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【ミ】『ギャザリング・ガーデン』

1 『誰かさん』:2016/04/03(日) 23:51:15



散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき

131『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/20(月) 01:13:18
>>130

『牙突炸裂、が! 未遂!』

『直線攻撃だし、当然よね』

「うるせぇよ」

実況人に文句をつける防人。
その間に流星は『バングルス』によって刃を弾く。
抵抗の様子もなく、『ボーン・トゥ・キル』の刃が大きく弾かれる。
カン、と衝立の一つが巻き込まれる形で当たった。
衝立はあまり動いていない。そう簡単には動かせないようになってるのかもしれない。

「ゲェー! なんというパワー」

「ゴリラかよ」

軽口をたたきながら左腕を引こうとする『ボーン・トゥ・キル』
……右腕の様子がおかしい。
まるで先ほどの左腕のようにぐずぐずと変化している。

「こっちくんなよ」

『またです! 再び! 再びの異常! また刃がさく裂するのか!?』

『どうでしょうね……芸がないことをするのかしら?』

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□□ス□□□□□■∴
∴■□□□━□□刃━□□□■∴
∴■□┃□□□□□刃□┃□■∴
∴■□□□□□越□□刃□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

132流星 越『バングルス』:2016/06/20(月) 02:24:11
>>131

   「こんなキュートなプリティガールを捕まえて『ゴリラ』とは失敬」

      「なっ」

栗毛のおさげを揺らしつつ、一気に飛びこんで接近しよう。
『ボーン・トゥ・キル』まで残り『2m』ほど。大股なら一歩か二歩の距離だ。
再び変化する右腕……『刃』か、何かしらの『ショートレンジ』の武器か。
大穴は『銃』だろうか。あるいは捕縛用の『網』ってこともあるかもしれない。
どんな武装がでてくるのか、現状未知数……だが、やることは変わらない。
結局のところ、どうあっても『接近しないことには勝負にならない』のだ、『バングルス』は。

というわけで『盾』を前に向けて構えたまま、低姿勢で接近する。
『バングルス』は肩まで覆う籠手付きだ、右腕を『L字』に曲げて盾を構えれば、存外防御半径は広い。
単純な攻撃であれば、『バングルス』のスピード・パワー・形状で対処できるはず。

そしてこの腕の形は、少し捻って腕を伸ばせば『斬撃』に転じることができる形でもある。
多分、一歩か二歩で『バングルス』の斬撃半径に入る。
相手の攻撃より早く踏み込めたのなら……左側から巻き気味に、横薙ぎの斬撃を繰り出そう。 パス精BBC

133『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/20(月) 23:46:54
>>132

『流星選手、さらに踏み込む! もはや射程距離にとらえたか!?』

「まぁ、謝るよ。でも、猿の腕みてーにその腕だけ強いのか?」

右腕が変化をやめる。先ほどのようにぼとりと腕のかけらが落ちる。
敵の手はどんなものか、流星は考える。
答えはすぐに分かる。目の前に現れるのだから。

「申し遅れたから言っておくよ。」

「『ボーン・トゥ・キル』 技名はそうだなぁ……」

「『スマッシュ・イット・アップ』」

右手……いや正しくは右の前腕。
本来それがあるべき場所には一本の棒があった。
先は平たく、若干円錐のような形をしている。

『防人選手のスタンドが第二の腕を現した!』

『次の一手ね』

「おっと!」

後方に跳ぶ防人と『ボーン・トゥ・キル』
右手が流星の方を向いている。
その操作に少し時間を使っためかほんの少し、『ボーン・トゥ・キル』の腹が切れる。

『斬撃ッ! 一閃!』

「いやいや。かすり傷だぜ」

フィードバックの影響か防人は両手で軽く腹部を抑えている。

カチッ

なにか、不穏な音がした。
流星の前から聞こえた。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□防□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃ス□□○□■∴∴
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∴■□□□□□□□□□□□■∴
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∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
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∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

134流星 越『バングルス』:2016/06/21(火) 00:09:17
>>133

   「チッ――――」

舌打ち。
仕留めそこなった。
無論、一撃で仕留められるとも思っていなかったが。

   「羨ましいですね、そういうの」

   「あまり器用な能力でもありませんの、でっ」

素早く腕を引き戻して盾を構えつつ、左側に跳んで回避行動をとる。
想定されるのは『棒が伸びる』か『実は短筒でした弾丸が飛んできます』あたり。
いずれにせよこのまま正面にいるのはまずい。
左側……防人から見て『右手側』には『ステンドグラス』がある。
ある程度、相手の邪魔になるはずだ。

135『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/21(火) 00:32:10
>>134

「はっは! そう簡単にやられたらきついぜ」

「器用? まぁ、けつに貧乏ってつくけどな」

次の瞬間、棒が伸びた。
早い。人のそれを超えるスピード。
回避する流星の右腕に棒が当たる。
衝撃。しかしバングルスを身に纏っていたおかげかダメージは薄い。
移動も問題なくできた。

『まるで如意棒です! その右腕が伸びる伸びる! ゴー・ウェスト!』

「そして、この腕刀を忘れちゃいけないぜ」

腕を操作し、刀を横に倒して構える。

『刀がまるで遮断機のように流星選手の前に立ちはだかる!』

『接近の手を殺しにいってるのかしら。まぁ、リーチは彼の方が上だけど』

防人はまたコートの内側、懐に手を入れる。
なにかを取り出そうとしている?

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
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∴∴∴■□□□防□□□■∴∴∴
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□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

136『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/21(火) 00:33:35
>>135

右腕(と棒)は地面に触れる様に降ろされている

137流星 越『バングルス』:2016/06/21(火) 01:13:58
>>135

   「ええ、貧乏ですね。このままですと『ジリ貧』です」

伸びる速度が速い……変化の際にパワーと速度を配分しているのか?
ともあれ、相手の非力のおかげかこちらの鎧のおかげか、敵の攻撃はまた防げた。
こういった直接攻撃であれば、やはり『バングルス』でどうにかなる。
となれば、搦め手を警戒するべきだ。
次はどうくる? 棒を伸ばして空を飛ぶか?
今度こそ銃が出て来るか?

   「しかしまぁ次から次へと……」

   「男だったら拳ひとつで勝負せんかい、という名セリフを知らないのですか。
    これ言ってるキャラ、散々悪逆非道のダーティファイト見せてますが」

ひとまず、また『テコの原理』だ。
『刀』自体に動くパワーが無さそうな以上、この長さはむしろ相手のパワーを十全に伝えることができない、という要素として働いている。
トップヘビーというわけでもなく、ましてや動いているわけでもなく『置かれた』刀などに、力比べで負ける道理が無い。
つまり、『バングルス』で上方向に切り上げてやればこの『遮断機』は開くはず。
左斜め前方に移動しつつ『バングルス』で刀を弾き、『ステンドグラス』の裏側に潜り込もう。
裏側というか、『ステンドグラス』を挟んで防人を向かい合う形になりたい。

138『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/21(火) 23:25:32
>>137

「いやいや。俺のスタンドは基本的に非力でね」

「人間だって熊にゃ力負けするが銃を持てば殺せるだろう?」

だからこそのスタンド。
防人は自分のスタンドを捉えているらしい。

「そして、こんな台詞を知ってるかい? エッちゃん」

「聖闘士なら一度見た拳は二度とは通用しないのだ」

切り上げ。
再びの弾きで遮断機をこじ開けようとする流星。
先ほど同様、なんなく刃は弾きあげられ―――――ない

『と、止まったァ!? 先ほどは風に舞う糸くずの如く弾かれた刃が……今! 流星選手とつば競り合い!』

『見なさい。右手が元に戻っていくわ』

『え?』

流星は斜めに構えられた刃から圧力を感じる。
押されているのだろう。
そして視界にある異常を捉える。

右腕が元に戻っている。
いや、正確には元に戻したのだ、防人が自分の意志で。能力を解除したのだろう。
なにかが床の上に落ちた。

「ひっひ。なぁんでそっちに行こうとしたかはわかんないが、どうする?」

「射程距離だぜ?」

再び、右腕が変化を始める――――

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□防□□□■∴∴∴
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∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

139流星 越『バングルス』:2016/06/21(火) 23:34:35
>>138
質問です。

今まで見たところ、相手が腕の『変化』に要する時間は何秒ほどでしたか?

140『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/21(火) 23:36:04
>>139

3秒ほど。

141流星 越『バングルス』:2016/06/21(火) 23:50:55
>>140
回答感謝。

>>138

   「む―――――」

パワーが同等とはいえ、体勢的にはこちらの方が有利……の、はずなのだが。
刃自身にパワーがあった?
それともなにか……能力のからくりがあるか?
理由は不明。
いずれにせよ、このままジッとしているわけにもいかない。

   「あ、じゃあ逃げます」

トン、と後ろに退避しつつ、『バングルス』を解除。
隠し玉だったが、仕方あるまい。
『2〜3秒』ほどかけて『バングルス』は崩れ落ち……前方に、『圧力の光』を発する。
相手の腕が変化しきる時間と、そこからの攻撃のアクションを考えればギリギリ間に合うだろう。
一応、左手はMAP左上の照明に向けておこう。

   「なんだかこう……イマイチテンポが乗ってきませんね。
    実によくない感覚です。
    朝ごはんがイカの塩辛だったことと何か因果関係がある気がしないでもないのですがそこのとこどう思います?」

内心、これで結構歯噛みしているのだが。
こういう時、ポーカーフェイスの鉄面皮は便利だ。

142『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 00:09:36
>>141

後方に退避する流星。
そして能力を解除する。

「じゃあ刺します」

完成する右腕の刃。
それがまた牙突の如く流星の元に向かおうとする。
が、『バングルス』から圧力の光が放たれた。

「げ……!?」

『眩いばかりの光です! まるでスタングレネード!』

「お、俺は泥仕合好きだぜ……俺のペースにずるずる入れてやれるからな……」

「じゃあ、今度の剣さばきはいかが?」

『ボーン・トゥ・キル』が踏み込む。
両腕が刃という異常な状態。
……思えば長さこそ同じだが右腕と左腕で形状が違う。
右腕は包丁のような形をしている。

「そーれ。つーいて、つーいて、ツキまくる」

「それが私だ……!」

交互に刃が突き出される。
刺殺のラッシュだ。

また、防人が懐に手をつっこんだ。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□防□□□■∴∴∴
∴∴■□○□┃□□□○□■∴∴
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□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

143『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 00:14:03
>>141

『しかし気になりますね』

                               『なにが』

『いえ、なぜあれほど腕が変化するのかと』

                               『そういう能力なんでしょ』

『そういえば、防人選手鉄パイプどこにやったんでしょうね』

                               『鉄パイプ?』

『持ってたじゃないですか。懐から出してませんでした?』

144流星 越『バングルス』:2016/06/22(水) 00:28:31
>>142-143

   「んー……」

左手の先の『照明』を『光源』とし、『バングルス』を再発現。
今度は左腕に『ランタンシールド』が装着される。
で、相手の攻撃を捌きつつ左に逃げ込む。
『二刀流』とはいえ、『鎧と盾と剣』である『バングルス』が防御に徹すればとりあえず防御は可能なはずだ。
そして一度『ステンドグラス』を遮蔽にする。
無論、そう頑丈な壁ではないが……『刃物』であるのなら、硝子の破壊には向くまい。
仮に破壊できたとして、破片がこっちに跳んでくる心配も薄い。
なお、『バングルス』の解除によって手元に出てきた『ペンライト』はそのまま握りこんでおく。

   「一人称ブレてますよ。減点」

   (……さて、どうしましょうか。
    『ジリ貧』なんですよね、実際……絶望的ってほどじゃないにせよ)

   (ジリジリ……少しずつ、リーチと手数で追い込まれている感覚。
    というかあんな長い刀よく振り回せますねあの人)

   (まぁ……多分、『無尽蔵』ってわけでもなさそうですが)

『隠し玉』の『解除』も使ってしまったし……
……一発逆転できる派手な技もなく。
…………ここは、少しずつ詰めて行くしかないか。

    「ヘイ、来いよベネット」

    「銃とか剣とか色々捨ててかかって来いよ。
     私は普通に剣使いますが」

145『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 01:00:45
>>144

「なんの減点だよ……」

再び発現する『バングルス』
その姿に防人が驚いた顔をした。

「なんだそれ……!? 俺と似たタイプか……?」

懐からまた鉄パイプを取り出した防人。
徐々に距離を詰めてくる。
『ステンドグラス』を突く音が止まる。

「野郎 オブ クラッシャー!」

「申し遅れたが言っておくぜ 『ボーン・トゥ・キル』その技名は」

「『スタッブ・ユア・バック』」

よく見れば、腕を広げて閉じようとしている。
挟みうちだ。
文字通りのハサミだ。
防げるか? それとも、ステンドグラスを利用するか?

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□○□■∴∴
∴■□刃刃刃ス□□□□□□■∴
∴■□□□━□刃□━□□□■∴
∴■□┃□越□□刃□□┃□■∴
∴■□□□□□□□刃□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』
刃:『ボーン・トゥ・キル』の刃(左腕)

146流星 越『バングルス』:2016/06/22(水) 01:24:50
>>145
質問。

先ほどの『交互に突く攻撃』の際、『ボーン・トゥ・キル』のパワーとスピードはどの程度のように感じられた?

147『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 01:31:52
>>146

パワーは人並み以上(B)。スピードは人並み(C)に感じられる。
ステンドグラスは刺突の勢いでヒビが入っている。

148流星 越『バングルス』:2016/06/22(水) 03:04:54
>>147
回答感謝
重ねて質問です。

『ボーン・トゥ・キル』の『刀の腕』に『鍔』は存在するだろうか?
また、引く・突くなどの取り回し方を鑑みて、『刀』は『肘から先』が変化しているという認識で正しいだろうか?

149『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 22:47:15
>>148

>『ボーン・トゥ・キル』の『刀の腕』に『鍔』は存在するだろうか?
存在しない。

>また、引く・突くなどの取り回し方を鑑みて、『刀』は『肘から先』が変化しているという認識で正しいだろうか?
正しい(サムスピの腐れ外道のイメージ)

150流星 越『バングルス』:2016/06/22(水) 23:06:43
>>149
重ねて回答感謝。

>>145
……やはり、『鉄パイプ』を『加工』しているか。
そのコートにいったいいくつの『鉄パイプ』があるのかはともかく、残弾は恐らく有限と見ていいだろう。

   「……キツイですね」

差し当たって、この『挟み撃ち』をどうにかせねばならないわけだが……
まぁ、『ステンドグラス』は盾にはなるまい。
既にひびが入っているし、もとより頑丈なわけでもない。
一瞬ぐらいなら堪えてくれるかもしれないが、それでは意味が無い。
仕方ないので……右斜め前に『突進』する。
もう、『跳びこむ』って言う方が近いぐらいに。

   「ええ」

   「そろそろ、人を斬る覚悟のひとつやふたつはキメとかなきゃなって現実が……!」

そうして『バングルス』で相手の『左腕刀』と『鍔迫り合う』。
レールの上を走る『ジェットコースター』みたいに、剣同士をカチ合わせて滑らせるのだ。
そのまま素早く、前へ踏み込む。彼我の距離は『1m』ちょっと。一歩で詰まる距離だ。
この『挟み撃ち』の厄介なポイントのひとつは『同時攻撃』であり、右側に寄ることでその脅威は多少薄れる。
少しだけだが、斬撃が到達するまでの『猶予』ができるはずだから。

   「――――ところで」

   「先ほど実況で『鍔迫り合い』と言われましたが……」
    『鍔迫り合い』とは刀同士をぶつけて押し合い、『鍔』を合わせることから来ていることはご存じでしょうか」

そう――――『鍔』だ。
刃と刃で押し合うと、刃は『強い』部分である根元へ滑って行く。
もとよりお互い金属の刃、まさしく滑るように抵抗なく根元へ移動して発生するのが『鍔迫り合い』。
『バングルス』に鍔は無い。が、『盾』と『籠手』がその役目を果たしている。
対して、腕が刃に変じた『ボーン・トゥ・キル』に『鍔は無い』。
つまり何が起こるのかと言うと……

      「――――つまり」

   「『鍔』が無ければ『鍔迫り合えない』――――」


   「――――その左腕、『いただきます』」


ギャリギャリと刃の上を滑ったすぐ先には、『ボーン・トゥ・キル』の肉の腕がある。
そう、生身の『二の腕』だ。
その『二の腕』を守る『鍔』が無い以上……前に進めば、『二の腕』を斬りつけることができる。
『二の腕』が射程圏内に入った時点で、縦に切り落としてしまおう。
同時に、その攻撃に合わせて低くしゃがむ。
これは相手の『右の斬撃』の回避のため、という狙いがある。
『ステンドグラス』……一瞬でも、刃がこちらに到達する時間を遅らせてくれればいいが。
最悪、一撃は受けてもいい。
左腕が『バングルス』の鎧で覆われている以上、左側からの攻撃は致命傷になりづらい。
右側に刃を向けている手前、こちらの左腕はやはり脇を閉めて『L字』に構える形になる。
まぁ、下段以外は鎧が邪魔になるはず。完全に防御できる、とまでは言い切らないが。
そして刃の長さ的に、相手は下段を狙えないはずでもある。

151『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 23:44:42
>>150

「キツくしてんのさ、勝つためにな」

にやりと笑う防人。
自身の有効打を確信しているのか?
流星は自ら刀へと踏み込む。

『り、流星選手血迷ったか!? 自ら刃に吶喊!』

『血迷ってなんかないわよ。虎穴に入らずんば虎子を得ず。そういうものでしょ』

ギャリ          
           ギャリ
                 ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ

「お? おおおおおおお!」

「鍔競りあえな――――――!」

ザブッ

『ボーン・トゥー・キル』の左腕が落ちた。

『決まったァーーーー!!! 剣兵少女、一太刀のもとに防人選手の腕一本もぎ取ったァ!』

『油断してるからよ。馬鹿ね』

(ありえねェ! ありえねェ! 斬れた斬れた斬れた! 経験がないわけじゃないが、キツイ)

「だが、やり返す! そしてタチムカウ!」

しかし安心もつかの間、遅れてきた右腕がやってきた。
みしりと少し嫌な音が流星の内部から脳に響く。
斬られはしなかったが勢いのまま体が吹き飛ばされる。

「はぁ……はぁ……」

『ボーン・トゥ・キル』その右腕の変化が終わる。
元の右腕が現れる。

「舐めんな……」

鉄パイプを落とした右手がコートを開く。
隠れていた体の前面が現れ、ズボンと体の間に挟まれている拳銃が見えた。
防人が拳銃に右手を置く。
そして、『ボーン・トゥ・キル』の右腕が変化を始める。

「かかってこい……どうってことねぇよ……」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□ス□□□□□□■∴
∴■□□□□□□越━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

152『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/22(水) 23:54:02
>>150

「見つけたぜェ……!」

俺は、なんでこんな目にあっているんだろう。
恋に破れ、試験に破れ、勝負に破れ、派閥争いに破れ、権力に破れ
破りに破れてここまで落ちた。
二番底どころの話じゃあねぇ。

「テメェ! どうカタつけるつもりだァ……?」

俺をにらむ男はひどく苛立っているようだ。
しかし俺はさめている。走馬燈も見えはしない。
だけど……やっぱり、負けたら悔しいなぁ……
勝ちてぇなぁ……

「おい! 聞いてんのか!?」

銃口が俺の方に向けられている。
あぁ……死ぬんだなって感じだ。

「ちにゃっ」

ちにゃっ? あ?
俺の目の間に黒い手があった。
俺を追っていたはずの男は地面に蚊のようにたたきつけられている。

「ねぇ」

女の声だった。
女は男が持っていた拳銃を俺に放った。

「あなたの人生、逆転してみない?」

「いやなら、それで死んだ方がいいと思うけど」

何を言ってるんだ?
いったい何が始まった?
いや、とにかく答えは決まっている。
俺は―――――

153流星 越『バングルス』:2016/06/23(木) 00:05:42
>>151
質問です。

・相手の攻撃はどのあたりに命中した?ダメージの度合いはどのぐらいだろうか?
・相手本体の左腕がフィードバックで切断されている様子はあるか?
・自分の今の体勢は?吹き飛ばされたということだが、倒れているのか?着地・受け身はできそうか?

