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【ミ】『ギャザリング・ガーデン』

1 『誰かさん』:2016/04/03(日) 23:51:15



散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき

551遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/06(火) 22:23:23
>>550(GM)

欠伸をして、目をこするタマキへ 少し心配な声と共に告げる。

「大丈夫です? カレンさんが見つかる前に休みたいのでしたら
何処かの一室を使用して休みましょうか?」

 彼女の眠気は、病気であり彼女自身の責任ではない。カレンが
見つかる前に倒れそうなら、自分が背負うのも吝かではないが
タマキが嫌がるのなら、響君、陽君の背丈だと危なっかしい。
トレか、もしくは葉鳥さんに任せて背負って移動するにしても何かあった時には
困るだろう。なら、一旦安全な場所で休んでもらうのがベストだ。

「適当に近い場所から、見ていきましょうか 陽君、響君」

六つの部屋の一番近い場所から見て行く事を提案する。
ベットなどは完全に撤去されてるだろう。だが、ある程度寝そべられるのに
適した場所もあるかも知れない。なければ、カーテンなどを外して
タマキが横になれる場所を作る事にする。

552葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/06(火) 23:04:17
>>550(GM)
>>551(遊部)

「ここが…………ゴールはもうすぐ、ですね!」

     ジ

(だめだ、特に違いはない……
 大きな部屋でも、ドアは同じ大きさ)

全部開けていくしかないだろう。
穂風は廊下を見渡す目を、隊列に向けて止めた。

「よくいる、部屋」

「扉を見ただけ、じゃ……あ。
 その。分からないです、けど。
 全部順番に、開けていきましょう、か?」

       ス

だから当然、穂風の視線は、
何か知ってそうなタマキに向く。

(眠そうにしてる……確か、寝ちゃうんだった)

「あ、う。ええと」

『レミ』の気配りの早さに内心、感心する。

「ベッドが、あれば……いいんです、けど。
 ソファとか、あ。あの、タマキさんが寝ても」

         「仕事は、ちゃんとやりますのでっ」

不信感から眠りを我慢し、体調を崩されたりしてもいやだ。

553『ある夏の思ひ出』:2016/12/06(火) 23:46:32
>>551
>>552

タマキ:「ひつよー……ないのだわ」

眠そうに呟くタマキ。
陽は近くの扉を開ける。ベッドはないがソファはあった。
階段に置いてあったものと同じものだ。すこしぼろいが眠る分には問題ない。
床も人が眠るには十分なスペースがある。
そして、部屋にカレンはいない。

陽:「お姉ちゃん。ソファならあるよ」

タマキ:「……カレン……どこかしら……」
   
     「気まぐれで……いたずら好きだから……ただ隠れて……すぅ」

その場にへたり込むとタマキは眠ってしまった。
タマキをどうするかという問題があるが、カレンの居場所を探すということもある。
どうするかはあなたたちの自由だ。

554遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/06(火) 23:53:11
>>553
 眠り込んだタマキをソファーへ運ぶ。
上着を一枚脱いで、彼女の体に被せよう。

 「トレ、暫くで良いので。タマキさんの方をお願いするわ。
何も起こらないでしょうけど、万が一変な事が起きたらブザーで報せて」

六つの部屋の距離はそこまで遠くないだろう。トレとの射程距離を考えれば
この階層で何かアクシデントが起きない限り、強制解除などは起きない筈だ。

トレをタマキの側に置いて、護衛にする。

「私達は、このまま三階を散策しましょう。ひとまず残りの五部屋を
探して、隠れられそうな場所もないか注意して見ましょうね」

 戦力は、陽君と響君、葉鳥さんに任せる事になるが、このままカレンと
裁縫箱を探す事にする。陽君と響君と一緒に手を繋いでカレンを捜しに行こう。

555葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/07(水) 01:28:11
>>553(GM)
>>554(遊部)

「あっ」

眠ってしまったタマキ。傍につく『トレ』――

私も――と言いかけたがやめた。
これは『トレ』が『レミ』に任されたこと。

(……そうだ、全部私がやるのは無理。
 トレさんは、私やレミさんと初めから対等なんだ)

(メイドさんだし、私よりずっと、お世話は得意なはず)

穂風は頭のどこかで――『トレ』を小さく見ていた。
それは『レミ』の添え物のような、彼女の態度故か?
しかし違う。彼女も同じ仕事仲間だと頭に響かせた。

「トレさん、あの、ええと。
 タマキさんの事、よろしくお願いします」

       ペコ

穂風は頭を下げて、『レミ』達とともに行く。
自分が護衛し、見張る仕事の対象は、響と陽なのだ。

             ・・・仕事を果たすのだ。

「……レミさん。あの。
 トレさんの分まで、頑張ります、私」

         「早く見つけましょうっ!」

気合十分の穂風は、何もなければ手近の扉へ先導する。
こうなってしまえば『順番』を決める要因も、もはやない。気合だ。

556『ある夏の思ひ出』:2016/12/07(水) 23:37:41
>>554
>>555

レミは自分の上着をタマキにかける。
深い息で眠っている。しばらくは起きそうにない。

トレ:「はい。お嬢様。ご随意に」

トレはレミの指示にしたがいタマキの護衛を務める。
一行は部屋を出て、隣の部屋の扉に手をかけた。
押して開くドアだ。これまでのドアもそうだった。
ごんっと何かがぶつかる。半開きだろうか、通れるか通れないか微妙なサイズの隙間からはソファが見える。
部屋の中にあるソファが扉を開くのを邪魔しているらしい。

響:「……僕の能力でのけましょうか?」

陽:「僕が部屋の中に入ろうか?」

響:「え?」

陽:「ん?」

このままこの部屋を調べるべきだろうか。
いたずら好きのカレンはここにいるのだろうか。

557遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/08(木) 11:40:30
>>556(昨日PC調子悪くレス遅れました。すみません)

 「うーん…そうねぇ」

確実性から考えれば、響君が使う能力でソファーを除けたほうが良い。
 だが、カレンが居ないのなら直ぐ陽君が覗き込んで戻るだけの方が
時間短縮ではある。然しながら、私は響君の案を採用する理由があった。

「そう言えば、わたし響君のスタンドについて全然知らないのよね。
見せてくれるのなら、嬉しいわ」

 今は、一応共通の仲間しかいない状況だ。この辺で、響君と陽君の能力について
多少教えて貰えるほうが、後々何かある時の解決策も考えられる。

「因みに、私の能力は心の底から信頼する相手、一人を指定する事で
発動する能力よ。誰かを傷つけるパワーとか、そう言うのは皆無なの。
 それで、私の能力をかけているのはトレね。
トレも、スタンド使いよ。能力は知ってるけど、私にとってトレは
掛け替えのないパートナーなの。だから、自分から聞いて頂戴ね?」

 そう、自分の能力の一端を告げておく。
嘘はついてない。既にスタンド(トレ)はずっと発現しており、彼女は
自分と人格達除き善悪問わず任せられるパートナーだ。そして、スタンドの
『対象を部外者にする指定の演技』は、スタンド(トレ)にしか出来ない。
 また、今の段階では多数の中の一人の人間、としてトレは自分の付き人であり
スタンド能力者、であると周囲に見せておいた方が都合良い。何処に、自分達を
見ている目が隠れてないとも限らないのだから。

558葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/08(木) 23:13:30
>>556(GM)
>>557(レミ)

「ええ、と」

「響くん、あの、お願いしていいですか」

        ジ

穂風は『レミ』とほぼ同時にそう言う。
スタンドを見たい――とかではない。

単純に、自分の力ではどけるのが難しいから。

(ここにいるかは分からないけど……
 いる可能性は、高い気がする。出づらいし)

        (飛んだかんじは、してない)

この状況、『カレンが部屋から出る』のも難しいはず。
能力で窓から出たにしては、あの『浮遊感』は感じていない。

「中に危ないものとか、あったら。
 一人で入ると、危険かもしれない、ですし」

(レミさんの能力も気になるけど、今はいいよね)

穂風は、陽の要望は危険が多いと判断する。
ソファそのものや部屋内に危険がないとは限らない。
カレンがいたとして、陽一人で相対するのもどうだろう。

「あの、危なそうなら引っ張ります。
 部屋から何か出てきそう、とかなら」

       「響くんを後ろに、引っ張って逃がします」

スタンドを出した響含む全員が対処する方が、まだ安全だろう。
なにより『陽一人』の状況は、あまりよくない。穂風はそう考える。

559『ある夏の思ひ出』:2016/12/09(金) 00:18:11
>>557
>>558

陽:「うん! トレお姉ちゃんに聞くね!」

レミは自分の能力の一部を響達に告げる。
葉鳥もレミも響が扉を開けることを希望した。

響:「残念ですが、ボクのスタンドをお見せすることはできません」

  「こいつはずっと前から発現し、ボクの体内に潜んでいるんですから」

響が片足を上げる。
そして、響の顔や服から除く肌には血管のようなものが浮かび上がる。
ただしそれは血管というにはあまりにも赤黒すぎるものであった。

響:「葉鳥さん。なにかあったらお願いしますね」

  「『モンスター』」

引かれた弓から矢が放たれるように、響の足がまっすぐに足を伸ばす。
扉の隙間に響の細い足、やはり赤黒い血管のようなものが浮いているそれがソファを狙い打った。
正確にはドアに少しぶつかったがそれでも減速せずソファを蹴りにいったのだ。
どんっという鈍い音と共にソファが転げる。

響:「さ、行きましょう」

560遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/09(金) 00:31:39
>>559

>こいつはずっと前から発現し、ボクの体内に潜んでいるんですから

(赤黒い筋……血管……それとも神経かしら?)

 人間の体表から浮かぶ筋があるとすれば、それは血管、若しくは神経だけだ。
神経の異常発達により、元々の子供の筋力よりもすさまじい力を引き出す。
 そんな能力かも知れないと、少し推測をしておく。

「凄いわね、それでいて便利だわ。スタンドが体にあれば
誰にもスタンド使いであるとは普通は気づかれないしね」

 隠蔽、の意味合いでは自分も似たような事をしてるが。使い勝手では
響君のほうが便利そうだ。戦闘も、単体なら私より上であろう。

 部屋に入る先頭は葉鳥さんに任せ、後続と自分はなり陽君が行き成り
何処かへ走り出さないよう気を配りつつ進もう。

 「カレンさーん?」

 部屋に入る前に、居るかも知れないカレンに声をかけておく。

561葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/09(金) 03:18:05
>>559(GM)
>>560(遊部)

「わ……っ!」

     「すごい」

         ≪本体の身体に住む……
           そのようなスタンドがあるとは≫

「はいっ! 何かあったら、
 あの、私に、任せてください!」

        どんっ

と転がったソファを見て、穂風は部屋の中に入る。
出来る限り――先頭か、響のすぐ後に。

「ソファだけ……なら、
 危なくはない、んですけど」

        キョロ

    キョロ

         ≪そこそこ手間の掛かる妨害。
           全ての部屋にあるのなら、
           そう複数もないはずですが……≫

大きな動きはせず、ソファがあった位置に足を運ぶ。
それから部屋の中を素早く見回し、怪しい物を見つけたい。

562『ある夏の思ひ出』:2016/12/09(金) 23:44:36
>>560
>>561

響:「そんなに……便利なものでもないですよ」

眉をしかめる響。
人の中に潜むスタンド。それは葉鳥のものともレミのものとも違う。
部屋に入る前にレミは声をかけるが返答はなかった。

部屋の中にはぼろぼろのタンス。ベッド。部屋に備え付けられているらしい風呂。
そして少し空いた窓。
この部屋にカレンがいるのならどこかに隠れている可能性もある。

563遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/09(金) 23:52:03
>>562

 「じゃあ、私は。お風呂と窓付近を調べて見ます」

風呂の中を覗いてみる。いる可能性は低い気もするが、タンスなど
行き成り誰かが飛び出してきそうなのは、早い回避が行える葉鳥さんに
任せたほうが良い。適材適所と言うやつだ

そして、少し空いた窓を大きく開放させる。
 「陽君、ちょっと窓を抑えてくださいね。お願い」

顔を出したら、急に窓が閉じる。なんて恐ろしい事は起きないと思うが
 もし、カレンが窓の向こうの上で身を潜めてる。なんて事があれば
反射的に上半身が外に出て転落しかける危険だってある。陽君には自分が
落ちそうな時に支えてくれるように近くに居てもらう。

陽君が窓を押さえてくれるのを確認してから、頭だけ出して上や下
左右を確認してみる。

564葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/10(土) 08:47:42
>>562(GM)
>>563(遊部)

「…………」

穂風は響の言葉の深い所を知らない。
彼がその能力ゆえに感じる何かを知らない。

「でも、あの。すごく……
 助かりました。ありがとう、ございます」

    ペコ

      「では、私はタンスを!」

穂風は響に改めて礼をする。
それから――『レミ』と手分けして、カレンを探す。

部屋の隅々、天井まで見渡して、タンスに視線を。

(中に隠れられる……ように見える。
 ベッドの下とかも、怪しいかもしれないけど)

まずはタンス……開けるときは、慎重に。
もし何かが飛び出したり、飛び出そうとしたりしたら――警戒する。

565『ある夏の思ひ出』:2016/12/10(土) 23:10:31
>>563
>>564

二人はそれぞれで部屋を探し始める。

レミは風呂の中を覗いてみるがそこにカレンはいなかった。
洗われていないのだろう、汚れの目立つ大きな浴槽があった。
またトイレもあったが特になんということもない。

響:「はい。大丈夫です」

響はしっかりと窓を押さえる。
そしてレミは窓から顔を出す。
カレンの能力であれば宙に浮いて窓から見えないところに隠れるというのも可能ではあるが
窓周辺にカレンはいなかった。

陽:「じゃあ、僕こっちー」

葉鳥のそばに陽が立つ。
そして、タンスを開ける。
二つ扉の上段部と下には引き出し。

陽:「隠れてるとしたら、上だよね……」

陽は葉鳥の傍、一歩半ほど下がって葉鳥を見つめる。

見た目のとおり中身もぼろぼろなのか、ぎぃっと音を立てて扉が開いた。

陽:「あ」

カレン:「しぃっー」

カレンがいた。
上着などをかける用途で設置されてたであろうスペース。
そこに体を収め、手には裁縫道具とぬいぐるみ。
いままさにぬいぐるみの修理中であった。

566遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/10(土) 23:20:04
>>565

 「こちらは、見つかりませんでした。
葉鳥さん、そっちは?」

 窓から顔を引っ込めて、葉鳥さんへ首を向け聞いて見る。

 特に異常もない、ここまでは平和なものだ。

少し頭に引っかかるものといえば、彼(ロビン)の行方だろうか。
 三階、二階付近で彼の人影は見当たらなかった。既に、外の方へ
出ていると言う事だろうか?

