をいただくがね」

728『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/03(月) 22:40:01
【アリーナ】
>>724(スミノフ)
>>727(硯)

「病院のどっかにおるらしいで。
 あたしあんま怪我せんから、知らんけど」

       「オレも場所は知らないですね」

調べる必要はありそうだが、
現地でなら噂はすぐ拾えるかもしれない。

「好きになってくれてもよかったんやけど〜、なんちゃって。
 酒の席で結んだ契約ほど脆いもんはあらへんからねぇ。
 そこは自由意志、自由意志。今度改めてお話ししようか〜」

          ニッ

「未成年飲酒はよくないですからね!
 立派な心掛けだと思いますよ……!」

          「店はオレの方でアテがあるんで、
           そこまで車回してくださいよォ〜ッ。
           団体客になっちまいますんで、
           今のうちに連絡だけ入れとくんで」

「アリーナの『黒服』も呼ぶような話をしていたし、
 人数は多めに告げておいた方がいいかもしれないわ。
 『誰々のお箸と皿が足りない』みたいな初動じゃ冷めるし、
 コース料理なら肉の切る数が不平等になったりすると嫌よ」

いずれにせよ、難しい話は今度で良いし、
入院生活への不安とかも今は忘れよう。

今はただ宴席への期待、それだけでいい――――

             ・・・

                 ・・・

                     ・・・

   プルルルルル

「あ、電話?」

しばらくして、一通の着信。

      プルルルルル

           「ジョウキ君、運転中の電話はあかんよ〜」

     「もう着くんですから止まってからにして下さいよォ。
      今事故られたら死にますからね、主にスミノフさんと硯君が」

「いやいや、そこは分かってますよぉ〜っ、と。
 すみません駐車雑ですけど、後で直しとくんで!
 みなさんは先にお店入っててもらってもいいですよ」

              プルルルル

                     ピッ                

やがてイラムシのチョイスらしき店の駐車場に車が止まり、運転席の吾妻は電話を取る。
鍵のロックは解除されており、言葉に加えて先に出ているようにジェスチャーがあった。
 
「――――もしもし?」

剣呑な空気はないし、電話の内容に興味があるとかでも無いなら、先に入っていて良さそうだ。

(☆宴席でのロールや、漣、フリー組との会話を望まないのであれば、店に入った時点で後日談は終了)

729『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/03(月) 22:51:31
【早見】
>>725(高天原)

「一応言うが、逆に『アリーナ』の味方をしたいなら、
 …………ベッドの横に『連絡先』を置いておいた。
 アリーナに与するスタンド使いは、多い方が良いからな。
 いつでも掛けてこい。……不用意に流したりはしないように」

          「では」

              ガチャ

                   バタン

そうして部屋には高天原と、早見だけが残される。
ベッドの横に置かれた小さなテーブルには実際、小さな紙があった。

「……最初に言っとくけど、『報酬』はちゃんと払うからね。
 記事にする事は出来ないけど、今回の事は経験になったし、
 金を生む猫の正体はわかった。『取材』は成功したんだ。
 悪いサガだけど、『記者』としての僕はそう思っている……」

         「だから払うものはちゃんと払うし、
          受け取るものは受け取って欲しい。
          これは……『先輩』としての僕の意地かな」

金の話をいきなりし出すのは、『気まずさ』もあるのだろうか。
その声色は今日あった当初ほど明るくも、堂々としていもしなかった。

ただ――――彼にも得るものはあった、それについては疑うべくもない。
『高天原』は当初の仕事は果たした。その上での『後悔』だからこそ、意味はきっとある。

【音仙】
>>726(宗像)

「…………電話、ですか? ええ、かまいませんよ。
 ここは、映画館とかではないですから……ね。
 それに私はキミの上司でもない。仕事が終われば対等です」

藤原は座ったまま、『蔦』を伸ばして器用に餌箱を掴み、
水槽の魚に――時計から察するに『夕餉』をやり始めた。
読めない女だが、あんがい『ものぐさ』なのかもしれない。

             「それで……ええと」

   プルルルルル

      プルルルルル


「『吾妻常喜』はおそらく今、車を運転していますけれど……」

              プルルルル

             pi

               『――――もしもし?』

「……ああ、もう降りていたんですね。
 そこは聴きそびれていました……ええ。ごゆっくり」

少し時間はかかったが、繋がった。
――何か話すことがあるなら、吾妻は応じてくれるだろう。他に人がいるかは謎だ。

730スミノフ『デマーケイション』:2018/12/04(火) 14:06:38
>>728

「金はあるんだ。焦らずいくかぁ……」


足を組んで息を吐く。
報酬が惜しければ大人しく通常の治療を受けるのもいい。

「スミノフと美味い飯があれば俺はなんでもいい」

目を閉じ、少し眠っていたところ電話の音で起きた。
どうやら店に着けたようだ。

「なんだよ吾妻ちゃん、仕事か? それともオンナか?」

「まぁ、なんでもいいか……誰か肩貸してくれねぇか」

731宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/04(火) 16:50:42
>>729

「宗像だ」

「用事という程でもないが、手を借りた礼を言いそびれていた事を思い出した」

「――感謝する」

「あんたの部下――俺と同じ場に居た男にも『世話になった』と伝えてくれ」

「それだけだ」

吾妻の方から何もなければ、そのまま通話を終える。
そして、テーブルに置かれた写真に視線を戻す。
おもむろに手を伸ばし、それを胸ポケットに仕舞う。

「そろそろ出る事にしよう」

「――世話になった」

ベッドから起き上がり、床の上に立つ。
まともに立っていられるか怪しいが、立たなければ歩く事は出来ない。
歩かなければ、部屋の外に出る事は出来ない。

「また手の足りない『仕事』があれば紹介してくれ」

「『本業』の方でも構わないが」

藤原に告げ、覚束ない足取りで出口に向かって歩き出す。
この扉を開ければ、そこには『地獄』が広がっている。

俺にとっての『地獄』とは、『あの世』ではない。
『真の地獄』とは、『この世』における『虚無の生』だ。

俺は、その『生き地獄』の中で喘ぎ、のた打ち回る。
それが、俺の罪に対する正当な罰というものだろう。

今、その為に俺は生きている。
俺が生かされているという事実を、そのような形で俺は受け取った。

「『アヴィーチー(無間地獄)』――か」

藤原が名付けた『自らの精神の象徴』の名を呟き、部屋を出る。

732高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/05(水) 02:29:28
>>729

「……そりゃ、懐が広いこって」

 紙片を一瞥する。
 『スタンド』の恐ろしさを、改めて味わったばかりだ。
 捨てるほど自棄でもないが、今すぐ拾う気にもなれない。

「……『金を生む猫は実在する』って?」

 早見も、こちらを気遣っているのが分かる。
 彼の代わりに、明るい声を作って、少し張り上げる。

「まあ、真偽は明らかになったなぁ……
 猫が本当にいて、『宝石』を作ってるっつーのは分かった。
 けど、そんだけッス。あの奇妙な『スタンド』の名前も、能力も、どうやって作ってんのかも……」

「……取材は『失敗』ですよ、先輩。
 報酬は受け取れねェッス。
 これじゃ、『読者』のために記事は書けねーっしょ」

 着ている服が同じなら、カーゴパンツのポケットに手を伸ばす。
 まだ、指に触れるだろうか。
 あの建物の二階で、何かの役に立つかもしれないと、拾って忍ばせていた、宝石ふたつ(>>275)。
 アリバイ作り(>>367)のために別室で拾い、散らした分とは別に、取っておいたもの。

 服を着替えているなら手元にはないかもしれないし、
 『アリーナ』に気付かれていたら取り上げられていることだろう。
 『スタンド』で作られたものである以上、射程距離もあるかもしれない。
 でも、そうだ。ただの宝石ではない。
 あの猫の『スタンド』で、作られたものだ。

 もしまだ手にあるならば、ひとつを取って、早見に投げ渡したい。
 取材費も無限ではないのだろう。彼こそ、大損になってしまう。

733高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/05(水) 02:31:20
>>732

734硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/12/05(水) 17:33:27
>>728

「ここが居酒屋ッてやつか。
俺はお酒は飲めないからその分いっぱいご飯を食べようと思うんだ」

車から降りる。
吾妻の電話の内容は多少気になったがこちらに関係ある内容ならば引き止めるだろうし、
それに他人の電話に聞き耳を立てるのは野暮というものだ。
スミノフ達に続き店へと入っていく。

735『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/06(木) 22:49:01
【フリー】
>>730(スミノフ)

「ああ、宗像さん! この度は協力どうもでした。
 一応【音仙】との話はこっちでつけてますし、
 入院費はこっちで手配するつもりなんで……
 あ? お礼? …………なんか、律儀なんですね!」

「ええ、伝えておきます。彼らと、貴方もいたからの成功だ」

        「もし機会があれば、また!
         この連絡先は維持しときますよ」

電話の相手は誰なのだろう?
アリーナの人間ではなさそうだったが、
ともかく通話は相手側から切れたようだった。

「仕事です、仕事。まー大した用じゃ無かったんで。
 律儀なヒトもいるもんだな、ってハナシでしたね!」

          「肩、貸しますよ。
           皆さんけが人ですんでね」

電話を切った吾妻が肩を貸す。
漣も車を降り、イラムシと硯は店に入った。

「私達も行きましょう、スミノフさん」

「そっちの黒服の子らに、地図もちゃんと送っといたってな。
 あたし、当たり前やけど明人クンとこの連絡先は知らへんから」

              「はいっ、すぐやっときます!」

彼らと話す理由でもなければ、
スミノフも店に入って――――それで、話はひと段落だ。

彼らにもスミノフにもこれからはあるが、今日は、そこまで。

>>734(硯)

「好きなだけ食べりゃあいいですよ。
 そんで好きなだけオレンジジュースを飲めばいい」

              ザッ

「オレらは『自由』ですからねェ。
 酒より飯なら、それも良い。
 無理に付き合わせたりはしませんよォ。
 ま、酔っ払いの話には付き合って貰いますがね」

こうして、硯とイラムシは店へ入っていく。
マナビ、スミノフ、アリーナの二人も後から来るだろう。

それからのことは――――ここでは語り尽せない、自由な話だ。

硯 研一郎『RXオーバードライブ』 → 『依頼達成』『報酬80万円』
                         『脚部に大きな切り傷』
                         『全身に細かい切り傷と打撲』
                         『重傷はなし』
                         →『全治3週間』

736『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/06(木) 22:49:38
【音仙】
>>731(宗像)

『ああ、宗像さん! この度は協力どうもでした。
 一応【音仙】との話はこっちでつけてますし、
 入院費はこっちで手配するつもりなんで……
 あ? お礼? …………なんか、律儀なんですね!』

『ええ、伝えておきます。彼らと、貴方がいたからの成功だ』

        『もし機会があれば、また!
         この連絡先は維持しときますよ』

    pi

          ツー  ツー  ツー

「……そういうわけで、ね。外で病院への車が待機しています。
 後で必要なものがあれば、電話ください。届けさせますので……ご遠慮なく」

            パチャンッ

熱帯魚が跳ねた。
写真は元あった場所にしまわれ、
宗像は何とか立ち上がって外に出る。

「『アヴィーチー』」

「命は素晴らしい『音』を溢れさせる。……キミにも生きていて欲しい。
 生きて得られるものが、たとえ苦しみや……罪のつぐないだけなのだとしても」

             「『この世の地獄』は、『あの世』よりずっと美しい」

【早見】
>>732-733(高天原)

紙片には電話番号と『他言無用』の旨だけが書かれており、
その簡素さがかえって、隔絶を生んでいるようでもあった。
ただ、何かにつなげる事は出来るだろう。踏み込むなら価値はある。

「それ、は――――」

高天原の誠実な言葉に、早見は困ったような顔をした。
が、ポケットから無事取り出せた宝石を投げ渡すと、
それはすぐに困ったような『笑み』へと変わっていく。

「そうだ、そうだね。これは記事には出来ない。
 それに『報酬』を払うのは咲哉君にかえって、失礼か」

            キラン☆

――――あの時、拾った宝石だ。
アリーナは服の中までは検めなかったのか、
あるいは、何か私物と勘違いでもされたのか。

真相の奥底までは、とうてい分からない。
そもそも猫の力に本当の意味での名前があるのか、
詳細を知る者がいたのかも、全ては闇の中。
全てを解き明かす事を目標とするならば、
確かに取材は、大成功とは言えないかもしれない。

ただ――――

「でも……得たものはあった。『後悔』とか『怪我』とか、
 『苦い敗北』とか……そういうものだけじゃあないようだ」

偶然とはいえ、手に入れた宝石はどこまでも、『本物』だ。

それを生み出した猫、カーバンクルのその後は分からないが、
無限の価値を生む存在だからこそ、これからも珍重はされるだろう。
能力の深奥こそ読めないが、その存在は真実なのだから。

         ・・・苦みを残す結末ではあるが、輝きも手元にはある。

737スミノフ『デマーケイション』:2018/12/07(金) 11:56:47
>>735

「音仙……?」

「世の中せめぇな……」

可能性が頭をよぎる。

「吾妻ちゃん、その相手作業服着てたりしねぇ?」

「まぁ、とりあえず飲むか」

誰が相手でも本当はそんなに気にすることでないのは知っている。
だからそれ以上深く聞く必要もなく、彼は店に向かって進み続ける。

「はぁ……おつかれさん」

738宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/08(土) 00:05:50
>>736

扉を開き、入口から一歩出た所で不意に足を止める。
この場所へ最初に来た時も、似たような言葉を言われた事を思い出したからだ。
藤原に背中を向けたまま、独り言のように口を開く。

「ああ――」

「そのつもりだ」

少なくとも、生きる事に意味を感じられないからといって自害する気は無い。
簡単に楽になる権利など、俺には無い。
俺は生きている限り、この『地獄』を歩き続けるだろう。

「同時に、『こいつ』も存在し続ける――」

『無間地獄』の名を与えられたスタンドが、自身の傍らに佇む。
凶器を携えた右腕が、鈍い金属質の光沢を放つ。
今日、その腕が血に染められた事は外見からは分からない。

「どのような響きかは知らないが、『音』も鳴るだろう」

「――それは保証する」

言葉と共に『アヴィーチー』が消え、自らの腕で静かに扉を閉める。
遅々とした足取りで歩み、待機している車に乗り込む。
それだけの動作をするのも、今は重労働に感じる。

「頼む」

運転手に短く告げ、シートに背中を預けて両目を閉じる。
精神の奥底に沈んだ『残り火』――それを瞬間的に感じられた事が、
この一件で俺が得られた最大の収穫と呼べるだろう。

また明日も、俺は『この世の地獄』を歩き続ける。

739高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/08(土) 22:20:16
>>736

 宝石と連絡先の紙を、蛍光灯に翳す。
 価値を知られていなければ、いずれも石と紙片だ。

 早見の言う通り、今回の敗北で得たものがあるのだとしたら。
 名も知れぬ喪失感も、いずれその正体を知った時に、価値を見出せることがあるのだろうか。

「……まだ分かんねッス、俺には」

 どちらも机に放り投げ、ベッドに体を沈める。今は、静養に努めよう。

740『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/11(火) 22:14:49
【フリー】
>>737(スミノフ)

「この町でドンパチやってる限りは、
 どーしても知った名前は増えていきますよね!
 電話の相手は――――ま、ご想像にお任せしますよ」

         ザッ
            ザッ

「というわけで、お疲れ様でした!
 こっからは完全、『オフ』で行きましょう!」

         「それがええ、それがええ。
          オンになる時は絶対あるんやから。
          力は抜けるときに抜くのがええわ〜」

「――――本当にお疲れ様、スミノフさん。
 報酬は可能な限り早く、全員に配布させてもらうわ。
 一人『80万』……でも、この予算5千円くらいの飲み屋も、
 それに負けないくらい私は楽しみかもしれない。さ、入りましょう」

          ザッ

                    バタン


スミノフ『デマーケイション』→『依頼達成』『報酬80万円』
               『背中刺傷』『片足裏重度の抉傷』
                →『全治1か月』

【音仙】
>>738(宗像)

「――――――ええ、私にはそれ以上、望むことはありません」

             「……では、行ってらっしゃい」

       バタン

               ブロロロロロ……       

運転手が声を返すより早く、
宗像の意識は再び闇に沈んでいく。

『残火』は燻ぶり続ける。宗像の『命』の灯火として。

宗像征爾『アヴィーチー』→『依頼達成』『報酬70万』
             『背中に重度かつ広大な損傷』
             『硯の殴打により骨にヒビ』
             『軽傷類は手当済み』
              →『全治3か月』   

【早見】
>>739(高天原)   

「僕も、分かったふりをしてるだけなのかもしれない。
 …………それでも、何かは手に入ったと思うのが大事だと思うんだ」

「そうすれば、『心』だけは本当に手に入るかもしれないから」

――――そうして病室は、また静けさに満ちていく。

高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』→『宝石を入手』『30万円相当の価値』    
                    『脚部に大きな切り傷』
                    『その他はおおむね軽傷』
                     →『全治2週間』


・・・

      ・・・

             ・・・戦いは終わった。

全てが上手く行ったわけでもないだろうが、
それぞれの『やるべきこと』は全てやっただろう。

       「ミャオ〜〜〜ゥ」

猫の行方。エクリプス残党達の計画。アリーナという組織。
今は、あるいはいつまでも分からない事もいくつかあるが、
世界は全てを解き明かすより早く、新たな問題に向かう『永久機関』。
完結しない日々は続く。時に闘争、時に平穏の方向に、予測不能の波と共に。

――――同じ戦場に立っていた4人の『この先』も、今ここでは語れまい。
  
                      『金融永久機関カーバンクル』 → 終了

741『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:39:08

【何でも屋】『マナビ』のスタンド。
銃口を二つ持つ、狙撃銃のヴィジョン。

その能力は――『麻酔銃』。

肉体か精神の機能に作用する麻酔を生成し、弾丸状に形成。
極めて遠距離まで、高速で射出する事が出来る。

作用として抑制する機能はそれなりの精度で設定でき、
痛覚のみを麻痺させたりといった芸当も可能である。

難点は威力が低く、殺傷には不向きである点。。
および、極めてシビアな『弾数制限』の存在であり、
無駄撃ちはほとんど許されない。狙撃には本体の腕が必須。

『ペインキラー』Painkiller
破壊力:E スピード:B 射程距離:A(200m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:D

742『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:41:40

【桜島派】『吾妻 常喜』のスタンド。
人型のヴィジョン。機械的で、モノアイが特徴。

能力は詳細不明。
投擲した物が激しく発光し、
『何か』を排出しているようだった。

『インスタントチューンズ』Instant Tunes
破壊力:C スピード:A 射程距離:?
持続力:? 精密動作性:C 成長性:?

