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【個】『アポロン・クリニックセンター』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:47:23
『城址学区』の北部に位置する『総合病院』。
近年、大規模な『増築工事』が行われた結果、
『八階建』の『クリニックセンター』へと変貌を遂げた。

クリーム色の外壁が特徴の『新病棟』は清潔感が漂い、
カラフルなインテリアは患者達を勇気付ける『明るさ』を演出する。
治療に取り組む医師達の真摯な態度、朗らかな看護師達の笑顔、
『最先端』の医療、福祉、心配りで貴方を癒す場所。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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『入院』、『治療』のシステムについては>>3へ。

26『第五外科』:2017/06/17(土) 00:48:54
>>24(小石川)

運悪く『完治』が遠のいた『小石川』だったが、
禍福とは糾える縄の如し――表裏一体だ。
辿り着いた『旧病棟』には、『名医』がいる。
 
小石川文子『スーサイド・ライフ』→『完治』『支払い10万円』

27遊部『フラジール・デイズ:2017/08/10(木) 10:01:17


『遊部さーん? 遊部 玲実さーん』

 『何処行っちゃったのかしら……さっきまで、食堂で過ごしてたのに。
まだ、少々不安定な部分がある見たいだから。検査を受けるように言われてたのに』

『病室に戻ったんじゃないかしら? 私、見てきます』


   「…………」

 「……ドクター、すまないが。我々はもう戻る事にするよ」

   遊部『フラジール・デイズ』→退院

28夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/08/28(月) 23:59:31
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1454252126/650

『左手骨折(全治二週間)』


   「あぁぁぁ〜!

      私の夏がぁぁぁ〜!!

         私の夏が病院で終わっちゃうぅぅぅぅぅ〜!!!」


お父さんとお母さんには、階段から落ちて骨折したって説明した。
昔から怪我や事故が多かったから、ワリとすんなり納得してもらえた。
ウソつくのはイヤだけど、裏世界の闘技場で殴り合いをしたなんて言ったらソットーもんだし。
そもそも信じてもらえないでしょ?

だからさ――ま、しょうがないよね。

29夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/09/11(月) 22:00:42
>>28

「ふっふっふっふっふっふっふっふっ」

待ち望んでいたこの日がやってきた。
そう、退院の日だ。
退屈な入院生活とオサラバできるサイコーにハッピーな日。

「い〜ち、に〜い、さ〜ん……

    ……にじゅは〜ち、にじゅきゅ〜う、さ〜んじゅ〜うゥゥゥ」

手元には愛しの福沢諭吉サマが三十人分。
体を張って稼いだおカネだ。
変な意味じゃなくて。

怪我も治ったし、やるこたぁ一つ。

「街が私を待っている!遊びまくるぜ!!いぃぃぃやっほおぉぉぉっ!!!」



夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』⇒【退院】

30斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』:2017/09/17(日) 02:53:18
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1505148798/21

斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』→『右腕骨折』
                       『全身打撲』全治一か月二週間。

 ――『遊部ちゃん』と出会ってて良かった、と言うべきかな
 彼女が『病院の拘束服を着てた』からそういう場所が有ると推測できたし
 そんな物を『用意できる巨大な病院』を考えると、この町にはここしかなかったし
 看護師さんとかににこやかに話しかければ、そういう『噂』も見つかった。

  「『心』が治せない…のは残念だけど体が治せるだけ良いよな、うん だよな。」



「『1か月2週間』……1か月!2週間ンんあああ〜〜〜〜〜んああああああ〜〜〜ッ」

 「確かにボコボコにされたし無謀な事もしてたけど!マジでかッ!」

  ――だけど重要なのは『金』じゃあないんだな、『成長』の為の必要経費
  僕自身の成長と、スタンドの完成 すべては『奇跡』に近づくための。

 お金が欲しくてやったわけでもないし……20万、払って退院……いけるかなァーッ!
 祖父母にばれないようにこっそり……やっぱ無理かな、友達の家にお泊りするって言ったけど。

 「バイカーさんに迷惑かけるわけにもいかないし、な。」

――『特殊治療』を求めます。

31『第五外科』:2017/09/17(日) 03:29:13
>>30(斑鳩)

――想像よりも長くついた『治療期間』は、
今後も続くであろう果てなき『成長』への道の、
いわば第一歩。或いは『授業料』とも言えるだろう。

そして『斑鳩 翔』はまた一つ学ぶ。
この町には一般人の想像を超える、名医がいる事を。

斑鳩 翔『ロスト・アイデンティティ』→『完治』『支払い20万円』

32硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/09/18(月) 00:17:42
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1505148798/21

2週間『一般病院』に入院。

33硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2017/10/04(水) 20:26:00
「お世話になりました」

怪我は無事完治した。退院。

34神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2017/11/19(日) 01:41:41
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/903
3日入院(22日退院)

35小林『リヴィング・イン・モーメント』:2017/11/22(水) 12:49:53
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/903
「通院する形で、お願いしますよ。入院は……学校もありますし
私の作品を待ってる方々もいるので、はい」

「無理は禁物だがな、ジョー。手が完全に使えないとかじゃないだけ
儲けものだと思わないとな」
『両肩の骨にヒビ』『全治三週間』

36神原 幸輔『ストロンガー・ザン・アイアム』:2017/11/22(水) 18:20:50
>>34

「欠場にならなくてよかった」

退院

37小林『リヴィング・イン・モーメント』:2017/12/18(月) 20:44:30


bulolololoooo……

 「全快 前進っ!! 最速で学生寮まで直帰だーい!!!」

「雪道を転倒するにしても、足からにして頂きたいねを 親友」

 『退院』

38宗像征爾『アヴィーチー』:2018/03/14(水) 23:12:06

血生臭い『親善試合』を終えた後、適当なタクシーを捕まえて病院に到着した。
医師による診察の結果は全治一ヶ月という事だ。
空虚な時間を埋める退屈凌ぎが出来た事は幸いだったが、明日以降の仕事に支障が出るのは困る。
だが、このまま帰った所で傷が治る訳ではない。
諦めて治療に専念するのが最善の道のようだ。
仕方なく入院手続きに入ろうとしていた時、近くを通る看護師達の噂話が耳に入った。

『旧病棟』――必要な額の金さえ払えば、即座に治療を済ませてくれる場所があるらしい。
そこに行けば、どうやら入院せずに済みそうだ。
片方の足を引きずりながら『新病棟』を出て、『旧病棟』へ足を踏み入れる。


【『特殊治療』を希望】

39『第五外科』:2018/03/15(木) 11:41:02
>>38

謎めいた噂は、どうやら真実だったらしい。
明日以降の仕事には何の差支えも無いだろう。

宗像征爾『アヴィーチー』→『完治』『支払い10万円』

40一抹 貞世 『インダルジェンス』:2018/03/18(日) 03:33:05
『ブルー・マンデイ』の惑星爆弾が生じさせるブラックホール。
執念で奪い取った勝利の代償は雑巾絞りにされた足と腹部。
自分が取るべき戦法を見出だせた貴重な試合だったと思う。

「『足首骨折』『腹部筋断裂』って本当ですか…?
 えっ、全治二ヶ月…? そんなァ〜!」

という経緯を経た後、宗像おじさんを追跡して『旧病棟』に訪れる。

「手持ちは『30万』です。『特別治療』を希望します」

41『第五外科』:2018/03/18(日) 05:09:36
>>40

今日は随分盛況だ――――と、男は言った。
そのわりに一抹以外の患者は見当たらないが、
理由はすぐに分かった。ここの治療は『迅速』だ。

一抹 貞世 『インダルジェンス』→『完治』『支払い20万円』

42スミノフ『デマーケイション』:2018/12/12(水) 16:00:55
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1511075107/740

『全治1か月』

43宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/14(金) 01:04:55
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1511075107/740

『全治三ヶ月』

44宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/14(金) 01:43:32

これといった目的もなく、病院の廊下を歩いていた。
片手には、歩行を補助する為の杖を握っている。
あまり歩き回ると傷に障るらしいが、寝たきりというのも退屈だ。
やがて手近なソファーを見つけ、そこに腰を下ろして周囲を観察する。
出入りする人間達を眺めていた時、不意に一つの考えが頭に浮かんだ。