 「ちょっと、掘り下げて聞くけど。
響君の能力だと、パワーもそうだけど、スピードもどの位
最高で上げれるのかしら?」

 響君の『モンスター』。その性能の詳細を少し情報を出して貰おう。

「御免ね。ちょっとした好奇心なの
余り言い出したくなかったら、別に構わないわ」

 目的は、一見必要性のない情報でも後に役立てるための保険としての
情報収集だ。彼、彼女らの気持ちに配慮するのも大事だし。そう
付け加えて響君のスタンド能力を聞いて見る。

567葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/11(日) 00:40:17
>>565(GM)
>>566(遊部)

「あっ!!!」

        「あっ……」

思わず声を上げてしまった。
穂風の目にカレンの姿が映った。

そして、一瞬真に受けて、口を手で押さえて。

(しぃーって言われても、
 私たちはカレンさんを探してるし)

(探検はこれで終わったし、隠すのは良くないよね)

陽ではなく見つけたのが響なら。
陽が見つけるまで黙っていてもよかった。

(陽くんたちの性格は全部は分からないけど)

けれど陽がカレンを見つけていて、
響はきっと黙っていられる方が嫌だ。

      コク
              コク

    コク

『レミ』には興奮気味に頷いて返した。

見つけたとき、声は我慢できなかったが……
自分が大声を出すより、陽が言うのを待つ方がいい。
これは彼の探検で。穂風はお手伝いで。カレンを見つけたのは彼だ。

568『ある夏の思ひ出』:2016/12/11(日) 23:26:34
>>566
>>567

カレンを発見した葉鳥。
それを見てカレンはにししと笑う。
レミに対して頷きで返す彼女に対してだ。

響:「速さも……動物レベルにまでは」

  「すみません。あまり人に見せびらかしたい能力ではない、というか必要な時以外は……」

そういうと響は黙り込んだ。
その時だった。

陽:「あー!」

  「カレン!」

陽がそう叫んだ。
糸と針を口にくわえてカレンは耳をふさいでいる。

カレン:「ほへへほう」

     「もとい、おめでとう。ぬいぐるみの修理も終わったところさ」

そういってピッと糸を糸切狭で切る。
そこには完全に修復されたぬいぐるみがあった。

カレン:「ハンカチ、使っちゃった」

     「ところで、タマキはどこかな?」

569遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/11(日) 23:49:27
>>568

>速さも……動物レベルにまでは
>あまり人に見せびらかしたい能力ではない、というか必要な時以外は

「いえ、御免なさいね 不謹慎で。ただ、少し好奇心が膨れ上がって
しまっただけなの。もう聞かないわ」

 そう、謝罪の意を込め。軽く響君の肩に手を置いて頭を下げる。
彼を困らせたり、嫌な気持ちにする為に聞くつもりではなかったのだ。
 
「あぁ、そこに居たんですね。見つかって良かったです」

 ホッと一安心した顔を浮かべ、カレンの方へ響君と一緒に
近寄る事にする。

>タマキはどこかな?

「少し離れのソファーのある部屋で横になってます。また、眠気が
来たようでしたので、無理に連れて行くより自然と起きるまで
楽な体勢で休んでるほうが良いですから。トレも一緒に居ますので
危険はないと思いますよ」
 
 万が一の事があれば、防犯ブザーで報せるように告げている。
トレはスタンドなのだし、一般の人間に見えない不自然なものが
現れれば直ぐに解る。

570葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/12(月) 00:08:00
>>568(GM)
>>569(遊部)

    「っ」

「……あっ、はい。
 修理、ありがとうございますっ」

      ペコ

「あの、ええと……」

穂風はタマキの事を言おうとしたが――
それについては『レミ』が先に言ってくれた。

「そういうこと、です。
 それじゃあ、タマキさんのところに」

         「迎えに行き、ましょうか」

    トンッ

穂風は率先し、先の部屋に向かおうとする。
何かがあったとき、トレだけでは心もとない。

とはいうものの、陽を放置することはしない。

「探検の続きは、その後、でも。
 まだ見てないお部屋も、ありますし」

「タマキさんも、トレさんも、あの、みんなそろって」

陽に、他の皆にも、そのように声をかける。
もっとも……彼がもう満足なら、それはそれでいいけれど。

571『ある夏の思ひ出』:2016/12/12(月) 23:28:20
>>569
>>570

響:「……いえ、いいんです」

  「気になるのはしょうがないことです」

響はそういってレミの言葉を打ち消した。

カレン:「うん。そうかそうか。そういうことか」

     「ありがとう。それと、修理はボクが勝手にやったことだから、お礼はいいよ」

薄く笑うカレン。
よっとなどといいながらタンスの中から出てきた。
手にはぬいぐるみをもって。

カレン:「ボクは行こう。寝起きのタマキはちょっと喧嘩っ早い」

     「危害は加えなくても暴言は吐くかもしれないからね」

     「君たちはどうする?」

響:「……行きます。探索は、また今度でも」

陽:「んー。んー……どうしよう……」

572遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/12(月) 23:34:24
>>571

>君たちはどうする?

 「そうですね……時間は、どの程度でしょう?
そろそろ、お昼時でしたら。皆さんで御飯でもどうでしょう。
屋上か、また見晴らしの良い場所のあたりで全員で食事出来ればと思うのですが」

時間的には、もう昼食の時間帯でも問題ない筈。

「カレンさんに、そしてタマキさんも起きて頂いて皆さんで一緒にどうでしょう?
全員で食べれる量はあると思いますが……」

 最悪、自分は食べなくても良い。
食事を全員ですれば、まだ蟠りと言うか溝はあるのだ。その裂け目を
少しでも小さくするのには、全員で食事するのが近道としては一番良いと私は思う。

573葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/13(火) 00:27:02
>>571(GM)
>>572(遊部)

「でも、あの。
 ありがたかった、ので」

「もちろん私も、行きます。その。
 レミさんの言う通り、で……
 ご飯も、そろそろ。食べたいですし」

        「えへ、へ」

穂風は小さく自分の胃をさすった。
従者は黙して、肯定する。主の食事は大切だ。

まあ、そうでなくとも――迎えは自分で言いだしたこと。

「それじゃあ、あの。行きましょうかっ」

          「よかったら、陽くんも」

      ザッ

陽から了解が得られたなら、この部屋を出て迎えに行こう。

574『ある夏の思ひ出』:2016/12/14(水) 07:17:40
>>572
>>573

カレン:「そうだねぇ。そろそろお昼にちょうどいい時間じゃないかな」

部屋、というかお城には時計がなかった。
ただ窓の方を見てカレンはそういった。
日の高さで判断しているだろう。

カレン:「屋上、ないんだよね」

「タダ飯は大歓迎だけど」

陽:「うん。行こう、みんなで」

カレン:「じゃ、タマキのところに行こう。問題が起きなれけばいいけど」

そうして、カレンを加えた一行はタマキの眠る部屋に向かう。

トレ:「おかえりなさいませ」

トレは一礼で迎え入れてくれた。
そして、タマキはまだ眠っている。

カレン:「無理に起こすとちょっとヒステリックになるんだ」

「どうする? 待つ? トランプでもしてさ」

ポケットに手を入れてカレンが笑った。

575遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/14(水) 09:23:32
>>574

 「ただいま。有難う」

トレに、微笑みを向け労う。
 大事ないのは、警報の有無で承知はしていたものの。やはり
目で無事を確認出来ると、よっぽと安心がある。

 「トランプですか、いいですね。
とは言うものの……どのルールのゲームでします?」

 無理に起こして機嫌悪くなるのなら、気長に少し待つのも問題ない。
ただ、トランプのゲームとなると。ポーカーなりブラックジャックなり
大富豪なり……数多に種類がある。

 不得意は別にない……したいものがあれば、カレン若しくは陽君に響君の
したいゲームで良い。

576葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/14(水) 23:20:44
>>574(GM)
>>575(遊部)

「ただいま、帰りました」

      ペコ

「ありがとうございます」

『トレ』に礼を言って、部屋の手前の方へ。
万が一の時扉を守れる位置というわけ。

「そう、なんですね。
 寝起きはつらい、ですしね」

「それで……トランプ、ですか……」

穂風はトランプをもちろん知っている。
このくらいの事は昔から知っている。

「ええと」

「あの。そうです、ね。
 何をしましょうか……?」

      ≪いつ起きてくるか分かりかねる故、
        ワンゲームは短い物がよろしいかと≫

「……」

   コク

穂風は首肯した。
従者の意見に、特に跳ねのけたい理由もなかった。

          寝起きの機嫌が悪いならなおさら、
          周りだけ遊んでいる状況は短い方がいい。

577『ある夏の思ひ出』:2016/12/15(木) 00:16:39
>>575
>>576

カレン:「大富豪でいいかな?」

一行は床に座し、トランプを始める。
ゆっくりとただし着実に時間は過ぎていく。
陽やカレンは積極的に会話を始める。
はじめはカレンに対して微妙な顔だった響も徐々に慣れてきたようだった。
流石に腹の虫もなるかという頃。
タマキが目覚めた。

タマキ:「ん……カレン?」

カレン:「やぁ、見つかってしまったよタマキ」

タマキ:「そう……」

カレン:「えっと、なんだっけいうことがあったんだよね。ご飯だっけ」

578遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/15(木) 19:23:50
>>577

 「おはようございます」

タマキに、笑顔で挨拶をする。まだ心の距離はあれど
彼女とも絆を結べるならば結びたい。それは計算なく『レミ』の本心だから。

 カレンに続くように、言葉を紡ぐ。

「えぇ、そろそろお昼なんて。私達、重箱で量はある
御飯もありますので、良かったら皆さんでどうかと……」

 そこで、言葉を止める。大事な事に気づいたからだ

「……皆さんで一緒に。となれば、ロビンさんも同席して
貰ったほうが良いですよね。うーん……大声で呼べば来てくれますでしょうか」

頬に手を当てて、少し困った声色で呟く。

『ロビン』 殆ど親交なく、タマキとの接点以外繋がりない為に
放置していたが。彼も廃墟まで同行していた仲であるし 仲間外れするのも
心象悪いのでは、と考える。白雪姫の仲間外れにされた悪しき魔女ではないけども
知り合った人は、全員で食べるのが良いと自分は考える。

「カレンさん、上に向かう途中でロビンさんを見かけました?
 タマキさんも、あの方がどういった場所を好んでるか教えてくれると
助かるんですけども……私達は上に向かう中では見かけませんでしたし」

 ロビンの事について話を振る。特に、タマキはロビンと一番この中で
一緒だった時間が長いのなら、少しは向かう場所の把握に役立つ筈だ。

579葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/15(木) 23:31:22
>>577(GM)
>>578(遊部)

「あっ、おはようございます」

          ペコ

タマキに頭を下げる。
トランプは裏のまま、床に置いた。

・・・どういう戦局だったかは、あえて言わない。

「はいっ、多分ごはんの事です。
 それで。ええと。ロビンさんは……」

           ≪外では≫

「遊ぶって、言ってたしね……」

コヨーテと彼の遊びがどういうものか?
穂風はそれをもちろん知らないが……大人しくもないだろう。

「みんなそろって、ご飯を食べようって。
 そう話してたん、です。だから、あの。ロビンさんも」

『レミ』も言ってることだけれど、穂風の口からもタマキに説明しておく。

580『ある夏の思ひ出』:2016/12/15(木) 23:55:05
>>578
>>579

カレン:「ロビン? 外じゃないかな」

     「まぁ、彼は自由人だからここに帰ってくるかもわからないしね」

頭をかくカレン。
ロビンはこの二人の仲間、という組み分けの外にいるようだ。

タマキ:「で」

     「どーやったら、この人たちとご飯を食べることになるの?」

カレン:「まぁまぁ……一緒にいたんだし、この人たちがどういう人かちょっとは分かったでしょ?」

     「わざわざちゃんと眠れるように配慮までしてくれたんだしさ」

タマキ:「……ま、まぁ。ちょっとはしんよーできる人たちなのだわ」

タマキはレミや葉鳥たちを信用のおける人物として認識したようだ。

カレン:「ふふ。じゃあ行こう。折角のお天気だ。山のてっぺんでご飯にしようじゃないか」

そういって手を差し伸べるカレン。
その傍らにはスタンドのヴィジョン。
ここに来た時のように飛ぶつもりなのだろう。
手を取るのも自由だ。
取らずに別の場所を提案するのも自由だ。

581遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/16(金) 21:28:19
>>580

「そうですか……では、見かけたら声掛けすると言う事で」

心当たりがないのなら仕方がない。ロビン 彼には少々悪いと思うが
今はこのメンバーで、お昼を伴にする事にしよう。


「私達は、その……数日しか此処には居られません。
なので、冷たくても構いませんけれど。それでも、短い間ながらも
思い返して、あの時は楽しかったと回想出来る間柄を築きたいんですタマキさん。
 もちろん、それはカレンさん、響君や陽君に、葉鳥さんにも同じこと言えます」

主体をタマキとして返答はするものの、全体を通して告げておく。

私や葉鳥さん、いや……この数日の別荘での仕事を終えれば。また星見町での
日常を戻る事になる。また全員一緒で会おうと携帯やらで次の交流を取り付けても
普通の人でも、遠方だと関係が疎遠になる事はザラなのだ。今の面子で再度一緒に
遊んだり御飯を食べれる時が来る可能性が高いと胸張って私は言えない。

「思い返しても楽しくないよりは、多少は楽しかったかなと感じられる思い出のほうが
ずっと良いですから。私は、出来る限り輝く宝石が頭の中に納まる事を望んでます」

 『レミ』として、玲実にも言える事。
辛すぎる過去は、幾多の心に分裂する事だってある。
 目の前に映るこの子達が、第二の、今の『私』になるような事がないように
出来るだけ楽しい時を過ごして欲しいと言うのが親心と言うものだろう。

 「えぇ、それではお願いします。カレンさん」

カレンの肩が二の腕か、近くの部位を一度断り入れて触れる。トレにも
自分に重ねるようにして触れて貰う。

582葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/16(金) 23:19:03
>>580(GM)
>>581(遊部)

「あ、やっぱり」

「じゃあ、ええと」

『レミ』の言葉には深い意味がきっとあるのだろう。
穂風は言葉を弄するのは、得意ではない。

「えへ……ありがとう、ございます。
 きっと、もっと信用されるよう、頑張ります」

        ペコ

考えて、素直に動く。
出来ることを行動する。

タマキに、礼を言ってから――

「山の、てっぺん……楽しみ、ですね」

        ス

          「行きましょうっ」

    「……お二人も」

カレンの手を取る穂風。
陽と響にも、そうするように――促す。

強制ではない。彼らが別の場所を望むなら、それは仕方ない。

583『ある夏の思ひ出』:2016/12/17(土) 00:09:31
>>581
>>582

タマキ:「……ふんっ」

     「あなた達となら楽しい思い出、できると思うのだわ。多分」

タマキはカレンの服をぎゅっと掴んだ。
それを見て、カレンが淡く微笑んだ。
レミはカレンの肩に手を置き、トレもレミの手に自分の手を重ねる様に置いた。

陽:「お兄ちゃん」

響:「……ま、いっか」

陽:「うん! 行こう!」

カレンの手を取った葉鳥。
そして、葉鳥を追うように陽と響も手を重ねる。

カレン:「ようし、ちょっとばかりトバすよ」

一行の体が浮く。宙を舞う。
素早く、針の穴を通すように正確に窓から外に出た。
本日二度目の空中浮遊であった。
一気に上昇していく。空に近づいていく。

タマキ:「カーレーンー! 早いのだわ!」

カレン:「ははっ楽しいだろう?」

タマキ:「ちょっと怖いのだわ!」

カレン:「ごめんごめん」

カレン:「……穂風、レミ、トレ、陽、響」

     「ありがとう。タマキと一緒にいてくれて。あの子に気を遣ってくれて」

     「他人と関わることが少ないから、きっとタマキも喜んでると思うから。感謝するよ」

きゃーきゃーと騒ぐタマキをよそにカレンが君たちに囁いた。
それはカレンの本心からの言葉であろう。

584『ある夏の思ひ出』:2016/12/17(土) 00:13:42
>>583

山の頂上に一行は降り立った。
太陽は暑くまぶしい日差しを大地に注ぐ。
一本、大きな木があった。その木陰に入る。

カレン:「おや。ロビン」

ロビン:「あぁ……お前たちか」

カレン:「コヨーテは?」

ロビン:「終わった」

木に寄り掛かるように座ってロビンが眠っていた。
その顔や見える肌には擦り傷があった。
それはコヨーテとの遊びの影響なのだろうか。

ロビン:「どうした?」

陽:「みんなでご飯食べるの!」

そうか、とロビンは呟き

カレン:「君もお呼ばれしなよ」

     「いいだろう?」

さぁ、食事の時間だ。

585遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/17(土) 00:49:18
>>584

「素敵ですね……鳥のように空を飛ぶ。
一つの夢ではあったんですよ。叶って嬉しいです」

大空を生身一つで舞う。スタンド使いである少女の力を借りてはいるものの
誰もがもつ憧れを叶えてくれているのだ。これほど嬉しい事もない。

降り立つと、ロビンさんが居た。少し生傷あるものの無事だ
コヨーテと遊んで出来た傷と言う事は、やはり其のスタンドは中々自分の
フラジール・デイズとは違った意味合いで特殊(自立型?)なのだろう。

「えぇ、ロビンさんも是非一緒に良ければご同伴ください。
食事は賑やかなのが一番ですし」

 「それじゃあ、お食事にしましょうか」

ニコニコと、重箱を開ける。
 
 「皆さん、各自好きなものを取り分けて食べて下さいね。
えぇっと……人数分の割りばしはあったかしら…?」

 皿はなくても、少し行儀悪いが箸があれば思い思いに全員それで
とって食べれば良い。箸が無かったら、トレの忍ばせてるバーベキュー串を
各自に渡して大丈夫だろう。本来の用途として串は使ってもらうほうが嬉しいだろうし。

586葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/17(土) 04:49:46
>>583-584(GM)
>>585(遊部)

「わ」

       「わ」

  「わっ」

       ≪お嬢様、舌を噛みます。
          声は出さない方が良いかと≫

そんなことを言われたって、
声を出さずにいられるはずはない。

穂風は怖いからじゃない。楽しいから声を出す。

「…………はい」

  ニコ

カレンの感謝には、笑顔で返した。
舌をほんとに噛みそうな気もしたし、
今はうまく言葉を作れない気がしたから。

(誰かが嬉しいと、私も嬉しい)

         ・・・

    ・・・
            ・・・


「――っと、と」

着地する。大きな木だ。
景色を堪能するには、道中がすごすぎた。

きっとここでしか見られない景色もあるだろうけど。

「ロビン、さん。あ、う、お疲れさまです。
 あの、ご飯……ロビンさんも、いっしょに」

           「どうでしょう!」

ロビンを誘わない理由なんてどこにもない。
重箱を開けたり、お箸を取り分けたりするのを、穂風も手伝う。

587『ある夏の思ひ出』:2016/12/17(土) 22:22:20
>>585
>>586

ロビン:「あぁ」

ロビンも食事を共にすることを決めた。
もしも山中での食事で橋を落とした時の配慮なのか予備の割りばしも入っていた。
全員に箸がいきわたる。
ロビンは少し首を傾げている。

陽:「じゃあ、いいかな」

カレン:「うん」

タマキ:「お腹がすいたのだわ」

響:「僕も」

  「では手を合わせて」

子供たちが手を合わせる。
つい昨日お互いを知らなかった者同士。
だが今はほんの少しの友情でつながっている。
君たちがいたから繋げた絆なのだろう。

「いただきます!」

青空や山の中に響き渡りそうな声だった。

588遊部『フラジール・デイズ』:2016/12/17(土) 22:27:27
>>587GM(少し早いですが、長い間のミッションお疲れ様です。
そして有難う御座いました)

 「――いただきます」

 この別荘で、この子達と出逢えて良かった。
最初こそ、他のスタンド使いの人達と一緒と言う事で
何か大きな苦難が訪れる事も覚悟していた。
 けど、信頼を以て接すればソレは返って来る…
今日 私はそれを学べたのだ。

 空に映る澄み切った青のように、美しい空色を心に広がせながら
笑顔で皆を見渡し、楽しい食事の一時を得た……。

589葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/12/18(日) 01:23:00
>>587(GM)
>>588(遊部)

「…………はいっ!それでは」

       パンッ

穂風は子供たちに合わせて手を合わせる。

自分だってまだ子供だけれど。
今日は、少しだけ大人になる日だ。

「いただきますっ!!」

          ≪――いただきます≫

          従者は主の成長を喜ぶ。
          無事、と言って差し支えなく、
          主の力になれたことを――喜ぶ。

けれどまあ。

今は難しいことはどうだっていい。
いい天気の青空の元で、みんなで手を合わせて――ご飯の時間だ。

590『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 14:33:34
>>588
>>589

青空の下。
爽やかな風が吹き、木の葉を揺らす。
いつかは別れる運命ではあるが、今この瞬間を楽しんでいた。
陽の光が輝いた。
笑い声が響いた。
か細くも確かな絆の輪がそこにあった。

591『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 14:55:49
それから数日。
別荘のリビングに陽と響はいた。
葉鳥やトレ、逢坂の姿はそこにはない。

陽:「行っちゃったなぁお姉ちゃんたち」

響:「見送り、山の下まで一緒に行かなくてよかったの?」

陽:「泣いちゃうから。お姉ちゃんたち心配しちゃうだろうし」

ぐでっと机に体を預ける陽。
それを見てふぅと息を吐いた響。

陽:「僕が帰っても、お兄ちゃん泣かないでね」

響:「泣かないよ」

陽:「お兄ちゃんだから?」

響:「ううん。いつかまた会えるからだよ。お姉さんたちともすぐに会える」

  「だって人の出会いも重力だから」

陽:「重力かぁ……」

響:「うん。だから大丈夫だよ」

笑いあう二人。
テーブルの上に置かれた工具箱を響がなでる。
どれだけの遠く離れていても心の距離は離れることはない。
そしてその心の距離がある限り重力もまた弱まることはない。

592『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 15:51:58
山道を登る車があった。
運転席に座るのは逢坂だ。

逢坂:「んー葉鳥さんやレミさん、もうちょっと長く居てもらってもよかったかなぁ」

    「遼子ちゃん帰ったからって……お客様としていてもらうべきだったかなぁ」

しばらくの間だが行動を共にした者たちを思い出す。
しかしそれが約束であったからしょうがないと思う心もある。

逢坂:「……あの子たちが落ち込んでないといいけど」

    「ま、私は私の仕事しないと。葉鳥さんやレミさんが頑張ってくれたんだし」

    「ねぇ熊ちゃん」

助手席で熊のぬいぐるみが揺れる。
つぎはぎだらけの熊。
本来であれば捨てられるような存在だがそれは一つの友情の証明だった。
葉鳥やレミ、トレ達が陽やカレンたちと築いた友情の。

空は青く、太陽は暑すぎるほどの日差しを放つ。
いつもと違う日常が過ぎ、いつもと変わらない日常が過ぎていく。
いつまでも。

『ある夏の思ひ出』→おしまい。

葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』→『10万』獲得

遊部『フラジール・デイズ』→『10万』獲得

鍋師 陽『ヒーロー』
伏見 響『モンスター』
白峯 カレン『フィール・インヴィンシブル』
諏訪 タマキ『コメトス』
                           →『新たな友情』獲得

593『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:23:06
「ヒーローはみんなと仲良くなくちゃいけないんだよ。
 みんなと仲良しな人がみんなの喧嘩を止められるんだ」

【無邪気な弟】鍋師 陽のスタンド。
黒と天色の纏うヴィジョン。腕輪などの装飾を装備してる。
中央に水晶玉を思わせる物体をはめこまれたベルトを持つ。
『友達』から力をもらい、強化される能力。

『ヒーロー』
破壊力:C スピード:C 射程距離:E
持続力:C 精密動作性:B  成長性:B

★氏名―鍋師 陽(なべし はる)
★スタンド―『ヒーロー』
★能力―友達から力を借りる
★性別―男 ★年齢―? ★血液型―A
★山羊座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―灰 
★趣味―キャッチボール 川遊び
★好きな映画―ライオン・キング ★好きな色―天色
★性格―好奇心旺盛。無邪気さも相まって色々なことに挑戦するが、性根はビビり。
★外見―きれいに切られた短髪。大きな猫のような瞳を持つ。
      半ズボンに半袖のシャツや袖のないシャツを好んできている。
★備考―夏休みを利用して山にある別荘に遊びに来ていた少年。
      両親は仕事で忙しく、代わりにお手伝いさんである逢坂冬美とやってきた。

      突然の来訪者である伏見響とは出会ってからの期間は短いものの、親友関係。
      というよりもたまにぼんやりと響の横顔を見つめているときもある。
      その感情がどういう類のものなのか彼は分かっていない。

594『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:26:03
「キミがヒーローなら、ボクはモンスターだ。正義がいるから悪がある」

【未詳で未熟な蕾】伏見響のスタンド。
本体の中に潜む寄生虫。
皮膚の下や筋肉、神経、血管内などを移動する触手によって本体の体を強化する。
また寄生虫は寄生虫として繁殖する機能を持つらしい。

『モンスター』
破壊力:B スピード:C(B) 射程距離:D
持続力:B 精密動作性:D  成長性:D

★氏名―伏見 響
★スタンド―『モンスター』
★能力―本体の体内に潜む寄生虫
★性別―男 ★年齢―? ★血液型―?
★山羊座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒 
★趣味―散歩 絵を描く
★好きな映画―? ★好きな色―竜胆色
★性格―歳に合わない余裕さと年相応の無邪気さを持つ。気に入った相手にはとことん尽くしてくれる。
      いたずら好きな一面もある。
★外見―色素の薄い肌に長めの黒髪を結んでいる。短い尻尾のようになっている。
      幼さの少し残る顔で、数多くの少年を見てきた逢坂冬実曰く「(鍋師陽同様)可愛い系の顔」
      女性っぽい。
★備考―どこからともなく現れた少年。
      本人は他人と自分の間に線引きがあるらしく
      自分にとっての大切な相手にのみ大切なことを晒せるらしい。
      物事に対して一歩引いたような時があるが
      まだ子供らしさが残る顔同様、内面も子供らしさが残っている。
      鍋師陽とは親友であるが、陽の行動に振り回されることもしばしば。

