したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』

1『星見町案内板』:2016/01/25(月) 00:02:24
今世紀に建造された『東海地方』を対象とする集約電波塔。
低層エリアには『博物館』や『ショッピングモール』が並び、
高層エリアの『展望台』からは『星見町』を一望出来る。

---------------------------------------------------------------------------
                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------

755霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/07/01(水) 01:18:20
>>754

   ズ…

「 …普通の氷みたいなものだけど…」
「 …食べたり、触っちゃったりすると、すぐに融けちゃうし……」
「 …こうやって『ストロー』越しに触ったり飲んだりするから大丈夫なの…」


「…あと…隠しときたい…んだけど、」
「あなたは触らないほうがいいよ、この氷」

霜降はチラリと『スタンド体』のほうを見て、

  「…『ヘパティカ』。ここまで。戻りなさい…」

    『rrr…』 スーーッ…

『ヴィジョン』を消した。


唸るだけで、凍ったようにじっとしていた『ヴィジョン』…
しかし、獣らしいしなやかな体と、つららの如く鋭い牙や、爪を持っていた。
『スタンド』は、その人の『精神性』を表すとは言うが…




「 …『はじめまして』とはいうけど…」
「 …あなたにも、あなたの力になる『何か』があるのよね…?」

「 ……いや、はじめましての人に、興味本位で変な話を聞いちゃったね…」
「 …迷惑だし、危ないよね、ごめんね…」


   ズ…
     スポ スポポポポ…

   「 …飲み辛…底のタピオカ飲み辛い… 『氷』が邪魔で…」


「 ……『はじめましての人』のまんまも、失礼か…」


  スッ

「 …私は、『しもふり かよ』。霜が降る、寒い夜、で霜降寒夜…
  …雪の降ってる寒い夜に…『デキた』から、寒夜なんだって……」

「…失礼じゃないのなら、『あなたは』?」

756関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/01(水) 01:52:36
>>755

「はあ〜、そうなんですねえ。
 私の『ペイデイ』とは、
 何もかも違うんですねえ、やっぱり」

        パララ
             ララ

   ―――『マンゴーミルク 650円』

ノートをおもむろに開くと、『記述』が増えている。
筆記具を使った様子すらなく、だ。

「少しだけ教えてくれたので……お返しです。
 『帳簿』なんですよう、私のスタンドは。
 ふふ、私ったら能力まで『ケチ』なんですよねえ」

        ニコ〜

「あなたは『クール』だから『氷の能力』……
 なあんて、単純な話では無いですよね。
 これから知っていけたらいいなあ、って思います」

温和な笑みを浮かべて、タピオカドリンクを一旦置く。

「『デキた』……まあっ! そうなんですねえ……」

    セキ スズメ
「私は『関 寿々芽』っていいます〜
 関は『関所』の関……寿々芽は『寿(ことぶき)』に、『芽吹く』
 前向きな名前ですよねえ。ふふ、兄弟姉妹みんなそうなんですよう」

            「スタンド使い同士。
             仲良く、しましょうねえ」

       スッ

握手を求め、手を差し出されたなら両手で握り返す。

757霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/07/01(水) 02:42:33
>>756

スポポポ…スポ…

「 …帳簿がケチ…ケチかなぁ…」
「 …しっかり者って感じで、素敵だと思うけど。」

底に残った丸くて甘いタピオカまで味わい尽くした後、
右手に残った『黒糖ミルク』の空容器を見つめる。

底に残ったタピオカを吸うのはケチ臭いだの、
そもそも全部飲むのがアホらしいだのいう女の子もいるが…
お金を払った美味しいものを全部食べようとするのは、変なことじゃないよね。


>握手

右手の空容器を地面に置き…


               サッ

「 …『すずめ』さん…」
「 …『すずめ』さんね…これでもう失礼じゃないや…」

「 …兄弟がいるんだ…だから…しっかり者なんだねえ…」

差し出された手に、自分の右手を返し、握る。

同じ性別、近い年齢と似た嗜好を持つ『スタンド使い』と、
願わくば、良き関係を築けることを願い…


   ヒョイ

  「 …容器、わたしが捨てとくよ…」
  「 …袋たくさんだし、大変でしょう?」
  「 …私はほら、身軽だからさ…この後に用事も無いし…」


兄弟の為の買い物をしているのかな、すずめちゃんは…
あんまり足を止めさせるのも悪いし…


  「 …そろそろ帰らなくちゃ
    …モールに用事もないし、あと宿題をやんなきゃだし」


   「 …次は私も、マンゴーの頼もっかな」
   「 …じゃあ、また、」

   「 …また、会ったら、その…よろしく。」



帰ろう。『機会』があれば、きっとまた会えるだろう…

758関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/01(水) 04:25:03
>>757

「素敵だなんて……ふふ。
 買いかぶりですよう、『かよ』さん。
 確かに、この帳簿は『しっかり者』ですし」

完全にカラになった容器に目を細める。
無駄がない、というのは良い事だ。

「ふふ……『長女』なので。
 しっかりしなきゃとは、
 思ってはいますけどね」

          ギュ

「そんなに『いい子』では、ないんですよう」

握手を終えると、拾い上げられた空容器を見る。
持って行って貰えるなら、そうしてもらおう。
それが一番『むだがない』。

「あら……どうもご親切に!
 それじゃあ、お願いします。
 私は、もう少しだけお店を見てから帰りますので」

         「はあい。それじゃあ、またどこかで〜」

759関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/08(水) 23:38:24

          ガヤ   ガヤ …

「……」

     スッ スッ

エプロンを付けたお団子ヘアの少女が、
モール内フードコートの一角に座っていた。

            スッ

注文は既にしている――――
が、まだそれが出来上がっていない。
待ち時間を『スマホ』の『ポイントアプリ』で潰している。

   スッ

また、卓上には『格安スマホ店』の『紙袋』が置かれている。

760比留間彦夫『オルタネイティブ4』:2020/07/09(木) 00:35:07
>>759

いつからだろうか?
足元に一枚の『カード』が落ちている。
誰かの落し物かもしれないが、
落とし主らしき人間の姿は見えなかった。
少し離れた席には、一人の男が座っている。
モノトーンのストライプスーツを着て、中折れ帽を被った男だ。

761関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/09(木) 00:46:21
>>760

アプリの日課を済ませ、ふと顔を上げると、
見覚えのない『カード』らしき物が見えた。

「ん」

      グ…

手を伸ばしてみたが、
座ったままでは届かない。

…………一円玉を拾うためのエネルギーは、
一円以上かかっている……という話がある。
が、『一円玉を見逃したこと』を思うと、
それは拾う以上のエネルギーがかかる気もする。

      ガタ

もっとも落ちてるのは金銭ではないが……
得にならないとしても『見逃すのも気になる』。
椅子から立って、それを拾ってみる事にした。

なお、中折れ帽の男には今の所、気を払っていない。

762比留間彦夫『オルタネイティブ4』:2020/07/09(木) 01:10:38
>>761

     ――――ポンッ

指先が『カード』に触れた瞬間、代わりに『兵士』が現れた。
黒い鎧を身に纏う『黒い兵士』。
これは『スタンド』だ。
お互いに至近距離。
不意打ちを仕掛けてくる――というような事はなかった。

          ジッ

『兵士』は動かない。
襲ってはこないが、それ以外の動きも見せていない。
少なくとも、今のところは。

(触れられましたか……)

(――さて、今回はどうでしょうね?)

『兵士の視界』を通して、相手の姿を観察する。
『比留間彦夫』は、スタンドの理解を深めるため、
時々こうした『実験』を行っていた。
その中で、『槍を持った騎士』のスタンドと、
『恐竜化させる植物』のスタンドを目撃した事がある。
もっとも、相手が『一般人』だった事も多かった。
その場合も、全くの無意味ではないが。

763関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/09(木) 01:47:20
>>762

「…………!」

         サッ

正中線を隠す姿勢、つまり『半身』になる。
そして『後ろ側』になる手に『それ』を発現する。

(…………私を狙った『刺客』!?)

可能性が頭をよぎるが、
すぐに打ち消した。
それは『ほぼありえない』。

――――後ろ手に、『帳簿』の存在を意識する。

「……」

(動きませんか〜……まあ、そうですよねえ。
 刺客なら最初の一瞬で攻撃出来たはず。
 『本体』が見当たりません……
 狙いは何なんでしょう? 『スタンドは囮』?)

                パララ …

(……私ったら、冷静に冷静に。
 ただの『いたずら』かもしれませんよう)

エプロンのポケットから『ボールペン』を1本抜き出し、
椅子を挟んで『黒い兵士』と向き合うように位置取りを作りつつ、
周囲を油断なく見渡し、『こちらを見る存在』を探す。

         ――――という様子が、『比留間』には全て見えている。

764比留間彦夫『オルタネイティブ4』:2020/07/09(木) 02:16:05
>>763

(『何か』出したようですが……。あれは――?)

(『ノート』――――でしょうか?)

