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【過】『武闘列伝』
81
:
『六道辻』
:2021/04/27(火) 22:46:27
>>80
不穏な響きに眉を潜める『太田垣』。
その言葉は飲み込みながら、ふと沸いた疑念を口に出す。
「『虎穴に入らずんば虎児を得ず』。
一人でも多くのファイターを、『修羅道』から救い出す。
求める闘いが如何に『無意味』か、結末が如何に『無情』か、
――――長話になってしまいましたね、帰るように説教をしておきながら……」
失念していた、と『慧観』は双眸を細めた。何処か、恥じ入った態度を見せている。
『難しいこと』を語りすぎた、それを反省しているような様子だ。
「若者に口うるさいのは、歳を取った証拠ですな。
……車を待たせておりますので、私はもう戻りましょう。
お若い人、ここに何を求めるのですか?
『闘争』で得られるものなど、何もありはしないのに」
最後まで穏やかな表情を崩さず、問い掛けを残して『慧観』は去っていく。
ふと、何やら背後が騒がしい。選手控室に通じる廊下から、騒ぎ声が聞こえてくる。
「む、無茶ですって『尾藤』さんッ!」
「骨は、折れていない。
鼻だけだ。だから、離せ……」
「なんて人だ……。車なら私が用意しますから」
「要らんわ!」
血を拭ってシャツ一枚に着替えた『尾藤』が、ヨロヨロと廊下を歩く。
その後ろから押し留めようとするのは、セルロイド眼鏡を掛けた頼り無さそうな中年男性だ。
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