595『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:27:22
【素人鑑定士】逢坂 冬美のスタンド。
本体の瞳に発現するコンタクトレンズ。
発現すると本体の瞳は忍冬唐草の模様で彩られる。
彼女の好きなエメラルドグリーンに白の唐草、瞳の中央の唐草はハート形を作っている。

鑑定し、見比べ、欲するものを探すのが能力。
このコンタクトを通してみる世界は黒と白と灰で構成され非常に色のない風景が広がっている。
しかし、使用者が念じ意識することで対象となりうるものは色づく。
「今の状況を打破する道具」などアバウトでも一応探し出すことはできるが
どう利用するかは本体次第である。

このスタンドの影響か本体である逢坂冬美はプロ並みではないが、見比べる能力にたけている。

『ルック・オブ・ラブ』
破壊力:- スピード:- 射程距離:D
持続力:B 精密動作性:A 成長性 :C

★氏名―逢坂 冬美
★スタンド―『ルック・オブ・ラブ』
★能力―見比べることで自分の欲するものを発見するコンタクトレンズ
★性別―女 ★年齢―28 ★血液型―O
★さそり座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―茶 
★趣味―ショッピング 観察日記
★好きな映画―サマーウォーズ ★好きな色―エメラルドグリーン
★性格―優しく、どこか抜けたところがある。
★外見―眼鏡でおさげ。いかにもお姉さん系という雰囲気を持つ。
      普段着の上にエプロンを着ている。
★備考―鍋師一家のお手伝いさん。
      家族自体が鍋師一家に仕えている。
      今回は鍋師当主の息子である陽からの指名で別荘地での世話を任されている。
      少年が好き。鍋師陽も好き。伏見響も好き。少年が好き。

596『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:29:14
【落ちる人】カレンのスタンド。
小さな地球の象徴ヴィジョン。本体にかかる重力を操る。

本体、詳しくは本体の触れているものも含めて
受ける重力の向き、重さ軽さと操ることが出来る。
上からの重力を強くかけることでものを押しつぶすことが出来るが
それは本体もつぶれることと同義である。
重力を操ることによって身体に影響を及ぼすことはないが
操った重力には本体も逆らうことは出来ない。

『フィール・インヴィンシブル』
破壊力:- スピード:-  射程距離:E
持続力:D 精密動作性:-  成長性:E

★氏名―カレン(白峯 カレン)
★スタンド―『フィール・インヴィンシブル』
★能力―本体にかかる重力を操作する
★性別―男? ★年齢―? ★血液型―?
★いて座生まれ ★髪の色―薄い金 ★瞳の色―鳶色 
★趣味―散歩 誰かと遊ぶ 昼寝
★好きな映画―? ★好きな色―桃
★性格―大人っぽさに憧れる。心開いた相手以外には素直になれない。
★外見―袖のないジップアップのパーカーを愛用し、きれいに切りそろえた髪に白いリボンをつけている。 
★備考―山中にあるお城(廃業したホテル)で遊んでいる。
      町中に秘密基地という隠れ家を持っており、そこを転々としているらしい。
      お城もその一つらしい。いつも遊び相手を探している。
      鍋師陽と伏見響らと友情が芽生え、友達となる。

597『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:29:58
★氏名―タマキ
★スタンド―『コメトス』
★能力―?
★性別―女 ★年齢―? ★血液型―?
★牡羊座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒 
★趣味―昼寝
★好きな映画―? ★好きな色―白
★性格―癇癪もち。寂しがり屋。
★外見―カレンがどこかからもらってきた服を着ている。
★備考―ナルコレプシーの少女。
      眠っていたところをカレンに見つけられ以後行動を共にする。
      両親などは不明。ただタマキは両親を嫌っている。
      自由奔放なカレンに振り回されているが信用からかなんだかんだ許している。

598『ある夏の思ひ出』:2016/12/18(日) 16:43:41
【精霊といっしょ】ロビンのスタンド。
特定のヴィジョンを持たない。
精霊やシンボル、モチーフをヴィジョンとして発現。
半自立スタンドとして発現したヴィジョンは動く。
また自身に対して有益であったり敵意を持つものへ能力を行使する。

本体であるロビン特有のスタンドではなく
彼の部族の人間など数人が持つ能力。
本来呼べる精霊は一種類だが他の能力の使い手と出会うことで他の精霊を呼び出すことが出来るらしい。

『ウェン・ユー・ビリーブ』
破壊力:? スピード:?  射程距離:A
持続力:D 精密動作性:?  成長性:E

★氏名―ロビン
★スタンド―『ウェン・ユー・ビリーブ』
★能力―精霊などを呼び出す能力。
★性別―男 ★年齢―? ★血液型―?
★射手座生まれ ★髪の色―黒 ★瞳の色―黒 
★趣味―昼寝
★好きな映画―? ★好きな色―青
★性格―自然や精霊といったものを愛し、自らのルールを守っている。
★外見―浅黒い肌を持つ大柄の男。
★備考―山の中に住み着いているどこかの部族のもの。
      パスポートを持っているかは不明。

599『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/10(火) 00:29:10


人生は呑気な楽しい休日でも、気の利いたことが記されている書物でもありません。


 
                                           フローレンス・ナイチンゲール

600『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/10(火) 00:35:11
「どうする?」

「何です?」

「ネット。書き込みたくさんだ」

「書き込みたくさん! いいことです!」

パソコンを前に笑う男。
そしてパソコンを前に眉を顰める男。

「なんで?」

「だって、それとてもいいことです。人、たくさん来ます」

「そして人たくさん来たらたくさん調べられます。それ私望んでいること」

「なんか変なのもついてくるかもよ。義憤、というかなにか正義感的なモノが」

「それはそれ、いいことです。どのみちやることは一つ」

「あいあい」

「「『光を追え』」」

暗い部屋をランタンの火が照らしていた。

601『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/10(火) 01:32:05
小石川文子はマイクロバスに揺られる。
理由は一枚のチケットにある。
「星見町新春宝くじ」
町内で買い物をすると付いてくるもので、新年の祝いに抽選が行われる。
小石川はそれの二等、バスで行く泊りがけの旅行の権利を得たのだ。
なんでも遠島高校(えんとうこうこう)という廃校になった学校を宿泊施設として利用しているらしい。

バスが揺れる。
山道の中を進んでいく。
他にも乗客がいる。
旅館となる学校側が車を出してくれた。
小石川を含めて十数名。
同じように二等で招待されたもの、旅行会社から予約して来たもの、まちまちだ。

小石川の横には仏頂面の男が外を眺めている。
長い髪に隠れがちな横顔、爬虫類のような眼。
そして顔立ちから察するに外国人らしかった。
時々髪をいじる右手の薬指に輝く真鍮の指輪には羽の模様が彫ってある。

到着までには少々時間がある。
隣の男と話してもいいし、ただ到着を静かに待っていてもいい。

602小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/10(火) 22:29:07
>>601

椅子に座る時は背もたれにもたれず、背筋をきちんと伸ばして、姿勢を正して座る。
両手は軽く重ねて膝の上に置き、顔は真っ直ぐ正面を向く。
幼い頃から、席に着く時はそうしなさいと教えられてきた。
その習慣は今も抜けていない。
こうして外出している時だけではなく、家にいる時も同じだった。

車体が大きく揺れた際に、腕に小さな痛みが走る。
袖に隠れた右腕には真新しい包帯が巻かれていた。
昨夜、不意に『自殺衝動』の高まりに襲われた結果、また『鎮静剤』に頼ることになった。
いつも手元に用意してある『果物ナイフ』で、自らの腕を傷付けたのだ。
それが良くないことは分かっているが、自分にとっては、なくてはならない行為だった。

世の中には煙草を吸わなければ何も手につかない人もいる。
そういう人達は、煙草が体に悪いと知っていても吸い続ける。
自分は煙草を吸わないが、そこにある意味は同じだ。
何よりも甘美な『死の誘惑』は、『自傷行為』でなければ抗えない。
逆に言えば、『自傷』さえしていれば抑えることができるのだ。

  ――今、どの辺りなのかしら……。

外の景色を見ようとして、隣に座っている男性が目に入った。
特徴的な容貌に注意を引かれ、無意識の内に、その姿を見つめてしまう。
しかし、すぐに失礼だと気付き、目線を正面に戻した。
はしたない振る舞いを避けて、常に慎みある行動を心がける。
これもまた両親から教わったことだった。

振り返ってみると、両親の教育は現代的ではなかったと思う。
良く言えば古風であり、悪い言い方をすれば時代遅れとも言えた。
ただ、それに対して反感を抱いたことは一度もない。
もちろん人並みに反抗期は経験したが、あくまで一般的な感情であり、
両親の教育方針に反対するものではなかった。
なぜなら、その教育の結果が、自分が生きる上で良い方向に働くことが多かったからだ。

だから、今も二人の教えに従い、こうしてバスに揺られながら、
静かに到着を待つつもりでいた。
その間、現在の時刻と到着予定時間を頭の中で照らし合わせ、
どれくらいで着きそうか計算する。
また、パンフレットか案内のようなものがあれば、この旅行の日程を確認しておきたい。



◆◇◆簡易プロフィール◇◆◇
結婚直後に最愛の夫と死に別れ、自身も後を追うことを望んでいた。
しかし、自分の分も生きて欲しいという彼の遺言を受けて、生き続ける道を選ぶ。
常に果物ナイフ(鎮静剤)を持ち歩き、それを用いた『自傷』によって、
不意に湧き起こる『自殺衝動』を抑制している。

◆◇◆能力詳細◇◆◇
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/41

◆◇◆持ち物◇◆◇
自傷用の果物ナイフ、包帯、携帯電話、財布、ハンカチ、ティッシュ、
500mlミネラルウォーター、化粧品を入れたポーチ、以上の品物を入れたハンドバッグ。
寝巻きや替えの衣類が入った鞄。

◆◇◆外見◇◆◇
身長170cm、長い黒髪をうなじの部分でまとめたアップヘア、
洋装の喪服、黒いキャペリンハット、喪服とは色味の異なる黒いコート
色の白い肌、すらりとした細身の体型、穏やかで憂いを帯びた顔つき。

603小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/10(火) 22:45:59
>>602

年齢:28歳

604『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/10(火) 23:47:54
>>602

親からの教育。
その姿が体に根付いた姿勢ならば
腕に走る痛みは心に根付いた行為から生まれたものなのだろう。

隣の男性から目線を外し、両親のことを思い出す。
手にとった小さな冊子。
手作りかとも思われる簡素なものだ。
そこには11:00到着とある。
現在時刻は10:40。まだ少し時間はある。
が、車内でなにかが起きるという訳でもない。
特にすることがなければそのまま待てばいいだろう。

冊子には今回の旅行の予定も乗っていた。
二泊三日。一日目である今日は到着してから職員挨拶。
それから荷物を割り振られた部屋に置き、時間がたてば昼食。
また自由時間になりそれからは山を歩いたり夕食の時間には軽いレクリエーションがあるとのことだ。
二日目は特になにかがあるという訳でもなく各人の好きにする、という感じらしい。

605小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/11(水) 01:09:18
>>604

出発前にも目を通していた冊子を再び一読する。
ざっと見た限り、予定表には特に目新しい記述は見受けられなかった。
しかし、何よりも目を引くのは、廃校になった高校が宿泊施設だという点だろう。
自分の高校時代を思い出し、不思議と懐かしい思いが胸をよぎる。
そういった『ノスタルジー』や『非日常感』のようなものを売りにしているとも思えた。
この冊子自体にしても、自分達が学生時代に手作りした『旅行のしおり』のようで、
どこか親しみが湧いた。

この小旅行は、自分にとってどんな体験になるのだろうか?
何か変わった経験ができるかもしれないし、案外と何事もなく終わるかもしれない。
もし、何も珍しいことがなかったとしても、それはそれで問題はない。
少しの間、賑やかな町を離れて静かな場所で時間を過ごすことは、
良い気分転換になってくれるはずだ。
目的地である遠島高校に着いたら、この二泊三日を出来る限り楽しむことにしたい……。

  ――あと20分……。もうすぐね……。

時間と日程を確認した後は、これといってすることはない。
先程までと同じように、マイクロバスが遠島高校に到着するまで待つことにする。

606『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/11(水) 22:11:04
>>605

チープとも言えるその冊子は廃校となった施設と合わさって遠足のしおりとなる。
小石川の心に学生時代のことが思い出されるようだ。
この旅行について少し考えている内にマイクロバスは目的地に到着した。
そこはグラウンドだった。
大きな校舎が建っている。
今も学び舎としての姿を残している。

「はーい! こんにちはー! 皆さんどうぞどうぞ前へー!」

元気のいい女性の声だ。
ジャージに身を包み、太陽に負けない笑顔で話している。
栗色のポニーテールが元気に揺れる。
どうやら職員挨拶のようだ。
サッと小石川の横を過ぎ去る人影。
それは先ほど隣に座っていた男性だ。
彼は旅行者の塊から抜けると既に並んでいた職員たちに混じった。

