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【場】『自由の場』 その1

1『自由の場』:2016/01/18(月) 01:47:01
特定の舞台を用意していない場スレです。
他のスレが埋まっている時など用。
町にありえそうな場所なら、どこでもお好きにどうぞ。

932『その夜の翌日』:2021/04/19(月) 04:35:17

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453647686/994
『その夜』の翌日――――――。

「全く大変な夜だった。本当に参ったよ」

『Luna-Polis』の一室を訪れた『桐谷研吾』は、
疲れ切った表情で口を開いた。
分厚いカーテンが引かれた室内を照らすのは、
間接照明の明かりだけであり、昼間でも薄暗い。
外界から隔絶された部屋の中で、
キーボードをタイプする音が響いている。

「あぁ…………『あれ』ね…………」

ソファーに座っていた『御影憂』が、スマホから顔を上げた。

「最初に見つけたのが僕だったんだ。
 『異臭がする』っていう通報があって、
 近くの交番に警邏命令が出されてね。
 嫌な予感はしてたんだけど、現場に行ってみたら……」

「………………『ご対面』」

御影の言葉で『その時』の光景を思い出し、
桐谷は無意識に頭を振った。

「――――『詳細』は?」

パソコンのモニターから目を離さず、
途切れる事なくタイピングを続けながら、
『度会一生』が尋ねた。

「名前は『デルデルデ・ソエ・キュイス・ザラマーン』。
 年齢は『24歳』。『移動販売のカレー屋』を経営。
 『中東』からの出稼ぎだったらしいけど、
 アパートの管理人によると日本語は流暢だったとか」

「ただ、『就労ビザ』が期限切れだったし、
 公共料金も滞納してた。
 住んでいた場所といい、
 暮らし向きは相当厳しかったんだろうと思うよ。
 売り上げはどうあれ、『あんな契約』じゃあ、
 それも当然かもしれないけど」

この世の中に、
『法に触れない犯罪』というのは確かに存在する。
それは、何も『スタンド』に限った話ではない。
悪知恵の働く人間が、
立場の弱い者を虐げて搾取するというのは、よく聞く話だ。
厄介なのは、それらが『法で認められている』事にある。
その意味では、『スタンドよりもタチが悪い』と言えるだろう。

933『その夜の翌日』:2021/04/19(月) 04:36:56
>>932

        ――――スッ

桐谷の話が一段落するのを待って、
御影がスマホを持ち上げた。

「………………『アカウント』見つけた」

「これ…………露骨に『キャラ作ってる』…………」

御影が表示させた画面を見て、桐谷が頷く。

「それも原因の一つだったのかもしれないね。
 亡くなった人が何を考えていたかなんて、
 知りようがない事だけど……」

御影は、『リーダー』である度会に視線を向けた。
彼は振り返る事なく、
パソコンに向かってタイプを続けている。
モニターには、
複雑なプログラムらしきものが表示されていた。

「『ただの自殺』を調べる価値は無い。
 やるべき事は他に腐る程ある」

         グルッ

モニターに背を向け、度会が桐谷を見やった。

「前に聞いた『空井イエリ』についてだが、
 『コンクリートの破片が浮かんでいた』というのは、
 『人型で持ち上げた』可能性が高いようには思うが、
 ヴィジョンを目撃した訳でも無い以上、断言は出来ない」

それから、度会は御影に視線を移す。
 
「空井は、お前と同じ『大学部二年生』だったな。
 『趣味』という繋がりもあるなら、より話しやすい筈だ。
 次に顔を合わせた時には、
 『能力』について探りを入れてこい」

「場合によっては、
 『スタンド使い』である事を知られても構わない。
 俺達の繋がりさえ知られなければ、何も問題は無い」

「――――『上手くやれ』」

話を終えると、度会は再びキーボードを叩き始めた。

934美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/04/20(火) 23:12:00

星見町――その何処かで『ラジオ』が流れている。

「――――今日も、あなたの隣に『電気カナリア』の囀りを」

          〜〜〜〜〜♪♪♪

「『Electric Canary Garden』――
 パーソナリティー『美作くるみ』がお送りします!」

「『春』ですねッ!
 桜の季節はちょっと過ぎちゃいましたけど、
 皆さん桜は見に行かれましたか?
 くるみはですねぇ、
 お休みの日に自然公園の桜を見に行きました!
 テイクアウトのお店で買った『バインミー』を持って。
 『バインミー』っていうのは、ベトナムのサンドイッチですね」