154『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/23(木) 00:32:05
>>153

・相手の攻撃はどのあたりに命中した?ダメージの度合いはどのぐらいだろうか?
二の腕の辺り。鈍い痛みがあり、

・相手本体の左腕がフィードバックで切断されている様子はあるか?
腕自体が地面に落ちている様子はなく、見た感じ腕から大量の血が流れていることは分かる。

・自分の今の体勢は?吹き飛ばされたということだが、倒れているのか?着地・受け身はできそうか?
ステンドグラスの衝立の枠にぶつかっている。
倒れてはいないが膝が地面についている。

155流星 越『バングルス』:2016/06/23(木) 01:26:37
>>154
回答感謝。


>>152

   「――――ッ」

     ギャンッ

         ドグッ

   「〜〜〜〜〜〜…………ッ!」

斬撃の手ごたえ。
左腕に走る衝撃。
衝立への衝突。

     ハッ
          ハッ
       ハッ

痛い。
苦しい。
気持ち悪い。
思えば、人体を斬ったのは今日が初めてだ。
こんな重たい攻撃を受けたのも初めてだし、そもそも生まれてこの方喧嘩すらしていなかった気がする。
激しい嘔吐感。
そして、こみ上げて来る『高揚感』。

   「……舐めてなんか」「いませんとも」

知らない地平。
この地平を乗り越えられたら――――私はきっと、ひとつの『価値』を得る。

   「舐めるのは」「『アイス』と『傷口』と」「『かわいい女の子』ぐらいでして」

   「それともそんなに尻軽に見えますかね、私……!」

      ――――ニィ

不気味に、口元だけが不格好な弧を描いた。
『予習』だとか、そんな気分は――――そんな『言い訳』は、もうどこにもない。
勝ちたい、乗り越えたい、自分の価値を手に入れたい。
思考は不思議と、クリアなままだ。

右手で『衝立』を掴んで支えにしつつ、立ち上がる。
立ち上がりながら、『バングルス』を解除。
『圧力の光』を前方に向けて放ち、立ち上がれたら右手はMAP右上の『照明』に向けておこう。
間違いなく次は『拳銃』が来る。
だが、相手は重傷だ。決着はきっと、遠くない。

156『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/23(木) 23:17:35
>>155

人を切った感覚も
吹き飛ぶほどの衝撃も流星にとっては初体験であった。
こみ上げてくるのは痛みだけではない。
高揚感。高ぶる気持ち。
身を包むこの感覚は現実であり、金網を隔てた向こう側では味わえない感覚。

「俺は舐めたいぜ……男と汚ぇもの、後は……辛酸以外はな……! ひひっ」

笑う流星。笑う防人。
最早予習だとは言うまい。
そんな言い訳は口にしまい。
タチムカウのだ。価値を得るために。
切り開き、進むのだ。この道を行けばどうなることか。それは行けば分かるのだ。

『再び! 再びです! 再びのスタングレネード! またもや光の圧力が防人選手を襲う!』

『バングルス』の解除。防人のスタンドの変化は完了した。
しかし光の圧力に屈し次の行動はとれない。
立ち上がり、照明に手を向ける流星。
光から解放された『ボーン・トゥ・キル』はその変化した右腕。
前腕部が筒状になった右腕をまっすぐに伸ばしている。
防人本人の手から拳銃が消えている。
あれが、あの右腕が銃なのかもしれない。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□ス□□□□□□■∴
∴■□□□□□□越━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

157流星 越『バングルス』:2016/06/23(木) 23:53:52
>>156

   「セクハラですよ」

   「減点です」

歪な笑みはすぐに消えた。
意識して作る自然体。
無理に肩肘はっていいことは無い。
思考はクリアに、身体はクールに、心だけはホットに行こう。

    殺しに向け生まれり
   「『ボーン・トゥ・キル』――――大した名前ですが」

   「その『サイコガン』でどうします、『スペースコブラ』」

                               腕  輪
   「気ィ張って面と向かえば……私の自慢の『バングルス』にとって、弾丸なんて大した相手じゃありません」

   「ましてやこの距離……私が踏み込もうと思えば、すぐですが」

右手の先の『照明』を『光源』に、三度『バングルス』を発現。
『バングルス』の動きは素早く、その形状は『鎧』と『盾』と『剣』。
ましてやこの距離……『銃口』に注意していれば、防御は容易い。
相手の動きに合わせ、弾丸が来るところに『バングルス』を置けばいいのだ。
よほど突き抜けた威力か弾速でも無ければ、この防御は貫けない。
それでも……『隠し玉』がある可能性もある。
腰を低く落として『バングルス』胸の前に構え、ひとまず様子を伺う。

158『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/24(金) 00:18:00
>>157

「はっ。また鉄面皮か。いい顔だったのによ」

「そうだろうなぁ……あんたのハンドスピードやパワーなら銃弾にも対応できるだろうなぁ……」

「あ、言っておくぜ。この技法の名前は『アローン』」

アローン。孤独。
たった一人の帰り道、その名に近づく言葉。
『バングルス』を発現する流星。
しかし防人は動じない。
腕から大量の血が流れていてもだ。

「サイコガン。まぁ、間違いじゃあねぇな」

「それじゃあな。グンナイ」

『ボーン・トゥ・キル』が銃口を斜め上に向け

ズガンッ

銃弾が発射される。
流星の少し上をいく軌道だ。
『ボーン・トゥ・キル』が肘を曲げると。そこからカランと薬莢らしきものが吐き出された。
そして再び銃口は流星の方へ。

「とっとと終わらせるぜ。俺も長く持たねぇからな」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□○□■∴∴
∴■□□□□ス□□□□□□■∴
∴■□□□□□□越━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

159流星 越『バングルス』:2016/06/24(金) 00:39:07
>>158

   「女性の褒め方が致命的にヘタクソですね」

   「さらに減点」

ジリ、と間合いを測り――――

   「…………!」

斜め上に放たれた弾丸。
普通に考えて『普通じゃない』。
今まで見てきた敵の能力は、『伸び縮みする刃』でしかなかったが……
……では、『弾丸』はどうなるのだろうか?
詳細不明。
理屈も不明。
何がどうなるかわからない。
曲がって後ろから迫ってくるか?
空中で別の形に変形するか?
予測がつかない。
かといってそっちの弾丸に気を取られていれば正面から撃たれてしまうし――――

   「――――ええ、おねむの時間ですよベイビー」

          ダッ

――――発砲直後、思い切って前に飛び出す。
飛び込むのは『ボーン・トゥ・キル』の方角。
姿勢は低く、低く、沈むような前傾姿勢。
背後や頭上から弾丸が飛んできたとして、狙いが頭や背中ならかわせるし、脚なら前進することで避ける。
それに、相手に密着したほうが小細工も減るだろう。
前からの弾丸は、『バングルス』で防げる。
姿勢を倒せば、必然相手が狙える位置が減る。
『バングルス』を相手の銃口に合わせて構えておけば問題ない。
飛び込めたら……構えた『バングルス』で、相手の『右腕銃』を切り上げよう。
これで『銃』を上に弾けるならよし。
弾けないなら、また『鍔迫り合い』だ。
いずれにせよ、『銃口』は余所に向けられる。

160『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/24(金) 01:17:33
>>159

「……なるほど」

「どうりで今まで女にモテなかったわけだ」

飛び出した流星。
まっすぐに『ボーン・トゥ・キル』へと向かう。

「俺の能力はな、道具がいるんだ」

「だから、たくさん道具がいるんだ」

「たくさんな」

ズドンとまた銃弾が発射される。
今度は流星に向かってきて飛んでいる。

「銃が二つありゃあな。あん時もらったきり調達してねぇからな」

まだ潰されていない右手で防人は懐を探り、道具を取り出す。
包丁だ。二本目の文化包丁。
流星は前方からの銃弾を構えていた『バングルス』で防御する。
衝撃が腕に伝わるが問題なく進む。
そして、腕の銃身をかちあげた。
弾かれる銃身。しかし、視界に入る不穏な影がある。
防人だ。包丁を流星の脇腹に突き刺そうとしている。
『バングルス』の射程ぎりぎりだ。当たるか当たらないかの距離だ。

「……後ろの正面だあれ」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃□□□□□■∴∴
∴■□□□□ス防□□□□□■∴
∴■□□□□□越□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

161流星 越『バングルス』:2016/06/24(金) 01:49:12
>>160

   「後ろじゃなくて横ですね」

右腕を覆う『バングルス』の間合いギリギリ――――ということは、相手の間合いの外だろう。
どう考えても、包丁よりは『バングルス』の方が長いのだから。
ならば心配はいらない。

勢いそのまま『ボーン・トゥ・キル』の左側に抜け、同時に『ボーン・トゥ・キル』の『左の二の腕』を斬りつける。
斬り落とせればいいし、無理そうでもざっくり切れ込みを入れられればそれでいい。

位置的に『ボーン・トゥ・キル』が遮蔽になってくれるだろうし、というか単純に左に避ければ包丁の到達が遅れる。
加えて相手は『本体が行動中』だ。
『ボーン・トゥ・キル』で対処しようとすると、防御も攻撃も散漫な動作になってしまう――――まぁ、これは流星は知らないことだが。

   「技名とかは特にないので恐縮ですが……」

   「もう一本――――『いただきます』」


   (しかし気になるのは最初の『ミスショット』――――何か仕込みでも……?)

攻撃の成否に関わらず……脇を抜けたら、即座に反転して敵に向き直ろう。

162『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/24(金) 23:48:12
>>161

「いや、後ろさ」

左側を抜ける流星。
そのまま『ボーン・トゥ・キル』の腕をもう一度切り付ける。
瞬間、防人の腕からまた大量の血が流れだす。
切断とはいかなかったがかなりのダメージを追っているのは事実だ。
反転。振り返り。流星の視線の先。

『銃弾はまっすぐに飛びます。当然のように』

『誰もその言葉を否定しませんでした。銃弾は直線を行くという大常識』

『それがいま! 否定されている!?』

流星の斜め上。
額の辺りを狙うように銃弾が飛んで来ている。
まるで流星の如くといった感じだ。

「『ボーン・トゥ・キル』やるぜ」

大きく飛びのく『ボーン・トゥ・キル』
斬れかけの腕を何とか伸ばして銃弾を放つ。
銃撃の反動がフィードバックしたのか防人が苦痛に顔をゆがめた。
ぐらりと片膝をつく。限界も近いのだろう。

「【独立独歩(一人ぼっちの帰り道)】」

「最後の大技ってだぜ。 『フィッシュ』」

銃弾がうねる。
跳ねる魚のように、ぐねぐねと異常な変化をしながら進んでいく。
タイミングを合わせて防御できるか?
それに頭上からの一撃もあるが、どうする?

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃防□□□□■∴∴
∴■□□□越□ス□□□□□■∴
∴■□□□□□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

163流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 00:22:44
>>162

   「ま」「そう来ますよね」

弾丸が曲がって帰ってくる。
まぁ、想定できたことだ。
じゃあ対策ができていたかというと、別にそんなこともないわけだが。
この手の攻撃であれば『圧力の光』が有効だが、生憎あれは発動までに時間がかかる。
何が来るかもわからないし、やめておいたのだが……
これなら、やっておくべきだった気もする。
要するに博打に負けたわけだ。

とはいえ、これは文字通り『最後の大技』だろう。
驚異の二点同時攻撃、相手は死ぬ、というわけだ。
なので、ここで要求されるのは『死なないこと』のただ一点のみ。

   「問題ありません」

         腕  輪
   「私の『バングルス』は頑丈ですから――――」

左半身を引き、姿勢を低くして半身に構える。
そして右腕を曲げ、脇を閉め、『盾』で顔を覆う。
『鎧』は『胴』を守り、『盾』は『頭部』を守る。
タイミングを合わせる必要はない。
急所を守れば死にはしない。
これなら撃ち抜けるのは下半身ぐらいで、そのぐらいなら『必要経費』としてくれてやる。

   「――――私もきっと、頑丈なはずです」

来いよ、弾丸。
もとより小細工が得意なクチでもない。
『真側面』から、受けて立つ。

164『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 00:53:13
>>163

「……あんたぁ。いいなぁ」

ぼそりと防人がつぶやいた。

「羨ましいぜ」

防ぐ。
顔を胴を守る。
死なない。人命最優先。攻撃的な行動ではない。
だが、この場合それが正解であったことを流星は感じ取る。

『凌ぎました』

『はぁ……』

コハルの声が聞こえる。
周防のため息が聞こえる。
アリーナの照明が視界を照らしている。
白く熱い光が闘技場を照らす。
防いだのだ。胴と頭、見事に致命傷となりうる箇所を狙っていた。
足を殺すことや腕を殺すことを考えずに狙ったのだ。

「まだだ……ギブアップも、終わりのゴングもまだなんだよ」

ゆらりと防人が立ち上がる。
もはや握る力も失せたのか包丁が床に落ちる。
ぬらりとした血が両腕を染めている。

「どうする? バイティングだって俺は使うぜ?」

「蹴り込んでやってもいいぜ? ひひっ」

限界なのか右腕の変化も終わる。
骸骨のヴィジョンが近づく。死に体の男が近づく。
死が近づく。終わりが近づく。
行進するかのようにゆっくりと二人が歩いてくる。
ゴングを鳴らすのは、闘技者の役目だ。

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃□□□□□■∴∴
∴■□□□越□防□□□□□■∴
∴■□□□□□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人(スタンドと並び立っている)
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

165流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 01:11:06
>>164

   「――――ヘイ」

半身のまま――――『バングルス』を構える。
鉄の拳を握りしめる。

   「なにちょっと『負け犬ムード』出してるんですか、お友達」

   「違うでしょう」

   「私はどうも、声を荒げると言うのがあまり得意ではありませんが――――」

   「――――叫びなさい、『Mr.スパルタ』」

――――曰く、テルモピュライで殿を務め切ったスパルタの300人は、死の間際まで戦い続けたという。
槍が折れれば剣を抜き、剣が折れれば拳を握り、拳が砕ければ蹴りを放ち、脚が潰れれば噛み付いて。
その最期は――――こんなにも、惨めったらしいものであっていいはずがない。

   「なにが『羨ましい』ですか」

   「なにを『嗤って』いるのですか」

   「笑いなさい」

   「叫びなさい」
                                             必 殺 の 宿 命
   「どうするもこうするも無いでしょう――――貴方の半身の名が、『ボーン・トゥ・キル』であるのならッ!」

私は、『乗り越えなくてはならない』。
ならばその決着は、こんなものでいいはずがない。
叫べ。かかってこい。
私が倒したいのは『負け犬』なんかじゃない。
鉄拳を握る。
剣を構える。
さぁ――――来い、来い、来い!