相手は『スタンド使い』だった。
まずは『当たり』という所だ。
この場にいる客は一人ではなく、
『本体』の自分もあからさまに彼女を見てはいない。
おそらく見つかる事はないだろう。
しかし、『そういう能力』がないとは言えない。

《――驚かせて申し訳ありません》

不意に、『黒い兵士』が言葉を発した。
『スタンド会話』だ。
落ち着いた成人男性の声に聞こえる。

《『これ』を見つけた方の反応を確かめたかったものですから》

寿々芽を見つめていた『兵士』が『ボールペン』に視線を移す。
『ボールペン』は『筆記具』だ。
この状況で取り出すという事は、
あの『ノート』に関係しているのだろうか。

765関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/09(木) 02:43:16
>>764

《……『攻撃』のつもりじゃ、ないみたいですねえ》

         ジ…

それらしい影は見当たらない。
なら、スタンドを注視する事にした。

《『反応』……つまり》
《ちょっとした『いたずら』……ってこと、ですか》

        スッ

椅子に視線を落とし、
ボールペンを一旦『しまう』。

(……『私をピンポイントで狙った』と、
 そういうわけではない……みたいですねえ。
 『かよ』さんや『ユキシラ』ちゃんと同じ、
 偶然……『スタンド使いはひかれ合う』ですか)

《ふふ……私ったら、すっごく驚いちゃいましたよう》
 
《あのう……今の、『録画』とかしてないですよね〜?
 SNSに上げようとか……まあドッキリっていうよりは、
 自主制作のCG映像か何かと思われちゃいそうですけど》

そういう『ドッキリ企画』なら……けっこう恥ずかしい。

ともかく、こちらの望みは『戦闘』には無い。
警戒を示すためにも『ペイデイ』は解除しないが、
表情には笑みが入り、探るようにだが会話を返していく……

766比留間彦夫『オルタネイティブ4』:2020/07/09(木) 03:05:55
>>765

《『悪戯』というと少々御幣がありますが――
 客観的には似たようなものかもしれません》

《『否定』はしませんよ》

挙げられた名前に聞き覚えのあるものはない。
しかし、何人かの『スタンド使い』と出会っている事は分かる。
あるいは、『手馴れた相手』なのかもしれない。

《いえ、あくまでも私の個人的な興味の範囲です。
 他人に見せるつもりはありませんので、ご安心を》

《失礼ながら、『オルタネイティブ4』と名乗らせて頂きます。
 私は、ごく最近『スタンド使い』になった者でして……》

《『スタンド』については、まだまだ分からない部分が多い。
 それで、自分なりに色々と調べているのです》

『嘘』はない。
スタンドを手に入れたのは最近というほど最近でもないが、
『スタンド使いとしての経験』が浅いのは事実なのだ。
だからこそ、『知る必要』があると考えている。

《そのお二人の名前は存じませんが……。
 お見受けした所――既に、
 『多くのスタンド使い』と会われていらっしゃるようですね?》

『多くの』を付けたのは、確認のためだ。
彼女が出会っているのが『数名』なのか、
それとも『大勢』なのか。
その辺りを見極めようという意図があった。

767関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/09(木) 03:38:22
>>766

《『オルタネイティブ4』さんですねえ。
 スタンド越しではありますけど……
 はじめまして、よろしくお願いします〜》

《さっきは恥ずかしい所を見せてしまいましたけど……安心しました。
 ぜひあなたの心の中だけに閉まって……いずれ忘れちゃって下さい〜》

一安心、といった所だろう。いろいろな意味で。

思考に浮かんだスタンド使いの名を試しに挙げたが、
反応は無かった。『彼女らは知らない』と見て良いか。
よほどの狸、という可能性はあるが……置いておく。

《……まあ! スタンドについて、お勉強を!
 それは……素晴らしい事だと思います。
 本当に、この『力』は分からない事だらけ……》

確かにスタンドは謎が多い。
あまりにも、あまりにも……
彼の姿勢には、共感できる。

《でも……私もまだまだ『成り立て』ですからねえ。
 スタンドの『タイプ』もあなたとは少し違いそうで、
 他に会ったことがある『使い手』もほんの、数人だけ》
 
《その人ちに連絡が取れたりも……『しません』し、
 勉強のお役には、あまり立てないかもしれませんが……》

『嘘』だ。
まずユキシラには、連絡出来る。
関『も』嘘をそれほど忌避しない。

《それでも良ければ、お話くらいは……付き合わせていただきますよう?》

嘘をつく理由は多少、他にも混ざるが……
主に『ユキシラは多分、知らない』と思われるからだ。
引き合わせても、さほどお互いのためにならないだろう。

768比留間彦夫『オルタネイティブ4』:2020/07/10(金) 06:02:07
>>767

《では、お互いに『入門したばかり』という事になりますね》

『嘘をつく』のは自分だけではない。
当然、相手も同じ事をする可能性は常に存在する。
相手は初対面の他人なのだから当然だ。
それが『スタンド使い』となれば尚更だろう。
ゆえに、この少女の言葉が『真実』であるとは限らない。

《『ビギナー』同士、よろしくお願い致します》

比留間彦夫は『嘘』を好む。
『嘘をつく』だけではなく、『嘘をつかれる』事も。
だからこそ、比留間は『今の状況』を楽しんでいた。
『真実』は『一つ』しかないが、『嘘』は『無数』にある。
その『楽しみ方』も『無限』に存在しているのだ。

《『なりたて』――という事でしたが、
 何か『きっかけ』などがおありで?》

《例えば『朝起きたら目覚めていた』というような事など……》

《私の場合は、『ある人物』と出会いましてね……。
 その方に『引き出して』頂いたのですよ》

比留間にとって、『嘘』は『人生の楽しみ』だった。
同時に、『他者に危害を加える事』は好まない。
また、『損害を与えかねない嘘』もつかない。
そのラインが、比留間を悪人にしない『最後の一線』だ。
比留間彦夫は『嘘つき』だが、『詐欺師』ではない。

769関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/10(金) 23:55:45
>>768

≪はあい……よろしくお願いしますねえ。
 初心者同士、分からない事も多いですし、
 お互いの知識を分け合って、助け合えたら≫

       ニコ …

≪それはステキですよねえ≫

信用できるかは分からない。
『かよ』や『ユキシラ』と違い、
スタンドで最初から干渉してきた相手。

だが、信用できないと決め付けもしない。

≪私も、『ある女の人』に見つけて貰いましたね。
  朝起きたら……なら、きっとすごくびっくりしますよう≫

温和なのは、『元々そういう顔だ』。
だが、『温和な笑みを浮かべる感情でもある』。
うそをつくことはあるが、うそをつくのが好きという訳では無い。

≪『同じ人』……ですかねえ。
 それとも『複数人』いるんでしょうか? 『スタンドを目覚めさせる人』≫

770比留間彦夫『オルタネイティブ4』:2020/07/11(土) 00:39:57
>>769

《『女性』に――ですか……》

《私も『ある女性』が『事の起こり』でして……》

《いや、何とも『奇遇』ですねえ》

『黒い兵士』は、所々で人間的な手振りを交えながら語る。
『スタンドを目覚めさせる女性』――
真っ先に『音仙』が思い浮かぶ。
この少女の力も、『出所』は同じなのだろうか。
興味はあるが、深くは追究しない。
こちらから尋ねるという事は、
こちら側も『明かす』流れになるだろう。
それは出来る限り避けたかった。
『音仙』に対する義理立てというよりは、ただ単純に、
『あっさり明かしてしまうのはつまらない』と思ったからだ。

《『その方』には、少々『ゲーム』に付き合って頂きましてね。
 何しろ、まだ勝手が分からないものですから》

《ここでお会いしたのも何かの『縁』です。
 不躾な提案で大変恐縮ですが、
 もし宜しければ、
 ちょっとした『テスト』にご協力願えませんか?
 いえ、決して『危険』なものではありません》

《先程の『カード』の『四隅』には、
 『四つのスート』が描かれていたのを覚えておいでですか?
 『カードの表面』には、
 『ある絵柄』が入っていたのですよ》

《その『表面』――つまり、
 『私の絵柄』を言い当てて頂きたいのです。
 もし『正解』なら、『私』は自動的に『解除』されます》

《――――如何でしょうか?》

少女に対し、ささやかな『ゲーム』を持ち掛ける。
この言葉の中に『嘘』はない。
ただし、『一つの情報』が意図的に伏せられていた。

771関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/11(土) 01:21:58
>>770

≪ふふ、そうですねえ……≫

(……明かさない、踏み込まない。
 『探っている』という感じはしませんけど)

≪『テスト』……まあ、トランプみたいですねえ。
 ええ、危なくないことみたいですし、喜んで。
 助け合えるところは助け合うべきですよう≫

           ガタ

≪あ、でも〜……≫

椅子に腰かけ直し、
改めて『兵士』をまっすぐ見る。
座った状態から素早い回避は難しい。
だからこそ、言外に『信用する』と示す。

≪質問。が、あるんですけど。
  ひとつだけ……先に、答えて貰えますか?≫

              スッ

卓上に『ペイデイ』を閉じた状態で置き、
兵士の目をまっすぐに見つめる……

≪あのう……じゃあもし、『不正解』だったら、どうなるんです?≫

772比留間彦夫『オルタネイティヴ4』:2020/07/11(土) 01:58:19
>>771

《いや、ありがとうございます。
 なかなか付き合って頂ける相手がいないものでして。
 『引き出して下さった方』の所にも、
 しょっちゅうお邪魔する訳にはいきませんのでね》

《あぁ、これは失礼しました。
 うっかりして肝心な事を言い忘れていましたね。
 もし『不正解』だった場合は――――》

        トッ 
             トッ 
                  トッ

《――――『私』の『射程距離』が『向上』します。
 ええ、『そういう能力』でして》

ゆっくりと歩きながら、『黒い兵士』が答える。
これも『嘘』は言っていない。
もし言い当てられなかった場合、
『射程距離の向上』は起こり得る。
ただし、それはあくまでも『可能性の一つ』に過ぎない。
その中から『射程距離』を選んだのは、
『他の三つ』よりも『分かりにくい』からだった。

《他に『ご質問』はおありですか?》

773関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/11(土) 08:55:39
>>772

(クイズをして当てられると解除……
 外れたら射程を伸ばすことができる、
 それを繰り返して射程を伸ばし続けられる?
 だとしたら本体はこの場にはいないのかも……)

《いいえ、ルールの質問は一つだけですよう。
 少なくとも、今のところは…………》

改めて兵士の姿を見ても、
スートを類推出来る要素は無い。
あるとしてもそれは『活かせない』情報だ。
『黒い』事が『クラブ/スペード』を象徴していても、
赤い兵士を見ない限りはそれは有益なヒントではない。

《普通にやれば、1/4の確率…………
 『くじ』なんかよりはずっと高いですけど、
 じゃんけんで勝つよりは低いですよねえ》

《うーん、悩むところではありますけど……》

          チラ

《まあここは…………『ダイヤ』にしてみましょうかあ》

     《ふふ、憧れますよねえ、ダイヤモンド》

視界の端に入った、同フロアの『宝飾店』。
そこから直感的に答えを出す……果たして、どうなるか。

774比留間彦夫『オルタネイティヴ4』:2020/07/11(土) 11:29:00
>>773

《『ダイヤ』――――ですか?》

        ス
           ゥ ゥ ゥ
                 ッ

《いいえ、『私』は『ハート』です》

その言葉通り、『黒い兵士』の胸に『ハート』が浮かび上がる。
しかし、それは『真実』ではない。
伏せていたカードは『ジョーカー(>>760)』だ。
『ジョーカー』は、任意の絵柄に『成り済ます』事が出来る。
少女の前にいるのは、
『ハートの兵士に化けたジョーカー』だった。