「そういえば――」

あの後で何が起きたのかは知らない。
藤原から大雑把な説明は受けたが、それ以上は聞かなかった。
他の人間が以後どうなったかは不明だ。

「同じ場所に担ぎ込まれている奴が居るかもしれないな」

深い関心事とは言えないが、今は他に意識を傾けるような事も無い。
軽く視線を巡らせ、辺りの様子を確認する。
だが、期待はしていない。
同じ病院に入院していたとしても、今この場にいるとは限らないだろう。
仮に見つけたとして、特に用事がある訳でもないが。

45高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/17(月) 00:27:12
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1511075107/740

『全治2週間』

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>>44

 リノリウムの床を不規則に鳴らして、足音が近づいてくる。

 ドカ、と、宗像の隣に、無遠慮に腰かける。


「…………火ぃ、貸してくんないスか。持ってたら」


 声は、やや硬い。
 甘ったるい香りで女性にも人気の銘柄の箱が、その手から覗いている。

 売店の棚に並ぶものではあるが、院内はおそらく全面禁煙だろう。

46宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/17(月) 01:13:45
>>45

正面に視線を向けている時に、こちらへ近付く足音を聞いた。
それに対して、特に注意は払っていなかった。

「悪いが、俺には持ち合わせが無い」

「他を当たってくれ」

隣に座った人物を見ずに淡白な言葉を返すが、相手の素性は声で分かった。
やや間を置いて、その姿を視界に収める。

「お前も此処にいたか」

「――『足』の具合はどうだ?」

自らが傷を負わせた部位を一瞥する。
その視線は心配するような類のものではなく、事実を確認するだけのものだ。

47高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/17(月) 22:59:56
>>46

「あ、そう」「スか」

 思い出したように敬語を足した。

 声をかける口火が必要だっただけだ。煙に巻かなければいけない話もない。
 未練もなく、箱をしまう。

「おかげ様で。……つっても、アンタの怪我よりはマシかな」
「ええと」「宗像……サン」

 ぎこちなさは抜けない。

「……や、一応命のやり取りした同士じゃん?
 話すことなんてねェー……のかも知れねーッスけど。
 顔見ちまったからには、素通りもウソかなと思ってさー……」

48宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/17(月) 23:30:28
>>47

「――そうか」

「俺の方は暫く掛かるらしい」

自分の行動の結果を確認した後で、足からは視線を外す。
あの一撃が『これぐらい』と考えれば、硯も同じ程度だろう。

「いや、丁度良かった」

「やる事が見つからなくて退屈していた所だ」

持っている杖の先端で軽く床を叩き、言葉を続ける。
その口調には、例の一件を気にしている様子は無い。

「ところで――俺は、お前の『名前』を知らない」

「教えて貰えると有り難いが」

49高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/18(火) 00:54:31
>>47

「あー……」「そりゃ、なぁ……血とかヤバかったし……」

 宗像や五十嵐の『スタンド』の全容は、未だ知らない。
 負傷の瞬間を目撃したわけでもないが、しかし、あの奇妙な『スタンド』の叫び声は耳に届いていた。

 《身体ノ中カラ爆破サレタ》。

 下手をすれば、命に届いていたかもしれないほどの重傷だろう。


「……ああー、えっと」「その前にさぁ」

「俺がアンタの名前知ってるから、不公平に思うかもしれないスけど」

 名を問う声に、渋るように言葉を濁す。

 拒絶ではなかった。
 ただ、それよりも前に。
 もう一度会うことがあれば、伝えると決めていたことがある。

 彼と顔を合わせたのなら、避けて通るのは嘘だ。
 名乗らぬ非礼など、それに比べてしまえば。


「……五十嵐さん、さ」「あ、『エクリプス』のな」

 続く言葉はない。
 名を出せば、察するだろうと思ったからだ。

 乗せる感情もない。
 宗像にぶつけてしまうのは、全く筋が違うからだ。

 顔を見て、反応を待つ。

50宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/18(火) 01:29:36
>>49

聞き覚えのある名前を聞いて、脳裏に例の瞬間が甦る。
胴体に突き刺さった『チェーンソー』――それが奴の死因だった。

「『五十嵐』――」

繋がりは知らないが、あの状況下において隣に座る青年の協力者だった。
そして、俺にとっては敵だった人間でもある。

「俺が殺した男だな」

問い掛けに対し、淡々と事実を告げる。
奴を排除する事も、藤原から引き受けた仕事の一部だった。

「――続けてくれ」

青年を見返し、話の先を促す。
その瞳の奥には、冷めた光があった。

51高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/18(火) 23:56:08
>>50

「知ってたんかよ」

 高天原の手にあったときは、未だかろうじて息があった。
 助かる見込みは、限りなく低かっただろうが。

「続きはねェ。……終わりだ」

 自分のせいで零した命だというのに。
 悼むほどの話すら、知らない。

「アンタが」「もしも知らなかったら、知っとくべきだと思ったからさ」

「あん時、アンタも息絶え絶えだったし……
 アンタがどこまで起きてたのか、俺も知らねェーし」

 『スタンド』によって為された罪を裁く法はない。
 それは、罪を為したものに利益になるとばかり思っていた。

 では、その重荷を生真面目なほどに背負い込んでしまう咎人がいるとして。
 彼はどのようにして、それを償えばいいのか。


「気にも留めねェような奴なら、わざわざ言いに来なかったよ。
 そーゆーの、なんつーか……罪悪感? つーと安っぽいけど、
 『忘れないこと』って、そんな難しくないじゃん。
 でも、『風化させない』ことは、きっと難しいだろ。

 アンタは、そういうことしねー人だと思ったからな。
 ……気に入らなけりゃ、遠回しな嫌がらせだとでも思ってくれ」

52宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/19(水) 01:18:22
>>51

「あの状態で生きていられるとは思えない」

「――そう考えただけだ」

胴体を貫いた後に、生死の確認はしていなかった。
その時点で殺したと考えていたが、まだ息があった可能性もなくは無い。
だが、仮に生きていたとしても僅かな間だけだっただろう。

「あの時――俺が手を下せば、奴が死ぬ確率が高い事は予想していた」

「それを理解した上で、俺は手を下した」

自らの手で、他者の命を刈り取る。
一度目は復讐として、二度目は仕事として行った。
二度目には、一度目程の激情は無い。

「五十嵐を殺した事に対して、後悔はしていない」

「同時に、奴が死んで苦しむ者がいるとすれば、その責任は俺にある」

五十嵐の身内や親しい人間が、『復讐』に来るという事も有り得る。
命を奪った罰として殺されるべきか、生き長らえてより苦しむべきか。
そうなった時にどうするかは、まだ考えていない。

「それを『罪悪感』と呼ぶのであれば、『ある』と言えるのかもしれない」

「今――俺に出来る事があるなら、『記憶し続ける』事だけだろうな」

53高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/19(水) 23:37:00
>>52

「……アンタそういうの、慣れちゃダメだよ。
 人の生き死にがどうでもいい……ってワケじゃねーんだろ」

 責任を負うこと、責め苛まれること、記憶し続けること。
 あるいは、倫理に破綻した異常者であったなら、それを苦ともしないだろう。

 けれど、宗像はきっと、そうじゃない。

 だって彼は、百の無辜の市民のためならば、一を切り捨てる悪を為すと言ったのだ。
 命の重さよりも優先する価値観を持った人間には、本来なら為せない発想だろう。

「『死んだ方がいい命なんてない!』……
 みてーな、キレー事を言うってんじゃないっスよ。
 でもさ……『命を終わらせること』をアンタ自身の選択肢に入れちまうと、
 いつか、もっと身近で大切な人とかの生き死にの価値も、失われてっちまうような気がするじゃん」

「人が死ぬって、それくらい、ホントはおっかねェー事だよ」

 自分には、彼のような役回りなど、到底出来ない。
 必要悪の重荷など、耐え切れそうもないからだ。

「アンタ一人が、その泥被らなくたってさ……」


「…………」


「……」



「ッハァ〜〜〜〜〜……」

 深く溜め息を吐いて、うなだれる。
 慣れない役回りに、肩が凝ってしまった。

「……まあ、言いたかったのはそんだけ。
 つっても、宗像さんの半分以上年下だろうし、
 アンタの生き方に指図できるほど偉くもねーし、
 昔、なにがあったのかも知らねーし。
 空回りしてる若者に絡まれた、くらいに思っといてくださいよ」