166『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 01:30:52
>>165

『これは会話、ですか?』

『……そうね。負け犬は負け犬らしく死ねないみたいね』

『え?』

『何度も曲げられればどんなものでも跡がついて曲がりやすくなるわ。人間もそう』

『負け癖が付けば負け続き、燃え上がる反骨心も消えてしまうわ。それがあいつよ』

『……』

『防人君、いえ、マガツ君。死んできなさい。かつてのあなたに戻って、そして死になさい』

防人は黙っている。
流星の言葉にも周防の言葉にも答えない。
だが、言葉でなく行動で答えを見せる。
血まみれの腕でおぼつかない動きでコートを脱ぐ。
真っ赤に染まった白いシャツ。重々しく落ちたコートには色々な道具が仕込まれていた。
まるで漫画のように。

「あっはっはっはっはっはっは!」

笑う。大いに笑う。大声をあげて笑う。
重々しく手を顔にやり、顔を覆う。
ずるりと手が下りるとその顔にはべったりと血がついている。
あまりにも汚い地化粧。しかし、その顔は傍に立つスタンドによく似ている。
コートをまさぐり、何かを取り出した。
包丁とカッターナイフだろうか。

「いいねぇ。エッちゃん。惚れちまいそうだよ。どんどんお前に惹かれてくるみたいに」

「引き裂きたくなる。そのポーカーフェイスを歪ませてやりてぇな!」

「見せてやるよ。負け犬を捨てた狂犬を」

 殺すために生まれた
「『ボーン・トゥ・キル』 俺の能力をな」

167『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 01:42:10
>>166

『ボーン・トゥ・キル』の両腕が変化する。
右腕はカッターナイフの刃のようなものに左腕は包丁の刃のようなものに。
そして同時に防人の手から二つの刃物が消える。

「ハンドスピードはお前のがはええ」

「つまり真っ向勝負は不利だ。なら、やるこたぁ一つ」

「ほんの少しの小細工だ」

「すぅ……」

息を吸い込んだ。

「アララララーイ! アララララーイ! アッララララーイ!!」

叫び声と共に『ボーン・トゥ・キル』が動く
二本の刃が地面をひっかく。
短い。先ほどまで見ていた3m尺のものとは違う。
1mほどだろうか。
まるですくい上げる様に回転しながら砂を巻き上げる。
流星の視界に砂。
両腕を広げた『ボーン・トゥ・キル』が砂に紛れる。
しかし長くは続かないだろう。
つまり砂に隠れての攻撃、それが肝なのだ。

「右か左かよく見て避けるか?」

「読み間違えりゃあぶった切るぜ。」

―――地図―――

∴∴∴∴∴∴赤赤赤∴∴∴∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□┃□□□□□■∴∴
∴■□□□越□防□□□□□■∴
∴■□□□□□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□┃□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□━□□□━□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□○□□□┃□○□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴∴∴∴青青青∴∴∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。白い砂がまいてある。
■:観客席と闘技場を隔てる金網。強化ガラスか何かが金網と客席の間に立てられている。
∴:観客席。
┃:ステンドグラス衝立
○:足元の照明
越:流星
防:防人(スタンドと並び立っている)
ス:防人のスタンド。『ボーン・トゥ・キル』

168流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 02:03:10
>>166-167

   「お褒めに預かり光栄ですが」

   「私、好みのタイプは『優しい人』なのです」

軽口を叩きつつ、静かに防人を見据える。

   「――――でも、ちょっと素敵な顔になりましたね」

そう、これだ。
これでいい。
そうこなくては、こうして闘っている意味が無い。

   「では――――」

       グッ

   「――――いざ」

巻き上がる砂塵。
視界を阻むが――――それは、相手にとっても同じこと。
つまりこれは『読みあい』だ。
『読みあい』とは『騙しあい』であり――――嗚呼、安心した。
この状況なら、『最後の手札』が残っている。

クルリと回転しながら、左に動く。
左――――MAPで言えば『上』。
『ステンドグラスの衝立』のあるところ。
この『ステンドグラス』は二人の間を阻む障害物となる。
お互いのパワーならば破壊は可能だが、その破壊に要する一瞬がこの状況では命取り。
つまり、相手にとって『ありえない場所』ということになる。
だが『バングルス』にとって、これは障害物たりえないのだ。
『バングルス』は光の剣――――光を『透過』するものを、すり抜ける性質があるのだから。
これは相手に見せていない性質。
故に、相手の想定外。
回転しながら『ステンドグラス』に張り付き、右腕を命一杯伸ばして、硝子越しに『防人』を横薙ぎに斬りつける。
相手が攻撃してくるなら一歩前に出て来るはずで、つまりそれは『間合いの中』ということだ。
相手はもう限界ギリギリ。
ここでさらなるフェイントを繰り出す余裕は、もう無いはず。

   「これが私の『バングルス』の」

   「正真正銘、『最後の一手』――――!」

169『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 02:20:39
「あなたの人生、逆転してみない?」

「いやなら、それで死んだ方がいいと思うけど」

「俺は……俺は『勝ちたい』」

「それで?」

「ドブみてぇな人生を逆転して誰もかれもを土下座させる」

「自惚れ屋の粋がり男。でもいいわ。私があんたの面倒を見てあげる。名前は?」

女がいる。
あれ? なんでだ?

「……真賀津 了嗣(まがつ りょうじ)」

「マガツ? 縁起でもないわね。そうだ、人生逆転のついでに名前捨ててしまいなさいな」

「新しい自分になるために」

俺は闘ってたんだよな?
そうだよな? なのに、なんでこんなことを思い出してんだ?

「アンタ名前は?」

「周防 一稀」

「じゃあ、アンタから一文字もらって 防人 修治だ」

「そう、じゃあ行きましょうか。まずは治療に。それからたくさん闘ってもらうわ」

「なぁ」

「なに?」

「なんでこんなことする。見ず知らずのチンピラに」

「人生に本気になる人間が見たかったからよ」

やっぱり、意味わかんねぇ女だな。
……そうか。理解した。これは―――――

170『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 02:30:48
>>169

ザブッ

『バングルス』から伝わる感触。
柔らかく弾力のある、しかしどこか硬いものを切った。
すっぱりと切った。切った。切った。切った。切った。

『やりました! 流星選手! 防人選手の腹を真一文字に切り裂いた!』

『ボーン・トゥ・キル』のとった行動。
それは突き。両腕での突きだ。
しかしそこに流星はいない。
光を透過するものをすり抜ける性質、それがあることを知らなかった。
それゆえの失敗。もし知っていたなら挟み撃ちで迎撃もあったかもしれない。
しかしそれはたらればの話。闘技場にあるのは、今ここにある結果のみ。

「あぁ……光なんだな、それ。ライトの……そうか……」

「やっぱお前、いいなぁ……」

切腹をした防人がひざを折る。腹に触れることもできない。
その腕はだらりと下がり、まるで正座をしているかのような姿勢でその動きを止めた。

                       《おおおおおおおおおおおおおおおおおお!》

瞬間、流星の鼓膜を破るかのような咆哮がこだまする。
観客たちだ。立ち上がる者もいる。流星の名前を叫ぶ者もいる。
失神しそうになる者もいる。バラバラだが一つだけ共通している。
皆、流星の勝利を祝福している。

《おおおおおおお!》                《エッちゃ――――――――ン!》

      《やったな、テメェ!》      
                        《おおおおおおおおおおお!!!!!》
                               
                                                      《格好いいーーーーーーー!》
          《エッちゃん!    エッちゃん!》

勝者の栄光が、勝者の愉悦が、勝利の美酒がそこにある。
なにか応えてやるべきだろうか。
帰るもよし。なにかパフォーマンスもするもよしだ。

171流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 02:38:31
>>170

   「だから、最初に言ったでしょう?」

        ヒュッ

剣を振るい、血を払う。

   「私のスタンドは――――『ライトセーバー』だって」

残心。
防人の動きが止まるまで、ピタリと動きを止めて……

   「…………………」

        フゥゥゥ〜〜……

大きく、息を吐く。
観客席を見渡す。
……『バングルス』を掲げて、解除する。


   「……………………ぶい」


中から出てきた手は、『Vサイン』を描いていた。

172『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 03:03:30
>>171

ライトセイバー。
まさに光の剣だった。
防人はそれを身をもって知ったのだ。

観客の歓声が流星を包む。
そして挙げられたのは、勝利のVサイン。

『なんというお茶目さ! なんという強さでしょう! ポーカーフェイスの不思議少女』

『その強さに不思議なし! その輝きに不思議なし!』

『勝者ァァァァ! 剣兵少女(ラ・ピュセル)! 流星 越!』

再びの大歓声。拍手の海。
それに浸りながら、流星は闘技場を後にすることとなった。

医務室。
ベッドの上に流星は座る。
隣のベッドでは息も絶え絶えな防人が寝ている。
白衣を着た女が、防人に治療を施していた。

「ふぅ……まぁこんなもんでいいか。さて、次はお前だ」

「といっても、あまりケガしてなさそうだがね」

がちゃりと部屋に誰かが入ってくる。
周防だ。

「流星さん。おめでとう」

拍手を送る周防。
ちらりと横目で治療済みの防人を見て、また流星を見た。

「どうかしら、勝者の気分は」

173流星 越『バングルス』:2016/06/25(土) 03:22:27
>>172

   「不思議な気持ちです」

周防の問いに、やはり変わらずの鉄面皮で答える。
負傷と言えば、左腕に受けた衝撃ぐらい。
治療らしい治療は必要ではあるまい。

   「まだ少し……自分の中で、整理がついていないのかもしれません」

   「こういうの、初めてですから」

      「いやん恥ずかしい」

頬を抑えて、恥ずかしがるジェスチャー。
無論ジェスチャーだけだが。

   「……でも、なんでしょうね」

自分の手を見つめる。
ぐ、ぱ、と握ったり開いたりして……『斬撃』の感触を思い出す。
思い出すに、ゾッとする。
人を斬る感触――――

   「………………………『クセ』になっちゃう」「かも」

――――それがこんなにも、『甘露』だなんて。
きっとそれは、『なにか』を乗り越えた快感を勘違いしているだけなのだろうけど。
それでもその錯覚は、流星の中でふわふわと自分の居場所を探しているように感じられた。

174『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/25(土) 15:59:59
>>173

「そういうのいいから」

流星のジェスチャーに釣れない態度をとる周防。
その間に白衣の女が軽く流星の左腕に触れる。
少し傷が痛んだがすぐに消えた。
治療が済んだらしい。

「ふふ。」

「いいじゃない。あなた」

人を切ったことのある人間がこの世に何人いるだろう。
流星は貴重な経験をした一人なのかもしれない。
『クセ』になっちゃうかもと口にした流星。
それを聞いた周防はにこりと笑い、何度か流星の頭を撫でた。

「いつか縁があったらまた来なさいな。あなたが望むなら、だけど」

「これはどうしようかしら。最後の最後で頑張るかと思ったけれど……クビって約束だったものね……」

ぺちぺちと手の甲で防人を叩く周防。

「そういえば、約束の賞金はもうじき来るわ」

「楽しみにしておいて」

175流星 越『バングルス』:2016/06/26(日) 00:35:49
>>174

   「お褒めに預かり恐悦至極であります軍曹殿」

撫でられるがままに撫でられつつ、周防の目を見る。

   「……ええ、またトチ狂ったら遊びに来ます」

そう、トチ狂ったら。
こんなのは『正気の沙汰』じゃないのだ。
良くも悪くも……また、『トチ狂ったら』。

防人については何も言うまい。
そもそも『連敗中』という話だったし、それは彼の問題だ。
自分が踏み入るべきではない。

   「そちらも楽しみにしておきますね」

   「いつか『私の財力は無限だ』とか言ってみることにちょっとした憧れがあるので」

176『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/26(日) 00:53:17
>>175

「トチ狂ったら、ね」

「イカれた時代へようこそってならない限り無理かしらね」

髪をかき上げる。
異常な非日常。
本来は流星がいる世界ではない。
一線だ。あまりにも簡単に飛び越えられるがその溝は深い。

「ほら、お金が歩いてきたわよ」

「……」

ドアを開けて人が入ってくる。コハルだ。
手には封筒があり、両手で流星へと手渡した。

「お約束の30万です。お確かめください」

さて、治療も受け賞金も受け取った。
やり残したことはないだろうか?
なにか言っておくべきことはないだろうか?
なければ帰路につくだけだ。

177流星 越『バングルス』:2016/06/26(日) 01:32:21
>>176

   「さて、意外と既に手遅れかもしれませんが」

ま、ともかく。

   「ありがとうございます……」

         パララララララ…

   「……確かに」

   「『札束』のかおりってちょっと幸せな気持ちになれますよね」

封筒の中身をざっと確認して、礼を言う。
これで『冒険』はおしまい。
治療も済んだし、お金も貰ったし。
荷物を確認してからベッドを降りて……

   「……あ」

最後に、振り向いて周防と防人に視線を向ける。


   「ハードな『プレイ』は、ほどほどにしてあげてくださいね?」


それだけ言ったら……家に、帰ろう。

178『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/26(日) 02:00:41
>>177

「若い時からそういう匂いを覚えるとよくないわよ」

「手遅れだけど」

ぺこりと頭を下げて先に退室するコハルと白衣の女。
帰ろう。家に。元いた世界に。

「……」

最後の最後、流星が投げかけた言葉に周防はため息をついた。
そして、今まさに去ろうという背に周防は言葉を投げ返す。

「ウチの人、両方もいけるの」

なんの両方だろうか。
周防はそのあと舌打ちらしき音を出した後、また声をかけた。

「『次はお前の腹をかっさばく』ですって」

「それじゃあね」

今度こそお別れだ。
控室の扉は閉まり、闘いもなにもかもが終わりを告げる。
いつもの日常が帰ってくる。

「……あの」

「敗者は語らず、よ」

「いや、俺、再挑戦とか……」

「痛っ!」

全ての人に日常が訪れる。
だからこそ、非日常がエッセンスとなるのだ。

『ある日のアリーナ―タチムカウ―』→閉幕

流星 越『バングルス』→勝利
               『30万』獲得
               『左腕亀裂骨折』(治療済み)

防人 修治『ボーン・トゥ・キル』→敗北
                     戦闘の傷が消えたがその夜新たに傷を作る。

179『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/26(日) 02:02:27
【人生再生計画】防人修治のスタンド。
血管のような赤い筋が入った骸骨のヴィジョン。
触れた武器を取り込み、『肉体』を変形させる能力。
武器はレプリカでなく実際に使えるものでないといけない。

本体かスタンドが手で触れた武器を取り込む。変化には2秒を要する。
取り込まれた武器に応じて、触れた手などが変形する。
変形によって手のひらは失われ、モノを掴むことやさらなる変形が封じられるが
解除することで再度、手で触れることが可能になる。
普段は脆弱であるが武器に変化した部位のステータスは向上する。
しかしそれは武器を扱っている最中に限る。

器具型スタンドに触れた場合でも取り込んで変化出来るが
本体の許可がなければできず、能力の継承は起きない。
なお赤い筋は変化した状態でも引き継ぐ。

強度はパBのラッシュなどで破壊可能な程度
破戒されるほどのパワーを受けると、強制的に解除される。

『ボーン・トゥ・キル』
破壊力:D スピード:C 射程距離:D
持続力:D 精密動作性:C 成長性:D

『ボーン・トゥ・キル』の変化の一種。
『刃物』を手にしたときに起こる。

前腕が取り込んだ刃物と同じ形状になる。
長さは決められるが3mまでである。

第一の変化『スタッブ・ユア・バック』
破壊力:B スピード:C 射程距離:D
持続力:- 精密動作性:C 成長性:-

『ボーン・トゥ・キル』の変化の一種。
『銃』を手にしたときに起こる。

前腕が銃身となり、肘から肩にかけての部分が銃床のようになる。
弾丸を発射することが可能になる。
射程距離は10m。弾数は1で発射後肘を曲げて排莢することで、リロードする。
ただし一度肘を曲げて排莢する必要がある。
弾に回転を与えて軌道を変化させることが出来るが一度決定した軌道を変えることはできない。
また撃つ際は腕をまっすぐ伸ばす必要がある。

第二の変化『アローン』
破壊力:B スピード:B 射程距離:C
持続力:- 精密動作性:C 成長性:-

『ボーン・トゥ・キル』の変化の一種。
『長い棒状のもの』を手にしたときに起きる。

前腕が棒になる。
棒は本体の意志で三段階の伸長、縮小が可能で
縮小して1m二段階目で2m三段階目で4mまで伸ばすことが出来る。
伸縮のスペックはパスCB。

第三の変化『スマッシュ・イット・アップ』
破壊力:C スピード:C 射程距離:D
持続力:- 精密動作性:C 成長性:-

180『ある日のアリーナ―タチムカウ―』:2016/06/26(日) 02:03:24
★氏名―防人 修治
★スタンド―『ボーン・トゥ・キル』
★能力―武器を取り込み変形する人型スタンド。
★性別―男 ★年齢―35 ★血液型―B
★髪の色―黒 ★瞳の色―灰 
★趣味―猟 ★身長―172cm 
★好きな映画―酔拳 ★好きな色―金
★性格―面倒くさがり。
    割とネガティブ思想。
    悪態はつくものの根の部分が奴隷根性なところがある。
★外見―短髪。スーツを着崩しアクセサリーを多用する。
★備考―元警察。それ以降はヤクザとなるがスパイの容疑を掛けられ脱退。
    死にかけていたところ、現在の雇い主である周防 一稀に発見され助けられる。
    現在使っている名前は偽名であり、本名は『真賀津 了嗣(まがつ りょうじ)』
    最近の悩みは薄着で出歩けないこと。

181『ある夏の思ひ出』:2016/08/10(水) 00:11:17

『「できること」が増えるより、
「楽しめること」が増えるのがいい人生』

                              ―――――――斎藤茂太

182『ある夏の思ひ出』:2016/08/10(水) 00:22:40
それはある暑い暑い夏の日のことである。
まだまだ夏の日差しは強く、また日に日にその力を増しているように感じられた。
しかしそんな夏の脅威もなんのその。
空調のよく聞いた車内では夏の暑さなどスクリーン一枚隔てた作り物の世界のようだろう。
そんな快適な場所に遊部と葉鳥はいた。

「いやあ、どうもありがとうございます〜」

運転席に座る女性があなたたちに声をかける。
黒いおさげに眼鏡。私服の上にエプロン。おっとりした雰囲気。
お姉さんという感じの女性だ。

「短期といえどわざわざお越しいただけて、嬉しいですよ」

「えへへ」

にこにこと運転している。
辺りを見れば木、木、木。森だ、というよりは山の中だ。
彼女との出会いを回想するのも、日常会話に浸るのも、それとも目的地の到着を待つのも、自由だ。

183葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/10(水) 00:57:14
>>182(GM)
>遊部

――前回までのあらすじ。
私立清月学園の高等部一年生。ある事情から家出しており、1人暮らしをしている。
そんなある日、生まれて初めて『スカイモール』に足を踏み入れ舞い上がった穂風は、
思わず『夏服』を買いすぎて趣味費が危うくなったので、お金稼ぎをすることにしたのだ。
(参照:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647744/92-107)

そういうわけで――穂風には今、特にお金が必要だった。
海にだって行きたいし、水着も買わなきゃだし、お祭りも行ってみたいし。

「い、いえっ! あの……
 その。私、がんばりますので!」

        「……え、えへ。」

そして、あえてこの仕事を選んだのは、『興味があった』からだ。
穂風の強い好奇心は、新たな体験という甘露を求めている。

怪しい。危険かもしれない――
そう窘められもしたが、それは押し切った。

(お手伝いさん、かぁ……
 昔、よく見ていたけれど……やるのは初めて。)

     (上手く、出来るかな……
       ううん、やらなくちゃ……!)

