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【場】『 私立清月学園 ―城址学区― 』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:57:56
『H城』の周囲に広がる『城址公園』の敷地を共有する『学び舎』の群れ。
『小中高大一貫』の『清月学園』には4000人を超える生徒が所属し、
『城郭』と共に青春を過ごす彼らにとって、『城址公園』は広大な『校庭』の一つ。

『出世城』とも名高い『H城』は『H湖』と共に『町』の象徴である。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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694志田忠志『イヴ・オブ・サルヴェイション』【大三】:2020/04/02(木) 10:07:05
>>693

「はは、確かに君の言う通りだ。
 新聞記事がフィクションじゃあ困る。それは大事な事だね」

だが、記者も人間だ。
時にはミスを犯す事もある。
たとえば、自分では意図せずに、
フィクションになってしまう場合もあるだろう。
そんな事を考えたが、口には出さなかった。
何となく、言わない方が良さそうだと感じたからだ。

「それにしても『特ダネ』か……。気になるなぁ」

そうはいっても、学校の新聞部員が取り上げるものだ。
まさか世間を騒がす程にセンセーショナルな内容とは思えない。
ただ、気になるのは事実だった。

「それが秘密じゃなければ、是非とも教えて欲しいな。
 行き詰った時は、『新しい風』を入れるのも悪くないと思うよ。
 関わりのない人間に話してみる事で、
 何かしらの取っ掛かりが見つかるかもしれないしね」

「もっとも僕は素人だから、大した助けにはなれないと思うけど。
 でも、ちょっとした『気分転換』にはなるんじゃあないかな」

「それはそれで、
 今まで見えてこなかった何かが見えてくるかもしれないよ」

こちらは『特ダネ』の内容を知る事が出来る。
そして、彼女も『新鮮な意見』を聞く事が出来る。
お互いに『得』があるんじゃないか――要するに、そういう話だ。

695黒羽 灯世『インク』【中3】:2020/04/02(木) 22:20:53
>>694

「そうね……………『一理ある』。
 いいわ、話す。でも秘密にしていてね。
 まあそもそも、人に話して信じてもらえるかどうか」

「追ってるのは……大まかに言えば、『喧嘩』」

――――――喧嘩。

それは問題の『本質』ではない。
あくまでさわりだ……反応を見たい。

「あなた、喧嘩とか……好きそうには見えないけど。
 いえ、でも見た目で判断するのはよくないわね」

口元に振袖状に改造した袖を当てる。
『志田』は不良といった雰囲気には見えない。
優等生かどうかは分からないが…………

「一応言っとくのだわ、私も『喧嘩の強さ』とか、
 『勝ち負け』とか、そういうのに興味があるんじゃないの。
 見た目通りよ……私、暴力だけは得意じゃないから。フフッ」

「あのね、つまりね、喧嘩の『結果』じゃなくって『成り行き』に、
 すごく『気になる所』があった。ここまで……おわかりかしら?」

696志田忠志『イヴ・オブ・サルヴェイション【大三】』:2020/04/02(木) 22:58:44
>>695

「秘密は守るよ。これでも口は堅いんだ。
 だけど『喧嘩』か……考えもしなかった単語が出てきたね」

それくらいなら、どこにでもあるだろう。
しょっちゅう見かけるようなものではなくとも、
珍しいかといえば微妙な所だ。
少なくとも、それだけでは『ビッグニュース』にはなりそうにない。

「いや、君の見立ては正しいよ。『見た目通り』さ。
 喧嘩は好きじゃないし、もちろん得意でもない」

「『運動』するのは苦手なんでね」

乾いたような笑いを浮かべながら、顔の前で手を振って見せる。
スタンドとは違い、本体の自分の身体能力は、
標準よりもだいぶ劣る。
だからこそ、何かと『イヴ』の力が役に立つ訳だが。

「成り行きというと『どうしてそうなったか』って事だよね」

「誰かが誰かにイチャモンつけたとか、そういう話かい?
 その経緯が変わってたって事かな?
 それか、喧嘩していたのが意外な人物だったとか……。
 これだと『ゴシップ』になってしまいそうだね」

思いつくままに、言葉を並べる。
ここまでの説明では、特に意外性は感じない。
重要なのは『ここから先』なのだろう。

「でも、説明は分かったよ。
 それで――『気になる所』というのは何なのかな?」

697黒羽 灯世『インク』【中3】:2020/04/02(木) 23:31:43
>>696

「あ……ちなみに、私は『運動は得意』なのだわ」

不要なマウントを取ってから、志田に大きく頷いて――――

「ともかく……理解が早いのね。上等だわ!
 そう、問題は『喧嘩があったこと』ではなく、
 『なんでそんなことが起きたのか』なのだわ」

「ただ今回の場合……『喧嘩の動機』とか、
 『喧嘩をした人が特殊』とかじゃなくってね、
 『喧嘩の内容』に不可解な点があったの」

          スゥ

口に当てていた袖から、手を出す。
作っているのは『握りこぶし』だ。

「普通は、こう!」

     シュッ

それを何もない空中に突き出す。
なるほど、お世辞にも喧嘩が得意な動きではない。

「……『殴る』『蹴る』よ。いえ、場合によっては『武器』もね。
 そういうものでお互いを傷つけあうのが『喧嘩』よね。
 私も……貴方も喧嘩は苦手でも、それは常識だわ。
 でも……その喧嘩は、そこが『おかしかった』そうなのだわ」

(おかしいというか……『スタンド』の影響だとは思うけど)

「『やられた側』はね……『何もされてないのに吹っ飛んだ』そうなの。
 手で触れた訳でも、自分から後ろに跳んだわけでもなく、急に『吹き飛んだ』」

                 「――――『信じられる』かしら?」

698志田忠志『イヴ・オブ・サルヴェイション』【大三】:2020/04/02(木) 23:52:13
>>697

『運動が得意』という言葉には、
同意の意を込めて頷くだけに留めておいた。
短いやり取りの間で、
この少女の『傾向』が少し分かってきた気がする。
それはいいとして――。

「――おっと」

    サッ

反射的に、軽く身を引く。
いきなりだったので、少し驚いた。
年下の少女相手に情けないかもしれないが、
自分の意思ではないので仕方がない。

「それは……確かに『変わった喧嘩』だ。
 君を疑う訳じゃないけど、俄かには信じにくい話だね……。
 何か『トリック』はなかったのかい?」

「たとえば、こういう事は考えられないかな。
 喧嘩していた二人がグルで、
 周りを驚かせるために仕組んだとか……。
 いわゆる『ドッキリ』みたいなものをね」

実際には、そんな事は考えていなかった。
何よりも、『スタンド』という単語が真っ先に頭に浮かぶからだ。
しかし、それを説明するのは容易じゃない。

699黒羽 灯世『インク』【中3】:2020/04/03(金) 00:20:53
>>698

「あ……ごめんなさい。乱暴、だったわね」

拳を戻し、もう片方の袖で覆い隠しながら話を続ける。

「あなた、やっぱりなかなか鋭いわね。
 もちろん、『トリック』は疑ったのだわ!
 というより……今でも可能性は『0』ではない。
 ただ、『限りなく低い』と、私は考えているの」

事態の『目撃者』はSNSにしか見つからず、
そのツイートもすでに消されてしまっていた。
具体的ではない『うわさ』程度はゲーセンで聞けたが、
『ハッキリとこの目で見た』という証言は、ほぼ無かった。

しかし、集めた噂は『一定の真実』を浮上させた。
朧げな影ばかり掴まされていたが、集まれば輪郭程度にはなる。

「『喧嘩していた二人』って、あなた言ったわよね。
 そう、喧嘩をしていたなら『二人』は最低でも『実在』する。
 ……やられた方が誰かは、すでに調べがついてるの」

それが『被害者』だ。

「……それが『誰か』は具体的には言わないけど、
 『やられた方』は、『怪我』を負っているのだわ。
 そして、それはその人の……部活動にも影響してる。
 流石に『どっきり』で済ませるには『行き過ぎ』だわ」

「もちろん……行き過ぎたドッキリでしかないものを、
 大事になったから隠してるって可能性もある。だから『0』じゃないけどね」

700志田忠志『イヴ・オブ・サルヴェイション』【大三】:2020/04/03(金) 00:56:00
>>699

「なるほど……。確かに『ヤラセ』とは思えないな。
 話題作りにしても割に合わない」

「『それくらいの方がリアリティが出る』とも言えるけど、
 ちょっとやり過ぎかな。
 『思ってたよりも吹っ飛んだ』のかもしれないけどね。
 それにしたって、『トリック』のタネは分からない訳だ」

「……しかし、よく調べてるなぁ。素直に感心するよ。
 裏付けが取れているんなら、その推理にも説得力があるね」

さっき目にした熱心さは本物だったという事だろう。
自信ありげな態度に見合うだけの成果を出している。
ただ、それでも結論に到達している感じはない。

「『被害者』は特定済みなんだね?
 じゃあ、『もう一人』の方はどうなのかな」

「それが特定できれば、全貌が分かるかもしれないけど……」

「そこまでは、『まだ』掴めていないって感じかな」

この少女の上を取りたがるらしい傾向に配慮して、
『まだ』を付け加えておいた。
『加害者』は、おそらくスタンド使いだ。
そうだとすれば、簡単に尻尾を出すとも思えない。

701黒羽 灯世『インク』【中3】:2020/04/03(金) 01:38:44
>>700

「なにせ、『話題になってない』もの。
 話題にしたいなら自分達でSNSに上げる。
 内輪の話題にしたいんだとしても、
 被害者の知り合いとかに広まるはず」

「……フフッ! 当然、私は『新聞大会』で入賞した事もあるのよ。
 これくらいの調査は簡単だわ。ただ問題は……そう、『もう一人』」

志田の『配慮』が功を奏したか、
気分よさげに、自慢気に語る黒羽。
しかし『もう一人』――鍵が見つからない事実には声色も落ちる。

「これが、まるでつかめないのだわ。
 噂で聞いた限りで、『顔』や『背格好』が見えてこない。
 せめて、『なぜ喧嘩になったのか』が分かればね……
 『加害者側』がどういう人物像なのか、見えて来そうなんだけど。
 記事にするならせめて『動機』くらいは掴まなきゃ、価値がない」

               フゥーー ・・・

ため息をつく。
喧嘩そのものをセンセーショナルに煽る記事は、どうせ書けない。
風紀的問題になりかねないし、真相は『超能力』とはとても言えない。

が、『部活動の選手がけがをした理由』は、『スクープ』になり得る。
あるいは、単純に『記者』としての好奇心として、『調べたい』欲がある。

「……というのが、今追ってる『特ダネ』というわけ。おわかりかしら?」

702志田忠志『イヴ・オブ・サルヴェイション』【大三】:2020/04/03(金) 02:18:19
>>701

「よく分かったよ。どうも色々と『謎』が多い事件みたいだね。
 これを解明するのは難しそうだ」

興味深い話だった。
スタンドは役に立つ反面、
使い方によっては大きなトラブルの元になる。
どんな道具にも言える事だが、
スタンドの場合は他のものよりタチが悪い。

「僕にはアドバイスなんて大層な事は出来ないけど……。
 『別の事件』を追うなんてのもいいんじゃないかな。
 もしかすると、こういう『謎の事件』みたいなものが、
 他にもあるかもしれないしね」

「そこから、解明の糸口が見つかるかもしれないよ。
 ドラマじゃないけど、『意外な共通点』があるとか……。
 とりあえず、可能性は『ゼロ』じゃあない」

目の前で事件が起こっているのならまだしも、
『イヴ』の能力は調査には全く向いてない。
出来る事といえば、こうして口を出すくらいだろう。
それも、素人考えの域は出ないが。

「それに、一つの事に集中しすぎてると、
 無意識に視野が狭くなりがちだからね。
 別の方面に意識を向けるのも悪くないと思うよ。
 さっきも言ったけど、『気分転換』ってやつさ」

「僕も、割と気分の『浮き沈み』が激しい方なんだ。
 気が沈んでる時は、他の事に集中する事にしてるよ」
 
「たとえば『テトリス』とか。
 あれは何時間でも続けられるからね。
 運動は得意じゃないけど、
 ああいう『作業的なゲーム』は得意なんだ」

「……いや、こんなのはどうでもいい話だったね。
 ええと――要するに僕から提供できる『新しい風』は、
 こんな所かな?」

703黒羽 灯世『インク』【中3】:2020/04/03(金) 22:44:26
>>702

「そう、難しいのだわ…………調べ甲斐はあるけどね」

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「気分転換をしてみるのはいいかもしれないわね。
 それに最近、この事件のことばかり調べてたし……
 記者たるもの、『新聞以外』にこそ目を広げるべきだし」

「動機は分からないけど、『人を吹き飛ばす』ような人なら、
 何か別件で事件を起こしてる可能性も……ゼロじゃないのだわ!」

志田の言葉は、黒羽にそれなりの響きを与えた。
根の詰めすぎを理解していても、実感は自分1人では得づらいものだ。

「……『進展』を焦りすぎてたのかもしれないわね。
 どちらにしても、既にそれなりに経ってる事件なんだし、
 『鮮度』を求めるよりももっと幅広い視点で探すべきだわ」