「やっぱ喫煙室いってくる。アンタも一服、どうスか?」

 ポケットから、自分のライターを取り出して見せる。

54宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/20(木) 00:40:42
>>53

語られる言葉を聞いて、軽く目を閉じた。
かつて自分が愛した者と、その命を奪った者の姿が脳裏を過ぎる。
そのどちらも、既にこの世にはいない。

「命は重い――何をしようと、失われた命は二度と戻って来ない」

「その点に関して、俺はお前と同意見だ」

誰も犠牲にしないで済む道があるかもしれない。
あの時、この青年はそう言った。
その言葉からは、口先だけではない本物の熱意を感じた事を覚えている。

「一方で、お前は俺ではなく、俺はお前ではない」

「互いの考えや行動が食い違う事もある」

それが例の一件だ。
俺と青年は両方が倒れ、残ったのはフリーランスの連中だった。
彼らがどのような考えを持っていたのかは知らないが、
恐らくは彼ら自身の正しさに従った結果なのだろう。

「折り合いがつかない場合は、それぞれが正しいと思う事を考え、
 それに従って行動すれば良い」

「――俺は、これからもそうするつもりだ」

結局の所、俺はそういう生き方しか出来ないのだろう。
他人から指摘されて、改めてその事に気付いた。
だが、今更それを変える気は起きない。

「興味ある話をしてくれた事に感謝する」

「お陰で幾らか退屈も紛れた」

杖を握る手に力を込め、その先端でリノリウムの床を突く。
そして、やや億劫そうにソファーから立ち上がった。
その動作は、やはり少々覚束ない。

「生憎、俺は煙草を吸わない人間だ」

「だが、特にする事もない――付き合おう」

必ず必要という事もないが、まだ名前も聞いていない。
今後も顔を合わせる機会があるなら、知っていた方が便利ではある。
敵としてか味方としてか単なる知り合いとしてか――それは定かではないが。

55高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/12/20(木) 23:55:08
>>54

「『前向きに検討します』ってか……」

 宗像の主張に、ただ面を伏せる。今は、彼が的を射ている。
 正しさは各々の中にある。それを共有する必要は無い。
 高天原があの廃墟で宗像の正しさを否定したように、彼が此方の正しさに阿る必要も、また無い。

「じゃ、いつかまた、ぶつかっちまうこともあるかもな」
「……ンだよ、禁欲主義? まっ、無理にとは言わねーッスけど」

 喫煙所へと向かう。
 宗像が後を追うなら、そこで名前を伝えるだろう。

56宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/21(金) 01:02:44
>>55

喫煙所へ向かう高天原を追う。
杖を使いながら歩いている為、自然とペースは遅くなる。

「争いを避けられる可能性があるなら善処する」

あの時は、それが出来ない状況だった。
話し合いで解決出来る場であれば、それに従う事に異論は無い。

「その習慣が俺には無い」

もし俺が愛煙家だったとしたら、塀の中にいる間に苦しんだ事だろう。
幸か不幸か、そうなる事は無かったが。

「お前と俺は違う――そういう事だ」

互いに命を張り合った二人の男が、連れ立って歩いていく。
少なくとも今この時は、その背中は敵同士では無かった。

57宗像征爾『アヴィーチー』:2018/12/30(日) 16:51:21

天文台で、スタンド使いの集まりがあるそうだ。
それだけならば、特に興味を引かれる事も無かった。
だが、開催者は『アリーナ』であるらしい。
『アリーナ』に対しては、幾らかの関心を持っていた。
多少なりとも、出向く意味はあるかもしれない。

58『第五外科』:2018/12/30(日) 23:53:10

いつかぶりの再来になるが、顔は覚えられていた。
かかりつけ医になる勢いだ、と笑い、治療は終わっていた。

宗像征爾『アヴィーチー』→『完治』『支払い30万円』

59スミノフ『デマーケイション』:2019/01/17(木) 22:03:14
>>42

「よっしゃ」

「待ってろよ音仙ちゃん」

退院

60御徒町『ホワイト・ワイルドネス』【1】:2019/03/03(日) 21:58:40
【場】『自由の場』 その1
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453049221/462-463

     ピ―v-√\r-ン . . .

                           ピ―v-√\r-ン . . .


    「(私は、呪われているのか――――)」


         「(周囲の嘲りを見返すように勉学に励み、
           『黒門』を潜った後も、当時は最先端の『情報学』の研究に身を投じ、

           結局は身を結ばず、『新興市場』の『ゲーム業界』に参入し、

                               ハ ヤ
           ヒットメーカーとなるも、クソ共の罹患らせた『ソーシャルゲーム』が、
           市場を破壊し、私はこうやって、暴走自動車に襲われ――――)」


     ピ―v-√\r-ン . . .

                           ピ―v-√\r-ン . . .


         「憎い……」

         「私は、ここで終わるのか……」



.

61今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/03(日) 22:26:19
>>60

┌────────────────────────┐
│  .『御徒町』がどんな部屋にいるのかは分からない。   │
│  一般人が入り込めない集中治療室かもしれない。    │
│  あんがい軽傷で『4人部屋』とかにいるかもしれない。 │
│  あるいは『個室』かもしれない・・・いずれにせよ。.     │
└────────────────────────┘

                  『…………』

                   コール・イット・ラヴ
              『〝世界はそれを愛と呼ぶ〟』

    ┌─────────────────────┐
    │ 枕元に近付いて来るのは『スタンド』だ。      │
    │ 『マスキングテープ』でぐるぐる巻きのスタンド。.. │
    └─────────────────────┘

「先生〜っ」
「どこいったんだろ」 「せんせ〜〜いっ」

┌──────────────────────┐
│どこかから聞こえてくる声も、覚えがない。.       │
│見舞客だろうか・・・こちらに近付いて来る気がする。 │
│もちろん部屋によっては入っては来れないだろうが。 │
└──────────────────────┘

62御徒町『ホワイト・ワイルドネス』【1】:2019/03/03(日) 22:35:12
>>61

     「せん、せい……?」

          「私を、誰が呼んでいる……?」

ハッキリ言って、『御徒町』は全くの『軽傷』だったが、
救急車内の看護師にグチャグチャとクレームを垂れた上、
『訴えるぞ!』、『私を誰だと思ってるんですか!』とがなり立て、
ほとほと手を焼いた医師達の判断で、『四人部屋』に寝かせられていた。


     ピ―v-√\r-ン . . .

                           ピ―v-√\r-ン . . .


     「(今鳴ってる、私のケータイを取りに来たのか……?)」


             ヌ ゥ ゥ  .  .  .


     「グアッ!   なんじゃあ、こりゃああ〜〜〜〜ッッ!?」

     「あ、アンタ、私に何の用ですか!?」


迫りくる『ヴィジョン』に押され、思わず立ち上がる。

63今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/03(日) 23:04:23
>>62

          『〝補修〟ヲ求メル 声ガ聞コエタノデ』
          『来テシマイマシタ』

        ゴ  ゴ  ゴ
             
          『私ノ名ハ〝コール・イット・ラヴ〟』
          『アナタヲ 〝補修〟 シニキタノデス』

                   ゴ  ゴ  ゴ ・ ・ ・

「あーっ先生」

┌──────────────────────┐
│ 意味不明な事を言うスタンドだが・・・.           │
│ そこで、病室に『学生服』の少女が入って来た。   │
│ ツインテールにした髪が特徴で、他は普通だ。   │
└──────────────────────┘

「ダメですよ病院で勝手に出て来たりしちゃ」

今日は友だちのお見舞いに来たんだ。
で、突然出てきた先生を追いかけてたら病室だった。

「ごめんなさい、先生がご迷惑おかけして」

         『……迷惑デシタカ?』

「だってフツーに怖いですよ。ミイラ男に見えなくもないし」
「包帯じゃなくってマスキングテープですけど」

知らないおじいさんを直そうとしてたみたい。
だけど、いきなり先生が立ってたら多分怖いと思うし。

「……って、あれ?」

怖いと……先生はフツー見えないよね。

「あっ、先生が見えるんですね!?」

じゃあ、この人も『スタンド使い』なんだ。
おじいさんのスタンド使いって初めて見たかもしれない。

「いやあ、ごめんなさい。先生が勝手に直そうとしちゃいまして」

64御徒町『ホワイト・ワイルドネス』【1】:2019/03/03(日) 23:21:18
>>63
      ピ―v-√\r-ン . . .