743『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:42:46

【スティングレー】『オリオット・グレイ』のスタンド。
本体の全身に纏われる流線型のシルエットを持つスーツと、
愛用のスケボーと一体化して発現する『エイ』のようなヴィジョン。

エイの持つ刃になった両ヒレや尾と、高い精度、速度を用いて戦う。
特に尾は地面を強く突く事による急な方向転換などにも用いられる。

その能力は――『液上滑走』。

通常状態でも歩行よりはるかに速い動きが出来るが、
僅かでも濡れた箇所なら『超高速』で移動する事が可能。
無加速の状態から一気に最高速になる事すらできてしまう。

当然本体はその速度に適応でき、状況把握にも困らない。
また、壁や天井であっても濡れてさえいるなら滑走でき、
その際に重力で本体が振り落とされてしまうという事もない。

転倒や衝突などの事故は大惨事を生みかねないのだが、
スティングレーは己の技術である程度それをカバーしている。
反面、スケボーの技術でどうにもできないなら、どうにもできない。

『ゼロフリクション』Zero Friction
破壊力:C スピード:B 射程距離:E(1m)
持続力:B 精密動作性:B 成長性:D

744『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:46:00

【忍者】『縁隈 真燕』のスタンド。
本体の手に発現される『クナイ』のヴィジョン。
扱う際の手の速度を向上させる。複数本の発現が可能。

その能力は――『ただ乗り』。

これを『影』に突き立てる事で、その持ち主の内部に『潜行』する。
拒否は『不可能』だが、潜行された側に即座に悪影響はない。

本体は対象内部の異次元空間に潜伏した状態になり、
任意のタイミングで対象の表面に『窓』を開け、外に手等を出せる。

対象の体に大穴が開こうが、本体より小さかろうが、
能力さえ発動してしまえば基本的に追い出される事は無い。
ただし、開けた『窓』に何かを入れられると回避は不可能。

本体の脚で動き回り『人込み』にて奇襲を行うのが本質だが、
アリーナなどとの戦闘で脚を喪い、義足になってからは、
現在のように移動型のスタンド使いと組むスタイルになった。

『ハイジャック』Hijack
破壊力:C スピード:B 射程距離:C(8m)
持続力:B 精密動作性:C 成長性:C

745『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:49:03

【負の何でも屋】『藍嵐』のスタンド。
直径1kmほどの、スタンドとしては巨大な、
しかし雲としては小さい『雨雲』のヴィジョン。

本体の上空に常時発現しており、任意解除が不可能。
そしてスタンドが展開した範囲内に激しい雨をもたらす。

その能力は――『豪雨ゲリラ』。

スタンドの『豪雨』が遮るものなく直接降りしきる場所であればどこへでも
本体を瞬間移動させることができる。雨を遮るものがある場所は常に対象外。

そして、完全に雨を遮るものの下に本体が入っている間のみ、
このスタンドは解除される――――ほんの一瞬遮った程度でも。
つまり傘を差せば収まるという事だが、レインコートでは収まらない。

本体の逃避的で『無責任』な性格から芽生えたスタンドで、
このスタンドそのものに明確な攻撃能力は存在しない。

また、雨の降る範囲の状況を把握出来るわけでもないので、
視界外への転移は可能だが極めて危険な事態を招きかねず、
上述した性格もあって事実上『視界内の降雨圏』のみが転移範囲。

『アンダー・ザ・ブルー・アンブレラ』Under the Blue umbrella
破壊力:なし スピード:なし 射程距離:A
持続力:A 精密動作性:なし  成長性:E

746『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:50:38

【エクリプス構成員】『五十嵐 宙』のスタンド。
蟲の天使を思わせるヴィジョン。
ラッパのような形状の器具を手に持っており、
これを武器として使用する反面、素の腕力は弱い。。

その能力は――『炸裂する泡』。

ラッパに息を吹き込むと、『シャボン玉』が噴き出す。
これは『空気』から形成された物であり、
風が吹けば戻ってきてしまうほど『軽い』。
何かに命中すると『爆竹』程度の殺傷力を発揮する。

真価はラッパの先端を何らかの『固体』に突き刺した場合。
この状態で息を吹き込むと、その固体の内部に泡が発生する。
この泡は空気ではなく、突き刺した固体を用いて形成される。
内部発生した泡は自然には炸裂せず、激しい動きや任意で起爆する。

なお、薄い物の場合は、ラッパを刺した面の逆から泡が噴き出る。
この場合についても突き刺した物から形成された泡が噴き出るため、
金属板などを介して攻撃を行えば『鉄の泡』の弾幕を張るなど危険な攻撃を行える。

『エフェメラル』Ephemeral
破壊力:E スピード:B 射程距離:C(8m)
持続力:D 精密動作性:B 成長性:C

747『金融永久機関カーバンクル』:2018/12/13(木) 04:54:54

【金融永久機関】『カーバンクル』のスタンド。
デッサンの崩れた『人間の顔』のようなヴィジョン。
耳の代わりに『蝶』のような羽が生えており、これで移動する。

その能力は――『きらきらしたもの』の増殖。
人間の尺度で言い換えれば、おおむね『鉱物』の増殖である。

スタンドから迫り出す口吻部で『抉り取る』ように鉱物を捕食。
それを内部で際限なく複製して、『大量生産』してしまう事が可能。

それ以上の詳細は明らかになっていない。

金の価値を理解しない猫であるからこそ芽生えたスタンドであり、
金の価値を理解しない猫であるからこそ、気まぐれにしか使ってくれない。
唯一、『五十嵐』の一味だけはこの猫を手懐けていたようだった。

『スウィート・ドリーム・マシン』Sweet Dream Machine
破壊力:E スピード:C 射程距離:A(200m)
持続力:A 精密動作性:A 成長性:B

748『夢と望郷のアリス』:2019/01/05(土) 01:24:17
『星々交わり、日が昇る』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1540228313/136
より・・・

>夢見ヶ崎

シロウサギを追って穴に飛び込んだアリスは、
不思議な国の中で『藤原しおん』達のお茶会に紛れ込む。

    ガタッ
          ガタッ

「面白い」 「愉快」 「興味深いッ」

「オレ様が許可する……マシュマロをくれてやる」

              ズズ

「ただし全部は食うでないぞッ!
 『良識』『常識』『空気』を弁えて食うがいい」

癖ッ毛の男に、大皿を滑らせて寄越された。
気に入られたという感じではないのだが、
物怖じしない姿勢を面白がられたのかもしれない。

「湖に住むUMA?
 それあたしも気になるわぁ〜
 『スタンド』じゃない怪異って、
 とても心をくすぐって離さないわぁ」

パレードの女はステッキを放り投げ、
部屋の隅の『着ぐるみ』がそれを拾う。

「エエ、元気でした……とても。
 私、その、出不精でして……
 こうした機会でなければ、
 なかなか部屋を出る事がないので」

「顔を出そうとも、思ってたのですが」

目に半ばかかった灰色の髪。
首にかけた大きなヘッドフォン。
あの時と同じ――――『音仙』の藤原しおん。

「『アリーナ』が思ったより人員たくさん連れてるから、
 出るとめんどくさぁい事になりそうなのよねぇ〜〜〜」

        「オレ様なら一掃出来る自信はあるがな!」
                 「余裕で」  「悠々とッ」

「無理だからやめてちょーだーい。
 アリィス、『紅茶』と『コーラ』どっちがい〜い?」

       「貴様茶会でコーラなど無粋だぞッ!
        オレ様がわざわざコーヒーなど飲んどるのに」

                      「いいからいいから……」

749夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/01/05(土) 02:46:04
>>748

          ムッシャッ 
                 ムッシャッ

マシュマロをくおう。
そうおもったときには、すでにクチのなかにマシュマロがあった。
なんと、いつのまに!!
こんなみぢかなトコロにも『フシギ』があるとは……。
『ワンダー』をもとめるみちはおくがふかいのだ。

     「フワリとしたやわらかいくちあたり…………」
 
       「やさしくとろけるようなあまさ…………」

    「きぬのようになめらかなしたざわり…………」

   「これらからみちびきだされるけつろんは…………」

   「――――ズバリ!!これは『マシュマロ』だな!!」

『アリス』のロンリテキスイリで、またひとつシンジツがあきらかになった。
もしかすると、マシュマロのカタチした『キャンドル』かもしれないしな!!
いつだったか、『ざっかや』でそんなのみたコトあるし。

「じゃ、どっちもちょうだい。
 えらばれなかったほうがカワイソーだし、
 どれがどのオカシにあうか『たいけつ』させたいから」

せっかくなので両方もらっておく。
だって『パーティー』だし。
実際は、パーティーじゃなくても同じようなことはしてるのだが。

「まえにさがしたんだけどさぁ〜〜〜、みずうみのUMA。
 そのときはガセネタつかまされたけど、またさがそうとおもって。
 セカイはひろい!!どこかにゼッタイいるハズだ!!
 ゼンカイはにげられてしまったが、ワレワレはコンゴもツイセキをゾッコウする!!」

あの時(この辺→ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647870/411)は、
結局ちょっとした出来事があっただけで終わった。
しかし、わたしはあきらめない!!
『アリス』は、ねばりづよいのだ。

「――――ふぅ〜〜〜ん…………」

『チェシャ猫』こと『音仙』こと『藤原しおん』を見つめる。
そういえば、彼女のことはほとんど何も知らなかった。
あらためてみると、なんともフシギのおおいソンザイだ。

「しおんちゃん、ありがとね」

「しおんちゃんのおかげで、イロイロとオモシロいコトにであえてるし」

「しおんちゃん、『とうふスイーツ』スキ??」

いい機会なので会話してみよう。
『アリス』はフシギにめがないのだ。
わたしはトウフチーズケーキがスキだ。

750『夢と望郷のアリス』:2019/01/05(土) 03:33:27
>>749(夢見ヶ崎)

「それじゃー両方持って来させるわぁ。
 『ノスタルジアトピア』」

       ≪……≫

             ≪……≫

    ノシ…
         ノシ…

「『食レポ』を頼んだ覚えなど無いッが、
 『マシュマロ』の事を随分分かっているな」

「悪くない」「むしろ良い」「良い感想であるぞ」

「選ばれなかった方がカワイソー!?
 いいねぇ、いいわぁ、そういうの。
 とってもロマンチックよ、アリスゥ〜。
 そういうの好きなんだ。夢があるから」

何かと褒められるようだった。

そして着ぐるみが二体ほど、奥に去った。
部屋を囲むように配置されたそいつらは、
大きさの割にやはり剣呑さは感じられない。

「ああ…………お礼、なんて」

「……キミの方こそ、ありがとう。
 キミは、この町を楽しい音で満たしてくれる。
 ……これからも、面白い事をたくさん、
 私に言われなくたって……探すのでしょう?」

「湖のUMA……ふふ、キミがそれと出会う日を、
 楽しみにしています。ええ、本当に、心から、聴衆として」

穏やかで、どこか自分を低い所に置く話し方だった。
老成していると言うには若く見える(20代後半か)し、
話の合間に彷徨う視線などは、年相応のものがある気もした。

「豆腐は……ええ、好きですね。豆腐スイーツは、
 あまり食べたことがないんですが……好きです。
 ああ、いつだったか……その、『中華料理屋』で、
 バケツみたいな大きさの『甘い豆腐』を食べましたよ、ネ」

               「嘘つきぃ〜〜〜。頼んだだけで、
                途中で残したの覚えてますよぉ」

      「あれは結局オレ様が半分以上食うハメになったッ」
                     「無計画で」 「無茶苦茶ッ」

この三人には何か『積み重ねた時間』があるのかもしれない。
どこか、『内輪』の笑みを藤原しおんの表情からは感じられた。

「キミは……ええと、『豆腐好き』なんでしたっけ?
 それとも『和スイーツ』が、好きなんでしたっけ、ね。
 私の『ウィスパーズ』の……ここは、木陰ではないし、
 町の声も、『抽出している』ものであって、本質ではない」

「……キミのことは、『心』の声くらいしか、ちゃんと知りませんでしたね」

751夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/01/05(土) 18:00:04
>>750

年齢のことは特に気にせず、あくまでもフランクに接する。
10歳や15歳くらいの差なら、大して離れてるわけでもないだろうと思っている。
まぁ、『じつは100さいだった』とかなら、ちょっとかんがえるけどな!!

「『トウフみたいなおおきさのバケツ』だったらよかったのに。
 ただし、アジのほうがモンダイだな……。
 そのへんはホウフなケイケンがないと、プロでもムズカシイところだ」

もっと大きな問題として、バケツが食えるのかどうかというのもある。
だけど、ひょっとするといるかもしれない。
セカイはひろいのだ。

「そういえば、このまえウチらもマチでぐうぜんあって、
 いっしょにカフェでハニートーストたべたよね??ロブソンくん。
 あのときは、おたがいのシュミのわだいでもりあがって……。
 ロブソンくんのシュミが『バルーンアート』とは、いがいだったな〜〜〜。
 そのあとは、ざっかやめぐりしたんだっけ??
 たしか2ばんめのみせで、『デンキュウ』のカタチした『キャンドル』と、
 『キャンドルホルダー』をかったんだよね〜〜〜」

近くにいる着ぐるみの一体に勝手に名前を付けて、気安く話しかける。
ただ立ってるだけだとタイクツだろうし。
『アリス』は、まわりへのハイリョもわすれないのだ。

「さっすが、しおんちゃんはわかってる〜〜〜。
 なんてったって、わたしは『アリス』だから。
 このよに『ミチ』があるかぎり、『アリス』のぼうけんにおわりはない!!
 きょうも、あしたも、あさっても、『アリス』ははしりつづけるのだ。
 まだみぬ『シロウサギ』をおいもとめて!!」

投げかけられた言葉に力強く返答する。
今ここにいることも、『シロウサギ』を追いかけた結果であり、冒険の一つなのだ。
そして、これからも当然それは続いていく。

「『ココロのコエ』はきいてくれたんでしょ??
 だったら、ソレがゼンブ。ソレがイチバンだいじなブブンだから」

       「――――たぶんね!!」

そう言って、屈託なく笑ってみせる。
藤原しおんが聴いた『心の声』が、自分の根幹を成す部分なのは確かだ。
だからこそ、『ドクター・ブラインド』は目覚めたのだろう。

「でも、もっとくわしくいうなら、オカシはなんでもスキ。
 トウフもスキだし、スシとかヤキニクもスキだな〜〜〜」

「ただ、『バケツ』はニガテかもしれないな……。だってカタイし」

くったコトないけどな!!
わたしはオカシをたべるぞ。
マシュマロはたべたから、ベツのヤツをあじみしよう。

752『夢と望郷のアリス』:2019/01/06(日) 00:36:51
>>751

少なくとも『人間じゃない』という風でもないし、
その辺はちょっと考えなくても良いような気がした。

「バケツは美味しくないですよ……
 いえ、ご存知とは、思いますけど。
 その……キミはどこまで本気なのか読みづらい」

            「あっコーラと紅茶来たわよぉ」

       ノシ  ノシ

着ぐるみが分厚い手袋越しに、やや難儀しつつ、
コーラと紅茶らしき茶色系統の液体が入ったグラスを置く。

        ≪……≫

                ≪……≫

       コクコク


「ア〜リス、『ノスタルジアトピア』にピッタリよぉ貴女。
 キャストの一人って言われても違和感ないものぉ」

            「居着かれては困るぞッ!
              尤も……この好奇心の塊に、
               さらさらそんな気は無かろうが」

着ぐるみならぬ『ロブソンくん』は、
夢見ヶ崎の言葉にうんうんと頷く。
茶目っ気に溢れたその様子は、
まさに『夢と魔法の国』の住民だ。

「そう、ですね。キミの『核心』に私は触れた。
 ……そして『不思議の国』への、入り口を与えた」

           「与えたのは『入り口』だけ。
            道を開き、進んだのはキミ自身。
            ね……それが何より、私には嬉しい」

屈託のない笑みと鏡写しにするには、
あまりに含みのある笑みだったが、
夢見ヶ崎への悪意は感じられない。
かといって善意でもない――――『郷愁』の笑みだった。

「ああ…………私たちはスイーツ好きなので、
 スイーツしか用意してなかったんですけど、
 その、肉や魚も出してもらう事も……出来ますよ?」

         「お茶会なのにですぅ〜〜〜???」

「……そうですね、エエ、たとえ話ですけど」

音仙やその仲間と思われる二人組は、
会話に終始するばかりで、行動に移る様子はない。
これは『目的がある集まり』ではない、ということなのだろう。

近くにあった『チュロス』はシナモンっぽい味だった。どうも『既製品』のようだ。

753夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/01/06(日) 01:52:45
>>752

「そのとおり!!
 『アリス』はイロんなセカイをめぐるぼうけんのとちゅう。
 だから、ひとつのばしょにはとどまれないのだよ。
 ちゃんと『アリス』のコトわかってるな〜〜〜。グッドグッド!!」

         ムシャッ

チュロスをかじりながら会話を続ける。
何となく既製品っぽい味。
そして、どこかで食べたような味だ。

「――なんか、どっかでたべたコトあるアジだな……。
 なんだっけなぁ〜〜〜??」

      ズキュンッ

自分自身に『超味覚』を移植し、そして食べる。

 ブースト
『鋭敏化』された味覚を駆使して、記憶の中にある味と照らし合わせよう。
どうでもいいっちゃどうでもいいけど、一度気になると引っかかってしまうのだ。

「――――あ!!『アレ』か??」

導き出した解答を心の中に思い浮かべた。
当たってるかどうかは分からない。
まぁ、ソレはソレとして――――。

「ほうほう、しおんちゃんがうれしいんならわたしもうれしいぞ。
 いいコトだ、うんうん」

含みの感じられる笑み――その意味の全ては理解しきれなかった。
でもまぁ、喜んでくれるんならそれでいいか。
そう思って、彼女の言葉に同意したのだった。

    ズズッ
          グビッ

「チュロスにあうのは、やっぱりコウチャか??
 たべてると、クチのなかをサッパリさせたくなるし……。
 コーラもわるくはないけど、こうちゃとくらべるとな〜〜〜」

「でも、マシュマロはコーラのほうがイイかも??
 タンサンのシュワシュワかんと、
 マシュマロのフワッととけるカンジがぜつみょうにマッチしてる。
 これをひろめたら、あたらしいトレンドになるな!!」
 
『超味覚』を活用しながらコーラと紅茶を飲みつつ、食べ合わせを行う。
だい1かい『どっちがオヤツにあうか』たいけつはドローとなった。
いつかかいさいされる『だい2かい』にごきたいください!!