607小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/11(水) 23:18:45
>>606

  ――治生さん……。

ただ一つ残念なのは、この場に『彼』がいないこと。
もし、『彼』が生きていたなら、今も自分の隣に座っていてくれただろう。
この移動中も楽しい会話をしていたはずだ。

  ――できることなら、あなたと一緒に来たかった……。

叶わぬ願いに思いを馳せていると、次第に表情にも陰りが差してくる。
バスが目的地に到着したのは、その直後だった。
まだ陰の残る表情のまま荷物を持ってグラウンドに降りると、元気のいい声に迎えられる。
明るい笑顔が眩しいジャージ姿の女性。
第三者から見ると、今の自分と彼女とは、まさしく対照的な人間に思えるだろう。

  「――……?」

職員の列に加わったということは、彼も職員なのだろうか。
旅行者達に混じって来るというのは、なんだか不思議な感じがした。
こういう場合、何か理由がない限りは、現地で待っているのが普通だろうと思う。
しかし、だからどうという訳でもない。
事情は分からないが、きっと何か理由があったのだろう。
頭に浮かんだ小さな疑問は脇に退けて、女性に従い他の旅行者達と同じように移動する。

608『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/11(水) 23:59:26
>>607

思いを馳せるのは学生時代の時のことだけではない。
もしもやたらればの話にはなるが今この瞬間に小石川の隣に座っていたかもしれない男性。
だがそれは現実ではない。
やはりもしもの話なのだ。

ポニーテールの女性が声をかけて誘導している間、青年は一人の職員に近づいた。
青年と比べるとその職員は年老いている。
ブロンドの髪が陽の光に輝いている。
黒い革の手袋をしており、その手には杖……いや、ステッキがある。
派手な装飾こそないものの美しい。

「はーい! 私は一ノ瀬仁美! 皆さんの担任の先生、なにか困ったことがあったら呼んでください!」

彼女に続いて職員たちが挨拶する。
今回の旅行では職員達は学校の先生、旅行者は生徒、そういう体らしい。
雰囲気作りの一環だろう。
青年の番が回ってきた。

「クリス・ジャクソン。生物の先生、と思ってもらってもいい。バードウォッチングや山登りの際はお声がけを」

「遭難しないように、危険のないようにしたいます。ただし、望まないならお好きなように」

軽く会釈する。
続いて耳打ちをされていた男の番だ。

「リンゴ・ナイチンゲール。保健のセンセイです。カウンセラーも出来ます、もちろん治療も」

そう言って手を挙げた。

609小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/12(木) 01:03:10
>>608

  ――そう……楽しい趣向ね……。

到着前から何となく察していたが、やはり雰囲気を大事にしているようだ。
さしづめ、大人のための林間学校といったところだろうか。
中には、こうした演出を快く思わない人もいるかもしれない。
ただ、旅行という楽しみの場なのだから、遊び心というものは必要に思う。
それを大切にしようとする学校側の心遣いには、素直に共感を覚えた。

  「――カウンセラー……」

年配の男性の紹介を聞き、思わず呟いた。
自分には一番必要な人物のように思え、自嘲するように薄く微笑む。
カウンセリングを受けたことはないが、受けようとしたことはある。
しかし、やめてしまった。
どんな精神治療を受けても、心に負った傷が消えるとは思えなかったから。

  ――なんだか。

ふと、頭の中に、また小さな考えが浮かんだ。
些細なことだが、気になることがある。

  ――外国の方が多いようね……。

一ノ瀬という女性以外の二人の男性は外国人らしい。
個人的な感覚だが、彼らはこの場所にはあまり似つかわしくないような気がした。
英語の先生というのなら分かるが……。
もっとも、この旅行に英語の先生が必要とは思えない。
『先生』というのは雰囲気作りのために設けられた『役柄』であり、
彼らはあくまで宿泊施設の職員だとしても、三人中二人が外国人というのは不思議だった。

確かに気にはなるが――ひとまず今は置いておくことにする。
質問する機会があれば、この学校のことも含め、色々と尋ねてみるのもいいかもしれない。
今は、ともかく彼ら『先生達』の支持に従って行動しよう。

610『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/12(木) 01:32:03
>>609

カウンセラー。
心に傷を持つ人を癒す心の医者。
しかし小石川はそのカウンセラーに頼らず生きている。
それをどうとらえるかは人それぞれだ。

外国人。
小石川の思うように今この場にいる三人の職人のうち二人は外国人だ。
他にも職員はいるのかもしれないが、日本の学校という雰囲気を大切にしていそうな施設で外国人二人。
だが、その謎はいまは解けるものではないのかもしれない。

一ノ瀬の誘導に従い、各々教室を改造した部屋に通された。

―――――――小石川文子『スーサイド・ライフ』⇒到着。

611『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/12(木) 23:06:59
遊部玲実はマイクロバスに揺られる。
理由は前に座る男にある。
「治験」
治療の臨床試験、詳しいことはともかく薬に関係することだ。
薬の法上の承認を得るための仕事だ。

バスが揺れる。
山道の中を進んでいく。
思い返せば自分がなぜここにいるか思い出せる。

昨日のことである。
遊部は喫茶店の中にいた。
目の前には一人の男、名前をコハル・トランプという。
君と彼の関係はどうであっただろうか。
ともかくとしてコハルは君に頼みがあるようだ。

「治験ってご存知ですか?」

・簡易的なプロフィール
・能力詳細のURL
・持ち物
・外見情報
上記四つと希望があれば『コハルとの関係』をお願いします。
コハルとの関係は特に希望がなければ『コハルの張ったチラシを見てやってきた』ということになります。

612遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/13(金) 10:45:35
>>611(返信内容に長考して寝落ちしておりました。
大変すみません、以後連絡の旨忘れずにします)

>「治験ってご存知ですか?」

「ご存知も何も、十数回は受けましたよ。
 まぁ、こんな若い身空で何度も薬の世話を受けるのは
如何なものかと思えるかも知れませんが、けど、この通りの健康体ですから
 えぇっと、その時にもお会いしましたっけ? 少し、記憶がおぼろげで……
クスッ、駄目ですね。20も満たぬのに物忘れが激しいだなんて」

普段、ベソとして精神的重圧に苦しんでる事など、まるで端からないように
穏やかな大人びた笑みで『レミ』はトランプにハキハキと返答する。

「本日も、向精神薬関係の臨床かと思ってたんですが。
トランプさんの其の様子だと、どうやら異なるようですね……
私の力添えで役立てるのでしたら、何なりと。
 とは言うものの、虎穴に入るようなものでしたら、サポートをお願いしますね?」

そう、コハル・トランプに微笑みを投げかけた。
 
――――――――――――――――――――――――――――――

『簡易プロフィール』
多重人格者、いま現在11の人格を内部に携えている。
交渉・交友に関して『レミ』が表に出る。

『能力詳細』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463236020/6

『持ち物』
スマホ・財布・生理用品・カマグ・アロマキャンドル・マッチ
化粧用品(※ファンデーションスプレー含む)筆記用具
上記を入れる少し大きめのバック

『外見』
身長161cmの肩まであるピンク色の髪の毛。瞳はカラコンで青色に。
服装は赤を基調とした上着に、ゆったりとした黒のスカート。

『依頼主との関係』
希望が通るのならば、『治験』に関し
過去にレミの状態でコハルと面識がある、と言う関係で。

613『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/13(金) 23:18:07
>>612

「えぇ、確かそこそこ前、でしたっけ」

「すいません。僕も物忘れ激しいのかな」

治験。それはレミにとって馴染みのあるものでコハルとの関係をつないだものでもあった。

「話が早くて助かります。えぇ、少しおかしな治験でして」

「とりあえず、これを見ていただければ」

コハルはカバンからノートパソコンを取り出す。
その画面には掲示板がうつっている。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
51 名前:名無しさん 投稿日:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX
前に治験のバイトしたんだけど、バイト中の記憶がない。

52 名前:名無しさん 投稿日:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX
>>51
そマ? やばくね? 薬の副作用とか?

53 名前:名無しさん 投稿日:XXXX/XX/XX(X) XX:XX:XX
>>52
わかんね。今までこんなことなかったのに
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ここ最近、こういう書き込みがよくあるみたいで」

「調べてみたんですけど、記憶を失った方はみんな同じグループの治験に参加しているらしいんです」

「『アサイラム・コーポレーション』そこの治験の調査を手伝っていただきたい。我々と共に」

614遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/13(金) 23:48:58
>>613

 ノートパソコンへと、少し身を乗り出して内容を視認する。

「確かに……これは『おかしな』ものです」

 呟いて、コハルのほうに顔を向ける。

「『アサイラム・コーポレーション』と言うのが、どの程度の規模が
私は把握しかねませんが。このように記憶が一時的に治験中の出来事が
全て忘れてしまうような、企業的には著しくイメージダウンする事が
どうも立て続けに起きている……なのに未だに存続されてるんですよね?」

そう、これは明らかに『妙』だ。
 医療企業に、そこまで精通してる訳でなくも、その製品や試薬で
記憶が喪失するような症状が起きたとして、だ。
 ネットに書き込まれるくらいには伝播してるのに、その治験がまだ行われてる。
普通なら、企業側が自然と中止して良いものだが……。

「……あの、つかぬ事を聞きますが。コハルさんは『スタンド』と
いうものに聞き覚えはあります? いえ、ガソリンスタンドとかでないものですけど」

「それと、依頼に関しては解りました。微力にしかなりえませんか、宜しくお願いしますね」

微笑むと共に、軽く頭を下げてコハルに返答した。

コハルが『スタンド使い』がどうかで、サポートの範囲内も変わって来る。
 『フラジール・デイズ』が、こちらにはあるとは言え。戦力的に強力なパワースタンドなどに
力での闘いは不得手である。コハルに、スタンドでの戦いの資格があるか聞こう。

依頼については、既に運命の輪ならぬ車輪は回り始めている。

 軽率かも知れぬが、この前の別荘でも比較的最良な結末を添えられた。
その自信は未だレミの中にある。内部の数人の不承を黙殺した上で依頼に応じる。

615『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/14(土) 00:21:02
>>614

記憶喪失は重篤な問題だ。
『アサイラム・コーポレーション』
それがまっとうな組織ならば治験を取り下げているはずだ。

「『アサイラム・コーポレーション』はいくら調べても企業のホームページが出てこないんです」

「よほど小さいか、それとも別の何かか……」

「スタンド? えぇ、知っています。僕もそうですから」

コハルはそういってノートパソコンをしまう。
それから、と前置きをしてからレミの後ろの席を指さす。

「彼らも同伴します。防人 修治さんと葛西 百合江さんです」

背後で席を立つ音がする。
レミの横に彼らは立っている。
一人は包帯を巻いた男。二人目は色気のないシャツとズボンの女性。
協力者、ということだろう。

「決行は明日。夜に向こうからの迎えが着ますから、それを利用して潜入、調査します」

616遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/14(土) 19:08:49
>>615

>よほど小さいか、それとも別の何かか

「後者の可能性が高いと思いますね。
記憶だけ失う以外で、被害者と思しき方達に目立った外傷があれば
ネットでも、そう記すでしょうから、患者の肉体への執着は皆無。『記憶喪失だけ』
 この不可解な点は、単なる医療企業の治験で説明つきないと思います」

本心からレミは感想を唱える。言った通り、被験者の体を悪戯する為に
一時的に記憶を薬品なりで消したと言う可能性は薄い。
『スタンド能力』が、ほぼ間違いなく絡んでいるであろう。

 (危険性は……高い。私【レミ】の心で……耐えれる程の出来事だけなら良いけど)

前もって、大作に連なる映画や小説に出てくるような想像出来る最悪の事態ならば
レミも、多少覚悟を以て望めれるかも知れない。
 けど    想像外の恐怖が、其処に満ちていたら……?