                           ピ―v-√ <ブ ツ ッ>

    「『先生』とは、“これ”のことでしたか……」

『コール・イット・ラブ』を見上げ、危害を加える気がないと解れば、
サイドボードの携帯電話を掴み取り、電源を切った。

    「アンタらねェ、スタンド使いだってのなら、
     自分のスタンドくらい、自分で管理しなさいよ」


    「フラフラフラフラ歩かせてェ、
     何の了見だっていうんですかぁ」

痛む身体を起き上がらせ、現れた少女を睥睨する。

65今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/03(日) 23:37:06
>>64

「はいっ、この人が私の先生で」
「『コール・イット・ラヴ』っていいます」
「私は『先生』って呼んでますけど」

        『改メマシテ、オ初ニ オ目ニ カカリマス』
        『呼ビ方ハ ナンナリト』
        『〝先生〟デモ〝アイ〟デモ』

                 ペコーッ

「それで、ごめんなさい、『先生』は私のスタンドなんですけど」
「私が操作できるわけじゃ、なくって」

怒られちゃった。
けどまあ怒るよね、多分それがフツーだ。
 
        『〝壊レテルモノ〟ガアルト』
        『〝補修〟スル トイウ 〝本能〟ノヨウナモノ』
        『今泉サンヤ 貴方ニハ 申シ訳ナイ カギリデス』

「『自動操縦』っていうみたいで」
「もう少し早く見つければよかったです、ごめんなさい」

先生は操れないのも私にはフツーだけど、スタンドのフツーとは違う。
だから一応説明はするけど、それはそれとして、フツーに謝っておくんだ。

                       チラ

・・・そういえば、この人はなんで入院してるんだろう?
先生が動いたんだし、怪我だよね。どこを怪我してるんだろう。

66御徒町『ホワイト・ワイルドネス』【1】:2019/03/03(日) 23:58:36
>>65
「なるほど。
 私のスタンドと似たようなものですか。
 ――――最も、私のは『制御』出来てますがね。

 ……まあ、そういうことでしたらねぇ、
 貴方の『コール・イット・ラブ』は、今のところ間に合ってますよ」

外科病棟ではあるが、寝間着の『御徒町』に外傷は見当たらず、
むしろどす黒い顔色や痣を見るに、内臓系の方が悪そうに見える。

     「何とか、トラックはスタンドで防ぎましたがね、
      医者連中は『無傷』だと勝手に判断してねェ、
      私をすぐに帰そうとする始末ですよ、愚かしいじゃあないですか」

     「この、トラックで轢かれそうになった、私のような老人を、
      『元気そう』だといって病院からほっぽりだそうだなんてねェ、
      医者の怠慢でしょう! それでもプロかと、私は問うたんですよ!」

     「結局、様子を見ると言って、ベッドを宛がいましたがねェ、
      ちょっとでも手を抜いたら、私は出るところに出るつもりですよ!」

流石に病院内となれば声も抑えているが、
その声色からは自己中心的な激高が滲み出ている。

67今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/04(月) 00:43:22
>>66

「間に合ってるんですって、先生っ」
「一旦戻ってくださいね」

         『ハイ、デシタラ モドリマス』
         『イツデモ オ呼ビクダサイ』   

     シュルルル…

「ふう」

先生がかえって、一息ついた。
お見舞い用のお菓子の袋を持ち直す。

「えっ、トラックを防げるんですか!?」
「凄いスタンドなんですねえ。先生じゃ無理だなあ」
「先生は他のことが出来るから、いいんですけど」

見た感じ、たしかに怪我とかしてなさそうだ。

「でも、防げたからって危なかったのは変わりないですし」
「ちゃんと診てもらわないといけないですよねえ」
「なにせトラック事故とかフツーじゃないですし」

「内臓とか」「頭とか」「後から分かるとかあるらしいですしね!」

検査とかで無傷でも、いきなり追い出すのは良くない気がした。
実際どれくらいこの人が病院にいて、どんな検査したのかは、わからないけど。

それにしてもすごい怒ってるなあ。
これくらい怒るの、フツーなのかな。
それとも病院の人の対応がフツーなのかな。
私が見ても分からないけど、たしかに元気そうだし。なんだか難しい問題だ。

68御徒町『ホワイト・ワイルドネス』【1】:2019/03/04(月) 23:15:18
>>67
「その通り、何かあってからでは遅いンですよォ!

 昨今は、私のような『一家言』ある者を捕まえて、
 やれ『モンスター』だの『クレーマー』だのケチを付けますがね、
 たわけた話ですよォ、『象牙の塔』の最たるモノですがねェ――――」

医療体制の何たるかを滾々と語り出そうと身構えた時、
『今泉』の手に持つ『袋』を見咎め、眉を顰める。

   「まぁ、それはいいでしょう。今ではありません。

    ほれ、アンタもスタンドをひっ捕まえたんですから、
    いつまでもここにいることないでしょう。とっとと戻りなさいよぉ」

   「こっちはアンタのスタンドに驚かされて、
    身体の節々が痛みますからねェ、さっさと横になりたいんですがねェ」

ゴロン、と身体を横たえると、『今泉』に背を向けて狸寝入りを決め込む。

69今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/04(月) 23:56:08
>>68

「ですね、交通事故ですもんねえ〜」

あ、何だか長い話を聞かされそうだ。
・・・って、思ったんだけど。

なんだか、そういう感じじゃないみたいで。

「?」「あっ!」
「そうだそうだお見舞いの途中だったんでした」

紙袋の中身をまだ渡しに行ってないんだ!
早めに思い出せて良かった、そろそろ行かなきゃ。

「いや〜長居しちゃってごめんなさいっ」
「あ、えーと」「それと、お話とかありがとうございました」

                 スタスタ

「それじゃあ、お大事にしてくださいねっ」

おじいさんも寝ちゃうみたいだし、友だちのお見舞いに戻ろう。

70平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/18(月) 23:59:58
【ミ】『想貌』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1547738761/91

『全治二週間』

――――――――――――――――――――

「参ったな」

包帯と湿布まみれになってしまった。それは良いとして。
『二週間』。二週間だ。家族や職場に何と説明したものか……
あるいは『緒方、『緒方さん』がなんかウマいこと処理してくれないものか……悩ましいところだ。

「……」

でも悩んでもどうしようもないので、そういうヤヤコしいことは明日の自分に任せて缶コーヒーをすする。つめた〜いやつだ。
病室のベッドは気が滅入る。待合い?でいいのか?こういうスペースが気楽だ。タバコが吸えない。それにも参った。
まったくエラい目に合ったものだが――別に嫌な気分じゃあ、ない。本当に、楽しかった。

71平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/19(火) 00:51:02
「(あのとき)」

ズズ

ゴクゴク飲むと喉が痛むので、啜る。絞められた首。

「(首を絞められたとき)(あの『歯車』は『減速』させるためじゃない。単なる確認)」
「(『噛む』かどうかの、確認だった。首絞めを外す前に『二枚』はリスキーだった。肉を千切られたら駄目だものな)」
「(だから一枚で確認して――『緒方』のお陰で――首絞めも外した。想定通り。『暴走の反発衝撃』だ)」

そんな、荒っぽい経験は無い。ケンカどころか…だ。

「(思いつきがある。試してみる。嵌まる)(…楽しい。なんであんなこと思いつけたんだ?)」

「(楽しい……)」
                    ス リ ル
まるで、新しい遊びを覚えた子供めいた『高揚感』。
ぼんやりと弄ぶように、想い続ける。

72スミノフ『デマーケイション』:2019/03/21(木) 22:47:44
>>71

「なぁ、兄ちゃん。ライター持ってねぇかな」

平石に声をかけたのは男だった。
ラフな服装をして、顔にはガーゼが貼られていた。

「別にないならないでいいんだけどよぉ」

73平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/22(金) 20:00:16
>>72
まず、考え事をしていたから、声をかけられてから反応するまでにすこし時間がかかった。
そのあと無言でポケットを探ってみたけど何も無かった。その時間もイラついたと思う。
極めつけに