        コク…

自分の考えを噛み締めるようにうなずく。
それから、改めて志田の方に視線を向けた。

「礼を言わせていただくわね、ええと……
 そういえば、お名前を聞いてなかったのだわ。
 ちなみに私は『黒羽』よ。是非覚えておいて、損はさせないから」

704志田忠志『イヴ・オブ・サルヴェイション』【大三】:2020/04/03(金) 23:26:02
>>703

「役に立ったなら良かったよ。
 『困った時はお互い様』って言葉もあるしね。
 だからって、僕が困った時に助けてくれって意味じゃないけど」

「お陰で興味ある話が聞けた。
 僕も、お礼を言っておくよ。ありがとう」

    スッ

階段から立ち上がる。
その体が、僅かに揺れた。
今まで座っていたせいで、少し立ちくらみを感じたのだ。
普通なら些細な事でも、『慢性的な不眠症』の体には堪える。
しかし、どうにか踏み止まれたようだ。

          トンッ

「――――っと……」

「いや、危なかった。うっかり落ちなくて良かったよ、はは」

(……『イヴ』を使えば、落ちても安全だったんだけど――)

(ここで『新しい謎』を作ってしまうのは、ちょっと不味いかな)

「僕は『志田』だよ。
 大学部の三年生だから、
 あんまり会う事はないかもしれないけど、
 もし顔を合わせる機会があれば、その時はよろしく」

「これ以上お邪魔しちゃ悪いし、僕は行くよ。
 何か新しいニュースが見つかったら、また聞かせて欲しいな。
 僕も気になるからね」

「黒羽さん――それじゃ、これで」

軽く片手を上げ、屋上に続く階段を下りていく。
その不健康そうな青年は、こうして黒羽の前から立ち去った。
ある意味では彼の存在も、
『一つの謎』ではあるのかもしれないが……。

705黒羽 灯世『インク』:2020/04/04(土) 01:06:17
>>704

「助けることはできると思うのだわ。私ならね。
 ま、新聞記者として出来ることに限るけど……
 ええ……それじゃあ、またどこかで。志田先輩」

       ヒラ…

「ああ……大学部は研究とかで大変だそうだけど、
 お身体には気をつけて。それだけ伝えておくのだわ」

袖を軽く振り、背中を見送る。
謎なところもあったが、概ね『良い出会い』だった。
調査そのものの進展だけが、良い記事を育てるものではない。

706白町 千律『ハード・タイムス』:2020/04/09(木) 00:50:31

『そいつ』は、『有名』だった。

        ピコン

頭頂部のアンテナのように立った髪。
バツ印のような形のヘアピン。
見開いたような、ぱっちりした目。

その他は没個性な、黒髪をショートカットにした少女だった。
だが、それらの『記号』で十分なほど有名だった。

「…………」

『風紀委員会』の『高等部3年生』――『白町 千律』は『有名』だ。

                  モク   モク …

『アジフライ』『野菜のお浸し』『味噌汁』を、
三角を描くように順に食べる彼女の周囲は、席が空いている。

707シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』:2020/04/12(日) 01:35:12
>>706

       ト ン

白町の正面に一人の女子生徒が座った。
両手で支えていたお盆を、テーブルの上に置く。
青みがかった短い髪。
やや濃い色合いの青い瞳。
そして、『燕尾服風』に改造した制服が特徴的だ。

「――――?」

(『この人』……どこかで見たような……)

(あっ!も、もしかして……。
 高等部風紀委員の『白町千律先輩』!?
 何だか、すごく『厳しい』って噂を聞いたことあるけど……)

(でも、今から別の席に移るのは失礼だよね……)
 
(――うん!笑顔で挨拶しなきゃ!)

「こんにちはっ」

        ニコッ

          ツヅラシルク
その生徒――『黒葛純白』は笑顔で会釈する。
『合唱部』に所属する『中等部三年』の彼女は、
『ある理由』から一部で有名だった。
『同様の理由』で、『高等部の合唱部』からも、
その存在をマークされていた。

708白町 千律『ハード・タイムス』:2020/04/12(日) 02:37:46
>>707

「こんにちは」

        コト・・・

まず、白町は箸をゆっくり置いた。
アンテナのような髪を揺らし、顔を上げた。
声色は澄んでいて、よく通る。

「『素晴らしい』!」

          パンッ

そして小さく手を打った。

「なんて……素晴らしいんでしょう。
 とてもいい挨拶。それに、いい笑顔です。
 会釈だけで済ませず、ちゃんと声と顔に出すその心がけ!
 わたくし……あなたを、好きになれそうです」

笑顔だった。見開いたような目が、爛々と輝いていた。
自身のお盆を少し下げて、『シルク』に大きくスペースを貸しながらだ。
親切な人柄、なのだろうか? 恩を着せるようなそぶりも無い。

                  ――――が。

「そんな素晴らしいあなた、だからこそ」

バツ印のような髪飾りが、電灯の反射できらり、と光る。

「――――――まだまだ『是正』の余地があると、思いませんか?」

少なくとも噂通り……『厄介』な側面があるのは、間違いなさそうだ。

「わたくしは思います。あなたのさらなる『是正』には、
 この場合……『相席いいですか』と一応聞くのが良いですね。
 学食の席は紛れもなく全員のものですが、無用なトラブルを避けられます」
 
「ちなみにわたくしの答えはもちろん『良い』ですよ。ゆっくり、お昼ご飯を楽しんでくださいね」

そして、『シルク』の持つ、ある種の『伝説』については、どうやら知らないと見ていい。

709シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』:2020/04/12(日) 03:06:09
>>708

「あ、ありがとうございます」

(良かった。『噂』は、やっぱり『噂』だったんだ)

  ホッ

向けられた言葉と笑顔に緊張が緩む。
肩の力を抜き、安心して食事に取り掛かろうとした。
しかし、釘を刺すように続けられた忠言に、身体が強張る。

「――はっ、はい。ごめんなさいっ」

ほとんど反射的に頭を下げる。
若干、怯えたような表情が浮かんだ。
しかし、気を取り直してどうにか持ち直す。

(や、やっぱり怖いぃ……。ど、どうしよう……。
 近くの席にいたら、もっと注意されちゃうかも……)

(ううん、怖がっちゃダメ。
 悪いのは私なんだし、注意されたら直せばいいんだから!)

「『指導』ありがとうございます。これから気をつけますねっ」

しっかりとお礼を言ってから、改めて食事を始める。
最初に箸をつけたのは、『豚の生姜焼き』だ。
ご飯の量は、どうやら『大盛り』らしい。

     パク パク パク

(うぅ、静かなのも怖いよぉ……。
 な、何かお話した方がいいのかな?)

「あの……『白町千律先輩』ですよね……?
 『高等部三年生』で『風紀委員』の……」

おそるおそるといった調子で、再び声を掛ける。
注意されるのは怖いが、されないのもそれはそれで怖い。
どことなく、『無言の圧力』のようなものを感じるのだ。

710白町 千律『ハード・タイムス』:2020/04/12(日) 20:16:15
>>709

「すぐに謝れ、礼を言える……『素晴らしい』!
 あなたはとても、礼儀の良い人のようですね。
 わたくし、ますます好きになってしまいます」

       ニコォ

「でも、どうかもっと好きにさせてくださいね」

                サクッ

アジフライを箸で二つに裂きつつ、笑みを浮かべる。

「わたくしをご存知だったのですね。嬉しい。
 あなたの言う通り、わたくし、『風紀委員』の3年。
 白町 千律(しろまち せんりつ)なのです」

噂はあくまでも噂。
厳しい風紀委員……『それだけ』でも無さそうだ。

「でも、わたくしはあなたのことを知りません。
 よければ『是正』の機会をくださいますか?
 お名前を……ぜひお名前だけじゃなく、自己紹介を。
 例えば、その『豚生姜焼き』……お好きなのですか?」

「ちなみにわたくしは、『アジフライ』が好きですよ」

   サクッ

箸使いは丁寧で、二つに裂いたそれをまた分割したのだ。

711シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』:2020/04/12(日) 21:00:14
>>710

「は、はいっ。そ、その……」

「――ありがとうございますっ」

褒められてはいても、何となく素直に喜べない。
『笑顔』が怖い。
その裏側に、『何か』があるのではないかと思ってしまう。

(自己紹介――とっても大切なことだよね)

(よしっ、頑張ろう!)

「私、『黒葛純白』です」

「『中等部三年生』で、一年生の時から『合唱部』に入ってますっ」

自身の所属を語る両目は輝いていた。
おそらくは、歌うことが好きなのだろう。
話が食事内容に向かうと、手元の皿と相手の皿を見比べる。

「運動部ほどじゃないですけど、歌うことも結構体力を使いますからっ。
 だから、『スタミナがつくもの』や、
 『ボリュームがあるもの』を食べてることが多いかもしれません」

「実は、時々運動部に『助っ人』で参加することもあるので……」

「そういう時は、いつもよりお腹が減っちゃいますねっ」

    ニコッ

部活動のこともあって、普段からよく食べる方だ。
『並』と『大盛り』と『少量』があれば、大抵『大盛り』を選ぶ。
つい食べ過ぎてしまうこともあるのだが、それは言わないでおいた。

712白町 千律『ハード・タイムス』:2020/04/13(月) 00:48:16
>>711

「『合唱部』ですか。
 『調和』を重んじる、良い部活ですね。
 わたくしも、好きですよ。『合唱』するのは」

           ニコォ…

「わたくし、『集団競技』が好きなのです。
 合唱は『競技』とも違うかもしれませんが、
 皆で一丸となって一つの目標に向かう。
 それがとても……素晴らしい。そう思うのです」

白町は『部活動』に参加してはいない。
『風紀委員』としての活動のみで知られている。

「だから『豚生姜焼き』……確かにスタミナが付きますね。
 とても丁寧に答えてくれて、ありがとう。わたくし嬉しいです」

「シルクさん。ぜひ、よろしく、お願いしますね」

笑顔の裏に何があるのかは分からないが、
とりあえず、その言葉には裏が無いようだった。

          スッ

「ちなみに、わたくしが『アジフライ』を好きなのは……美味しいからですよ」

                   ドボ…

そしておもむろにカバンの中から『中濃ソース』を取り出し、フライの一片に掛けたのだった。

713シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』:2020/04/13(月) 10:15:05
>>712

「はいっ。私、『歌』が大好きですから!」

声色が弾む。
『共感』を示されたことに喜びを感じた。
厳密には違うかもしれないが、
それでも嬉しいことには変わりない。

「こちらこそよろしくお願いします、白町先輩っ」

「あっ、『アジフライ』も美味しいですよ――」

「――ね……」

笑顔で返していたものの、
『鞄から出てきた品物』には驚きを隠せない。
フライにソースをかけるのは普通だ。
ただ、それを『持参する』というのは珍しい。

(あ、あれって『ソース』!?
 すごい……『持ち歩いてる』なんて……!
 ビックリしちゃったけど……顔に出したら悪いよね……)

(――――うんっ!こんな時こそ『笑顔』でいなきゃ!)

「『ソース』、合いますよねっ。
 お父さんも、フライにソースをかけるのが好きなんです」

        ニコ ニコ

内心の『葛藤』はありつつも、シルクは笑顔を崩さない。
中濃ソースから視線を移し、『フライの行く末』を見守る。
そして、『大盛りのご飯』は、既に半分ほどが消えていた。

714白町 千律『ハード・タイムス』:2020/04/14(火) 13:30:57
>>713

「好きなことに打ち込むのは素晴らしい……
 『練習』『試行』その繰り返しでもっと好きになれる。
 わたくしにとってのアジフライも、そういうものです」

「学食に置いてあるのは、しょうゆとソース。
 ですが、わたくしは……」

         キュッ

「『このソースが良い』」

              ゴソ

「――――『このソースも良い』」

       コト

中濃ソースのふたを閉め、カバンに戻し、
そして……入れ替わるように『タルタルソース』を出す。

「学食に、変わっていただくのは難しいでしょう。
 わたくしの好みだけで、システムを変えろというのも、
 はたしてそれは、『是正』と言えるのかどうかは熟考が必要。
 ならば、『わたくしが持参すれば良い』……『是正』しました。
 『システムが変わるより個々人が変わる方が早い』」

「ちなみに……『タルタルソース』は自家製なのです。ククッ、味もまた『是正』済み」
   
                     ウットリ

『白町 千律』は『有名』だ――――『厳しい風紀委員』であり、
もう一つ、『是正精神』に由来する『奇行』についても、一部では知られている。

「お父さんとは、わたくし、ご趣味が合いそうですね。
 あなた自身は、しょうゆか塩の方がお好きですか?」

そう問いかけてから、切ったフライの一片――――ソースを掛けたそれを口に入れた。

715シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』:2020/04/14(火) 15:50:17
>>714

(こ、この人……何だか『変』……!うぅっ……怖いよぉ……!)

(――ううん……。きっとよく出来た人なんだわ。
 だって、そうでしょう?
 『自分の都合で周りを巻き込む』のは悪いことだもん!)