(今は、止そう。他にも頼れる方達がいる。
 信頼には信頼を以て返す。この前に学んだばかりだ)

「宜しく、お願いします。短い間かも知れませんが、精一杯
出来る事はするつもりです」

 こちらも立ち上がり、防人 修治 葛西 百合江へ頭を下げる。
コハルも使い手と言う事に、少しだけ畏れがないと言えば嘘になる。
だが、彼らは彼らなりの信念あってこそ。悪があるかも知れぬ企業の隠蔽を
暴くべく白銀の意思を掲げるからこそ、この任に就いてる。
悪戯に私が不審を抱くのは、不毛だ。

コハルの挙げた時間と、潜入の方法に頷くと共に、他に確認する事を聞く。

「まず、二つお願いが。一つ、私が内部で調査を行う時 出来る限り皆さんと
同行はしますが、時々妙なタイミングで三人から離れる事があるかと思います。
 そのような事があっても、無理を承知で言いますが表面上は疑っても良いです。
けど、どうか心の中では信じて下さい。それは必要な行動なのだと」

……今回の調査にあたって。『フラジール・デイズ』を活用するとなれば
私の『影武者』。自分自身の今の役割を植えて、私はその間に死角から
他の重要時点と思える場所を探索するのが、ベターに入る。
 その時にあたり、他のメンバーが私の行動を奇妙と思っても、制止されると
全体の足並みを乱す要因になる。スタンドプレーを事前に行う旨は前もって告げたほうがいい。

「それと、宜しければ三人のスタンドの大まかな内容を教えて頂いて構いませんか?
勿論、話さなくても結構です。ただ、戦力がどの程度が把握させて貰えれば
実地で動くにあたって、便利ですから。
 話して頂けるのでしたら、私の能力も開示します」

二番目は、このチームの戦力確認だ。
 スタンド能力は、事前に公開するようなものでないことは知ってる。
だが、今回のような危険が高いミッションの場合。事前にどの程度の
事が出来るか。少なくともパワー型が、調査・探索を得意とするかの
簡単な事は知っていたほうが良いだろう。

言った通り、教えて貰えればこちらの能力も簡単ながら告げる。
 詐称するメリットはないだろう。

617『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/14(土) 23:42:20
>>616

コハル:「まぁ、僕からはどうとも言えないですが」

コハル:「ヤバイっていうのは確かです」

敵となるかもしれない、事件となるかもしれない存在への感情。
それを心の中に押し込め、レミは防人たちに挨拶をする。
レミはお願いとして二つ、彼らに提示する。
スタンドプレーを行う旨を伝えると葛西が口を挟む。

葛西:「異なことを言う。表面上疑い心の中で信じる、ではなく」

   「表面上は信じて心の中で疑うというのが普通では?」

コハル:「ユリ……レミさん、我々は依頼者です。あなたの行動を疑うつもりはありません……その、彼女はすいません」

    「ただ、僕たちから離れるってことはもし危険があっても助けられない、助けるのが遅くなる。」

    「それを覚悟してください」

一つ目のお願いに対しての反応はそれだけだった。
二つ目のお願い、戦力の確認。

葛西:「傷を癒す。以上」

防人:「武器持ってるとヴィジョンが変化する……」

コハル:「スタンドとかによる影響を打ち消すって感じです。後精神に関わる問題とかを打ち消したり」

防人とコハルの傍に人型のヴィジョンが現れる。
葛西の傍に人型はいないが彼女に巻き付くように鎖のヴィジョン。
彼らの中で戦闘が得意なのは防人ぐらいだろう。
しかし防人のヴィジョンも屈強な見た目とはいいがたい。

コハル:「他に確認したいことは?」

特になければこの場は解散となるだろう。

618遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/15(日) 00:15:00
>>617

 「有難う御座います。教えて下さって
では、私のほうも僭越ながら披露させて頂きます。
少しだけ離れます。   ――『フラジール・デイズ』」

 ズズ ッ゛   ブゥン

 現れるのは、半身。それでいて、今の遊部と瓜二つの姿をする
普通の人間でも触れる事できる実体化スタンド。それが受け持つ力
 大きな違いは、自分と違い表情は能面のように喜怒哀楽を映してない事だ。

「彼女は、私が命じれば其の通りに動いてくれます。制限はありますが
かなりの距離でも支障なく、普段の私通りに動いて欲しいと頼めば動いてくれます
 そして、彼女は『生身の体』を持ってます。……この意味を、皆さんは理解してくれますね?」

そう、『フラジール・デイズ』は。幾らかの継ぎ目、それも化粧で隠せば
『レミ』として動いて欲しいと告げれば、迷いなく其の状況下で自然と動いてくれる。
これは、諜報をする上で大きな力になる。

 スタンドを消しつつ、軽く息をついて話を続ける。
 「もちろん、欠点も存在します。私と同じ力しかないので、多少対人の心得が
ある方であれば、容易に倒せるでしょうし。酷使して動き続ければ、人が気絶する
レベルに到達すれば、その場で消えてしまいます。
 ここまで、教えるのは。私は貴方達が確かなる信を持ってると考えた上です」

そこで、再び頭を下げる。

「私は、火中の栗を拾う真似をするのは大抵浅慮な人の行動であるとは認識してます。
ですが、目の前に突き付けられた無関係な人物を害す真似と仕事を割り切る程の器量良しでもありません。
 皆さんと離れる行動による危険も承知してます。然しながら、誰かが一人でも動く事が
見えない誰かを救う結果になると知ってる場合……私は自分と他者の天秤に、他者を傾けるでしょう」

 自己犠牲や、正義漢の塊であるなどと言わない。
だが、目の前で誰かが傷つき命散らそうとするのは放っておけない。そう言う
良識さが無いわけでない。玲実の事を守るのもそうだけど、他者をないがしろにして
私が、私達が一つになっても。きっと、その先で後悔するのは私でもあり、玲実でもあるだろうから。
 だから、危険に踏み込む決心を予め抱いておく。

(御免なさい 『ライ』 『ベソ』 そして他の皆さん……。
ですが、別荘で私は穏やかな光を見ました。その陽だまりで見た『光』は
 ここに待ち受ける倫理に背くものを避けては褪せてしまう。そう思うんです)

「いえ、他はありません。くどいかも知れませんが、改めて言います。
微力ながら、精一杯お手伝い致します」

619『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/15(日) 00:40:50
>>618

防人:「ほう。なかなかのモンをお持ちで」

レミの言葉を静かに聞く一同。

防人:「立派なもんだ」

ただ防人だけがレミに対してそう言った。
最後の言葉にコハルは頷く。

コハル:「えぇ、よろしくお願いします」

それが昨日の出来事だ。
レミの隣には不機嫌そうに前の席を見つめる防人。
その体には昨日と同じく包帯が巻いてあり、右手の薬指には銀の指輪が光る。
前に座るのはコハルと葛西だ。
二人はなにやら小さな声で話し込んでいる。

さて、到着まであと少しだがどうする。

620遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/15(日) 20:18:13
>>619

防人が、何を思い機嫌が悪いのかは私には判別つかない。
 キラリと光る結婚指輪を一瞥する。

コハルと葛西は何やら私的な事で相談しているようだ。
 事前に注意すべき事があれば、報せてくれるはず。詮索はしなくて良いだろう。

「……ご結婚されて、長いんですか?」

 何か準備をするにしても、いまの時間だと中途半端に思える。軽く
自分の緊張を解す意味合いで防人に聞いて見た。
 彼がどう言う人となりが余り知らないが、この手の質問で気分を損ねる事は
経験上少数だろう。

 コハルと葛西の話が途切れたのを見計らい、一つ聞いておく。

「そう言えば、当たり前と思い質問しませんでしたが。私達も
治験を受けるグループ、と言う形で潜入すると考えて良いんですよね?
 その場合は、コハルさん達と私の関係も軽く作るべきでしょうか……。
以前、別の治験を一緒に受けて。その経緯での友人として治験を一緒に受けようと希望したとか」

アサイラムから迎えが来るとして、彼らは私達が陰謀を暴くために来たとは
当然知る由もないだろう。

然しながら、不自然な挙動を見せれば嫌疑を抱く。前もって関係性を決めるべきだろう。

「それと、潜入地で私が『入れ替わる場合』。入れ替わった方には分かりやすく
戻った時に、小さく咳払いやスカートの裾を直すなどで合図します。
 入れ替わったほうが突然消えるような事が起きた場合。私の身に何が起きたと
思ってくださって良いです。その時の選択は皆さんにお任せします」

 固まって治験を受けても、相手のスタンドを馬鹿正直に受けて他の被害者と
同じく帰るだけに留まる。単独行動をする場面は高い確率で起きる。

 その際の報せは、仲間内だけで決めておくべきだ。前もってその旨を告げておく。
もっとも、スタンドなしに動き回るのは自殺行為に近いのも承知だ。限定的な状況と言う
条件でもあるが、通用すると思える場面なら単独行動も選択の一つだと私は思う。

621『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/15(日) 22:47:27
>>620

防人:「してねぇよ。結婚」

「してたら家でしっぽりさ」

防人が手術前の医者のように両手を上げる。
隠れていた左手には薬指以外に指輪がある。
見えていた通り右手には薬指だけだ。

防人:「結婚指輪は左の薬指であってるよな?」

レミにそう問いかけてから

防人:「なァァァァ……コハルゥ」

コハル:「なんで僕に聞くんです……」

葛西:「嫉妬は醜いぞ」

防人:「んだよ……俺だってよォ人生にはな咲かせてえよォ……
なにが楽しくてこんな人生オクラにゃならんのだ。
ついに手にした幸せも失敗続きで失いかけるんだよ……」

くだを巻く防人。
レミは質問をコハルに投げかける。

コハル:「あぁ……そこは……」

?:「すいません。お客様、私語は少々控えてもらっても?」

コハルの言葉を遮ったのは剃り込みの入ったオールバックの男。
ヨレ一つないとしたスーツを身にまとっている。

防人:「すんませんねぇ……どぅツレと一緒だと気が緩んじまって。
悪気はないんだ、許してくれ」

男:「そうですか。ほかの方の迷惑にならないようにお気をつけください」

よれたスーツの防人が言葉を返した。
男は運転席の方へと向かっていく。

防人:「ま、ツレでいいだろ」

コハル:「えぇ、入れ替わりの件についても了解しました」

622遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/15(日) 22:56:09
>>621

(……? 誰でしょうか)

 オールバックのスーツの男。身なりが整っており、何処ぞの執事と
言われても可笑しくない雰囲気を秘めている。

 三人に聞こうかと思ったが、私語を謹んで欲しいと言われたばかりだ。
 口を閉じて、大人しくしておく。
まだ……危険地帯ではない、と思いたい。

 防人とコハルの了承に軽く頷きつつ、窓に視線を向けて治験の行ってる場所が
どの程度の距離か眺めて見る。

 そして、運転席側にも一応注意を払っておこう。

623『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/15(日) 23:57:19
>>622

突然現れたオールバックの男。
彼は運転席の傍に立ち、前を見つめている。

窓を見てみると山の中をマイクロバスは進んでいるらしい。
そして開けた場所に出た。
どうやら目的地に着いたらしい。これまでの道と違いなめらかな道を進む。
窓から学校の校舎が見えた。

男:「それでは、下車をお願いします」

男が車の扉を開く。男は治験のスタッフなのだろう。
外に出れば次の案内があるのだろう。

624遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/16(月) 19:29:02
>>623

 (治験のスタッフ……そうよね)

記憶を思い返す。このアサイラムが用意しただろうマイクロバスに
乗り込んだ時に、オールバックの男は居ただろうか?
 
回想を巡らしつつ、他の乗客が何人かも確認しておこう。スタッフと思しき人も

(学校の校舎……林間合宿をモチーフにしてるようね。
別に、それは変でもない……)

 (スタンドを出す場面でもなし。学校を舞台にしてるけど
監視カメラなどもあるのかしら?
 外見だけ古びていて、実は最新の機器が備えてる。と言うのは
よく娯楽映画でのサスペンスの趣向としては、あるけれど)

 まだ、能動的に動く時ではない。大人しく後尾のほうで歩いていく。
スタンドを出して入れ替わりたい時は、トイレなり何なり言えば
極度に異常でない限り、一人になるのは許して貰えるだろうし。

625『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/16(月) 23:41:45
>>624

レミはマイクロバスに乗り込むときのことを思い出す。
自分たちの他に四人、乗客がいた。
スタッフは誘導していたオールバックに縛った長髪の男。
それと運転手の三人だ。

スタッフが一行を誘導したのは体育館だ。
すでに集められていたらしい被験者が数名いる。
そして壇上にはドレスを纏った女性が二人。
彼女たちの前にはテーブルとトレイが置かれており、レミ達が中に入るとオールバックがトレイとペットボトルを持ってきた。
トレイの上に載っていたのは錠剤に入っていた包み紙。
ペットボトルは薬を飲むための水だろう。
ここで受け取れば治験が始まるだろう。

防人:(コハル、葛西。お前ら飲むなよ。お前らが無事なら薬でなんかされても対抗できるんだから)

葛西:(わかってる)

防人たちが話している。
彼らはすでに錠剤を受け取ったようだ。

626遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/17(火) 00:13:25
>>625

 さっそく、スタンドを活用するタイミングがやって来た。

「あの……すみません、来てそうそうで申し訳ないんですが
その……花摘みに」

 バスに乗り込んでいたのなら、多少の時間は拘束されていたのだし
この理由を疑う余地はない。近くのスタッフに、直ぐに戻りますのでと
言ってトイレを借りて、個室に入る事にする。一応、天井付近などに
カメラらしきものが無いかなども念頭に入れておく。

 ズズッ……。

そして、半身『フラジール・デイズ』を発現する。
 
「指示をするわ。体育館のほうに戻って、何時もの私通りに。
他の人に愛想の良い態度で。コハルさん達には、前もっての合図で
小さく咳払いをして、お時間とらせてすみませんと謝罪しつつ戻って。
なるべくは、此処に帰還するまで三人の傍に居る事。
そして、薬を受け取ったらなるべく直ぐ。スタッフにも見える通りに
【薬を飲む事】。仮に、スタッフなどが時間を置くように指示されたら
了承の旨を告げてから、その通りに飲んで。
 恐らくは説明会なりが始まると思うから。それが終わったら、少し
化粧を直すと言い訳して此処に戻って来て。お願いするわね フラジール」

 『フラジール・デイズ』なら。どのような薬かは不明ではあるが
彼女は『自立型スタンド』。飲んだとしても、その効果は彼女のみだ。また
私の元に戻って、一度解除して再発現すれば薬の効能とやらもリセットされるだろう。

(いきなり、彼ら三人と別々になる事になったわね……)

ファンデーションスプレーで、フラジール・デイズの継ぎ目を
違和感ないように塗装しつつ、次の行動を考える。

 説明会などあるとしても、たぶん数分で終わるだろう。その間に
トイレの個室に籠ってるとして、別のスタッフの誰かがトイレに入って
きて締め切った個室に不審を抱かないとも限らない。

 フラジール・デイズが出る前に。トイレまでの道のりに大体どう言う部屋か。
また、窓などの出入り口があったかを思い返す。

627『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/17(火) 00:59:18
>>626

葛西:「だそうだ。薬は私が受け取っておく。いいだろう?」

男:「えぇ。ですが、今回の治験の薬についてお話ししますのでお急ぎください」

一度体育館を出て、校舎に移動する。
男曰く、体育館に併設されたものは使用できないらしい。
屋根や肘くらいまでの壁で囲われた道を進んでいく。
グラウンドにはマイクロバスが止まっている。
反対側、体育館の付近にはテニスコート。
校舎に入ってすぐの所にトイレはあった。
トイレの入口の前には窓。
隣は何かの資料室らしい。

レミは『フラジール・デイズ』に化粧を施し体育館に向かわせる。
そんなに時間はないが何かしたいことがあるならしておいてもいいだろう。
なければ待つだけだ。

628遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/17(火) 23:31:28
>>627

 (『資料室』 ……気になるわね)

トイレの入り口より、少し聞き耳を立てて人が近くにないか確認する。
 近くに人が来るようならトイレの個室に潜伏していよう。

居ないのなら、『資料室』に忍び足で入口に聞き耳を立て、誰も其の
部屋に入っていないようなら扉の施錠を確認して、開いてるのなら
室内を軽く覗いてみる。監視カメラの類が見えたら、入るのは止めて
トイレに戻る事にする。一見して無さそうなら室内の中を少し見渡し
重要そうなものがあれば、スマホのカメラで写真をとって記録する。

629『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/18(水) 23:12:14
>>628

トイレの周りに人はいない。
夜という時間もあるのかもしれない。

資料室に忍び寄るレミ。
施錠はなされていない。
しかし室内に侵入してみてもなにもない。
資料室と看板には書かれているが、この部屋自体は資料室としては機能していないようであった。
部屋の棚は空でなにもない。
一つだけあるとすれば教員が使うような机の上にランタンが一つ置いてあるくらいだった。

630『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/18(水) 23:31:57
レミと『フラジール・デイズ』が入れ替わり、治験が始まる。
ドレスを着た女性が薬についての軽い説明を行う中、防人はあくびをしていた。

(だりぃなあ……しかもここ遠島高校じゃねえか)

(なんで母校の体育館で治験なんてしねえとならねえんだ)

女性:「それではお飲みください」

女から合図があり、防人は薬を口に放り水を口に含む。
そして、薬だけを器用に水の入っていたコップに吐き出した。

女性:「さて、それでは皆さんには」

    「殺し合いをしてもらいます……なんて」

(……?)