「ちょっと待ってくれますか」

と抜かして自分の病室までライターを取りに行ったのは最悪だったし、その間待っててくれたとしたらあなたはものすごくいい人だ。
そういう理由で、待合に戻ってきた平石が(ライターと、ちゃっかり自分のタバコも持っている)、『待ってるかな?』と間抜けな顔で見回している。
待っててくれたなら、声をかければ『ライター』はここにあるという意味だ。

74スミノフ『デマーケイション』:2019/03/22(金) 22:55:30
>>73

「おお、待っとく」

ぼうっとして相手が戻ってくるのを待つ。
飽きてきたのか壁際で空気椅子を始めたが。

「ここだぜ兄ちゃん」

戻ってきた平石の姿を確認し、そちらに歩いていく。

「待ってたぜ」

75平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/22(金) 23:47:23
>>74
「お待たぜじぢゃって」

 ゴホン

「失礼」

傷めた喉のせいで発音が濁った。
ライターを差し出す。ふつーの100円ライターだ。

「たばこ?」

疑問というよりは確認という意味だ。

76スミノフ『デマーケイション』:2019/03/22(金) 23:52:37
>>75

「別に構わねぇよ、病人引っぱってるしな」

そう言って首を鳴らした。

「煙草だよ」

「ライター持ってるんだ、お前もやるんだろ?」

「一緒に行くかい?」

77平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/23(土) 00:00:33
>>76
「そうだな…」

持ってきたくせに、喉の怪我が気になる。

「……」「(吹かすくらいなら、いいよな。平気平気)」

結局のところは欲に負けるわけだが。
最初から分かっていたことだ。そーいうものだ。

「行こう」

喫煙所でも、外のすみっこの灰皿でもいい。タバコの吸えるところへ向かおう。
脇も痛む。庇いながらだ。

78スミノフ『デマーケイション』:2019/03/23(土) 00:08:34
>>77

「あぁ」

向かうのは喫煙所だ。
偶然なのか人は少なかった。
平石に歩調を合わせつつ、男が笑う。

「随分派手にやったみたいだなぁ」

「締められたり蹴られたりって感じか」

79平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/23(土) 00:19:56
>>78
慧眼だ。
慣れているのか? つまり、絞められたり蹴られたりって感じのことに。
さすがに訊くのは気が引けた。

「実は」

「『ゾンビ』に掴みかかられて」

言ってみて、そんなに面白い字面ではないなと思った。

「……つまり、そのくらいしつこい輩に、って意味だ」

面白くない補足だ。
喫煙所に着いたなら、ライターを渡し、タバコを取り出し、返してくれるのを待とう。

80スミノフ『デマーケイション』:2019/03/23(土) 00:47:16
>>79

「ゾンビね。まぁ、そんなもんだ」

小さなタバコの箱。
サンプル品らしく、箱には四本しかタバコが入っていない。

「こっちだって本気で相手するけど、殴っても殴っても起き上がる」

あの時もそうだった。
猫を巡る騒動。
レインコートと現代の忍。
思い返せば厄介で手強い相手。

「痛てぇしな」

タバコに火をつけ、ライターを返す。

81平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/23(土) 01:45:59
>>80
「君は割と、殴るとか蹴るとか、慣れてる感じだな」
「好き好んでってわけでもなさそうだけど」

気が引けたことだが、具体的に『殴る側』であることを告げてくれたので、指摘した。
火をつけて、吸い込み…

「げほっ」

むせた。吹かすだけにしようとしても、クセになっている。逆にムズカしい。

「…ああ。そうだな。」

楽しかった、が、痛い。
痛い、が、楽しかった。微妙なニュアンスが異なる。オレはどっちだ?彼は?
いや、彼は単なる『ケンカ』について喋っているのだろう。普通はそうだ。
何がどうってわけじゃないが、殺し合いと比較するべきではないだろう。
そういえば今ふと思ったことだが、ゾンビと喋る生首を車から突き落として、それは『殺した』うちに入るんだろうか。

「……」
「(そういえばごく自然にやって、『やれやれ終わった』くらいに思っていたが、考えてみれば相当なアレだよな)」
「(どう話をする? いやいや、言えない言えない)」

「見ての通りオレは喉と脇腹を特にやられたし、ロクでもないな。」

82スミノフ『デマーケイション』:2019/03/23(土) 02:31:20
>>81

「殴るのも蹴るのも、殴られるのも蹴られるのもお手の物だよ」

「そればっかりを考えて生きてる」

むせる平石のせを軽く叩く。

「喧嘩を楽しみだしたらヤバいけど、あんたはまだ大丈夫かねぇ」

遠くを見つめて煙を吐いた。
肺に空気でないものが満ちる。

「まぁなんでそうなったのかは知らねぇが、生きてる以上はロクでもないって訳でもねぇよ」

「で、何したんだ? 喧嘩にしては随分じゃねぇか」

「喉が潰れるほど強く締められた。普通じゃねぇよ」

「この世には普通じゃねぇ喧嘩ってのがあるんだ」

83平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/23(土) 03:11:53
>>82
「そればっかり? 」

マジか。いろんな人がいる。
心配してくれているということは、いきなり襲いかかってくるヤツじゃない。
それだけで充分だ。

「何、って」「さっき言ったじゃないか」

「ゾンビに掴みかかられた」「って」

冗談めかした繰り返しだ。彼の言う『普通じゃないケンカ』に、これは含まれるのだろう。多分。
なんとなくだが。そんな気がした。

84スミノフ『デマーケイション』:2019/03/23(土) 23:06:46
>>83

「野球少年はずっと野球してるだろ。それと同じだよ」

「まぁ学問に目覚めた時期ってのもあるから殆どっつってもそこまでだが」

それでも多くの時間を闘争に費やしたのは確かだ。

「ゾンビね。まぁ、それでもいいが」

「話したくないならいい。分かる奴には分かるに落ち着く」

ぼーっと煙を吐き出す。

「人間じゃねぇものか、ゾンビぐらいしつけぇやつとやったってだけの話で済ませてくれていい」

85平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/03/25(月) 00:27:07
>>84
「済ませると言うか、うん」

本当のことなのだが。
まあ、『本当なんです!』と主張するつもりはない。
どう話せばいいか分からないという理由もあるが、それ以上に――
……闘争に費やした時間は比較にもなるまい。
彼が『どんな』『何を』やるのかは、想像もつかない。
そんな相手に、初心者が自慢げに話すのも笑われそうだ。要は恥ずかしい。

「『そういう話』だよ」「…ン」

時計を見ると診察の時間が迫ってきている。

「もう診てもらう時間だから、行くよ」「あ、『ライター』いる?」
「オレのはこれ予備だから、持っててくれていいし」

押し付ける感じになるかもしれないが、グッと渡して先に喫煙所を出よう。

86スミノフ『デマーケイション』:2019/03/25(月) 01:13:53
>>85

「貰っとくぜ。今度会った時に返す」

そう言って相手を見送る。

(あいつもそうなんだろうなぁ)

ぼんやりとそんなことが頭に浮かぶ。

(ゾンビってのはどんなものか)

(柔けぇなら、一発でぐちゃぐちゃだわな)

緩やかな思考と共に紫煙が浮かんだ。

87平石基『キック・イン・ザ・ドア』:2019/04/08(月) 21:33:40
>>70
『退院』

88鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/15(土) 23:37:16
【ミ】『想貌』
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1547738761/349
『全治三週間』
──────────────────────────────



「何とか納得はしてくれたが」「・・・・・」
「三人とも…悲しい顔をしてたな…」



鉄 夕立『シヴァルリー』→『入院』

89鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/24(月) 22:49:36
「・・・・・・・・・・」グルグル

病院の外庭にあるベンチ。そこに一人の青年が腰かけていた。
入院着に身を包みながら、何か考え事をしているようだ。
ちなみに左手にはボールのようなものが握られており、それを手首を動かして回している。

90竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/24(月) 23:27:43
>>89

「あっはっはっは」

笑う女がいる。
何がおかしいのか、けらけら笑っていた。
傍には腕を吊った男性がいて、彼の背をバシバシと遠慮なしに叩いていた。
何か二、三言の言葉をかけたと思えば、手をあげて別れた。
ふぅ、と息を吐いて女がかつかつとベンチの方に近づいてくる。