(もしそんな人がいたら、きっと沢山の人に迷惑がかかっちゃう。
 私も、『ちょっとどうかな』って感じると思うし……)

シルクは、部内の誰よりもひたむきに、歌うことに打ち込んでいる。
しかし、実力は『最底辺』であり、その歌声は人を不快にさせる『ノイズ』だ。
だが、なまじ純粋なだけに、後輩も同級生も率直な『本音』を言えなかった。
彼女自身も、自分の実力が高くないことを知ってはいる。
だが、本人の認識する実力と実際の実力には『計り知れないズレ』が存在した。

「わ、私ですかっ?えっと――――」

「『これ』が好きなんですけど……」

視線の先には、備え付けの『マヨネーズ』があった。
それを手に取り、半分ほど残っている生姜焼きにかける。
高カロリーに高カロリーの『上乗せ』だ。

「こうやって、途中で味を変えるのが好きなんです。
 えへ……何だか『お得』な感じがしませんかっ?」

      パクパクパクパクパク

食事のペースが上がる。
別に時間を気にしている訳ではない。
ともかく、もうじき食事が終わりそうな気配だ。

716白町 千律『ハード・タイムス』:2020/04/14(火) 17:45:37
>>715

「『最後まで美味しく食べる』努力、『素晴らしい』!
 それに、カロリーを継ぎ足す……ますます『素晴らしい』!
 『合唱』のために『スタミナ』を補給する熱意を感じます。
 あなたの『お歌』、わたくしにいつか聞かせてくださいね」

笑みを浮かべる。
白町は『知らない』……『計り知れない』その歌声を。

『野菜のおひたし』を手元に引き寄せる。
白町の食べるペースは一定。

「このおひたしも、お醤油をもう少し足せばもっと『素晴らしい』」

             ドボ

「ただ……シルクさん」

「そう急いで食べては喉に詰めてしまいます。
 わたくし、あなたの健康のため『是正』をお勧めします」

            ス…

なぜ食べるのが早いのかは聞かない。
気にしていない、のかもしれない。 

「たくさん是正をして、『正しい真っ白』な人間になりましょう!」

      「例えば、そう、わたくしのように……ふふ、くふ……」

そして強硬に止めるようなこともしない・・・すぐに食べ終われるだろう。

717シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』:2020/04/14(火) 21:34:32
>>716

「はい!白町先輩に聞いてもらえたら嬉しいですっ。
 私、まだまだ『上手くない』ですけど――――」

「先輩に聞かせられるように、
 もっともっと『練習』しておきますねっ!」

前向きな笑顔で、『決意』を新たにする。
ここに合唱部の部員がいたなら、
苦い表情をしたかもしれない。
そんなことは関係なく、
シルクは張り切って部活動に精を出すだろう。

「ごっ、ごめんなさい!」

(ま、また注意されちゃったよぉ……。
 私って、やっぱりダメな子なのかなぁ……)

(大丈夫、一つずつ直していけばいいの。
 この世に失敗しない人なんていないんだから!)

「ありがとうございますっ。
 早く食べ過ぎるのは良くないですよね。
 私、反省します!」

        モグ モグ

食事の終盤になると、どうしても早くなりがちだ。
喉に詰まらせたことはないが、今後そうなることもありえる。
『指導』を受けて、素直に食べるペースを落とす。

「『正しい真っ白』な人間…………」

「私の名前、『純白』って書いて『シルク』って読むんです。
 多分『清らかで真っ白な人になって欲しい』っていう意味で、
 つけたんだと思うんです」

「――――だから、
 私も先輩みたいになれるように頑張りますねっ」

        ニ コ ッ

箸を置き、一片の曇りもない『純粋な笑顔』を向ける。
黒葛純白は、ひたむきで純粋で前向きで、決して挫けない。
だからこそ、合唱部員達にとって、
シルクは『お荷物部員』なのだ。

718白町 千律『ハード・タイムス』:2020/04/14(火) 23:41:11
>>717

「謙虚かつ、努力を忘れない心構え……本当に『素晴らしい』!
 わたくし、あなたのことを今日一日で、とても好きになりました」

           ニコォ・・・

「そう、反省できるあなたも、素晴らしい……!」

             …ズズ

「……んん」

味噌汁を啜る。
その間も、見開いたような目が黒葛に向いている。

「そうですね、わたくしにはなれませんが、
 あなたならきっと『純白』に近付けるでしょう。
 わたくし、信じております。そして応援いたします。
 あなたの親御さんと同じくらい、わたくしも祈りましょう」

「それこそが、わたくしの『使命』なのですから!」

一滴の墨も落ちない、『純白な笑顔』で返した。
白町千律は『ひたむき』で『純白』で『前向き』で、『決して挫けない』。
だからこそ止まる事のない『是正』で、千律は『有名』なのだ。

「どちらにしてもシルクさんは、そろそろ『御馳走様』ですね。
 わたくしはまだまだかかりますので、ぜひお先にどうぞ。
 わたくし、あまり人を待たせるのは、好ましくないと思うので」

「そうそう……『食後の歯磨き』も、ぜひ忘れないでくださいね!」

この、どことなく『厄介な感じの存在』との出会いが、
黒葛純白に何をもたらすかは……『異次元人』でさえ、知る由は無い。

719シルク『トワイライト・トーン』&『トワイライト・ゾーン』:2020/04/15(水) 00:52:46
>>718

「――ご馳走様でしたっ」

もし『この二人を見ている者』がいたとしたら、
両者の間に『奇妙な相似』を見出したかもしれない。
一つは『純粋』であること。
二つ目は、それゆえに『厄介』な存在であるということだ。
露骨に悪意があるのなら、『まだマシ』というものだろう。
この場合、『悪意がない』のが最もタチが悪い。
だからこそ、お互いに引き合ってしまったのだろうか?
『主な生息場所』が別々なのが、『不幸中の幸い』と呼べる。

「じゃあ、お先に失礼しますね。
 お話できて楽しかったですっ」

    ガタ

食事を終えたシルクは、お盆を持って席から立ち上がった。
しっかりとエネルギーの補給を済ませている。
これで、『午後の練習』も元気にこなせるだろう。
『合唱部』の人間にとっては気の毒な話だが、
裏を返せば『被害が最小限になっている』とも言える。
いわば『防波堤』のようなもの。
『同情』を禁じえないが、
そういった者が存在するのは『事実』だ。

             ワ    タ     シ
例えば――――この『トワイライト・ゾーン』のように。

「はいっ、忘れません!」

「――白町先輩、ありがとうございましたっ」

『ワタシ』の存在は、『次元の防波堤』。
『ワタシ』が『シルクの歌』を受け止め、
『別の次元』に被害が『飛び火』することを妨げている。
そのように考えれば、
今の状態にも多少の価値が出てくるかもしれない。
逆に言うなら、そう思わなければ『やっていられない』。
誰かが代わってくれるのを願ったこともあるが、
『無駄な努力』だと悟るのに長い時間は掛からなかった。
その時間は、
『自らの運命を呪うために費やす』方が建設的だ。
それさえも飽きてしまったが。

「また、どこかでお会いしましょう。
 ちょっと恥ずかしいですけど、
 その時は『歌』をお聞かせしますねっ」

笑顔で『怪音波を撒き散らす』ことを宣言し、
シルクは立ち去っていく。
『ワタシ』には、それを止める手段はない。
もしあったなら、とっくにやっていただだろう。
出来るのは、『被害者』が増えるのを見守ることしかない。
『悲哀と悲愴の極み』――――
現在の心境を、『ワタシ』はそのように表現した。

720白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/04/21(火) 23:11:28

           チュン


風紀委員の主な活動に、『あいさつ』がある。
登校時間――――一般的な生徒の登校時間に、
正門の前に立って『あいさつ』をする。

          チュン



「…………」


現在時刻は『一般的な生徒の登校時間』ではない。

                     チュ ン

『部活動』などの『朝練』の時間に、そいつはすでに立っていた。
跳ね毛気味のショートカット。特に、アンテナのような一房。見開いた眼。

何を意味するのか分からない笑顔で、立っていた・・・

721逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/04/24(金) 00:12:53
>>720
『風紀委員会』の『高等部3年生』――『白町 千律』は『有名』だ。しかし、この男は知らない。
これが彼にとって初登校なのだから。

(『ガンジャ・バーン』が生えっぱなしだけど、まぁ、いいか)

一家心中が起きた果樹園の跡地など買い取る者は現れず、今では心霊スポット扱いだ。
食べた鼠が支配下に置かれるだけの無害な花畑なんぞ気にもされないはずだ。

(誰かと待ち合わせしてるのかなぁ?)

逢瀬泰葉は白町千律を見るなり来た道を逆走すると数分後、目薬を片手に戻って来た。
かなり不審な行動だ。それに見なれない顔。
伸び放題の髪から見える頬の火傷。
どう考えても逢瀬泰葉は怪しい奴にしか見えないだろう。

722一ノ戸 鳴『ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ』:2020/04/24(金) 00:25:32
>>720

 「………」

      チラッ (目が合う)
  
    「… ……」 トコ トコ 

『風紀委員』の前を無言で通り過ぎる小学生男児。
『清月学園小学校』『3年生』『一ノ戸 鳴』の名札。ドクロの描かれた野球帽。

723白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/04/24(金) 00:54:17
>>721(逢瀬)

初登校の人間は『知らない』。
白町もまた、彼を『知らない』。

「――――おはよう、ございます!!!!」

ファーストコンタクトは、そのよく通る『声』が成立させる。

「『忘れ物』を、思い出されたのですか?
 お早い登校だから『取りに帰れる』……『素晴らしい』事です」

           ニコォ ・・・

「もちろん忘れ物をしないのが、より素晴らしい事です」

間違いようもなく、『逢瀬』に話しかけている。
もう一人、『小学部』の生徒も今『登校してきた』ようだ・・・

>>722(一ノ戸)

「おはよう、ございます!!」

         ニコォ

笑みを浮かべて『挨拶』をする。

「お早い登校、『素晴らしい』…………!
 でも、『挨拶』が出来ればもっともっと『素晴らしい』」

             「そうは、思いませんか?」

挨拶をしないという事は『是正の余地がある』という事。
もっとも、この世に『是正の余地がない』ものなんて存在しない。

724逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/04/24(金) 01:39:09
>>723
「おはようございます。『忘れ物』じゃなくてコンビニまで目薬を買いにね?」

「立ったまま目を見開いてるから目が乾いてそうだな、と思って目薬を君に」

数年間も植物人間となっていたが性根は変わらない。
来た道を逆走してまで目薬を買いに戻る異常な真面目さは人からすれば、不気味に見えるだろう。

「ずっと眼を見開いて乾かないかな?
 うーん、そうでもないかなぁ?」

「自分はドライアイだから目が乾くつらさを知ってるし、だからといって自分が使ってる使用済みのを渡すのも良くないと思ってね」

押しつけがましいかもしれないが思い立ったら即行動。
新品の目薬を白町に差し出す。

>>722
髑髏帽子の男の子をチラッと見る。
かつての自分を見ているようで胸が苦しくなる。
過ぎ去った時は戻らないのだ。

「おはようございます」

少し柔らかい声で挨拶をしよう。
大きな声を出しては要らぬストレスを与えてしまうだろうから。

725一ノ戸 鳴『ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ』:2020/04/24(金) 02:27:24
>>723(白町)
「…………」
「そうかもしれませんけど」
「なんか 先生でも親でもない人に、そんな事言われても…みたいな」

ズボンに手を突っ込みながら『めんどくせ〜〜〜〜〜〜っ』って顔をしている。

>>724(逢瀬)
「ひゅっ!?」

髑髏帽の男児、一ノ戸は、
『顔面に火傷跡の残るやばそーな奴』に『睨まれて』(一ノ戸にはそのように見えた)
目をまんまるにしながら、ビビっている。

「お、おあようございます…」

726白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/04/24(金) 03:17:48
>>724

「あら、そうだったのですか。
 わたくしとしたことが誤解を……
 『是正』、しなくてはなりませんね」

         ペコ

「でもそれじゃあ、わたくしのためにこれを」

            ギュッ

「なんて」

両手で目薬を受け取り、
胸元で『祈る』ようにそれを握る。

「なんてっ。なんて『素晴らしい』んでしょう……!
 事態に気付き、己の力で助ける『思いやり』の気持ち。素晴らしい。
 わたくし、感激です。あなたのことを、好きになってしまいます」

そして、笑みを浮かべていた。

「この『目』は生まれつきのようなもの……疲れはしないのです。
 ですがお気遣いの『プレゼント』、ありがたく受け取ります。
 無論『風紀委員』としてではなく、個人として。わたくしとっても嬉しいです」

贈賄は受け付けない。そういうのは『是正』すべき悪習だ。が『贈り物』を喜ぶ感性はある。

>>725

「『知らない人の言うとおりにはしない』……素晴らしい警戒心。
 ですが……一つ認識を是正しなさい。わたくし、『風紀委員』です。
 このあいさつ運動は、委員会として、『先生に頼まれてやっている』のです」

