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【個】『アポロン・クリニックセンター』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:47:23
『城址学区』の北部に位置する『総合病院』。
近年、大規模な『増築工事』が行われた結果、
『八階建』の『クリニックセンター』へと変貌を遂げた。

クリーム色の外壁が特徴の『新病棟』は清潔感が漂い、
カラフルなインテリアは患者達を勇気付ける『明るさ』を演出する。
治療に取り組む医師達の真摯な態度、朗らかな看護師達の笑顔、
『最先端』の医療、福祉、心配りで貴方を癒す場所。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
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        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
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                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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『入院』、『治療』のシステムについては>>3へ。

309『アリス・ブラインド・アリス』:2022/07/15(金) 17:51:38
>>308

「――――――急に『目が見えなくなった』、と」

患者の訴えを聞き、診察を終えた掛かりつけの医者は、
目の前に座る少女に告げた。

         コクリ…………

夢見ヶ崎明日美は、悲痛な表情で首を縦に振る。
いつもの姿と比べると、別人のように『無口』だった。
それは彼女にとって、
『決して受け入れられない事態』だったのだ。

―――――――――――――――――――――――――

  「………………?」

『異変』に気付いたのは、今朝の事だった。

          「!!!!!!」

『サングラスを掛けている』のに『何も見えない』のだ。
その瞬間、心臓を鷲掴みにされたような『恐怖』に襲われた。
自分の『光』は、永遠に失われてしまったのではないかと。

       ドギュンッ

思わず、『スタンド』を発現する。
当然、現れるのは『ドクター・アリス』のはずだ。
しかし、本体の意に反して、
傍らに立っていたのは『ドクター・ブラインド』だった。
『見えない』――見えなくても分かる。
何故かは分からないが、『戻ってしまっている』。

―――――――――――――――――――――――――

それから、すぐに病院を訪れた。
『真実』を知る事は恐ろしかったが、
分からないままでいる方が、もっと怖かった。
こうなってしまった『原因』を理解する必要があったのだ。

310『アリス・ブラインド・アリス』:2022/07/15(金) 17:53:50
>>309

「結論から言うと、『角膜』が傷付いてしまった事が原因です。
 角膜は『五層構造』になっているのですが、
 その『最も外側の層』が損傷しているのです。
 この『角膜上皮』は、
 厚さ『0.05mm』しかない極めて薄い層で、
 非常にダメージを受けやすいのですよ」

少しの間を置いてから、医者は口を開いた。
再び『盲目』となった夢見ヶ崎は、
固唾を呑んで説明を聞いている。
胸の内を満たすのは、『光』を失う事に対する『絶望』と、
藁にも縋るような心からの『切望』。

「ですが――――角膜上皮は新陳代謝が活発で、
 『自己修復機能』を備えています。
 時間が経てば、徐々に回復していくでしょう。
 自然と『見える』ようになるはずですよ」

夢見ヶ崎の『見えない目』が、大きく見開かれる。

「現代人は目を酷使しやすい環境で生きています。
 角膜に傷が付いてしまうリスクは、
 決して珍しい事ではありません。
 特にあなたの場合は、普通の人よりもデリケートですから、
 影響が強く出てしまったのでしょうね」

「私の『目』は……大丈夫なんですよね……?
 ちゃんと『元通り』になるんですよね……?
 また『光』を感じられるようになるんですよね……?」

「ええ、何も心配する事はありませんよ」

懇願するように言葉を搾り出す夢見ヶ崎に、
医者は優しく答えた。

「――ありがとう……ございました……!」

夢見ヶ崎明日美は椅子から立ち上がり、
感謝の気持ちを込めて丁寧に頭を下げると、
診察室を後にする。

「何となく分かったよ。
 『ドクター・ブラインド』が戻ってきた理由が」

ドクター・ブラインド
『盲目の医者』と共に廊下を歩きながら、
夢見ヶ崎は静かに呟いた。

「私が『光』を見失っちゃったからだよね」

突然、『視力』を『喪失』するという不慮のアクシデント。
その出来事は、本体である『夢見ヶ崎の精神』に、
『計り知れないショック』をもたらした。
心の奥底で、
『光が永遠に失われた』と思い込んでしまったのだ。
一時的な『精神的後退』である。
それが、『ドクター・アリス』から『ドクター・ブラインド』への、
『退化』という形で現れたのだろう。

「先生は『時間が経てば自然に治る』って言ってた。
 多分、『ドクター・アリス』も戻ってくると思うんだ。
 だからさ――――――」

「最後に『もう少しだけ』付き合ってもらうよ」

こうして『ドクター・ブラインド』の戦いは、
ほんの少しだけ『延長』される事になる………………。



夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』⇒『一時的な精神的後退』により、
                       しばらくの間『ドクター・ブラインド』に戻る。

        次回⇒『お前も鬼にならないか?』


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