「まぁ〜〜〜ねぇ〜〜〜。
 ニクやサカナをつかったスイーツだっていうならベツだけど。
 いや、サカナならいけるな!!ほら、アンコがつまってるヤツがあるじゃん??
 わたしはカスタードいりがスキだな〜〜〜」

「――――ところで、ふたりのナマエってなんだっけ??
 ひさしぶりだからわすれちゃったよ。
 こんどはわすれないようにメモっとくから」

しおんちゃんはしってるけど、ふたりのナマエはしらない。
知らないことは知る。
『アリス』のココロエの、きほんちゅうのキホンだ。

754『夢と望郷のアリス』:2019/01/06(日) 04:23:20
>>753

「躊躇なく自分を切れるんだねぇ」

記憶の中の味……あれはいつ頃だっただろう?
食べたことのある『あれ』と全く同じものなのか、
単に既製品のチュロスはだいたいこんな味なのか。
夢見ヶ崎が愛する『未知』や『冒険』は、そこにはない。

ノスタルジアトピア
『夢と望郷の国』――――それがこの世界だ。

「タイヤキか! タイヤキはオレ様も好きである。
 ――――同じ好物を持つ『同好の士』に免じて、
 『改めて』自己紹介をしてやる。『風見 亜角(カザミ アズミ)』だ」

            ガタタッ

       「藤原の『仲間』とでも言っておく」
          「同郷」 「同胞」 「ゆえに協同ッ」
  ガタッ
 
癖ッ毛を弄りながら、男は大型の猫科動物のように、
腰かけた椅子に体重を預けてしきりに揺らす。

「あたし、『メルコ』だよぉ〜。忘れないで〜。
 フルネームは夢が無いから勘弁してちょ〜だい。
 アリスは『あだ名呼び』が好きな気がするから、
 呼び方はなぁ〜んでもいいわぁ。好きにしてねぇ〜ん」

        「……ああ、そろそろ外は『おひらき』だぁ。
         キャストくんたち、何人か手伝いに行ってね」

メルコが着ぐるみに指揮者のように手で示すと、
部屋の隅にいた内の数体が『バックヤード』へと出て行った。

「アリ〜ス、パーティに戻るなら今だけど……」

            チラ

「……夢見ヶ崎さんに、お任せしますよ。
 エエ、お友達も、たくさん来場しているでしょうし……
 何か……お話したい事があるなら、戻れば間に合います。
 けど、私も、キミのことを……友人だと、思っていますから」

               「……残るのでしたら、もてなします」

この笑みには、藤原がたまに見せる、裏のようなものは感じられなかった。

755夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2019/01/06(日) 13:31:59
>>754

「じゃ、『カザミン』だ。『ユメミン』&『カザミン』かぁ〜〜〜。
 『イズミン』もよばなきゃ。しってる??『ユメミン』のトモダチ」

イズミンもパーティーきてるかな??
さっきはみかけなかったケド。
そういえば、イズミンはしおんちゃんのコトしらなかったみたいだ。
『ベツのばしょ』でなんかあって、きづいたら『センセー』がいたとか。
まだソコにいったコトないから、こんどいかなきゃな!!

「わ、わかりました。それじゃあ『メルコさん』ってよばせてもらいます……。
 そ、そのまますぎるかしら……」

「――――『マリちゃん』だったら、こんなカンジになりそう。
 しってる??『ユメミガサキ』のトモダチ」

少し前にできたばかりの新しい友達だ。
『ピアノ』のスタンドを持っていた。
マリちゃんも、しおんちゃんをしってるんだろうか??
イズミンもしらなかったし、もしかしたらマリちゃんも『ベツクチ』かもしれない。
『アリス』のキョーミはつきないのだ。

「じゃ、『メル』で。シンプルイズベスト!!
 ミニマルなじだいにあわせた、きのうびをおもわせるムダのないネーミング。
 こんねんどの『ベストネーミングしょう』こうほにあがるだけのコトはあるな〜〜〜」

        ガタ

そんなやり取りを一通り済ませたところで、椅子から立ち上がる。
紅茶とコーラはキレイに空になっていた。
お菓子をつまんだ手を軽く払う。

「まんぞくしたからアッチのほういってくる。『アリス』はたちどまれないからさ。
 あたらしい『シロウサギ』をさがしにいかなきゃ。
 オモシロソーなのが、ほかにもいたし。それに、まだプレゼントももらってない」

            「ゴチソーサマ」

パーティーの初め頃に見たメイド男を思い出す。
あれも不思議な存在だ。
キョーミをひかれる。

「けど、カザミンとメルとしおんちゃんは『アリス』のトモダチだから――――」

           「またあおうね!!」

三人に笑顔で手を振って、『夢と望郷の国』を後にする。
『アリス・イン・ノスタルジアトピア』は、ひとまずオシマイ。
『アリス・イン・ザ・パーティーナイト』のクライマックスに戻ろう。

756『夢と望郷のアリス』:2019/01/06(日) 22:43:00
>>755

「オレ様は渾名呼びを許可した覚えはないッ!
 ――――が、それほど狭量でも無いのでな。
 『イズミン』とやらは知らぬが、好きに呼ぶがいい」

「あたしも『マリちゃん』は知らないけど、
 『メル』っていうのは気に入ったわぁ。
 そうなると『モラ』とか『ミレ』とか『ムロ』とか、
 そういうお仲間もいたりするのかしらぁ?」

         「ぜひ探してみてよ、アリス」

二人は『あだ名』を受け入れた。
が、『今泉未来』や『水溜ココロ』は、
彼らの知る存在ではないようだった。
藤原しおんも、それらの名前には特に反応しない。

「次の『不思議』に行かれるのですね。
 エエ……そう言われる気がしていました」

              フフ

「キミが望むのであれば……私はいつでも、
 キミとこうして、机を挟んでお話します。
 あ、いえ、本当にいつでもではないですけど」

「……それでは、行ってらっしゃい。いずれまた」

       「『友達』」「フン」「構わん」
       「『同胞』とは言わんが、友と名乗る事は許可するッ」

            「また来ることもなァッ」
 
「またいつでもこれるよ。あたしは『ノスタルジアトピア』の管理人。
 アリスが未来の夢と、ちょっとばかりの思い出……ロマンを忘れないなら」

         「忘れるわけないじゃないのねぇ」

                  「じゃあ、またね。ア〜〜〜〜リスッ」

『望郷』の世界を背に、夢見ヶ崎は『次なる白兎』を追いかける。
バックヤードを戻っていけば、また、あの『パーティ会場』に辿り着けるだろう。

――――『アリス』の不思議な冒険は、これからも続くのだ。

                      『夢と望郷のアリス』→おしまい

『星々交わり、日が昇る』へ移動。
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1540228313/137-

757『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/19(土) 23:50:05

その日――――『加茂』や『アンジェイル』といった『馴染み』のファイター達が死闘を魅せ、
熱が入り始めた『闘技場』に、水を打ったように『困惑』と『期待』の声がさざめいていた。
水を打つといえば『静まる』というのが普通だが……生憎そんな殊勝な連中は、ここにいない。

  ≪さぁッ≫   ≪さあッッ!!!≫

                  ≪観客の諸君ッ≫

  ≪準備は出来ているかッ!?≫

            ワ
                 ァァァーーーーーーッ ・・・

 ≪この『インターバル』が明ければいよいよ今宵の『メーンイベント』ッッ!!!≫

喝采には、迷いがあった。

               ≪ご存知の方もおられるだろうがッッ≫

会場の中心に運び込まれた『大型の機材』はステージ・ギミックとしても不自然な物で、
明らかに『飛び跳ねて戦う』には場所を取りすぎるそれは、事情を知る観客をもざわめかせる。

      ≪多くのファイターが踏んで来たこの石畳でっ!!
       血と汗をガブガブ飲ませて来たこのステージでッ!!
       『血も汗も滲まない』時間が訪れようとしているッ!!≫

                『ザワッ』

 ≪さながら『リング』という怪物の『休肝日』といった所ッ≫

      ワー   ワー

               ≪だが!! 当アリーナはッ!!
                『休館』どころか益々『満員御礼』ッッ≫

   『ザワ』               ワァァーーッ
 

      ≪これはッ≫

              ファイト
            ≪『武闘』ではなく≫

                      スポーツ
                    ≪『競技』ッッ≫

機材の正体は、すぐに明らかになった。
『物販』や『開発』に噛むという『漣派』が関わった『大規模イベント』の際に時折現れる、
何らかのスタンド能力の産物であろう――――極めて『現実的』な『立体映像』の投射装置。
数台ほど増設された『観戦用モニター』にも映し出された『デモ映像』が、ステージ上にも乱舞する。

    『ザワ』

            『ザワ』

 ≪――――嗚呼ッ、手に汗握る迫真の『武闘』は本当に……心から素晴らしいッ!          『ザワ』
  ゆえに今まで我々『アリーナ』は、台本も、細やかな『制限』『ルール』にやきもきする事もない!
  スタンド使いという『超人』同士の、泥臭い『本物の戦い』が生むドラマを数多魅せて来たッ!
  ・・・『鮮血』と『雄叫び』を禁じ得ない、まさしく究極のエンターテイメントとして・・・だが!
  戦いは『泥臭く』なければ素晴らしくないのか!?『血祭』でなければ素晴らしくないのか! 否ッ!
  ・・・『爽やかな汗』!『声援』!『競技』だからこそ生まれるエンターテイメントも存在するはずッ!!
  
                      即ちッ!! ここにいる諸君が! 新たな潮流の立会人だッ!!!≫


 オ    オ  ォ ォ ォ  ・ ・ ・ ・ ・ ッ ! ! ! 
 
     ≪新時代のステージに立つのは――――
       同じく初お目見えッ! 三者三様の『超新星』ッ!!
        只今『控室』にて最終チェックの真っ最中であるゆえ!≫

            ≪――――花摘みや物販は今の内に済ませるようにッ!
              実況は引き続き、『アリーナ』の『桜島』がお送りするッ!!≫

――――控室にも響く演説じみた『実況』を聞くのは、三人の勇気ある挑戦者。
あまりにも毛色が違いすぎる組み合わせは、とても『同じ競技者』とは思えないもの。
繋ぎとめるキーワードがあるとすれば、それはやはり『スタンド使い』という事になるのだろう。

いかにして彼らがここに集い、この舞台に上がる事になったのか? 物語は今より少し前から始まる。

                        『喝采無/尽のスターライト・ステージ』→開始。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★プロフィール、能力詳細、外見をご提示ください。『持ち物』の提示は不要です。
☆また、『何らかの方法で募集を目にした』か『スカウトを受けた』かを選んでください。

758音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/20(日) 00:13:42
>>757
一対の『剣』と『盾』のヴィジョン。
『盾』は受け止めた攻撃を『紋章』に変え、
『剣』に宿すことで攻撃を『反射』する。

『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』
破壊力:B スピード:C 射程距離:C
持続力:B 精密動作性:C 成長性:B

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/88

★プロフィール/外見
身長179cm。頑強な肉体をカジュアルなジャケパンスタイルで着飾る。
額で分けられたウェーブの黒髪と、逞しい『ケツアゴ』がトレードマーク。

【詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/67

☆参加の経緯
『アリーナ』への参戦をしたく、倉庫街をウロウロとしていたら、
見るに見かねた『スカウトマン』から、今回の参加を打診された。
-------------------------------------------------------------

 「しかし、我々『三人』が一つの部屋で待つということは、

  ――――『3vs3』という形になるのかね」

『桜島』と名乗った男の、剛毅な『実況』を耳にしながら、
イマイチ事情を把握しきってない発言をする。

 「流石に、那須川天心とメイウェザーと、同じ部屋で待たせないだろう?

  『1vs1』を3度繰り返すというのなら、そうだな――――

  ここではなく、『観客席』に座りたいものだね。
  君達の闘いも、見てみたい。……そう、思わないかね?」

『控室』でお茶でも飲みながら、それとなく他の二人に話しかける。

759スミノフ『デマーケイション』:2019/01/20(日) 00:57:36
>>757 (GM)
>>758 (ピエールさん)

プロフィール
優柔不断で流されやすい。
衝動的。

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/56

能力詳細
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/93

服装
薄手のカッターシャツにネイビーのロングカーディガン。

経緯
ふらふらしながらスタンドの練習をしようとしたらスカウトされた。

「貴方がメイウェザーだとしたら、僕はアマチュアボクサーだと思うんですけど……」

見るからに強そうな人間が同じ空間にいて恐縮する。
どうしてこうなった。

「ぼ、僕は闘いとかは……!」

「殴り合いとか知恵比べ、とかじゃない闘いなら、いいですけど……」

760天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/20(日) 00:59:08
>>759
名前欄ミス

761美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/20(日) 01:46:07
>>757

「へえ――」

「初めて来たけど、随分と派手にやってるじゃない。いよいよ『これから』って感じ。
 良いわね。気分がノってきたわ」

こういう場所に来ると、昔を思い出す。
かつてアイドルだった頃、ステージに上がる前に感じていた心地良い緊張感。
あの頃の私は、舞台の上で歌って踊って輝いていた。
今から、もう一度ステージに立つ事になるのだ。
アイドルではなく、『競技者』の一人として。

(でも、まさか本当にこんな所に来る事になるとはね……。
 自分で選んだ道とはいえ、ちょっと無鉄砲すぎるんじゃないの?
 ――くるみ、あなた本当に大丈夫?)

心の中で自分自身に語り掛ける。
事の起こりは、『アリーナ』からの呼び掛けだった。
年末に開かれたパーティーに参加していたから、そこの関係かもしれない。

まぁ背景はともかく、そういう話が来ていたってこと。
最初は断ろうと思った。
もし怪我でもして、仕事に差し障りがあったら困る。

だけど、格闘技みたいに殴り合いをする訳じゃないそうだし、
万一怪我をしても対応してくれるらしい。
何より、私自身の心に『出てみたい』という気持ちが生まれたから。
多分――またステージの上に立ってみたいという『願望』があったせいだと思う。

(大丈夫よ。デビューした時だって、そうだった。あなたなら出来るわ。
 私は、美作くるみなんだから)

(――やってやろうじゃない)

アイドルとしてお目見えした頃を思い出し、決意を新たにする。
そして、他の二人に視線を向けた。
その中には、見た事のある顔もあった。

「よろしくね、お兄さん」

「格闘技のお話?悪いんだけど、そっちの方面は不勉強なのよ。ごめんなさいね」

「その代わりに『マライア・キャリー』と『ジェリー・リー・ルイス』っていうのはどうかしら?」

ガタイの良い男性に向けて、馴れ馴れしくならない程度の軽い挨拶をしておく。
それから少年に視線を移す。
少し前に、横丁で見かけた男の子。

「あの歌、『黒い瞳』だったかしら?」

「真尋くん、また会ったわね。お互いベストを尽くしましょう」

「――ね?」

あの時、私は彼の歌を聴かせてもらった。
同時に、私は彼に歌を聴いてもらった。
今日は『歌』ではなく、お互いが『能力』を尽くし合う事になる。

「これが『格闘技大会』なら、私はここにいないでしょうね。
 『アナウンス』か『ラウンドガール』ならやってもいいんだけど」
 
「つまり、ここはそういう場じゃないって事になるわ。お二人さん」



◆◇◆プロフィール◇◆◇
ラジオ番組『Electric Canary Garden』のパーソナリティー。
十台の頃に人気アイドルとして一躍ブレイクしたが、売れなくなって引退した。
その事実は世間から忘れ去られている。年齢24歳。

◆◇◆能力詳細◇◆◇
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/91

◆◇◆外見◇◆◇
キャップ・スタジャン・ジーンズ・スニーカーのメンズライクなアメカジファッション。
リップ、チーク、アイシャドウで女らしさを強調した化粧っ気のある顔立ち。
髪色はブラウン、ヘアスタイルは菱形のミディアムボブ。身長165cm。

762美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/20(日) 02:01:37
>>761

本体の肩に止まる機械の『こまどり』のようなヴィジョンのスタンド。
手のひらサイズで、マイクとスピーカーを備えている。
本体の声を収音し、音響機器から出力する。
出力に使用した機器は本体の『ファン』になり、『情報』を貢ぐ。