《お陰様で勉強になりました。改めて感謝を申し上げます》

《何か『お礼』をさせて頂きたいと思うのですが…………。
 あぁ、そうそう…………》

《『ラフィーノ石繭』という名前をご存知ですか?
 最近よく当たると評判の『占い師』です》

《実を言うと、私も占って貰った事がありましてね。
 今の悩み事に対する的確な助言を頂きましたよ》

《ご本人も実に『楽しい方』でして。
 『歓楽街』に事務所を持っていらっしゃいますが、
 時々『辻占い』もやっているようですね》

《占いにご興味がおありかは存じませんが――――
 『話のタネ』としてお教え致しますよ》

お礼と称して、『ラフィーノ石繭』の『宣伝』を行う。
この少女はスタンド使いだ。
もし二人が出くわしたら、
何か『面白い事』が起こるかもしれない。
その中で、あの占い師が、どのような対応を取るか。
実際に見られないのは残念だが、
想像するだけでも『面白い』。

775関 寿々芽『ペイデイ』:2020/07/11(土) 23:34:32
>>774

≪ああ……そうだったんですねえ≫

特に違和感などは『ない』。
『ダイヤでは無くハートだっただけ』。

外したことで何かが起きたようでもない。
研究の一環――というだけだったらしい。
何か見落としが、無いとも限らないが。

≪ラフィーノ……覚えておきますねえ。
 私は占いには凝ってませんけど、
 そういうのが好きな知人もいますし……≫

        ピピピピ …

と、そこで『フードコート』に特有の『呼び鈴』が、
注文が出来上がったことを知らせて来た。

≪……あ、すみません。ちょっと取ってきますけど≫

≪オルタネイティブ4さんはどうします?
 ご一緒……は、出来ませんよねえ。
 お話はお上手ですけど、お口があるようには見えませんし≫

776比留間彦夫『オルタネイティヴ4』:2020/07/12(日) 10:30:40
>>775

《『口を動かさずとも会話が出来る』というのは、
 全く便利なものですねぇ。
 その『ノート』が口をお持ちのようには見えませんのでね》

《どうぞ、お構いなく。
 お付き合い下さってありがとうございました。
 非常に参考になりましたよ》

こちらも、そろそろ『時間切れ』だ。
『オルタネイティヴ4』の発現時間は『三分間』。
会話を交わしている内に、その時間が過ぎようとしていた。

         《お会い出来て本当に良かったですよ》

  《では、良い一日を――――》

            シ ュ ン ッ

その言葉を最後に『黒い兵士』が消える。
持続時間を越えた事で、自動的に解除されたのだ。
直後、手の中にある『四枚のカード』が一枚増えて、
『五枚』になった。

(――――『騙す事』に関して『ジョーカー』は強い。
 その代わり、『ジョーカー』で勝ったとしても『報酬』はない)

(今後は、この点について考えていく事にしましょうか)

              フ ッ

さながら手品のように、掌中から『五枚のカード』が消失する。
そして椅子から立ち上がり、出口に歩いていく。
ストライプスーツの後ろ姿は、モールの雑踏の中に消えた。

777斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/08/01(土) 14:22:05
夏の陽気に木陰でスマホを弄る男の姿ありけり
名を『斑鳩 翔』といふ

 『・・・・・・やっぱりさぁ』

彼は二重人格であった
大抵の場合それは彼のスタンドの頭部から会話を交わしていたが
それは知らない人が見れば奇妙な独り言であった。

具体的に言うと『』で囲われた台詞が切り抜かれて聞こえるのだ。
 
 『ピアノが元凶だっつーんならbonfire lit(隠語)すればいーんじゃねーの?お高いのだと4桁万円いくらしいけど、命は星より重いというのが凡人共の価値観だろ。』

 「……いやぁちょっと2000万する焚き火は豪華すぎるなぁ。弁償も出来ないし。」

 『俺なら愛する家族の為なら何年かけてでも払うんだがなぁ?でも『彼』は出来なさそうだし……やはりここは親切心でbonfire lit(隠語)すべきなんじゃねぇ?』

 「そんなどす黒い親切心を持ったBJは現実にいないんだよ コミックじゃあるまいし。」

安い味付けのペットボトルティーを飲み干すと
数メートル先のゴミ箱に放り投げた。

セミの声がやたらうるさい夏であった。

778斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2020/08/02(日) 11:22:08
>>777

 『それで?どうすんだ。』

 「ま、約束はしているのだし。必要なら呼んでくれるだろ。」

 『その時にくたばってなきゃいいけどなぁ? 通り魔から集団犯行へ繋がる以上氷山の一角だぜありゃあ。』

 「ところで何歌う?『津軽海峡冬景色』とか駄目だぞ?」

 『チョイス演歌かよ……。』

そんなことを呟きながらその場を後にした。

779ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/08/13(木) 22:39:15

「お゛ー……」

長い金髪を投げ出した子供が、モール内のベンチの一角を占領し、だらーっと横たわっている。
ベンチの足元の通路には、新聞紙で折られたカブトやハリセンが並んでいた。

780十字路荒野『ジャンクション001』:2020/08/13(木) 23:38:18
>>779

「あ゛ー…………」

少し、逡巡する。
別に普段なら、子供が公共のスペースを派手に占拠しててもそこまで思うところはない。
そりゃあだって、子供ってそういうものだろ?
俺にだって心当たりはあった。子供はベンチとか、占拠するものだ。

だからベンチの一角を占領する子供がいたって、本来なら「かわいいもんだ」でスルーするところ。
いや、もしも迷惑だったら「ちょっといいかな」なんて言うかもしれないけどさ。
まぁともかく、今は迷惑には感じていないのでそれもないわけだ。

……でも。
スルーしようとして、ちょっと考えたんだけど……時期的にさ。
『ある』……よな。可能性。
考えすぎなら、いいんだけども。

「……なぁ、キミ」

だから俺は、意を決して話しかける。

「大丈夫か? 『水』とか……ちゃんと飲んでるか?」

……『ある』よな。
時期的に、『熱中症』とか。

781ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/08/13(木) 23:51:24
>>780

「お?」

子供は寝転がったままごろりと顔を向け、十字路を認識すると、ゆるやかに上体を起こした。
体調が悪そうといった感じは無い。モール内は冷房が入っていて涼しかった。

「いらっしゃい。
 水? 水は無いんじゃ。
 お茶ならあるぞい。飲むか?」

微妙に質問に答えていないが、見た感じ大丈夫そうではある。
子供はどこからともなく水筒を取り出し、お茶を注ぎ始める。

782十字路荒野『ジャンクション001』:2020/08/14(金) 00:00:49
>>781

「ああ……いや、俺は自分のがあるからいいよ」

ポケットから『スポーツドリンク』のペットボトルを出して見せる。
涼しい店内だが、それでも水分補給は重要だ。
……外出ると暑いし。

「ごめんごめん、ぐったりしてたから、体調でも悪いのかと思って」
「しかし、『いらっしゃい』って……」

視線を下に。
新聞紙の『工作』の数々。

「…………もしかして、『お店屋さん』かい?」

ああ、そういえばこういうの、俺も小さいころにやったなぁ……なんて。

783ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/08/14(金) 00:11:32
>>782

「なんじゃいらんのか」

そう言って自分でお茶を飲む子供。
入っていた氷をがりがりと噛み砕く。

「そうじゃ。ここは店を並べるところじゃろ?
 涼しむついでにわしも店を開こうと思ったのじゃ。
 何か買ってゆくか?」

そう言うと子供はベンチの横に置いてあったリュックから、どんどん新たな折り紙を繰り出してきた。
ベンチ前に置いてあるのは新聞紙で折った大型のものだが、普通の小さな折り紙もあるらしい。
ただ、それほど複雑な形のものは無いようだ。

784十字路荒野『ジャンクション001』:2020/08/14(金) 00:15:29
>>783

テナント料……と思ったが、口には出さなかった。
子供に言っても仕方ないし、マズければ店員が注意するだろう。
しかし古風な言い回しの子だな。

「おー、色々出てくるな……」
「…………ちなみにこれ、それぞれいくらぐらいなんだい?」

値札のようなものがあるなら、それを確認してみるが。
元手は限りなく0に近かろうに、さてどのくらい『ボって』来るのかな……と、興味本位で。

785ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/08/14(金) 00:26:48
>>784

「む? いくらか?」

折り紙を見ると、使っている紙が折り紙のものではなく、
チラシだったりと材料費は限りなくゼロに近いというか、実際ゼロのようだった。

「そうじゃな。金ではなく交換じゃ。
 おぬしは何か持っておるか?」

金銭のやり取りは発生しないらしい。
お店屋さんごっこだからだろうか。

786十字路荒野『ジャンクション001』:2020/08/14(金) 00:39:47
>>785

「ああ……『物々交換』ってワケね」

なるほど、なるほど。
微笑ましいじゃないか。お店屋さんごっこだ。

さて、自分が何を持っているのか考えてみる。
飲みかけのペットボトル……は流石に論外だし。
それ以外で、子供にとって価値がありそうで、いい感じに価値がなさそうなものとなると……