「座っていいかな、少年?」

にこやかな雰囲気で女はそう言った。

91鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/24(月) 23:36:31
>>90

>「座っていいかな、少年?」

「ッ─────?!」

思案を巡らせている所に話しかけられ、ハッとして声の方を向き、そして慌てて逆の方を見る。
声の主は、女性だった。それも、初対面の。
緊張して上擦る声を抑えつつ、手をベンチに向け、示す。

「どっ、どうぞ」

92竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/24(月) 23:54:27
>>91

「?」

どっとベンチに腰を掛ける。
隣に座る君の顔をじぃっと見つめている。
それからにっと歯を見せて笑う。
悪い笑顔だ。

「なにどもってんのさ?」

「お姉さんが悪い人に見えたわけ?」

ずりずりと傍に寄ってきていた。

93鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/25(火) 00:01:49
>>92

「あっ、いえっ」「決してそういう、わけではっ」

女性がずりずりと傍に寄る度に、俯いて同じだけ距離を開ける。
我ながら彼女に大変失礼だと思うが、なかなか一朝一夕には治らないようだ。
これ以上距離を詰められるとうまく話せそうにないので、別の話に切り替えよう。

「あ、あの」「あなたも、ここに入院しているんですか?」

94竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/25(火) 00:19:10
>>93

「そう? ならいいんだけど」

視線は外さない。
相手の反応を楽しんでいる目だ。
だからずっと見続けている。

「いんや、お姉さんは元気いっぱいいっぱいだから入院はしてないよ」

「少年の方はどうかな? 入院かな? 服みりゃ分かるけども」

「……そのボールは?」

95鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/25(火) 00:31:31
>>94

「…あぁ。そうなると、お見舞い、ですか」「…ご親族の方ですか?」

自分に家族が会いに来てくれたように、お見舞いといえば親族が一番多いだろう。
兄弟姉妹か、あるいは両親だろうか?誰にせよ、その人も早く良くなってくれればいいが。
その人も自分と同じで、周囲に心配をかけてしまった事をきっと悔やんでいるはずだ。

>「少年の方はどうかな? 入院かな? 服みりゃ分かるけども」

「オレは…その、少し『肋骨』をやってしまいまして」「『全治三週間』…とは言え、残りは二週間ないくらいですが」

>「……そのボールは?」

「これは、スナップボールと言って…手首を使って回転させる事で、筋力を鍛える道具ですね」

病院であまり身体を動かせないからといって、鈍ってしまっては困る。ので家族に持ってきてもらった。
流石に人と話している時には回したりはしないけれど。

96竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/25(火) 00:50:06
>>95

「いや?」

「お姉さんの知ってる人なんて誰もここにいないけど?」

笑みが消えた。
細められた目が見据えている。

「肋骨かぁ……辛いねぇ。息するたびに痛む?」

「どう、そこんところ」

宙に彼女の人差し指が円を描く。
くるくる、ゆっくりと円を描く。

「トレーニング! いいねぇ健全で健康で優良だよ少年」

「何かスポーツでも? 野球? ハンドボール? それともサッカーかな?」

「お姉さんの予想だと、少年は中々やるタイプだけどどうかな?」

97鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/25(火) 01:00:25
>>96

>「いや?」

>「お姉さんの知ってる人なんて誰もここにいないけど?」

「・・・・・・・・・・?」

予想しなかった答えに、思わず女性の方へと振り向いた。すぐに目線は斜め下の方に外してしまうが。
健康である、そしてお見舞いではない。しかしこの病院に来た、となると。
他に考えられるものは。

「なら…お仕事、でしょうか?」「この病院と、何らかの取引をしている、とか」
「あるいは、勤務先…ですとか」

彼女の格好は看護師には見えないが、休日に職場へ来たりすることもあるかもしれない。

「激しく動かなければ、今はある程度は大丈夫です」「怪我をした当日は、動くのも中々辛かったですが」

あの戦闘後は別のことに意識を取られて痛みが気にならなかったが、落ち着いた途端に激痛が走り出した。
やはりアドレナリンのようなものが出ていたのだろうか、と考えていると。
おもむろに人差し指を動かす彼女に、今度は視線を指先へと向ける。何か意味合いがあるのか、それとも癖なのだろうか。

「『スポーツ』と言うよりは、『武道』ですね」「『剣道』をやっています」「一応、今はレギュラーに入らせて頂いてますが…」

98竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/25(火) 01:33:37
>>97

「んーん。お仕事もこういうとこのじゃないね」

「それがどうかしたの?」

あっけらかんとそんなことを言っている。
さもここにいるのが当然という感じの顔だ。

「ふぅん、大変だったねぇ。それにして剣道か」

「汗臭いイメージがあるけど、少年結構可愛いし、モテるんじゃないのォ?」

「どうどうどう?」

99鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/25(火) 01:38:45
>>98

「・・・・・?」「それでは、あなたは何の目的でこの病院を訪れたのですか?」

単刀直入に訊ねる。
今のところ、彼女の言葉を統合すると、ただ理由なくこの病院を訪れたことになってしまう。
しかしそれが公園や海岸ならともかく、病院をただの物見遊山目的にする人間がいるとは思っていない。

「モ、モテ…いえ、自分は、そういうものとは
全く縁が遠い人間、でして…」
「そもそも、女性というものに対して、なかなか苦手意識がありまして…」

色恋沙汰の話には疎い。どころか、基本的に触れたことがない。
そもそも、女性に対して物理的に触れたことすらほぼない。再び視線を落とす。

100竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/25(火) 12:48:33
>>99

「お姉さんが病院好きって言ったら信じる?」

それも、さも当然という感じだった。
ここに来るのは彼女の趣味である。
時々こうしてやってくる。
病院が好きなのだ。
消毒の匂いも、そこにいる人も好きだ。

「えー勿体ないなぁ」

「でも苦手意識か……うーん、生まれだとか育ちだとかそういうのもあるからなぁ」

何が勿体無いのだろうか。
どうにも思考が自分の中だけで巡っている。
外部に出力されない分は当然わからない。
余程察しがいいか、心を読む力でもなければ。

「お姉さんで練習してみる?」

101鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/25(火) 22:08:23
>>100

「・・・・・・・・・・」
「なるほど」「いえ、納得できました」

どうやら、本当にただ病院を見に来ただけのようだ。
自分には理解できないが、世の中の人の趣味嗜好はそれだけ様々なのだろう。
例えば病院の清潔な感じが好きとか、消毒されてアルコールの匂いが好きとか、そういったものかもしれない。
ただ失礼ながら、少し変わった人だな、とは思ってしまったが。

「練習…ですか」「何か、効果的な特訓方法をご存知なのですか?」

治そうとしてくれる申し出はありがたいし、方法を知っているのならば是非ご教授願いたい。
今すぐ恋人を作りたいとかは考えたことはないが。いずれは、そういう大切な人間が増えていってほしい。
身体を真横へ向けつつ、目線は地面を見ながら問い尋ねる。

102竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/26(水) 06:19:08
>>101

「ふぅん、そっかそっか」

「分かってくれたかぁ」

口許が弧を描く。
にんまり、という感じだ。

「効果的も何も少年、こういうのは何事も慣れなんだぜ?」

「苦手だなんだって遠ざけてるといつまで経っても慣れないんだ」

「だからね」

ずずいと女が寄ってくる。
視界の中に収まる彼女の足の面積が広くなった。

「まず、お姉さんの目を見なさい」

103鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/26(水) 22:19:30
>>102

「っ」

視界に入ってくる女性の足に、目線を反対方向、ベンチの背側に向ける。名も知らぬ植物の茂みが見えた。

>「まず、お姉さんの目を見なさい」

「それ、は…」

『Lesson1』という事なのかもしれないが、初回から難易度が高い。
個人的には、その辺りは『Lesson4』くらいだ。いや、具体的に内容を考えたことはないが。
『Lesson1』を自分で作るなら、女性へLineを送るくらいだ(鳥舟さんへは半日かけて内容を考えた)。

だが、せっかく自分の為にこの女性が協力してくれているのだ。しかも、彼女には何の得もないというのに。
ならば男として、この申し出を無下にはできまい。深く息を吐き、勢いよく視線を合わせる。