「もちろん、強制する力は、残念ながら、今はありませんが」

目薬を手で弄りながら少し視線を低くして、そのように語り掛ける。
一ノ戸の露骨な顔にも、表情は笑みから変わらない・・・ 

「ですが、良いですね。ちゃんと挨拶が出来ました。
 ますます素晴らしい……あなたの事も、好きになれそうです!」

挨拶をした『理由』は問わないのか、気付いていないのか。

>両者

「お二人とも、素晴らしいあいさつでした。
 もっともっと『是正』していくためにも、
 これからも毎朝、挨拶を積み重ねましょう」

『風紀委員』――――そう口にした少女は笑みを浮かべる。
『初対面』の二人の顔を見渡しながら。

「ちなみに今朝は『朝練』ですか? それとも『自習』でも?
 雑談のようなものですので、お急ぎでしたらどうぞ、お通りなさい」

まさしくとりとめのない雑談、という風に話を振る。厄介者も人の子だ。

727逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/04/24(金) 21:17:46
>>725
「おっと、怖がらせちゃったか」

出会う相手全員にギョッとした顔をされるのも慣れてしまった。
身体は高校生でも精神面は小学卒業時から変わらない。
ほんの少しだけ寂しい気分だ。

「実は精神年齢は君と同じだよ。事故で身体だけが高校生になるまで寝てた、って言っても信じてくれないかぁ…」

「今も特撮が好き。20周年を迎えてるのには驚いたよ」

>>726
「ちょっと羨ましい。威圧感があるけど個性的で可愛いと思う」

「笑顔は大事だし、好きなものに好きと言えるのは見習わないとね」

にっこり笑ってみるが火傷を見て嫌な顔をされないだろうか?
果樹園を兼ねた家の焼け跡に出る悪霊の噂は自分のせいだし、『ガンジャ・バーン』を食べた鳥が居るからUMA出現の噂まで出回っている。
火傷さえ無ければ…

「うーん、日が当たれば起きる体質だから来るのが早くてね」

「みんなより早目に登校しちゃえば、誰も火傷を見て不快な思いをしない」

728一ノ戸 鳴『ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ』:2020/04/24(金) 22:54:33
>>727
「えっほんと!!?ぼくは……!!」
「……いや、特撮なんて子供の見るものでしょ 僕は見ないね」

風紀委員に渡した目薬とか、火傷痕の凄惨な顔を見たりする。

「変わったお兄さんだなあ」
「ぜんぜん 喋り方とかも小学生っぽくないし。ウソついてない?」

>>726
「『フーキイイン』?」

(なんだかわからないけどすごいのかなあ)

「僕は、『カギ係』」
「他の子よりずっと早く来て、教室を開ける」
「よそのクラスは知らないけど。僕のクラスは、そういう係決めになってる」

「この時間だと友達はいないけど。
 花に水やったり。授業の宿題やったり。 
 あと、スマホでアラキンの動画見たり……あっやば!!!」

『フーキイイン』は『先生』と『繋がってる』!
小学部のスマホの持ち込みは校則違反だった。没収か!?

729白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/04/24(金) 23:45:02
>>727

「ふふ……たくさん褒めてくれるのですね。
 くふっ、わたくし、とても嬉しいです!
 ぜひ、お互いの『良い所』を見習い合って、
 『是正』の『ウィンウィン関係』を作りましょう」

嫌な顔どころか、誉め言葉は素直に受け取る。
その威圧感のある目は『火傷』に向いたが、
やはり『畏怖』も『奇異』もそこには無い。

「例えばそう、その『気遣い』も素晴らしい……!
 『周り』に『配慮』を求めず、まず自分が『動く』。
 あなたはとても、気を遣える人なのですね!
 わたくし、感激です。『感銘』を受けてしまいそう」

「もちろんわたくしは一切『不快』とは思いませんが、
 誰もがわたくしのように振舞うとは限らない。
 かといって一人一人に説いて回ったとして、
 それが実を結ぶとは限らない…………
 『環境を変えるより、自分を変えた方が早い』!」

      「わたくしは、あなたの行動を支持します!」

>>728

「『カギ係』……とても重要な役目を、任されているのですね。
 『信用』され、それに応えることが出来ている……素晴らしい!
 わたくしも、そのように『信用のおける』風紀委員でありたいです」

「ちなみに、風紀委員は『毎日の学校生活を是正する』ための委員会」

スマホ、という言葉に、見開いた眼が光る。
心なしか、『バツ印』のような髪飾りも陽光に照った気がした。

「『スマホ』……『小学部』では……『スマホは持ち込み禁止』」

「そういう、ルールになっているのです。
 このご時世、『スマホ』の1つくらい持ち歩く方が、
 『迷子』の防止にもなり『安心』というご家庭もありますが、
 『ルールを変えるよりは個々が変わる方が早い』……『是正』すべきなのです!」

            「……『今日もスマホを持っているんですか?』」

>逢瀬

どうやら『一ノ戸』が目を付けられたようだ……『助け舟』を出すべきか、どうか。

730逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/04/25(土) 00:45:03
>>728
「そっかぁ。最近は見るのが深夜帯に移動しちゃったのかな」

顔と態度の露骨さが微笑ましい男の子だ。
この年頃になると自立心が芽生えて背伸びしたくなるものだ。
昔の自分も同じだったのだろうか。

「えっ、なにそれは…」

「先生がサ…あっ、いや、君が信用されている証拠だね!」

自分が小学生の頃に『カギ係』なる役割が存在したか?
先生の怠慢じゃないだろうかと思ったが余計な事は言わない方が良いだろう。

「スマホ? あぁ、携帯電話の新しい奴だね。最近はLINE? SNSだっけ? 先生と生徒が連絡を取り合うのに使ってるんだよね」

「『カギ係』だから特例かな? 『今日も』って事は『毎日』だよね。流石にずっと見逃すほど先生たちは無能じゃない」

「音楽室とか体育館を使う移動授業の時も頼まれてるの? 先生が遅れたりする時にスマホで連絡を取り合うのに使ってるんだね?」

「そうじゃない場合は没収で」

真面目に『カギ係』目線でスマホの用途を考察しながら確認する。
擁護するでもなく、批判するでもなく、ほぼ『中立』なスタンスを示す。
ただし、骸骨帽子の男の子寄りの『中立』だ。
この世に完全な中立など存在しない。それを自覚しての確認。
ちなみに没収提案も本心である。

>>729
「うーん、『ウィンウィン関係』というより相手の良いところを褒めたり探すのは人間として当たり前じゃないかな」

「悪い点から先に探すと粗探しに心理が向いてしまう。逆に良い点から先に見つけることで悪い点が見えてくることもある」

「あなたのスタンスと同じだ。私を『恐怖』の対象として見るより褒める点を見つけてくれた」

逢瀬は真面目だが規則などよりも自分の『納得』と感性で物事を判断するタイプだ。
器用に立ち回ってるように見えるが裏が無い。

「ビジネスっぽい視点じゃないというか。説明が難しいなぁ」

が、同時に所詮は身体だけが育った小学生。
肝心なところで詰めきれない。駄目駄目である。

731一ノ戸 鳴『ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ』:2020/04/25(土) 01:45:20
>>729(白町)
小学生は一瞬目を白黒させていたが、すぐに落ち着きを取り戻す。

 「前は持ってきている日もありましたけど 反省しました」

 「今日は持ってませ―――――」

>>730(逢瀬)

 「――――!?!?!?」

(『持ってません』と言いにくい雰囲気にされた!?!?)

 「もってま…」
 「ませ…まし……まそ…」

実際、一ノ戸は今日もスマホを持ってきていた。
人気動画配信サイトとか、そういうのを見るために…。
しかし、『持ってません』とシラを切ることでなんとかしようとしたのだ……

 「持って」

火傷顔の年上をチラリと見る。


  「『ます』」
  「もちろん、そこのおニーさんの言うような事情で。
   遊ぶためとかではないです」

(信じるぞ…しんじるからなーっ!!)
(『ウィンウィン関係』だからなーっ 意味はよくわかんないけど…)

732白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/04/25(土) 23:43:18
>>730

「人のいい所を、当たり前に探せる。それは美徳なのです!
 それを、意識して行うことが出来ている……
 『無意識でやっている』のと同じくらい、素晴らしいです!」

「それは自分を『是正』、出来ているのですから」

褒める。褒める。
とにかく褒める。

「もちろん、より具体的に『説明』が出来ればさらに良いですね。
 わたくしにも、あなたの考えの全てが理解できたわけではないですし。
 もっと『良い説明』が思いついたら、ぜひまた聞かせてくださいね!」

そして『是正』を勧告する・・・そういうタイプなのだ。

>>731

「ませ?」    「まし」  「まそ」

             「ます?」

怪訝そうに見つめている。
見開いた眼で……だ。『様子を見守る』。

「なるほど……『公益』のために、許されているのですね!
 『クラス全員』だけでなく、『学級』の『公益』のためですね。
 『警官』は『銃』を持てるのと同じ、『必要』な『特例』は認めるべき」

「やはり、あなたはとても、『信用』されてるんですね!
 わたくし、その『献身』の姿勢に感心しました。
 ならば、わたくしもあなたを『信用』しておきましょう」

どうやら『見逃された』ようだ。
笑みを深め、覗き込むように『一ノ戸』を見ている。

「ちなみにわたくしも、『持ち物検査』などを『特例』で認められてるのです。
 『持ってません』と言っていても、『確認』させてもらっていたところ……」

        「だからこそ、正直に答えたあなたは素晴らしいのです!」

・・・『持っている理由』については、若干の疑いを残しているようでもあるが。

733逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/04/26(日) 01:25:37
>>731
「君は鍵を任されてる。鍵を持つという事は他の子達を支配してるようなものなんだ」

「君は自分が思ってる以上に偉い立場にいる。自覚を持つべきだよ」

そんなに重い役目ではないが迂闊な行動をしないようにと釘を刺す。
まぁ、最低限の立ち回りが出来るなら大丈夫だろう。

「もっと『成長』するのが楽しみ。お名前を教えてくれないかな?」

にっこりと微笑みながら少年の頭を撫でる。
自分にも弟が居れば、こんな感じだったのかもしれない。


>>732
「それにしても『風紀委員』だからって朝っぱらから生徒を立たせるのは良くないね。生徒側の負担だけ大きくないかな?」

「『不良』とか怖くない? うーん、私の時代と違って不良なんか『絶滅』しちゃった?」

昔は上級生が爆竹を教室に放り込むだの、卒業生がバイクでグランドを好き放題に走るって話だけは聞いたことがある。
勿体無い。彼等が『絶滅』する姿を見たかったな。
その『瞬間』は、きっと美しいだろうから。

「そういえば、名前を聞いてなかった。私は高校三の逢瀬泰葉」

「『風紀委員』さんって呼ぶのも失礼だから最後に名前だけ聞きたいね」

彼女だって『破滅』は絶対に避けられない。
しかし、これ以上は無いという時を迎えるまでに『破滅』されては困る。

「もしかしたら助けになれるかもしれないから」

734一ノ戸 鳴『ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ』:2020/04/26(日) 02:32:44
 >>732(白町)
  (『信用』された…)
  (…ふつう『銃』の例えとかする?)
  (ずっと目がギラっとしてるし 怖いな)

 「…はい、クラスのための特例です 
  ありがとうございます…正しい使い方をします…きをつけます…」

 見開いた目の女子高生に覗き込まれて、
 ちょっとビビって帽子を目深にかぶる。


 >>733(逢瀬)
 「え、言いたくない 名前」

  (『支配』とか言われても)
  (うーん この火傷オトコこわい…勝手に撫でてきたし)

 「教えない!!」

 ちなみに、清月学園の校則で、小等部の学生は胸に名札を付ける事になっている。
 『3年│組 一ノ戸 鳴』と書かれたものが留められていた。


なんか…『極端な時のどうとくの授業』みたいな空気の二人だな…
高校性ってみんなこうなのか?大丈夫か清月学園。

735白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/04/26(日) 23:24:22
>>733

「わたくし、『白町 千律』という名前です。
 『逢瀬さん』、ぜひ、よろしくお願いします。
 あなたとは『素晴らしい』関係を築けそうです。
 そちらこそ、『是正』が必要でしたら教えてくださいね」

はじめに、自己紹介を返す。
それから心配の言葉に、両手を胸の前で合わせ、笑う。

「ふふっ……ご心配を、してくださるのですね!
 その配慮の心、わたくし『感激』を禁じえません。
 あなたのことは、どんどん好きになってしまえますね。
 ですがこの時間に立っているのはわたくしの意志!
 他の委員や、生徒指導の先生は、もう少ししたら来る事でしょう」

「それに、『不良』は――――」

「逢瀬さん、ぜひ覚えておいてほしいのです。
 いえ、『覚えておきなさい』。
 わたくしは、『完璧な風紀委員』……」

「つまり……ククッ。遭遇を恐れるなら、それは『彼らの側』です」

白町は鈍そうではないが華奢で、決して『武闘派』には見えない。
だが、言葉には確かな『自信』が見えた。『何かあるのかもしれない』。

>>734

「いいお返事です、『素晴らしい』!
 素直なのは美徳、わたくし、素直が好きです。
 『逢瀬さん』の言う通り、『成長』が楽しみですね!
 『公益』に報いるためにどんどん己を『是正』し、
 学年、いえ、小学部一の『カギ係』を目指しましょう!」