『プラン9・チャンネル7』
破壊力:― スピード:― 射程距離:A(120m)
持続力:B 精密動作性:― 成長性:B

763『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/20(日) 02:48:27
>>758(ピエール)

    「試合には今、空きが無いんだが…………あー。
     そんな顔をするんじゃあないぜ、悲しくなるだろ。
     ……いろいろあってワケありで『空いてる枠』だが、
     あのステージに立たせてやる事なら出来なくはない」

    「なにせあんたは『華』がありそうだ。盛り上げてやってくれよ」

              ・・・・・
        ・・・・
  ・・・
                 オ ォ ォ ・ ・ ・

控室は『リクライニングチェア』や『ドリンクサーバー』など、
最低限度の設備こそあれ、あまり『豪華』なものではない。
着替えや改めての説明などを行われたのは別の『個室』で、
今は最終チェックという名目で集められているという事実を含めても、
『花形選手』の扱いとしては首を捻らざるを得ないが……
今日ピエールはここにいて、これから舞台に上がるのは事実なのだろう。

そんな中で口慰みに話しかけた二人は、知り合い同士のようだ。
少年は少なくとも今から『血を見合う』相手には思えない。
どこか儚い印象すら受けるが、『大丈夫』なのだろうか?
もう一人、洒脱というか垢抜けた雰囲気の『美女』についても、
言葉に教養が伺えるも、『戦い』に長けている様子ではない。

だが、多くの修羅場を潜って来た『歴戦』のスタンド使いであるピエールは知っている。
大の男でも『腑抜け』になってしまう事はあるし、女子供も戦士になり得る。それが『スタンドの世界』だ。

>>759(天白)

    「一応言っておくが――――見えているぞ」

    「『蜘蛛』のスタンド、か。珍しいタイプだが、
     1人で鍛えているだけでは得辛いのが『経験』だ。
     特に、他に類例を見ないスタンドであれば、
     使って経験を重ねなければ見えない物は多い。
     なにせ……『先人が切り開いた道』が、ないのだから」

      「その『経験』にはうってつけの場があるが、どうだ?
       一応言っておくが……『騙す』とか『陥れる』なら、
       姿を見せる前にやっている。『スタンド使い』だからな」

          ・・・・・

            ・・・・

              ・・・

場違い、なのは果たしてこの中の誰なのだろうか?
ケツアゴの『貴公子』は兎も角、『美作』は戦士とは思えない。
あの日スカウトマンを名乗った『執事』風の男を信じるなら、
これから行われることには基本的に『危険』は無いとのことだが……
本当に大丈夫なのだろうか? とはいえ、今更帰るわけにもいかない。

・・・流されやすさのあまり、妙な所に流れ着いたのかもしれなかった。

>>761(美作)

     「それじゃ、キマリですね、いや〜楽しみですよ。
      なんといっても、『華』の方はバッチリですし?
      頭がイイ人は、スタンド使うのも大体上手いんで!
      ぜひとも『アリーナ』でも花を咲かせてください!」

     「あ! ただ『表のシゴト』で『番宣』とかするのはNGで!
      うち、これでも一応『ヤミ組織』ってことになってますんで!」

                ・・・・・
           ・・・・
       ・・・

アリーナの『吾妻』…………あのパーティで会った彼から、
出場の打診があったのは『偶然』の事だったのかもしれない。
最初に連絡があったとき、声には『焦り』が見え隠れしていた。
誰かの代わりだったのかもしれないし、『数合わせ』かもしれない。

少なくとも一つ確かな事があるなら、この『控え室』の待遇が示しているように、
記憶の水面で輝く『栄光時代』とは違い、美作のために用意された舞台ではない。
(少し前までは別の個室で身支度などをしていたわけだが、それも質は普通だ)

――――それでも、美作の心には今、願望が残響している―――――

他の参加者と思われる二人のうち片方は知り合いであったが、
説明を思い返す限りでは『共闘』を主題とするようなルールではない。
今は純粋に、『スタンド使い・美作くるみ』としての力に観衆の期待が待ち構える。

    カゴの中で美しくさえずるカナリアを愛でる人間は、とても多い。
    この『荒野』でも……可憐に洗練された『魅力』は通用するだろうか?


>全員
             コン  コン

                コン  コン

「――――失礼いたします」

ドアがノックされた。見せられない物でも無ければ、開けさせていいだろう。

764美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/20(日) 11:29:20
>>763

「いずれにしても、エンターテインメントには変わりないでしょうけどね」

もうじき訪れる出番に備えて、化粧のノリをチェックしていた。
ノックの音を聞き、その手を止める。
手の中のコンパクトを閉じて、ドアの方に顔を向けた。

      チラッ

「――――どうぞ」

念のため、他の二人に目で確認してから応対する。
もし何かあれば、自分は黙っておく。
まぁ、大丈夫だとは思うけど。

(さてと……お待ちかねの『ショータイム』かしらね。待ってて、みんな。
 入場料以上に楽しませてあげるわ)

765天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/20(日) 13:07:15
>>761 (美作さん)
>>763 (GM)

「はぇ? は、はぁ……」

声をかけられてそれから少しの問答を経て、了承してしまった。
流されるというのも考えものだ。
確固たる自分の意思というものが果たしてこの人間の中に存在しているのだろうか。

■ ■ ■ ■ ■

「美作くるみさん、ですよね? 尽くします、ベスト!」

「あ……くるみさんって呼んでもいいですか?」

そんな彼は、ぼうっとしたような目で呑気にそんなことを聞いていた。
状況というものを分かってるのだろうか。

「! どうぞ……」

ノックの音に驚きつつ、入室を促した。

766音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/20(日) 20:26:28
>>763
華奢な少年と、洒落っ気な女性を交互に見やり、
ワケありで空いている『枠』とやらに、思いを馳せる。

 「君達が、あまり『闘い』に向いていないと、
  そーいう事情は、ハッキリと理解したがねェ」

 「そーなると、私はこれから何をやらされるんだ?
  ――――バンド組んで、セッションってわけでもあるまいに」

老若男女を問わず、『スタンド』は戦闘力を有する。
だが、それは『戦意』を前提とした話だ。

>「――――失礼いたします」

 「……ん? どうぞ」

飲み終えたカップをテーブルに置き、入室を促す。

767『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/21(月) 00:58:50
>>764(美作)
>>765(天白)
>>766(ピエール)

抜け目なく『映え』を確かめる美作。
逆に抜け目だらけにも見える天白。
漠然とした状況に思索を巡らせながらも、
茶(そこそこの味だ)を飲み終えたピエール。

まさに三者三様だが、入室を許すのは全員同じだった。

             ガチャ…

「ご歓談中のところ、失礼いたします。
 じきにスタジアムの準備も整いますゆえ、
 全員でルールの『最終チェック』を済ませた上で、
 会場までご案内させていただく次第です」

入室してきたのは、渋面の中年男性だ。
カッチリとした黒スーツに身を包む姿だが、
会場でしばしば目にする『黒服』よりは高級感がある。

       ペコリ

「…………申し遅れましたが、
 アリーナの『如月ケイジ』です。
 音無様、美作様、天白様。
 本日はよろしくお願いいたします」

そういえば手荷物検査やボディチェックなど、
最低限の『安全確認』は先ほど終えたが、
そういえばルールは曖昧にしか聞いていない。
分かるのは、単なる『ケンカ』ではない事くらいだ。

「さて」

                ワァァァーーーーー ・ ・ ・

「今回のルールについてですが、
 『戦闘』ではなく『競技』になっております。
 ありていに言えば、スタンドの『五種競技』」

遠くから聞こえる観客たちの歓声をよそに、
如月は落ち着き払った口調で解説を始めた。

「『五つの課題』が皆様に対して次々提示され、
 それぞれの能力によってそれを切り抜けていく。
 その『手法』の独自性、『手口』の鮮やかさ、
 『手際』の確かさ……そこが『点数』に繋がりますが」

               「ここまでは、よろしいですか?」

768美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/21(月) 09:23:18
>>765
>>766
>>767

    ニコッ

少年に向かって明るく笑い掛け、了承の意を示す。
自分も苗字で呼ばれるより名前で呼ばれる方が好きなのだ。
もちろん人によるが、この少年には呼ばれても何ら問題はない。

「――こちらこそ、よろしくお願いします。
 至らない部分もあるかと思いますが、精一杯やらせて頂きます」

キャップを取って、相手と同じ程度のお辞儀を返す。
裏だろうと表だろうと、どこの業界でも挨拶は基本だ。
それが済んだら、また帽子を被り直す。

(これはまた、『なかなか』ね。もっとも既婚者って事も考えられるけど。
 でも、仕事とプライベートは別)

(今日は恋を『しに来た』訳じゃなくて、恋を『されに来た』んだから)

「大体のルールは把握できました。
 要するに『上手くやれ』と考えて良いようですね」

『能力』を駆使して、流れるように美しく、かつ確実にこなす。
求められているのは、恐らくそういう事なのだろう。
口で言うのは簡単だが、実際にやるのは難しい。

「――分かりました」

しかし、やる。
『ステージに立つ者』なら、やれて当然だし、やれなければならない。
久方振りに、心の中が熱く燃えてくるのを感じる。

     コクリ

軽く頷いて、話の続きを促す。
点数があるという事は、それで最終的に順位が決まると見ていい。
その辺りが競技という事なのだろう。

769天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/21(月) 10:19:42
>>767 (GM)
>>768 (美作さん)

名前呼びの許可に目が輝く。
ニコニコと機嫌良さそうだ。

「はじめまして、天白真尋です。天は白く真を尋ねるで天白真尋」

如月に頭を下げた。
良さそうなスーツを着ている。
お金を持っているかもしれない。

(僕もああいうのを着たら大人っぽく見えるかなぁ)

そういう問題ではない気がする。

「五種競技……」

どんなものが出るかは分からない。
しかし三人もいればなんとかなるような気が真尋の中に生まれる。
三人寄れば文殊の知恵とも言う。
自分のスタンドが強いとか弱いとかはよく知らないが、強み弱みがあるのは知っている。

「三人で頑張ればいいんですよね……?」

「全力で」

770音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/21(月) 20:25:58
>>767
洒落たブラックスーツに対抗するかのように、
身に纏ったジャケットの裾を過剰に払いながら、椅子から立ち上がる。

「これは、どうも。

 初めまして、『如月』さん。
                   . . . .
 ――――『音無ピエール』、ピエールと呼んで欲しい」


    スゥゥゥ...


勝手な注文を付けながら、一礼を返す。
続く説明に耳を傾け、『五種競技』との形容に得心する。

   「なるほど。
                           ペンタスロン
    古代オリンピックでは花形であった、『五種競技』こそ、
    真の意味での『強者』を決めるに相応しい、と。

    いいじゃあないか。――――実に、腕が鳴る」

黒髪を振って面を上げ、己の挑戦的な笑みを晒す。

ピエールの思考は『天白』とは真逆だ。
総合力を問う『五種競技』だからこそ、
たった『一人』で挑むことが、絶対であると。

771『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/22(火) 02:21:00
>>768(美作)

彼の薬指に『証拠』は見えないようだったが、
身持ちが堅そうな雰囲気を感じない事もない。
もっとも、今日は『遊び』ではなく『仕事』だ。
そして美作は『魅せる仕事』を誰より得手とする。

「エエ――――『上手く』やってください。
 とはいえこれはコンクール等ではございませんので。
 全力を尽くしたうえでの……と注釈はいたしますが、
 『失敗』もまたエンターテイメントでございます。
 至らぬ所があるのも、それを工夫で打ち消すのも、
 目の肥えた観客たちはどちらも望んでいるものでして」

              フッ

「それゆえ、あまり肩肘張らず……
 とはいえ、成功をお祈りしております。
 最も望まれているのはやはり、それですのでね」

応援の意図を感じる穏やかな笑みを浮かべ、如月は続きを話し始める。

>>769(天白)

「これはこれは、ご丁寧に。如月は『月の如く』……
 ケイジについては、『カタカナ』で通しております」

             ニコリ

高級スーツなのも間違いないようだったが、
なにより二重の意味で『身の丈に合っている』。
そういうのが『大人の風格』を纏わせるのかもしれない。

「いいえ――――『1人で』頑張っていただきます。
 『集団演技』もゆくゆくは競技化を考えておりますが、
 今回に関しては『個人技』を、三人で魅せ合い競い合う物です」

如月の答えは想像あるいは期待に反し、『個人技』を期待する物だ。
『アルビノ・ホリデイ』はどちらかといえば『応用』より『深謀』の能力だが……

「ただ、この競技のテーマの一つは『非戦闘員』の活躍。
 個人同士では完結しない能力の持ち主であられましたら、
 競技の『シチュエーション』の中で『助け舟』は出しましょう」

少なくとも『能力を活かせないシチュエーション』は無いと見てよさそうだった。

>>770(ピエール)

「では、ピエール様と。遠慮なく呼ばせていただきましょう」

                スゥッ…

「御博学のようで。――――ええ。『強さ』とは『決闘』だけに非ず。
 もちろん『正々堂々』の『武闘試合』は我々の花形ですが、
 真の『最強』への道筋をエンターテイメントとして提供する、
 我々『アリーナ』が避けて通るべきではない道……それはこの競技」

            「存分に、腕をお振るい下さい」

天白や美作には向けられていないその笑みの意味は、  
ピエールの『勇壮』な挑戦に対する『期待』にも感じられた。   
もっとも、他の二人には別の笑みが向けられており、
ピエールが特別扱いという風ではないが……意味はあるだろう。

>全員

「さて、説明を続けますが――――審査は人力で行います。
 スタンドの『使い方』について『絶対的正解』が無い以上、
 機械的判断は出来ません故、『なぜ?』と思う判定もあるでしょう。
 ですがそこは『審査型競技』の常として、ひとまずご理解ください。
 ご意見があれば、次回以降、フィードバック出来るよう『善処します』」

「審査員の内訳ですが……審査員の好み一つで勝敗が決まってしまわないよう、
 アリーナより……『スタンス』に違いが見られる『2名』のスタッフと、
 『観客投票』という形で、予想のつかない第三の視点を用意しております。
 解決法の『独自性』『鮮烈性』『確実性』の3つがそれぞれ審査されます。
 審査は単純、『可』か『不可』か。可であれば1点加点、不可は無加点。
 つまり3つの観点それぞれが、1問ごとに『3点満点』で評価される事になりますが」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(例)

吾妻 常喜『インスタントチューンズ』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』
第二問:独自性『0』 鮮烈性『1』 確実性『3』
・・・・・・
・・・・
・・

第五問:独自性『2』 鮮烈性『2』 確実性『0』

合計:独自性『10』 鮮烈性『9』 確実性『7』 

                  総計――『26』

――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

                 「……ここまで、よろしいでしょうか?」

772美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/22(火) 17:25:17
>>771

「ええ、ご忠告に感謝します」

    ニコリ

「ご覧の通り、私には彼――
 ピエールさんのような『力強さ』はありませんし、
 『アリーナ』に足を踏み入れるのも今日が初めてです。
 ですが、いかなる時でも『チャーミング』に振舞う訓練は積んできました」

堂々とした態度で、如月に言葉を返す。
実際のところ、根拠の有無は関係ない。
常に自信があるように見せる事が大切なのだ。
たとえば、ステージに立つアイドルが、
とびきりの笑顔で客席に向かってウインクしてみせる。
そうする事でファンは盛り上がり、演者自身も気分が高まるのだ。
それを恥ずかしがって出来ないようではファンを白けさせてしまうし、
演者もノリ切れなくなる。
何よりも、自分に自信を持つ事こそが第一歩だというのが、
美作くるみの信条だった。

「その点に関してギャラリーを失望させる事はありませんので、ご安心を」

『闘い』は、何も直接的なものだけじゃない。
どんな世界にだって『闘い』はある。
私がいた世界にも、それは当然のように存在していた。

(――まぁ、『負けた』んだけど。言う必要はないわよね。
 これから始まる『闘い』には関係のない事だもの)

そう、私は負けた。
だからこそ、今の自分がいる。
だけど今日だけは、少し過去の自分に返ってみるのも悪くない。

(ある意味『リベンジ』って事にも……。
 いえ――さっき言われた通り、力が入り過ぎてると、また負けるわ。
 リラックスリラックス。ラジオで喋ってる時みたいに落ち着いて掛からないとね)

「どうぞ、如月さん。先をお続けになって下さい」

採点の方式について、これといった疑問点はない。
後は、実際にやってみれば分かる事だ。
自分の才能――『プラン9』が、どこまで出来るか試すにも良い機会になる。

773天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/22(火) 19:22:59
>>771

「一人でですか……」

(大丈夫かなぁ……)

結んだ髪を指先でいじる。

(まぁ、大丈夫かな)

すぐに心を持ち直す。
自信のあるなしと出来る出来ないというのは違う。
自信があるのに出来ない人間がいるように、自信がなくても出来る人間もいる。
自分が後者であることを信じよう。

(それに色々ありそうだし)

人に見られているという事実に少しドキドキしてきた。

「……はあぁ」

色々考えているうちに上がってきたらしい。

「はい、大丈夫です!」

採点については納得した。
魅せ方というのも可能なら意識しておこう。

774音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/22(火) 21:45:52
>>771
「ああ、期待したまえ」

己への鼓舞も含めて、自信に満ちた返答を見せる。
無論、この『アリーナ』は自身が何者かは、知らないだろう。
……ちょっとは知ってるのか?  ――――まあ、それは置いといて。

     「『独自性』、『鮮烈性』は非常に解りやすい。
      強いていうなら、『確実性』が気になるな。

      百回やって、百回とも同じように出来るか?
      その場の天候とかに左右されないか、くらいの意味合いかね?」

『審査員制』である以上、ルールを細かく突っつく必要性は皆無だろうが、
そのまま突っ立ってるのも何なので、一応聞いてみる。

775『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/22(火) 23:00:36
>>772(美作)