窓の外の風景は樹、樹、樹……山の中を走っていると実感する。
どんな屋敷なんだろう。好奇心が刺激される。

  チラ

ふと、隣に座っている女性の事が気になった。
自分と同じ仕事を、この後一緒にする事になる相手。話しかけてみよう。

「……あ、あの。」

「今日は、その、よろしくお願いします。」

       モゴ


上手い言葉が思いつかず、やや煮え切らない口調であいさつした。
そういえば、車に乗る前にあいさつなどはしていただろうか――少し思い出してみる。

††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

自らを様々な『雨具』に組み立て直す、異形の半自立型スタンド。
能力は触れた液体の吸収と保管。そして、それを『雨』として降らせること。

『ヴァンパイア・エヴリウェア』
破壊力:D スピード:B 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:C 成長性:C             

†能力詳細†
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/5-6

†持ち物†
スマートフォン、ティッシュとハンカチ、スポドリ(500ml)、財布(ぺらぺら)

†外見†
赤い髪と赤黒い瞳、大きな黒いリボンが特徴的な少女。身長163cm。
服装はゆったりした黒いシャツに、ショートパンツ(どちらもピカピカの新品)

キャラ詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050739/7

††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††††

184遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/10(水) 19:52:42
>>182(GМ)宜しくお願いします。レス遅れ失礼しました
>>183(葉鳥)

クーラーのついた車内。空調も良く出来ており、客人及び雇う者にも
気配りを忘れぬ笑顔と態度。運転席にいる、この『四人』の中で一番年上の方は
優しい容貌をしつつも『出来る』人であるのだろう。
 それに対し『私』も愛想を忘れない。
膝の上に両の手を重ね、『黒い髪』が肩にすこしドクロ巻くのを指で修正
しつつ穏やかな物腰で応じる。

>短期といえどわざわざお越しいただけて、嬉しいですよ

「いえいえ、『わたくし(私)』も。このような空気が爽やかで
緑豊かな所で、そちらのような気風良い方と共に過ごせて光栄ですわ。
 うちのものにも見習わせたいぐらいですもの
    ――ねえ? 『トレ』    」

 『……色々と返したい言葉もあるものの、概ね、その通りで御座います』

『二人』 だ。

 『私』以外にも、もう一人。
『ヴィクトリアンメイド』服を身に纏った。
 茶髪で眼鏡をかけ、少しきつめの目元と固い雰囲気を宿した人物がいる。
もう一人の娘(葉鳥)と私が同席であれば
その従者が助手席で、無乾燥に私の朗らかな声に背中越しで振り向きもせず返したであろう。
そして、続けて運転手である彼女に対し無造作に言葉をかけるだろう。

『改めての確認のようですみませんが、そのお世話する二人の名前に
それにお好きなものや趣味嗜好をお伺いして宜しいですか?
 何分、一メイドとして多少は相手の事を知らないと落ち着かないもので』
 そう、ぐいぐいと『メイド』は運転手である彼女に質疑をぶつける。

 そんな『トレ』に苦笑を少し浮かべてから、隣の女性が挨拶した事で顔を向ける。
>今日は、その、よろしくお願いします

 「いえ、こちらこそ宜しくお願いしますね。改めて私、『レミ』と言います
畏まらなくて良いのよ? 年も同じようですし、親しいお友達と思って
どうか私と接してくださいね?」

 そう、微笑んで手を差し出し握手を求める。
恐らく出発地点では軽い挨拶をしたものの、赤の他人ではあるし
社交辞令程度で、そこまで深く相手の事を掘り下げなかった筈だ。
 無論、私もそこまで深く自分の事を探られる気は毛頭ないが。

 彼女が誰であり、何故『私』がこの依頼を受けたのかは……。

それは、『数日前』に のぼる。

185遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/10(水) 20:18:38
清月舘の一つの個室に、ピンク髪の女性が丸椅子に座りつつパソコンを凝視する。
 その画面に映ってるのは一つの簡素な仕事内容が表示された短期バイトだ。
「……これ、貴方はどう思う?」
 『答えがNOである事を承知で聞いてるのか? 俺に』

個室にいるのは少女以外、もう一人いた。歳月を経た太い男のような声だが
ピンク髪の女性が振り向いた視点には、奇妙にも瓜二つの外見した少女が
元は可愛らしさがある容姿を不愛想で半眼に近い顔つきで台無しにして
睨むようにパソコンを見る彼女を見ていた。

 「意見を聞きましょう」

『愚問だな。年が若いかも知れないが知らぬ異性二人と一つ屋根の下で
短いながらもいる。おまけに場所は山林の深く公共機関はなしに等しい。
電波が遮断され助けも求められない場合、お前はどうする? 
 例え俺が表に出る状況になってもだ。双方無事で終わる保証などない。
考え直してみろ、レミ。俺は、お前を、玲実が傷つく事態がないよう
最小限の道を選ぶべきだと思うがな』

 彼女、いや彼は『ライ』だ。
私、いや『私達』は玲実と言う存在の片割れ。一つの大きなパズルのピースの一つ
『多重人格』と言う社会で呼ばれるのが私達。
私が、私という自我や魂とおけるものを持ち合わせてたとして、それは『玲実』の
元の力でしかない。そう私を取り巻く世界は告げるだろう。それは構わない。

「けどねライ。前も言った通りよ。
私達は、変わらなければならない。穴倉に閉じこもるばかりでなく外を知らなければならない。
玲実は、いずれ巣立つべき存在よ。その時の為にも私達が力を付けなければいけない。
 貴方も出来る限り手伝うと約束してくれたじゃない」

『社会に反さぬと言う条件でな。そして、社会とは誰かの意見により容易に変化する。
レミ、何も無理に茨の道を進まなくても良いだろう? もっと、お前達に相応しい
安全で、子供にも優しい依頼を受けるべきじゃないか?』

「貴方が女性子供に気を遣ってくれるのは嬉しいわ。でも、これとそれは別の問題よ。
玲実は成長するべきだわ。フラジール・デイズと言う貴方と言う存在も含めてね
その為には実体験を学ばなければならない。知識だけではどうにもならない事を覚えなければ』

『そうは言うがな……』

そう言うやり取りを、私は、私達の一部である人格。ベソと、ある特殊人格を除いて
意思疎通の行える八人と仕事の許可についてを半日かけてフラジール・デイズを通し相談した。
 ライは長く肯定を渋ったが、私の決意と他の賛同のある事。そしてライを演じてるとはいえ
核はフラジール・デイズである。数分ていどしかストレスのない状況では活動できないのに関わらず
よほど指導が上手いのか、ほぼライと言う存在に等しい演者であるフラジール・デイズだったが
最終的には、投げやりな態度で勝手にしろと舌打ちまじりの返事ながらも許可を出してくれた。
 
フゥー...
 私は、一旦『フラジール・デイズ』を解除し吐息をつく。何はともあれ
これで腰を入れて『依頼』を受ける事が出来る。
そして、この『依頼』に合う従者が必要だ。私達の人格の内の、適した人物が。
 「……ダイヤの三番、彼女ね」 
 レミである私は、呟いて衣類を一旦脱ぎ捨て茶髪の鬘、そしてブルーの
カラーコンタクトを目に入れると共に。

   ズズズズゥ……

 『トレ』  『フラジール・デイズ』を再発現した。

186遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/10(水) 21:07:15
『本体そっくり』な『役割を演じる』人型スタンド

『フラジール・デイズ』Fragile Days
破壊力:D スピード:C 射程距離:A(300m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:C
能力詳細→ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1463236020/6

遊部 玲実
『レミ』の持ち物
ハンドバッグ
スマートフォン、ティッシュとハンカチ、赤い財布(金銭は五千円ほど)
化粧道具、整髪スプレー、カラーコンタクト、中身のない香水瓶

外見:ピンクのポニーテイル。カラーコンタクトで現在青色の瞳。身長161cm
ゆったりとした緑色の上着に、白系統のカットスカンツ

フラジール・デイズ『トレ』
外見:茶色の長髪、赤い瞳をしている(本体発現時の変装)。服装はヴィクトリアンメイド
持ち物:携行してるのはメモ用紙と筆記類、防犯ベル、バーべーキュー串数本
トランク
両側にちょっとした引っ掛けのようなのが付いたルーペ。普通のルーペ
パチンコ用ゴム。黒系統の財布(多少の小銭と二千円札が一枚)
バーべーキュー串十数本、洗面道具及び本体とトレの下着と衣類数着

性格『役』
ダイヤの3。『メイド』の『トレ』
性格は無味乾燥に近く元々のフラジール・デイズに近い。本体を『お嬢様』と呼ぶ
ハウスキーパーとしての仕事が自分の務めであると認識してる。
 仕事に対しての姿勢と意欲は大いにあり。その仕事で何をすれば相手に
より良い環境を築けるかを独自及び他者の意見とりいれ活動する。
 生理反応、涙、汗なし。異性同性からのセクハラ等に対し冷淡に言語で皮肉を返す、また
複数回行われれば本体が止めない限り『自衛』する。(自衛の内容は過度な肉体接触
でない限りは相手への張り手とする。過度な接触の場合相手の急所攻撃を許可とする)
 第一として『お嬢様(本体)』を守るのが務め、第二に依頼を遂行する事を
優先事項として動く。また、お嬢様との間柄は幼少期から顔見知りの上下関係の垣根
低い主従関係という成りあい。本体との関係を聞かれた場合、そう答える。
 昔の細やかな住処や、生活環境など詮索された場合。『そのようなご質問はお嬢様の
許可がない以外ではお答えしかねます』と無表情で返すと決めている。 
 また、第一のお嬢様を守ると言う事情から依頼をこなす事以外では本体の目に付く
傍に控えている。と言う行動を行う。

 また、スタンドが見える事が露見、示唆された場合。
『フラジール・リアクト(脆弱な反応)』と言う架空の能力を開示し
『私は自分自身に限り生理反応を自由に止める事が出来ます。御覧の通り
この太陽が照りさす中、私は汗一つないでございましょう?』と真の能力を隠蔽する。

187『ある夏の思ひ出』:2016/08/10(水) 23:26:54
>>183 (葉鳥さん)

「えぇ、一緒にかんばりましょうねー」

「ちょっとお泊りになっちゃうしれないけど大丈夫かしら?」

やはりにこにこ笑顔を崩さず話す。
車に乗る前の事を思い出す。
最初に集まったのは駅前であった。
定番ともいえるような待ち合わせ場所で、プラカードを上げていたのがこの女性だ。
名前を逢坂 冬美(おいさか ふゆみ)という。
挨拶もそこそこに始まったのは『審査』らしかった。
らしかったという表現を使われたのは、逢坂が何度かきていたメンツの顔を見回しただけだったからだ。
車に乗る直前、やはりにこにこ笑顔で「あなたなら大丈夫よ」と逢坂は言葉をかけた。
……葉鳥は知っている。『審査』と評して顔を見られているとき
逢坂の茶色の瞳はなぜか『エメラルドグリーン』になっていたことを

>>184-186 (遊部さん)

「はい。お世話、というか皆さんにお相手いただくのが鍋師 陽(なべし はる)君と伏見 響(ふしみ ひびき)君です」

「二人ともまだまだ子供で……というか、子供のままでいてほしいというか……えへへ」

「二人とも可愛い男の子ですよ。とってもとっても」

にこにこ笑顔の逢坂。しかしその笑みは先ほどよりも少し違う雰囲気を纏っているようであった。

「陽君は活発なタイプですね、響君は……うーん、本を読んだりするのが好きみたいですよ」

「仲良くしてあげてくださいね」

(>ミッションなど、GMや判定者が存在する場では、原則的にGMが『NPC』としてこのスタンドを動かす。
と、ありますが遊部PLが希望されるならスタンドの操作をお任せいたしますが、いかがいたしましょうか?)

「それと、肘肩張らなくても大丈夫ですよ。私、こうみえても長いんです」

運転中でなければどんと胸を叩いていただろう。

>>ALL

「あ、そういえば皆さんに質問なんですけれど」

「私の瞳、色変わったの分かります? 目の色変えるって意味でなく本当の意味で」

逢坂がそう問う。
車内のミラーなどで彼女の顔は確認できるだろう。

188葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/10(水) 23:46:42
>>184(遊部)

「あ、ええと、はい!
 私『穂風(ほふり)』っていいます!」

「仲良くしてください、レミさんっ!」

  ニコ

晴れ晴れとした笑顔で、握手を返した。
もう一人――『トレ』という女性も気にはなる。

(メイドさん、だよね……
 この人もバイトなのかな……?)

(レミさんとは、知り合い……みたいだけれど。)

話を聞くに、そのように思えはする。
どこか不思議な雰囲気の彼女には少し萎縮しつつ――

>>187(GM)

「あ……は、はい! 大丈夫です。
 私、お泊りって初めて、なのでその。」

「楽しみですっ!」

今の状況が長い長いお泊り――
だとは思わない。元の家に帰る気などない。

穂風は、新しい人生を楽しみたい。
日程的な意味でも、ちゃんと調整してある。

(陽くん、と……響くん。
 どんな子なんだろう。仲良く出来るかな……)

     「あ、はいっ?」

頭の中にまだ見ぬ二人を思い描いていると――

「瞳、ですか……? あっ。」

質問の言葉に、思い出した。
初めて出会い、受けた『審査』の時。

「あの、はい。分かります。
 けど……その、『あれ』って、どういう……?」

        モゴ…

    「何を、その……『視た』んですか?」

ややはっきりしない口調になりつつ、穂風は問う。
車内のミラーに写る『逢坂』の瞳の色は、何色だろうか――?