「よろしく、お願いしますね」

名前を呼ばないのは、『偶然』なのか、
それとも名乗っていないからなのか。

見開いた眼が笑みに、若干の歪みを帯びたようだった。

736逢瀬 泰葉『ガンジャ・バーン』:2020/04/27(月) 06:19:24
>>734
「一ノ戸 鳴君だね? 私は『超能力者』なんだ。君の考えが分かる」

「…というのは嘘。半分だけね」

私が『ガンジャ・バーン』と名づけた奇妙な花。
ただ、あれが自分の精神に由来する力であると不思議な確信めいたものがある。
ちょこちょこ研究する度にヤバい成果を得て、取り扱いに困っているものの、相談できる相手の心当たりも無し。
同類が存在したところで味方と限らないので気長に研究するのも悪くない。

「鍵係がんばってね。先生の期待に応えられるように」

逢瀬は白町 千律のような威圧感は無い。
得体の知れない『異物感』を振り撒く本人は知ってか知らずか手を振って校舎の方に向かう。


>>735
「『完璧』って行き詰まりとか閉塞感のイメージがあるかな。『完璧』を目指そうと自分を『是正』するから白町さんは『完璧』なんだろうけどね」

人間は前進する生き物だ。『破滅』に至るまでは絶対に止まれない。
『是正』の行き着く先が美しい最後であると期待を込めて見守りたい。

「うーん、白町さんって『超能力』を使える人? 普通に考えて一人の女の子が『不良』に恐れられるのは変だよ」

「私も『不良』風情が何人来ようが…」

複数の不良相手でも『ガンジャ・バーン』の仕込みを終えていれば、一方的な敗北は有り得ないと信じている。
が、所詮は個人の力。集団相手には負ける可能性もある。

「おっと、人を驚かさないように早く登校したのに危ない危ない」

「危なかったら頼ってね。白町さんは友達が多そうだから大丈夫かな?」

「本当に無理しちゃ駄目だからね」

そう言って校舎の方に歩き始める。
独特な、しかし不快ではない甘い香りをさせながら。

737一ノ戸 鳴『ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ』:2020/04/28(火) 00:00:42
 >>735(白町)
 「カギ係がんばります……ゼセイします…」
 「はい…よろしくおねがいしマス……」
 「フーキイインさんも学校一になるべく頑張ってくださぃ…」

 相手の目つきに萎縮しながら、尻すぼみの返事をする。後ずさる。
 若干防犯ブザーに手を掛けている、小学生男児はなにかに怖がってるみたい。
  
>>736(逢瀬)

 「!? 超能力者!」
 「……ふ、ふん!!僕は持ってるよ、超能力!」
 「Nintend〇スイッチだって持ってるからな!賞状も!」

 コブシを握りしめながら、超能力発言に張り合おうとする小学生男児。

 「だから、おニーさんなんて敵じゃないんだからな…!」

   クルッ   ダダダダ〜〜〜ッ

 そういうと、小学生男児は、背を向け、小等部の校舎にむかって走り去っていった。
 逢瀬の事は『敵』認定したようだ。
 幼い時分らしい、カワイイものではあるだろうが。

738白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/04/28(火) 03:02:24
>>736

「逢瀬さん、『完璧』は『常に変わる』のですよ。
 ですから、完璧なわたくしは、常に是正し続けるわたくし。
 それをわたくしが言うまでもなく理解してくれた、あなたは素晴らしい。
 わたくし、嬉しいです。あなたの理解力は得難いもの。ぜひ誇りなさい」

「そう、あなたも……みんなも。『是正』し続けるのです。
 人は皆『一枚の布』……世界はさながら『パッチワーク』。
 いつか、『真っ白』で『まっすぐ』な一枚になれるように!」

          ウットリ

どこか陶酔的な表情を浮かべ、理想を語る。
その『是正』に行き着く先はあるのだろうか?

「……超能力」

「ふふ……ふ、くふ、ククッ。
 『超能力』だなんて! ユーモアがあるのですね。
 わたくし、ふふ。とても楽しいと思いますよ。
 …………『風紀委員』」

「逢瀬さん、きっとわたくしたち『素晴らしい』仲間になれます。
 あなたのほうも、お困りごとがあったら、相談相手にはぜひわたくしを」

>>737

「はい、お互い頑張りましょうね。
 『是正』を心掛けるあなたの『素直さ』!
 それを忘れなければ、あなたはまさに敵なしなのです」

          ニコォ・・・

「それでは、よい一日を」

>両名

『登校』を再開する二人を、白町は微動だにせず、微笑んで見送る。
厄介な『風紀委員』に朝から絡まれはしたが……一日は、まだ始まったばかりだ。

739白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/03(日) 01:13:33

校舎の屋上は、『開放』されている。今いる人間は一人だ。

            パタ …

                   パタ  …


そいつは――――掲げられた『校旗』を見上げていた。
いつからかは分からないが、『風』のせいだろうか?
妙な曲がり方をしていて、白町千律がそれに気づいた。

「……」

アンテナの如く跳ねた髪を風に揺らし、見開いたような目で見上げていた。
その影に沿うようにして浮かぶ『ヴィジョン』は、蜘蛛のように『細い』。

740ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/03(日) 05:38:10
>>739

『人間』は一人しかいない。
そして、新たな人間がやってくる様子もない。
だが、そこには『先客』がいた。

校旗を掲げるポールの上。
おそらくは、白町が来る前からいたのだろう。
『ユニコーンカラー』を思わせる白・青・紫のトリコロール。
翼の一部と頭の冠羽が、
まるで『パーマ』を掛けたかのように逆巻いている。
一羽の『小鳥』が、そこに留まっていた。

『繁栄の秘密』を探るフィールドワークの一環として、
多くの人間が集まる『この場所』を訪れた。
しかし、この姿は人目につきやすい。
職業柄『ハーピー』は目立つ必要があるが、
『ブリタニカ』が目立つ事はトラブルに繋がりかねない。
だから、『ここ』を選んだ。
訪れる人間が少ない上に広い範囲を見渡せ、
危険があれば即座に飛び立てる場所。

「――……」

ちょうど見下ろしていたため、
意図せず視線が交差する形となった。
ここに来る人間は多くないが、珍しくはない。
だが、『見過ごせないもの』がある。
あの『ヴィジョン』――『ハロー・ストレンジャー』と同質。
これは、何かしらの『収穫』が得られるかもしれない……。

741白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/03(日) 22:34:48
>>740

「…………」

            『スタ』

                『スタ』

蜘蛛のようなスタンドが『ポール』ににじり寄って来る。
それを操る本体であろう少女は、無言で、『インコ』に視線を向けた。

・・・・・・視線を向けただけだ。

鳥語を話し始めるとか、スマホを向けるとか、そういう事はしない。
見開かれた目の先が、旗から『ブリタニカ』に変わっただけだ。

表情は、笑みに見える。

         『ギッ …』

                  『ギッ …』

その間にも、スタンドはポールに到達し……ゆっくりと『よじ登り』始めた。
四肢を器用に使っているのが『観察』出来る。『近付いてくる』ので、より分かりやすい。

742ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/04(月) 00:34:26
>>741

    グ 
      リ ン ッ ツ

大きく首を傾げ、少女を観察する。
その顔には、これといった表情は見られない。
鳥類は『飛行能力』を獲得した種族だ。
飛行には多大なエネルギーを要し、
『飛行に不要な器官』は退化している。
『表情筋』も、その一つだ。

「コンニチハ キミノ オナマエハ?」

「フフフ シミュラクラ ゲンショウ」

現在、ブリタニカの意識は、
『研究意欲』と『本能』が入り混じっていた。
通常の鳥であれば、本能を重視し、
今すぐ飛び立っていたであろう。
しかし、このブリタニカは『先進的鳥類』。
『本能』に振り回されるのではなく、
それを自らの意思でコントロールする事が出来る。
もっとも、そもそも普通の鳥なら『見えない』だろうが。

「レベル キュウジュウキュウ」

「シャシン トッテイイ?インスタ ニ アゲルカラ」

そして、『ただ喋っている』訳ではない。
こちらから言葉を発する事で、
相手から『新たな言葉』を引き出すテクニックだ。
どれが引っ掛かるか分からないので、
とりあえず『数』を並べる。
当然、『蜘蛛のようなスタンド』には最大の注意を向けている。
『危険域』に踏み込んでくるようであれば、
『脱出』する用意はある。

743白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/04(月) 01:09:55
>>742

「わたくしに、話しかけているのですか?」

意外そうに少女は声を上げた。
見開いた眼が瞬いたのが分かった。
『人間』だから、表情で語る。

「『喋る鳥』……あなたは、『インコ』なのですね。
 『人間の言葉をまねる』のは『擬態』の一種だとか!
 生き残るための知恵。生命の神秘……『素晴らしい』!
 『種』そのものの『是正』……わたくし、憧れます」

         パチパチ

「インコのことを、好きになってしまいそう」

『ブリタニカ』の『発話』に、手を打って喜ぶ。

「とはいえ、意味が通る『会話』ではない……
 擬態である以上そこまでは不要とはいえ
 そこを『是正』出来れば、もっと素晴らしいです。
 もっともわたくしがあえて言わずとも、それもまた、
 『愛玩動物』としての『進化』の中でそうなっていくのでしょう」

もちろん、『会話が出来る』とまでは思っていないのだろう。
思っているなら相当『メルヘン』だ。

          『ギシ …』

                    『ギシ …』  
    『ヒタ』

ポールを登るスタンドは、やがて、『旗』の隅へと、ゆっくり手を触れた。

744ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/04(月) 01:36:46
>>743

今まで様々な種類の人間を見てきた。
ストリートパフォーマンスの観客。
あるいは、この街で偶然『交流』を持った者。
または、単なる通行人。
しかし、この少女は今までにないタイプだ。
『学術的興味』が湧いてくる。
もっと『引き出して』みたくなった。

    「ワタクシ」

              「インコ」

       「ニンゲン」

                「デハナイ」

少女が発した単語を繋ぎ合わせ、
『一つの言葉』として発声する。
先程の言葉は、数を並べるのが目的だった。
だから、『意味』は通らない。
では、『意味が通る言葉』を発したら、どう感じるのか。
『それ』を見てみたい。

     「――――『ゼセイ』」

接近するスタンドにも気は配っている。
突然襲い掛かってくるという可能性もゼロではない。
少女の反応を確かめたのは、
『本体の性質』を探る意図もあった。

745白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/04(月) 03:08:14
>>744

こうなると、見開いた眼ははっきり驚きの色を帯びる。

「――――『素晴らしい』!!」

               シュ

                   ピン!!

「わたくしの『言葉』を、『真似て』……
 いえ、単なる声真似ではないのですね。
 『覚えた』言葉を使って、『文』を作ってみせた。
 まさしく『会話』をしたのですね!! 素晴らしいっ。誇りなさい!
 ああ、なんという知性なのでしょう……いえ、もはやこれは」

それとほぼ同時に、『校旗』が『真っすぐ』に伸びた。
風に揺れる事もなく、『見えざる手』に四隅を引かれるように。

どうやらそれが『スタンド』の目的だったようだが――――

「『普通のインコ』ではない……いわば『新鳥類』です!
 あなたはすでに、『種』として、是正された個体だったのですね。
 どこかで『教えられた』のか、それとも生まれ持った才能なのか。
 いずれにせよわたくし、この出会いに感動です」

「しかも……それでいて、『是正』の余地もまだまだある。
 発音、単語と単語の接続、言葉遣い。
 『是正』の余地とはつまり白紙の可能性……ああ素晴らしい」

                 ウットリ

「インコさん。あなたのことが、とても好きになってしまいました……」

                        『ギシ ・・・』

『旗』を超えて、ポールのより上へと、『人型のスタンド』が確かに登って来る・・・!

746ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/04(月) 09:36:31
>>745

少女の反応は思った以上だった。
驚かれる事は想定していたが、何やら妙に褒められている。
先程といい、相手の性格が見えてきたような気がする。

しかし、『是正』――もしや、それが『繁栄の秘密』なのでは?
現状に満足せず、常に改善を志す精神性。
そこに『相通じるもの』を感じる。
ブリタニカも、一般の鳥類から一歩進んだ存在。
いずれ『種族全体を先に進ませる』という『野心』もあるのだ。

      「 ! ! 」

――――などと考えていると、『スタンド』が迫ってきた。
この身は哺乳類と比べて非常に脆く、弱い。
明確な敵意を感じないとはいえ、
易々と『スタンド』の接近を許すほど能天気ではない。

               バササササァッ

ポールから飛び立ち、距離を取る。
『空を飛べるような能力』でない限り、追跡は困難だろう。
着地地点は、『フェンスの上』。

                      ――――ポスッ

     「ワタクシ」

               「アナタ」

         「ゼセイ」

                   「スキ」

これで機嫌を損ねられて、
それが攻撃の引き金にならないとも限らない。
スタンドを近付けられると困るが、『考え』には同意している。
それを態度で示す事で、『平和的解決』を図る。

747白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/04(月) 23:50:27
>>746

      「………………?」
 
「――――『見えている』?」

          ・・・ ピタ

「わたくしの『ハード・タイムス』。
 それが見えるあなたは――――『スタンド使い』
 安心しなさい。『攻撃』するつもりではないのです。
 もう少し、近くであなたを見たかった。それだけなのです」

               ひゅっ

「しかし驚きました。『動物』のスタンド使いは『珍しい』」

ポールから飛び降りたスタンドは、彼女の傍に控える。
少女は両手を広げ、『フェンス』にとまるブリタニカに語る。

「ですが、それはどうでもいいことですよね。
 スタンド使いであることは、有意ですが些事なのです!
 『素晴らしい』のは……『是正』を理解し、賛同する事!!」

「――――わたくし、『是正』が好きなインコさんが好きです」

良く通る声が、『和平』を宣言する。
いや、それ以上の『友好』を。

「インコさん……では味気ないです。
 わたくしの名前は、『千律』といいます。
 あなたのお名前も、教えてくれませんか?」

「わたくしたち、きっと、とても素晴らしい関係を築けると思うのです!」

ブリタニカの言葉が、形だけの同調ではない――と感じているのだろう。

748ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/05(火) 01:43:25
>>747

       グ リ ン ッ

大きく首を傾け、少女――『千律』を観察する。
『本気かどうか』という事だ。
『数日前に出会った少年』は嘘をついていた。
この少女の態度は、それとは対照的だ。
すなわち『本音』。

「ヒミツ――――」

『百科事典』に因む自身の名は『高度な知性』の証。
無闇に見せびらかすものではない。
ゆえに、軽々しく教えない事にしている。

     「ブ」

                 「リ」

           「タ」

                    「ニ」
      「カ」

教えたのは、『返礼』のためだ。
『鳥』に対して対等な態度を取るというのは、簡単ではない。
また、それに対して対等の態度を取る事は、
自らの『知性の証明』でもある。

「――――トクベツ」

とはいえ、『注意』はしておく。
決して他の人間に漏らさないように、と。
もっとも『ストリートパフォーマー』と『同一存在』である秘密を、
知られるとは思わないが。

749白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/05/05(火) 02:47:03
>>748

「『ブリタニカ』――――とても良いですね。
 『知性』溢れる素晴らしい名前なのですね。
 あなたが自分で付けたのですか?
 いずれにしても……『秘密』ですね。ふふ、くふっ。
 わたくし、『口の堅い』部類です。ぜひ安心しなさい」

「その代わり」

鳥に対しても『見下さない』のか。
『見下しているが表に出さない』のか。
あるいは、上下の意識がないのか。

「わたくしの『力』については、内密にしなさいね。
 隠し立てするものでもない素晴らしいものですが、
 あまり『広める』つもりも、無いのです」

              シュル ・・・

『ハード・タイムス』と名付けられたそれが、消える。
何事も無かったかのように、華奢な少女だけが朗々と語っている。
変わったことは『真っすぐ』揺れる、校旗だけ。『是正』されたのだ。

「聡いあなたは『素晴らしい』隣人!
 言いふらすことは無いでしょうが、
 くれぐれも。わたくし、信じています」

                            ――――♪

そう言って笑みを浮かべた時、少女の『スマホ』が音を立てた。

「呼ばれて、しまいました。名残惜しいですが『予定』は優先。
 ブリタニカさん。次にお会いする時には、より『是正』された『語学』を期待していますね」

そう言い残すと、屋上を出て『校舎内』に戻っていくようだった。
特別呼び止める事がなければ、奇妙な少女とのファーストコンタクトは、そのようなものだった。

750ブリタニカ『ハロー・ストレンジャー』【インコ】:2020/05/06(水) 21:25:41
>>749

               「ワタクシ」

         「クチ」

  「カタイ」

自分には『秘密』がある。
だから、『他者』の秘密も明かさない。
お互いの『協定』のようなものだ。

  「オハナシ アリガトー」

               「ジャアネー」

『おかしな少女』だった。
『おかしな鳥』は、内心そのように思った。
その共通点があったから、遭遇したのかもしれない。

            ――――バササササァッ

翼を羽ばたかせ、果てしなく広がる大空へ飛び立つ。
ゆくゆくは、この空を『我々の世界』に。
そのためにも、『研究』を進めなければ――――――。

751樽谷 杏子『ライオンハート』:2020/05/17(日) 21:53:18
ここは『清月学園 体育館 武道場の片隅』

「……!」
  ……ドンドンパンッ!!ワンツーからのキック!

「……!」
    ……ドンドンパンッ!!ワンツーからのキック!

「……!」
      ……ドンドンパンッ!!ワンツーからのキック!

リズムよく音を立てつつ、少女が黙々とサンドバックを叩いている。
恐らく武道の為だろう、短くまとめすぎたベリーショートの髪や動きやすい格好は、
少女を一見して、男子と間違えさせてしまうかもしれないが、れっきとした女子である。

752氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/17(日) 22:42:08
>>751
「ああっ!また変なところに出た!」

サンドバックを叩く樽谷の後ろにふらふらとした足取りの少女が出現する
口ぶりからすると迷子だろうか
所在なさげにふらふらとした足取りで歩いている

「あぁ!こっちも違う」

 トタトタトタトタ
         トタタタタ

体育館内や武道場をどたばたと歩き回る
人によっては集中を乱すかもしれない

753樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/17(日) 23:02:56
>>752
イラッ……

「はぁっ!」

    ……ドンッ!一声とともにサンドバッグにハイキックの一撃を見舞う!

    ……ギシッギシッ……サンドバッグが大きく揺れる。

「ふぅっ……」
一息つき、汗を拭く。

>氷山
「……んで、どうしたんですか、あなたは?」
で、氷山さんに話しかけるのだ。

「ここは、武道場!そんな格好でフラフラしてると、危ないよ。」

「それとも、どこかの武道部への入部希望者ですか?」
少々ぶっきらぼうな口調で注意しつつ、話しかける。

754氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/17(日) 23:13:37
>>753
>……ドンッ!
「ひっ・・・!」

一際大きなハイキックの衝撃音を聞いてちょっとびっくりとする
真新しい制服をちょっとぶかぶかと来た少女だ
意匠を見るに高校一年生のように見えるが・・・

「す、すいません!転入の手続きのためにここに来たんだけど道に迷っちゃって
事務課に行こうとしてたんですけど・・・」

きょろきょろと周りを見ながら言う
つよそーな男の子(?)に注意をされてちょっと怖いのだ

755樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/17(日) 23:31:09
>>754
「ああ……転入生なの?驚かせて悪かったね。」

「よく見たら先輩じゃん、その格好。意匠からするに一つ上かな?」

    フキフキ……ゴキュゴキュ……
汗を拭き、ペットボトルから水を飲みながら応える。

「事務課は全然別の棟だよ!ここはジムの棟だから案内板見間違えたんじゃないかな。」

ちなみに、男子じみたベリーショートの髪と動き易そうな武道着に目を瞑って、落ち着いて観察すれば、杏子は声は高いし、背も低いので、女子と分かるだろう。

756氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/17(日) 23:41:50
>>755
>ジム
「あああぁぁぁ〜〜〜っそっかー!
さっきの人に『じむ』はどこにあるのか聞いたからそれで間違えたんだ!」

納得のいった表情で手のひらにぽんっと拳を置く
よく見るとそれほど怖くなさそう、むしろ親切な人だ、と気が付く

「ありがとうございます!
一つ下って事はもしかして中学生・・・なのかな?
あんなに凄いキックが出来て凄い! 空手か何かの稽古かな?」

武道着をまじまじと見ながら

「あっ それともキックボクシングとかムエタイ?
琉球空手とかカポエイラとかもあるらしいけど」

757樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/17(日) 23:53:20
>>756
「うんうん、スポーツジムじゃ転入はできないよねぇ。良かったら案内しようか?」

「アタシはこの学園の中等部三年生だよ。
樽谷 杏子(たるたに あんず)っていうの、ヨロシク先輩」

「アタシのこれはキックボクシングだ。まだまだウェイト足りないんで、威力出てないけどさ。」

758氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 00:04:51
>>757
「今月からこの高校の1年生として転入する氷山(ひやま) あきはです
先輩なんてよしてくださいよー この学校では君の方が先輩なんだから」

と言いながら事務課まで案内されてついていく

「でも良かったー 学校に来てすぐに親切な人に巡り合えて」

と、世間話をしながら歩いていると・・・・

『ナァ、ヤッパリサッキノ看板ハ左ニ曲ガルベキダッタジャネェカァァ
コレダカラ嬢チャンニ任セルノハ嫌ダッタンダゼェェ〜〜』

「しっ、静かに 話してたらまた怪しまれるでしょ!」

どこかからか『男』の声が聞こえる・・・
氷山の方を向けば和風な意匠をした人型のスタンドが
氷山に重なって出現しているのに気が付くかもしれない

759樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/18(月) 00:19:39
>>758
「ああ、ちょっと待ってね。」
さすがに校内でファイティングな格好は目立つのでジャージを羽織ることにした。

てくてくてく……氷山を事務課に案内していく。

「事務課はあっちの棟の一階だよ。確かに新入生には分かりにくい位置にあるかも知れないね……」

だがしかし、

>どこかからか『男』の声が聞こえる・・・

バッ!!…………咄嗟に氷山から離れ、樽谷はファイティングポーズを取る。

「なんだい、今の声は?
先輩の横のそいつから聞こえたみたいだけど……?」

樽谷の影にうっすらと雌ライオンの意匠を持ったスタンド像が現れる。
尻尾を立てて、ファイティングポーズを取り、警戒しているのが見て取れた。

760氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 00:27:33
>>759
「え? わっ、うわぁぁぁぁぁぁあああああ!
   ・・         ヴィジョン
そ、『それ』・・・・っ! その『 姿 』 ・・・・っ!」

『オッ?ナンデェ・・・オイ、アキハ、「似たような能力」ノ持ち主ジャネーカ』

突然、『ライオンハート』が出現したことに驚き、後ろに飛び跳ねる
本体を守るようにして『エド・サンズ』が一歩前に出た

『ア〜〜〜驚カセチマッテ悪ィガ俺達ニ敵意ハネエゼ』

ほれほれと手のひらを上に向けて無手のアピール
氷山本人は後ろに下がりすぎて背中から壁にぶつかった

761樽谷 杏子『ライオンハート』 【中三】:2020/05/18(月) 00:38:59
>>760
『グルル……』
「ちょっと、ビックリしたけど、似たような能力の持ち主……いて当然か。」

「敵意はない……まぁ、校内でやり合う理由もないし、当然か。信じるよ、その言葉。」

『グルル……』
「『ライオンハート』戻って」
雌ライオンの像のスタンド、『ライオンハート』は消える。

「自分で喋るのか?その『男』みたいなのは?」

「あと、背中大丈夫?」

762氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 00:54:19
>>761
「は・・・はぁ・・・すいません、私以外にこの能力を持ってる人を見たのが初めてで」

呼吸を落ち着かせて話し始める
背中をちょっと痛そうにさすっているが「大丈夫です」と一言

氷山本人が一歩前に踏み出すと同時に『エド・サンズ』は一歩後ろに下がり控える

「『さんずさん』・・・『エド・サンズ』は私の能力・・・・らしいです
私自身もよくわからないんですけど、変なところで『ふわ〜』って変なことをしたら
いつの間にか出てきてくれるようになったんですよ
私の力が具現化した感じ・・・らしいですけど、私自身よりも頼りになるひとですよ」

『ヨセヤイ ヨセヤイ』

照れくさそうに手をひらひらとさせる
明らかにスタンド自身に意思があるように見える・・・
一人芝居だとしたらだいぶ面の皮が厚いふるまいだ

「私以外にも似たような能力を持っている人がいるって聞いたことがありますけど
『ライオンハート』・・・さん?は喋らないんですね」

763樽谷 杏子『ライオンハート』:2020/05/18(月) 18:12:45
>>762
「アタシも他の能力者を見るのは初めてだけど、いわゆる『気』か『守護霊』的なモノかなーと思っててさ。
 だとしたら他にも使えるヤツはいるはずだよなーと思ってたんだ。」

「どうも氷山先輩の『守護霊』は自分で喋るみたいだね。」

「アタシの『ライオンハート』は私が喋ろうと思わない限り、喋らないよ。」

そう言って、また、『ライオンハート』を出したかと思うと

     『ガオッ!!!   ってね。』

と咆哮した。

「こんな風に。アタシが思うにアタシの闘争本能ってヤツに反応してるんじゃないかと思ってる。」

764氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 20:18:26
>>763
「『守護霊』・・・・まあ、私の中から出てきた力っていうより
江戸時代の亡霊とか背後霊って言った方がそれっぽいですよね
私の『さんずさん』の場合は」

『オイオイオイオイヨォォ〜〜〜
ソイツハ解釈間違いダゼ、あきはヨォォ・・・

アノ場所ニイタヤツモ言ッテタジャネェェカ

俺コト「エド・サンズ」ハ嬢ちゃんノ中カラ湧キ出タ「力」・・・
  ス タ ン ド
「傍に立つもの」ダッテヨォォォオオ〜〜〜!』

リラックスしながら談笑をしていたところに・・・

>ガオッ!!!
    