女の意味不明な言葉に防人が心中で首を傾げた。
その時であった。
突然周りの被験者が頭を抱えて膝をつく。
皆顔に汗を浮かべ、苦痛に顔をゆがめている。
そして誰からともなく叫び声を上げ始め、『乱闘』が始まった。
男も女も関係なく、殴り蹴り投げ飛ばし我を忘れたかのように争い始める。

防人:「コハル! 葛西! 嬢ちゃん! 下がってろよ」

防人が人型のヴィジョンを発現すると、ドレスの女性がそちらを見つめた。

女:「来たようですね。ですが……今はお相手できません。報告が最優先、ですから」

女が笑えばドレスが純白のものに変わる。
そしてそこからどんどん白い霧のようなものがあふれだす。
防人たちが壇上に上がると霧が晴れ、そこには誰もいなかった。

防人:「ちっ」

コハル:「……ここの方々を治療します『ブラインド・アンチェイン・マイ・ハート』」

『フラジール・デイズ』は主人からの指令を思い出す。
そしてそれを果たすため、一言断ってから体育館を去った。

631『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/18(水) 23:49:13
>小石川

あなたは夜に目を覚ました。
外の物音が耳に飛び込んだからだ。
教室を大部屋として利用している部屋。
小石川以外は眠っている。
いや、もしかしたら起きているものもいるかもしれないが誰も動こうとはしないようだった。
音のした方向には窓。そこには職員のリンゴ・ナイチンゲールが立っている。
リンゴは廊下を歩いていく。
こんな時間になぜ?

>遊部

資料室にレミがいるとパタパタと廊下を走る音が聞こえてくる。
しかし目を向けてみてもそこには誰もいない。
そしてしばらくしてから『フラジール・デイズ』がやってきた。

632小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/19(木) 00:57:14
>>631

  「――ン……」

物音を聞いて、うっすらと目蓋が開く。
頭上にあるのは見慣れない天井。
それを見て、旅行に来ていたことを思い出した。

  ――誰かが歩いている音……?

他の人達を起こさないように静かに起き上がり、下ろしていた髪を簡単に縛る。
寝巻きである白い薄手のワンピースの上から黒いコートをガウンの代わりに羽織る。
窓際に近寄ると、職員の一人であるリンゴの姿を目撃した。

  ――あの人は……リンゴ・ナイチンゲールさん?

  ――でも、どうして?

  ――もしかしたら……何かあったのかしら……?

心の中に小さな疑問が生じる。
振り返ってみれば、ここに来てから、そういうことは何度かあった。
あるいは、これは今までの疑問を解決する機会なのかもしれない。

ふと、今の自分の格好を一瞥する。
あまり人前に出るような服装ではない。
しかし、着替えている暇はない。
そんなことをしていたら、彼を見失ってしまう。
いったん部屋を見渡し、全員が眠っていることを確認し、そちらに背を向ける。

     スラァァァァァ―――z____

左手に自らのスタンドである『スーサイド・ライフ』を発現する。
そして――。

     ザグゥッ! 
              スゥゥゥゥゥ―――z____ッ
                                     スパッ

何の躊躇いもなく、自らの眼窩に『ナイフ』を突き立てる。
そして、外科手術のように素早く精密な動作で、『左目』を摘出した。
この部屋にスタンド使いがいなかったとしても、この光景を見られたら大事だろう。
少しだけドアを開けて、『眼球』を送り出す。
そして、リンゴに悟られないように気をつけながら、彼の後をついて行かせたい。
自分は先行させた『眼球』の後から、リンゴに見られない程度の距離を保って追いかける。

633小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/19(木) 01:00:32
>>632

外見:左手の薬指に結婚指輪、右手の薬指に亡き夫の結婚指輪

634遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/19(木) 09:21:33
>>629-631(レス遅れ失礼しました)

(……? 『何もない』 …………)

妙な『違和感』 そして、それは静かにゆっくりと形となった疑問となる。

普通の治験であるなら、資料室と言う場所であるなら。そこに治験をする
人達のプロフィールなり、その行程を記すファイルなり入れても可笑しくない。
 なのに、関わらず何も入れてない……『不必要』かのように。

『ランタン』を手に提げる。不審に思われないように、フラジール・デイズのほうに
バックは預けてるだろうから、今の所持品はスマホぐらいだ。

 (他に、調べれそうなものはない)

 痛いぐらいの静けさだ。既に日は没し暗闇が世界を覆うとしている。

>パタパタ

 (誰?)

目線を向けるものの、資料室に入ったら扉は閉めておいただろう。内側から
廊下に目を通す事が出来たとしても、自分には何も人影を見いだせなかった。
 暗闇の所為か、それとも……?

 「あぁ、帰ってきたわねフラジール。何が起きたのか、簡潔に
話してくれないかしら?」

 廊下から戻って来たスタンドに、一安心を覚えつつ報告を
トイレへと戻って聞く。こちらの収穫と言えば、一つのランタンだが
彼女のほうはどうだっただろうか……。

635『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/19(木) 23:53:24
>>632 (小石川)
小石川以外は寝静まっている。その中で小石川が目覚めたのは何かの縁なのかもしれない。

杖をつき、時々それをくるんと回す。
小石川はそれを切断した目で見る。そして自分自身でも彼を追う。

廊下の角を曲がり、ニ階と三階を繋ぐ階段。
階段を一弾降りたところでリンゴは止まった。

リンゴ:「どう、ですか?」

小さな声で廊下にも響かないように気をつけた声だ。
誰かと会話している。女性の声だ。だが姿はこの位置では見えない。

女:「変な虫が来ちゃった。何してんのよ」

リンゴ:「私のせい、違いますから」

女:「で、どうしましましょうねぇドクター。撃退する?」

リンゴ:「そうしましょうか」

女:「じゃあ護衛をつけましょう」

「種はまいたし、向こうがその気なら追ってくるはず」

リンゴ:「ですか……とりあえず場所変えますか?」

リンゴはつま先を廊下の方向に向ける。
このままだとかち合ってしまうかもしれない。
リンゴは小石川の目に気づいていない。
ごまかしようもあるかもしれない。

>>633 (遊部)

資料室の謎。
資料を必要としていない、のか?
コハルは治験の前日にレミに手助けを要請した。
もし先方にレミの身体の状態などの提出を求められていたらこの手助けは実現していたのか?

足音がした後には白い霧のようなものが漂っていた。
足音は遠くに行ったが廊下の向こうではない。
上階に向かって行ったようだ。

帰ってきたフラジールは体育館での出来事(>>630)をレミに告げる。
一通りフラジールが話した後、防人たちが資料室にやってきた。

防人:「嬢ちゃん。変な奴ら来なかったか?」

636小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/20(金) 00:49:59
>>635

  ――もう一人……?

深夜の校内で行われる謎めいた密談。
リンゴの話し相手の女性が誰なのかは分からない。
『撃退』や『護衛』という内容から判断すると、少なくとも穏やかな話ではなさそうだった。
分かったことは、この遠島高校で、人知れず何かが起きているらしいということだけだ。
もしかすると、それはこの旅行とも無関係ではないのかもしれない。

  ――こっちへ来る……!

        シュパンッ

リンゴの動きを見て、即座に右手の『人差し指』を切り落とす。
それを床スレスレに、できるだけ暗い場所を通らせて、
二人に気付かれないように階段まで移動させる。
行き先は、リンゴと女性がいる位置よりも、さらに下の段だ。

そこまで移動できたら、階段のどこかを『人差し指』の先で叩く。
静まり返った校舎では、少しの物音でもよく響くだろう。
これで二人の注意を引き、こちらに来ることを防ぎたい。

それができたら、『人差し指』は二人の死角を潜り抜けるようにしてこちらに戻す。
どうしても見つかってしまうようなら、『左目』ごと解除して消してしまう。
また、もし二人が近付いてきた場合に備えて、
どこか隠れられそうな部屋でもないか、ざっと見回す。


(現在地は三階で、私は曲がり角のこちら側、
 二人は向こう側の階段付近にいるということでよろしいでしょうか?)

637小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/20(金) 01:04:47
>>636

『左目』は引き続き追跡と観察を続ける。
二人に気付かれないように死角となる位置を維持しておきたい。

638遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/20(金) 10:28:21
>>635

『フラジール・デイズ』が報告した内容は、レミにも少なからず衝撃を与えるものだった。

「乱闘……人々の暴走」

 覚悟していた部分はある。けど、こんなに予想より早くハプニングが起きたというのを
実際に目にした訳でなくも、起きてしまったと知るのは。やはりショックがある

「貴方は大丈夫? 薬を飲んだ時に、何かしら感じた?」

薬と白い女。それが治験者が暴走した原因。
 けど、『フラジール・デイズ』には効果がなかった……
フラジール・デイズは自分の指示した行動以外で、命の危機の際の抵抗など除き
人のようにコロコロ行動を変えない。薬は純粋な人間にしか効かないのろうか。

思案していると、防人さん達がきた。

「いえ、人影は特に……ですが、足音と白い霧のようなものが。
上階に向かったようです」

 シュッ……ボッ。

『ランタン』に持っているマッチで火を点け明かりを灯す。
バッグを戻し、フラジール・デイズは『解除』しよう。
 
 「私達も追いますか?」

人々の暴走。三人とも目撃したのなら、白い女はクロだ。弁明の余地もない

逮捕するなり、倒すなりするにしろ。四人で固まって行動するなら、早いほうが良い。

639『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/20(金) 23:37:42
>>636 (小石川)

深夜の学校に起きる事件の予感を感じつつ小石川は自身の指を切断した。
『人差し指』はリンゴの足元をするりと抜け、確かに階段を叩いた。
音が響いた。コンコンと冷たく硬い音だ。

リンゴ:「フロー……フローレンス、物でも落としました?」

リンゴの問いに答えたのはフローレンス……先ほどまで会話していた女ではない。
男の声だ。そして小石川の耳にも聞き覚えがある。
クリス・ジャクソンだ。

クリス:「違う。指だ。指があるぞドクター。ランス!」

ランス:「おうよ兄貴!」

まだいる。いたのはリンゴとフローレンスだけではない。
クリスもその他の誰かもいる。もっといるかもしてない。
小石川は左目ごとそれを解除した。
辺りを見渡せば教室が見えた。
誰もいないのか電気が消えている。

リンゴ:「どこから、来たんでしょう」

クリス:「放っておこう。階段で話すと首が痛い」

│△△△│▲▲▲│□□□□□
│△△△│▲▲▲│□□□□□
│△△●│▲▲▲│□□□□□
│□□□□□□□│□□□□□
│□□□□□□□│□□□□□
│□□□□□□□└──▽▽▽
│□□□□□□□□◇□□□□
│□□□□□□□□□□□□□
│□□□□□□□□□□□□□
│□□□□□□□□□□□□□
└─────────────
●:リンゴ
◎:眼球
◇:小石川
△・▲:段差
▽:教室のドア

640『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/20(金) 23:49:53
>>638 (遊部)

フラジール:「割れるような頭の痛み……それと、危機感と不安」

        「今すぐにでも周りの人間が襲ってくるという不信感も」

フラジール曰くそんな感覚から逃げ出したくなった時コハルがその症状を消してくれたらしい。
スタンドにも効果はあるが人間ほどではないのかもしれない。

防人:「……上に上がったか。あの四人とも」

ランタンに火を灯し、フラジールを解除する。

葛西:「追うのか、と? 私たちは追うために来た。当然、追う」

葛西、コハル、防人は資料室を出て上階に向かうつもりのようだ。

641遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/21(土) 00:04:41
>>640

 「スタンドにも効果があるのね……」

彼女が、フラジール・デイズ(スタンド)であるからこそ、症状も
軽くて済んだのだろう。
 次に、その白いドレスの女や。いま居るメンバー以外の他人を見れば
警戒しなければならない。気を引き締めて進まないと