「うーん……」
「今持ってる物、となると……ああ」


ポケットの中から、個包装の『塩タブレット』を取り出す。
もしもの時のために持ち歩いているものだ。時期的にね。

「これとかどう?」

子供からすれば、ラムネ菓子の親戚みたいなものだろう。

787ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/08/14(金) 00:51:12
>>786

「なんじゃそれは?
 飴か?」

興味深そうに塩タブレットを覗き込む。
一見しただけではわからなかったらしい。
それ以前に塩タブレットという存在を知っているかどうかあやしい。

「それなら小さい折り紙と交換じゃ。
 大きいのも……どうしてもというならよいぞ」

新聞紙で折ったカブトやハリセンも交換できるらしい。
少し惜しそうなのは大きさに差があるからだろうか。

「これとかどうじゃ?
 シュリケンじゃ」

788十字路荒野『ジャンクション001』:2020/08/14(金) 01:01:45
>>787

「これは『塩タブレット』って言って……まぁ、『ラムネ菓子』みたいな?」
「飲み物で言えば『スポーツドリンク』みたいな、体にいいお菓子だよ」

ざっくりとした説明。
甘いお菓子を期待すると、ちょっと裏切られちゃうかもしれないけど。
……極端にまずいってわけでもないし、大丈夫だろう。

「はは、ありがとう」
「……大きいのもどうしてもならいいんだ……」

まぁ、元手ゼロっぽいしな……気分的な問題なのかもしれない。
とはいえ、そんな大きなもの貰っても持ち帰るのに困るし。
言われる通り、小さめのやつで……

「じゃあ、そのシュリケンと交換しようかな」
「しかし器用だね、キミ」

789ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/08/14(金) 01:12:02
>>788

「体に良いラムネ?
 甘い飲み薬みたいじゃな?」

子供用の甘いシロップの風邪薬みたいなのを想像したらしい。

「折り紙はテレビで勉強したのじゃ。
 うむ、ではシュリケンと『交換』じゃ」

十字路は器用さを褒めるが、手裏剣の折り紙はちょっといびつだった。
単に素材となったチラシがそもそも正方形ではなかったのかもしれないが。

790十字路荒野『ジャンクション001』:2020/08/14(金) 01:20:31
>>789

「ありがとう」

お礼を言って、シュリケンを受け取る。代わりに塩タブレットを渡す。
……まぁ、俺が子供のころに作ったシュリケンはもっと出来が悪かったしな。
別に塩タブレットひとつぐらいは惜しくないし、『いい買い物』なんじゃなかろうか。
…………もしも塩タブレットが口に合わなかったら、申し訳ないなぁと思うけど。

「…………ところでキミ、いっつもこういうことしてるのかい?」
「いや、やけに準備がよかったから」

涼むついでに……とは言っていたけど、普通はこんなに『紙工作』を常備したりはしないだろう。
となると、この子は普段からこういう遊びをしているのでは?
だからどーってワケでもないけれど、ちょっとした疑問だった。

791ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/08/14(金) 01:30:19
>>790

「どういたしましてじゃ」

そう言ってさっそく、口に塩タブレットを放り込む子供。

「ん? そうじゃ。
 わしはいつでも何か交換できるものを探しておる。
 そして『わらしべ長者』みたいにビッグになるのじゃ」

いい笑顔でそう言うが、次の瞬間には口をもにゅもにゅさせ、眉根を寄せる。

「なにか……変な味じゃなシオタブレット……
 まあええ。折り紙以外にも何か見てゆくか?」

そう言い、リュックからさらに物を取り出す。
折り紙は品切れなのか、何かのネジやらキーホルダー、パチンコ玉など、
道端で拾いました。って感じのラインナップだ。

792十字路荒野『ジャンクション001』:2020/08/14(金) 01:43:52
>>791

「へー……『わらしべ長者』か……」

好きなのかな、わらしべ長者。
確かに、夢のある話だ。子供ながらに憧れるというのも理解できた。
やっぱ甘くはないよね、塩タブレット……と若干申し訳ない気持ちになりつつ。

「ほんとに色々持ってるね……これ全部キミの『わら』か」
「とはいえ、俺の方は『塩タブレット』以外だともう……」

あとはもうマジで財布ぐらいしかないんじゃないか。
というかその、一個ぐらいなら記念に『買って』もいいんだけど、二個目となるとさ。
率直に言って『ゴミ』だもんそのラインナップ。ちょっともういいかな……

「……そういうワケだから、もう買い物はできないかな。ごめんね」

とはいえ『ゴミはもういらない』なんて言えるわけもなく、大人の対応。

793ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/08/14(金) 01:52:41
>>792

「うむ、そうか。またのゴライテンをお待ちしております」

意味はよくわかっていないが言う定型句なのだろう。
またのご来店も何も、また同じ場所にいる保障が無い。ベンチだし。

「でもこれでシオタブレットが商品に加わったのじゃ。
 長者へ一歩近づいたな」

リュックにネジやら折り紙を仕舞う。

794十字路荒野『ジャンクション001』:2020/08/14(金) 02:01:43
>>793

「今食べたじゃん」

苦笑する。
塩タブレットは食べ物だから、食べたら消滅する。
別に子供のごっこ遊びにそこまで本気でツッコむ気もないけどもさ。

「まぁ、お店の人に怒られないようにね。あんまり物広げると、邪魔になっちゃうから」

特に意味もなさそうな忠告をして、シュリケンをポケットにしまう。
さて、俺もそろそろ本来の目的地である本屋に向かおう……

「それじゃあ、俺は行くよ」
「バイバイ。クーラー効いてるとこにいても、水分補給はこまめにねー」

795ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/08/14(金) 02:13:43
>>794

「それはわしの特技でな……ん? もうゆくのか?」

「うむ、さらばなのじゃ」

子供は十文字を見送り、そのまま再度ベンチに横たわった。
十字路が本屋から出てくる頃には不用心にも寝てしまっている姿を見る事が出来たかもしれない。
時間によっては日が落ちて涼しくなったので去ったあとかもしれないが。

796関 寿々芽『ペイデイ』:2020/09/12(土) 15:56:19

おだんごにした髪に草花のアクセサリーを散りばめ、
苔のような色のエプロンを付けた少女が座っている。

       ジッ ・・・

スカイモール内『食品売り場』付近、
設置されたベンチに、十数分ほど座っている。
手にはスマホ、画面には『ポイントサイト』。

泣き黒子のある目を細め、時折売り場に視線を遣る。
温和な顔立ちに、今日はどこか真剣みが備わっていた。

797三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/09/14(月) 21:51:48
>>796

「寿々芽さん――」

今日は買い物に来ていました。
値段が手頃なお店を見つけたので、それから時々来ています。
清月館からは少し遠いですが、節約のためです。

「――お隣よろしいですか?」

持っているエコバッグの中身は『日用品』です。
さっき買い物を終えてきた所です。
キッチンペーパーがお安いので助かりました。

798関 寿々芽『ペイデイ』:2020/09/15(火) 01:03:46
>>797

掛けられた声に、スマホを見ていた顔を上げた。

「あっ……! どうぞ、どうぞ〜。
 ちょっとだけ詰めますねえ」

      ズイ

「よいしょっ……と」

言葉通り、腰を少しだけずらす。
子供一人が座る余裕は十分空く。

「こんにちはぁ、千草ちゃん。
 今日は……お買い物ですか?
 ふふ、季節の変わり目になりましたし、
 買う物が沢山で大忙しですよね〜」

エコバッグに視線をやる。中身はわからないが。

「急に涼しくなって……嬉しいけれど、びっくりですよう」

以前会ったのは、まだ本格的な猛暑が到来する前だ。
半ば季節越しの喜ばしい再会に、温和な笑みを浮かべる。

799三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/09/15(火) 01:37:40
>>798

「失礼します」

      ペコッ

頭を下げて、寿々芽さんの隣に座ります。
前にお会いした時を思い出しました。
山菜取りをしてらっしゃったと思います。
それから『寮』の事を話して……。
あっ、エコバッグは足元に置いておきましょう。

「はい。『台所用品』などを色々と……」

言いながら、エコバッグを少し開きます。
ラップやアルミホイル、
食品用ポリ袋などが見えるかと思います。
あまり季節とは関係ありませんけど。

「それから『保存容器』を買いました」

       ゴソ

エコバッグから、保存容器を取り出します。
琺瑯の白い容器です。
電子レンジはダメですが、直火で温められるのが便利です。

「はい、夜は肌寒いくらいで……。ビックリしました」

「寿々芽さんもお買い物の途中ですか?」

さっき見えた『真剣な表情』が、少しだけ気になりました。
『食品』がお安いのでしょうか?
千草も節約しているので、ちょっと興味があります。

800関 寿々芽『ペイデイ』:2020/09/15(火) 02:13:23
>>799

「まあっ、どれもここだとお買い得な物ですね!
 それに自炊するならよく使う物ばっかり……
 う〜ん。千草ちゃんは買い物上手なんですねえ」

          ニコ 

「この保存容器、便利そうですね」

笑みをエコバッグの中に向ける。
買い置きしておきたい物ばかりで、
市街地の店より安く買えるのも確かだ。

「はぁい、私も買い物中なんですよう。
 冷えてきたので、暖かいものを作ろうかと……」

「それで……今、その、タイムセールを待ってるんですよ」

          チラ

「だいたいいつも、もうすぐ割引シールを貼るんです〜」

腕時計を一瞥した後、食品売り場の方へ視線を向けた。
今のところそのような動きはないが……『待つ価値』がある。

801三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/09/15(火) 02:37:17
>>800

「あっ、そうなんですか。
 お安く買えると嬉しいですよね」

    ニコッ

自炊をしていると、『値引きシール』は馴染み深いです。
でも、時間までは把握していませんでした。
まだまだ勉強不足です。

「でも、つい予定にないものまで買ってしまう事もあって……」

「それは気を付けたいです」

         チラ

寿々芽さんにつられて、食品売り場の方を見てみます。
本当は食品売り場に寄る予定はありませんでした。
でも、このまま立ち去るのは惜しい気がします……。

「あの……一緒に待っていてもいいでしょうか?」

千草はベジタリアンです。
なので、見る範囲は広くありません。
だから、同じ商品に手を伸ばす事は――
『多分ない』と思います。

802関 寿々芽『ペイデイ』:2020/09/15(火) 02:50:09
>>801

「倹約はこういう小さな事からですよねえ。
 大切な時にしっかり使うために、
 引き締めるところで引き締めないと〜」

「それに……うふふ。
 ここのお惣菜は、とっても美味しいですしねえ」

安かろう悪かろうではいけない。
倹約そのものが目的ではないのだから。
コスト・パフォーマンスを見極めてこその『倹約家』だ。

「ええ、もちろん構いませんよう!
 一人で待ってるのは、ヒマでしたし……」

         ゴソ

スマホをエプロンのポケットにしまう。
ポイントアプリも、悪い時間の使い方ではないにせよ。

「ちなみに……今夜のメニューは、何の予定ですか〜?」

「ふふ、売ってるお惣菜次第かもしれませんけど……
 洋食の気分とか、和食の気分とか、ありますよねえ」

803三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/09/15(火) 03:23:19
>>802

「ありがとうございます」

       ニコッ

「寿々芽さんとお話するのも楽しいですから……」

節約しようとすると、
何でも安ければいいと思ってしまいがちです。
『国産』と『輸入物』があると、
つい『輸入物』に手を伸ばしてしまいます。
『国産』は品質は良いですけど、値段が張りますから。