「わぁっ!」    急に吼えられてビビった

『ハァァ〜〜〜マッタク コレジャア先ガ思イヤラレルゼ
悪イナ杏子ちゃん、コイツハチョットビビリナたちデヨォォ〜〜

マ、闘争本能ッテノハ当ッテルカモシレネーナ
俺ミタイナヤツガ潜ンデルッテコトハ あきはノ中ニモアルンダロウゼ
ソノ「闘争本能」ッテェヤツガナァァァ〜〜〜』

『マ、俺ガチャント鍛エテヤラネート駄目駄目カモシレネーガナ』

765樽谷 杏子『ライオンハート』【中三】:2020/05/18(月) 20:42:20
>>764
「江戸で三途となると確かに和風だね。」

         スタンド
「なるほど、『傍に立つもの』。そっちの方が語感がいいね。」

「鍛えるの、いいね、いいね。氷山先輩も闘争本能、鍛えちゃう?」

「あ、そろそろ事務課に着くよ。エドちゃん、引っ込めた方がいいかも。」

※21:00から感想会のため、レスが遅くなります。

766氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 21:32:34
>>765
   ・・・
『エドチャン・・・・?
オイオイオイ、俺ミテェナ剽悍ナ男子ニ対シテソンナカワイイ感ジハ・・・
「はいはいはーい、また変に思われるといけないから
しばらく休んでいてくださいねー『さんずさん』」

  スゥゥゥ・・・・ と『エド・サンズ』の姿が消えていく

「『さんずさん』はあんな感じに言ってるけども
私には闘争本能があるとは思えないんですよねー
ま、悪者と戦ってる人とかは凄いかっこいいとは思うんですけどね」

「杏子ちゃんが鍛えているのは、誰かと戦いたいからなんですか?」

※、了解です

767樽谷 杏子『ライオンハート』【中三】:2020/05/18(月) 23:30:17
>>766
>「杏子ちゃんが鍛えているのは、誰かと戦いたいからなんですか?」
「どうかな、確かに誰かと戦いたいってのはあるけど……」

「結局は、自分の為かな。
 今日の自分を超えた明日の自分でありたい、っていうワガママ。」

「おかしいかな?」

事務課のドアの前に立って聞く。

768氷山『エド・サンズ』【高一】:2020/05/18(月) 23:36:30
>767
「成長のために鍛える・・・うん、いいと思います!
それもストイックで凄いかっこいい!」

そして、事務課に辿り着いた

「それでは、ありがとうございました!
おかしな『能力』を持ってる者同士、また縁があったらお会いしましょう!」

先ほどまでのような『超常』と離れ
普通の女子生徒として事務課に入っていった

769斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/02(火) 00:56:41

 ―――♪

それは雨の日に響く音色
梅雨の最中に確かに聞こえる音の粒

『20本』の指が鍵盤の上で踊り、残っているのは独りでに楽譜がめくれる音と彼の息遣いのみ。

雨の日にのみ存在する、放課後の不確かな音楽室
今やここだけが『私』の時間だ。

 (…しかし、勘弁してほしいな、指がこれだけあってもショパンのそれは弾きがたい)
 (独り、雨の匂いと演奏の余韻を楽しむには…随分と落ち着くのだが。)

770白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/02(火) 01:25:05
>>769

          カラカラ…

戸が開き、少女が静かに立っている。
流れるように跳ねた髪、頭頂部はアンテナのように。

「――――『ショパン』ですね。素晴らしい腕です」

見開いたような大きな相貌が、笑みに歪む。

風紀委員、だ。
腕章がそれを物語る。
…………あるいは顔も、知っているかもしれない。

771斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/02(火) 22:40:57
>>770

 「『楽譜に誠実であれ』 正確に弾き切るなら機械でよいと、常々言われていた。」

私は顔を向けずに演奏を続ける
向けずとも解る事は、今頃声をかけてきた女の傍には『椅子』と『紅茶』が入れられているだろう、と言う事だ。
此処はそういう場所なのだから。

 「とはいえ――あなたの感性でそう聞こえたのなら何よりだ 見知らぬ人。」

少なくとも聞いた声では無いのは確かだ
或いは聞いたうえで忘れているか……何方にしろ思い出すような時間は此処だと砂漠における水の一滴の如く貴重だ。

 「……それで?何か用だろうか。」

氷のような声色というのも、こういう場面では微妙な物だ
嘘を付かないと言う事は、他人に忍耐を強いると言う事でもあるのだから。

772白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/02(火) 23:11:25
>>771

「『正確である』事は、素晴らしいことですよ。
 演奏表現のよしあしは、どうしても主観になる。
 ですが、正確さは客観的に捉えられる評価なのです」

「ですがそれ以上を目指す心……それもまた素晴らしい!」

朗々と、よく通る声が部屋に響く。

「おやまあ。気の利くお部屋ですね。
 わたくし…………紅茶は好きです!
 この部屋のことも、好きになれそう」

その手が、紅茶と茶菓子を取った。
さして驚くような様子は見せない。

「いいえ用なんて。綺麗な演奏が、聴こえましたので。
 ただそれだけなのです。ここに入って来た理由はね」

「――素晴らしい『腕』です。
 この素敵な部屋は、あなたが用意したのですか?」

そして、その目は明らかに斑鳩の『影』を視認している。

773斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/02(火) 23:28:50
>>772

 「……そうとも言えるし、そうでないとも言える。」
 「とはいえ、そのいい香りは私の用意した物ではないだろうな……用意したのは『部屋』の方だ。」

しかし、肝の据わった女性…声からして恐らくは…だ。
普通なら気味悪がって口すら付けないと思ったが、多少『慣れて』いるらしい。

 「無論、私の想像が合っていればの話だ。外れるなどと微塵も思っていないが。」

この校舎事態に如何なる事件があったかは微塵も知らない事だ
だが『所々が古く、また新しい部屋』『一部が焼け焦げた楽器達』から、図書室の昔の記事などを合わせれば
確信に近い推測は出来る。

 「この部屋は『幽霊』のようなものだ。独りでに存在は出来ず、限られた時…雨の日に相応のエネルギーを求めて出現する。」
 「あるいは私の『腕』と同じ様な物……『ルール』がある以上は従って動く物。」

もしこの女性の眼がガラス玉でできていなければ
この音楽室の隣に元々の音楽室があるのが見えただろう。
そしてそれは…『新手のスタンド使い』と言う事でもある

『エネルギー』になる可能性のある人間以外は入れていない
『えり好み』と言う事か……まあ私も好き嫌いはあるのだ。セロリとか。

774白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/02(火) 23:58:13
>>773

「ああ! つまり主体は、この部屋なのですね。
 あなたもわたくしも、あくまで同じ『ゲスト』。
 いえ、演奏を任されるあなたの方が上でしょうか?
 ふふ……己の実力に嘘をつかない態度、好きです」

          ニコォ

「いつから? なぜ? どうやって?
 雨の日だけの『音楽室』があるのか。
 誰かが遺していった能力なのか、
 それとも自然発生したものなのか。
 あなたはなぜここに詳しいのか、
 そして独奏をしていたのか…………
 それは今のわたくしには分かりませんが」

視線は、焼け跡残る楽器に。
あるいは、傷痕のような部屋の造りに。

「確かな事は、二つあるのです。
 あなたの演奏は素晴らしく、紅茶がとても美味しい。
 わたくし、この『空間』が、好きになってきました」

少女は華奢な体に大きな身振りをつけながら、
称賛まじりに語り、やがて椅子の一つの前に止まる。

「ですが、だからこそ! もっと確かめてみたいのです。
 わたくしの、不完全な理解を是正したい……
 例えば生徒会、同じ『秩序』の士とも言えるあなたが」

斑鳩と直接会話を交わした事は無くとも、
風紀委員と生徒会は『無縁』とは言えない存在だ。

「――『スタンド使い』である事を今、知れたように。
 もっと知ってみたい……くふっ、お嫌じゃなければ」

           「わたくし、ここに座っても?」

指で、目の前の席を示す。拒まないならば、そのまま座るだろう。

775斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/03(水) 20:20:33
>>774

 「お互いにな、都合のいい餌というわけだ。」
 「次は……幻想即興曲か」

独りでにめくれる楽譜にうっすらと、だんだんと色濃く浮き上がる題名と音符の列
これも…前には無かった機能だ 『成長』しているのだろう、或いは粗野な音をたてないようにか。

 「好きにしたまえよ、元より私の物では無い」
 「所有者でもない人間が物の是非を決定するなど、お笑い草だ。」

 「また指の忙しい曲を選んでくれた ……あるいは難易度が上がれば私がミスをする可能性が有るからか
 私が失敗したことが無い以上、演奏のミスにこの部屋が何処まで寛容か等と解る筈もないな、もっとも……『私以外に演奏者を聞いた事が無い』辺り、想像はつくが。」

 「この演奏も……私の休息では有るが、同時に『ご機嫌伺い』のような物だからな」

20本の指が鍵盤を叩く、音の粒を並ばせ、其処に感情とうねりを混ぜながらも正確に
音楽というのは才能の協奏曲だ、優れた『作曲家』と無限に必要な『演奏者』の……。

 「無理やりに『空間を作り出し』『茶と菓子を用意し』『完璧に調律された楽器群』……どれほどのエネルギーかは知らないが、無尽蔵の力でないのは確かだ。」
        モンストロ
 「私達は今、鯨の腹にいるのとなんら変わりは無いのだ……骨まで消化されたくは無かろう。」

紅茶の透き通るような色あいには一点の曇りも無く、焼き菓子も解るものには上等な物だと解るだろう
だがそれは『報酬』であると同時に……『疑似餌』である事はまったく相反せず両立する物だ。
 
 (そして、秩序の士とは言うが、むしろ此処は独善的なルールに則った『私刑』の間に等しい場所だ。)
 (ま、この部屋を栄養不足で消滅させるのは簡単だが……その次に何が出てくるか解らん以上は続けざる他は無いな。)
 (私としても――丁度いい『休暇』だ。)

776白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/03(水) 23:02:12
>>775

「『自信』に深く満ち溢れながら、『分』を弁えてもいる。
 素晴らしい……あなたは、とても、『優秀』な人なのですね」
 
                   ニコ

「好ましいです。わたくし、好きになってしまいそう!」

屈託のない笑みを浮かべ、演奏を見る。
見守るではない。『見ている』だけ。

「そしてこの部屋も……『面白い』。
 だって、考えてもみなさい。
 狩猟、存続のための機能としては、
 もっと、もっと『是正』が可能でしょう。
 奏者を求める『音楽室』としての本能と、
 存在を維持する『生命』としての本能。
 あるいはそのせめぎ合いなのでしょうか」

「自然ではない、スタンドの『歪』な機能美――それもまた『素晴らしい』」

流れるように口からは『褒め言葉』が続く。
そして――――『目的』を持った菓子を、言葉とすれ違うよう口に運ぶ。

「ああッ……やはり、好きです」

「わたくし、『完璧』なものが理想だと思います。
 ですからこそ、『是正の余地』あるものも、好きなのです……」

ティーカップを音もなく置き、両手の指先を、胸の前で合わせる。

「この空間は、見つけてからもう、長いのですか? 『失敗した事がない』
 『一度や二度』ここに入った事があるだけではない……そういう口ぶりです」

777斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/04(木) 06:13:04
>>776

 「さてな」

演奏は続けられる、余った指を連弾の如くとして音を震わせながら……デメリットは途方も無く大きい
それでもこの場所にはメリットがある、『大抵の人間には邪魔されず』『入れる人間はスタンド使いのみ』
実に手軽な『スタンド使い』の診断装置だ、予想以上にこの学園にはスタンド使いというものは多いらしいのだから。

 「しかし、生きている間にさえ煩わしい物は多々あるのだから――」
 「死後はそれ以上に『ルール』に従わなくてはならない、そういう事もあるだろう。」

そしてこの場所で演奏している限りは、そのルールは殆ど適用されない
……正確に言えば『ルールが一つに纏められる』のだ、その点には嘘をつかずに済む。

 「その点は人間だとしても、そう変わりはない筈だ」
 (――意味があるかは兎も角。)

転調、うねり
旋律に感情を込める。怒り。嘆き。他人には吐き出せない物を鍵盤へと。

 「そう言う其方も、そう短くは無さそうだが……図書室当たりの騒動も消え失せた。」
 「『是正』と言ったな 其方の手か?」

778白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/04(木) 23:26:09
>>777

「際限なく増える『死者』がこの世に在るなら、
 それを縛るためのルールもまた、存在する。道理です」

「論理的な考え方をするのですね、素敵です」

所感を示し、紅茶を口に含んだ白町だったが、
図書室の騒動――その言葉に、顔を上げて静かに笑む。

「それに、ふふ……お耳が、早いのですね」

「その件は、生徒会に知れているのでしょうか?
 だとすればその問題意識と、『共有』の早さ。
 組織として、実に素晴らしい……あるいは」

        『シュルルル…』

背後に浮かんだヴィジョンは『蜘蛛』――
それを想起させる、細く、長い手足の『人型』だった。
余韻を持たせることもなく、すぐに消える。
 
「あなた個人が有能なのであれば、それも素晴らしい」

「どちらでも構いません。どちらにせよ……ククッ。
 そのご明察の通り、わたくしが、是正したのです」

実際には一人で、ではない。
中務千尋の協力は必要なピースだった。
理解しているが、あえて名を出す事はしない。

「顛末に関心がおありですか? それとも、『スタンド案件』そのものに?」

白町は他者への好意を隠さず示すが、それは盲信を意味しない。

779斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』【高2】:2020/06/05(金) 00:01:20
>>778