          チャーム
「ええ、素晴らしい『魅了』をお見せください。
 私も、観客も、誰もがそれを望んでいる事でしょう」

             ニコ…

堂々たる――――『根拠のない自信』。
アイドルには、パーソナリティーには、
あらゆる『エンターテイナー』には重要な力だ。

それが結果と結びつくかは……考えの通り、これから分かる。
少なくとも、美作は三人でも突出した『魅せる経験』を持つ。

>>773(天白)

気持ちを入れ替えるも、緊張や高揚は入れ替えた気持ちにも湧く。
だが、それは『原動力』にもなり得る感情だ。『やる気十分』とも言える。
この中で最も『純白』の少年が、この競技を何を為すのか。
如月の視線には僅かな『心配』と、『見定める』ような色があった。

>>774(ピエール)

ピエールは『アリーナ』と全く無縁の人間ではない。
ここで語る事ではないが……『接点』は存在したし、
それを知っている人間がいても、まあ、おかしくはない。

「不確定要素を前提としない解法が望ましい、という意味合いです。
 例えば『人を追いかけて捕まえる』といった課題があったとして、
 標的が『振り返ってくれる』とか『足を止めてくれる』前提の解決は、
 『自分自身の行動』だけで完結した策よりは評価が落ち得るでしょう。
 極端に言えば『偶然転倒する事』を前提とする策などは、『論外』です」

「もっとも、確実さは論外でも……『鮮烈』にして、
 『独自性』に溢れた解法であれば、点数にはなるでしょうな」

答えはそのようなものだった。
審査員の匙加減一つではあるが、ある程度の『基準』はあるのだろう。

>全員

「得点の仕組みは説明しましたが、これが何を繋がるのか。
 これについてはシンプルに――――『順位』に繋がります。
 5問を終えた後の『合計点数』で、1〜3位を決定するのです。
 そして順位は『賞金』……『1位』の方には『40万』の進呈を。
 『2位』と『3位』の方にも、ファイトマネーとして『20万』を。
 一日足らずの仕事としては理外の額にも感じられるかもしれませんが、
 己の『スタンド』を世間に魅せる『対価』としては相応しいでしょう」

理外の額――――というくだりは、主に『天白』に向けられている気がした。
莫大なギャラを叩き出す、一流アイドルの経験を持つ『美作』や、
『スタンド使いの仕事』を知るピエールには『既知』範囲の金額だ。
 
「こうした腕比べに『カネ』が絡むのは『不純』という声もあるでしょうが、
 我々は清廉潔白な秩序機関ではなく、清濁併せ呑む『娯楽組織』ですゆえ」

「さて、説明は以上ですが――――最後に、何か質問などは?」

         「無関係な事以外は可能な限り、お答えしますが」

身振りを含む長い説明に乱れた襟を正しながら、如月が笑みと共に問いかける。
どこまでが無関係なのかは分からないところだが、とりあえず聞くだけ聞いても良さそうだ。

776音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/22(火) 23:32:23
>>775
『如月』の淀みない説明を聞き、得心したように息を吐いた。

    「――――よく『議論』されたルールのようだね。

     いや、驚いたよ。非常に解りやすくて、腑に落ちる説明だ。
     『採点』について、他の質問は一切ない。続けて頂けるかな」

綺麗に割れた『ケツアゴ』を揺らすように、数度頷いた。
面白い、と素直に感じている。その一方で、何処か『引っ掛かり』を覚える。
その違和感に気付く間もなく、『順位』と『報酬』の説明に思考が引き寄せられる。

    「あー、あぁー…… 金はねェー、……そうだな。

     別に、その、『報酬』のためにやってきたわけじゃあないんだ。
     いまや数少ない『全霊』を賭ける『闘争』の場で、自己を磨く。

     そーいう『気持ち』が前提として、だ……」
          . . .
     「多少、ある分には『不純』とは思わない、がね」

ケツアゴの割れ目に指先を這わせながら、たどたどしい反論を述べる。
理外の額というのは、決して『刺さらない』言葉ではなかった。

777天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/23(水) 02:17:43
>>775

如月の視線の意味を理解しているのかいないのか。
多分理解してないのだろうが、その視線と同じものを向けられた経験が天白にもあった。
少しだけ昔のことで、語るほどのことでもない。

「そ、そんなに貰っていいんですか……!」

右手の指を四本折り、今度は左手を二本折る。
興奮してきた。

(そんなにあったら色々出来るなぁ)

(何買おうかなぁ。新しいあのサプリメントとかいいかなぁ)

「頑張りますっ」

特に疑問に思うことは無いらしい。

778美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/23(水) 03:17:18
>>775

一日の仕事で最高40万。
『現役』の頃は、その何倍もの金額を稼ぎ出していた。
もちろん過去の話で、今の収入は至って平均的なものだ。

「金額についても承知しました。その『ギャラ』に見合う仕事をさせてもらいます」

金額なんて問題にならないとまでは言わない。
だけど、『舞台』に臨む上で自分にとって現金よりも重要なものがある。
それは広いステージであり、眩いスポットライトであり、大勢のギャラリー。
今の私は『月』だ。
月は自分では光を発せず、太陽がなければ輝く事が出来ない。
だからこそ、今この瞬間は『アリーナ』という舞台が私にとっての『太陽』になる。
たとえ一時だけとはいえ、『月』である私を輝かせてくれるのだから。

「私からは特に質問はありません。お願いする事があるとすれば一つだけ」

     ピッ

言葉と共に、人差し指を一本立てる。
そして、その指先をドアの方向に向ける。
正確には、指しているのはドアの向こう側だ。

「――会場までの案内をして頂く事だけです」

     ニコリ

他に聞く事はない。
心の中では、舞台に立つ前の高揚感が高まるのを感じていた。
記憶の中にある過去の自分と現在の自分の姿が重なり合う。
内容は違えど、観客を楽しませるという点では何ら変わりはない。
ただ、思い切りやるだけだ。

779『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/24(木) 03:59:04
>>776(ピエール)

「お褒めにあずかり、鼻が高い限りです。
 私一人で考えた、というわけではありませんが、ね。
 アリーナの『経験』や『試行錯誤』の結晶ですので」

「もっとも、未だ『発展途上』である点についても、
 アリーナという組織同様ではありますが…………」

感心の中の『違和感』――――それが『ルール』に対してか、
あるいは『如月』の言動に対してか、他のなにかなのか。
ピエール自身もまだ気づかないそれは如月の言葉に流されるが、
もし何かあればどんどん言ってしまっても許されそうだった。

「ええ、ええ。私個人としては『不純』とは思いません。
 『清貧』を是とする考え方も一つ立派な物ではありますが、
 自己研鑽には『遊び』も必要……というのは、私見ですな」

「もっとも、相場を外れた『暴利』は好ましくはないでしょうが」

ピエールの思想の深奥まで理解しているという風ではないというか、
ともかく『功労者に金を渡す』まではアリーナのシステムなのだろう。
その上で『金』にどの程度のウエイトを置くかは、ピエールの気持ち一つだ。

>>777(天白)

「スタンド使いの仕事とは得てして『高額』になる物です。
 遊び、買い物、貯金、社会勉強……使い道は、ぜひ天白様のご自由に」

            ニコ

素直な反応には、素直な対応が返って来た。

>>778(美作)

金以上に重要な物――――それを得られる人間は多くはない。
発言からすれば、『ピエール』もそうなのかもしれなかった。

「ええー―――畏まりました。すぐに案内いたします」

                  ニコリ

かつては『太陽』の如く世を席巻して光の道を謳歌し、、
今はこの町を穏やかに照らす『星』として生きる美作だが、
今宵は『アリーナ』のギラギラ燃えるライトと声援を浴び、
それに応えて輝く『月』となれるか――――これから分かるだろう。

>全員

美作の促しに従い、廊下に出ていく一行。
そのまま歩き出せば、ほどなくして大扉が見える。
警備員らしき黒服は、3人と如月を見るや頭を下げた。

「あちらに見える大扉を潜れば、あとは競技終了まで待ったなし。
 競技の全体は――――『スタンド』の一種の力によって形成された
 『仮想空間』で行われまして、それをステージに『投影』する形です。
 そう。皆様は入場後、『仮想空間』に突入することになるのです」

             ツカ

                 ツカ

「まあ……特に、現実との変わりはございませんがね。
 動きも、スタンドも。多少風景などに『作り物感』はありますが、
 数多のシチュエーションを、失敗も前提に用意するこの興行、、
 現実世界で全ての工程を行うのは極めて困難なのものでして」

                    『……ァァーーーー!!』
 
「複数のスタンドの組み合わせで生まれたシステム。
 まさに、アリーナの『結晶』といっても過言ではないでしょう、
 そちらを最大限利用して、様々な課題を作成しているわけですね」

     『ワー』

           『ワーッ』

闘技場への廊下を歩く一同に、如月は振り返らず説明半分の雑談を語る。
仮想空間とは大層な響きだが、要はそういう性質を持つ『スタンド空間』なのだろう。

                                   『ワァァーーーッ』

780美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/24(木) 14:09:48
>>779

「ありがとうございました、如月さん。
 次は舞台が終わった後でお会いしましょう」

   ニコッ

明るく気さくな調子で、如月に笑いかける。
感謝の印と、自分自身をリラックスさせるため。
そして、今から始まる本番に備えた『笑顔の練習』でもある。

「ああ、そうそう――」
                    ミマサカ
「既に名前は出ていますけど、私『美作くるみ』です。ピエールさん、どうぞ宜しく」

「『くるみ』と呼んで頂いた方が肩が凝らないですが、呼び方はご自由に」

競技者の一人であるピエールに、遅ればせながら挨拶を送る。
わざわざ言う必要はないかもしれないけど、礼儀ってものもある。
入った後じゃ、言う暇なんてないだろうし。

「――真尋くんも改めて宜しくね。
 ギャラリーを楽しませるっていう部分では、目的は同じよ。
 観客席を沸かせてやりましょう」

    フフッ

(さて、『ショータイム』ね。心の用意は出来てるかしら?)

(当然じゃない。いつでも行けるわ)

(オーケー、くるみ。さぁ、『舞台』に上がりましょう)

この世の何よりも誰よりも、美しく光り輝いてやる。
無根拠な自信に基づいた大袈裟な決意。
同時に切実でもある思いを胸に、大扉を抜けてステージに向かう。

781天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/24(木) 23:29:41
>>779 (GM)
>>780 (美作さん)

パタパタとついていく。
物珍しいのか怯えているのか辺りをキョロキョロ見渡しながら。

「……」

「……なるほど」

如月の言葉に頷くが全く理解していない。
大体の意味合いを理解しただけだ。
なんか、特殊な空間なんだろうなぁくらいの認識である。

「は、はい。よろしくお願いします……!」

「くるみさん。と、おとな―――ピエールさん」

ふにゃっとした笑顔のまま進んでいく。

782音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/25(金) 00:12:49
>>779
案内に従って廊下を歩いていき、大扉を見上げる。
『仮想空間』での試合と聞き、「おおっ」と驚きの声を漏らした。

だが、イマイチ『実感』に欠けることもあり、
何処か白々しく聞こえてしまうかもしれない。

   「ここからでも聞こえるくらい、
   『歓声』や『実況』で騒がしそうだが、
    それも『聞こえなく』なる、ということかね」

課題に『没頭』できるのは望ましいことだが、
折角の『晴れ舞台』を実感出来ないのは、寂しいと思う。
大扉の前で足を止めると、複雑な感情を隠さず、『如月』に問い掛ける。

>「既に名前は出ていますけど、私『美作くるみ』です。ピエールさん、どうぞ宜しく」

>「は、はい。よろしくお願いします……!」

    「あぁ、よろしく」

簡素な挨拶を返すに留める。
良く出来たルールに、直接は争い合わない『対戦者』、そして『仮想空間』。
形式で言えば『ゴルフ』や『ダーツ』に近い、何処か『遊戯』に近い感覚に、
現実味を失っている気がする。

    「いや、元々が『気負いすぎた』ということか……」

扉が放たれるのを待つ。

783『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/25(金) 03:02:59
>>780(美作)
>>781(天白)

改めて決意表明と、自己紹介を済ませ合う二人。
ピエールの返答はどこか簡素なものではあったが、
悪意などは感じられない。別の『思うところ』があるのかもしれない。

             ――――そして。


     ワ
                 『ザワ』
            ァ

                 ァ
   『ザワ』
                   ァ
                         ッ!!

        ≪――――さあッ! ついに『選手入場』ッ!!≫

                             !!!!!        

   ≪今宵、熱演にてッ! ステージを熱く盛り上げるのはこの『三人』ッ・・・!!!!≫ 
      

開いた扉の向こうから飛び込んでくるのは――――強烈な熱気。
天白には恐らく、初めての体験だろう。声は振動として肌を、肉を、骨を躍らせる。
逆に、本気の大歓声を知る美作には分かる。どことなく『煮え切らない』ようなその轟きが。

                        ・・・更に加熱するのは、二人の役目だ。

>>782(ピエール)

「観客の言葉による『助言』や『誘導』の類は、
 一種醍醐味でもありますが『健全』ではありません。
 それゆえ、そういった恣意的な音声はカットします」

       「『スポーツ』ですので、ね」

「ですが、歓声は余すところなくお届けしますとも。
 それが出来るのも、『スタンド』能力の利点。
 ……公平性のため『少し遅れて』にはなりますが」

この『ステージ』における『リアリティ』は、
文字通り『ヴァーチャル』な存在なのかもしれない。
ホンモノなのは間違いないが、真に迫りつつも、
どこか『一枚の硝子』を挟んだように踏み込みきらない。
血沸き肉躍る鉄火場というよりは、興行の側面――――

     ワ
                 『ザワ』
            ァ

                 ァ
   『ザワ』
                   ァ
                         ッ!!

        ≪――――さあッ! ついに『選手入場』ッ!!≫

                             !!!!!       

   ≪今宵、熱演にてッ! ステージを熱く盛り上げるのはこの『三人』ッ・・・!!!!≫ 
      
               ゴ       オォォーーーーーーーーーッ
                
――――それでも、開け放たれた扉の向こうから飛び込んでくる『生の声援』……今は『本物』だ。

>全体

「それでは……私が案内出来るのは、ここまでになります。
 アリーナの『最新競技』――――心ゆくまで、存分にご堪能を」

               「そしてご活躍を。お祈りしております」

そういえば最初の『控室』にいた際に『リングネーム』或いは『二つ名』の希望を聞かれていたが、
今からそれを用いて呼ばれるのかもしれなかった。三人は『どう名乗る事にしていた』んだったか……?

784美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/25(金) 19:33:56
>>783

「――――『リングネーム』?」

それを尋ねられた時、思わず聞き返した。
『芸名』なら昔あったが、それを改めて使おうという気も起きない。
少し考えてから、こう返事をした。

「そうね、『カナリア』にするわ。
 せっかくだから、もっと派手な名前にしても良いんだけど。
 でも、これくらいシンプルな方が覚えやすいでしょ」

「――何せ、これから『デビュー』なんだし」

そして、意識は現在に立ち戻る。
目の前で待つのは、広大な舞台と客席を埋める大観衆。
これこそが、自分が『アリーナ』という場に求めたものだ。

         タンッ
                 タンッ

密かな決意と想いを胸に、一歩ずつステージに足を踏み入れる。
軽やかであり、同時に力強い足取り。
頭の中では、過去に味わった栄光の日々がフラッシュバックしていた。

    「 『 HELLO EVERYBODY ! ! 』 」

客席を隈なく見渡しながらギャラリーに声を掛け、大きく手を振って歓声に応える。
さっき練習した通り、自分の中で最高のスマイルと共に歩いていく。
こんな表情を作るのは、いつ以来だろう。

             パチッ★

観客に送る視線にウインクも織り交ぜ、自分の『キャラクター』をアピールする。
比較してみると、昔ほど『キュート』には出来なくなったかもしれない。
その代わり、今の方が『色っぽく出来る』という自負はある。

785天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/25(金) 20:51:15
>>783

「リングネームか二つ名……んー……」

しばらく悩んだ後、スマホを取り出し連絡開始。
誰かに電話をしているらしい。

「うん、うん……分かりましたぁ」

外注したらしい言葉を天白真尋が口にする。

「黒い瞳(インビテーション・トゥ・プレジャー)でお願いします」

黒い瞳を静かに揺らしながらそう答えた。

「……おお」

扉の向こうに熱がある。
天白真尋の反応は興奮だ。
何かがむんむんと沸き起こる。

「はは……あは……」

ゆっくりと歩みを進める。

786音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/25(金) 22:22:56
>>783
あの時、新たな『闘争』への期待を秘めていた最中、
――――それでも、己は『肩書』も『別名』も口にはしなかった。

  「『音無ピエール』。
   私の名乗りに『二言』はない」

そう答えた時と変わらない、黙した表情のまま、


           スゥゥ...

        ジュリエット
発現した『両 刃 剣』の切っ先を、真っ直ぐに天へと掲げ、
納刀をするかのように引き下ろし、『解除』する。

787『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/26(土) 01:09:31
>>784(美作)

    ≪一人目ッッ!!!!!

       『カナリア』――――美作くるみッッ!!!!!≫

  『ざわっ』

           「ウォォオオオオーーーーーーーーーーーッ!?!?」

     「えっ」  「『美作』『カナリア』って」

         『ざわ』

                 オ

                    ォ
    「マジ?」    「本物!?」    「今!こっち見てウィンクしたでッ」

              オォォ

                「『使い手』か……!」
      オ

  「何だか知らねーが美人だッッ」

                       ォォ
                            ォォォオッ

>>785(天白)

     ≪二人目ェッ!!!!