安さだけを追いかけてはいけないと、
改めて気付かされたような気がしました。
寿々芽さんの考え方は、とても勉強になります。
もちろん、『輸入物』が良くないという訳ではないですけど。

「事故や病気で、急にお金が必要になる事もありますし……」

「備えておくためにも、節約は大切だと思います」

「大きな怪我をして病院に行けなかったら恐いですから」

人間は、いつ死ぬか分かりません。
『死なないための備え』は、
とてもとても大事な事だと思います。
もちろん『いつか』は死にますけど、
『酷い死に方をしないようにする』事は出来ます。

「あっ、今日はまだ決まってないです」

「ですけど……」

「千草は『マカロニサラダ』が好きなので……」

「もしあったら、とても嬉しいです」

「寿々芽さんはメニューを決めていらっしゃるんですか?」

804関 寿々芽『ペイデイ』:2020/09/15(火) 21:00:51
>>803

「まあっ! 千草ちゃんはお上手ですねえ。
 お世辞でも嬉しいです……ふふ。
 せっかくですし、たくさんお話ししましょう〜」

笑みには笑みを、
好意には好意を返す。
打算ではなく、自然な話だ。

「ええ。世の中、いつ何があるか分かりませんから……
 蓄えがあれば、何かあってもしばらくは安心ですよう」

三枝の秘める『サガ』は関は知らない事だ。
が、それでも同意するに十分な意見だった。
怪我の例えが多いのは、身内に何かあったのだろうか?
思いはするが……それこそ軽々しく触れるべきでもない。

「あぁ〜マカロニサラダですか!
 いいですねえ。おかずにもなって……
 そういうのが一品あると、食卓が彩られますね」

「私は、ええと、そうですねえ……」

           スゥ

手を口元に添え、やや俯いて思案する。

「『ハンバーグ』のレトルトが期限が近いので、
 それの付け合わせになるような物を作りましょうか。
 まあ、お惣菜にそれっぽいのがあったらそれでも……」

「ふふ、一品くらいは手作りにしたいんですけどね〜」

話しているうちに視界の端に入る、他の客が増えてくる。
主婦や主夫、仕事帰りらしき者……セールに集まって来たのかもしれない。

805三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/09/15(火) 22:32:07
>>804

「ハンバーグに添えるものというと……
 『フライドポテト』などでしょうか?
 『ポテトサラダ』もいいかもしれません」

「レトルト食品や缶詰は便利ですけど、賞味期限が長いと、
 かえって期限を忘れがちになってしまいますね。
 気を付けておきたいです」

「お腹を壊して倒れてしまう事もあるかもしれませんし……」

『ローリングストック』というのがあるそうです。
非常食が期限切れになるのを防ぐために、
非常食を定期的に消費して、
減った分を買い足しておくという方法だそうです。
非常食ではないですが、
普段から期限をチェックしておく事は大事だと思います。
もしかすると、お腹を壊して倒れて死ぬかもしれません。
それは嫌です。

「寿々芽さんはお料理がお上手なんですよね」

「寿々芽さんの作るお料理、いつか食べてみたいです」

         チラ

話しながら、売り場の方も見ています。
何だか人が多くなってきたようです。
やはり、皆さん『値引き待ち』なのでしょうか?
そろそろ千草達も行った方がいいのかもしれません。
『マカロニサラダ』がなくなってしまいます。

806関 寿々芽『ペイデイ』:2020/09/15(火) 22:59:09
>>805

「そうですねえ。
 お芋だと『マッシュポテト』とか、
 『こふきいも』なんかも素敵です〜」

「ただ……ハンバーグも茶色いですから、
 彩りを考えると『ポテトサラダ』ですかねえ。
 きゅうりやニンジンをたくさん入れて……」

メニューを思い浮かべ笑みを浮かべつつ、
三枝の続く言葉には大きく頷いた。

「期限切れはもったいないですからねえ。
 どんなに安く買っても、
 使わなかったら丸々損してますから……」

その裏に、『死』までは考えていない。
賞味期限切れくらいなら熱せば問題は無い。
すすんでそんなものを食べたくはないし、
食卓にあげる気も無いが、知恵として知っている。
もちろん期限内に使うのが一番いいのは前提だ。

「ふふ……今度時間がある時にでも、
 千草ちゃんのお部屋で作ってあげましょうか〜?」

「……あら、そろそろ『時間』が来そうですねえ。
 千草ちゃん、シールが貼られたら後は競争ですよう。
 もちろん、押し合ったりするのは良くないですけど」

視線の先には売り場を巡回する店員が捉えられている。
席を立ち、足を向ける先はもちろん食品売り場だ…………

807三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/09/15(火) 23:27:54
>>806

「えっ、いいんですか?」

「じゃあ、いつか……」

      ニコッ

「――楽しみにしています」

いつ誰かが来てもいいように、掃除は毎日しています。
ただ、調理用具はそんなに充実はしていません。
でも、本当に料理が上手な方は、
道具がなくても美味しいものが作れるのかもしれませんけど。

「そうですね。じゃあ、行きましょう」

「千草も負けないように頑張ります」

        スタ スタ スタ

「――――『マカロニサラダ』は譲れませんから」

ほんの少し真剣な表情で売り場に向かいます。
もし『マカロニサラダ』がなかったら、
『ポテトサラダ』にしておきましょうか。
あっ、でも寿々芽さんとブッキングが……。
ハンバーグには付け合せが必要ですし……。
……その時は『レンコンサラダ』で妥協しましょう。

808関 寿々芽『ペイデイ』:2020/09/15(火) 23:36:30
>>207

「ふふ、時間がある時なら喜んで。
 私も、『いつか』を楽しみにしてますよう」

        スタスタ

「ええ……それじゃあ、行きましょう〜」

そうして、タイムセールの売り場へ歩いていく。

……『ペイデイ』に、本来『買い物』は要らない。
だが、それは十分な資金の無い今は『もったいない』し、
仮に資金が集まっても……買い物は、楽しくもある。

いつか千草に料理を振る舞うとしても、
その材料はこの手と目で選ぶだろう……そんな気がする。

809関 寿々芽『ペイデイ』:2020/10/13(火) 04:04:12

モール内の『激安店』――
雑多な品揃えと値段だけが売りの店に、
エプロンを付けたお団子頭の少女が滞在している。

「…………」

      スッスッ

滞在。
それなりに長い時間、この店にいるのだ。

商品を見て回りながら、時折スマホに何かを入力する。
買い物カゴにも数点は入っているが……精算の様子は無い。

810三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/13(火) 19:50:12
>>809

「シャケ弁当と、お惣菜ももう少し買っていきたいねぇ
 ・・・・ん? あれはこの前の・・・・?」

立ち止まる関から少し離れた場所、総菜売り場にて
会社帰り風の様相を漂わせるスーツ姿の男が一人いた
男のカゴには『弁当』にサラダ、揚げ物などの惣菜類が入っている

「関さん・・・だったよね? こんな所でまた会うなんて奇遇だねぇ」

とことこと近づき、話かけた
関の目の前には壮年の男性がにこにことした微笑みを浮かべながら立っている

811関 寿々芽『ペイデイ』:2020/10/13(火) 22:03:10
>>810

「まあっ、三刀屋さん!
 こんにちは、この間ぶりですねえ。
 ふふ……ここ、よく来るんですよう」

     スッ

スマホをポケットにしまい、
三刀屋に笑みを向けて小さく頭を下げる。

「お夕飯のお買い物ですか?
 ここのは安くてボリュームがありますよね〜」

            チラ

「タイムセールはもうちょっと先ですけれど……」

腕時計に少しだけ視線を落とし、
売り場の様子に視線をゆっくりと回す。
目的は変わる事になりそうだが、知人と話すのは好きだ。

812三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/13(火) 22:24:18
>>811

 「や、お久しぶり 堤防の時以来だね」

気安い口調で話しかける
関の視線に釣られて売り場に目を移すが、安売りのシールはまだ張られていない

「僕の方は夕飯の買い出しに来たんだけどね
 関さんもやっぱり、夕飯の食材を買いに来たのかな?」

ちらりと買い物カゴに視線を向ける
じろじろと見るつもりはないが、どんな夕飯を作るんだろう、と好奇心からだ

813関 寿々芽『ペイデイ』:2020/10/13(火) 23:08:44
>>812

「ふふ、あの時はちょっと心配しましたよう。
 大事な原稿を持って水場にいたんだから……」

      ニコ

「でも、おかげさまで大きな魚が釣れて……
 あの時は、家族みんながとっても喜んでくれました」

あの原稿の『顛末』は勿論知らない。
それに付随して起こった『変化』も。

「ええ、そうですね〜。
 私の方も、晩ご飯を買いに……」

細かい嘘だ。
が、事実無根というわけでもない。

「今夜はですね、『シチュー』を作ろうと思うんです。
 『クリームシチュー』……冬も近づいて来ましたしねえ」

籠の中にはたしかに、シチューのルーが入っている。
価格調査の傍ら、『夕飯の買い物もしている』のは事実だった。

814三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/13(火) 23:38:56
>>813

「あ!? あぁ〜〜、あれね・・・・そうかぁ、そういえば君に会ったのはあの時だったね」

何か、痛いところを突かれたように表情が強張る
斜め上の方を見て視線がズレる

「あー・・・・、あの後なんだけどね、ちょっとしたうっかりミスが起きて・・・・
 すったもんだの挙句に『原稿』は水落ちしちゃったんだよねぇ
 ま、でも、色々あったけど最後には良い感じに着地出来たから結果オーライなんだけどね」

うんうんと頷く

「『シチュー』かぁ・・・・冬になると温かいものが欲しくなるよねぇ
 人参とかジャガイモとか入れてさあ できたシチューをごはんによそって食べるんだ
 残念ながら僕はあまり料理しないから滅多に作らないんだけどね」

「関さんの家では、関さんが料理を作ってるのかい?」

815関 寿々芽『ペイデイ』:2020/10/14(水) 00:09:38
>>814

「え、ええっ……………!?
 原稿が水に……そ、そうなんですねえ〜。
 そのう、無事に落着したなら良かったです」

一大事に思わず絶句するが、
三刀屋の仕事を関は全ては知らない。
上手くいったのなら、それで良いのだろうし、
そこを上手く行かせるのが真髄なのかもしれない。
少なくとも糾弾するような筋合いはない。

