したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

【場】『 歓楽街 ―星見横丁― 』

1『星見町案内板』:2016/01/25(月) 00:01:26
星見駅南口に降り立てば、星々よりも眩しいネオンの群れ。
パチンコ店やゲームセンター、紳士の社交場も少なくないが、
裏小路には上品なラウンジや、静かな小料理屋も散見出来る。

---------------------------------------------------------------------------
                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------

877百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/09(水) 01:02:46
>>876

「ま、アタシの職業については『秘密』って事にさせてもらうよ」

「いや、別に隠すようなもんでもないんだけどねえ」

どうという事のない談笑。
その最中に、何気なく出した話題だった。
だが、少女の答え方に、何となく引っ掛かるものを感じた。
単なる直感だ。
もしかすると思い過ごしかもしれない。

「その通りだね。
 もちろん轢くのも悪いけど、怪我人を放って逃げるってのは、
 更に悪いからねえ」

「――この噂、知ってたかい?」

何気ない口調で尋ねる。
無視すれば良かったのだが、
気になってしまうと放置しておけない。
元々その事故が奇妙なものだった事も理由の一つだ。

878日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/09(水) 18:17:16
>>877

「んふふ、私、無理には聞かないよ。
 話すようなことでもないってことでしょ〜?
 だったら、知らない方が楽しいこともあるもんね」

「何事も、楽しいのがいちば〜ん」

重要なのは『知的好奇心』でも『空気読み』でもなく、
自分にとってそれが『楽しいかどうか』……という事。

優先するべきはそこにある。
そこには、『たしからしいもの』がある。

「うん、知ってた知ってた〜。
 轢かれたヒトを見てたわけじゃないけどね」

自分を見る事は難しい。

「んふ……お姉さんって〜、『事件』に興味ある人〜?」

同じく何気ない口調で返す。
『犯罪』『轢き逃げ』……一般的に『物騒』な話題だ。

初対面の雑談に、無難なゴシップと言えなくもないが……

879百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/09(水) 19:40:13
>>878

「ああ、知ってたのかい。そんな気がすると思ったよ」

『救急車が呼ばれなかった』とか、
『花が供えられていない』とか、
引っ掛かったのは大体その辺りだった。
根拠と言うには弱いが、気になったのは確かだ。
しかし、まさか『被害者』だとは思わない。

「興味あるねぇ。好きって訳じゃあないけど」

「噂じゃあ逃げた奴は捕まってない。
 つまり、自分がやった事の『ツケ』を払わずに、
 踏み倒したって事だ」

「アタシは、そういうの嫌いでね。
 ソイツがまた同じ事をやらないとも限らないし、
 『人を轢いても逃げ切れる』って、
 勘違いするヤツが出てくるかもしれない」

「だから、犯人をキチッと捕まえて、『罪の重さ』ってヤツを、
 分からせてやって欲しいと思ってる訳さ」

煙草を口から離し、言葉の代わりに煙を吐き出す。
喫煙が犯罪じゃなくて良かった。
これが罪だったら、自分は終身刑になっていただろう。

「もちろんアタシが捕まえる訳じゃあない。
 それは『警察』の仕事だ。
 でも、『通報』する事は出来るからね」

「その轢き逃げについて、他に何か知らないかい?
 よければ聞いときたいねえ」

曲がった事は嫌いだが、真っ直ぐしか歩かない訳ではない。
左折もするし右折もする。
言葉も同じだ。
もし犯人を見つけたら警察に通報する。
その犯人を捕まえた後で。

880日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/09(水) 21:17:37
>>879

「んん、そんなにたくさんは知らないけどね〜。
 少なくとも、捕まえるのに近付ける情報とかは……」

必死になって追えば『たどり着けた』可能性はある。
が、それがプラスになると日下部は考えていない。

「ナンバーとかも、もちろん知らないし〜」

痛みを感じたその場ならまだしも、
後になって報復のために走り回るのは、
いたずらに『マイナス』を増やす行為だ。
何か大切なものを失ったわけでもない。
日下部の『因果』は『応報』しないもの。
復讐の熱がない以上、他害は利己に繋がらない。

「あー、でも、『轢いたの』はバイクだったみたい。
 車じゃなくってね〜。大きい、改造してるバイク〜」

だが……

「ぜ〜んぜん、ブレーキする気なさそ〜だったって」

「細かいことは、知らないけどね。 
 でも、『轢き逃げ』よりは一歩踏み込んだね。
 んふ……お姉さんの役に立ったなら、私、嬉しいな〜」

解決を望む者がいて、それに協力することで、
精神的な喜びを得られるなら……それは『価値がある』事だ。

881百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/09(水) 21:56:56
>>880

「『大型の改造バイク』――なるほどねぇ。
 この辺りじゃ一台や二台でもないだろうけど、
 ある程度は絞れるかもしれないね」

「バイクで人を轢いておいて、
 それに気付かないって事は考えられない。
 ブレーキも掛けずに走り去ったってのは、
 気にも留めてなかったのかもしれない。
 よほど肝が据わってるのか、
 じゃなきゃ『初犯』じゃないヤツか」 

「噂だと、確か『深夜』だったって話だ。
 時間帯と大体の現場は分かってる。
 それと同じような時間と場所に、また現れる可能性はある」
 
「いい情報だったよ。ありがとう、お嬢ちゃん」

単にバイクだけなら特定は難しいが、
大型で改造されているとなると、自然と範囲は狭まってくる。
また同じ場所を通るかもしれない。
現場とされる付近を注意しておくだけの価値はあるだろう。

「お嬢ちゃん、なかなか事情通なんだね。
 『噂話』は好きな方なのかい?」

「アタシの聞いた話だと、
 そこまで詳しくは分からなかったからさ」

犯人とは別に、気になる事が一つあった。
自分が聞いた噂以上に、この少女は情報を知っている。
その『情報源』がどこなのかという事だ。

882日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/09(水) 22:13:09
>>881

「んふふ、良かった〜。
 誰も損せずみんなが得するのが一番いいもんね」

        ニコ

「噂話とか、そういうの好き〜。
 面白いし……聞くだけならタダだし。
 自分のためになる事も多いし〜」

「今回のネタを知ってたのは、『偶然』だけどね〜」

星見町には奇妙な噂も多い。
最大限の愉しみを得るためには、知る必要はある。
もちろん、自分にとって価値のある範囲でだが。

          サッ

ふと、スマートフォンに目をやると連絡が入っている。
待ち合わせに遅れたが、すでに近くにいるという事だ。

「私、行くね。お姉さん、悪い人捕まったらいいね〜」

特に何か呼び止められないなら、日下部は立ち去る。

883百目鬼小百合『ライトパス』:2020/09/09(水) 22:37:01
>>882

「ハハハ、皆が幸せなら世の中も平和だからねぇ。
 何事もそれが一番さ」

『偶然』――そういう事もあるだろう。
同時に、そうではない可能性も存在する。
今の段階では、まだどちらとも言えない。

「ああ、行っておいで。お嬢ちゃんと話せて良かったよ」

片手をヒラヒラと振って、名も知らぬ少女を見送る。
しかし、あの『白尽くめ』は目立つ外見だった。
また見かける事があれば、それに気付くのは難しくない。

        スッ
              サラサラサラ

手帳とペンを取り出して、聞いたばかりの情報を書き留める。
そこには、『白づくめの少女』という単語も付記されていた。
おもむろに顔を上げ、少女が立ち去った方向を眺める。

「――――何だかねぇ」

「手掛かりを見つけたと思ったら、一緒に『謎』も増えちまったよ」

884日下部『アット・セブンティーン』:2020/09/10(木) 00:52:05
>>883

手を振って、その場から立ち去った。
『事件』におけるその『正体』も闇の中に消えるが、
もしソレを追うのであれば、また線が交わる事もあるかもしれない……

885俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/09/10(木) 22:05:47
真昼の星見駅南口……
毎夜眩いネオンも、太陽の下ではしおらしく消灯…
お天道様の光が路地裏まで焼き、カラフルな看板たちも白色光に塗り潰され、
客引きもこんな時間ではまばら…歓楽街特有のカラーを感じられない…

…しかし、嗅覚には確かに感じられる……肉、魚、油、穀物、煙草……
…『ランチ』の匂いだ…人を誘う、歓楽街の匂い……


 モクモクァ……

……そんな匂い達の中、特に強い匂いを感じる…『煙』とともに…


  ジュ――――…

「らっしゃァいー…」
「『サンマ』やってるよォー……」


男が、七輪からめっちゃ煙を立てている。公道で。
『消防法』という単語が脳裏をよぎる光景…

886氷山『エド・サンズ』:2020/09/11(金) 20:32:28
>>885
「あっ・・・・!」

休日の昼間、多くの人々が行き交う街中
先を急ぐ人の群れは俵藤のサンマを一瞥して歩み去っていく
その中に一人、サンマの匂いに釣られて足を止める少女がいた

「美味しそうな匂いですね・・・」
「でも、今年のサンマはすごくお高いんですよねー・・・」

そんな事を呟きながら七輪を見回す
普通ならそのあたりに『値札』がありそうなものだが・・・

887俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/09/11(金) 22:37:40
>>886

温暖化の影響とか何とかで…今年の『サンマ』は不漁だとか。
もちろんそれはお値段にも響いているワケだが…

   モクモクモク…

「安いよォー安いよォー」

公道のド真ん中。
白髪グラサンの男、煙を上げる七輪、小型のパイプ椅子、使い捨て食器の入った袋、
クーラーボックス、ビールサーバー…。
…『値札』の類が見当たらない。『胡散臭い』。


 「…さァん」
     「…お嬢さァん?」

「お嬢さァん…お腹空いてるでしょ…よければ一尾、どう?」
「『炭火』で『焼きたて』やってるんだ……」

888氷山『エド・サンズ』:2020/09/11(金) 22:54:00
>>887
     キョロキョロ…

七輪の周りを見ても『値札』らしきものはどこにもない
クーラーボックスや男の顔を見てもどこにも見当たらない

「んん・・・・?」

流石に何かおかしいなぁ、怪しいなぁ
無視して帰った方がいいかなぁ、と思ったところで・・・・

>「お嬢さァん…お腹空いてるでしょ…よければ一尾、どう?」
>「『炭火』で『焼きたて』やってるんだ……」

呼びかけられてしまった
反射的に思わず言葉を返してしまう

「あっ、美味しそうですね これっておいくらなんですか?」

889俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/09/11(金) 23:24:27
>>888

>「あっ、美味しそうですね これっておいくらなんですか?」

 「まぁまぁ…」
   「まぁまぁまぁまぁ…」
             ヒョイッ

 「ホラいい匂いでしょう…ちゃんと『炭』で焼いてるからねぇ…」
 「今年のサンマはねぇ…数は少ないんだけど…身が太くて、しっかりしててねェ…」
 「旬にはまだ早いんだけど…それでも立派なモンさ…」

差し出…押し付けられる、発泡スチロール製の使い捨て皿の上に横たわる焼サンマ。
良い香りだ…ただ、君のハナ次第だが…
『炭』の匂い…つまり『植物』の焼ける匂いはしない事に気づくかもしれない。
どちらかというとコレは…『燃料』の匂い…?