      ――――『黒い瞳(インビテーション・マイ・プレジャー)』≫

     ワ ァ  ァ  ァ  

                  「へぇ。可愛い子ねェ」 
        ガキ
      「子供か?」  

            「……あーいう奴ほど厄介な能力」

                     ァ ァ ァ ―――――ッッ

 「ウォォォオッ」   

             
        ≪天白真尋ッッ!!!!!≫ 
 
               「油断ならない」

              ワ   ァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ

>>786(ピエール)

 ≪そして三人目ッッッッッ!!!!!!≫

    オ

        オ

           ォォォオオオオオオオオッ

                『ザワ』

           「『剣士』か!」   「いや……騎士か?」

 ワァァーーーーーッ

        『ザワ』

     「『新星』」                 「……『期待できる』」

           ≪・・・・・・音無ピエールッッッ!!!!!≫

                  ァアアアアアアア  

                        アアアア ッッッ

    『ザワ』

      「ハッタリが効いた野郎だ」

 ァァァーーーーーーーーーーーーーーーッッ
 
                「今時珍しいぜッ」

                          ウ   ォォォーーーー  ッッ

788『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/26(土) 01:09:46
>全体

轟くような実況、歓声、それに入り混じるように聞こえてくる歯に衣着せぬ値踏み。
無血の競技であるがゆえに、それでもいつもよりは大人しいくらいだったが、
会場にはどうしようもないほど生々しい、リアルな『観客』達が娯楽を待ちわびていた。

                          ヴァーチャリアリティ
だが、今から脚を踏み入れるステージは『仮想世界』。

そのギャップこそあれ、求められているものそれ自体は『闘技』と変わるまい。
すなわち『期待通りの奮闘』と、『予想を超えたスパイス』のエンターテイメント。

             ザッ

                ザッ

                       『ヴ
                           ン!』


ステージの際まで歩を進めれば、見える世界が変わったのがわかる。
無数の『光の線』が走り――――『闘技場』の輪郭を残しながらも、
明らかに現実味のない『電脳世界』のような空間に、3人は入り込んでいた。

          ワ

                ァ

                     ァ
                         ァ

  ≪・・・ この三人の『競技者』が ッッ ≫

             ≪今宵始まる新たなる『ステージ』ッッ≫


  ≪その、始まりとなる『三人』だッッ!!!

          繰り返すようだが!!!

      諸君らは今!! 歴史の始まりに立ち会っているッッ≫

         ァ

      ァ
                 ァ

どこか遠くはあったが、今はまだ実況の声や歓声が聞こえてくる。
一人一人の顔までは識別出来ないが、『観客席』と『ギャラリー』は輪郭を残している。

――――おそらく、もう、じきに『競技』は始まるだろう。アナウンスはまだだが、直観があった。

789音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/26(土) 02:32:53
>>787-788
降り注ぐ『歓声』を背にし、『アリーナ』を闊歩する。
大いに弾けた観客を尻目に、何処か冷静さを残していた。

   「(まだ、『期待』だ。
     浮つくな。闘う『意志』を見せた時点で、
     誰であろうと、この程度の『声援』は受ける―――)」

   「(まだ、私は『闘っていない』……)」

『仮想世界』に足を踏み入れた矢先、
錯綜する『光線』に囲まれれば、ギョッと身を竦ませ、
何かを隔てたように『声援』もまた遠くなっていく。

   「いよいよ、だ――――」

           スタンド
どちらの手からも『武具』を発現できるよう、
両の掌を軽く開いて、虚空を見据えて構えをとる。
『武具』を駆使する『ピエール』の基本となる戦闘態勢だ。

790美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/26(土) 17:30:14
>>787
>>788

清濁を問わず、全身に浴びる歓声が心地良い。
心と身体が熱くなり、胸が高鳴る。
今の自分は、この『ときめき』を味わう為に生きているとさえ思えてくる。

        「――――ねえッ!!みんなッ!!」

 「これからラストまで、何があっても余所見なんてしちゃダメよ!!」

        「絶対に私から目を離さないでッ!!」

   「その『目』と『耳』で、『私の全部』を見届けてよね!!」

          「『くるみと貴方の約束』よッ!!」

同時に、自分が別の世界に入り込んでいくのが分かった。
これが、如月の話していたスタンドの能力なのだろう。
だけど、そんな事はどうだっていい。
今、自分は大観衆に囲まれたステージに立っている。
それ以外の事なんて必要ないんだから。

「『歴史の始まり』――素敵な言葉だわ」

心の中は煮えたぎる溶岩のように沸騰し、さらに熱さを増していく。
しかし、頭の中まで熱くなってしまってはいけない。
『熱いハート』と『クールな頭脳』で、この競技に臨まなければ。

           (くるみ、いいわね?)

         (ええ、いつでも行けるわ)

     (始めるわよ――『プラン9・チャンネル7』)

791天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/26(土) 21:08:36
>>787-788 (GM)

「ん?」

(なんか違うような。えっと、インビテーション・トゥ……マイ……?)

まぁいいかと内心呟く。
それは重要ではない。
重要というのは、この観客たちだ。

「えへへ……」

可愛いという言葉に反応し、その相手を探す。
多分見つけるのは無理だろうが、それらしい人がいたら微笑んでおこう。

「はぁ……」

ここなら求めるものがあるかもしれない。

792『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/27(日) 23:28:10
>>789(ピエール)

                  スゥ  ・ ・ ・

明らかな高揚を形にする美作や、隠さない天白。
対照的に冷静さを軸に、風変わりな『戦場』に乗り込むピエール。

『歓声』も遠くのざわめきに変わりゆく中、『その時』が来るのを待つ。

>>790(美作)

       オ

          オオオオオッ

                  オォォォーーーーーーーッ

『パフォーマンス』の成果は十分だ。
だが、燃え滾るような心とは裏腹に、
冷静な『語り手』の美作には流れがわかる。

『つまらない演技』をすれば、この熱は全て『冷風』に変わる。

仮に『面白い演技』をしてすら、『新しさ』が薄れれば熱は落ち着くものだ。
観客とは、ファンとは、世評とは『そういうもの』だと、美作くるみは知っている。

>>791(天白)

  ≪……失礼ッッ≫

            ≪『マイ』ではなく『トゥ』≫

      ≪『インビテーション・トゥ・プレジャー』ッッ≫

                  ≪即ち≫

                  ≪『快楽への誘い』ッッ≫

『違和感』のない響きに変わった。
どうやら、素で間違えていたようだ。

     「……」

             ニヤリ

熱視線を浴びせてきたのは『中性的』な人物だ。
女性ファンか……!? それとも……どっちでもいいのか?

793『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/27(日) 23:44:21
>全体

≪―――――――――――――――さあッッ≫

             ≪この熱が『追い風』となるようにッ≫

  ≪早速始めようッ ……今回の『第一課題』は、これだッッ!!!!≫


気付けば三者は『風景』を目にしている。
周りに他の二人、ライバルとなる競技者たちは『いない』。

周囲を360℃取り囲む観客席の『フェンス』には文字が浮かび上がり、
それがどうやら『説明文』であることもわかる。内容は以下のものだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


                     STAGE 1
                  『分からせろッ!!!』

                舞台はまさにこの『ステージ』。
            無数の観客が見守る中に、キミは立っている。
    対戦相手は『格闘チャンプ』『スーパーアイドル』『ラジコンヘリのプロ』から1人。
    この中の誰か一人の『パフォーマンス』の『後』に自分のパフォーマンスを見せ、
  『明らかにキミの方が見応えあるパフォーマンスをしている』事を『分からせろ』ッッ!! 
          当然『自を高める』も『他を貶める』も等しく『力』である!!!

            キミがなんのパフォーマンスをするかは『自由』。
          相手と同じ事・同ジャンルの事をするのは『分かり易い』が、
           『同じ事をしても勝てない・つまらない』なら他でもよい。

                      相手は・・・

                 格闘チャンプは『瓦割り』。
                  持ち物は『瓦(10枚)』
            
             売れっ子アイドルは『歌いながら踊る』。
               持ち物は『ワイヤレスマイク』。
            
             ラジコンヘリのプロは『アクロバット飛行』。
               持ち物は『リモコン』と『ヘリ本体』。 
        
  ただし『妥当性』と『説得力』があれば『他のパフォーマンスをしてもらう』事も可。
      なお、『この会場にキミ以外のスタンド使いはいないものする』。

      道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
      設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
               あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。
          
              いずれの場合も開始前に『指示』下さい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

なるほど――――確かに今立っている場所はステージだし、
目の前にはそれらしい『キャラクター』が立っているようだった。
観客席も、本物の観客ではなく『モブキャラ』達が配置されている。

二種の『可』が示す通り、『求めれば』手元に道具が出るようだ。
とはいえそれに頼りきりでは評価が落ちるのは『自明』だが、
『スタンドだけ』では行動力に欠けるスタンド使いへの配慮だろう。

≪ ナビゲーター 『マトリクス・オデッセイ』 デス !≫

≪ 質問 マタハ 指示 マタハ 開始ノ 際 オ声カケ クダサイ! ≫
 
   フヨ
             フヨ
 
指示は・・・何やら近くに浮遊する『電子的なイルカ』にすればいいようだ。

そして状況から察するに、『あって当然の設備』なども求めれば出現するか、
『元からあった事になる』と思われた。これが『スタンド電脳空間』で行う所以か。

≪さあッ≫

       ≪第一の課題が提示されたァァーーッ≫

                      ≪果たして『挨拶代わり』とばかり、
                         最初に解決に挑むのは誰だッッ!?!?≫

今すぐに動き出さなければならない、というワケでもないらしい。
考えがまとまり……動き出した瞬間が『審査』のスタート、そうアナウンスされている。

794音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/28(月) 00:37:24
>>793

      「――――同じ、ステージか」

共に入場した二人は消え、『観客』達もすり替わっている。
何より、全体的な『解像度』の乏しさ、……ここが『電子空間』か。

      「『ラジコン』の経験は全くない、
       『アイドル』は論外だ。……つまり」

選択肢は唯一つ。格闘チャンプを前に、『武』で圧倒すること。
だが、周囲は全て『観客』に囲まれている。

つまり、実体化した『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』では、
『隠ぺい』を目的とした、下手な『小細工』は逆効果だ。

少しだけ思考を巡らせてから、視界の端に浮かぶ『イルカ』に声をかける。

       「……あーっ、『マトリクス・オデッセイ』。

        豪奢な『首飾り』を下げた『胸像』を、
        ……そうだな、私より頭一つ背が低くなるよう、
        高さを合わせた『台座』に乗せて、用意してくれるかね」

       「それと、パフォーマンスは、
        『入場』から始めさせてくれるかな?」

『スマートスピーカー』も広がりを見せているとはいえ、
果たして、喋るだけで『指示』が通じるのか、
おっかなびっくりで問い掛けてみる。

795天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/28(月) 04:09:57
>>792-793

「えへへ……」

少しだけ手を挙げて振る。
女性ファンであると嬉しいが。
多分、この阿呆にとってはそこはそれほど重要じゃない。
快楽に誘われるのはどちらかを考えるといい。

「あれ!? ピエールさーん! くるみさーん!」

「え、なんで?」

それから説明を受けて何となく理解した。
何となく、だが。

(アイドルにしたいなぁ……でも、あんまり酷いことはダメだよねぇ)

「ええと、ラジコンの人にしような……」

「イルカさん、椅子をひとつ、用意してもらえる?」

796美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/28(月) 04:13:09
>>792
>>793

人の心というのは、意外な程に移ろいやすいものだ。
嗜好の変化、流行の変遷、単純な気紛れ。
人心を変える要因は幾らでも存在する。
どれだけ支持されていようと、それに胡坐をかいて努力を怠るなど以ての外。
必死に自身を磨き続ける人間でさえ、『落ちる時は落ちる』のだから。

(だけど、落ちた所から『這い上がる』事だって出来るのよ)

(――私が、そうしたようにね)

這い上がった先が、今のパーソナリティーとしての自分だ。
そこには、アイドルだった頃の栄光はない。
それでも、『今の私』は『今の自分』に『プライド』を持っている。

「オーケー……『マトリクス・オデッセイ』」

「――――行くわよ」

ライバルとして選んだのは『売れっ子アイドル』だ。
こちらの所持品は相手と同じ『ワイヤレスマイク』。
かつては、これを手にしてライバルと同じように歌と踊りを披露していた。
しかし、今の自分はパーソナリティー。
この道具を選んだのは、パーソナティーとして『相応しい使い方』をする為だ。

まず、このステージが始まる前に、控え室で『アイドルのスマホ』を確認しておく。
さっきまで、自分達も同じ控え室で待機していた。
同じ舞台に立つアイドルと同じ部屋で待たされていたとしても不思議はない。
そして、控え室でスマホを弄るというのも、さほど不自然な行動ではない筈だ。
その際に、チラリと一目だけ見る事が出来れば十分。
                                   スウィーティー
「さて、お手並み拝見といきましょうか?リラックスしてね、『お嬢さん』」

ステージに上がったら、先に行われるアイドルのパフォーマンスを見物する。
それが一曲分なら数分だろう。
限られている時間は有効に使う。

「『彼女』は私のライバル」

「でも――『あなた』は私の味方よね?」

『プラン9・チャンネル7』を通して、『アイドルのスマホ』に呼び掛ける。
恐らく、今は控え室に置いてあるだろう。
『プラン9』の射程距離『120m』の範囲内には入っている筈だ。

「あなたにインストールされている『SNSアプリ』で、
 持ち主と『一番多く会話をしている相手』が知りたいわ。
 その相手との『最新の会話内容』を教えてくれない?」

家族か友人かマネージャーか恋人かは知らないが、
頻繁に会話を交わしているなら、アイドルと近しい人物なのは間違いない。
彼女と親しいであろう人間との『個人的な会話内容』を、
『アイドルのスマホ』から聞き出す。
時間的に余裕があれば、最新より少し前の会話も遡って聞き出しておく。

797美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/28(月) 04:14:24
>>796

        パチパチパチパチ

アイドルのパフォーマンスに拍手を送り、入れ代わりにステージに立つ。
ここまでは『仕込み』の段階。
今からが『本番』だ。

「――――『今日も、あなたの隣に電気カナリアの囀りを』」

手にしたマイク越しに『始まりの挨拶』を告げると同時に、音楽をかけてもらおう。
いつもラジオで使っているオープニングミュージック。
さほど重要ではないが、演出の為だ。

「『Electric Canary Garden』――
 お相手は私、パーソナリティー『美作くるみ』です!!」

「寒さ厳しい毎日、皆様いかがお過ごしでしょうか!
 今の時期は『大寒』と言って、一年中で特に寒い時期なんですって。
 今日は、そんな寒い季節をホットにしてくれる素敵な『ゲスト』をお招きしていまぁすッ!」

ここで、ライバルであるアイドルを『ゲスト』としてステージ上に呼ぶ。
そして、長くならない程度に、即興の『トークライブ』を披露する。
これは『本命』ではなく、その為の『布石』だ。

「――――アイドルっていうのは、ホントに大変なお仕事なんでしょうねぇ〜。
 もちろん詳しい事は私には分からない訳ですけども。
 アハハハハ」

「そういえば、『アイドル』と『パーソナリティー』って、ちょっと似てません?
 どっちも『声』を専門に扱う職業ですしねえ
 ちょうどルックスも同じくらいですし?いえいえ、ジョーダンですよ!」

「でも、私達は『声』だけで全てを伝えなきゃいけないんですよねえ。
 同時に、『声』だけで全てを理解しなくちゃいけない。
 そこが難しい所なんですよねぇ〜」

「ところで、ここまでの会話で、あなたの事も少しだけ理解出来てきましたよぉ?
 そうですねえ……たとえば――――」

悪戯っぽく笑い掛け、『アイドルのスマホ』から得られた情報を本人に語る。
さも会話の最中に『パーソナリティーとしての直感』で察したかのような語り口で。
これが真実かどうかは、アイドル自身にしか分からない。
しかし、この話を聞いたアイドルの『表情』や『様子』の変化は、
それを見ている観客達を納得させる『根拠』となってくれるだろう。
ライバルであるアイドルを驚かせたという事実も、インパクトとして十分な筈だ。

798『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/29(火) 00:13:05
>>794(ピエール)

勿論『あてがわれた』わけではないのだろうが、
この局面においてピエールの最大の武器は『武』。
それを以て『武』の極致とも言える存在を超える必要がある。

         ≪ ショウショウ オマチクダサイ ≫

    ≪ ショウショウ オマチクダサイ ≫

                 ≪ ・・・デキマシタ! ≫

    『フィーーー ・・・ン』

光のグリット線が引かれ、そこに形が重なるように、
粗削りながら『胸像』が出現する。台座も当然ある。

    キラン

その首には『首飾り』。
これも作り物感はあるが、デザインは間違いなく豪奢だ。

   ≪ 現在ジョウキョウ 停止中 デス ≫

          ≪ 位置調整ハ ゴジユウニ ドウゾ ≫

                    キュキューーン

イルカの『マトリクス・オデッセイ』はピエールの周りを旋回し、
それから『入場ゲート』の方へと電脳空間を泳いで『先回り』した。

>>795(天白)

天白の『アルビオ・ホリデイ』は『対人特化』能力とも言え、
まさに対人であるこの『第一課題』においてはより取り見取りだ。

    ≪ シチュエーション 確定サセマス ≫

            ≪ ショウショウ オマチクダサイ ≫

           『フィィーーーー ン ・・・』

椅子は、思い通りに出現した。
ラジコンヘリのプロと思われる『若い男風のアバター』も立っている。

上手く魅せれば、今は『ミーハー』な観客たちも魅力に搦め取って一網打尽だ。

799『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/29(火) 00:13:21
>>796-797(美作)

  『フィーン』

≪ ソレデハ シチュエーション スタートッ ≫

手にはワイヤレスマイク。
そして心には『プライド』。

         ワァーーーーーッ

                   キャァーーーーーッ

歓声鳴り響くステージで、歌と踊りを披露するアイドル。
見た目はアバターで、曲も聞いた事があまりないものだ。
だが、それは……今は『関係ない』。
すでに『ファン』の場所は分かっている。

なぜならパーソナリティー『美作』にとって、
それは己の『トークショー』の準備時間でしかないからだ。

≪ 分かりました。 それでは 会話内容を お伝えします! 
   是非とも お役立て ください。 それでは 読み始めます ≫

スマートフォンの『音声案内』のような声色で、
語られるのは『ありがち』といえばありがちだが、
一般的に言えば『赤裸々』な『表に出せない話』だ。

長い文章を読ませるのには『プラン9』は向かないが、
歌って踊る1分弱の時間があれば十分に情報は貢がれる。

           パチパチパチパチ

――――拍手と共に、美作が舞台に立つ番が来た。

アイドル同士の戦いなら、スキャンダルの利用など、
真っ向勝負を避けた邪道。だが『パーソナリティー』の仕事は、
あくまで『言葉で伝える』『声で分からせる』といったところだ。

             『ドッ』

                     『ワハハ』

(※笑い声のSEが鳴った)

プロの腕前もあってかそれなりに温まった会場において、
ゲストのスキャンダルに触れるというのも・・・ある種『当然』!

