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【ミ】『撃的』

1『運営者』:2016/01/25(月) 22:45:32


        血 脈 の 物 語
この物語は『BLOOD's HISTORY』ではなく、

         血 気 盛 ん
       『BLOOD THIRSTY』なのである。

【過】『武闘列伝』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453728318/

544氷山『エド・サンズ』:2021/05/15(土) 23:46:06
>>543

    ガスッ!

       『チィッ!』

一進一退の攻防が続く・・・・
『銀貨』によって『超人』となったとはいえ、明智は既に全身を負傷している
このまま防御に専念して時間を稼げば勝利は得られるだろう・・・・明智の『死』と引き換えに、だが

>     「今の俺は、俺じゃない。
>      『アダージョ』は、俺の心を殺しやがった……」

「それは・・・・・」

思わず言い淀む
自分が会ったのは『死後の彼』ではあったが、恐らく『生前の彼』であっても同じだ
『あの男』なら・・・・そのくらいの事はやりかねない

・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・
自信家の少年の心を折り、身勝手な愛で満たすくらいの事はやるだろう

(まったく・・・・ 身勝手で、自己中で、周りの人を傷つけて・・・・でも)

あの日・・・・ その『自己の強さ』に敬意を抱いた事もまた事実だ
周り全てを傷つけるような『悪人』ではあったが、その一点だけは純粋に尊敬する事が出来た


「『真剣』も『懸命』もない・・・・とか、私達を倒さないと元の自分に戻れない・・・・とか!
 明智さん・・・・それなら、今のあなたは一体なんなんですか!?」

明智の額に浮かび上がった『銀貨』を睨みつける・・・・
脳裏に思い出すのは、先程『タダヒト』が語った言葉だ

『解除』と『破壊』の関係・・・・
そして、『エド・サンズ』の事例から強制解除された『銀貨』は破壊を生じない事!

「心を『アダージョ』に殺された・・・・なんて言ってますが、あなたには意思がある!
 元の自分に戻りたくて・・・・文字通り『必死』になって戦うあなたの『心』が死んでいるなんて言わせない!」

「既に・・・・あなたの心は生きているんですよ
 元のカタチとは違うかもしれないけれど・・・・確かに生きているんです!
 死なせるのが惜しいくらいに・・・・!」

 『心ハ決マッタナ? あきは?
  全てガ決マッタノナラ・・・・・後ハ俺ニ任せてオキナ・・・・』

心は決まった
明智の命を掴み取るため・・・・『銀貨』を引き抜き、能力の強制解除を目指す事にする

「頼みます!」

明智の左腕に巻き付いた『縄』をさらに強く引きつける!
それにより、既に至近距離まで迫った明智を逃がさないようにする・・・・つまりはデスマッチを強制する!
明智の能力は確かに『エド・サンズ』のそれを上回る・・・・しかし、それは速さに勝るだけだ
至近距離を強制された状況では『力強さ』が物を言う!

右手で『縄』を握りしめながら・・・・左手で拳を握り、明智の顔面にアッパーのような一撃を叩きこむ!
狙いは・・・・明智の額に埋まり込んだ『銀貨』!
掠めるようなアッパーの一撃で『銀貨』を額から弾き飛ばす!

545『月隠れのグラン・ギニョール』:2021/05/16(日) 20:18:54
【ミ】『懸葬』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/7528109028421/91-

     「生き残ったのは、君だけだ」

倒れ伏した『骸』の中、蹲る『少年』に『タダヒト』は声を掛けた。
首を折られた骸、感電によって両目を濁らせた骸、爆破によって原型を留めぬ骸、
死因は様々だが、誰もが同じ『顔』だった。『十四体』の骸は、分厚い唇に紅を添えて。

     「『ブラッディ・バッカニアーズ』で完全に変じた『人間』は、
      決して元には戻らない。――――君への『拘束』は、
      不十分だった。……本当に、良かった」

     「君が生き残って、本当に――――」

     パァンッ!!

放たれた『銀貨』が『タダヒト』の耳脇を掠めた。
『少年』は嗚咽混じりに声を荒げ、絶え絶えの息のまま叫んだ。

     「なんで、なんで、もっど、はやぐ」

     「ぎでぐれなかったんだよ!」

     「お、俺は、アイツになった。
      俺が声を出す度、アイヅが笑うんだ……。
      俺の声が、俺じゃなくなる度に、笑うんだ……」

     「声が、声がもどっでも……」

     「俺は、ずっと、ァ゙イヅのままなんだぁ――――」

『明智』の身体に残った傷跡は、『クリニックセンター』でも治療が出来なかった。
己が己を呪う限り、その傷は永遠に消えることはないだろう。
だから、『タダヒト』は『アリーナ』を教えた。彼が『闘い』で『己』を取り戻すと信じて。

     ≪こ、これはぁ、『鏡花水月』が……『明智』選手の手に……≫

一戦目は『明智』の圧勝だった。無論、これを見越した『マッチング』だ。
相手が『尾藤』であるならば、『タダヒト』の心は全く痛まなかった。
あの『反則』スレスレの『参加』に加え、無様な戦績の数々。
『タダヒト』は『尾藤』に対し、一切の『情』を持っていない。

     「クククッ、お前は俺に勝った気でいる」

     「だがな。――――俺は全く、そうは思っていないよ。
      お前の視線に俺は映っていない。そうやって他者と接する限り」
                  . . .
     「お前は一生、誰にも勝てはしないのさ」

      ガスッ    ゴスッ!!

『銀貨』が『尾藤』の額を砕き、『鏡花水月』の鞘が追い討ちのように捻じ込まれる。
既に勝敗は明らかだ。観客達の諫めるようなブーイングは、『明智』の耳に入らない。

     「るせぇ、うるせぇぞ……。
      二連敗のカスが、俺に、エラそうに……」

     「スタンドも使えねェ場違いなオヤジが、
      負けの一つも認めねぇ、見苦しいカスが、
      ――――俺に意見するんじゃねェェェ!!」

『試合』の終了が告げられても、『明智』の罵倒は止まらなかった。
『明智』に対する賞賛の声はない。
『10秒』足らずの圧倒的すぎる『勝利』は、観客の心に何も生まなかったのだ。

     「(唯の『勝利』は、彼の心を癒しはしなかった。
       ……私の目が曇ったか。それだけ、彼に思いを傾け過ぎたか)」

     「(彼を倒す者は、その『心』を許せる者であってほしい。
       そのような『スタンド使い』が現れるまで……
       彼との『試合』を組むのは、止めておこう)」

何人ものスタンド使いが『夢』の世界に入門し、激戦が繰り広げられる中、
『ロンドン・コーリング』から聞こえる闘いの様子、その中の一人――――

     「(彼女なら、……『アダージョ』を本当の意味で倒した『氷山あきは』なら、
       もしかしたら、『明智』の呪いを、己で己に課した呪いを、解いてくれる……)」

漠然と抱いていた期待は、『タダヒト』の思惑を逸れて『現実』となった。
『明智』はる『死』を覚悟してまで、『勝利』を渇望している。
『タダヒト』に止める道理はない。――――何よりも、

     「(今は祈ろう。『氷山あきは』が、『エド・サンズ』が、
       『明智』を救うと、――――私が彼に見せられなかった、
       彼の『未来』を与えてくれると……)」

反転する『悪魔』の暗示は『再生』。『再び』、『生きる』。
彼と対峙する『吊られた男』の暗示は、『試練』。


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