              ・・・あの時は、緑っぽく見えたけれど。

189遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/11(木) 00:16:58
>>187-188
(GMのほうで操作をお願いします。よろしくお願いします)

泊まり込みになる可能性を予測して着替え数着を用意したのは
正しかったようだ。サスペンスなどなら、この後の展開でクローズドな
舞台となり惨劇が展開されるが。そんな急展開はないだろうと考えつつも
何が起きるか解らないのが未来だ。
 鍋師 陽(なべし はる)君
 伏見 響(ふしみ ひびき)君
前者は活発で大人しく、後者は物静かなタイプ。その提示された情報が
作為的なものかは不明だ。ミステリー作品などであれば、どちらも私と
フラジール・デイズのように瓜二つの双子のようで、取り換えっ子のような
トリックが生じたりしたりなどするが……と、止めよう。そのような妄想で
隣の少女との話を阻害するのは滑稽だ。
 私は微笑みを維持したまま軽く頷き。
「えぇ、宜しければ空いた時間にでも。色々と互いの事を話せればいいわね」

 葉鳥に、そう告げて置く。この少女も『依頼』を受けた者である以上。この運転手や
目的地にいる人間たちとは全くの部外者であり。少なくとも『私達』を脅かす意思
は限りなく低いだろうと受け取られる。なら、味方につけておくべきだ。
 
 ……気になるのは逢坂の雰囲気だ。
彼女の纏う気配。それが微妙に変化した気がする。これは……何だろう?
 変わった切っ掛けは『兄弟』の話からだ。ならば、推察されるに兄弟に何か
秘密がある、と考えるべきなのかも知れない。私達も他人に暴露されるのが
忌避されるのと同じように……。この事に関し追及するのは今の所避けるべきだ。
 『トレ』がもし、今の変化に追及するような事があれば直ぐに口を挟む事にする。
>私の瞳、色変わったの分かります? 目の色変えるって意味でなく本当の意味で

 「……そうですか? もしかすれば、変わったかも知れませんけど。
日の光の反射の関係などで見間違うこともありますからね」

 どう言う意図で告げてるのか。これは『選別』するための言葉かも知れない。
この質疑により、もしかすれば『私達』を脅かす要因が発生するかも知れない。
 型破りな発言もしようとすれば出来る。だが、今は普通の人間の振りをするべきだ。
『トレ』も、この質疑に関しては。無味乾燥に『知りませんね』と告げてくれる筈だ。
態度が鼻につかれるかも知れないが。知らずの内に虎の尾を踏む事になるより余程良い。

190『ある夏の思ひ出』:2016/08/11(木) 00:33:49
>>188 (葉鳥さん)
>>189 (遊部さん)

「視た。いい質問ですね」

それぞれ違う形で二人に思いをはせながら車は進んでいく。
そして、逢坂の問いに反応し、また問いを返す葉鳥。
遊部もその問いに答えを返す。
スタンドは、逢坂の変化に追求せず、また逢坂の問いにもそっけなく知らないという意思を告げる。

「信頼が必要です。私もあなた方も。だから、種を明かします手の内晒します。えへへ」

逢坂の瞳は『エメラルドグリーン』だ。
しかしそれ一色ではない。
白い忍冬唐草の模様、そして瞳の中央で唐草模様がハートを描く。
奇妙な目だった。

「『ルック・オブ・ラブ』」

「鑑定し、判定し、調べ、探す。私の瞳のスタンド能力」

「ま、超能力です。これによって適正の高い皆さんを今回のお手伝いさんに選んだってことです」

「謎が残るとすれば、私の隣のあなたですけどぉ。いいですいいです。気にしません」

からからと笑いながらハンドルを切る逢坂。
舗装されていない道に出ているのかがたがたと車が揺れる。
逢坂の緑色の瞳は一切ぶれずに前を見つめている。

「ここだけの話、陽君も響君もそういう超能力を持っています」

「勿論、それでイタズラしたりすることはないですけどね。そういうことがあるというだけ、ご留意くださいね」

「えっと、そろそろつきますけど、他にご質問あります?」

191葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/11(木) 01:01:31
>>189(遊部)
>>190(GM)

「は、はい! 私も……そう思います!」

穂風はレミの提案に、そう答えた。
快い思いからの答えだ。友達が増えるなら、それは嬉しい。

そして――

「あ……『スタンド』能力、」

               ≪――に御座いますか。≫

     パタ            穂風に重なるように、像が浮かぶ。
                   蝙蝠の頭骨のような顔、老爺の声。
         パタ        そのヴィジョンは、傘を人型にしたような。

「……もう。」

               ≪……失礼を、お嬢様。≫

穂風は勝手に出てきた『従者』に眉を顰める。
とはいえ、紹介が必要な状況と、分かっている。

だから任せよう。

「しょうがない、から。
 それじゃ、自己紹介、して。」

               ≪勿論で御座います――とはいえ。
                 どうか、手の内まではご容赦を。≫    

               従者は心配する。
               二人のスタンド使いの子供。
               敵ではないにせよ――心配は要る。

「…………」        ≪私めは『ヴァンパイア・エヴリウェア』。
                 お嬢様乃の忠実な従者にして――――≫

               ≪いえ、失礼……皆さま、どうかお見知りおきを。≫

「ありがと……じゃあ、解除する、から。」   

                ≪必要になりましたら、お呼び立てを。≫

「……分かってるよ。」   

               シュン

従者を名乗ったスタンドは解除され――穂風は小さく息を吐く。

「あの、ええと、その……
 今、言っていた通り、で。私も、スタンド使いです。」 

(……あ、じゃあ、レミさんやトレさんも、スタンド使いなんだ。)      

丸い目を、消えた従者から、レミに向いて。
それからミラーに写る『トレ』と――そして逢坂へと向けて。

「……それで、ええと。質問とかは……あのっ。
 聞いていいのか、分からないんです、けど。
 二人は、どういう能力を、その。持ってるん、ですか?」  

このあとするべきことのために、真っ直ぐに飛んでみることにした。

192遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/11(木) 09:48:22
>>190(GМ)
>>191(葉鳥)

 ――まさか、こう言う事態が起きるとは……。
臍を噛む、とはいかぬものの。行き成り二人とも『スタンド使い』
である事を公言するのは、正直なところショックであった。
 人とは違う力、それはえてして周囲に良い感想を抱かぬというのが
どんな物語や作品の群像劇でも馴染み深いもの。故に私も、その力を開示するのは
避けるべきだと思ったが、そう言う鑑定の能力だからこそ採用された……か。

 (まぁ、まだ慌てるべきではないわ。何より……『こう言う場面』こそ
私が最も輝けるべき時)

 私は『レミ』 玲実の中で一番の交渉と話術に適した者。彼、彼女等の先導者。

「……トレ、許可しますから、お話しなさい」

 静かに、助手席にいる『トレ(スタンド)』に促す。
そうする事で、わかりましたと不愛想気味に呟きつつ設定した>>186
『フラジール・リアクト』の能力を説明する筈だ。

>『ヴァンパイア・エヴリウェア』 どうかお見知りおきを

「あら、まぁ……ご丁寧にどうも。こちらこそ、宜しくお願いしますね」

慌てず騒がず、隣に現れた穂風さんの傘たいなスタンドに会釈する。

そして、私の回答は……。
 
 「……私の能力は……そうね、あるにはあるけど、使い難いですし
どう説明すれはいいものか」

 そう、少し言葉を彷徨わせてから。

 「……私の力は、誰よりも心から信じてる相手にしか作用出来ませんの。
決して恐ろしい力でもありませんし、悪用するならば悪戯程度には使えますかも
知れませんが……いま、私がこの力を使えるとすれば、『トレ』のみですわね」

 そう、自分のスタンドの名前は開示せぬものの、微笑みを浮かべ受け答えする。

嘘は、ついてない。【望まぬ相手の指定】は『トレ(スタンド)』だけにしか
指定出来ない、そして自分はこの中で心から信頼出来るものは『トレ(スタンド)』のみだ。

 更に、能力の概要を教えて欲しい強請られた場合。少し目を伏せ、こう言うつもりだ。

 「御免なさいね……昔、人と異なる事で謂われない責め立てをされたので。
余り、公開したくないの」

 繰り返すが、間違った事は言ってない。ただ、完全に真実を曝け出すつもりはない。
私達は、私達の平穏を守り抜く為ならば如何なる手段も使うだけだ。それが
倫理や社会的な規範を激しく犯すようなものでない限りは。

193『ある夏の思ひ出』:2016/08/11(木) 14:18:32
>>191 (葉鳥さん)
>>192 (遊部さん)

逢坂:「あぁ、これはご丁寧に」

   「私は逢坂冬美。よろしくお願いしますね」

   「同じ従者どうし、ね」

逢坂は『ヴァンパイア・エブリウェア』に挨拶をする。
トレも含めれば従者三人という状況である。
お手伝いさんとしてこれから働くことを考えれば五人だ。

逢坂:「能力、ですか。そんなに大変なものではないですけれど」

   「陽君は他の人の力を借りる能力」
 
   「響君は……すいません。本人から言わない様にと言われてまして」

   「凄くデリケートというか本人もあまり人前で見せびらかすものでもないと」

   「私は見せびらかしますけど」

葉鳥の問いに答える逢坂。
あっさりと答える。その言葉に嘘があるようには思えない。
そこまで重要視していないということだろうか。
警戒を抱いていないとも取れるかもしれない。
子供たちに、そしてあなたたちに。

トレ:「はい。お嬢様」

逢坂:「お、あなたも従者さん?」

トレ:「……私は自分自身に限り生理反応を自由に止める事が出来ます。名前は『フラジール・リアクト』」

逢坂:「おおー」

トレ:「なにか?」

逢坂:「ううん。なんでもありません」

トレは事前の取り決め通り、架空の能力を開示する。
トレは主人のよき従者だ。あなたの与えた役割に反することはないだろう。
それをちらりと、運転中でありながら視線をよこす逢坂。
そして、目を真ん丸にしてから、視線を前方に戻す。

逢坂:「これはこれは……独特の能力をお持ちですねぇ……」

   「いえいえ、大丈夫です。普通なら一般の方々がするお仕事、問題はありません」

スタンドについての追及はない。
やはり気にしていないというか、それをする必要がないと認識しているのだろう。

逢坂:「さて、ここです。ここ」

車が止まる。目の前には一軒家。
山小屋、ロッジという雰囲気ではない。
別荘、そういう呼称が似合うものだ。華美な装飾こそないが綺麗に手入れされているのが分かる。

逢坂:「それではしばらくの間、よろしくお願いします」

車からでた逢坂がドアを開ける。
陽の光がきらきらと木の間から差し込んでいるが、不思議と街中よりも暑さを感じない。
頬を撫でる風は涼やかでおいしい空気を運んでくれる。

逢坂:「では行きましょう」

特に何もなければ家の中に通されるだろう。

194葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/11(木) 23:10:59
>>192(遊部)
>>193(GM)

蝙蝠傘の従者は、消える前に返答に礼を返した。
そして――残された穂風も、返答に小さく頭を下げて。

「力を、借りる……ええと。
 そのっ。ありがとう、ございます」

        「あの……教えていただいて」

具体的にどういう能力なのかは、図りかねた。
もう一人――『響』の言い分も、十分に穂風は理解できる。

(スタンド使いだって知られたら、危ないこともあるしね……)

つまり、『レミ』の言い分も理解できるということ。
穂風もそういう経験は、ある。内なる従者の頷きを感じる。

(『生理反応』? ……?)

『トレ』の能力については――これも、意味を図りかねた。
そうこうしている内に、車は止まって。

「わ…………」

      ストッ…

降車して、辺りを見渡した。
別荘――自分が住んでいた屋敷とは違う、晴れた雰囲気の一軒家。



(すごい……空気が綺麗だし……お日さまも、風も。
 きっと、雨も……こういうの、テレビとかで見た事だけはあったけど……)

      キョロ
           キョロ

「は、はいっ! よろしく、お願いします!」

          ト トトト

しばし辺りを眺めたり、見回したりしていたが――逢坂の言葉を受け、後に続く。

195遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/11(木) 23:59:38
>>193(GМ)
>>194(葉鳥)

  鍋師 陽(なべし はる)…他者の力を借りる
 伏見 響(ふしみ ひびき)…不明。然しながら公衆に見せる事を
忌避する能力。予測として殺傷力のある広範囲系の能力者?

 真偽は解らぬものの、前者も後者も中々曲者らしい。
前者の少年の力の詳細によれば『トレ』が、私の力の一部である事を知られる
可能性もある。いや、逢坂の能力の『鑑定』と言うのも、もしかすれば既に『トレ』が
私の分身である事を看破してるのかも知れない。先ほどの、感嘆の声らしきものも
もしかすれば、だ。……だが、それに動揺を示す事はないだろう。他者の能力に悪戯に
関与するような性格では一先ず彼女等は無さそうだ…。

 >それではしばらくの間、よろしくお願いします

「えぇ、有難う御座います。こちらこそ……
トレ、トランクは重いでしょう? 私も運ぶのを手伝うわ」

 荷物で持ってきた衣類や洗顔道具類を詰めたトランクを車に
積むとすれば、普通考えれば後ろのボックスだ。平均的な女性並みの
力を『フラジール・デイズ』は所有してない。そして姿形から相応しく
『トレ』は華奢だ。私とトレがくっつき運ぶ事になっても何ら不思議でない。

 「……黙って聞いてて。少し演技に訂正と付け足しするわ」
近づいて、共に荷物を運びつつトレに耳打ちする。

「『フラジール・リアクト』について、また詳細聞かれた時。
生理反応でなく生理現象と次は告げなさい。彼女(葉鳥)、少し
不思議そうな顔してたわ。それと、続けて『私も一応女性ですので
品性が著しく欠ける話題になりますので、くれぐれも内密に』と、ね…」

 『生理反応』でもニュアンスで伝わったかと思うが、汗、涙、くしゃみ
げっぷ、及び月経などの女性ならではの生体の仕組みに及ぶものの
説明となれば、余り大っぴらげに話す事でもない。スタンドの力となると
尚更だ。こう内容を訂正すれば、次は自然と疑われる事ない。

 「それと、依頼の『兄弟』だけど。…貴方の判断で、『危害・危険』と思える行動。
スタンド能力を披露されれば、私と離れてる状態なら直ぐブザーで報せなさい。
 基本は私の傍にいる以外は逃走・回避だけども……
持ってる武器の『使用』も命の危険があれば許すわ」

  私は、良い人間ではない。もし、その『兄弟』が『私達』を脅かすものであれば
別荘と言う、この陽だまりに佇む壮観な中にいる如何に温和な人達であろうとも
容赦は出来ない。『私』は『私達』を守る為に生きている。

 『トレ』の服の裏地には『バーべーキュー串』が携行している。自衛が必須な
状況になれば、それを抜き放ち闘うだろう。殺傷力と言う意味合いよりも
相手を怯ませ、もし襲撃がある場合に時間を稼ぐ代物だ。平常、私の傍を離れる
時があるとすれば、最終的にそれは私が生き延びる時を作る状況であろう。

 「さぁ 行きましょう…
  つぼみを含んだ枝々が広がり
  そよ風を受け止めようとするのを見ると
  そこにもまた喜びがあると……
 (早春の賦:ウィリアム・ワーズワース)」

 詩を唱えると共に、『トレ』と共に荷物を運んで別荘に入る。
果たして、待ち受ける人々は一体どのようなものだろうか……。

196『ある夏の思ひ出』:2016/08/12(金) 00:35:18
>>194 (葉鳥さん)

図りかねる答えに内心小首をかしげる葉鳥。
しかし、なにはともあれ目的地についた。
温かな日差しと涼しい風に包まれながら葉鳥は逢坂に続く。

>>195

トレに近づき、持ち物を持つ。
トレはその行動に礼を述べ、遊部の傍にいる。

トレ:「はい。お嬢様。そのように」

武器の使用に関しても了承する。
あなたに従順なメイドはあなたの言葉を一字一句聞き逃さないだろう。
ただし、その武器の使用がどういう結果を生むかはまだ分からない。
逢坂曰く信頼が必要だ。

>>ALL

逢坂:「どうぞ」

扉を開ける逢坂。
そこは玄関口。通路と二階に続いているであろう階段も見える。
通路を進み、ドアを開けると広々とした空間が広がっている。

そこには、少年がいた。
ソファーに隣どうしで並んで座っている。
一つの本を一緒に読んでいるようだ。
片方は猫のような大きな瞳をした短髪で少し日焼けをした少年。
もう片方は本を隣の少年に見せている。
色素の薄い肌に長めの黒髪を結んでいて、髪は短い尻尾のようになっている。

パシャッ

後ろからそんな音がした。

197葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/12(金) 00:51:18
>>196(須々木)

「は、はい! どうもありがとうございます!」

     キュッ

靴を脱いで、屋敷内に踏み入った。
リボンの結びを、前髪を整える。

そして、非日常への扉が開いて。

「こっ、こんにちはっ!!」

「私、あの、葉鳥 穂風っていいますっ!
 今日は、あの、う……この家で、お二人の……」

挨拶は、はっきりと。
穂風は目を見開き、そうした。ある少女に教わったことだ。

       「あ、あのっ」

   「あ、う、ええと……」

        モゴ

そこから続く言葉が思い浮かばなくて、
二人の少年を前にモゴモゴと口を動かしていると――

「――――わっ!?」

  ビクッ

    ――後ろから妙な音が聞こえて、思わず振り向いた。

198遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/12(金) 01:16:04
>>196(GМ)
>>197(葉鳥)

 扉を開きエスコートする逢坂に微笑と共に軽く礼を添えて別荘に入る。
トレは、このような時の反応を提示してなかったが、私に続けて感情は
伴ってないものの形式的に礼は告げてくれるだろう。

 玄関口、通路、二階。

(そう言えば、同室になる可能性もある……か)

 少々不味い想定も今になって思い浮かぶ。
『フラジール・デイズ』の能力を考えれば、睡眠・気絶が起これば自動的に
解除。携行してる持ち物や服を残して、そこで消えるだろう。
 自分とトレが同室で二人で過ごすならともかく。もし、葉鳥と三人の部屋
もしくはトレのみが使用人の部屋を使う事になった場合どうするべきか。

(幸い、まだ時間はある……部屋の間取りを覚えてからでも遅くはないわ)

懸念はあるものの、まずは部屋の造り、そして別荘にいる人物の認識が
先決だとレミは考える。葉鳥より少し遅れて進み、見えてくるのは
日に焼けた外で活動しそうな少年、それと書斎などで良く過ごしそうな
真逆な肌をした少年が仲良く二人で過ごしてる図だった。

(少なくとも、どちらがどちらで迷う事はないわね)

 「初めまして、私、レミと言います。宜しくお願いしますね…
鍋師君に、伏見君。そして、隣にいるのは私のメイドでトレと言います。
どうぞ、彼女とも仲良くしてね」

 自己紹介としては、こんな所だろう。
行き成り、下の名前で呼ぶ事はしない。そして、この二人の名字が違うのも
ある程度、その背景に抱えるものがあるだろうと判断し、追及はしない。

 >パシャッ

(……?)
 