「…………!!」
                      シーーー  ・ ・ ・ ン

言われたくない事を言われたアイドルの顔もやはりつくりものだが、分かる。
これは『屈辱』や『混乱』――――そしてそれを聞いたファンたちの顔は『やや失望』!

   『ハハハ…』 (※これもSE)

        ライブの価値は多少なり毀損され・・・その後も美作の弁舌は冴え渡る!
        これはおそらく、『得点』を期待できるだろう。あとは他二人の結果待ちだ。

800音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/29(火) 00:59:52
>>798
ポリゴンじみた『胸像』が組み上がるのを確認し、
一応、『首飾り』と一緒に、触ったりしてみる。

       「『バーチャル・リアリティ』というのも、
        中々どうして、バカに出来たものじゃあないな」

出来合いは掴めた。後は『ジャケット』の袖を外し、
踵を返して、自身が出てきたように、『入口』から再入場する。

          ・       ・       ・

『入口』の扉をゆっくりと『開ける』。
会場を照らす『スポットライト』、満員御礼の『観客』、『熱源』は十分にある。
『外』と『中』では寒暖差が生じているはずだ。――――つまり、『風』が生まれる。

       「さぁ、皆の者! ――――ご覧頂こう。

        ここに飾られしは、おぞましき呪いの『首飾り』。
        我が祖国に君臨せし、『悪女』の『奢侈』が成れの果て!」

       「『民』を飢えさせ、子女の涙と無辜の血によって象られ、
        それでも尚、あぁ……。憎たらしい程に美しいィィ〜〜〜〜ッッ!!」

脱いだ『ジャケット』をマントのように振るい、その陰に隠して発現した『盾』。
『ザ・リックス』で発生した『風』を受け止め、『攻撃』として吸い込み、『紋章』にする。
会場の『熱気』が起こした『風』ならば、『ピエール』の『攻撃』とは見なされないだろう。

陶酔した『熱弁』、大げさな『パフォーマンス』の最中、
その場に跪き、『ジュリエット』を対の手中に発現する。
一瞬だけ、ジャケットに隠した『盾』に『ジュリエット』の柄を触れさせ、
『紋章』を『柄』に移動させ、『盾』を解除。やおら立ち上がる。

ジャケットを投げ捨て、『両手』にて『ジュリエット』を構える。

       「時は流れ、権威も移ろい、
        ――――残るは! 『怨嗟』の宿りし『宝飾品』!

        ……そして、なんということか! 何も知らぬ、麗しき婦人が、

        ――――今、おぞましい『呪い』を一身に浴びようとしているッ!」

       ブワッ!
                ――――ビュォッ!

すかさず、『ジュリエット』を振るい、『風』の『過程』と『斬撃』の『結果』を合体。
『盾』に集約された『サーキュレーター』のような『突風』が『胸像』目掛けて放たれ、
豪奢な『首飾り』へ真っ先に命中し、『真っ二つ』に切り裂かれるだろう。

(※『風』が最初に当たるのは、身体の真正面にある『首飾り』だ。
  『乱打』であれば、『一撃目』にのみ『結果』が生じるため、
  『胸像』を傷付けることはなく、『首飾り』にのみダメージが与えられる。)

       「悪しき『因縁』は断たれ、これが歴史の始まりとなる――――」

『ジュリエット』を解除し、投げ捨てた『ジャケット』を引っ提げて、会場を後にする。

『拳』に対し、『剣』が破壊力で勝るのは当たり前だ。
『不可視』かつ『不可触』、そして『不殺』の斬撃により、既存の『武』を圧倒する。

801美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/29(火) 02:29:32
>>799

 ソング        トーク
(『歌』じゃあなくて『喋り』――これが『今の私』のやり方よ)

目の前にいるのは、いわば『過去の自分』の幻影。
私は『今の自分』として、それに対峙した。
もっとも、『過去の自分の経験』も、ほんの少しだけ活かしたのだけど。

(でも、まだまだよ。今の私は、こんなものじゃない。
 もっともっと光り輝かなきゃ満足できないんだから)

(そうよね――――『プラン9』)

結果を待ちながら、次の課題にも思いを巡らせる。
『プラン9・チャンネル7』の力が何処まで通用するかというのは、
自分にとっても未知数の部分が多い。
全力を出し切って課題に挑む事が、何よりも今の自分自身を輝かせてくれるのだ。

802天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/29(火) 03:29:03
>>798

「じゃあ、お願いしまーす」

『アルビノ・ホリデイ』を発現し、相手のパフォーマンスを見る。
その間、自分は椅子に座っておく。
『アルビノ・ホリデイ』を足へと移動させ、右足の太ももから椅子の足に向かって糸の弾丸を放つ。
椅子の足に付けた蜘蛛の巣に『アルビノ・ホリデイ』自体を移動させる。
下準備だ。

「……すごいなぁ」

相手のパフォーマンスが終わったら拍手をしながらそう伝える。

「ラジコンの操作、お上手なんですねぇ。あ、僕のはちょっと貴方にお手伝いしてもらいたいんですけど……」

「そうですね……ええっと」

右足を上げ、足を組むような体勢に。
すると、椅子の足に移動した『アルビノ・ホリデイ』の前から障害物がなくなる。
視聴覚共有によってより正確に相手を見ることが出来る。

「人間ラジコンってどうでしょう?」

半ば不意打ちの形でプロに向かって糸の弾を撃つ(パス精CBC)

「あぁ、大丈夫ですか!?」

「多分疲れてるんですよ、椅子に座ります? 僕もパフォーマンス中座ってましたし」

別に椅子に座らせる必要はない。
が、椅子をもって接近する。
その間にプロの頭上の巣に『アルビノ・ホリデイ』を移動させる。
糸の弾丸を警戒していたとしても、すでに移動しているので蜘蛛は見えず証拠はない。

「じゃあ、命令しますね。服を脱いでください、なるべく迅速に」

『捕食』が完了するまでカウントをしてもいい。
別に服を脱いでもらいたくはないが、人前で自発的にする動きではなく、かつインパクトのあるものがいい。
『捕食』が完了したら宣言通り服を脱ぐ、なお下着は履いておこう。
意識が移る以上見たくはないし。
余裕があったら畳んでおこう。

803『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/30(水) 14:53:47
>>801(美作)

演技を終えると――――当初のような『光の線』の世界に戻っている。
しばらくすればそこにピエールが、そして天白の姿が戻ってくる。
おそらく『待機時間』はこの場所で過ごす事になる、ということだろう。

過去を超える『今』として、美作は演技を終えた。
次の課題は不明だ。競技であることを考えるなら、
『プラン9・チャンネル7』でも攻略は可能だろうが、
それをどこまで『鮮やかに』出来るかは『腕次第』か、
あるいは『課題の運次第』といったところ、だろう。

         「お見事!」

    ワァ              「流石カネ取れる『トーク』だ」

           ァァァァーーーーーッ

  「『情報系』のスタンド……まずは序の口か」

                         「顔と声がイイッ」
     
観客席から上がる歓声は、競技中よりもずっとクリアに聴こえる。
もちろんどこか遠い響きではあるのだが、この熱量なら十分耳に届く。
恐らくされているであろう実況解説は聴こえてこないが、これは『公平性』を考えれば自然な事か。

>>800(ピエール)

≪ 再現性ニハ 自信ガアリマス ≫

≪ 今日ハ イツモヨリ オオク 演算シテイルノデ ≫

どうにも専門用語とかを素人に語りたがるイルカらしい。

銅像は鑑定士などが見れば『違う』と分かりそうだが、
競技に使う小道具としてはそう悪くない再現度だ。
見た目にせよ、質感にせよ。

そして――――いよいよ音無ピエールの『舞台』が幕を開ける。
入口から外に出る都合、格闘チャンプの演技は目に出来ないが、
これについては何をするのか分かっているし、気にする必要もあるまい。

       ザッ

           ザッ

    ぎ
         ィ
             ぃ

                『ボフゥッ』

   キィン!

寒暖差により生じる『風』もまた、『競技』には問題なく吹く。
ピエールの『ザ・リックス』が攻撃として受け止め――――
風のピクトグラムを思わせる、『横向きの〝J〟』めいた『紋章』を刻むにも、問題ない。

        ブワッ!

              ――――ビュォッ!

その『紋章』は――――『風の刃』を生み出し、首飾りを斬り飛ばす。
力と技で瓦を叩き割った『格闘チャンプ』の腕前も悪い物ではないが、
技巧の域を超え、異能の域に立つ『超絶』の剣劇に及ぶものではあるまい。

スタンド能力を自然に活かすためと思われる芝居がかった動作もまた、
見る者を満足させる『演技』の域。まず間違いなく『点数』と『喝采』が待つ。

           オ

               オ

                   ォォッ

競技が済めば、『電脳空間』は『リセット』されるように元に戻り、
光の線が舞い踊る『最初の空間』が周囲に広がり始める。
あれだけの『仮想世界』を維持し続けるのは、燃費が悪いという事か。

                「素敵ッ」

       ワァァ

  「ハッタリだけじゃなさそうだなァッ『伊達男』ッッ」

                 ァァァーーーーー ッ

        「どういう能力だ!?」
                   「『飛ぶ斬撃』……!?」

そして先の光景を見ていたであろう、観客たちの歓声が耳に飛び込んできた。
薄壁越しのようなやや遠い響きは間違いないが、『生の歓声』を疑うほどの熱量がある。
審査員とやらは知らないが、最大多数の『観衆』の心を、まずは掴んだ――――という事だ。

804『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/30(水) 14:53:57
>>802(天白)

          ≪ シチュエーション スタート ! ≫

まずはラジコンヘリのプロが『アクロバット飛行』を魅せる。
恐らくプロの動画か何かを流用しているか、まねているのだろう。
恙なく披露されるテクニックはそれなりに見応えがあるものだ。

  ストン

     パシュッ
               『ベチャッ』

人が座っている椅子の脚まで見るような人間は、まずいない。
そして、誰も見ていない場所にこそ、仕掛けは潜むもの。
静かに、密やかに――――天白の蜘蛛糸は計略を編み上げる。

             パシュッ

                     『バ  ン』

展開された蜘蛛の巣には――――『とんぼ』が引っかかっているようだ。
獲物は訳も分からず、撃たれた箇所を抑えるが……『演技中』ならまだしも、
それを終えた後に多少身体を抑えたからといって、周囲は違和感を覚えない。

          「……!?」

      『ピョンッ』

                 『バリ』    『ムシャ』

方向的に、天白に視線が行くが・・・それが意味を持つ前に。

       「……」

            ヌギ

                  ヌギ

――――『アルビノ・ホリデイ』は侵略を完了し、『辱める』。
見ている側からすれば『天白は敵の突如の露出に驚いて動きを止めた』くらいに見える事請け合いだ。

  「いいぞッ」

              「中々悪くない」
         キャ

                   アアアーーーーッ     「『人間ラジコン』……悪趣味だわッ! 素敵ッ」

      「ギャハハハッ」

演技が終わった後、耳に飛んできたのは『黄色い悲鳴』と『そうでもない悲鳴』と『歓声』だ。
こういうのに抵抗がある若い女性とかが多い、という風でもないので、点数には問題無いだろう。

周囲を見渡すと空間は光の線が無数に走る『最初に足を踏み入れた状態』になっており、
先ほどまでの『アリーナ』のような空間や、ラジコンヘリ、偽者の観客たちは全て『なかった』かのようになっている。
このあたりの『リセット』の容易さが、電脳空間のスタンドをステージ演出に選んだ理由なのかもしれない。

805『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/30(水) 14:55:53
>全員

≪第一課題ッ これにて三名ともに終了ゥゥーーーーーーーーーーーーーーッ≫

    オ

   ≪『採点』の集計も≫
                 オォォ

             ≪――――――ただいま完了したッッ!!!!≫

                       ォォーーーーーーーーーッ


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『カナリア』
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『1』

音無ピエール
第一問:独自性『3』 鮮烈性『3』 確実性『3』

『黒い瞳』 
第一問:独自性『3』 鮮烈性『2』 確実性『2』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一歩抜きんでたのは――――『能力』により『確実で』『鮮烈な』解法を魅せたピエール。
果たしてそれが『スタンドの応用性』ゆえか、それを活かす確かな『本体の応用力』こそかは、
ここから明らかになっていくだろうが……まずは一歩抜きんでた。これは紛れもない『事実』だ。

点数は先の例示に比べ大盤振舞に見えるが、『初回』ゆえの『ご祝儀』だけでは説明できまい。
それぞれがスタンド能力を活かし、確かな解法を示した――――だからこそ『喝采』が響いている!

≪まずは全員が己の『スタンド能力』の在り方を魅せた―――――というところかッッ!!
 オレとしては『カナリア』氏の演技は――――素晴らしいッッ!!! 本体の技とスタンドの融合、
 非戦闘タイプのスタンドを活かした『計略』! ―――――ぜひ、もっと魅せてくれッッッ!!!!!≫

≪――――さて、ここで一旦審査員にマイクを振ってみようッ!……『吾妻』ッ≫

モニターには『白スーツ』を着た青年が映し出され、愛想のいい笑みを浮かべながら手を振る。

               アガツマジョーキ
≪どーも、審査員その1『吾妻常喜』です。今日は『審査』のほう任されちゃってまーす!≫

         ワァァーーッ

       ≪その『カナリア』さんは『相手が偶然仕事の直前までスマホ触ってて』
        『偶然それがオフでも使ってるスマホで』『偶然恥ずーい内容の会話』
         ……ってゆーのが重なったからこれだけ凄ーい演技が出来たわけで!
         ひとつ歯車ズレたら『上手で事情通なトークショー』で終わっちゃって、
         それも素敵なんですけど、『応用の確実性』はちょっとハテナって感じでしたね≫

    エェーッ     「厳しくねーかッ」
          
            ≪ま、多分そうなっちゃうのはお題と能力的に『仕方ない』んだろうけど!
             そこで点数つけちゃうと、このあと全部つけることになっちゃうかなって≫

                  ≪でも、独自性と鮮烈性は文句ナシ。流石『プロ』ですね!≫

≪ピエールさんはちょっとどういう能力かまだわかんないけど、『華がある』けど『そつがない』感じでいいですね!
 『本人のスター性』もアリーナじゃ大事ですし、それだけじゃなくて『スタンド』の『隙』とかを演技で補って来てる。
 こーいう事が出来る『エンターテイナー』は、某『セクション』筆頭に『アリーナ』では引く手あまたってところですよね!≫

        ≪天白くんは、これも『なんとなくしか分からない』系の能力なんですけど!
          まずは『出来る事が何か』をちゃんと見せて来たって感じなんじゃないですかね。
           これも『自分のスタンドでなら絶対できる』事だろうから、独自性と確実性はばっちり!
            見かけによらず『悪知恵』が働くって感じなんですかね! 『頭脳派』って感じで!
             あ、服脱がせちゃうのはちょっとビビりましたけど、ある意味『鮮烈』ではありますよね。
              もう一人の審査員はかなり推してるみたいなんで、次も『策略』巡らせちゃってください!≫

    「もっと悪趣味なのが見たいワッ」

≪いや〜ルーキー三人とは思えないくらい、最初から『堂に入ってる』ステージでしたよ! この後も楽しみにしてますっ!≫

・・・などと、所感を述べ、小さくお辞儀をすると、カメラが横にずれて『桜島』に再び切り替わった。
直観だが、このあとはすぐに第二課題が始まるだろう。今準備できる事はおそらく少ないが、何かあれば今の内ではある。

806美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/01/30(水) 19:46:25
>>805

(ふぅん)

心では興奮しつつも、頭の中は対照的だった。
こんなものか。
初出場で最初の課題だから、これでも上出来。

――なんて甘ったれた考えは、私にはない。
バーチャルリアリティだからって、自分に都合よく考えすぎたようね。
もう二度と同じミスは犯さない。

       チュッ★

審査員席に『投げキッス』を飛ばす。
別に『賄賂』って訳じゃない。
ステージの上では、常に『何かしら』しなければならない。
課題の最中であろうと、そうでなかろうと関係なく。
そして、それは『チャーミング』でなければならないのだ。
もちろん、そんなルールはないだろうし、やった所で審査に影響はない。
これは、私が自分自身に課した『エンターテイナーとしての義務』だ。