 「――いいや。」

演奏の最中に氷の如く透き通る声が響く
それは雨音にかき消されぬ冷たさだった

 「引き起こされた『事態』そのものは『私刑』に等しい行い、止めてみせたのは見事と称賛はする……するが、その上で」

思案するように目を瞑り、ほうと息を吐く

 「終わった『記録』に興味は無いな、私が欲しているのは今を生きている『結果』だ。」

かのスタンドが残っていれば、何かしらの変化があったかもしれない
だがそれもついえた以上は過去形に過ぎないことだ、『奇跡』に届かないのであれば興味は無い

それは『彼ら』の共通認識だった。

 「――とはいえ、手腕の方には多少の興味もある」
 「出来れば当事者から聞きたい物だな……雨のやまぬ内に。」

この場所での雨の切れ目は、この空間の終わりを意味する
中に入っている物がどうなるか?生涯解する事は無いだろうが……

今しばらく、この演奏が続くのは誰でも予想できる事だ
今は『梅雨』なのだから。

――私が演奏を終えた次の楽譜は、2本の腕で賄えるといいのだが。

780白町 千律『ハード・タイムス』【高3】:2020/06/05(金) 01:13:35
>>779

「ふふ……本当に『論理的』なのですね。素晴らしい。
 わたくし、あなたの事を好きになってしまいますよ」

笑みに歪んだ口から幾度も漏れるのは、
熱に浮かされたような言葉ではあったが……
編みたての、オーダーメイドの言葉とは感じられない。
口にする『好意』が事実でも、その真意は白町のみ知る。

「ええ、よろこんで。風紀として話せる範囲は、わたくし話します」

中務については伏せる、という意味だ。
協力者はいた。しかし彼女の名や、素性は出さない。

「一度は抑えた。ですが『再発』の可能性も、ゼロではありません。
 生徒会が『アレ』の倒し方を知ることは、学園治安の是正になるのです」

もっとも、風紀委員としても生徒会としても、それは公的な記録ではない。
学園のスタンド使い……知ってこそいても、その世界は決して、『公』にはならないものだ。

雨の中にだけ存在する演奏の中で、白町は『図書室の件』についてを、つらつらと語る・・・・・・

781村田瑛壱『ディズィー・スティック』【高2】:2020/06/07(日) 16:33:48
カツ
             コツ
      カツ
                   コツ

「『職員室』ってよぉ〜〜〜〜〜」

 「なんであんなに入るとき緊張すんだろうなぁ〜ッ」

「別に悪いことしてるわけでもねぇのになあ〜〜〜〜〜〜〜」

摩耗した靴の踵を鳴らして歩く、下校の途中らしい学生が一人。

あなたはこの『学生』をを見たことがあるかもしれないし、ないかもしれない。

782小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 17:50:34
>>781

ヤジ「ほぉ〜ん。『エクサーツ』って奴はそんなに強かったか」

「えぇ。決闘方式となると、持ち込める限界もありますし
そもそも危険物となれば流石に、ね」

ヤジ「まっ、相性ってのが存在するしな。
前見たいにテグスを使うのも良いんじゃねぇかと思うんだが」

校門付近で、壁に凭れ掛かるようにして二人の青年が雑談に興じている。
一人は制服を着崩して茶色くメッシュの髪に煙草を咥えている。
 もう片方は、バンカラに制服を纏う華奢で少し独特な雰囲気だ。

カチ カチ……。

ヤジ「ちっ、ついてねぇ。ジョー、ライターかマッチ」

「寮に置いてますよ」

ヤジ「おいおい、ライターは何時持ち歩いても役立つもんだぜ
……んっ、おーい!」

 火ぃ、持ってないかーっ? と、不良らしき一人が貴方に声を掛けた。

783村田 瑛壱『ディズィー・スティック』【高2】:2020/06/07(日) 18:07:19
>>782

「(ガッコの中で堂々と火ィ求めるたぁ、中々に太ぇ野郎だ…)」

ジュ ボウッ

「…ホラよ。センセーがたに見つかると面倒だからよ。
さっさとすましちまいな」

近寄っていって、ライターを取り出して火を差し出す。
こいつも『喫煙者らしい』が、口からも身体からもタバコの臭いはしない。

784小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 18:29:39
>>783

ヤジ「おっ サンキュー」 ボッ ス―ッ……フー 「ふぃー」

「君ねぇ。親友
禁煙しろまでは言いませんが、初対面の方に火を借りるぐらいに
中毒になっているのは感心しませんよ」

ヤジ「固い事言うなよ。短い人生 酒や煙草の味を限りなく
楽しめる時は楽しむってのが、俺の筋でね」

破顔しつつ、美味そうに吸う不良を相方は諫めてる。その言葉を
飄々と躱しつつ、半分程吸い終えた不良は貴方に聞いてきた。

ヤジ「火ぃ貸してくれた、あんた……えぇっと、俺はヤジって言うが。
あんまり俺が知る溜まり場では見かけないな? 最近始めたん?」

こっそり、学校で喫煙するような仲間なのでは。とライターの所持から
勘くぐり、初対面な事から貴方にそう尋ねる。

「貴方に付き合って何度か嗜みますけど、やはり私は余り好かないですね
葉巻もキセルも、しっくりきませんし……あぁ、自分は小林ですよ」

ヤジ「無理して付き合わなくて良いってジョーは。
…………ふむ」

まじまじと、口に咥えた煙草を離しヤジと名乗った男は
不躾に貴方の上から下までを見る……急に何だろうか?

785村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/06/07(日) 18:34:29
>>783

786村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/06/07(日) 18:44:18
>>783
「俺は『村田』だ。」

「ガッコの中じゃあ吸わないってだけだ。バレたとき面倒だからな。
携帯灰皿持ってねぇってことはねぇよな?・・・持ってなきゃ使いなよ」

ライターを懐にしまいこんで、代わりに円筒形のものを差し出す。

「・・・なんかついてるかい。今日はわりときちっとした格好してるつもりなんだが。」

787小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 18:48:24
>>786

ヤジ「いや、持ってるぜ 灰皿は勿論。マナーだからな……
――ところで、これ何に見える?」

そう、彼はおもむろにポケットからビー玉のようなものに
『ブリキの金魚のヴィジョンのスタンド』が入ったものを掲げた。


「…………」

小林は、そんな彼の挙動に注意を払うでもなく。呆れた面持ちで
村田とヤジを交互にゆっくり視線を送っている。

788村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2020/06/07(日) 18:56:31
>>787
「・・・・なんだいそりゃ・・・ああ、『とんぼ玉』か?」

ビー玉のようなものに顔を近づけ、まじまじと観察する。

「小さいころに親に連れられて、製作体験なんかやったの思い出すなぁ〜〜〜〜ッ」

「これ、アンタがつくったのかい?」

789小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 19:15:59
>>788

ヤジ「その答えは、いいえ さ。なぁ『スタンド使いさん』」 フワッ……ガシッ。

僅かに、そのビー玉は宙に浮き それを再度手の平に掴む。

ヤジ「勘が当たったぜ」ニヤ

ヤジ「なんかちょいと、ただの素行不良と違うなーって背筋に走ったからよ」

小林「親友」

その相方の呼びかけは、淡々としてたが有無言わせぬ強さが滲んでいた。
真顔の声掛けに、彼は少し獰猛に近かった笑みを打ち消すと。へいへいと
頭を掻いて、貴方に話を続ける。

ヤジ「いや、スタンド使いだからどうこうって訳じゃねぇのよ。
単純に、使い手なのか? 否か? って事を知りたかったのが俺の目的。
それ以上、あんたに対して危害加えようとか一切ねぇ」

嘘なら、この煙草を丸呑みしたらぁと冗談めいた呟きを
溜息で小林は返しつつ、同じく貴方に話を引き継ぐ形で口開く。

「彼はね、少々特殊な力を持ち合わせた方達で興行する組織で
働いてましてね。その一環で、この学園にどの程度、使い手がいるか
大凡でも構わないので調査をしてるんですよ。
 とは言え、この学園。結構いると思いますけどね」

ヤジ「いや本当。曲がり角でパン咥えた女子とぶつかるよりも
高い確率で出会えるよな」

どうやら、不良青年は特殊な組織の一員だとの事だ……。

790村田 瑛壱『ディズィー・スティック』【高2】:2020/06/07(日) 19:32:52
>>789
「…はぁ?」

『何を言ってるんだ』という顔だ。

「カンが当たったとかどうとか言ってるとか悪いが、俺はあんたらの言ってることがひとっつも理解できねえ。」

「スタンド使いだとか組織だとか、一体なんのことだ?オカシな勧誘ならお断りだぜ。」

「だいたいなんだい『スタンド使い』って。俺が『矢沢永吉』にでも見えるってのか?」

この村田という男、『視えて』いるようだが、『スタンド』についてはさっぱり知らないらしい。
…『視えるはずのないものが視えている』ということすらも。

791小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 19:45:58
>>790

ヤジ「あぁん??」

その反応に不良青年も似たような表情を浮かべる。だが、直ぐに怪訝さを
打ち消して ……なりたて? いや何かの干渉で見えるだけ? と
早口で何かしら呟いてから、眉間に皺よせて尋ねる。

ヤジ「えっとよ。今まで何か普通の人には出来ないような事が出来たりとか……
いや、この言い方だと主観が交じって混乱するか。
 えっとよ、自分の体から人の形してるけど人じゃない物体が出るだとか
突然手の平から何か産み出せるようになったとか。
 妙に直感が鋭くなる等の何処かしらの日にちを跨いで急に妙な才能に
目覚めたとか、そう言う心当たりってない?」

小林「とりあえず、一気に全部聞くのはやめてください。
えぇっと、村田さん。
 貴方がさっき水槽の中に見えた金魚などは、本来存在しないものを
存在してる幽体……これを通称『スタンド』と呼称してるんです。
私が説明するより専門家であり、恩師とも言えるべき方のほうが
色々と通じると思いますので。宜しければ『音仙』さんと言う方の
連絡先を教えますが……」

不良青年は貴方に矢継ぎ早に質問し、片割れは貴方に音仙と言う
謎の人物のいる住所を教えてくれた……。

792村田 瑛壱『ディズィー・スティック』【高2】:2020/06/07(日) 20:07:43
>>791

「・・・『信じられねぇ』な。何もかもがだ。気悪くしないでくれ。わかるだろ。」

すべてを黙って聞いた後、眉間にしわを寄せ、苦々しい表情で答える。

「その・・・『幽体』っつうのがどういうものなのか、今もって俺にはさっぱりわからないし、
急に『お前は霊能者だ』みたいに言われても、信じろってのが無理な話だ。」

だが、と切って続ける。

「心当たりがないわけじゃない。」

「・・・数か月前、『原因不明の高熱』で死にかけてな。医者と家族が言うにはしばらく昏睡状態だったらしい。」

「『臨死体験』で『超能力』に目覚める・・・そんな話は聞いたことのある話だ」

「あんたらがウソついてないんだとすりゃ、そこに原因があるのかもしれない」

793小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』【高3】:2020/06/07(日) 20:24:40
>>792
(※スタンドの発現を、より自分好みの演出で今後にしたいようでしたら
このままこの邂逅は有耶無耶な感じで次レスで〆させて頂きたいと思います)

ヤジ「『原因不明の高熱』……それかもな」

ヤジ「信憑性が無いかも知れんが『スタンド』ってのは
精神の発現、具現化なんだ。たまに制御出来ずに暴走するタイプもある
 さっき言った通り、人の形をしてるが人では絶対ないって言う形もあるし
剣とか銃とか、自然だったり人工物だったり何でもありさ。
……んで、そう言う力はな。『一般人には見えない』 少なからず例外は
存在するものの、大体は幽霊同様スタンド使いでないものはスタンドを
見る事は出来ない……それが、殺人鬼だったり心に黒いもん抱えてる奴なら」

考えれば、わかる程度にゃ凄惨だろ? だから組織を作って自衛も込めて
商売もしようって言うのが居るのさとヤジは煙草を咥え直し嘯く。

ヤジ「……『エクリプス』ってのが昔、そう言う奴等を束ねて
この町を表向きは麻薬なり新興宗教なり装って、裏で能力で支配しようとしてた。
だが、黄金の意志を持つ人々と。『アリーナ』の一助で壊滅したんだ。
 詳しく話すには、此処は目立ち過ぎるからまたの機会にするが」

小林「……残党も街に潜んでる事もありうるようですが。
安心して下さい。この町には正義感強い方々が多くいますし
私達も、何があれば村田さんの助けになりますから……」ニコッ

不良コンビは、町の歴史を語りつつ貴方に手を差し伸べる事を誓う。

ヤジ「あぁ、それと『スタンド』は精神の塊だ。
危険な時に咄嗟に出て防衛して制御可能になった事例もあるし。
自分で瞑想なりで精神修行をして緩やかに発現したって例もある」

もし自分の力を目覚めさせたいようなら前者はともかく後者で
座禅なり試すのも良い方法だとヤジは勧め。

小林「『音仙』さんは、スタンドの仕組みなどに大きく通じてます。
ですので、気が向くようでしたら相談してみれば良いですよ。
きっと、助けになってくれる筈です」

小林は『音仙』への紹介を再度念押しした。


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