 今の音は、何だろうか。私的にはカメラのシャッター音のようにも水音のようにも
聞こえた気がする。だが、振り向かない事に真実は認識出来ない。
 だが、これは『振り向く』のが正しいのか? もしかすれば、いまの音も
『普通』なら聞こえない音なのかも知れない……。

 レミは、その音に反応して振り向くよりも。その音に対し
『少年二人』の動向を見る事にした。
 無言で、微笑んで二人の言葉を待つ。

 今、彼らは私達の自己紹介に。
そして振り向いた葉鳥の反応及び、その発生源に対し
どのような出方を取るのだろうか……。

199『ある夏の思ひ出』:2016/08/12(金) 01:44:05
>>197-198

先に気づいたのは日焼けをした少年の方だった。

少年:「響お兄ちゃん。お姉ちゃん帰ってきたよ」

少年が話しかける。
黒髪の彼が伏見響だ。すると隣の彼は鍋師陽ということになる。
二人とも小学生ぐらいだろうか。二人とも幼さの残る顔だ。
陽の方が響より幼く感じるだろう。

響:「ん? あ。お姉さん、お帰りなさい。えっと、そちらが……」

陽:「新しいお手伝いさん!」

身を乗り出してあなたたちを見る陽。
急に膝の上に陽がきて、響は驚いた様子だ。
響の腕が陽の体に添えられる。膝から落ちないようにしているようだ。

響:「えっと、葉鳥さんとレミさんとトレさん、ですよね。よろしくお願いします」

響:「僕は伏見響です。葉鳥さん、ゆっくりでいいのでお話ししましょう」

響:「レミさんはメイドさんがいるんですね……そんな人がお手伝いさんってきんちょ……」

陽:「あっ! ピース!」

響:「え?」

二人と一体の顔を見て名前を再確認する響。
突然の音に思わず振り向く葉鳥。
後ろには後ろから歩いてきていた逢坂だった。
スマホを構えている。先ほどの音はスマホのシャッター音だったようだ。
顔には満足そうな笑みを浮かべている。

陽:「ねね! きれいに撮れた?」

逢坂:「撮れましたよぉ。ばっちりですばっちり」

陽:「もー撮る時言ってよー」

どうやら三人にとっての日常らしかった。

響:「あはは。すいません。えっと、お茶を」

逢坂:「響君。大丈夫、私がやります」

逢坂が部屋に入り奥にあるキッチンの冷蔵庫に歩み寄る。
ソファーに座って待つのもよし、それ以外をするのも、まぁいいだろう。

200葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/13(土) 00:42:29
>>199(GM)

    「……あっ!」

音の正体――それはこの家の日常。
非日常の予感に、張りきりすぎていたかもしれない。

(スマートフォンの、カメラの音……
 ううん、違う。それより、ちゃんと話さなきゃ。)

穂風は口下手を自認してはいる。
けれど。話し嫌いでは決してない。
大きく息を吸い込んで、それから吐き出して。

「…………はいっ。
 新しいお手伝いさんですっ!」

質問――ではないのかもしれないが、笑顔で答えた。

「響さん、陽さん、あの、よろしくお願いします!」

            ペコ

穂風は大きく頭を下げた。
相手が子供とか、そういうのは礼節に無関係の話だ。

「……あっ! あの、逢坂さん。
 お茶、私が……淹れましょうか?」

      ススッ

これは逢坂の仕事なのかもしれないが――穂風はお手伝いさんに真剣だった。

201遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/13(土) 09:57:38
>>199(GМ)
>>200(葉鳥)

(カメラのシャッター音…)

 鍋師 陽、伏見 響。そして逢坂 冬美

当たり前ではあるが、この三人は家族当然、いや家族なのだろう。
その絆が今の1シーンだけでも見て取れる。

 「……トレ、貴方もお茶のお手伝い、お願いしてくれる?
本当は私も手伝ったほうがいいけど、貴方のほうがやはり慣れてるし…
それに、この家での淹れ方も学ばせて貰いなさいな」
 そう、葉鳥を含め三人。逢坂を手伝うとなれば台所も大所帯になるだろうし
自分のお役目は不足だ。上記の通り、お茶の一つでも、この家の通りに出来るほうが良い。

 葉鳥さんは意気込みをもって働こうとしてる。その熱意や純真に仕事を
こなそうとする姿勢は、素直に敬意は抱ける。
 私は、私で自分で他の役割を今は勤めよう。

 「ほら、髪が少し曲がってるわ…」

 そう、トレの髪を少し弄る為に顔を寄せ。

 ボソッ「『武器使用』と『ブザー』は一時リセット。また改めて支持を出すわ。
わかったのならば、無言で微かに私に解る通り頷いて」

そう、小声で演技に訂正を加える。

 ……先ほどのやり取りからも、この別荘の『家族』の絆は深いように思える。
三人ともスタンド使いであり、そしてその三人の内、一人でも何かしら被害が起きれば
残り二人の連鎖反応がどうなるか余り考えたくない。
 武器を取り出してまで自衛するとなれば、余計な波乱が目につきそうと思ってのリセットだ。
今は普通にメイドとしてトレには振る舞ってもらおう。

 トレが頷き台所へ向かったら、私は彼ら二人と少しばかり談笑する事にする。

少し彼らと適当な距離を保ち、座っていいかの許可をとりつつ口を開く。

「改めて、宜しくね。それで、余り畏まらなくて良いのよ? 伏見君
彼女と私は幼馴染のような間柄で、一応形式をもって主従関係は
保ってるけど、普段家では彼女も歯に衣きせない言い方だもの
多分、君たちのように明け透けのない付き合いだと思うわ。
あっ、こう言った事はトレに内緒よ?」
 
 そう、笑いつつ告げる。 
嘘はついていない。普段は他の人格達の演者をこなす時のフラジール・デイズは
曲解なく自分と意見のやり取りをするのだし。

 「あの…それで、お手伝いなのだけど。基本的に私は
どんな事をすればいいかしら? 私って、トレと違って他の方の
お世話ってするのは何分初めての経験だし……何に手をつけて
いいか暗中模索って状態ね」

 お手上げと、言うポーズをとる。こう言った自分の弱さ、を露呈する
事で少しは親近感がもてればいいと思う。

「鍋師君と伏見君は、私にして欲しい事って今ある?
あぁ、男の子のする遊びについては、ちょっと余り解らないけど…
それ以外なら何でもサポートするわよ」

 軽く、腕に力こぶを作るポーズと共に朗らかに告げる。
『依頼』は、通すつもりだ。私の心の内に、彼らとの信頼が紡がれるかは
ともかく。少なくとも彼らが私の領域を壊さなければ、私も彼らの領域を
極力傷つけぬように。良い関係を築けるなら、築く努力を行おう。

202『ある夏の思ひ出』:2016/08/13(土) 23:26:31
>>200 (葉鳥さん)

陽:「よろしくねー」

響:「よろしくお願いします」

頭を下げる響。陽はきゃっきゃと無邪気な笑みを向けている。
それから響に促され慌てたように頭を下げた。

逢坂:「え? んー……じゃあ、お願いしちゃおうかな」

そういうと逢坂は葉鳥を台所となっているスペースに呼ぶ。
行ってみれば調理場にガラス製の急須らしいものが三つおかれている。

逢坂:「えっと、お茶葉入れてください。そこにある奴です。大体スプーン三杯で。三つとも」

とんとんと指示を出していく逢坂。
指さしながらモノの置き場所などを伝えてくれている。
分かりにくいということはないだろう。

逢坂:「で、氷は冷凍庫のを入れてもらって、後は水入れてください。水道のじゃなくて、冷蔵庫のお水で」

どうやら水から出すお茶らしい。
やってみよう。

>>201 (遊部さん)

従者であるトレに指示を出す。
演技の訂正、それと家事の指示である。
トレは静かに、そしてあなた以外に気づかれない様に頷いた。
そして、台所へと向かう。
お茶の準備を葉鳥に任せているためか別の仕事を任されているらしい。

響:「あはは……お手伝いさんとか、慣れてなくて。ハルはそんなことないんですけど、ボクはちょっと……」

陽:「でも、お姉ちゃんには慣れたじゃん」

響:「うん」

柔らかな笑みを浮かべる響。
陽と話しているときは遊部や葉鳥に見せるような少し緊張した感じがない。
人見知り、というよりは距離感をどうつかむかが問題なのかもしれない。

陽:「どんな事……? 一緒に遊んだり?」

響:「家事はボクらもお手伝いする時あるし」

陽:「この間一緒にお風呂洗ったよね」

親近感が持てたのだろうか。
陽は相変わらずだが響は少しずつ話すときに考える間が無くなっていっている。

陽:「して欲しいこと? うーん……」

響:「お話とか?」

陽:「一緒にお散歩?」

響:「逢坂お姉さんはお勉強見てくれたり?」

パッとは出ないようだ。

203葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/13(土) 23:46:06
>>202(GM)

「はいっ! やらせて、いただきます!」

       ペコ

穂風は頭を下げて――仕事に入ろう。

指示を聞いて、頷く。
やってやれないことは、きっとないはず。

「これ、ですね。」

      「……」

  ス…

      トン  トン

まずは急須に、お茶の葉をすくって入れよう。
これは簡単な事だ。場所も、既にわかっている。
S県といえばお茶の名所――というのは最近知った事。

きっと、これもいいお茶だろう。
さて、この後はケトルを――

「あっ! あの、お湯じゃあないんですね……!」 

          「分かりましたっ!」

そういうわけで、冷蔵庫の方に行って戸を開けよう。
まずは氷を取って、それを急須に入れるのだ。

                 ・・・・ここまで問題ないだろうか?

204遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/14(日) 18:18:31
>>202(GМ) (レス遅れ失礼しました)


 「お勉強のお手伝いね。それなら、私でも少しなら
力を貸せそうね。遊びは、あとで一緒にしましょうね。
葉鳥さんにトレ、貴方たちのお姉さんも誘ってね・・・」

 微笑んで相槌をうつ。

 「お散歩、いいわねぇ。私、森の中を歩くのって凄く好きなの
木陰で詩を朗読したりしてね……最近ではリルケを良く読むわ
鍋師君と伏見君は、詩が好き?」

 「お風呂掃除……あぁ、トレが良く排水溝部分を
重曹と酢で綺麗にしてるの、見た事あるわ。あぁ言う事かしら」

『私(レミ)』の知識は人格達の中では比較的に高い。家事は主にベソが
出れない場合は担当するので、特にこの別荘に異常がない限り
掃除、洗濯などは問題ないだろう。

 …少し、彼らについて踏み込もう。

 「それにしても、此処は良い所ね。まだ来て数分程度だけど
空気も美味しいし、鳥は歌い花は咲いてるし…
―光輝く夏の日に僕は庭を歩き回る。
 花たちが囁き話しかけても、僕は黙って歩き続ける(byハイネ)……ってね」

 茶目っ気を含んだ笑みを見せつつ、ハイネの詩を暗唱すると共に質問する。

「さっき、鍋師君が『新しいお手伝いさん』って言ってたけど…
お手伝いさんは、良く代わったりするの? それとも、以前いた
人が何か事故か、此処で粗相でも起こしたのかしら」

 そう、二人へと特にその事を気に掛けてる訳ではないが話題の
一つとして挙げたと言う感じ。何気ない様子で訪ねる。

 二人の名字が違う事や、この別荘に他に人がいるか、また彼ら二人の
家族構成など。余り最初に深く探るようなものでもない。おいおい、もう少し
機会と、そして葉鳥さんに若しくはトレを通じ情報を得れるだろう。

 今は、少しでも行動する事に対し情報が不可欠だ。ゆっくり、外堀から
この『依頼』の中に『私』が手出ししてはいけないものがないか見極めて行こう。

205『ある夏の思ひ出』:2016/08/14(日) 22:49:08
>>203 (葉鳥さん)

逢坂:「えぇ。水で出すお茶なの」

逢坂はそう答えると慣れた手つきで包丁を扱う。
桃を切っている。
瑞々しい果汁があふれているのか包丁で刺したり、切ったりするたびに包丁や逢坂の手が濡れていく。
ほのかに桃の甘い香りが漂ってきていた。
トレは皿などの準備をしている。

氷を取り出し、急須に入れる。
ガラスの急須は冷たく、それ自体が冷やされていたようだ。
それを横目で見てうんうんと逢坂は頷いている。
問題はない様だ。
 
>>204 (遊部さん)

陽:「詩の朗読? 僕はしないけど、お兄ちゃんは?」

響:「うーん……したことはないかなぁ。好きか嫌いかで言ったら、好きかなぁ……」

やはりというべきか陽はそういった方面への知識はあまりないようだ。
響はかろうじてあるだろうが、それが遊部の知識と重なるかは謎だ。
少なくともリルケについては知らないようだが……?

響:「いいところ……はい。とっても」

陽:「お姉ちゃん、お花とお話しできるの?」

響:「ハル、比喩だと思うよ」

陽:「ひゆ?」

響:「今度教えてあげる」

遊部の言葉に同意する響。陽は特にそれに感じるところはないのかもしれない。

陽:「お手伝いさんは変わんないよ。ここに遊びに来るときにお姉ちゃんが二人いたんだけど」

響:「逢坂お姉さんと、周防お姉さんです」

陽:「でも周防のお姉ちゃん色々あっていないんだよね」

響:「逢坂お姉さんも教えてくれないしね」

陽:「うん。でもレミお姉ちゃん達がきてるからいいのかな?」

206葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/14(日) 23:26:35
>>205(GM)

「そう、なんですね。
 わかりました、ありがとうございますっ!」

    コクリ

        「続けます……ね!」

ここまでは問題ない――らしい。
穂風は頷く。これは応答であり、納得の頷きだった。

(あの桃……美味しそう。)

・・・・包丁捌きに見惚れていてはいけない。

(お水も、きっといいお水なんだろうな……)

      ス

水道水も飲める――というのは穂風は知っている。
あえて使うという事は、この水もきっと、良い物なのでは?

ともかく――冷蔵室から水を出そう。
そして、戸を閉めよう。あとは急須に入れるだけ。

  ドキ
           ドキ

(こぼさないように……っと……)

    ソロ〜

          コポポポ…

ボトルから水が、氷で満たされた急須へと入って行く――はずだ。

207遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/14(日) 23:34:13
>>205

>周防お姉ちゃん

 新しい人物が挙げられる。頭の中にその情報を入れる。

そして、逢坂 冬美が教えてくれない。と、言うのはどう言う訳なのか。
 子供たちに教えるには都合の悪い事情、もしくは相応の不慮の出来事が
起きたのかも知れない。子供に吹聴するには世間体に関わる男女の事柄などの
可能性もあるが『私』は、この今しがた入手した事柄は『依頼』に密接するのでは? と考える。

 「うん、そうねぇ…きっと周防お姉ちゃんも、大人の人だから
色々忙しいんだと思うわ。他の事が終われば、きっとすぐに二人の元に戻るわ」

 根拠はない。或いは最悪な想定もあるかも知れないが、子供にそれを示唆するべきでもない。
そう、当たり障りのない言葉を告げると共に頬に手を添えて呟く。

 「そう言えば、お姉さん。逢坂さんね……。私達に告げたわ
『信頼が必要』って。でも、それって難しい事よね?
 だって、二人からすれば。私と、トレ。それに葉鳥さんも
逢坂さんと言う、貴方たちのお姉さんが紹介した人とは言っても
全くの赤の他人でしょう? 誤解しないでね、私は貴方たちが
とっても良い子だって思ってるし、そう願ってるもの」

 けどね、と一度息を整えてから言葉を整理して二人へ緩急つけて喋る。

「けど、『信頼』って言うのは特殊な状況で過ごしたとか、そう言う背景が
ない限り、長い時間があってもそうそう築けるものではないと私は思うの。
 私は高校生で。貴方たちの倍ぐらいの学生生活を送ってると思うけど
それでも心から全て託せるぐらい貴方はクラスメイトを信じれますか? って
誰かに聞かれたら。そこはイエスと頷けられないと思うわ。
 それぐらい、『信頼』ってアバウトなもので。けど、それは作れたら
とっても素敵なものだと思うわ。だからね、二人には覚えて欲しいの。
 私は貴方達と初対面で、少なからずちょっと距離を置くような態度が
あるとしても、それは貴方たちと仲良くなれるスペースが残ってるって事だって。
 そして、私は二人とも、二人のお姉さんとも葉鳥さんとも。出来うるなら
自分が密かに抱えてるかも知れない秘密だって共有出来る仲になりたいって私は思ってる。
 此処で過ごす限り、お仕事が終わるまで・・・いえ終わっても私達の仲は続いていく
 ……ってね? 私と約束してくれる?」

 右の手を出し、小指を立てる形を作る。いわゆる『指切りげんまん』と言う奴だ。
この子たちが、根から邪悪でもない限り。『私』の嘘偽りはない、心からの言葉に
共鳴してくれるなら…彼ら二人はこの先、この別荘で何が起きても自分達と手を
合わせてくれる心強い仲間になってくれるかも知れない。むろん、依頼を考えるなら
この子たちを守る事こそ自分や葉鳥の務めなのかも知れないが。

 ともかく、鍋師 陽と伏見 響と『約束』を立てる。
不和になる可能性もなきしにも非ずだが、この子達に限り
誠意のある言葉と誓いを無下にはしないと『私』は想いたい。

208『ある夏の思ひ出』:2016/08/15(月) 00:10:54
>>206

逢坂:「はあい」

葉鳥の姿を見て逢坂は微笑む。
柔らかい笑みだ。ここに来るまでに見ている笑みなのだ。

冷蔵庫に入っていた水は天然水らしい。
スーパーなどでたまに見るものと同じだろう。
庶民的といえば庶民的なのかもしれない。
冷蔵庫の中には食料品や飲料、調味料が並ぶ。
どれもスーパーなどで買いそろえられるもので、おそらくそうしているのだろう。
いくつか口をつけて残したものもあった。なぜかエクレアが多かったが。

急須に水が入っていく。
適量を入れると既に桃を切り終えたらしい逢坂がスプーンを持ってきた。

逢坂:「後は軽く混ぜるだけです。とりあえず、向こう持っていきましょうか」

後ろには桃が盛られた皿を持ったトレがいた。

>>207 (遊部さん)

周防お姉ちゃんを脳に仕入れ、思案する遊部。
当たり障りのない言葉で反応を返すと、そうかとうなずく陽。
響は苦笑いを浮かべていた。

信頼についてはなし、指を出す遊部。
その言葉に陽は純粋なまなざしで小首をかしげた。
この鍋師陽という子供に、その話は難しかったのかもしれないし
元よりこの少年は人をあまり疑わない性質なのかもしれない。
信頼。たとえ初対面でも好印象ならそれに足る人間だと感じてしまうのかもしれない。