「いわゆる『初サンマ』だからねぇ…『縁起モノ』さ…」
「日本人たるものコレは逃せないよ…」
「値段もその…払いやすい額だから…」


…やっぱ胡散臭い。

890氷山『エド・サンズ』:2020/09/11(金) 23:34:46
>>889
   ヒョイッ
        ジュワ〜〜〜〜〜

「ご、ごくり・・・・確かに凄く美味しそう・・・・じゃなかった!
 今年のサンマはいつもよりもお高いって聞きますし、やっぱり結構です
 それに・・・・・  クンクン  これって『炭』じゃなくて何か別の・・・・?」

  チラッ
      っと七輪の中を覗き込む
本格的な炭火焼きであれば赤々とした炭火の光が見えるはずだが・・・

「それに今日はそんなにお金も持ってないですし・・・」

手のひらを顔の前でぶんぶんと振り、『いらない』と意思を示す
それにしても胡散臭いなぁこの人、と内心では思いながら

891俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/09/12(土) 00:00:32
>>890

「何だい何だい…」
「『七輪』使ってるんだからそりゃ『炭焼き』に決まってるじゃぁん…」

        ズイッ

「あッ危ないから覗き込んじゃダメよッ…『ガソリン』…」
               「あっいやッ何でもないッ」

身体を割り込ませて遮ってくる……しかし、七輪の様子はチラッと見えた…
…明らかに『何か別のモン』を燃やしている。多分…『機械のスタンド』。

グイグイ
 「いやァ困ったなァお嬢さァん…」
 「もう焼いちゃったモノだからさァ…払ってもらわないと困るなァ…」
 「…『1000円』!今年のサンマは高いんだ…こっちも用意するの大変だったんだから…」
                                     グイグイ

距離感近く焼サンマを押し付けてくる。何としてもお金を払ってもらう目算のようだ…
これは…明らかに悪徳なセールス!とても迷惑!
君が何らかのアクションを起こさない限り多分離れないぞ!

892氷山『エド・サンズ』:2020/09/12(土) 00:18:09
>>891
「ガソリン・・・・・・・・・・って!
食べ物を焼くのに使ったら危な・・・これ・・・・・は・・・?」


  ゴ ゴ ゴゴ・・・・

氷山は七輪の中を覗き込む・・・   グイグイ
俵藤の体に遮られて・・・  グイグイ   よくは見えなかったが・・・     グイグイ
  グイグイ    あれは明らかに グイグイ 『スタンド』なのでは・・・?   グイグイ
             グイグイグイグイグイグイグイグイグイグイグイグイ
        ・・
ところで俵藤の『押し』が強い!
迷惑そうな表情を浮かべながら、サンマを押しのけようとしたところで・・・

『マドロッコシイ事ヤッテンジャネエゾォォォ、あきはヨォォォ』
『コウイウインチキ臭いヤツハヨォォォォ!』
          『適当ニ「のしてやれ」バ イインダゼェェェl!』

   「そんな・・・・・暴力は・・・・!」

        ヴィジョン
少女の背後から『人型の像』が現れる
どこか和風の意匠を持ったスタンドだ・・・・スタンドからは男の声が発せられる

     ブゥゥゥゥン!

出現した瞬間!
俵藤の鼻っ柱に向かって一発、拳が飛んでいく!
人並み程度のパワー・速度ながらこれは当たると痛そうだ!

        「あまりよくないですよ・・・・!『さんずさん』!」

893俵藤 道標『ボディ・アンド・ソウル』:2020/09/12(土) 01:21:45
>>892

「…あっ…『人型』のやつ初めて見たぁ…エヘヘ初めまして…」
「…今日の商売はこの辺にしておこうかナァ――…なんて…」

    ブゥゥゥゥン!
         バキャァァァッ!

        「ごめんなさうべェェェェ ッ!!」

                 ズバァ――――――――ッ

無防備な迷惑セールスの顔面に、『さんずさん』の拳がモロに入った。
道の反対方向にブッ飛ぶ悪質サンマ売り…。


ベタ―――…

「…チッ…ぼったくり価格のサンマで小銭を稼ぐ計画を邪魔しやがって…!」
「…今日の所はひとまず退散させてもらうぜ…」


「…ちょうどいい所に原付止まってるからなァ…」
「なあ『ボディ・アンド・ソウル』!」

  『ドッ』『ドッ』『ドッ』
           ブロロロロロ…


さっきまで七輪の中にいたヤツとおぼしき、『機械の心臓』のヴィジョン…
そいつが、そこにあった、誰かの『原付スクーター』に潜り込み、エンジン音を奏で始める…



「顔は覚えたぞ!えーと…『さんまさん』!」

捨て台詞を吐きながらスクーターを動かす悪徳セールス…
焼サンマと道具一式をその場に残し、そのまま逃げていこうとする…

894氷山『エド・サンズ』:2020/09/12(土) 01:49:58
>>893
>             ズバァ――――――――ッ

「あっ ちゃ〜〜〜〜〜!」

『エド・サンズ』に殴られ、凄い勢いで吹っ飛んでいく俵藤
その軌道を眼で追いかけ・・・追撃はしない、その場に留まっている

「あー・・・ やっぱりぼったくりの押し売りだったんですねー」
『フンッ!因果応報ダゼ!』
    『コレニ懲リタラヨォォォ モウ悪イ事ナンテ・・・・』

俵藤の『小悪党』な言動に応えて、呼びかける
それ程『改心』に期待していたわけではないがお決まりの文句を言おうとして・・・

>「顔は覚えたぞ!えーと…『さんまさん』!」

「・・・・・・。」
『・・・・・・。』
『アリャア、マタ「やる」ナ』 「ですねー・・・」

拍子抜けする
どうやらまるで『懲りて』いないようだ
それなら・・・・言うべき言葉は改心を促す文句ではなく・・・・

『名前ガ違ウゼ!「さんま売り」ヨォォォォ!
 俺ノ名前ハ「エド・サンズ」! コッチハ「氷山あきは」ダ!
 お前ガドコデ何度悪事ヲ働コウガヨォォォォ! コノ俺ガ叩キメシテヤルゼ!』

              『覚エテオケ!』

逃げる『悪徳さんま売り』の捨て台詞に応えるように、こちらも捨て台詞を残す
それは悪党に対しての宣戦布告、大見得を切った処刑宣告とも言える言葉だ
スクーターで去る俵藤の背中を見送りながら高らかに言い切った

「まったく・・・・すぐに暴力に訴えるのはちょっと悪いところですよ」
『フン・・・コウイウノハ「シンプル」ニ片付ケタ方ガ早イゼ
 ソレニヨォ、お前モシツコク絡マレテいい加減迷惑シテタダロ』
「・・・・・まあ 確かに辟易してましたし・・・・さっきの『さんずさん』はかっこよかったですけど・・・」

後に残されたのは七輪と道具一式のみ
人の邪魔になるといけないので隅の方に移動させるとこの場から去っていった



ちなみに残された焼サンマは見事に骨だけになっていたという

895村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/03(土) 20:57:39
星灯りのごときネオン街でも、眠りにつく時間はある。
空もじき白みはじめるだろう深夜、歓楽街に学ランの男が一人廃ビルに入り、出てきた。

  「『何もなし』。」

  「もっとも、そう簡単に尻尾がつかめるなら苦労はしないか。」

896ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/03(土) 21:18:01
>>895

「……」

暗さと視点的な問題から廃ビルに入る時には気づかなかったが、
出た時に、向こうの道端で人が横たわっているのが見えた。
これが大人なら酔っ払いかもしれないが、身体の大きさからして子供だ。

897村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/03(土) 22:41:59
>>896

「『子供』?」

 「この時間にか?」

異常を見とめ、顔をしかめる。
明るいうちなら駆け寄って助け起こすのが正しいだろうが、場所が場所、時刻が時刻だ。

といって無視を決め込めるほど冷血な人間でもない。
物陰にかくれて、しばらく様子をうかがおう。

898ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/03(土) 22:47:17
>>897

様子をうかがう。


「ぬ〜ん……」


しばらくすると、呻き声と共にコロリと転がる。
寝返りだろうか。単に寝ているように見える。

899村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/03(土) 22:58:00
>>898

どうやら卒中だとか、そういった緊急事態ではないらしい。
が、ド深夜にとはいえ往来で爆睡というのはいったいどういう了見なんだろうか。
俺の知る限り、のび太くんですら『どくさいスイッチ』の時に一度しかやっていないはずだが。

  「袖摺りあうも多少の縁」

  「まぁ袖摺ってんのはアスファルトにだし、あの子供だけなんだが」
  
  「見て見ぬふりもできねぇか」
                      ボディサイズ
良く見える距離まで近寄って、年ごろ、性別、『身体的特徴』を確認する。

900ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/03(土) 23:12:09
>>899

年頃は小学生の年少くらい。
性別は、この年頃では男女の区別はあって無いようなものだが、髪が長いので女の子だろうか。
体つきは小柄で痩せ気味かもしれない。
それを考えると発育不良の小学校年長か中学生である可能性もあるが……
あとは服装が大人ものを無理やり着たようにブカブカだ。脱げたのか近くに大人ものの靴があり、裸足だった。


「スー シュー」


近づくと規則正しい寝息が聞こえる。
よく見ると地面に布が敷いてあって、一応そこに寝ているようだった。
地面には小物が散らばっており、近くにはリュックが置いてある(落ちている)

901村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/03(土) 23:23:02
>>900

 「・・・ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ・・・」

目の前に広がる事態の不可解さに頭を抱えたくなるが、最早仕方がない。
となれば、コトは素早く済ませるに限る。

  「こんなことにつかうもんじゃないんだが・・・!」

  ズ  ギュ ン!