「──────────ッ!!」

鉄の灰色の瞳が、女性の瞳を見つめ返した。

104竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/26(水) 22:45:05
>>103

「よし」

思わず背中に走る感覚を味わう。
背骨を伝わる冷たいが熱いもの。
これは喜びというものだ。
女は楽しい。

「逃げるな? 目線はお姉さんに合わせなさい」

その声は脳に響く。
鼓膜を通ってそこにたどり着く。

「お話して?」

ゆっくりとまた距離を詰める。

105鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/26(水) 22:56:10
>>104

目線が合う。
やはり女性という生物は、自分とは、男とは違う。
身にまとっている雰囲気もそうだが、こう、何というか、柔らかいものがある。
それは骨格的なものなのだろうか。それとも肉感的なものだろうか。
剣道の試合ならば、立会いから取るべき行動は分かる。相手の行動に対して次に何をすべきかも。
だが、完全に未知の生命体で、しかも男と比べて美しい相手には、何をしていいか分からない。
何を話すべきかも分からず、迂闊に動けば傷付けてしまうのではないかとも思い、
そしてその動揺を感じとられているようで─────。

「無理、です」

ギブアップした。目線を外し、再びベンチの端に下がって距離を置く。
これ以上は、身体を休める前に心がやられてしまいそうだ。

106竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/26(水) 23:07:18
>>105

「早えー!」

そう言ってけたけたと笑った。
愉快そうだった。

「ごめんごめん、刺激が過ぎた。ふふっ、あははっ、ほんとに苦手なんだねぇー!」

手では謝罪しつつも笑いは止まらない。

「ま、仕方ないね。少年ごめんごめん」

「でも、ここまでとは思わなくってさ。最終的には首に腕回したりおでこくっつけるとこまで行く予定だったんだけどさぁー」

今のレベルだと茹だってしまいそうだ。
君のことを考えているようで考えていなかったのかもしれない。

「ごめんね?」

107鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/26(水) 23:23:24
>>106

「・・・・・・・・・・いえ」

絞り出したような、小さな声になった。
これならまだ部活動の合宿の方が、優しく思える。剣道の試合が男女混合でなくて、本当に良かった。
そして、自分は本当に女性が苦手なんだな、と改めて実感する。
何度か会えば多少はマシになるが、初対面だと目を合わせられて数秒だ。

「至らないのは、オレの未熟さ故であって、あなたは何も悪くないと言いますか」
「そもそも、オレを見兼ねて助けようとしてくれたあなたに対して、自分こそ何もできずに、申し訳ありません…」

己の不甲斐なさに肩を落とす。
と、そういえばこの人の名前を聞いていなかった。

「そういえば、お名前を聞いていませんでした」
「オレの名前は鉄 夕立(くろがね ゆうだち)です。お手伝い頂き、ありがとうございました」

一礼をする。

108竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/26(水) 23:38:31
>>107

「いんや? こっちも楽しんでたからお互い様ってことで」

まだ笑みの抜けきらない顔で言った。

「夕立くんね、おっけーおっけー」

「お姉さんは竜胆。竜胆お姉さんでも竜胆お姉ちゃんでもお好きなように」

「あ、そーだ。君に準備が出来たらまたトレーニングしてあげるよ。連絡先、交換しよっか?」

スマートフォンを取りだした。

(君みたいな子は目をつけておきたいしね)

109鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/26(水) 23:48:22
>>108

「竜胆さんですね。了解しました」

名前を記憶しておく。
竜胆。確か植物の種類だった気がする。花の形や花言葉までは知らないが。
名字だろうか、それとも名前だろうか。とはいえ片方しか言わないというのは
恐らくそちらの呼称が好ましいのだろうと判断した。竜胆さん、だけで十分だろう。

>「あ、そーだ。君に準備が出来たらまたトレーニングしてあげるよ。連絡先、交換しよっか?」

そう言ってスマホを取り出した竜胆さんに、申し訳なさそうに首を振る。

「その、実は自分のスマホを人に預けたままにしていまして…」
「もしよければ、オレの電話番号とLineのIDを書かせて頂きますが」

メモは持ってきてないが、竜胆さんのスマホのメモ帳にでも書かせてもらおうか。
しかし、早いところ塞川さんからスマホを返してもらう必要がある。
とはいえまた会える保証などない以上、新しいスマホを買うべきなのかもしれないが。
臨時収入があったとはいえ、無駄遣いはしたくない。

110竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/27(木) 00:06:07
>>109

「え、人に預けてる?」

「貴重品だぞ? 何考えてるの少年」

ちょっとびっくりだ。
目をぱちぱちさせていた。

「んー、じゃあお姉さんの電話番号とLINEのIDを教えてあげよう。手元に戻ってきたら君から連絡して」

ポケットからメモ帳とペン。

「仕事柄ね、いるんだ」

「ほら、あげる」

111鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/06/27(木) 00:22:53
>>110

「いえ、その、成り行きと言いますか」
「渡した後で、少し火急の用ができてしまいまして…」

竜胆さんの言葉はごもっともである。
今にして思えば『警察署』に行く前に返してもらえば良かったのだが、あの時は冷静さを欠いていた。
自分はそこまでスマホを使ってないと思っていたのだが、失くしてからその重要さに気付いた。
いや、それは流石に言い過ぎだが、やはり連絡をするという点でスマホの電話帳機能は必要不可欠だった。
今、自分は家族以外の人間に電話をかけることができないのだから。

「ありがとうございます」「仕事上…記者、なのですか?」

と、病院の方から看護師の人に名前を呼ばれた。どうやらそろそろ病室に戻る必要があるらしい。
渡されたメモ帳の一ページを胸ポケットにしまうと、立ち上がって再度礼をする。

「ご協力頂きありがとうございました」「またお会いしましょう、竜胆さん」

最後に少しだけ目線を合わせて、背中を向ける。ほんの少しだけ、女性に対して慣れられたかもしれない。
この人は病院が好きだと言っていた。入院中は、もしかしたらまた会う機会があるかもしれない。

112竜胆『ブラックシープ・シンドローム』:2019/06/27(木) 01:01:06
>>111

「ふふ、お姉さんのお仕事が知りたかったらもっと仲良くなることだねぇ」

意味ありげに笑ってみせた。

「さようなら夕立くん、また今度」

(……実はID、嘘なんだよね。電話番号だけが本当)

書いたIDは適当な企業の公式アカウントのものだ。
つまり、連絡を取るためには電話をしないといけないわけで。
別にショートメールでも大丈夫なのだけれど。

「次はもっと楽しいことができるといいね」

その背を見送る。
満足そうな目がずっと背中を見ていた。

113鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/07/01(月) 23:12:56
>塞川『クリスタライズド・ディスペア』

電話越しに伝えられた病室番号。それを確認し、ドアをノックする。
年上で、しかも女性だ。この程度の礼儀はわきまえている。

「こんにちは、鉄(くろがね)です」

114塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/07/01(月) 23:32:55
>>113
「ああ、入んなよ」

告げられた病室は『個室』だった。
ノックの後に、部屋内から返答がある。

「久しぶりだなァ、『夕立』。
元気そうで、何より。ってな」

ドアを開いた『夕立』を、ベッドから上半身を起こして迎えた。

115鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/07/01(月) 23:40:56
>>114

「失礼いたします」

ドアを開けて、一礼をする。チラリと視線を合わせて、すぐに病室の窓へと向けた。

「病院の中で元気というのも、妙な感じですけどね。少なくとも命があって良かった、という所でしょうか」
「オレは全治『3週間』でしたが、塞川さんも似たようなものですか?」

傍らの椅子に腰掛けながら、訊ねる。

116塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/07/01(月) 23:55:37
>>115
「ああ、私もそんなもんだよ。
ただ、もうほとんど治っちゃいる気はするがな。
大袈裟なんだよな。ほらよ」

椅子に腰かけた『夕立』に、『スマホ』を軽く放って渡した。
ベッド脇は、見舞い品と思わしき果物や書籍など、
雑多な品で埋まっている。

「そして、まずは礼を言わせてほしい。
奴の『スタンド』―――『スロウダイヴ』。
あれほどの戦闘能力を持っているとはな。
あんたがいなきゃ、マジにやばかった。私の見立てが悪かったぜ」

117鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/07/02(火) 00:09:54
>>116

「確かに、もう大分身体は動くようになってきましたね」
「患者に万が一の事があれば、病院側の責任になってしまうからでしょうか」
「…塞川さんは、こういった事態は手馴れていますか?」