陽:「? 僕は」

響:「いいんだよ。ハル。ハルはハルで、お姉さんはお姉さんだから」

陽:「うん! これから仲良くなればいいもんね!」

さっと小指を絡める陽。それに続いて響も陽の指の上から重ねる様に指を絡めた。

陽:「あ、じゃあ僕のこと陽って呼んでよ!」

209葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/15(月) 00:49:34
>>208(GM)

穂風はすこし身構えていたが、水は普通だった。
冷蔵庫の中身までちゃんと確認する余裕は、なかったけれど。

「…………よしっ!」

    コト

ボトルを置いて、額をぬぐう。
どうにか初仕事は上手く行ったのだ。

穂風は少し、安心する。
やってやれないことは、まずはなかった。

(次は、ええと、何をすればいいんだろう。
 あの二人と、一緒にお話すればいいのかな。)

           「あっ、はいっ!」

   カチャ

急須を持って、逢坂の後に続こう。
この後のことは、これからきっとわかるはずだ。

(お手伝いさん……まだまだこれからだよね。がんばらなきゃ。)   

仕事はまだほんとうに、始まったばっかり。
穂風はまず、手に持った急須を落とさないよう、お茶をこぼさないよう。

      ソロ    ソロ

                    ・・・・気をつける。焦らないように。

210遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/15(月) 19:32:13
>>208

三人分の小指が、重なり合い一つの熱となり約束の誓いの感触を一層増させる。

『レミ』は笑みを濃くして、こくりと頷いて適当な時間と共に指を離した。

「うんっ 陽(はる)君 響(ひびき)君。これで私達、信頼の第一歩を築けたわね。
…のど渇いちゃったっ! 色々と、お喋りしたものね。
私はよく紅茶を飲むけど、陽君や響君も飲むかしら? 後で
トレと私で、適当な時に美味しい紅茶を良ければ淹れるからね。
紅茶を入れる事だけは、自信あるの。私…」

 そう、笑いつつ一先ず話を締める事にする。そろそろお茶も出そうな頃合いだし
質問する事が起きれば、その度、時間を見計らって二人か逢坂に尋ねよう。
 まだ家に入って間もないのだ…ゆっくり、焦らずと進もう。

211『ある夏の思ひ出』:2016/08/15(月) 22:37:17
>>209 (葉鳥さん)

特別な水ではなかった。
急須に水を注ぎ、逢坂の後に続く。
急須はコップの置かれたお盆と共に持って行っていく。

>>210 (遊部さん)

約束の誓いを確認する遊部。
二人の名前を呼ぶと、陽は元気に響は少し恥ずかしそうに笑った。
そして、お茶や桃が運ばれてきたので、三人の指は解かれた。

響:「紅茶、買っておいてもらいますね」

>>ALL

逢坂:「えっと、お二人はお手伝いってことで色々と雑事をしてもらうんですけれど」

急須からお茶を注ぎながら逢坂が言う。
ソファーは二つ。二つが机を挟み、片方に陽、響、逢坂。もう片方に葉鳥、遊部、トレが座っている。
机には切られた桃、フォーク、急須、お茶の入ったグラスがある。

逢坂:「基本的には陽君や響君に危険がないように見守ってもらったり、家事とかですね」

    「買い出しは車使うので基本的に私がやりますね。この別荘は好きに使ってもらって構いませんよ」

    「私も好きに使っていますし。壁が壊れたりとかそういうのしなければ」

曰く、山の森には猛獣が出る可能性があるらしい。
その他、山を歩いていて危ないところにいかない様に見ておく役割などがあるようだ。
家の中での仕事も普段家事をしているならできる範囲のもので、特殊な技術は必要なさそうだ。

逢坂:「えっと、別荘の中ご案内しないといけないですね」

そういった時だった、逢坂のエプロンの下から軽快な音楽が聞こえる。
慌てたように逢坂が席から離れると携帯電話で通話を始めた。
どうやら携帯の電波は通じるようだ。

逢坂:「はい。こちら逢坂です。イツキさん? え、見つかったんです? はい……わかりました……向かいます」

通話が終了すると逢坂はまた席の方に戻ってくる。
顔はいつものように柔らかな笑みを浮かべて。

逢坂:「えっと……すいません。急用が出来まして、一度街に戻らないといけないんです」

    「それで、別荘の案内なんですけどぉ……そのぉ……陽君たちに任せてもいいですかね?」

陽:「僕はいいよ!」

響:「ボクも大丈夫」

逢坂:「ありがとうぅぅぅ〜〜」

響たちの頭を撫で繰り回す逢坂。
とても愛おし気で嬉しそうだ。

響:「わわっ……葉鳥さんやレミさんがよろしければ、ですけど」

212葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/15(月) 23:31:52
>>211(GM)

運び終えて、席に着いて――話を聞く。

       ソワ

お茶を入れるべきか?
とも穂風は思ったが、それはどうやら違うらしい。

「見守る……家事……」

(猛獣……って、熊さんとかかな?
 こんな山の中だもんね、いてもおかしくない……)

       「は、はいっ! 分かりました。
        壁とかは壊さないようにします」

もちろん元から壊す気なんてないけれど。
もしものことが無いように、気をつけよう。

   ムフー!

穂風は大きく、気合のこもった息を吐く。
そして、別荘内の案内について。

「あ、う……ええと。
 は、はい! 大丈夫です!」

可愛がりの様子に少し呆気にとられたが――

「その、陽くん、響くん、案内よろしくお願いしますっ!」

         ペコー

穂風はすぐに、響と陽に向けて、大きく頭を下げてみせた。

213遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/15(月) 23:44:45
>>211(GM)

>イツキさん? え、見つかったんです? はい……わかりました……向かいます

(…………)

 >一度街に戻らないといけないんです

「あら、そうなんですか……街まで行かれるとなると、帰りは遅くなる
かも知れませんね。夕飯は、どうしておきます?」

 帰りの時刻を確認しておく。いま現在は昼下がり位だろうが、街までの
往復する時間を考えれば少なくとも陽が沈んで夕方にはなるだろう。

 「……えぇ、それじゃあお願いするわね。別荘の中、案内してくださいね
小さなジェントルマン方」

 微笑んで、陽君と響君に受けごたえする。だが、思考では別の事も考える。

特に、不穏な空気も出さなかったが。先ほどの会話……『イツキ』 『見つかった』
などの内容……先ほどの話に出てた『周防』に関係がある?

 いや、まだ変に勘くぐるべきではないのだろう。だが……『何か起こる』気がしそうだ。

 「あ……差し支えなければ、出かける前に逢坂さんの電話番号、登録させて下さい。
何がする必要な事あれば、すぐしますから」

 もしかすれば、車内などで番号の連絡を既にしてたかも知れないが。
念のために情報の共有が出来るようにしておく。報告連絡相談、ほうれんそう
とは良く言ったものだ。

214『ある夏の思ひ出』:2016/08/16(火) 00:10:51
>>212 (葉鳥さん)

お茶は逢坂がお盆を置いてからしばらくして淹れ始めた。
彼女自身の体にその動きが染みついているのだろう。
仕事の内容を復唱し理解する。
気合のこもった息に呼応するように逢坂はうなずく。
その様子に陽や響もまっすぐな視線を注いでいる。

撫でまわし頬ずりまで行きそうな逢坂だがきゅっと響に押されて残念そうに二人から離れた。

陽:「うん! よろしくね!おねーちゃん!」

>>213 (遊部さん)

逢坂:「帰る時間ですか? 夜までには帰りますし、大丈夫だと思いますが」

    「なにかあったときはよろしくお願いします」

陽:「じぇん、とる?」

響:「紳士、だよ。多分」

電話に出てきた単語や周防に考えを巡らせるが今はまだわからない。

逢坂:「電話番号? いいですよ」

逢坂はすぐにOKを出していた。

>>ALL

逢坂は二人に電話番号などの連絡先を渡して下山していってしまった。
見送った葉鳥や遊部たち。
それから陽が胸を張って二人と一体の前に立った。
響は陽の後ろについている。

陽:「じゃあ! 僕たちがご案内します」

響:「します」

陽:「どこから?」

響:「決めてないんだ……トイレとかお風呂は一階だから、そこから?」

陽:「あ、お部屋! お部屋行こ! 二階二階! トイレとかは一緒に案内したらいいし」

響:「お手伝いだったら倉庫とかの位置分かった方がいいのかな……?」

どちらの意見を取り入れても全部見ることになるだろう。
部屋と屋外にあるらしい倉庫、どちらに行くのも自由だ。

215葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/16(火) 00:39:34
>>214(GM)


      ・・・

          ・・・


逢坂の下山を見送り、気合十分の穂風。
さて――早速、二人に案内をしてもらうわけだ。

「はいっ! よろしく、お願いします!」

       コクリ

まずはどこから――と。

どうやらそれを決める必要があるらしい。
穂風は話を聞くが……

「ええと……あ、ええ……」

(どうしよう、順番……倉庫とかって、
 いったい、何があるところなんだろう?)

     (どっちからがいいんだろう……ううん。)

知らない家の知らない場所。
この仕事にどっちが大切なのか、大切な方から行くべきなのか?

穂風は少し、考えて。

「あ、ええと。あのっ。」

「先に、部屋の方がいいかなって。そう思います。
 べつに、深い理由があるとかでは、その、ないんですが。」

実際深い理由は無い――が、決めるべきことだ。

            チラ

穂風だけの意見で物事は動かない。
『遊部』と『トレ』の方を見て、彼女らの判断を待ってみるのだ。

216遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/16(火) 19:05:29
>>214(GМ)
>>215(葉鳥)

 張り切って私達をエスコートしようとする少年二人。
そして、部屋の案内を先にお願いしたいと告げる葉鳥さん。
 それに対し特に別の意見はない。最終的に全部の部屋をチェック
するだろうし、それよりも気にかかる事も幾つかある。

 葉鳥の言葉に同意するように頷き、口ひらく。

「えぇ、私もお部屋の案内を先にお願いするわね。トランクも、一階に
置きっぱなしにするのも何だし…着替えとかも入れてるから、泊まる
部屋に一先ず置きたいわね。トレ、貴方も良いかしら?」

 基本的に、主人の言う事を先決するように演技として設定してる手前
このような確認は不必要とも思われるが。私と『トレ』は対等な関係でありたいと
個人的にも願ってるし、そして外聞でもこのような動きが良い。

 不愛想に了承を彼女が取るのを確認した後に、ふわりと微笑みを再度浮かべつつ
三人に頷いて告げる。

 「良いと言う事だし、それじゃあ行きましょうか…」

217『ある夏の思ひ出』:2016/08/16(火) 23:05:26
>>215 (葉鳥さん)
>>216 (遊部さん)

部屋を選択した葉鳥。
遊部もそれに賛成し、トレも賛成する。

陽:「じゃあご案内しまーす!」

響:「しまーす」

トイレや風呂の位置を確認する。
風呂は大きく三人ぐらいは入れそうであった。

トントンと階段を上がると二階。
途中で陽の話の話を聞くと、二階立てで三階は屋根裏部屋らしい。
ドアの並ぶ廊下、おほんと陽はわざとらしく咳ばらいをしてみる。

陽:「ここが、おねーちゃんの部屋!」

響:「逢坂お姉さんたちの部屋です」

階段から一番近い部屋が使用人の部屋らしい。
本来は二人で使う部屋である、と響がつけたす。
遊部は逢坂ともう一人は周防という女性が使う部屋だというのがわかるかもしれない。

陽:「隣が僕たちの部屋!」

はる、と木の札に書いてある。
僕たち、というのだから響と共同で使っているのだろう。

陽:「その隣がお父さんたちの部屋」

響:「なので、その隣二つが皆さんのお部屋、ですね」

三人で二つの部屋を使う形になる。
逢坂に確認さえすれば使用人の部屋も使えるだろう。

218葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/16(火) 23:22:01
>>217(GM)
>>216(遊部)

「あ、はいっ! お願いしますっ!」

   ・・・

 (お風呂、大きい……
  三人くらいは入れそう!)

            ・・・

  ・・・


         トン
             トン

二階に上がって――部屋の案内を受ける。

「わぁ……」

(周防、さん……? どんな人なんだろう?)

廊下に、たくさんの部屋。
思い起こすのはかつての暗い屋敷――

            ・・・それと、アパート。

「お部屋、あ、たくさんあるんですね。
 ええと……私たちのお部屋、その、確認しますねっ」

(お部屋、二つ……トレさんは、
 レミさんと一緒のお部屋だよね?)

     チラ

お手伝いの入れ子構造と化している『トレ』を一瞥してから。

    スス

穂風はやや心を高鳴らせて……
今回の仕事で『私室』となる部屋を、覗いてみる事にする。

             「お邪魔しますっ……!」

219遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/16(火) 23:38:08
>>217(GМ)

別荘と言う事もあり、やはり風呂も相応の広さがある。
 トイレも特筆して目立つものもない。二人の導きに素直に従い見て回る。

 (屋根裏部屋も、あるのね…倉庫と言うのもあると言ったし
特に重要なものがそちらに置いてある事はないかも知れないけど…
まだ、時間はある。あとで時間あれば見ておけばいいわ)

 そして、二人の説明で二階の構図は大体判明した。

                    
 『両親の部屋』←『響/陽の部屋』←『使用人部屋(逢坂/周防)』←『階段』

と、言う図になり。両親の部屋が基本、私とトレ。葉鳥さんの部屋になると言う事だ。

 (二つ部屋がある。区切りがあるものの、何かあった場合すぐ出入りは可能として
施錠する器具はドアにあるのを想定しても『トレ』を再発現して瞬時に対応出来るか?
 と、考えると少し考えものね……早めに少し起きて下準備だけ考えましょう)

 葉鳥に続いて室内に入る。間取りに、ドアの構造や窓から見える景色など
トランクを置いてから確認出来る部分は確認しよう。

220『ある夏の思ひ出』:2016/08/17(水) 00:01:52
>>218 (葉鳥さん)
>>219 (遊部さん)

部屋の描写が不足していたので加筆します。
部屋の並びは
『空き部屋』『空き部屋』『主人の部屋』『陽たちの部屋』『使用人部屋』の並びです。
          ↑
上の矢印で指された部屋に入っています。
描写不足をお詫びします。

扉を開ける葉鳥。
遊部はそのあとに続く。
ドアは丸い回すタイプのドアノブがついていた。

部屋の中にはベッド、空の棚。テレビが置いてある。
後はクローゼットだ。
エアコンも完備している。
本来は客を案内する部屋らしい。
ベッドは大きく、二人でも問題なく眠れる大きさだ。
恐らく隣の部屋もそうだろう。
窓は部屋に一つだけ。陽の光を部屋の中に入れてくれている。

響:「あれ?」

陽:「どうしたの?」

響:「窓、空いてる」

響が指をさす。たしかに窓が開いている。
前回ではないが、スライドする窓は半開きであった。

陽:「お掃除のときに閉め忘れたのかな?」

響:「逢坂お姉さんが?」

陽:「うん」

陽はとことこと窓を閉めた。

陽:「あ、屋根裏行く?」

響:「え? あそこ行くの?」

陽:「うん!」

響は唇を尖らせる。
陽はにこにこと笑っている。

陽:「僕らの秘密基地なんだ!」

221葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/17(水) 23:46:23
>>220(GM)

「わ…………良い部屋、ですねっ。」

         キュ

    「おっきいベッド……」

穂風は部屋に入って、室内を見渡す。
ベッド、棚、テレビまであるし――エアコンもある。

   キョロ

        「良い部屋だなぁ……」

(本当に、お金持ちの別荘なんだなぁ……
 そうだ。私、ここでお泊りしてお仕事するんだ)

入って改めて、これからの仕事を実感する。
これからも何度も実感するかもしれないけれど。

             ――と。

「…………え?」

「あ、ホント、ですね。窓……」

      (……閉め忘れ?)