周囲に人がいないことを確認し、『ディズィー・スティック』を発現。
リュックを拾い上げ、この子のものと思われるちらばった小物と靴を素早く中に押し込む。

902ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/03(土) 23:30:10
>>901

書き忘れたが金髪だった……
まあ、暗いので色とかよく見えなくても仕方ないね。

折り紙、小石、犬の絵、なにかのネジ……
近くに落ちているものを拾う。
どこまでゴミで、どこまで所有物なのか微妙だが、
少し離れたところに落ちているビールの空き缶は多分違うだろう……。


「う〜む」


人の気配を感じたのか、薄目を開ける。


「なんじゃ!? どろぼうか!?」


そして飛び起きた。

903村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/03(土) 23:42:04
>>902

ピクッ
      クルゥ〜〜〜ッ

  「地べたにブチまけた荷物をかばんに入れてやってるやつをドロボウ呼ばわりしたいなら・・・」

  「・・・いや、好きにすりゃいいさ。」

瞬間的にものすごく不愉快そうな顰め面をそちらに見せるが、すぐに顔を戻した。
だいたい何を言っても面倒なことになるのは確定的に明らかだと思ったからだ。

  「追いはぎに会わねぇうちに早く帰るんだな」

ヒョイと、小物と靴を詰めたリュックを投げてよこす。
・・・軽くだが、わざと顔を狙って投げる。

904ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/03(土) 23:54:57
>>903

「おや? 今何時じゃ……?」


会話になっていない。
というより、寝起きで状況判断がまだ出来ていないのだろう。
泥棒呼ばわりも考えての発言ではなく、目に入ったものからの連想だ。


「うぎゃ」


寝起きだからか、起き上がったばかりで体勢が悪かったか、
単に運動神経が悪いのか、この体格にはリュックが重かったか、その全てか、
村田が……いや、『ディズィー・スティック』が軽く投げたつもりのリュックは、
見事に顔面に当たり(というかリュックの大きさ的に子供の上半身を押しつぶすように)
子供は再度地面に倒れ伏した。

  ゴツン

地面と頭蓋骨がぶつかる鈍い音がした。

905村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/04(日) 00:03:45
>>904

  「おっとすまん。わざとだ。悪く思ってくれ。」

イイ音がした。が、死にはすまい。
狙ったものではないが、気絶でもしてくれれば面倒ごとが一つ減ってたいそう助かるというものだ。
起き上がってくるかどうか、様子を見ていよう。

906ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/04(日) 00:13:53
>>905

「うぐ〜……」


さすがに気絶はしなかったらしい。
悶えながらリュックの下から這い出てくる。


「な、なんじゃお前は?
 オバケか? 何が目的じゃ?
 わしは食っても美味しくはないぞ」


子供からすれば、泥棒かと思いきやいきなり攻撃してきた奴。である。
眉間にしわを寄せて怖い顔(怖くない)で威嚇する。
だがその視線は村田からは微妙に外れている。
正確に言えば『ディズィー・スティック』を睨んでいた。

907村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/04(日) 00:22:25
>>906

  「オバケ・・・オバケねぇ」

  「そういえば、最近は街に『妖怪』が出るってウワサになってたっけな。『山姥』だか何だか知らないが。」

なんだお前、というセリフはお互い様だが、今はいいだろう。
視線の差も含めて、別段言及する気もない。
同時に、こちらも答える気はない。

  「煮て食われたくなかったら、この時間帯には出歩かないこった」
  
  「いや、出歩くのはともかく、寝てんのは論外だけどな」

908ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/04(日) 00:36:36
>>907

「ヤマンバなら悪い妖怪では無かったぞ。
 ……街に出たらどう人間と区別するんじゃ?
 見た目は人間と変わらんかったが……」


口裂け女くらい特徴があれば別だが、
街に来た山姥を山姥と言える理由はなんだろうか。
マスクを外さない口裂け女くらい普通の人間な気がする。


「いつのまにか夜になっておったんじゃ」


なんだお前。と言っても、こちらは見たまま、寝過ごした子供だろう。


「というかお前には聞いておらんぞ……?
 オバケの仲間か?」

「無口なオバケじゃな……リュックをいきなり投げてきておいて、一言謝ったりはせんのか」


村田と『ディズィー・スティック』を分けて考えているらしい。

909村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/04(日) 01:11:07
>>908

  「ウワサだけのことだし、よく知らないね。」

『ディズィー・スティック』を消し、手帳を取り出して×をつける。

  「・・・ああ、こいつは無口なんだ。許してやってくれ。」

910ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/04(日) 01:20:12
>>909

「消えおった……
 悪い……まあ、悪いオバケじゃが……許してやろう。
 人は食わんようじゃが、物を投げつけてはいかんと言っておいておくれ」


『ディズィー・スティック』は悪いオバケ認定されたようだった。


「言われた通り、わしは帰るとするかのう……
 お前さんはこんな夜中に何をしておったんじゃ?
 帰らんでええのか?」


子供はそろそろ帰るそぶいを見せるが、
オバケと一緒にいた謎の男(村田)のことも多少は気になるらしい。


「ん? 靴が無いぞ……どこじゃ?」

911村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/04(日) 02:26:53
>>910

  「俺かい。」

  「・・・『ヒト探し』かな。まだ続きがあるんだ。夜明けまではこの調子さ」

手帳をしまい、出てきた廃ビルを見上げて答える。

  「おちてたもんは全部かばんに入れちまったよ。起きるかわからなかったんでな。」

912ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/04(日) 02:42:36
>>911

「おお、そうか。靴……靴……」

「ふうむ、大変じゃなあ。
 でも昼に探せばええのではないか?」


リュックを覗き込み、靴を取り出して履く。
ブカブカなせいで履くというより足をひっかけると言った感じだが……


「ではな」


リュックを背負い、靴をカポカポさせながら背を向けて歩き出した。
が、数歩進んだところで立ち止まり、チラッと振り向く。


「……」

「どんな人なんじゃ?
 もしもたまたま会ったらお前さんが探していたことくらいは伝えてもよいが……?」

913村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/10/04(日) 03:11:08
>>912

  「昼にこのあたりを学生がウロウロしてっと、いろいろと煩くてな」

『探し人』がまっとうなものではないということもあるが、主な理由はこれだ。

  「お、そうかい。じゃあ・・・」

言おうとして、待てよと眉にしわを寄せて口ごもる。

  「いや、頼むのはよしとこう。俺が見つけないと意味がないし・・・『危ない』からな。」

  「寝る子は育つっていうけど、路上ではやめときな。
   いくら秋口っつったって、風邪ひいちまうぞ。」

914ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/04(日) 03:26:25
>>913

「それでは仕方ないの……大変だのう」

「今日は油断したんじゃ。
 厚着しておったらうとうとしてしもうて……ふあ」


子供は小さくあくびをする。


「うむ。ではな」


今度こそ子供は振り返らずに、カポカポと靴を鳴らして去って行った。

915三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/05(月) 21:21:17

「ハ、ハハハ・・・・!」

 フラフラ〜〜〜〜
       フ ラフラ〜〜〜〜

歓楽街の裏通り 小規模な飲み屋が身を寄せ合うように並ぶ通りだ
その通りを一人の壮年の男がふらついた足取りで歩いている

「フ、フフフ・・・・それでね〜〜僕は言ったんですよ!
『まずは彼の漫画を読んでから物を言って欲しい』って!
 編集長たち、目を丸くしてたな〜〜〜〜!」

とても上機嫌そうな表情だ
誰もいないのに延々と独り言を呟いている
それもそのはず、この男、普段はあまり飲まないのだが、今日に限って羽目を外してしまったのだ

       フラフラ〜〜〜〜〜

前もあまり見えていない様子であり、誰かにぶつかるかもしれない

916花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/05(月) 21:51:10
>>915

       ド ン ッ

「うおっと…………」

「よお!久し振りじゃねえかよォ〜!しばらくだったなァ〜!」

「――――って、『人違い』か。
 ワリィな、知り合いと間違えちまった」

「ハッハッハッハッハッ!」

丁度ぶつかったのは『赤毛の男』だった。
ライダースジャケットにレザーパンツに革靴と、
全身を『レザーファッション』で固めている。
どうやら、こちらも気持ち良く酔っている様子だ。

917三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/05(月) 22:11:22
>>916
「おっと・・・・すいません、う、ん・・・?」

誰かにぶつかってしまった
ズレた眼鏡を直して、ぶつかった男の顔を見ようとするが焦点が合わない
しかも、ちょうどその時『久し振り』という言葉を聞いてしまったせいで・・・・

「あ〜〜、君か――ッ! 久しぶり久しぶり! 元気してたかい?」

思わず、こちらも『知り合い』と間違えてしまった!
花菱の肩に腕を回す

「こっちはすっごい元気さ!
 聞いたかい? 僕の担当漫画家がとうとう連載会議を通ってさ!
 さっきまでお祝いをやってたところなんだよ」

「君はどうしたんだい?」

918花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/05(月) 22:38:09
>>917

「――――あァん?」

一度は否定したものの、
向こうが肯定した事で分からなくなった。
もしかすると、本当に『知り合い』だったのかもしれない。
ただ単に、自分が忘れていただけなのだろう。
酔っ払いの頭では、物事を深く考える事は不可能だ。
よって、『やはり知り合いだった』と結論付けてしまった。

「まッ、何でもいいわなァ!
 あんたは景気が良さそうで羨ましいぜ。
 俺の方は、どうにも最近ロクな事がなくってよォ…………」

「ちょっと前に飲み物買おうとしたら、
 『自販機』がブッ壊れてやがってよ。
 商品を出さねえどころか、カネも返しやがらねえ」

「ハラ立ったんで軽くケリ入れてやったら、
 いきなり『車』が突っ込んできやがった。
 運転してた野郎が何したと思う?
 運転席から飛び降りたかと思ったら、
 自販機に話し掛け始めたんだぜ!」