「やっぱり桜っていいですねぇ〜。
 華やかでありながら上品で、
 それでいて儚い雰囲気もあって……。
 『咲く姿』と同じくらい『散る姿』も美しくて、
 色んな姿で楽しませてくれるお花ですよね。
 『引き出し』の多さは、私も是非とも見習いたい所です」

「桜って明るい時に見るのも勿論いいんですけど、
 暗い時に見るのもステキだと思います!
 何となく『艶っぽい』といいますか……
 昼とは違った趣を感じるんですよね」

「仕事の帰りに通る道にも、桜の木があるんですよ。
 街灯が近くに立ってて、
 ちょうど照明が当たってる感じになってるんです。
 そこの夜桜がキレイだったんですよね〜!」

「春は『始まり』の季節……。
 新しく始めた事、これから始めようと思っている事、
 いつか始めようと思ってる事……。
 今日の『Electric Canary Garden』は、
 そんなエピソードを大募集!!
 『あなたの始まり』を、
 美作くるみが全力で応援しちゃいます!!
 もちろん、それ以外の雑談・相談・質問も大歓迎!!
 皆様からの愛あるメッセージを随時!受付中です!!」

「おっと――早速リスナーの方(>>935)から、
 お電話を頂けたようです。
 もしもし?こちらは美作くるみです!
 『お名前』か『ラジオネーム』をどうぞ〜!!」

935小翠『タキシードムーン』:2021/04/20(火) 23:46:52
>>934

星見町のどこかに大きな屋敷があった
他の家族は早くに寝てしまい、彼の自室も明かりは消している
掛け布団を頭まで被り、ラジオとスマホだけを小さな両手に持ちながら、『彼』は話をする

「え、えっと・・・・ こみどり・・・ち、違くて、ラジオネーム『ホタルオトコ』です
 こんにちわ! あ、いや、こんばんわだったっけ・・・・?」

通話先から子供に特有の高い声がする
口調やトーンを聞く限りでは少年の声の様に聞こえるだろう
彼はたどたどしい口調ながら美作に挨拶を返した

936美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/04/21(水) 00:16:24
>>935

「『ホタルオトコ』さんですね!こんにちは!
 あはは、『こんばんは』でもオッケーですよ〜」

「今日の『Electric Canary Garden』は『始まり』がテーマです。
 『これからしようと思っている事』や、
 『したいと思っている事』などなどを、
 私くるみが応援しちゃおうという企画でございます!

「『それ以外のお話』でも大丈夫ですよ〜。
 一緒に楽しくお喋りしましょうね!」

『Electric Canary Garden』は、
主に若い世代を中心に幅広いリスナーがいる。
ただ、年少のリスナーは珍しい。
予想される相手の年齢を考慮して、
普段より柔らかい口調を意識する。

「『ホタルオトコ』さんは、
 『これから始めようと思っている事』はありますか?
 くるみはですねぇ、
 ベランダで『ハーブ』を育てようかなぁ〜って思ってます!
 緑色があると落ち着きますし、
 お料理に摘み立てのハーブを使えて、
 とっても便利なんですよ〜」

937小翠『タキシードムーン』:2021/04/21(水) 00:47:55
>>936

「う、うん・・・・いつもこの番組を聞いてるから知ってます・・・・
 あっ いつも、ごかつやくを応援してます!」

自分の声がラジオから流れてくる状況に戸惑っているのか、
それとも、有名人と直接話をしている事に緊張しているのか、
所々で言葉をとちったり、思い出したかのように言葉を重ねながら、話を続けている