「ふふ、大きな野菜をたくさん入れて……
 ご飯にかけるのも素敵ですよねえ。
 邪道だっていう人もいるみたいですけど、
 うちにはそうして食べる人も多いです」

食卓を想像し、思わず笑みを浮かべる。

「あぁ、そうですね〜。
 毎食全員分っていうわけではないんですけど、
 私、そういう家事とかするのが好きなので……
 みんな喜んでくれますから、やり甲斐がありますよう」

「ふふ……まあでも、お惣菜も買うんですけどねえ」

大切な家族だ。例え血は繋がっていなくても。
誰に頼まれなくても、寿々芽は家族を慈しんでいる。

「三刀屋さんは、自炊はあまりされないんですか?」

そして三刀屋の買い物カゴの中を見ながら、問い返す。

816三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/14(水) 00:25:36
>>815
「ハハハ・・・・休日ならそれなりにちゃんとしたものを作るんだけど
 仕事がある日はどうしてもねぇ」

カゴの中の物をひょいと持ち上げて見せる
『弁当』に『煮物』、『サラダ』、どれも出来合いのものだ

「やっぱり、関さんは偉いねぇ
 僕なんて自分の食べ物を作るにも難渋してるのに、みんなの分も作るなんて
 ところで・・・・」

なんか・・・・ちょっとひっかかる『語句』だなぁ、と三刀屋は思った
最初は『大家族』を支えるしっかり者の長女のようなイメージを抱いていたのだが・・・


  うちにはそうして食べる人も多いです


  毎食全員分っていうわけではないんですけど


何か・・・・妙な違和感を感じる
想像するよりも、ずっと、ずっと人数が多いような・・・・そんな違和感を
普通の人間であれば、何か複雑な事情を察してそれとなく話を逸らすだろうが
三刀屋に『デリカシー』というものはあんまりなかった

「随分と大所帯で暮らしてるみたいだね、お家は何かやってるのかな」

817関 寿々芽『ペイデイ』:2020/10/14(水) 22:59:08
>>816

「あっ……いえ、その、自炊した方がいいとか、
 自炊しなきゃダメとかは思ってませんよう。
 特に、三刀屋さんはお仕事もされてるんですし」

「それに、お惣菜で済ませた方が、
 安上がりな事もありますしねえ……」

自炊をしないことを責めてしまった、
と感じたのか、どこか弁解めいた口調で話す。
そして、続く三刀屋の『質問』には――

「ああ、そうですねえ〜。
 じつは……『大家族』なんですよ、うち。
 ふふ、何を隠そう私が『長女』でして……」

ごくごく慣れた答えだ。

「……そういう三刀屋さんは、今お一人暮らしなんです?」

そして、笑顔のまま話題を三刀屋の方に持っていく。

818三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/14(水) 23:39:59
>>817

「・・・・・・ ・・・・・ なるほど
 やっぱり、大家族の子は下の子の面倒もみないといけないから大変だねぇ
 うちは一人っ子だったからなぁ」

何か誤魔化されてしまった気もする
だが、そこまで深く追求したいわけでもないので話を逸らす事とした

「僕はまあ勝手気ままな一人暮らしさ
 勤め先がこの町にあってね・・・・」

「聞いた事あるかな? 『民星書房』っていう出版社なんだけどね
 マイナーな漫画雑誌を売ってる小さな会社さ」

819関 寿々芽『ペイデイ』:2020/10/15(木) 00:15:21
>>818

「…………そうですねぇ。
 面倒を見ろと言われるわけじゃないんですけど、
 なんていうか……どうしても、ほうってはおけませんから」

どうやら上手く誤魔化せたようだ。
あるいは『誤魔化されてくれた』のか。
余程でなければ、知られたくは無かった。

「勤め先……ああっ。
 あの時の原稿はそういう!
 本を世に出すなんて、素敵なお仕事ですねえ」

『原稿』というワードから想像はついたが、
ハッキリ聞いたのは初めてだったように思う。
嘘偽りなく、尊敬できる仕事をしている。

「『民星書房』……漫画雑誌ですかあ。
 ううん、ごめんなさあい。
 私、あんまり漫画は読まなくって……
 会社の名前は、聴いた気がするんですけど」

「ちなみに、どんな漫画が有名だったりするんですか?
 もしかしたら、家族が読んでたりする……かもしれませんので」

820三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/15(木) 00:43:41
>>819

「そうだなぁ・・・・」

そう呟きながら、脳内で自社のコンテンツについて検索をかける
単行本となったもの、Web連載を続けているもの、いくつかあるが・・・・

(関さんが『長女』だとすれば兄弟の子達はもっと若いはずだよねぇ
 中学生から小学生に受ける漫画・・・・ 少年漫画系・・・・あるいは・・・・)

『能力バトル物』 『不条理ギャグ』 『ファンタジー』 などなど
脳内を駆け巡るいくつかの候補から、一つの名前を取り出す

「そうだねぇ・・・『こざるのマーモ』ってタイトルは聞いた事あるかな?
 ピグミーマーモセットと飼い主の交流を描いた漫画なんだけどね
 ネットで公開してるからきっと、読みやすいはずだよ」

年少の子供が家族で読める漫画・・・・
『民星書房』のようなマイナー出版社の雑誌など、よっぽど漫画が好きでないと読まないだろう
しかし、Web連載しているこのタイトルなら・・・・と、三刀屋はそう思った


    ペチャ   ペチャ  

さて、そう話していると遠くの総菜売り場の方で
店員が『半額シール』を張り始めた

「おっと・・・・もうこんな時間か」
「ごめんよ、関さん、そろそろ行かないといけないみたいだ
 また、会う時があったら、今度はゆっくりとお話したいところだね」

そう言うと買い物カゴを抱えてすたすたと歩いていく

「それじゃあ 縁があればまた」

男は軽く手を振り、この場から歩き去っていった

821関 寿々芽『ペイデイ』:2020/10/15(木) 00:59:08
>>820

「『こざるのマーモ』……
 あぁ〜そうですねえ、聞いたことはあるような……!
 ネットで公開されてるなら、一度読んでみますよう」

            ニコ〜

「動物のお話って、結構好きですし」

初めて聞いたが、『読んでみる』のは事実だ。
無料で読めるWeb漫画は時々手を出すこともある。

と、歓談の内に――――

「まあっ! もうこんな時間……!
 そうですねえ、私も何か買って帰りたいですし、
 今日のおしゃべりはこの辺りにしておきましょう〜」

『本番』が始まったようだ。
関としても安売り総菜などは確保しておきたい。

「それじゃあ三刀屋さん、またどこかでお会いしましょうねえ」

三刀屋とは別の売り場へ、手を振り返して歩き去っていった・・・

822ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2020/10/15(木) 19:52:37

気温が下がり、人の少なくなった展望台に女がいた。
古代ギリシャ風の装束を身に纏い、足元はサンダル。
白・青・紫の三色で彩られた頭髪を、
ポンパドールに固めている。

        ヒュォォォォォ…………

最も特徴的なのは、背中に生えた『翼』だ。
それ以外にも、両腕は『羽毛』で覆われ、
踵には『蹴爪』が備わっている。
一言で表現するなら、『鳥人』のような姿だった。

           「♪」

      クルックー
              クルックー

           「♪」

        カァー
              カァー

           「♪」

女が『鳥のような声』を発する。
両肩には、『ハト』と『カラス』が一羽ずつ留まっていた。
女の声に合わせて、二羽の鳥も鳴き声を上げており、
まるで『会話』しているかのような光景だ。

823ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』:2020/10/16(金) 15:49:31
>>822

それから数分後、『三羽』の鳥が飛び立っていった。

824ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/12(木) 21:57:52

「シール〜」

地面に毛布を敷いて、道路の隅に座り込む金髪の子供がいた。
ブカブカの服を着ており、傍らには大きいリュックがある。

「シールはいらんかね〜」

言う通り、毛布の上にはシールが並んでいた。

825ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/11/14(土) 21:07:45
>>824

「あ、またいたわ」

            タッ タッ タッ

どこかで見た幼稚園児が近寄ってきた。
前と同じような制服姿。
大きなテディベアを抱えているのも同じだ。

「『石』の次は何?『シール』売ってるの?」

何の気なしに、並べられたシールを眺める。
それから、『この前の事』を思い出した。
『ブラックリスト』の『三人目(スタンド使い)』の事だ。

「ねえ、ちょっと前にとんでもない目に遭わされたのよ」

「いきなり変な女に襲われて、上から大きな岩を落とされたの。
 わたしは避けたけど、あれは絶対に殺す気だったわ!」

聞かれてもいないのに、勝手に自分の体験談を話し始める。
ちなみに、実際は避けてもいない。
最初から狙いを外されていただけなのだが、
ダイアナはそうは思わない。

826ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/14(土) 22:37:49
>>825

「ん、おお。
 そうなんじゃ。シールいるかの?」


前に見た顔だ……小さく一礼した。
毛布……店頭にはキャラクターもののシールがいくらか並んでいる。
おそらく、興味ない者が捨てて行った菓子パンのおまけだ。
それからこれまた食品などについているポイントシール。
集めて応募すると何かもらえたりするやつだ。


「なんじゃと?
 物騒じゃな……。
 怪我はないかの? バンソウコーいるか?
 変な女とはどんなやつなんじゃ?」


唐突な話題だがそう言われれば普通に心配もするし、
自分も用心しておこうと考える。

827ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/11/14(土) 22:54:08
>>826

「よく分からないけど、変な格好してた。
 あんまり見かけない感じの。
 見るからに怪しいやつだったわ。
 そういう怪しいやつには気をつけないと」

「服もどろんこにされてサイアク!
 しかも笑ってたし!あの性悪女!
 もし見つけたら絶対やっつけてやるわ!」

「あ、バンソーコーはいらない。
 ケガしてないから。
 自分がケガした時に使いなさいよ。
 あなた、ボケーッとしてそうだし」

一気に話し終えて一息つく。
愚痴やら何やら吐き出してスッキリした気分だ。
出し抜けに、菓子パン付属のシールを手に取った。

「――で、売れてるの?」

またもや唐突な話題転換だった。
幼児特有の傾向だ。
しかし、相手もまた子供なのであった。

828ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/14(土) 23:08:15
>>827

「ふうむ?」


具体性の無い発言に首をかしげる。
どんな外見だったのかまるでイメージが湧いてこない。
岩にも覚えがなかった。
知っている人物だとしても、その人の全てを知っているわけではないのだから仕方ない。