「そいつ、どう思うよ?マジにイカれてやがると思うだろ?
 しかも、また会っちまった。ツイてねえぜ、全くよ…………」

思い出したのは『俵藤』の事だ。
忘れたくても忘れられない。
とにかく強烈な男だった。

919三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/05(月) 23:01:26
>>918

「ハハハ! 自販機にお金を呑まれるなんて災難だったねぇ!」

前半部分はよく聞く『失敗話』だ
話半分に軽く聞いていたが・・・・

「え? え? ちょっと待ってくれ
 車が突っ込んで? 自販機に話しかけて?」

困惑する
嫌な悪夢を見たとしか思えない、奇妙な話だ

「それは君・・・・そいつも酔っ払いだったんじゃないかな?
 ほら!今の僕たちみたいにさ! ほらほら、そこの人もポストに話しかけてるみたいだしさぁ」

ふと、道端を見ると、自分と同じ酔っ払いがポストに向かって名刺を渡していた
配った名刺は投函口に詰め込まれ、次の名刺がまた詰め込まれる

「そうでないとしたら・・・・マジにいかれてるねぇ!
 この手のおかしなネタは『オカルト系』の作家に話したら、受けるかもなぁ」

三刀屋は懐から手帳を取り出す
空欄に『車』 『会話』などの単語を書こうとするが線が歪んで上手く書けない

920花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/05(月) 23:17:33
>>919

「ハッハッハッ!それじゃあ『飲酒運転』になっちまうぜ。
 言っとくけどよ、これは『マジ』だぜ『マジ』」

「そいつは『シラフ』だった。
 俺だって信じたくねえが、そこは間違いない。
 ありゃあ『本気』の目だったからな。だから尚更ヤバいぜ」

「だが、あれは『オカルト』っつうより、もっと現実的なもんだな。
 『超常現象』なんかじゃあなく、
 『イカレ野郎の暴走』だからよォ。
 まッ、オカルトみたいに『おかしな話』ではあるけどなァ」

「ハハハッ!こんなネタでよけりゃ好きなように使ってくれや!
 あんたと俺の仲だ。情報料なんざ取らねえからよ!」

         バン! バン!

『ポストに話し掛ける男』を一瞥し、三刀屋の肩を気安く叩く。
そのせいで余計に字が歪んでしまうかもしれないが、
気にしない。
何故なら『酔っ払い』だからだ。

921三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/05(月) 23:39:00
>>920
「あいたッ! いててて・・・く、る、まっと」

漢字を書こうとしても書けないので平仮名で書くことにした
同じページに書かれた他の文章を飲みこむように、大きな『くるま』が生まれた

「ハハハ・・・・まったくイカレてるねぇ
 そうだ、『イカレ』繋がりで僕の方からも一つネタがあるんだけどねぇ」

―――語る
この前、遭遇した『怪事件』について

「僕が担当している漫画家がさぁ
 ちょっとした『意見の相違』ってやつで自分の描いた原稿を処分してほしいって言ってきてさ」

お互いに知り合いだと思っているため、
『知ってんだろ?』みたいな顔で仕事の話を始めてしまう

「会社に保管してるから駄目だって言ったら
 いきなり『原稿を出さないなら原稿を燃やす』とか言い始めてねぇ」

コンプライアンス的にはかなりグレーゾーンな話が続く
でも、軽くなった口が語ってしまう・・・・・『酔っ払い』であり、元々『いい加減』な性格だからだ

「物騒だなぁ、危ないなぁ、とか思ってたけど
 でも、彼は保管場所知らないし、どうすんだろうなぁ・・・・とか思ってたら

 ・・・・・超能力で火を飛ばしてきた」


「超能力で火を飛ばしてきた」


二度言った

922花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/05(月) 23:52:39
>>921

     ピクッ

「『超能力』だァ〜?おいおい、そんなもん…………」

「…………『ある訳ねえだろ』って言いたい所だがよ。
 他でもないアンタの言う事だ。俺は『信じる』ぜ」

「『火を飛ばされる』のも『車が突っ込んでくるの』も、
 遭遇する確率は似たようなもんかもしれねェしよ!
 ハッハッハッハッハッ!!」

      バシッ バシッ

肩を叩きながら、盛大に笑い飛ばす。
信じていない訳ではない。
心の中で『納得』したからだ。

「ついでに『拳銃で頭ブチ抜かれる』のも、
 同じような確率かもなァ。ハハハハハッ!!」

「いや、そうでもねェか。
 俺なんか、しょっちゅうやってるからよォ!
 ハッハッハッ!!」

古来から、酒は人の口を軽くする。
時として、有りもしないような話を口走らせる事もある。
しかし、これは『マジな話』だった。

923三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/06(火) 00:11:58
>>922
「ハハハハ! ここだけの内緒にしてくれよ!
 SNSとかに上げられたりすると僕の首が危ないからねぇ」

バシバシと肩をたたき合う

 ところで、彼の名前はなんだったっけ?
  たぶん・・・・中学の時の同級生?だったような・・・・まあいいか

「『拳銃で頭をブチ抜かれる』?
 いやいや、まさか、それはおかしいよ
 頭をブチ抜かれたら大抵の人間は死んじゃうからねぇ」

「もし、そんな事が出来るとしたらマジモンの超能力者さ
 例えば・・・・」

  ドドドドドドドドド・・・・!

     ひょいっ
          「こんな風にねぇ」

発現した『ブラック・アンド・ホワイト』が道に落ちていた空き缶を拾う
そして、それをゴミ箱に向けてシュートする



  カンッ

      空き缶は狙いがズレて、ごみ箱に弾かれた
      ころころと空き缶が転がる・・・・・

「・・・・・・・・。」

924花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/06(火) 00:31:46
>>923

そういえば、隣に立つ男は三刀屋よりも若く見えた。
おそらく、二十台の半ば程か。
少なくとも『中学の同級生』ではないのかもしれない。

「うおッ!?空き缶が勝手に動きやがった!?
 まさかと思うが、今のアンタがやったのかよ?
 だとしたらスゲーぜ!ハッハッハッ!!」

        「俺なんかよォ〜〜」

右手を持ち上げる。
指は『銃の形』になっていた。
その『銃口』が、地面に転がる空き缶に向けられた。

          ズギュンッ

右手に重なるようにして、
『スウィート・ダーウィン』を発現する。
回転式の弾倉を備えた『リボルバー』。
引き金に指が掛かる。

   「『これぐらい』しか出来ねえもんなァ〜〜」

      ガァァァァァ――――――ンッ!!

次の瞬間、銃声と共に発射された弾丸が、
空き缶を斜めにブチ抜いた。
『実弾』ではなく、殺傷力のない『偽死弾』だ。
しかし、通常物体である缶を穿つには、
十分すぎる威力があった。

「おっと、ちょっとズレちまったか?ハハハハハッ」

925三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/06(火) 00:45:07
>>924

 あれぇ〜、妙に若いなぁ〜、干支が一回りくらい違う気がするけどなぁ
 でも、同じクラスの田中君とか童顔でほとんど子供みたいな見た目だったしなぁ・・・

などと、うだうだした事を考えていると・・・・

      ガァァァァァ――――――ンッ!!

突如として、響き渡る『銃声』に思わず、ビクッと飛び上がってしまう
周囲を見回しても『銃声』に驚いた様子はない・・・・これは!


「・・・・・ねえ、君」
「つかぬことを聞いてしまって申し訳ないんだけどさ・・・・」

      「・・・・君は誰だい?」

びっくりして『酔い』が一気に醒めてしまった
よく見ると、全然顔が違う  知らない人、だ

926花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/06(火) 01:00:45
>>925

「あァ〜?おいおい、しっかりしてくれよ。
 俺の名前まで忘れちまったのかァ?」

「『誰だ』ってそりゃあ、『花菱蓮華』に決まってんじゃあねえか」

そう言われて、相手の顔を改めて見る。
知っている人間だと思い込んでいたが、見覚えはない。
何かが食い違っているような『妙な感覚』があった。

「…………あのよォ、おかしな事を聞いちまうかもしれねェが」

「――――アンタ、誰だった?」

『拳銃』を下ろして、目の前の男に聞き返す。
『記憶にない男』に。
今、緩やかに『酔い』が冷め始めていた――――――。

927三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/06(火) 01:08:53
>>926
「あー・・・・ ごめんごめん、自己紹介がまだだったね
 『初めまして』・・・・僕の名前は『三刀屋 路行』って言います
 漫画雑誌を刊行している『〇〇〇出版(名称未定)』で働いています」

初対面だという事に気づくと、思わず敬語になってしまう
だが、数瞬後には『ま、いっか〜〜、どうせ今更だし』な気分が沸き上がる

「初対面だよね? 僕たち
 完全に人違いしてたみたいでさぁ・・・」

旧知の友人と思って語り合った熱が冷めていく
肩に回していた手も思わず引っ込める

  ジ・・・・

視線が『拳銃』へと向いてしまう
悪い人ではなさそうだけど・・・・・『拳銃』!?

928花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/06(火) 11:48:44
>>927

「…………らしいな。酒の力ってのは恐ろしいもんだぜ」

「あぁ、コイツが『俺の』だ。
 『アンタの』とは随分と違うようだがよォ」

三刀屋の傍らに立つ、
『ブラック・アンド・ホワイト』に視線を向ける。
『スウィート・ダーウィン』とは全く違うタイプのスタンド。
一番最近見たのは、
工場跡で野良猫に銃口を向けた時だったか。

「危なかったな。
 もう少し俺の頭がボンヤリしてたら、
 手元が狂ってアンタに当てたかもしれねェ。
 ハッハッハッ」

「ま、もし間違えて当たってたとしても問題はねえさ。
 この弾は『生物』には『無害』だからよ」

    ス ゥ ッ

「――――『こんな風』になァ」

           ガァァァァァ――――――ンッ!!

銃口を『自分のこめかみ』に押し当て、
躊躇する事なく引き金を引く。
再度の銃声が鳴り響き、
発射された銃弾が頭にブチ込まれた。
その行動は、紛れもなく『拳銃自殺』のそれだ。

        グラリ

              ド サ ァ ッ

右手にスタンドを握ったまま、ゆっくりと前のめりに倒れる。
『偽死弾』は文字通り『偽りの死』を与える弾丸。
傷一つ負う事はない代わりに、
この上なくリアルな『死の幻想』を与える。
客観的に見ても、
『本物』と遜色ない『リアリティ』を感じさせるだろう。
ちなみに、選択したのは『銃殺』だ。

929三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/06(火) 18:33:09
>>928

「ハハハ・・・・笑い事じゃないねぇ
 まったく、酔っ払いに『拳銃』なんて持たせてたら、命がいくつあっても・・・?」

不可解な動きをする花菱の挙動を見る
まるで『ロシアンルーレット』や『自決』のような体勢・・・・

  おいおいおいおいちょっと待ってくれよ
  もしかして、酔いがまだ残ってんじゃあないだろうね―――

「・・・・・ッ! 『ブラック・アンド・ホワイト』!」

急ぎ、スタンドを出してその『蛮行』を止めようとするが・・・・ッ

>「――――『こんな風』になァ」

>           ガァァァァァ――――――ンッ!!