「へぇ〜、『ハーブ』を育ててるん・・・ですね
 うちのお母さんもよく庭でガーデニングをやってるからわかる
 女の人ってみんな植物を育てるのが好きなのかな」

美作の話を聞き、多少なりとも共感したおかげか
少しずつ、緊張感が取れたようなリラックスした話し方になってきた

「あ、そうだ、俺の話
『これからしたい事』・・・少しだけ違うかも、だけど聞いてください」

「この前、俺はすっげー悪そうなやつとケンカしたんです
 そいつは、よくわかんないけど、弱い奴をいじめてるみたいで・・・・
 それで、そいつの事がすごく許せなくなってケンカを挑んだんです」

「そしたら、俺の・・・・俺のせいでいじめられてた奴が余計に傷ついて!
 俺はどうしたら良かったのか・・・・ 何をしたらいいのかがわからなくて・・・・」

学校のともだちの話なのだろうか
少年の口からぽつぽつと『いじめ』や『ケンカ』を連想させられる話が出てくる
ずずっ、と鼻をすするような音が聞こえる

938美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/04/21(水) 01:33:50
>>937

「そうですねぇ…………」

頭の中で、慎重に考えを纏める。
話を聞く限りでは、かなりデリケートな話題のようだ。
『年齢』の事もあるし、『先生』にでもなったような気分だった。

「『ホタルオトコ』さんは、
 その人がどうして人を傷付けたのか、
 よく分からなかったんですね?」

「まずは、それを『知る』事が第一歩じゃないかと思いますよ。
 焦らなくても大丈夫。
 『何かをする』のは、それからでも遅くないの」

「それにね――分からなくなった時、
 『自分だけで考えなくちゃいけない決まり』はないんですよ。
 一人で考えても分からない事は、
 『他の人に相談する』のが近道だから」

「ほら、今も私に『相談』してくれてるでしょう?」

「友達でも家族でも誰でもいいの。
 『あなたならどう思うか』聞いてみて。
 出来るだけ『沢山の意見』を集めて、
 最後に『自分の考え』を決めればいいんだから」

「――――ね?」

通話越しに涙ぐむ相手を落ち着かせるように、
緩やかな声色で一言ずつ話す。
おそらく、彼は一人で抱え込んでしまっているのだろう。
しかし、こうして電話してきてくれたという事は、
心の中では『誰かに打ち明けたい気持ち』があるはずだ。
だから、その気持ちを肯定する事で、優しく背中を押す。
彼には、『悩みを共感してくれる人間』が必要に感じた。

939小翠『タキシードムーン』:2021/04/21(水) 20:44:09
>>938

「それは・・・・」

『あの時』の事を思い返してみる
弱い者いじめをしていた『鎖の男』の事を・・・
そういえば、あの時は立ち向かう事に必死でアイツが何を考えていたのかわからなかった
意地の悪い男だったけど、何か事情があったのかも

「わからない・・・・、です
 アイツが何でそんな事をしていたのか・・・・俺は聞こうとも思わなかった
『相談』しようなんて考えも・・・・」

『タキシードムーン』を得たせいだろうか
『憧れの人』になれるチカラがあるから、誰かに相談するなんて事は思いもしなかった
だって・・・・『おじいちゃん』はそんな姿を見せた事もないから

「でも、俺は『おじいちゃん』じゃあない、か」

ぽつりと、小声で独り言を呟く

心が落ち着くと、ラジオが繋がっているのに泣いてしまってはみっともないという思いが強くなった
布団の中でごそごそと動き、袖で涙を拭うと、努めて元気な声で電話を返す

「わかった・・・・わかったよ! おねえさん!」

「俺は・・・・もっと人と話す事にする!」

940美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/04/21(水) 22:32:01
>>939

「うん!元気な声ね!もう大丈夫!」

その声を聞き、電話の向こう側で笑顔を浮かべる。

「よかったら、また電話してきて。
 『ホタルオトコ』さんが泣いてる時は私も悲しいし、
 ホタルオトコさんが喜んでると、
 私も嬉しい気持ちになれるから」

パーソナリティーは、リスナーに共感する存在だ。
だから、彼が相談を持ち掛けてくれた事を嬉しく感じた。
自分が『それに値する存在』である証明になるのだから。
言い方を変えれば、
『パーソナリティーとしての評価』という事でもある。
今日、彼が相談してくれた事で、
また一つ自信に繋げられた気がした。

(…………『おじいちゃん』?)