「岩? 泥?
 まあ、怪我せんでよかったのう。
 バンソウコーはいくらでも出せるから必要なら言うんじゃよ。
 いくらでもと言ってもタネは必要じゃが」


ダイアナがシールを手に取ると、有名ゲームの可愛らしいモンスターが印刷されていた。
他にも並んでいるのは一応知名度が高いキャラクターが多い。
そうでなくてはそもそもシールにならないだろうから、当たり前だが。


「売れておらんなぁ」


金髪の子供は袖を余らせながら腕組みして言った。
いつもの事なのか、平然としている。

829ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/11/14(土) 23:30:33
>>828

「フーン、売れてないんだ」

やっぱりという感じだった。
正直、ほんのちょっとだけ惹かれるものはあるが……。
でも、そこまで欲しいという訳でもなし。

「じゃあ、なにか売れる方法でも考えたら?」

       トスッ

『座る動作』をすると、『半透明の椅子』が現れた。
『自分専用の椅子』。
そこに腰を下ろし、悠然と足を組む。

「――もっと注目を集めるとか」

            ヒソヒソ
                   ヒソヒソ

遠くの方で、数人が内緒話をしている。
奇妙な『半透明の椅子』が、密かに注目を集めたようだ。
当の本人は、全く気付いていなかった。

830ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/14(土) 23:46:24
>>829

「色々売るものを変えたりしておるんじゃがな……
 この間の石もそうじゃが、夏はトンボとかバッタとかも売っておったんじゃが……」


ラインナップが基本、採取したか拾ったものなのである。
そもそも価値があるものは仕入れが無理なのだ。
条件が、この子供でも手に入るものなのだから仕方ない。


「注目?
 そう言われてものう。
 わしはお嬢ちゃんらのように守護霊とか妖怪が憑いとるわけでもないし……」


目の前の空気椅子を見ながら答える。
自分がスタンド使いという人々の一種らしいというのはなんとなく理解しつつあるが、
守護霊……つまりヴィジョンが無いことも事実で、直接的な干渉力を持たないのだ。

とはいえ、売れないのはママゴトとしか見られていないことも原因だろう。
ママゴトと思われてるから存在を許されているとも言えるが。

831ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/11/15(日) 00:05:49
>>830

「まぁ、ムリよね。何となく分かるわ」

シールを見下ろして、素直な感想をこぼす。
お店屋さんごっこなら上等だが、
お店として成立するような商品とは思えない。
ダイアナはお店屋さんごっこなどしないのだ。
そういうのを見ると『コドモ』だと思う。
そうする事によって、
自分自身を一段階上げているというのもあるが。

「でも、この間の石は結構キレイだったけど。
 今、部屋に飾ってあるから」

批判だけでなく、フォローも忘れない。
それこそ建設的というものだ。
実際、綺麗だと思っているのは本当だった。

「フーン…………」

「あ、そうだ。いい事考えた。とってもいいアイディア。
 もしかしたら、お客が沢山増えるかも」

         フフン

「――聞きたい?」

得意気な顔をしながら、上から目線で勿体ぶる。
椅子の上にいる分、高度的に上なのは確かだ。
もっとも、『精神的な高度』は大して差はないだろう。

832ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/15(日) 00:17:23
>>831

「そうじゃろ?
 でも石もお嬢ちゃん以外には全然売れんでの」


眉根を寄せる。
そもそも物々交換という縛りがあるのだ。
逆に価値ある物ばかり置いてあっても、金銭で買えないのは不審だろう。


「な、なんじゃ?
 アイディア料が必要か?」


下から覗き込むように期待した目で見る。

833ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/11/15(日) 00:37:45
>>832

「それはね、わたしが『違いの分かるオンナ』だからよ。
 わたしの美的センスは人の何倍も先を行ってるから」

自慢げに言って、偉そうに胸を張る。
ダイアナとしては、
自分の感性には大きな自信を持っていた。
だからこそ『人が気付かない良さに気付いた』という解釈だ。

「フフン、すっごいアイディアよ。
 ホントにビックリしちゃうくらい。
 今までにないような発想よ」

「わたしが『宣伝』してあげる。
 これから会う人達にね。
 そうしたら、もっともっとお客が増えるでしょ?
 フフ!わたしってかしこい!」

散々もったいつけた割には、
そこまで革新的なものではなかった。
ただ、ダイアナにとっては斬新だったのだ。
何しろ『五歳』なのだから。

「『アイディア料』は、そのシールでいいわ」

          スッ

先ほど手に取っていたシールを指差す。
何だかんだで気になっていたらしい。
謝礼を出すに値するような案かどうかは相手次第だ。

834ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/15(日) 00:52:50
>>833

「ということはわしも……?」


自分が良いと思った石=ダイアナの目にかなった石
→自分の美的センスはダイアナと同じく常人の何倍も先を行くものである。
どうだろうかこの方程式は。


「ん? しかし同じくらいの方が良いのか?」


別にこちらとしては美的センスに磨きをかけたいわけではない。
そういう意味では大衆に合わせた方が良いのだ。


「ふむ? なるほど?
 ……うーむ、まあ、それなら頼もうかのう」


それはともかく、アイディアについてだ。
先ほど自分にはスタンドヴィジョンが無いので注目を集めるのは難しいと言ったが、
だったらヴィジョンを持つダイアナの方が宣伝には向いている。のか?
よくわからなかったが、どうせ売れていないのだし、頼んでみることにした。
シールを手渡す。

835ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/11/15(日) 13:22:50
>>834

「あなたもそこそこイイ線いってるんじゃない?
 まぁ、わたし程じゃないけどね」

もしかすると、センスは似ているのかもしれない。
少なくとも、年齢に関しては同じようなものだ。
『子供らしさ』と言い換える事も出来るだろうか。

「わたしと同じレベルの子はなかなかいないから。
 でも、褒めてあげる」

「人間って、出来すぎてると、
 かえって理解されない事もあるわ。
 『わたし達』みたいにね」

        フフン

「お客をジャンジャン呼んであげる。
 わたしは顔が広いから。
 商品をいっぱい用意しときなさいよ」

受け取ったシールを胸ポケットに入れる。
『オンリー・ガール』は実体化しているので、
一般人にも見える。
そういう意味では、
確かに注目を集めるには向いているだろう。

「早速いってくるわ。あなたも頑張りなさい」

                 タッ タッ タッ

「また何か相談に乗ってあげてもいいわよ〜!」

『椅子』から立ち上がり、歩いていく。
その途中で振り返り、手を振った。
センスのせいか、何か気に入られたようだ。

836ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/15(日) 23:18:48
>>835

話を聞いていると、人の先を行くと何も良い事は無い気がしてきた。


「うむ、まあ、頼んだぞ」


彼女にはなんだか敵が多いようだが、友好的に客寄せが出来るのだろうか。
そう思いながら去っていく幼稚園児を見送ったのだった。


「大丈夫かのう……」

837御影憂『ナハトワハト』:2020/11/18(水) 23:21:18

フードコート内のレストラン。
隅っこの席に女が一人で座っていた。
いわゆる『お一人様』というやつだ。
白いワンピースを着た髪の長い女。
前髪の隙間から片目だけが覗いている。

   スッ……

        ドバドバドバドバドバ

ゆっくりと腕を伸ばし、
テーブルに置かれていた『タバスコ』を持ち上げた。
さっき来たばかりのカルボナーラに、
瓶の中身を勢いよく掛けている。
中身を半分ほど使いきり、ようやく瓶を置いた。

     コトッ
           ズズ……

一口食べて、首を傾げる。
そして、またタバスコの瓶を手に取り、中身を掛け始めた。
店内には団体の客が多い。
お昼時という事もあって、ほぼ満席の状態だ。
『女の向かいの席』を除いては。

838??『???』:2020/11/18(水) 23:33:35
>>837

「あ、あの お客様」

異様な空気が、その女性(御影)の周囲に立ち込めているのを
敏感に感じとったらしい店員が、おずおずと言った調子で声を掛ける。

「よ、宜しければ相席の形をとっても宜しいでしょうか?
何しろ、この通り周りが満席なものでして」

貴方の恐ろし気な雰囲気に当たったのか、青白い表情で尋ねる。

839御影憂『ナハトワハト』:2020/11/18(水) 23:42:22
>>838

    ズズ……

女は無言で『カルボナーラ』を食べている。
だが、それが何なのか想像する事は難しい。
既に全体が真っ赤に染まっており、
もはや原型を留めていないからだ。
その『真っ赤なカルボナーラ』を、女は平然と口に運んでいる。
やや間があって、女がフォークを置いた。

         「…………『タバスコ』」

          ボソッ

  「『タバスコ』…………下さい」

相席についての返答はなかった。
だが、『拒否』もしていない。
案内したとしても、文句は言われまい。

840芦田『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』:2020/11/19(木) 00:00:37
>>839

「――ウィゴーちゃん 君の瞳は全宇宙一の宝石だ」

『黙れ』

「いやぁー、今日もウィゴーちゃんの毒舌は限りなく最高だなぁ―――zノアアッ!
俺の下半身が、いきり勃つぜっっ゛。
 あ、そこの姉ちゃん。ほい、オーダーしたタバスコ。
つか、そんだけ掛けるならハバネロでも丸かじりした方がうめぇんじゃね??
まぁ俺とウィゴーちゃんの睦時を見せつけられたら、辛さも中和しちまうかも
知れねぇがなっ!!! WRYyyyyyyyyyyyッッ!!!!」

『本当黙れ』

変な男が、スタンドと共に目の前に堂々と座って来た。
貴方の恐ろしいまでのカルボナーラのタバスコや雰囲気にも全く
気にしない感じで男は何故か理由は不明だが自身のスタンドに愛を囁いてる。

スタンドは簡潔にクタバレと返してる。

『あんまり刺激物をとりすぎると、後でトイレに行く時に苦しくなりますし。
今なら、私の力で引き返す事も可能ですが……』

「おいおい、ウィゴーちゃあああぁあん。見ず知らずの女性の事なんて
気に掛けないで、俺だけを見てくれ! そうっ!! お・れ・だ・け・をっ!!」

『話しかけないでくれます? あ、自分はこのプリンアラモードね
それといい加減に学習しろよ!
 ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト!!!』