―――間に合わない
周囲の人々は急に倒れた花菱に一瞬だけ視線を向けるが、
酔っ払いが倒れただけだと判断し、すぐに自分の歩みに戻っていく

「花菱くん! 花菱くん!? なんて馬鹿な事を――ッ!」

酔っぱらって拳銃自殺なんて『ダーウィン賞』モノの大まぬけだ
倒れた花菱を抱きかかえて傷口を見る

930花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/06(火) 20:37:40
>>929

ついさっき、『弾丸』は確かに、空き缶に風穴を開けていた。
その弾が命中したにも関わらず、
『傷』は何処にも存在していない。
やがて、億劫そうに体を起こして立ち上がる。

「なァに…………大騒ぎするような事じゃあねえさ。
 ちょっと『刺激的な夢』を見てただけだからよォ」

「『モーニングコーヒー』みたいなもんだ。
 『目覚めの一発』ってヤツか?
 『夢』なのに『目覚め』ってのもおかしいが、
 お陰でアタマん中がスッキリしたぜ」

「俺の銃は『ロシアンルーレット』だ。
 六発中『五発』が『外れ』で『一発』が『当たり』。
 『外れ』は『死ぬ幻』を見せるだけで、実害はねえのさ」

「もし『当たり』を引いてたら、そのまま『逝っちまう』けどよ。
 生憎さっきのは『外れ』だったぜ。
 まぁ、ここで死んじまったら、
 二度と『スリル』を味わえなくなるからなァ。
 ハッハッハッハッハッ!!」

「それを引いても、十分すぎる程の『スリル』があるぜ。
 俺はコイツが病み付きでよ。色んな『死に方』を試してる。
 最高にブッ飛べるぜ。
 三刀屋さんよォ、良かったら『一発』試してみねェか?」

「冗談だ冗談。ハハハハハ!!」

『偽りの死』から生還し、高らかに笑う。
花菱蓮華は『スリル』を愛している。
『ロシアンルーレット』のスタンド――
『スウィート・ダーウィン』が発現した原因も、
その辺りにあるのだろう。

931三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/06(火) 21:07:58
>>930

「ハハハ・・・なるほど、弾が当たった相手に幻を見せるのが君のスタ・・・」

花菱の能力の話を聞く、外れが5発
当たりが・・・・『1発』

「ちょっと待ってくれよ、それじゃあさっきの『1発』
 もしも、『当たり』だったらそのまま死んでたって事かい?
 こんな路上で?」

ゾッと血の気が引く
危険な男だとは思っていたが、まさかここまで危ないヤツとは

「・・・・しかし、いや、だからこそか
 危険な男だからこそ、魅力的に映るかもしれないね・・・」

>三刀屋さんよォ、良かったら『一発』試してみねェか?

「フ・・・フフフ・・・・・面白いね
 君がそうして『一芸』を披露してくれたんだ
 僕も少しくらいは『覚悟』を決めてみようかな」

「貸してくれるかい?」

  ドドドドドド・・・・・

『ブラック・アンド・ホワイト』が前に出る
右手を出し、『スウィート・ダーウィン』を貸すように手を伸ばしている

932花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/06(火) 21:34:15
>>931

「ハハハッ、そういうこった。
 もし『当たり』だったら、今頃ここら辺は『血の海』よ。
 だが、『六分の一』ってのは、
 当たりそうに見えて意外に当たらねえもんだ。
 たまたま今日は『ツイてなかった』のかもしれんけどよォ」

進み出た『ブラック・アンド・ホワイト』を眺める。
それから『スウィート・ダーウィン』に視線を移す。
口元には、笑みが浮かんでいた。

「おいおい。いくらネジが少しばかり緩んでたって、
 自分の『得物』を簡単に貸す程マヌケじゃあねえさ」

「と言いたいトコだが…………ま、好きにしなよ。
 言い出したのは俺だしよ。
 それに何でか知らねえが、今は『そういう気分』なんでなァ」

      スッ

           「――――ほらよ」

右手を伸ばした『ブラック・アンド・ホワイト』に、
『スウィート・ダーウィン』が差し出された。
悪人には見えないとはいえ、
他人に自分のスタンドを貸すという行為には、
大きな『危険』を感じる。
しかし、そこに『スリル』を覚えていたのも、また事実だった。

933三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/06(火) 21:57:22
>>932
「・・・・ありがとう」

『スウィート・ダーウィン』を受け取り、感触を確かめる
リボルバー拳銃のようだ 弾数は『5発』残っているらしい
『5発』の中に・・・・・『当たり』が『1発』

    ・・・ゴクリ

「それじゃあ、よく見ていてくれよ
 僕の―――――――    一芸を!」

大袈裟な動作で『ブラック・アンド・ホワイト』が銃を自らの頭に向ける
先ほどの花菱と同じ、『ロシアンルーレット』の体勢

    ・・・グッ

さらに、左手を撃鉄に被せる
今から行うパフォーマンスを花菱に見せつけるように、視線を頭に誘導する

「『ブラック・アンド・ホワイト』ッ!!」

  カッ
      ダダダダダァ―――――ンッ!

―――――『ファニング』!!
引き金を絞り、撃鉄を連続で起こす事で銃を連射する技術だ!
『ブラック・アンド・ホワイト』はそれを『5連射』で行った!
『当たり』を引く確率は・・・・・・『100%』!

  カラァ――――ン・・・

『ブラック・アンド・ホワイト』の腕が力なく下がり、『スウィート・ダーウィン』を落とす
その頭には『5発』の銃創が空いていた・・・・・

934花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/06(火) 22:20:27
>>933

「へへへ、じっくり見さしてもらおうじゃねえか。
 『何をする気か』は知らねえけどよォ」

腕を組み、三刀屋と『ブラック・アンド・ホワイト』を見つめる。
残り五発――確率は『五分の一』だ。
逆に言えば、『五発』撃てば必ず『当たる』。

「なッ!!なにィィィ――――――ッ!?」

「ブッ飛んでやがる……。『やりやがった』……!!」

予想外の行動に驚きを隠せない。
しばし呆気に取られ、
頭をブチ抜かれた『ブラック・アンド・ホワイト』を凝視する。
それから思い出したかのように、
『スウィート・ダーウィン』を拾い上げるために手を伸ばした。

「………………ん?」

『スウィート・ダーウィン』を拾う際、地面を見た。
『当たり』を引いたなら、そこは『血の海』になっている筈だ。
しかし、そのような様子が見られない。

「ハ、ハハハハハ…………!!」

「おもしれえじゃあねえか。コイツは、どんな『トリック』だ?
 是非とも教えてもらいたいもんだなァ」

「なぁ、三刀屋さんよォ?」

935三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/06(火) 22:31:36
>>934
「フ・・・フフフ・・・」

  ドドドドドドド・・・・

『スウィート・ダーウィン』の『銃弾』は確かに『B&W』の頭を撃ち抜いた
スタンドが受けたダメージはスタンド使いに返る
その原則が働けば、三刀屋はこの場で血を流し、『即死』しているはずだ

三刀屋の口元から笑い声が漏れる・・・・

「ハハハハ・・・・君があんまりにも凄い事をするものだからねぇ
 年甲斐もなく、派手なことをしてしまったよ」

三刀屋の頭には傷一つ無い
そして、『B&W』もまた・・・・先ほどまで空いていたはずの『銃創』がなくなっている

花菱は地面に落ちた『スウィート・ダーウィン』を拾い上げる時
地面に『正方形のコマ』が見えるかもしれない
それはゆっくりと薄れていき、最後には消滅してしまうが

「『トリック』は秘密だよ
 ただ一つ言えることは・・・・僕は別に命を賭けたわけじゃないって事だけさ」

命懸けのギャンブルなんて恐ろしくてとてもとても、と小声で呟く

936花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2020/10/06(火) 23:04:58
>>935

(『コイツ』は……?
 大方これがトリックの『正体』なんだろうが……)

地面に残っていた『コマ』を視認する。
実際の所、『それが何なのか』までは分からない。
しかし、『能力の一端』である事だけは理解した。

「まぁ、深くは聞かねえさ。
 俺の方は俺が勝手に喋っただけだからな。
 それに、タネの割れちまった手品ほど、
 退屈なもんはないっていうしよォ」

     ニヤリ

「だが、気に入ったぜ。
 パフォーマンスを返してくる事といい派手にやる所といい、
 こいつは俺好みの趣向だ」

「ハッハッハッ!アンタとは、なかなか気が合いそうだ。
 なぁ、三刀屋さんよ。そう思わねえか?」

「せっかくだ。どっかで飲み直そうじゃあねえか。
 酔いも冷めちまったしよォ。今日はトコトン付き合うぜ」

       ポンッ

晴れやかに笑いながら、三刀屋の肩を叩く。
先程までは『酔っ払いの勘違い』だった。
だが、どうやら本当の意味で『友人の一人』になりそうだ。

937三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/10/06(火) 23:24:02
>>936

 にやっ

ニヤリとした花菱の笑いに対して、こちらもにやっと笑いを返す
学生時代に悪友と交わした笑いと同じく、『悪戯心の共有』を示すものだ

「君の方こそ、マジにヤバイその感性は僕も気に入ったよ
 これも何かの縁だ! ちょっとその辺で飲み直そうじゃないか、花菱くん」

ハハハと笑いながら改めて肩を組む
いきなり『拳銃』を出すヤバイヤツだが、凄い面白いヤツだ

近くの飲み屋に入り、空が白むまで話し続けた

938ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/12(月) 22:37:30
「しゃいせぇ」

道端に布を敷き、そこに金髪の子供が座り込んでいた。
傍らには大き目のリュック、布の上には石ころが置かれている。

「しゃいせしゃいせえぁ」

939ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/10/12(月) 22:56:36
>>938

「何あれ。変なの」

奇妙な声を聞き、一人の少女が足を止めた。
年齢は五歳くらいだ。
プラチナブロンドの髪とエメラルドグリーンの瞳。
私立幼稚園の制服を着ている。
両手で、大きな『テディベア』を抱えていた。