ふと耳に届いた言葉に、目を細める。
事情は知らないが、
何となく『憧れの人』なんだろうという予想は出来た。
『目標』があるのは素晴らしい事だ。

「ねぇ、『ホタルオトコ』さん。
 私にも夢があるの。
 この番組を、もっともっと盛り上げていく事!!」

「お互いに、叶えられるように頑張りましょうね」

「それから――お姉さんの名前は『美作くるみ』」

             フフッ
 
     「『次』の時は、そう呼んでね?」

話の最後に付け加えられたのは、冗談めかした声色だった。

941小翠『タキシードムーン』:2021/04/21(水) 23:40:47
>>940

「・・・・・・・うん!」

一際、大きな声で返事を返す
声があまりにも大きかったせいか、遠くで家族の足音が聞こえた
こんな夜中に、小翠が大声を出したことに不審がっているのだろう

「ありがとう、おねえさん、俺の話をまともに聞いてくれて」

>「ねぇ、『ホタルオトコ』さん。
> 私にも夢があるの。
> この番組を、もっともっと盛り上げていく事!!」

「きっとできるよ! だっておねえさんは凄いから!
 だから・・・・俺も頑張るよ、頑張って、理想の自分になってみせる!」

「だから・・・・『くるみおねえさん』も頑張って!」

少年から、一際大きな声で応援の意思が届く


     ドスドスドスドス!

一方、その頃、小翠の部屋に向かって足音が近づいてくる
恐らくお母さんだろう 夜更かしをしてラジオを聞いている事を怒られるかもしれない

942美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2021/04/22(木) 00:14:13
>>941

「ふふッ、ありがとう!
 そんな風に励ましてもらえると、やる気が湧いてくるわ。
 その言葉があるから、私は頑張れるの」

「私も『ホタルオトコ』さんを応援するから、
 『ホタルオトコ』さんも、これからも私の応援よろしくね!」

その時、電話の向こう側から足音が聞こえてきた。
それを聞いて、おおよその状況を察した。
『ハプニング』を捌く自信がない訳ではないが、
そろそろ『締め』にした方が良さそうだ。

「おっとっとっ……それじゃ、またいつかお喋りしましょう!
 今回のお相手は、
 ラジオネーム『ホタルオトコ』さんでした!!」
 
     「――――『See you again』!!」

後日、小翠家に一通の封書が届いた。
中身は『Electric Canary Gardenオリジナルクオカード』だ。
また、一枚の『メッセージカード』が同封されていた。

【くるみお姉さんは、あなたを応援してるよ。
 悩んだ時、嬉しい事があった時、いつでも電話してきてね。
 『理想の自分』を目指してファイト!】


小翠『タキシードムーン』⇒『番組特製クオカード(500円分)』Get!!

943小翠『タキシードムーン』:2021/04/22(木) 00:37:50
>>942

   ドタドタドタドタ

「う、うん、応援する、だから・・・・『しーゆーあげいん』!」

最後に一言、応援の意思を伝えて通話を切った
その直後、部屋に入ってきた家族に言い訳を試みるも、布団の中に隠したラジオを見つけられ、失敗
夜更かしの罰としてしばらくラジオを没収されてしまうのであった



「あれ? これは・・・・」

後日、小翠家に『メッセージカード』付のクオカードが届けられた
メッセージの文面は比較的短いながらも、『くるみおねえさん』からの直筆の言葉は彼を勇気づけた
そして再び歩みを進める・・・・・『理想の自分』、おじいちゃんのような凄い男になるために!


小翠『タキシードムーン』⇒『番組特製クオカード(500円分)』Get!!