841御影憂『ナハトワハト』:2020/11/19(木) 00:15:37
>>840

     ズズ……

女は意に介した様子もなく、淡々と食事を続けている。
スタンドの言葉にも反応しないため、
『見えているかどうか』も定かではない。
対照的に、周囲の客は戦々恐々としていた。

     ヒソヒソ
             ヒソヒソ
                     ヒソヒソ

気付かないフリをしながら、
誰も彼もが関わらないようにしている。
おかしな人間が二人もいるのだから、それは当然の事だ。
店側は、さぞ迷惑している事だろう。

         ズズ……

女の食事は続く。
目の前の狂ったやり取りなど見えていないかのようだ。
髪で顔が隠れているため、表情も読み取れない。

(何…………こいつ…………)

(頭…………おかしい…………)

(関わりたく…………ない…………)

御影憂は『感情が表に出ないタイプ』だ。

842芦田『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』:2020/11/19(木) 00:30:23
>>841

「すげぇだんまりだな、姉ちゃん。
あぁ! 俺とウィゴーちゃんのアツアツっぷりに閉口過ぎるのも無理ないよなぁ」

『そもそも見えてないのでは……?
いや、私が人間だとして。貴方と初対面で、こう言う店で遭遇したとしたら
絶対に話しかけないですし、近寄らないですし、半径50m範囲の視界に
入らないようにして欲しいと思うのは当然の反応かと。
あと、マイネームイズ・ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』

「――そんなツレナイ天使が、俺は堪らなく愛おしい」

『おめぇの脳味噌どうなってんだよ』

「ウィゴーちゃんの全てを何時も妄想してるぜぇぇええ!!」

『……(ドン引き顔)』

狂った光景は尚も続く。気色悪い様子で隣のスタンドに話しかけてた男は
突如何かのスイッチが入ったのか真顔になりつつ呟いた。

「……そういや、あの時の『幽霊騒ぎの工場』ってよ。
あれ以来、何にもないんだが。まだ、ちょっと俺引っかかる事あんだよな」

『なに突然』

プリンアラモードをスプーンで掬いつつ、呆れ声のスタンドに構わず
頭を掻いてフケが落ちつつ男は天井に目を向け話続ける。

「いやよ。あそこの工場の隣に位置する病院の院長も居なくなったろ?
ついでにミイラ死体も、結局未解決だしさ。
アレってよ……結局、なんか繋がりあったのかなーってさ。ウィゴーちゃん」

『……うぅん…………状況だけ見ると全くの無関係に思えますが。
確かに発生したタイミングが少し気にはなりますよね。
あと、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトです』

何やら気になる会話をスタンド、変人な男がやりとりしている……。

843御影憂『ナハトワハト』:2020/11/19(木) 00:47:14
>>842

    ズズ……

女は全くの無反応。
当たり前といえば当たり前だ。
目の前に、『ドラッグジャンキーみたいな男』が座ったとして、
会話したいと思うだろうか?
御影憂は思わなかった。
そして、他の客も、
『Jホラーみたいな女』と会話したいとは思わないだろう。


(ミイラ死体…………)

        ズズ……

(こいつもスタンド使いだし…………それ関連か…………)

        ズズ……

(こいつ…………そういう話に詳しいのかも…………)

        ズズ……

(後で伝えた方がいいかな…………)

        ズズ……

                (…………『彼』に)

何食わぬ顔で食事を続けながら、
『事件の話』を聞き取った。
これについては、後で報告しておく必要がありそうだ。
『彼』なら興味を示すだろう。
『スタンドに関わりそうな事例』は、
全て知らせろと言われている。
数日前の『音仙との接触』も、
『彼』の指示によるものだった。

844芦田『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』:2020/11/19(木) 09:36:52
>>843(この辺で〆ます)

「星児病院も大変だよな、名医だったとか噂されてた
『いのり院長』が行方不明になった感じだし。今は代理で回してる
だろうけど、ありゃ潰れるのも時間の問題ってか」

『笑いごとじゃないですよ』

「けど住んでる家も特に荒らされた形跡ないし、軽く荷物とか免許とか
そう言った身辺の大事なものだけ消えてたから。自分からどっかに
無責任に旅立ったんじゃねぇかって話も探偵事務所に仕える俺には
飛び込んでくるしさ、ウィゴーちゃん。
もしかしたら、どっかでひょっこり会えるかも知れんぜぇ〜?
 まっ! 死んで化けて出たとしても俺が君の事は守り抜くよ!!」

『いま絶賛本体と言う狂気的な存在に呪われてて地獄なんですが。
そんでもってウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトだ、戯けが!!』

スタンドはプリンアラモードを食べきった、本体のほうも軽いサラダなり
食べきると席を立つ。

「さぁて、そんじゃあ嬢ちゃんが探してる。
――『虹の紐の使い手』って奴について
 何かしら今日は手掛かりがあるといいねぇ」

『えぇ、あの方と何やら因縁のある様子。
少しでも町の平和へと貢献せねば』

……奇妙な男とスタンドは去っていく。
 彼等の雑談の中で出てきた単語、失踪した『いのり院長』に『虹の糸の使い手』
それはきっと貴方の頭の中に残るだろう……。

845御影憂『ナハトワハト』:2020/11/19(木) 14:55:51
>>844

立ち去る男の背中を視線で追う。
それから片手を上げて、先程の女性店員を呼んだ。
精一杯の営業スマイルを浮かべて、店員が駆け寄ってくる。

  「すみません…………」

             ボソッ

           「…………『コーヒー』下さい」

食事を終えて、スマホを取り出す。
液晶に表示されているのは『Line』のチャット画面。
無言で文字を打ち込んでいく。

【関係ありそうな事を見つけた】

【『工場の幽霊騒ぎ』】

【『ミイラ死体』】

【『星児病院院長失踪』】

【『虹の紐』】

           ピコンッ

運ばれてきたカップを傾けていると、返信が入る。
『彼』からだ。
前髪から覗く片目で、その内容に目を通す。

              ――――――【それだけか?】

【喋ってた男は『スタンド使い』】

【スタンドは『人型』で『自立した意思』を持ってる】

【スタンドの名前は『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』】

【能力は『引き返させる』こと】

【『本体』は危ないやつ】

              ――――――【分かった】

              ――――――【戻って来い】

【了解】

846甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2020/11/21(土) 08:21:00
ここは、『展望台』のある高層エリア

「助けて……」「誰か…助けて……っ!」

誰かの助けを求める声がする

847ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/21(土) 22:35:52
>>846

「どこじゃここは」

パコパコとサイズの合わない靴を鳴らしながら金髪の子供が迷い込んでくる。
背負ったリュックも着た服もどれもブカブカだ。

「なんじゃ、どうした。迷子か?」

他人事のように言いながら甘城に寄ってきた。

848甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2020/11/22(日) 08:58:15
>>847
そう他人事のように言い、声に近寄るナイ
そこには、展望台の手すりに片手で掴まり落ちそうになっている甘城がいた
一体何をどうしてこうなったのか?
助けてやるのもいいが、見殺しにするのも面白いかもしれない

849ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/22(日) 10:52:47
>>848

何が楽しい? 何が面白い? 命を何だと思っているんだ(鬼滅)


「……おー」


とはいえ、小学校低学年くらいの年齢の女児である。
手を出せばそのまま一緒に落ちていくだろう。
『スタンド』という力を持ってはいるが、紙一枚持ち上げるパワーも無い。
というかヴィジョンが無い。


「なんで片腕なんじゃ? 危ないから両腕で掴んだほうがええと思う」


とりあえず助言してみた。

850甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2020/11/22(日) 11:20:10
>>849
「『安価』…なんだ…」

ボソリと呟く

「『安価スレ』で……こうしろって言われて……」

『安価スレ』で書かれた命令を必ず実行する、『安価は絶対』主義らしい
ただの馬鹿だ

しかし流石に限界が来たのか、助言通り両手で掴み、自力で上がって来た

「はぁ…はぁ…いい運動になった」

851ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/22(日) 11:32:24
>>850

「なんじゃ……大丈夫ではないか。
 あまり人を騒がせるんじゃないぞ。
 びっくりしたじゃろ」


あっさり登ってきたので少し苦言を呈した。
命の危機に突っ込んでいくのはともかく、
自力でなんとかなるのに人に助けを呼ぶのは迷惑である。
それとも叫ぶところまで含めて安価だったのだろうか……


「あんかすれというのはお嬢ちゃんの飼い主か?
 駄目じゃぞ、嫌なことは嫌と言わんと。
 しかしこの行為になんの意味があるんじゃ?」


展望台に片手で掴まる理由と意味が見いだせないようだ。
ただの馬鹿であるという可能性にはまだ思い至らない。

852甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2020/11/22(日) 11:56:12
>>851
「驚かせてごめんなさい、『安価』の命令は絶対だから…」

甘城の語る所によると、あまりにも暇で安価スレを立ててみたところ
片手で手すりに掴まり助けを呼んで引き上げてもらう所までが安価だったようだ、今回は自力救済なので失敗した形になるが
妙な所でクソ真面目に安価を守ろうとして人様に迷惑をかける
こんな馬鹿はいっそ本当に落ちて死んでしまった方が世のためだったかもしれない

「でももうしないから…反省してる…」

申し訳なさそうに言い、一応反省はしているようではあるが

853ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/11/22(日) 12:04:17
>>852

「あんかすれとやらに弱みでも握られておるのか?」


説明されてもいまいち理解が追い付いていなかった。
いや、顔も名前も知らない他人にやれと言われたから
展望台からぶら下がるというのは、
安価について知っていたらそっちの方が「正気か?」という話だが。


「まあええがな……
 わしは別に何もしておらんし……
 そうじゃ、よくわからんが暇なら、わしの脱出を手伝っておくれ。
 ここはどこなんじゃ?」


自分が迷子だったことを思い出したらしい。

854甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2020/11/22(日) 12:40:36
>>853
「ここは、星見スカイモール高層階」

「お嬢ちゃん、迷子…?パパとママは?」

ナイが迷子である事を知り、心配した顔でご両親は一緒か尋ねる
馬鹿ではあるがこの女にもそれなりの良心はあるようだ


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板