「石コロなんか並べて何してるの?
 『おままごと』にしたって、
 もっとマシな道具を使えばいいのに」

       スイッ

そう言いながら、布の前に『座る』。
当然、そこに『椅子』など存在しない筈だ。
それなのに、少女は『座っている』。
両足が完全に地面から離れているのだ。
よく見ると、『半透明の椅子』が見えるだろう。

「――で、何なの『コレ』は?」

『半透明の椅子』に座ったまま、『石』を指差す。
そして、ゆったりと足を組む。
膝の上にはテディベアが乗っている。

940ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/12(月) 23:12:09
>>939

「しゃいせ……」


よくわからない声が途中で止まり、
子供は小さな……自分より小さな来訪者をぱちくりと見た。


「お、おおう。
 きれいな石を売っておる。
 ……?」


金髪の子供はどこか上の空な言葉を返した。
体を傾けて覗き込むは、少女の尻……というか、地面と体の間の空間。
何も無い、何か(椅子)があるべき場所を不思議そうに見る。

並べられた石は、言われてみれば、赤かったり緑がかっていたり、つるつるしていたり、
無作為に拾った適当なものではなく、一応、きれいな石を厳選したと呼べそうなものだった。

941ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/10/12(月) 23:37:13
>>940

「……あなた、どこを見てるのよ。失礼でしょ。
 『マナー』がなってないわ」

「まぁ、わたしは器が大きいから許してあげるわ。
 感謝していいわよ」

「これは『わたし専用の椅子』なの。
 わたしだけが座れる、わたしのためだけにある『椅子』」

覗き込まれながら、『半透明の肘掛』に片肘をつく。
体は小さいが、態度がデカい。
もっとも、今この場にいるのは『幼い子供だけ』なのだが。

「これが『売り物』?面白いじゃない」

        フッ

「で――――『値段』は?」

軽く鼻で笑いながら、石を端から順番に眺める。
『売ってる』という言葉を本気にはしていない。
せいぜい『お店屋さんごっこ』程度だろうと思っていた。

942ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/12(月) 23:53:48
>>941

「ぬう。
 あの……透明な傘みたいなものというわけか?」


目を凝らして見て、かすかに空気が歪んで見える『椅子』の存在に、
本当に何も無いわけではないとひとまず納得したらしい。
透明素材の例えとして思い浮かんだのは安いビニール傘であったが。


「値段は……お嬢ちゃんの気持ち次第じゃ。
 物々交換での。
 良いと思ったものを交換してくれればよい」


石は模様が入った物や、穴だらけの物など、きれいとは言い難いものもある。
珍しそうな石も置いてあるらしい。
一番綺麗なのは半透明で水色の平べったいものだろうか。

943ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/10/13(火) 00:12:53
>>942

「ふーん、『ギブ・アンド・テイク』って事ね。
 『おもちゃのお金』を使うよりは現実味があるじゃない」

       スッ

「――じゃあ、それをもらうわ」

指差したのは『半透明の石』だった。
特に意味はない。
強いて言うなら、
何となく『オンリー・ガール』と似た感じがしたからだ。

「『料金』は…………」

       ゴソ

「『これ』よ」

ポケットから取り出したのは『シルクのハンカチ』だ。
金糸の縁取りが施されており、高級感がある。
手触りもいい。
事実、『高級品』だった。
惜しげもなく、それを手渡す。

944ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/13(火) 00:25:49
>>943

それは……売っている子供も知らなかったが、石ではなかった。
シーグラスという、波で洗われ、カドが取れ曇りガラスになったもの。
つまり鉱物ではなくただのガラス片である。
まあ実際、見た目は結構キレイだ。


「おお。マイドアリじゃ」


シーグラスが渡される……途中で手が止まった。


「なんか良さそうな布じゃな……いちおう、聞いておくが……
 勝手に『交換』して飼い主に怒られりせんか?」

945ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/10/13(火) 00:50:14
>>944

『椅子』に座ったまま、シーグラスを受け取った。
日の光に透かしてみる。
そこで、見た目や質感から石ではない事に気付く。

「…………『ガラス』?
 『石』じゃないわ、これ。
 ガラスならガラスって言っておかないと、
 『クレーム』がついて訴えられても知らないわよ。
 『ビジネス』なら注意しないと」

「――でも、『キレイ』だからいいわ」

「同じハンカチは、あと『七枚』持ってるの。
 だから、一つぐらいあげたって構わないのよ」

         フフン

「だけど、おかしな冗談を言うのは止めなさいよね。
 『飼い主』だなんてバカバカしい。
 『人身売買』は犯罪だって事ぐらい、
 幼稚園児でも知ってるわ」

『交換』に関しては問題ないようだ。
とはいえ、この謎の相手の事情は全く知らない。
そのため、『飼い主』うんぬんは、
タチの悪い冗談だと思って聞き流していた。

「でも、この辺りは『治安』が良くないから、
 気を付けた方がいいわよ。
 もしかしたら『児童誘拐』なんて事もあるかもしれないし」

「わたしは平気だけど」

          フンッ

何しろ、『悪の首領』や『危険な刺客』がいるのだ。
そいつらは別として、小さな子供を狙う犯罪者もいるだろう。
もし出てきたら、軽くやっつけてやるつもりでいた。

946ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/13(火) 01:01:45
>>945

「ガラスは石ではないのか?」


石とガラスの違いがわからないらしい。
そもそもシーグラスがガラスであるということがわかっていなかった。
子供なので仕方ない。
むしろ目の前の幼稚園児が賢過ぎた。


「金持ちということか」


ともあれ、シルクのハンカチとシーグラスが『交換』される。
傍から見ればまさにおままごとだろう。
通行人のお姉さんが微笑ましそうにクスクスと漏らしながら通り過ぎて行った。


「ううむ。よくわからんが……ようちえんじは賢いのう。
 ようちえんに通っておるからか。
 じゃが、わしより小さいではないか。
 賢いとちあんが悪いのも平気なのか?」

947ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/10/13(火) 01:22:18
>>946

「このぐらい『常識』よ。
 役に立つから、あなたも覚えときなさい」

「そうよ、わたしは『名門』の幼稚園に通ってるの。
 『バレエ』も習ってるわ。
 フフ、才能があるって言われてるのよ」

            オンリー・ガール
「だって、わたしには『唯一無二』があるもの。
 だから、どんなヤツが来てもへっちゃらよ」

          スゥッ

そう言って、『椅子』から立ち上がる。
同時に、『半透明の椅子』が『半透明の人型』に『変形』した。
空間が歪んで人の形を成したような、
奇妙なヴィジョンだった。

「『オンリー・ガール』はとっても強いから、
 どんな相手でも絶対負けないわ。
 もちろん、わたしも賢いし。フフッ」

「この前、『危ないヤツら』に出会ったけど、その時も……。
 軽く…………。
 軽く…………『かわせた』し…………」

それまで饒舌だったが、やや口ごもる。
あれは、さすがに『勝てた』とは言えない。
だからといって『負けた』と口にするのは、もっとイヤだった。

「『サオ』と『アキハ』っていうヤツらよ。
 そいつらは、わたしをくすぐったり湖に突き落としたの。
 あなたも気を付けなさい」

『冤罪』だが、それをダイアナは知らない。
あの二人は『ブラックリスト入り』。
いずれ倒すべき相手だと認識しているのだ。

948ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/13(火) 01:40:25
>>947

「バレェ……?
 ぬわっ、なんじゃなんじゃ」


バレエという聞き慣れない単語に首を傾げたが、次の瞬間、
いきなり変形した『椅子』に驚く。


「オバケ……?
 なにか妙な子じゃなと思っておったが、
 おぬしまさか、あやかしの類か?」

「アキハ……そういえばユーレイと一緒にいた女子がそんな名前だった気がするのう。
 あやつらとケンカしておるのか?
 オバケの縄張り争い?」


名前だけでは思い出せなかったかもしれないが、
『半透明の人型(オンリーガール)』が刺激となって、幽霊繋がりで記憶が蘇った。


「う、うむ。
 そういえばアキハはわしの家に来ようとして警邏に追われておったな。
 気を付けた方がよさそうじゃ」

949ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/10/13(火) 02:07:46
>>948

「あなたの方がよっぽど妙でしょ。
 さっきから変な事ばかり言ってて、まるで常識がないし……」

「誰が『お化け』ですって?わたしは『ダイアナ』よ。
 全く、『飼い主』だの『お化け』だの……。
 ホントにおかしな子ね」

「――あいつを知ってるのね!
 そうよ、そいつも『スタンド』を持ってたわ」

思わず説教しそうになったが、
『アキハ』を知っているとなれば別だ。
敵を知り己を知れば百戦あやうからず。
『敵の情報』は多いに越した事はないのだ。

「『警邏』?『警察』って事?
 ふぅ、あなたと話してると通訳になった気分ね……」

「でも、警察に追われてただなんて……。
 もう言い逃れは出来ないわね!」

警察にまで追われているとなれば、
かなりの『大物』なのだろう。
やはり、やっつけなければいけない。
ダイアナは『決意』を新たにするのだった。

950ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/13(火) 02:22:21
>>949

「うむ……わしは学校に行っておらんからな……
 もちろんようちえんにも行ったことはない。
 常識知らずと言われれば否定は出来んかもしれん」

「ここの言葉もテレビで覚えたからの……あと爺」


おかしな子と言われ、素直に認める。
自分が変である事に自覚が無いわけではないらしく、引け目もあるようだ。


「すたんど。うーむ、アキハのシュゴレーとかいう……
 エドサンズサンもそういえばそんな事を言っておったかもしれん。
 とはいえ、すまぬが道端で出会いちと話をしただけで、
 特に何を知っておるというわけではないんじゃ」

「そうか……アキハは悪いやつじゃったか……
 お嬢ちゃんは幼く見えるが……ようちえんじじゃから幼いのか?
 すたんどとかいうのもいるようじゃし、戦うというのならば応援するぞ」

「とはいえわしに何ができるわけではないが……」

951ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/10/13(火) 02:38:37
>>950

「学校に行ってないの?
 道理で変な事ばかり言ってると思ったわ」

「でも、学校に行った事がないんじゃ仕方ないわね。
 それは、あなたの責任じゃないから、
 気にしなくてもいいわよ」

上から目線の言い方だが、一応は気を遣ったらしい。
この年頃の子供が学校に行ってないとなると、
不審に思うのが普通の感覚だ。
しかし、ませているとはいえ所詮は『五歳』なので、
そこまでは頭が回らなかった。