穂風は逢坂のことを思い出す――短い付き合いだ。まだ。
全く忘れ物をしない人間など、いないようにも思う。

・・・けど。

         チラ

「……」

(……なんだろう。ううん、気のせいだよね)

少しだけ、穂風は気になっていた。
けれど今何を出来るという話でも、ない。

それより――

「屋根裏――えっ! あ、え……秘密基地、ですか?」

      「いいんですかっ、その、私たちが入って。」

    「秘密、なのに。その。」

秘密基地! その素敵な言葉が穂風の目を見開かせた。困惑の色もあるけれど。

222遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/18(木) 00:08:31
>>220(GМ)
>>221(葉鳥)

「本当、良い部屋ねぇ」

葉鳥さんに続けるように部屋を見渡して感想を唱える。三人の視点は
部屋へと意識が寄ってるだろう、さりげなく『トレ』に耳打ちする。

『後方に意識を配って。何が不審な事があれば直ぐ私に言いなさい』

そして、窓の件へと移る。穏やかな笑みを崩さず私は静かに二人へ告げる。

「…陽君、響君。暑いので換気のために開けてたって事はない?
今日、私達が来るから逢坂さんが気を利かせて開けてくれてたのかも知れないわ。
 因みに普段はお掃除が終わったら此処の窓は閉めてるの?」

 さりげなく、彼ら二人が窓を閉じた時に質問してみる。
 いま、彼ら二人に余計な不安な芽は植えつけないほうがいい。不自然な点が
あるならば、フォロー出来る点は私の機転で、そうかも知れないと納得させるのが
彼ら二人の為になるだろう。危険な状況になると判明したのならば
その時はその時で説明すれば良い。

トランクは一先ず、置いておく。後で、葉鳥さんと二人だけで
話す都合がある場合、トランクを置いていたと言う理由で入室出来る。

 『違和感』が、いまこの時生じている。彼ら二人のやりとりを見るに
私の気の所為とかでなく。何時もはこの部屋の窓は閉じているのが彼らの
日常の内の自然なのだろう。それが破られてると言う事は『非日常』なのだ。

 「屋根裏部屋が秘密基地なの…良いわね、そう言うの。
私も、もっと小さい頃。お友達とそう言う遊びがしたかったわねぇ」

 しみじみと呟きつつ三人の後ろに付いて行く形で次の場所、屋根裏に
向かう事にする。その前に、可能ならばもう一つの『飽き部屋』も窓が
空いているのか確認してみる。

223『ある夏の思ひ出』:2016/08/18(木) 00:56:13
>>221 (葉鳥さん)
>>222 (遊部さん)

十分な環境だ。
快適に過ごすことが可能だろう。

トレ:「はい。お嬢様」

トレはあなたの指示に従う。
さりげなく、後方に意識を向けている。
しかしおかしなことは起こりそうにない。
今は、とつく可能性は捨てきれないが。

陽:「お姉ちゃんは虫入るからって閉めてたと思うよ」

響:「換気はしてますけど、掃除が終わったら閉めてました……多分ですけど」

曖昧ながら答える二人。
二人は特に危機感を抱いていない様子だ。
逢坂が珍しく閉め忘れていた、くらいのものだろう。
二人はお互いの顔を見合わせて珍しいね、と言い合っていた。

陽:「いいよ!」

響:「ハル……ボクには一週間ぐらいしないと見せてくれなかったのに」

陽:「えへへ。いいでしょお兄ちゃん? お願い! おーねーがーいー!」

響:「むう……いいよ。ボクのお家でもないし」

陽:「あーお兄ちゃんスネてるー」

響:「スネてない」

部屋を出て、通路を進む。
三階、屋根裏部屋に続く階段があるようだ。
途中、もう一つの空き部屋を確認するが先ほどの部屋と変わらないものだった。
窓が閉まっているという点だけが違っていたが。

陽:「お山に川があってねー冷たいんだけど気持ちいいんだ」

響:「ハル。お姉さんたちいるから川遊びとかの時に裸になるのやめなよ」

陽:「えー」

扉の前に到着した。
ネームプレートはない。
ドアノブをまわし、扉が開く。
屋根裏部屋には様々な荷物が置いてあった。
結構天井までの空間には余裕がある。
立って歩くこともできる。

屋根裏部屋にも窓があり、そこからきらきらと日差しが差し込む。
物置部屋にもなっているらしいこの部屋。
なにやら箱を並べてあるらしいスペースには大きな布をかぶせてある。

そして、その上に一人の少女がいた。
少女は横になり、すぅすぅ眠っているようだ。

陽:「誰?」

224葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/18(木) 13:35:55
>>223(GM)
>>222(遊部)

(……あっ。レミさんたちはこっちを使うのかな……)

       チラ

トランクを置いた『レミ』を横目に見る。
まあ、どっちの部屋にも変わりはない……はずだ。

      ト
        トト

「あ、う……ええと。
 なんだか、その。ありがとうございます」

      「私、あの、来たばっかりなのに、その」

秘密基地を見る事は、なんだか大変な事に思えた。
いっそう気合が入る気もするが、緊張する気持ちは隠せない。

穂風はやや歩幅を広げながら、通路を、階段を進んでいく・・・ 

「今は、暑い……ですもんね。えへ…… 
 気持ちよさそうだけど、私、水着とか、持ってないし……」

         「……あ。ここ、ですか」

    ピタ

川遊びトークに興じていると――扉の前に着いていた。
穂風は息を飲み、開けられた『秘密基地』の中に視線を注ぐ――

        「わあ…………」

     「……?」

  「……あっ!? だっ、誰……」

            ≪――――お嬢様!≫   

   パタ
        バキ
     ペタン

   「ね……寝てる……!?」   

                  ジャキン!

体に重なるように発現した『従者』は、
            主たる穂風の身にまとわりつく。

即ち――『レインコート』形態への『雨具変化』を、発現と同時に実行する。
穂風は、従者の行動を咎めない。そんな場合じゃないし、明らかに何か異常な事態だから。

なお、ヴィジョンは『実体化』させておく。
一般人もいないのだし、見られて問題もない。

「……み、みなさんっ!
 あう……後ろに下がってくださいっ。」

   「もしかしたら、危ないかもしれない――――から!」

         バッ

陽や響、『レミ』と『トレ』は矢面に立たせられない。
戦いをするようには思えないからだ。
穂風も、別に荒事は好きではないけれど。

          ・・・・必要なら、やれる。

警戒心を強め、眠っている少女に視線を向ける。

                ・・・・動くような様子はないだろうか?

225遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/18(木) 17:14:00
>>223(GМ)
>>224(葉鳥)

 (窓が、開いていたのは一つだけ。隣の空き室に異常はない。
誰が入ってきたとして、人数は少人数……)

 「山には川があるのね…うん、確かに水遊びをするにしても
全部脱ぐのは、あの…私も目に毒だわ」

 苦笑いになりつつ、会話を楽しみつつ屋根裏に進む。

 そして…『異常』が現れた。

    ゴゴゴゴゴゴゴ……。

「…子供?」

 そう、まさしく『異常』だ。陽君が誰? と唱えた事からも
実は遊びに来てたお友達、と言う可能性は皆無。あれば事前に
説明を受けていた筈だ。

 だが、『敵』なのか? と問われると確証なく断定出来ない。
不可思議な事が二点ある。何故、この少女は『寝てる』のか?
 陽君、響君たちの秘密基地で堂々と。彼ら二人を標的として
待ち構えていたとしても、目につく場所で眠りこけている、と言う部分が不明。
 そう言う『能力』があるとしても……いや、そもそも彼女は『敵』なのか?

もう一つの点は、この少女が窓から忍び込んでいた正体ならば…
何故『痕跡』を残した? 自分が襲撃を想定するなら、そんな分りやすいミスは
残さない。別荘の死角を熟知して、一人ずつ抹殺するだろう。

 葉鳥さんを見れば既に戦闘準備が出来ている。それは、状況を見れば
好ましくはある。だが……私はどう出れば良いか?

          ―――『レミ』

 (……いえ、『ライ』 貴方の手を煩わせる事ないわ)

此処には、護衛対象と言うのを含めても自分を含め四人スタンド使いがいる。
 そして   私には『相棒(フラジール・デイズ)』がいる。血腥い争いになり
私に対応出来ない状況となれば退くが…まだ大丈夫。

 「…陽君、響君。そこで動かないように。其処にいる女の子以外で
何か不審な事あればすぐ教えて?」

 「葉鳥さん、宜しければ其処から彼女に動きはせずに。此処は私に…
――この力 ご披露しましょう。
 トレ……私達の『舞台を始めましょう』 対象は『眠る少女』
その被せている布の場所まで近づきなさいな」
      『畏まりました、お嬢様…』

 【望まぬ相手の指定】の指名を行う。指で『眠ってる少女』を示しつつ
『トレ』へと動きを指示する。

 これにより『トレ』が接近する事に対し、五感の刺激かスタンドの感知で
迎撃する能力があっても、【望まぬ相手の指定】は五感の干渉不可を及ぼす。
 相手のスタンドも、対象の一部であると認識されるならば。そのスタンドの
迎撃があっても、トレに対し攻撃は加わらないだろう…。

 「そこまで、近づいたのなら『解除』するわ。そのまま、そこにいる
子を起こしなさいな。だけど、決して乱暴に扱わぬようにね」

接近したら、能力を解除し少女の体を揺するなりして起こすアクションを行う。
覚醒して行き成り攻撃される可能性もあるが…怪我をしても一晩経てば
再生も可能だし。何より、他三人が負傷するより余程良い。

 見た目は子供、それが危害を加えない理由にするのは乏しいかも
知れないが。私の予想の一つでは、その眠ってる少女は『敵』でない
若しくは別の可能性もある。その可能性が当たった場合、事態は更に
複雑化する事になると思うが…今はトレの動きを見守る事にする。


 「安心しなさいな…皆さんには、ただ無防備に近づいてるように
見える事でしょうけど。その子がいま何か力を使ってたとしても
『トレ』に危害を加えさせる事は無駄な事でしてよ」

 葉鳥、響、陽には。自分の能力の内容を教えておく。
あくまでも『信頼する者を一時的に無敵化する』ような能力であると
誤認させておく方が、私にとっては都合が良いのだ。今後の為にも

226『ある夏の思ひ出』:2016/08/19(金) 00:19:44
>>224 (葉鳥さん)
>>225 (遊部さん)

川遊びについて話す一行。
水着などは逢坂に確認してみるのもいいかもしれない。
しかしそれもいまここにある問題が済んでからだろう。
この別荘の住人である陽は少女を知らないらしい。
そして、響も同様だ。

葉鳥は自らの体にレインコート型の従者を纏う。
遊部は自らの従者に能力の行使を命じた。
響と陽は二人の後ろに隠れる様に、というよりは後方にも注意を払って警戒している。

陽:「お兄ちゃん……」

響:「大丈夫だよ。ハル。ボクがいるし、お姉さんたちだって」

陽:「いやそうじゃなくて」

響:「ん?」

陽:「お姉ちゃんたちもそういう能力があるんだなーって」

いまいち緊張感のない陽達のこえが聞こえてくるが、『フラジール・デイズ』がその能力を行使する。
舞台に上がれぬものは役者に指一本触れることはかなわぬ。
望まれなかったものは一切の干渉を封じられる。
『フラジール・デイズ』自身も相手を感じられなくなるが
箱という分かりやすい目印と時間がそれほどたっていないことから
容易に少女の元へたどり着くことが出来た。

ゆさゆさ

能力を解除すると体を揺する『フラジール・デイズ』

少女:「んっ……ん〜〜」

    「嫌よまだ寝ていたいわ」

少女は寝ぼけた口調で寝がえりをうつ。


少女:「ふぎゅっ」

箱から転げ落ちた。

少女:「いたいのだわ! ひどいのだわ! カレン! カレンは私のこと……」

駄々をこねる様にばたばたとする少女。
手をついて四つん這いのような姿勢になる。
そしてあなたたちを見て

少女:「知らない人がいるのだわ」

    「こわいわ……」

意思の疎通はとれそうだがどうか。

227葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/19(金) 02:10:59
>>226(GM)
>>225(遊部)

「……!? は、はいっ。」

        ピタ

『レミ』の声に確信めいた物を感じた。
何が起きるのかは分からないが――

        「……っ!」

   ジリ

(起こした……どういう能力なんだろう?
 いや、違う、それより……あの女の子が起きた!)

『トレ』が――『レミ』が何をしたのかは穂風には分からない。
口頭の説明も、雲をつかむように、真意が隠されている気がした。
 
               ≪お嬢様――≫

「分かってる……」

穂風は警戒心を高め、動向を見守る。
『トレ』以外が攻撃を受けないとも限らないからだ。

(普通の女の子、にしか見えないけど)

        (ここにいるのが、ふつうじゃない……!)

穂風はその少女を見守る。
箱から転げ落ちる様子を――それから。

「…………?」

その少女が――錯乱しているように見える、その様子も。

「あ、う……あのっ」

言葉は通じるし、攻撃して来るわけでもない。
だから穂風は、好奇心を燃やした。

「あ……なんで、ここで。
 この別荘で、寝ているんですかっ……その」

          「どこから……? どこから来たんですか?」

228遊部『フラジール・デイズ』:2016/08/19(金) 08:41:16
>>226(GМ)
>>227(葉鳥)

 >ひどいのだわ! カレン! カレンは私のこと

『カレン』  

 この別荘にいる人物。陽・響・逢坂・周防・イツキ

 そのどの名前にも当てはまらない新しい名前。正体不明の少女。

どう言う選択をとるべきか? 私の取るその一つの行動が、紡がれる
道沿いを渓谷とさせるか、穂の生い茂る草原となすか決まるのだろう。

 「……トレ、少しお下がりなさいな。『お嬢さま』が怖がるわ」

 命じる。そうトレに  そして、少女へと距離を置いたトレと同じ場所に
自分も近寄り、軽くカットスカンツの裾をつまみつつ頭を垂れて挨拶をする。
 そして、跪いて目線が合うようにしてから抑揚つけてゆっくりと喋る。
口早にしたり、問い詰めるような圧迫感を出してはならない。目の前の人物が
混乱してるのであれば、此処が安全であると認識させるのが重要だ。

「初めまして…わたくしはレミと言います、こちらは使用人のトレです。
良くお眠りになってたようですが、僭越ながら、もう夕餉に差し掛かる
時間ですので、起こさせて頂きました。何分、わたくしもトレも
『カレン』様に指導受けて間もないもので、どうかご容赦くださいませ…」

 …『賭け』と、少しなるが。
  私は『目上に対する敬意』を、この娘に示し応対する。
この子の零した『カレン』と言う人物と繋がりを仄めかす者として、対処する。

先程の、トレの体を揺すって起こす時の言葉。そして状況を理解する前の
だたをこねる動作等を観察する上に、この娘は一定の良家、それに連なる育ちが
垣間見えるのだ。そして、反応を見るに『敵』に相応しくない。
 想像になってしまうが、こうなるとスタンド攻撃を第三の人物から受けて
この家に逃げ延びてきた。と言うほうが未だ可能性としてはある。
 もし、そう言う可能性があるとして。いま目の前にいる娘には比較的冷静さを
保たせて、情報を入手しなくてはいけない。今後の為にも 
 その為には、私は葉鳥さんや周囲の者に不信感を募らせようと役割を務めよう。
今も、これからも玲実の為に。私は『先導』をするのみだ。

 >なんでこの別荘で、寝ているんですか
>どこから……? どこから来たんですか

 「…あぁ、それと。こちらは、わたくしのお友達のもので御座います。
お嬢様のような方が、なぜ、このような屋根裏の場所で寝てるのか
酷くご疑問覚えてるようですので…わたくしも、ソレは気にかかって
いますので、宜しければ教えて頂いても宜しいでしょうか? 
 勿論、内密の事でしてもカレン様にお叱りないように致しますゆえ…」

 葉鳥さんの質問を、とりなおすようにして、未知なる少女に
やんわりとした言い方になるようにして微笑みつつ答えを促す。

 可能性の一つとして…この少女自体、いまの状況になった事を完全に理解してない。
そう言った事が考えられる。多分、詰問しても反感覚えるか
 『知らない人』と言う事で頑なに黙秘を通す事も有り得る。

此処は、嘘も方便。この少女の関係者を匂わせて情報を聞き出す。

229『ある夏の思ひ出』:2016/08/19(金) 23:53:02
>>227 (葉鳥さん)
>>228 (遊部さん)

トレの説明に真意がどこかに隠れているのではと感じた葉鳥。
動向を見守っていると、トレがゆっくりと前に歩み出た。
恭しく礼をし、跪くトレ。その姿に少女は丸い目をさらにまん丸にする。
幼い。その見た目は小学生ぐらいに見える。もしかしたらもっと幼いのかもしれない。

少女:「ゆう……げ?」

陽:「ゆう……げ?」

響:「晩御飯、かな」

少女:「……はっ! 違うわ。あなた、カレンを知ってるの?」

少女はトレに視線を合わせる。
が、その眼は不審さが宿っている。

少女:「ほんとなの? ほんとにほんとなの?」

素直に疑問をぶつける。
少女の中の記憶にトレ達の姿はない。当然のことだ。
いきなり起こされ、自分の知る人物の名を上げる存在に混乱し、不安がり、不審がる。

少女:「……どこから? お城なの カレンと私はお城に住んでるの」

    「このお山のおっきなお城に住んでるのだわ。ねぇ、あなたたちはだあれ? 本当にカレンのお知り合い?」

響:「! お姉さん」

少女:「分からないのだわ、おかしいのだわ。カレンと一緒に来ていたのに、なぜなのかしら?」

    「あなた、本当にカレンを知っているの? ほんとにほんと? 嘘だったら、嘘だったら……」

響:「お姉さん! 窓!」

響が指をさす。窓だ。
天井裏のこの部屋、通常の天井に当たる部分は屋根だ。
しかし横はまだ壁である。ここを住居スペースとして考えていたのか陽の光を入れる窓がある。
トレや葉鳥たちの右手側に当たる。左手側にはものが入った棚。前には箱、後ろは扉である。
指をさされた窓からは陽の光が入っていた。しかし、いまはその光も影を落とす。
窓の先、住居の三階の位置に当たる窓の外には―――――子供がいた。
袖のないジップアップのパーカーを身に纏い、白いリボンを綺麗に切りそろえた髪につけている。
そして片手にはなにか工具箱らしきものを持っている。

230葉鳥 穂風『ヴァンパイア・エヴリウェア』:2016/08/20(土) 00:06:47
>>228(遊部)
>>229(GM)

「えっ…………」

     「えっ」
 
         「どうして」

穂風は『トレ』――いや、『レミ』を見た。

「お城、え……レミさん、あの、お知り合い、で――」

(本当に知ってるの……ううん、 
 それを私が聞いたら何の意味もない!
 でも……嘘だったら、それがバレたら、良くない……!)

            ≪…………!≫

カレンという人物を、知っている?
それが本当かどうかは……穂風には分からない。

             もちろん、従者にもだ。
             しかし――少女の不審は察せた。

「……えっ! 窓、って――!
 あ……う、また、知らない子っ……!?」

穂風は窓を見た。
外の景色ではなく、その子に目が留まった。

            ≪お嬢様! ここは三階で御座います!
               つまりあの子供も――スタンド使いッ!≫

「分かってる……!」

(もしかして、あの子が……カレン?
 でも、もしそうだとしてなんでここに……お城って??)

           (何がなんだか、分からないっ!!)

分からないことは好きだけど。
こんなに多いと食べきれない。

『少女』と『トレ』『レミ』の間に割って入るには、言葉も知恵も足りない。
それよりは、『窓』と『陽と響』の間に割って入る。

             ・・・・ほとんど反射的な動きだが、守らないよりはいい。




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