放られた『スマホ』をキャッチしつつ、ふと訊ねる。
怪我に対して物怖じしないというか、大した事ではないと言い切るのは、こういった荒事に慣れているのだろうか?
そういえば、自分は塞川さんが普段どんな仕事をしているのか知らない。
差し入れらしき物を見る。彼女にそれらを持ってきたのは、職場の友人なのだろうか。


>「そして、まずは礼を言わせてほしい。
>奴の『スタンド』―――『スロウダイヴ』。
>あれほどの戦闘能力を持っているとはな。
>あんたがいなきゃ、マジにやばかった。私の見立てが悪かったぜ」

「いいえ、一人では危なかったのはオレも同じです」
「『ガラス化』という脅威があったからこそ、オレの刃も通じたわけですし」
「そもそも塞川さんの推理がなければ、犯人に辿り着けなかったと感じています」

「…『新聞記事』はご覧になりましたか?」

118塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/07/03(水) 19:59:22
>>117
「スタンド使いとのトラブルって意味なら……経験はないな。
だがまあ、面倒なヤツってのはどこにでもいるからなァ。
お、どれでも食べな。 見りゃわかるだろうけど、余ってんだよ。
ドカドカ持ってくる連中がいるからな」

鉄の視線に気づき、ベッド横の洋菓子のセットを乱暴に破いて、
中身を1つ取って残りを『鉄』に差し出す。
置いてある『果物』もだが、目の前のものも随分と『高級』に見える。
少なくとも、『同僚』が持ってくるようなものではなく……種類も豊富だった。

「ふーん、ま、そういう事にしとくか。
あんたがそーいうならな。
………『新聞記事を見たか、だと?」

鉄の言葉に表情を変え、
ベッド脇の書籍の一冊を掴んで、乱暴に『鉄』へ投げてよこす。
――『時雨蛙』だ。

「見てるに決まってるだろーが!
死んでるじゃあねーかよ、『切江』が!
どーなってんだ、一体!」

怒鳴った勢いのままベッドから起き上がり、
『鉄』の襟首を掴んで顔を近づける。

「あの後何が起こった?
時系列的に、私たちがあのビルに向かった頃には、
『立石』は襲われていた可能性は高い。あんたが『襲撃』について関係がある、とは思わねーが。
それでも、あんたは確かに何かに『気づいた』………そうだな?」

119鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/07/03(水) 21:21:45
>>118

(家族…あるいは、恋人だろうか?)

「ありがとうございます」

礼を述べながら、洋菓子の内の『プレッツェル』を手に取り、食べる。
持ってくる『連中』と言うからには、一人ではないのだろうが。家族と恋人、あるいは恋人たちの可能性もあるのだろうか。
あまり深くは突っ込まない方がいいかもしれない。

「─────」

と、投げられた漫画本を受け取る。これが『時雨蛙』か。結局、まだ読んではいなかったが。
入院中の間、塞川さんに貸してもらおうか。など考えていたら、襟首を掴まれた。

「その通りです」
「それでオレは『切江』に事情を訊きに行ったんですが、既に『立石』さん共々
 『通り魔』らしき人間に襲われてしまっていたようで、後はご存知の通りです」
「不可思議なことに、『切江』は襲撃者に対して一切抵抗はしなかったようですね。死を受け入れたかのやうに」

襟首を掴まれたまま、塞川さんの瞳を見ながら淡々と述べる。

120塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/07/03(水) 22:09:51
>>119
「ちっ……」

真っすぐな『鉄』の瞳から目を逸らすように、
乱暴に手を離す。

『切江』が何を考えたかは、私にはわからん。
推理ごっこをするのにも、材料不足だ。
だが……立石がついていながら、みすみす襲撃を許したというのは、
『普通』なら考えにくい。そうだな?」

「あんたの『気づいた事』とは何だ?
それが聞きたい」

121鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/07/03(水) 22:24:09
>>120

>「あんたの『気づいた事』とは何だ?
>それが聞きたい」

「数ヶ月前、オレの妹が『通り魔』に襲われました」
「犯人は恐らく『スタンド使い』です」
「そして『時雨蛙』の最終話」「その登場人物の一人は、オレの妹の『鉄 朝陽(くろがね あさひ)』でした」

「…『立石』さん達を襲った人間も、恐らく『スタンド使い』です」
「『切江』をブン殴ってでも、事情を聞くつもりだったんですけれど」

122塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/07/03(水) 22:51:07
>>121
「はぁ〜〜〜?なんだそりゃ?」

「……と、言いたいとこだが。
あんたの見ていた『頁』は、私も見ていたぜ。
確かに、腕を『切られた』、女がいたな。
そして、『他人の空似』ではないんだな?」

長い髪をかき上げて、窓の方を向いてぶつぶつと喋り出す。

「フン、これも『曳船』のスタンド能力……その一環か?
あるいは、こんな言葉を使ってやるのはシャクだが、『運命』なのか。
確かに、『切江』を殺ったのも、刃物ではあったな」

そして、鋭い目を『鉄』に向ける。

「事情はわかった。
で、現状、あんたはどうする気なんだ? 『夕立』。
その『通り魔』を見つけたいのか?」

123鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/07/03(水) 23:23:18
>>122

「間違いなく、あの子はオレの妹です」「まるで本人を見て描いたかのようでした」
「…オレの思い過ごしでなければ、切江はオレを知っているようでした」
「オレの妹も、もしかしたら何らかの形で見ていたかもしれません」

もっとも、覚えている限りこちらには面識はないが。
剣道の大会にでも来たのだろうか。

>「事情はわかった。
>で、現状、あんたはどうする気なんだ? 『夕立』。
>その『通り魔』を見つけたいのか?」

「もちろんです」「オレはその為に『スタンド使い』になりましたから」

「…ご馳走様でした」

プレッツェルを食べ終えた。

124塞川唯『クリスタライズド・ディスペア』:2019/07/03(水) 23:53:32
>>123
「わからないか? 『夕立』。
もはや『切江』はいない……答え合わせをすることはできねーが。
あいつが偶然にも、あんたの妹を、
そして『通り魔』を繋ぎ合わせ
偶々『現実』に近い絵を描いたと考えるよりも、
もっとわかりやすい答えがあるじゃあねーか」

「つまり、奴は『見た』んだ。
その『通り魔』の瞬間を!
あんたがその場所に『居た』ってんなら、
『切江』があんたを知ってるって事も腑に落ちるが、それは多分違う。そうだな?
真実はもっと複雑だろう」

冷静に見える『鉄』を観察しながら話す。

「『切江』が見たって事は、その逆も然り。
そう考えるなら、今回の『襲撃』が出来た理由……というか、因果もうっすらと見えてくる。
切江が通報しなかった以上は、『口封じ』という訳ではなさそうだがな」

>「もちろんです」「オレはその為に『スタンド使い』になりましたから」

「聞きたいのはその先だ。
『通り魔』を見つけて………そしてどうするんだ?
私に言わせれば、あんたは危なっかしいんだよ。
一見すると、『生真面目なヤツ』って印象だったが………決定的なところが、危なっかしい。
『危険』だ。
それは、あんたのスタンドを見てもわかる」

125鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/07/04(木) 00:38:00
>>124
>「つまり、奴は『見た』んだ。
>その『通り魔』の瞬間を!
>あんたがその場所に『居た』ってんなら、
>『切江』があんたを知ってるって事も腑に落ちるが、それは多分違う。そうだな?
>真実はもっと複雑だろう」

「…その場合、この最終話に出てきた他の人間も『通り魔』の犠牲者の可能性もあるわけですか」
「オレの妹の事件が、最初で最期の目撃だったのかもしれませんが」

『通り魔』にインスピレーションを受けたということか。
だが、それが『スタンド』による犯行ならば切江には見えなかったはずだ。
しかしあそこまで『漫画』に人生を費やしてきた切江ならば、何かを感じ取ることができたのだろうか。

「…やはり」「塞川さんにこのことを相談して良かった」

自分の予想の更に先を推測してくれる。これが犯人を追い詰める手がかりになるかもしれない。
もちろん決め付けるわけにはいかないが、視野が広がるというのはありがたいことだ。

「…アレが何かの間違いであったなら、数発殴る程度で終わらせますが」
「もし意図的に行ったのであれば、『再起不能』にします」
「そう思っていたのですが、どうやら後者で決まりのようですね」


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