「まぁ、いいわ。
 そう簡単に何か分かるとは思ってなかったし」

「そう、『スタンド』。これは『スタンド』っていうの。
 応援?でも、『スタンド使い』じゃないと…………」

そこで気付いた。
『サンズサン』が見えたという事は、
この子も『スタンド使い』だと。
実体化している『オンリー・ガール』は誰にでも見えるので、
気付くのが遅れた。

「あなたも『スタンド使い』だったのね!
 わたしは『道具屋』っていう人にもらったのよ。
 あなたは?」

952ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/13(火) 02:52:23
>>951

「わしも?
 わしは別にオバケは憑いておらんが……。
 そういえば爺が死んで、ふらふらしておった時に、
 どっかの店に入って、それから『交換』が出来るようになったんじゃったか」


『ベター・ビリーブ・イット』はヴィジョンが無い。
そのため、今までオバケと認識していたスタンドと繋がらなかったのだろう。


「こういう、今まで『交換』したものを何回でも『交換』できるっていう特技なんじゃが」


置いてあった石ころを摘まむと、一瞬にして石がクッキーに置換される。

953ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/10/13(火) 03:08:23
>>952

「――――えッ!?」

「『石ころ』が『クッキー』に変わる様子を、
驚愕の眼差しで見つめる。
ヴィジョンがない事も相まって、
余計と不思議に見えたのだろう。
しばらく『クッキー』を眺めていたが、やがて気を取り直す。

「ふ……ふぅん。な、なかなかスゴい『能力』じゃない。
 フフン、誉めてあげるわ」

「わたしの『オンリー・ガール』は『隠れる』のが得意なの。
 たとえば、こんな風にね」

         ドシュッ

『半透明のスタンド』が動く。
『テディベア』に飛び込み、同化するように消えた。
人間以上の素早さだ。

「こんな事だって出来るのよ。フフフッ」

        ズギュンッ

テディベアの胴体から、『半透明の腕』が飛び出す。
貫通しているように見えるが、穴は開いていない。
『能力』を見せたのは、自慢したかったからと、
驚かされて終わるのはイヤだったからだ。

954ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/13(火) 03:17:43
>>953

「おお……オバケっぽいのう」


感心したように言う。
物体をすり抜ける姿は確かに幽霊っぽい。
半透明だからなおさらだ。


「アキハ嬢のエドサンズサンは喋っておったが、
 おんりーがーる?は喋らんのか?」


値引きシールが貼られた包装を剥いて、クッキーを齧りながら、
『オンリーガール』にそっと触れようとしてみる。

955ダイアナ『オンリー・ガール』:2020/10/13(火) 03:36:27
>>954

「フフン、スゴいでしょ。
 まぁ、あなたのもスゴかったのは認めてあげるわ」

『オンリー・ガール』のヴィジョンは『酸素』で構成されている。
テディベアから突き出た『腕』に触れると、
柔らかい感触があった。
ちょうど空気の詰まった浮き輪のような感じだ。

「そういえば『サンズサン』は喋ってたわね。
 自分で考えたり出来るのかもしれないわ」

「『オンリー・ガール』は喋らないけど『握手』は出来るわよ」

「はい、『握手』」

         ガシッ

『半透明の腕』が『握手』をしてきた。
腕を掴んで、軽く上下に振ってくる。
そうしてから、また手を離した。

「わたし、そろそろ帰るわね。
 『社会見学』しようと思って来たら、
 『もっといいもの』に出会えたわ。
 あなたとは年も近いし、なかなかいい友達になれそう」

「また、どこかで会いましょうね」

         トッ トッ トッ

『オンリー・ガール』をテディベアの中に引っ込め、歩き出す。
『スタンド使いの味方』を作る事が出来たのは、
有益な出会いだった。
ダイアナは、上機嫌でその場を後にする……。

956ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2020/10/13(火) 03:44:11
>>955

「お、おおう」


空気の塊と握手している不思議な感覚に戸惑う。


「うむ、ではの」


『スタンド使い』そして自覚。
そういう意味ではこちらにとっても得るものが多い有意義な時間だった。


「ありっとござっしゃー」


去るダイアナの背によくわからない声で別れを告げた。
ちなみに「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」がコンビニ店員の間で訛り、
略された言葉をさらにうろ覚えにしたものであった。

957ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2020/10/13(火) 23:19:46
はぁい。まゆよ。
良い夜ね。人もまばらになってきたし。涼しいし。

 「うぷッ」

ゲロゲロゲロゲロ―――――っ

わたしは電柱の脇でゲロゲロしてるわ。えへへっ。

958比留間彦夫『オルタネイティヴ4』:2020/10/13(火) 23:59:54
>>957

やや離れた位置から、その光景を見つめていた。
見覚えのある姿が視界に入り、ふと足を止めたのだ。
あまり見たい絵面ではなかったが、『面白い場面』ではある。

       ザッ ザッ ザッ

「どうしました?どこか『具合』でも?」

「あぁ、いやいや――――」

「誰かと思えば、あの『有名』なラフィーノさんじゃありませんか。
 まさか、こんな所でお会い出来るとは…………」

ゆえに声を掛ける事にしたのだ。
知らない人間ではないし、挨拶程度はしておいてもいいだろう。
何より、彼女は見ていて『面白い』。

959ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2020/10/14(水) 00:44:54
>>958

「おや……」

聞き覚えのあるような男の声に、振り返る。
目を細めて顔を見る。

 「……」


「え゛ええー!!あ゛たしのこと知ってんのォ〜〜〜!」
「えへ、照れちゃうな゛ァ〜〜〜!!!!」

知り合いにこんなのいたっけ。わかんねーや頭ぐるぐるしてるし。
イエーーーイ。

「ごめんねェ〜〜『こんな所』でねェ〜〜!!」
「あたしのねェ〜『事務所』がそばにあってねェ〜
 『こぉぉ〜〜〜んな、所』だけどね゛ェ〜〜」

「具合ぃ?平気よ平気。ちょっと飲み過ぎただけェ〜〜!」

960比留間彦夫『オルタネイティヴ4』:2020/10/14(水) 01:09:17
>>959

「ええ、それはもう。
 『人気占い師』の『ラフィーノ石繭』さんでしょう?
 よく当たるという評判を聞いていたもので、
 私も一度お会いしたいと思っていましたよ」

初対面ではないのだが、ここは話を合わせる事にした。
今の状態で思い出されると、
色々と面倒な事になるかもしれない。
赤の他人のフリをしていた方が何かと楽だ。

(…………しかし、あなたも『一応』プロでしょう。
 占いは『インチキ』とはいえ、こんな姿を見られた日には、
 『神秘』も何もあったもんじゃあない)

(もう少し気を引き締めておくべきですよ、石繭さん)

「『事務所』は、お近くですか?
 だいぶ酔っておられるようですし、もし宜しければ、
 そこまでお送りして差し上げますよ」

(せっかく私が『宣伝』しているのですからね)

961名無しは星を見ていたい:2020/10/14(水) 01:35:13
>>960
 「ありがとう〜〜!まゆ嬉しい〜〜っ」

 「やだァ〜!『お送り』なんて紳士ぃ〜!」
「おニーさんったらお顔もイケメン〜〜!かっこいい〜〜!」 

目の前のオトコの頬を人差し指でつついしたりしてみる。

  ツン ツン

 「……アハハハハハ!!」(爆笑している)

 「そうなのよぉ〜『事務所』がここの近くにあってねぇ〜!」
 「事務所?っていうーか『占いの館』なんだけどねェ〜〜〜」」


 「送るならさァ〜〜〜事務所とか言わずに〜〜〜」
 「夜の街よ?オトコと酔っぱらったオンナよ?」

目の前のオトコの頬をつまんで引き延ばしてみたりする。

   グニグニ

 「……アハハハハハハハ!!!ハハハ!」(爆笑。何が可笑しいのかはわからない。)

962ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2020/10/14(水) 01:36:30
>>961(名前欄入れ忘れてました!)

963比留間彦夫『オルタネイティヴ4』:2020/10/14(水) 02:03:31
>>961

「いえいえ、人を助けるのは当然の事です。
 それに、他ならぬラフィーノさんですからね」

        クルッ

「それでは行きましょうか。
 ええと、『案内』して頂けますか?その『占いの館』へ」

言葉を掛けている間に、やたらと顔を突っつかれる。
通りがかったのが自分だったのは、
彼女にとって幸運だったのだろうと思う。
相手によっては、とんだ『スキャンダル』になっている所だ。

(何といいますか…………
 自分の『品位』を落とすような言動は慎んで欲しいですね。
 もし、それでお客が来なくなったら、どうするつもりですか)

(まぁ、普段から多少『漏れては』いますが…………)

そうこうしていると、何か『不穏な台詞』を吐き始めた。
さっさと『占いの館』とやらへ連れて行った方が良さそうだ。
誰かに見られでもしたら、本当に評判が失墜しかねない。
そうなっては困る。
彼女に客を『紹介』するという、
自分の『楽しみ』が一つ減ってしまうからだ。
それとは別に、あまり長く一緒にいるのは、
こちらとしても都合が悪いというのもある。
自分にも『体裁』や『面子』という、
厄介な代物があるのだから。

964ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2020/10/14(水) 03:11:59
>>963
「そう゛なのよォ〜すぐ行ったところに私の事務所があってね゛〜!」
「しょうがないなァ゛〜〜〜 案内しちゃるわ!ついて来ぉい!!」

雀荘。インドカレー屋。不動産屋。
いちいち指さしてみて「ここ………じゃない!」
ってやってみる、エヘヘへたのしいたのしい。


「ここ……………の、2階!
 むかしは金貸しの事務所とかだったらしいわよ。わたしが学生のころ。」
「でも、今はわたしの『占いの館』!ガ゛ーッハハハハハ!!」

雑居ビルの階段に足をかける。
【En la steloj 〜エンラステロイ〜 】と書かれた黒い看板。
壁の張り紙に【占いの館】【運命視ます】
【パワーストーン】【話題沸騰中!】などの文字が躍っている。
神妙な顔の『ラフィーノ石繭』の写真もある。