 「私も一緒に行きます……どこまで力になれるか分かりませんが」

 三人と共に上へ向かう。このまま何かしら準備するにしても
相手の陣地だ。時間は彼女らに余計な優位を持たせてしまう。

 ランタンを提げ、三人へ付いていく。

642小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/21(土) 01:02:41
>>639

  「!!」

『人差し指』を密かに戻そうとしていた時、新たな二人の声が響いた。
彼らの言葉から、『指』が見つかったことを知る。
この状況では戻せないと判断し、すぐさま解除した。

  ――『四人』……いたのね……。

気付かれないよう注意していたが、それはあくまでフローレンスとリンゴに対してのものだ。
予想外の人物が二人もいたのでは、見つかったとしても無理はなかった。
それにしても――謎は深まるばかりだ。

クリス・ジャクソンとリンゴ・ナイチンゲールは知っている。
残りの二人であるフローレンスとランスは未知の存在だ。
彼ら四人の共通点といえば、真っ先に思いつくのは『外国人』であることだろう。
そう考えると、日本人である一ノ瀬仁美だけが無関係であるとも思える。
いずれにしても、何が起きているか判断するには、まだ情報が足りない。

まず手近な教室に入る。
続いて、教室内に隠れられそうな場所がないか素早く見渡す。
その後、廊下に面した窓(またはドア)を、ほんの少しだけ開ける。

     ズブシュッ
             ポロッ

自身の顔に『ナイフ』を突き刺し、『右目』を摘出する。
そして、先程開けておいた隙間から教室の外へ送り出し、四人の下へ向かわせる。
『指』の時と同じように、彼らに気付かれないような軌道で移動させたい。

彼らが見たのは『指』だけであり、見つかった原因は、こちらが音を立てたからだ。
それをしなければ、まだ観察を続けることは可能だと判断した。
『右目』が外に出たら、窓(またはドア)を閉じる。

そして、身を隠せそうな場所まで手探りで進み、そこに隠れる。
その際は、何かにぶつかって音を立てないよう気を配る。
隠れられそうな場所がなければ、『ナイフ』を持ってドアの横に片膝を立ててしゃがんでおく。


【『再生時間』⇒『左目(20秒)』+『人差し指(20秒)』=『40秒』】

643『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/21(土) 01:44:23
>>641 (遊部)

レミは三人について階段をのぼる。
二階着いたとき、上から声がした。

女:「ドクターと私は先に、ランス達が後。オッケー?」

男:「オッケー」

男と女の声がする。

防人:「……おしゃべりとは危機感がないな」

葛西:「一気に上がってしまうか?」

防人:「一気はどうかねぇ……どのみち上がるが『ボーン・トゥ・キル』」

浮かぶ人型。
そのまま上がって敵を狙うらしい。

>>642 (小石川)

教室に隠れ右目を摘出する。
教室は横長の椅子がたくさん置いてある。
それらの下なら隠れ場所になりそうだ。

右目を外に出し彼らの様子をうかがう。
廊下の曲がり角の辺りまで彼らは来ている。
クリス、リンゴ、フローレンス、ランス……そしてもう一人、いた。
白いドレスを身に纏った女性だ。

フロー:「ドクターと私は先に、ランス達が後。オッケー?」

ランス:「オッケー」

フロー:「『マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン』。フュンフはドクター、サンとドゥーエはシャーリー姉様に」

フローが指を鳴らすとその傍に五人の人型のヴィジョンが現れる。
スーツ姿の人型のヴィジョンだ。

フロー:「アンとスゥは自由に。侵入者をお出迎えしてあげて」

644小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/21(土) 17:50:03
>>643

  ――『五人』……。

また素性の分からない人物が増えた。
会話の内容からするとシャーリーというのが新たに現れた一人の名前だろう。
今のところ、彼らが仲間同士であるということ以外は分からないままだ。

  ――『スタンド』!!

フローレンスの傍らに出現したヴィジョンに目を見張る。
いわば『道具型』である自分のスタンドとは異なるヴィジョン。
その能力も注意すべきだが、それより需要なのは彼女がスタンド使いだということだ。
一人がスタンド使いだということは、他の四人もスタンド使いである可能性が高い。
仮にそうだとしたら、この山奥の廃校に五人ものスタンド使いが集まっていることになる。

何のために?
この静かな安息地で一体どんな事件が起きようとしているのだろうか?
いや――既に起きていると言った方が正しいだろう。
フローレンスは『侵入者』と言っていた。
つまり、五人と対立する何者かが来ているということだ。

ひとまず椅子の下に隠れる。
『右目』は観察を継続しよう。
今は『この状況で自分がどう動くべきか』を決めることが最優先だ。
そのためには、現状を正確に把握することが必要になる。
情報を収集していれば、今後の方針も自ずと決められるだろう。

     サクッ  
                 サクッ
          ストンッ

念のため、両手の『小指』を切り落としてから、『右手』も切断する。
『小指』は自分の背中に隠すようにして浮かばせておく。
『右手』は、手探りでドアの横辺りまで移動させたい。

645小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/21(土) 18:21:15
>>644

『右手』を切断する前に、右手薬指の指輪を抜き取って、コートのポケットに入れておく。
『彼』の形見を外すことは心苦しいことだが、これを付けたままでは『右手』を解除できない。
今の事態が命に関わるものになるかもしれない以上、止むを得ない選択だった。

  ――ごめんなさい、治生さん……。

  ――少しの間だけ……あなたを肌から離すことを、どうか許して下さい。

646遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/21(土) 20:19:59
>>643

 「お喋りするぐらい、自分たちの力量に自信があるのではないでしょうか……」

不安気に、と言うより本当に不安があっての言葉を小さく上げる。
 相手の力量は未知数なものの、突如出てきた自分達に対して
余裕のある様は、単なるブラフとはレミには思えない。

 とは言うものの、いま自分の力では補助出来る事は少ない。

スタンドは、本当に自分と同じ程度の腕力しかないし。単体で殴り合うとなれば
この中で治療系のスタンドが使えるらしい葛西さんにも後れをとるだろう。

指示も複雑化するとなれば一々口頭によるもので不便。攻撃されて大きく損傷すれば
一週間は発現出来ない。いま、スタンドを出すメリットはない。

 (ひとまず……武器になりそうなものは)

学校の備品で、使えそうなものといえば『消火器』 
とは言え、治験として使用されてる此処の施設に置いてあるか不明だ。
 近くにあるか目を走らせてみる。

いま携行してるものと言えば、筆記用具類のペンぐらいしか凶器になり得ないが。
『レミ』は、そのようなもので相手を突き刺せる意思があるかと問われれば、それは答えに窮する。

(焦っていはけない。焦っては……本当に危険な時は
『彼』に任せる他ない  ……  ――けど)

    彼   ……『ライ』には極力、現れないほうが良い。

 (……今は、冷静に。自分に、出来る事を)

最後尾につきつつ、役立てそうな道具がないか確認しつつ
地形を把握して周囲を警戒する。片手で胸元にバッグを盾のように構え
ランタンを片手で提げておく。

647『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/21(土) 23:22:18
>>644-645 (小石川)

自らの道具型のスタンドとは違う人型。
人型も入れて計10人。
そこまでの人数で対抗する相手がいるということだ。
小石川はそれがなぜかわからない。
だからこそ、どう動くかは重要なものであった。

愛しき人の指輪を抜き取り、両手の小指を切断、右手もまた切断する。
右手はひたひたと扉の傍に移動した。

リンゴ:「では、私とフローは先に行きましょう」

フロー:「じゃあ、お願いね」

リンゴとフローレンスは急ぎ足で廊下を進んでいく。
足音が遠のく。

ランス:「途中で二手に分かれて分散するか。アンとスゥは?」

クリス:「……一人は待ち伏せでも」

それに頷き、スゥと呼ばれた方のタキシードも廊下の向こうに行ってしまった。

>>646 (遊部)

防人:「……面倒くせぇ」

ぼそりと防人がつぶやいた。
コハルたちの中で人型のヴィジョンを持つのは防人だけだ。
戦闘能力は彼ら自体は低い。
冷静に。そう冷静に対処しなければならない
消火器は見つかった。廊下の一角に入れる箱がある。
ただし片手でバッグを持っており、もう片方にはランタン。
どちらかを置くなりなんなりする必要があるだろう。

カツカツと廊下を進む音が聞こえる。

葛西:「移動しているぞ。逃げているのか?」

防人:「かもな……」

三階へと続く階段。
その踊り場にランタンが見えた。
↑と書かれた張り紙を張られ、それは中の火で輝いていた。

648小石川文子『スーサイド・ライフ』:2017/01/22(日) 00:39:28
>>647

二人が立ち去り、三人が残った。
『侵入者』に対応するための準備だろう。
彼らの様子から、本格的に事態が動き出した気配を感じ取る。

『侵入者』とは一体どんな人物なのだろうか。
五人ものスタンド使いを相手にする以上、まさか一人で来るとは思えない。
勿論その可能性もなくはない。
しかし、何人かでまとまって来ていると考える方が自然だ。
いずれにせよ、自分にとっては、外国人達と同じように謎の存在であることは間違いない。

その渦中で、自分は何をすべきなのだろう。
あるいは、何もしないべきなのかもしれない。
今ここにいる自分は、おそらくは無関係の部外者なのだから。

それでも、もし自分の近くで争いが起きたとしたら、自分にできる何かをしたいと思う。
誰かが傷付いたり、悲しんだり、不幸になるのを無視することはできない。
この世から苦しみをなくすなどと大袈裟なことは言えない。

  ――でも……。

でも――せめて自分の周りの人達には幸せでいてもらいたい。
その結果、自分が代償を払うことになったとしても構わない。
他の誰かに払わせるよりは、ずっといい。

今は現状を維持し、状況把握に努める。
この教室に誰かが入ってこない限りは、今の状態を続けるつもりだ。
しかし、状況次第によっては、自ら出て行くことになるだろう。
ただ、『目』が一つしか使えないのは、いささか都合が悪い。
今の内に、最初に切り離していた『左目』と『人差し指』の再生具合を確認する。

649遊部『フラジール・デイズ』:2017/01/22(日) 19:10:46
>>647

 「この辺りの土地勘は、あちらの方が上でしょう。
……私達は、あちらを追い詰めてるのでなく。あちらの巣に
自ら入りに行っている、と言う方が。今の状況を表すのに適してるでしょう」

 消火器に軽く目を走らせるも、女子子供の腕力で消火器は容易に振り回せない。
それに、噴射するなりして攪乱するにしても。相手の出方によっては、こちらの
視界を阻害して逆に邪魔となる。今は置いてある事だけ記憶する

「……ですが、無力化するにしろ倒すにしろ。接近しない事には始まりませんよね。
ひとまず、二階を上り終えて敵の動きを警戒。ほかの一般人の方たちも、
先ほどの薬の影響下に置かれてるかも知れません。
 近くの教室の扉などにも、十分気を付けましょう」

 自分では目にしてないが、フラジール・デイズの言葉が正しいなら
薬を飲んで治験者達は暴走した。そう言う兵士を作りあげるスタンドを
持っていても可笑しくない。どんな可能性も懸念に入れておくに越した事ない。

この言葉を防人達が念頭に入れるかは、別の話だ。
 いまの自分には力も、道具も十分にない。出来るのは考える事だけだから

周囲の警戒、最後尾で何か動きか周囲にないか他の皆と同様に気を配っておく。

650『アルカトラズから連れ出して』:2017/01/22(日) 23:29:57
>>648 (小石川)

侵入者が小石川の敵なのか味方なのかそれともそのどちらでもないのかはわからない。
ただし、それは小石川の立ち位置にもよるだろう。

小石川の中にある意志は黒と白の白の側であるだろう。
現状維持に徹する小石川。

ランス:「にしてもまさか治験に潜り込んでくるとはねぇ」

クリス:「ネットでうわさになってるから気を付けようと言ったのに」

ランス:「ドクターのやることは分からんよ」

白い霧が立ち込める。
廊下に白い霧が流れているのが見える。

>>649 (遊部)

防人:「敵の巣窟か」

葛西:「まぁ、お前の言うとおりだ。接近しないと話にならない」

コハル:「治験の薬でやられてるなら僕が対処します……複数人は厳しいけど」

防人:「まぁ、いい。三階に上がるぞ」

かつかつと階段を上がる。ランタンを防人は足で壁に寄せた。
葛西はちらっと見てからため息を吐き、コハルは見もしなかった。
踊り場を歩き、上るために階段に足をかける。
いた。敵だ。
白いドレスの女、長い髪をした男、オールバックの男、タキシード姿の人型が三人。
ただし、ドレスの女と長髪の男は壁によっかかっている。戦闘の意志は薄そうだ。
また人型二人はドレスと長髪の傍にぴったりとついている。
護衛、というところだろうか。

>>ALL

ランス:「ようこそドラッグパーティーへ。ま、お前らそこから抜けてきたわけだが」

レミ達にオールバックの男がいう。

ランス:「身構えんなよ。お前らに手出しはしない。俺たちはな。お前らの戦力が分からないから」

    「だから、ちょっと試させてもらうぜ」

白い霧が立ち込める。
そして人型のヴィジョンが階段を降り始める。

人型:「初めまして紳士淑女諸君。俺はアン。アン、つまり1だ。一番だ」

   「手合わせ願おう」

白い霧の中の人物。つまりはアン以外の者たちの姿が徐々に見えなくなっていく。




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