「みんな――――ッ!!応援ありがと――――うッ!!」

       チュッ★

続いて、客席席の方向にも『投げキッス』を送る。
しかし、アピールにはメリハリが必要。
ただ単に『甘さ』を振りまくだけではダメだ。

「ああ、そうそう…………」

「『カナリアの囀りなんて所詮こんな程度のものか』」

「そう思った貴方は、今すぐ私から『視線』を外してくれて構わないわよ」

おもむろにスタジャンを脱ぎ去り、腰に結び付ける。
その下はタンクトップだ。
言うまでもなく肩までが露出し、首周りも広い。

「――――すぐに『後悔』させてあげる」

こうして、『甘さ』の中に少々の『毒』を織り交ぜる。
一つの面を見せ続けるだけでは、飽きられるのも早い。
多様性こそ、『一発屋』で終わらない秘訣なのだ。

「さあ、早く『次』を出してちょうだい」

「私の『力』は、まだまだこんなものじゃないんだから」

807天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/01/30(水) 21:16:38
>>804-805

「むぅ……」

一人だけ鮮烈性が2だ。
勝負である以上はそういう部分が気になってしまう。
その場にしゃがみこんでちょっと頬をふくらませてみる。

「悪知恵じゃないですよぉ……」

本人的にはちゃんとしたものらしい。
脱衣をさせるのが悪知恵でないと思う者がこの場にどれだけいるのだろうか。

(まぁでもいいかな……)

「ぶい」

吾妻の映る画面に向かってピースサイン。
恐らく、もう一人の審査員というのが見ているのだろうし。

808音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/01/30(水) 23:33:37
>>803-805
「・・・恥ずーい会話でトークショーだの、
 『脱がす』だの、何をやってくれたのかね・・・」

若干引いたように身じろぎし、二人を横目でみやる。

『満点』に心躍らないわけではない。
だが、今の『審査員』のコメントを受ければ、
決して『安心』は出来ない。

「(『独自性』と『鮮烈性』、この二つがハッキリした。
  参加者の手前、トボけてる可能性もあるが、
  彼らは我々の『スタンド能力』を知らないという前提で、
  設問への『解答』を見てる、と考えていいだろう・・・)」

他の者も遅かれ早かれ気付くだろうが、
この一点は大きく異なる。
『氷結』の能力で敵を凍りづけにするのと、
『気圧操作』で同様の現象を起こすのも、大差ない審査結果となるのだ。

「(つまり、『ネタ』が割れたら最後だ。
  この闘いは『持久戦』、引き出しの温存がカギを握る!)」

遅かれ早かれ、この仕組みに他の参加者も気づくだろう。
故に、初回で『満点』だろうと『慢心』には至らない。

二度、三度と同じ手を使えば、『鮮烈性』は薄れるのだ。
そして、ありふれた手を打てば、『独自性』など容易く失われる。

809『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/31(木) 23:14:35
>>806(美作)
>>807(天白)
>>808(ピエール)

           ワ
                     「いい度胸だァ姉ちゃん」
 「生意気ッ」        ァ
    
    「次も魅せてくれよ〜!」     ァ  
                        ァ
                            「もっと悪趣味なのが見たいわッッ」

美作の『鮮烈』な言葉に、観客は更に沸き立つ。
天白のポーズも届いているかどうかは分からないが、客にはウケたようだ。

対してピエールは考える。この戦いの『法則』……『勝利』への道筋を。

≪―――――――ではッッ≫

        ≪早速、『第二課題』に行ってみようじゃあないかッッ≫

                ≪『鉄は熱いうちに打て』!!
                 『マトリクス・オデッセイ』……頼む!!≫

三者三様に結果への思いを滾らせ、あるいは口にする中――――

                           『キュキューーーー ーン』
  『ヴ

        ンッ』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  
              STAGE2
              『盗み出せ!』

         打って変わって舞台は『倉庫街』!
     キミは『アリ―ナ』の一員として『犯罪組織』を追い、
          ついに、そのアジトへ到達した。
     すでに住所も、間取りも、敵情も把握しているが、
       出入口には常に見張りが一人立っている。

        窓はあるが『内側から鍵』がかかっており、
      迂闊に侵入は出来ない……中には更に敵が二人!
   目的の『機密データ』が入ったパソコンは窓から見えないが、
   先に入手していた間取りを考えれば『敵C』が動けば見える。
  
         どいつも『スタンド使い』ではないが、
     策なしで突っ込めば流石に『華麗な解決』は困難だ。
     強引すぎる突入の場合、『時間をかけてしまえば』
    その間に中の人間が機密データを消してしまいかねない。

    必要な装備は『アリーナ』から支給されるが、どう動く!?
  
 道具:『可』。 常識の範囲で、『手持ち出来る道具』を『貸出』します。
 設備:『可』。 他にこのステージやキャラクターに持ち物に、
         あるべきと思われる物は必要なら『出現』させます。

      ┏━━━━━━━━━━━┓
      ┃ ★                 ┃
      ┃           C    ┃
      ┃                窓
      ┃    B           ┃
      ┃                ┃
      ┃                ┃バ
      ┃草              草┃
      ┗━━━━━扉━━━━━┛
               A


A:見張り。筋骨隆々な男。それなりに強そう。腕時計をしている。
B:中年の男。携帯電話を手に、ソワソワした様子。武器などは見えない。
C:柄の悪そうな女。スマホ弄り。こいつが窓とパソコンの間を遮るように立っている。
草:観葉植物だ。
車:連中の物らしいバイクが駐輪されている。
★:目標のパソコン。ノート型で、デスクに置かれている。

〇室内の備品や内装なども、『マトリクス・オデッセイ』に注文可。
  エアコン、机やいす、時計など自然にありそうなものは、
  『あるもの』として扱ってレスを行う形でもかまわない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――風景が切り替わり、立っているのは『夕暮れの倉庫街』を思わせる情景。

先ほどと同じく、『1人だけ』の世界にナビゲーターのイルカが浮いており、
今は見張りなどの動きも停止している。『シチュエーションスタート』の前だからだ。

倉庫街でこそあるが、周辺の建物はターゲットとなる『小さめの倉庫』を除きディテールは荒めだ。
恐らく中に入る事は出来ない、『隠れ場所』としてか『雰囲気出しに見かけだけ』の設置なのだろう。

       ビュ

           オ オ オ ・ ・ ・

冬とは思えない常温の『仮想風』が吹く『仮想倉庫街』で、『仮想イルカ』が三人それぞれの『動向』を待つ。

810『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/01/31(木) 23:29:54
>>809(訂正)
誤記があるので訂正します。

× 車:連中の物らしいバイクが駐輪されている。
〇 バ:連中の物らしいバイクが駐輪されている。

811音無ピエール『ジュリエット・アンド・ザ・リックス』:2019/02/01(金) 02:56:13
>>809
「あれだけステージで大見得を切った後だが、
 今度は『目立たず』にやり遂げなければ……」

『一対一』であれば『制圧』は容易いが、『複数人』への対処は難しい故に、
この難関を乗り越えるには『奇策』が必要となる。
吹きすさぶ『風』は有難いが、工夫なく利用すれば『既視感』は免れない。
それでも必要な『道具』は唯一つ。『ノートパソコン』を持って帰る『鞄』のみだ。

   「失礼。……『N H K』の者だが」

『ピエール』自身も痛手を被った経験のある、『徴収員』の振りをしながら、
『A』の眼前に掌を突き出し、『ザ・リックス』を発現。一気に押し込む。

   「――――悪事の代償を『徴収』しに来たッ」

盾で『顔面』を押さえる『理由』は三つ。まず、『声』を封じること。
そして、『視界』を封じ、対の手に発現した『ジュリエット』の柄尻を、
確実に『A』の『喉元』にぶち込み、『気道』を断って気絶させるためだ。

   「どれ、ちょっと『借りていく』からな」

気絶する『A』から『上着』ごと『スマートフォン』を奪い、『指紋認証』を解除。『無音』に設定。
そして、バイクを窓傍まで押し進め、『サイドミラー』を調整し、
鏡越しに窓から室内を覗けるようにしてから、窓の下へと屈む。

リアルタイムな『B』、『C』の位置や様子は、『窓』から確認できたと考えられる。
よって、多少『窓』に近づいたとしても、二人にはバレないと信じたい。

       Pi Pi      Pi   Pi . . .

『A』から奪ったスマートフォンから、直近の通話履歴や連絡先にひたすら電話し、
『B』、『C』のスマートフォンの着信を『ミラー』越しに確認できるまで、ワン切りしまくる。
その間、地面の砂を風にのせて撒くように、窓の付近に放る。

   ≪ガホッ、   『黄砂』が、ヒドいな……
    お湯を、一杯くれるが ?  ゲホッ≫

どちらかが電話に出たのを確認したら、わざとせき込みながら、
『声』を誤魔化すように喉を掠らせ、悲愴な声でおねだりをし、通話を切る。

この部屋には『観葉植物』がわざわざ『二つ』も用意されている。
つまり、水をやるための『給湯室』がある。白湯の一杯くらいは用意できるだろう。
『見張り』をわざわざ立てる以上、コンビニや自販機に行かれても困るはずだ。
何かの間違いで『ドア』を開けようにも、凭れた『A』が邪魔をして開かないだろう。

『B』か『C』がスマートフォンで返事をくれるか、あるいは窓に近づくか、
いずれにせよ、『窓』の真下に陣取った『ピエール』には、二人が近づくタイミングが解る。

          フッ . . .

『ザ・リックス』に浮かんだ、『A』の『紋章』を『ジュリエット』に移す。
そして、電話を受けたどちらかが『窓』を見た時に立ち上がり、
『剣先』を己が眼前に差し構え、ゆっくりと振りながら『紋章解放』をする。

         「『アルセーヌ・ルパン』とは比べられんが、
          ほんの一瞬であれば、『真似事』は容易いさ……」

『三つ目』の理由。『ジュリエット』に押し付けられた『A』の『顔面』がもがき暴れる様を『過程』とし、
ゆっくりと振った剣に『顔面』が暴れる過程を重ね、その悲愴に強張った顔を『Aの仲間』に晒す。

着こんだ『Aの上着』と相まって、上半身のみの『変装』を見せつけ、
もう片方の手では、『白湯』の催促をするかのように、ひたすら『鬼電』をしまくる。
『表情』と『行動』、両方が合わされば『無反応』ではいられないだろう。

『過程』が消える直前に、己は『窓』から僅かに離れて身を隠し、
『A』の仲間が『窓』を開けた瞬間、

        「『黄砂』はウソだが、
         『災い』が来たのに代わりはないぞ」

窓の傍に持ってきた『バイク』を踏み台にし、『ザ・リックス』を突き出しながら、
『A』の仲間の持った『コーヒー』ごと、盾で『押し込む』ように室内へと滑り込む。

        「『ジュリエット』ッ!」

『A』の仲間のコメカミを『剣』の柄底でぶん殴り、気絶させる。
もう一人、事態に気付いた『残党』が『パソコン』へ駆け寄る前に、

        「――――そう、『風』よッ!」

満を持して、室内に流れ込む『風』を『ザ・リックス』で受け止め、
『紋章化』させ、『ジュリエット』から『風の刃』を放ち、残党の『脚』を切りつけ、
倒れ伏させてから、『ザ・リックス』の側面を首筋に叩き込み、気絶させる。

        「では、確かにもらっていくぞ」

三人のポケットを探って、バイクのキーとヘルメットを手に入れたら、
『ノートパソコン』を鞄に入れ、盗んだバイクで『倉庫街』を後にする。

812美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/02/01(金) 21:08:10
>>809

所持品は『スマホ一台』のみ。
動作音などは、事前に全て切っておく。
窓の近くに身を隠し、挑発的に唇を舌で舐める。

「『カナリア』は誰にも気付かれずに『獲物』を手に入れる」

私にとって、見張りの男は問題にならない。
処理すべきなのは、中にいる男女。
おそらくは、外見通りの性格だと思っていいだろう。

(ここは『彼』に役に立ってもらいましょう)

「――――あなたの『メールアドレス』を教えてくれる?」

『プラン9・チャンネル7』を発現。
中年の男の『携帯電話』を『支持者』に変えて、『メールアドレス』を貢がせる。
そして、そのアドレス宛てにシンプルなメールを作成する。

       < お前は『死ぬ』 >

             pi

要するに悪質な『迷惑メール』だ。
これを男の携帯に送信する。
それだけなら『単なる悪戯』で終わるだろう。

    pi pi pi pi pi pi pi pi pi pi

だから、『単なる悪戯』では終わらせない。
メールを繰り返し再送信して、同じ内容のものを連続して何通も送りつける。
狙いは、男を動揺させる事。

落ち着きがないのは、敵を警戒しての事だろう。
そこに『奇妙な出来事』が起これば、何らかのリアクションが期待できる。
男を動揺させ、それに対して女に反応させる事が目的だ。

邪魔な女さえ退かしてしまえば、気付かれる事なく情報をゲットできる。
その為に、気の弱そうな男を利用する。
更に、これは敵襲などではなく、あくまで『気味の悪い出来事』でしかないのだ。

女が動くか身体の向きを変えるかするタイミングを見逃さない。
パソコンを視界内に収めた瞬間、『プラン9』で『カナリア』の『支持者』に変える。
後は『パソコン自身』に機密情報を差し出させれば、踏み入る事なく任務は完了。

813天白真尋『アルビノ・ホリデイ』:2019/02/02(土) 02:34:26
>>809

『ホース』と『ジッポライター』『バケツ』を用意しておく。

「んぐっ……んぐっ……」

バイクの給油口にホースを突っ込んでストローのように吸う。
これで中のガソリンを吸い上げられる。
ちょっとガソリンを飲んじゃう可能性があるけど。
吸い上げたガソリンはバケツに入れるなどして倉庫の壁などに撒いておく。

「きゅぅ……」

その間に『アルビノ・ホリデイ』は糸の弾丸を放つ。
一度目はバイクの位置から下の角を少し飛び出たくらいの位置。
次はそこからAの腕時計に向かって。
腕時計に巣を張ったら、次はA自身に向かって撃つ(パス精CBC)
一度目は無機物、二度目は油断している相手、三度目は腕時計を見た相手の顔面を狙えば、そんなに難しい狙撃では無いはずだ。

「よっと」

顔面に攻撃を食らった相手は警戒しているだろう。
その隙に捕食開始。
本体は火をつけたライターでガソリンを燃やしてからAの元へとダッシュして意識をこちらに向けさせよう。

「おい! ヤバいぞ! 嗅ぎつけられてる、仲間に連絡しろ!」

捕食が完了したらAの振りをしてドアを蹴破り、中に入る。
外の炎が窓から見えれば説得力も増す。

「伏せろ!」

Cに全力でタックルし、動きを封じる。
時間がまずいので飛ぶように踏み切って操作が解除されてもいいようにしておく。

「……」

操作が解除されれば『アルビノ・ホリデイ』は一番近い巣に飛ぶ。
Aの腕時計だ。
状況的に連絡をしろと言われれば連絡をする。
手に携帯を持っているならそうしてもおかしくない。
あるいは警戒して辺りを見渡しているかもしれない。
だから、狙いやすくなってるはずのBに糸の弾丸を放つ。
現場はてんやわんやだ。
Bの捕食が完了したらパソコンを持ち出す。
そして、パソコンを倉庫から出し、内側扉を閉めて終了だ。

「いただきます」

814『喝采無/尽のスターライト・ステージ』:2019/02/03(日) 01:35:11
>全体

       ≪ シチュエーション スタート!! ≫

それぞれの望む道具、状況が用意された上で――――『演技』が始まった。

>>811(ピエール)

「…………うちには、テレビなんて無」

          『ドボォッ!!』

               「!?!?!?」

   ドサッ!

まずは徴収員を装っての強襲――――『成功』。
腕を振りかざしたりすれば『叫ばれる』可能性もあるところを、
自然な動きから『口を封じ』『喉を封じ』意識を刈り取る事で、
一挙に解決して見せた。ほとんど『芸術的』な手口と言ってよい。

さらにそのまま押し入るのではなく『スマホ』による誘導を行い、
そのために『バイクのサイドミラー』を用いるのも『無駄が無い』。
更に変装などは、『ピエールのスタンドを知る人間』でも驚くべき業。
初見の、スタンド使いでもない人間が『訝しむ』事は出来ても対応など不可能。

                  ―――『成功』。

      ヒュンッ

            ドガッ!!

    「……!!」

                『ビュオオッ』

     ――――ザシュゥッ!!

あるものは全て活かす――――『評定』に含まれる基準かは不明だが、
審査員は『人間』であり、『心証』を稼ぐに越した事はないのだから。
それは流れるような『向上』もだし、騎士道的な『不殺』の手筈もそうだ。
手筈に用いたバイクを最後まで利用し『演じ切る』姿勢も、何もかも。

――――『成功』。            

          ワァ

               ァァァァーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!

鮮やかに三人の悪党を制圧し、『パソコン』ごと盗み去って魅せたピエールに、
先ほどと同じように『元に戻った』光景と共に割れるような喝采が浴びせかけられる!!

>>812(美作)

――――――――『カナリア』が狩りをする姿を、知る人間は少ない。

      pi

          pi pi pi pi pi pi pi pi pi pi

メールアドレスの『漏洩』などは『プラン9』の最も得意とする『工作』。
容易に明かされた秘密を啄み、さえずるかのような音は、一つ一つが『死の宣告』。

         「!?!?」

                 ポロッ

                        「〜〜〜ッ!?」

当然そのような事態になれば、相手もおとなしく見てはいない。
おとなしく見てはいないから――――本当に狙われている『獲物』が何か、気づけない。

    ≪ 『ヒミツケイカク』ノ ショウサイ オシエチャイマス!!! ≫

                  ≪ ケッコウジカンハ 23時 !! ≫

    ≪ シュウゴウバショハ カンラクガイ ノ バー !! ≫

パソコンが嬉々として機密情報を貢ぎまくってくるのを耳にしていると、
風景は『倉庫街』から元の『アリ―ナ』へと戻っていく。つまるところ『おしまい』だ。

              ワァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   ッッッ!!!!!

大歓声は先に終えていたらしいピエールへのものもあるだろうが、美作へのそれも明らかに聞こえる。


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