965比留間彦夫『オルタネイティヴ4』:2020/10/14(水) 03:39:19
>>964

「――――ああ、『そっちじゃあない』んですね」

        ザッ ザッ ザッ

指差す彼女に向けて、適当な相槌を打ちながら歩く。
言われずとも違うのは分かる。
麻雀屋だのカレー屋だの不動産屋だの、
そんな所に『占いの館』があったら雰囲気が台無しだ。

「ははぁ、『金融業者』が入居していた訳ですか。
 『現実主義の権化』のような事務所が、
 今では謎に包まれた『神秘の館』に変わった訳ですね」

(『金貸し』の後釜が『偽占い師』とは…………)
 
(…………妙に『納得』出来る節がありますね)

どんな金貸しが入っていたか知らないが、
恐らくロクなものではないだろう。
その後に出来たのが、インチキ占い師の事務所。
『胡散臭さ』で言えば、どちらも似たようなものだ。
相応しいといえば相応しい場所なのかもしれない。
『ある意味』で。

「足元に気を付けて下さい。
 落ちて頭でも打ったら大変ですから」

耳に入るかどうかは定かではないが、
念の為に注意は促しておく。
『酔っ払いが階段を上がる』というのは、
傍から見ても危なっかしい。
『万一』の場合を考えながら、
彼女の後ろから二階に上っていく。

966ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』:2020/10/14(水) 23:49:16
>>965
まあ慣れ親しんだ階段だもの。転んだりなんかしないわ。

 「おっとっとぉ〜〜〜〜」 グラッ

 「…なんちゃってェ〜〜〜!」
 「心配したぁ〜???アハハハハハハハ」
  
 「っと、ここ。ここが私の『神秘の館』!」

玉ガラス、幾何学模様が編まれた布、よくわかんねー不気味な顔の人形、
それっぽいアイテムがびっしりと下がった、壁。
脇に『インターホン』と【CLOSED】の看板で、辛うじて『ドア』だって分かるよね。

 「ハハハハハ すごいでしょ!」
 「ドアノブの位置が分かんなくなっちゃうんだよ〜〜〜!」

 「………入る?」

967比留間彦夫『オルタネイティヴ4』:2020/10/15(木) 00:21:42
>>966

       サッ

傾く体を見て、咄嗟に両手で支えようとした。
一瞬の後、それが『杞憂』であった事を理解する。
泥酔してはいるが、案外しっかりしているのかもしれない。

「ええ、驚きましたよ。しかし、何事もなくて安心しました」

             ニコ

(…………心配するべきではなかったようですね)

内心、ここで足を踏み外せば面白いと思った。
だからといって、
引っ張って落としてやろうなどとは考えていないが。
『嘘』は吐くが、他人に危害を加えるような真似はしない。
だが、考えるぐらいはしてもいいだろう。
思うだけなら罪にはならないという事だ。

「いえ、『閉店中』にお邪魔するのは申し訳ありません。
 私は、これでお暇しましょう。
 時間のある時に、改めて占って頂きに参りますので」

(さて、思い出される前に退散するとしますか)

        スッ

「――――それでは」

帽子を持ち上げて一礼し、再び被り直す。
それから、『占いの館』の階段を下りていく。
雑居ビルの前まで下りてから、妙な『疲れ』を感じて、
深い溜め息を一つ吐いた。

968御影憂『ナハトワハト』:2020/10/31(土) 00:38:38

         ザッ ザッ

女が歩いている。
背中まで届く程の長い黒髪。
対照的に、身に纏う衣服は白を基調とした装いだった。

         ザッ ザッ

女は歩き続け、一本の暗い小路に入っていく。
表通りを照らす明かりも、ここまでは届かない。
頭上に浮かぶ細い三日月だけが唯一の光源だ。

          ピタ

暗闇の中で、女が足を止めた。
そして、ゆっくりと背後を振り返る。
ささやかな『期待』を込めて。

969御影憂『ナハトワハト』:2020/11/01(日) 22:00:01
>>968

      ズギュンッ

振り向いた女が『帽子』と『外套』を身に纏う。
夜のように暗い色。
次の瞬間、女の姿は音もなく闇に溶け消えていった――――。

970桐谷研吾『一般人』:2020/11/24(火) 22:37:12

「確か……『この辺り』だったかな……」

薄暗い路地裏に若い男が立っていた。
紺色の制服と帽子を身に着けている。
『警察官』のようだ。

(以前、ここで『不思議な現象』に遭遇した)

だいぶ前の話になる。
最初は単なる喧嘩だと思った。
仲裁しようと止めに入った時、
『見えない何か』に吹き飛ばれたのだ。
辛うじて分かったのは、『何かがある』事だけだった。
自分には感じ取る事の出来ない『何か』が。

(『トリック』、『魔法』、『超能力』)

(『人知を超えた力』……か)

手掛かりを求めて、この現場を調べていた時、
偶然『一人の少女』に出会った事がある。
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647686/379-386)
彼女には、何処か意味ありげな雰囲気が漂っていた。
もしかすると、何かを知っていたのかもしれない。
深く追求すれば、手掛かりが得られた可能性はあるが、
僕は追わない事を選んだ。
今にして思えば、それは失敗だったのだろうか。

「ふぅ……」

ため息をつき、辺りを見渡す。
期待などしていない。
単なる無意識の行動に過ぎなかった。

971桐谷研吾『一般人』:2020/11/26(木) 18:54:20
>>970

「……戻るか」

ここにいても何もない。
踵を返して『現場』に背を向ける。
その場から立ち去り、表通りに歩き出した。

972御影憂『ナハトワハト』:2020/11/27(金) 19:55:42

深夜の歓楽街。
人工の明かりで満たされた世界は、
夜の帳が下りても光を失う事がない。
同時に、光が届かない『暗闇』も存在する。
その闇の中で、見られる事も気付かれる事もなく、
静かに存在する『影』があった。
『闇に溶ける衣』を身に纏う『御影憂』は、
獲物の『恐怖』を食らうための『狩り』を行う。

        (フフフ…………)

     (フッフッフッフッフッ…………)

先程、今夜の『狩り』を終えてきた所だ。
適当なチンピラの前に姿を見せて路地裏に入り、
下心で追いかけてきた相手に、たっぷりと『恐怖』を与えた。
ほくそ笑んでいた時――――。

             バァァァァァ――――――ッ

      「!」

『ヘッドライト』の明かりが路地を照らす。
暗闇に差し込む光。
それによって、『闇に同化する能力』が失われ、
『ナハトワハト』が強制解除された。

973三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/11/27(金) 21:11:41
>>972

同じ頃、その路地裏には一人の男が歩いていた
スーツを着た壮年の男だ、両手でカメラを持ち、うろうろと徘徊している
『水商売』の悪質な追っかけか? はたまた何らかの『調査機構』か?
いや違う

「まったく・・・・困るよねぇ、こんな時間に
 昼間に撮っても夜に撮っても、大した違いなんてないと思うんだけどねぇ、僕は
 まあ、大先生の言う事だから仕方ないけど・・・・」

 パシャッ
           パシャッ!


男はカメラを構えて、周囲の風景を撮影している
肖像権に配慮しているのか、通行人を巻き込むような写真は撮っていなかったのだが・・・

>             バァァァァァ――――――ッ

>      「!」

「えっ?」
            パシャッ!

目の前に突然姿を現した『女性』に驚き、思わずシャッターを切ってしまう
フラッシュの光が『女性』の眼前で炸裂し、ほくそ笑む御影の顔がカメラに残された

974御影憂『ナハトワハト』:2020/11/27(金) 21:56:41
>>973

(『見られた』…………しかも『撮られた』…………)

(…………どうしよっかな)

『車』は通り過ぎた。
もう一度『ナハトワハト』を発現して、
『夜の闇』に消える事も出来る。
しかし、今やると面倒な事になりそうだ。

     グンッ
           ――――バサァッ

パンクロッカーのように頭を大きく振ると、
後ろにやっていた前髪が顔の前に垂れ下がる。
その隙間から、片方の目だけが覗いている。
陰気そうな眼差しが、男の持つカメラに向けられる。
服装は白いワンピース。
『ジャパニーズホラー』のような姿が、闇の中に佇んでいた。

          ス…………

亡霊のように緩やかな足取りで、男に近付く。
どうこうしようという考えはないが、『写真』は不味い。
『処分』させねばならない。

975三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/11/27(金) 22:17:26
>>974

「さて・・・・今日はまだ飲んでないはずなんだけどねぇ」

目の前に突然出現した『女性』
その正体について自分の中で仮説を立てていく

(見間違え・・・・これが一番可能性が高いかな
 僕の注意力が散漫なせいで通行人のお嬢さんを撮ってしまった・・・・ってのが妥当かな?)

(それとも僕と同じように超能力者・・・・・? まさかね?
 それか・・・・または・・・)

    ブルル・・・!

身体に怖気が走る
目の前に佇む女の雰囲気が変わる
僕に向けて執念の灯った視線を向けるその眼は・・・・

「お、おいおいおいおい・・・・まさか・・・・これは・・・・!?」

己の中で一つの『可能性』が鎌首をもたげる
深夜、人気のない裏路地、謎の現象、陰のある女性・・・・・!

「参ったね・・・・『霊感』はないはずなんだけれど・・・・・!」

『お化け』!
ホラー映画の怪奇存在が目の前にいる!
その『可能性』に至った三刀屋はびびる心を奮い立たせ・・・・


    ・・・・・ズギャンッ!

      ヴィジョン
傍に人型の『 像 』を発現させた!

976御影憂『ナハトワハト』:2020/11/27(金) 22:35:36
>>975

(『スタンド使い』…………)

        (ますますメンドくさい…………)

     ジッ

素知らぬ振りをしながら、
男の傍らに出現した『ヴィジョン』を視認する。
前髪に隠れているために、
その表情はハッキリとは見えない。
こんな場所に立っていると、
確かに『亡霊』と思われてもおかしくない外見だ。

  「『写真』…………」

       ボソッ

   「…………『写真』…………撮った?」

              ボソッ

          「…………消してね」

囁くような声で、『データ消去』を促す。
『ナハトワハト』は直接戦闘には向かない。
力づくでカメラを奪うとか壊すとか、
そういうやり方は難しいのだ。
そもそも、やろうとは思わないが。
ストレートな暴力のように、あまり目立つ事をすると、
『今後の活動』に支障を来たす恐れもある。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板