944『水面下』:2021/04/27(火) 14:34:35

「――――『情報』が必要だ」

『Luna-Polis』の一室で、『度会一生』は『御影憂』に言った。

「それって………………」

        ボソッ

「………………『集め方』が悪いって言いたい?」

御影は恨めしそうに呟きを返す。

「そうは言っていない。
 仮に『そうだった』としても、お前だけを責める気は無い。
 現状の人手で出来る事は限られている」

「しかし、迂闊に人数を増やす訳にもいかない。
 『信用に値しない者』を入れるのは何よりも危険だ」

『一派』に加える人間には三つの『条件』が定められていた。
第一に『スタンド』を持たない事。
第二に『アリーナ』や『エクリプス』と関わりを持たない事。
第三に『スタンドに立ち向かう意思』を備えた人間である事。
そんな人間は、そう多くは無い。
『ただのスタンド使い』を探すよりも困難だろう。
ゆえに、『一派』は少数で活動する事を余儀なくされている。

「………………『あれ』は?」

御影が言及したのは、海で見つけた『ラッコ』の事だった。
『スタンド使いのラッコ』。
『人間のスタンド使い』と違って、
情報をベラベラ喋る事は無い。
秘密を漏らさないという点では安全だと思われた。
しかし、動物には人間とは違う問題もある。

「『制御の方法』に問題が残る。
 状況によっては使える可能性はあるが、
 あくまでも『保険』程度だ」

「お前程は役に立たないし、信用も出来ない」

「フッ………………」

度会の言葉を聞いた御影は、前髪の下でせせら笑った。

「『褒めて』………………色々やらせようとしてる?」

「たまには出掛けるか。
 自分の目で街の様子を確かめておくとしよう」

「あ………………『誤魔化した』………………」

945『Luna-Polis』:2021/04/29(木) 10:17:45

御影憂は、大通りで『飯田咲良』と出会った。
(ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/522-538)
それから一時間後。

「………………ただいま」

『Luna-Polis』に戻った御影憂は、
肘掛け椅子に座る度会一生に呼び掛けた。

「『収穫』はあったか?」

「『スタンド使い』が………………『二人』………………」

御影の報告を聞いた度会は、
コルクボードに新たなピンを刺していく。

「飯田は現時点で『青』。もう片方は『赤』だ。
 『清月館』の方は、桐谷にも調べさせる。
 お前も、そこに入居している学生には注意しておけ」

顔を上げた御影は、立てかけられたコルクボードを眺める。
そこには大量のメモ用紙が留められていた。
これまでの『調査』で得られた『スタンド使い達の情報』だ。

946『Luna-Polis』:2021/04/29(木) 10:20:44
>>945

――――――――――――――――――――――

         円谷世良楽(安全)
       清月学園高等部一年生
        人付き合いが上手い
        物事を深く考えない
     スタンド名は『リトル・スウィング』
       ヴィジョンは『飛行する輪』
         能力は『氷の散弾』

       高校生らしき少女(保留)
           料理が下手
       『菓子類』に関する能力?
           素性は不明

        高校生らしき少年(危険)
           赤いマフラー
  一般人に命に関わりかねない危害を加える
       体内を破壊可能な能力を持つ
           目的は不明
       『危険人物』の疑いが強い

          金髪の男(保留)
      マフラーの少年と対峙していた
      恐らくスタンド使いだと思われる
         素性・能力共に不明

          飯田咲良(安全)
       清月学園中等部二年生
          清月館に入居
    家庭内に問題を抱えている可能性あり
        スタンド名は『シスター』
         ヴィジョンは『人型』
          パワーは平均的

         不法侵入者(危険)
           清月館で目撃
        室内に不法侵入を行った
     『ぬいぐるみ』に関する能力を持つ
       『危険人物』の可能性あり

         白髪の少女(保留)
          歓楽街で発見
       スタンド使いの可能性あり
            詳細不明

          風歌鈴音(注意)
            ホームレス
        『アリーナ』と関わりあり
  烏兎ヶ池神社でスタンドの訓練を行っていた
         ヴィジョンは『人型』
      能力は『手から風を生む』事
    指定箇所に『渦』を作り出す事も可能

         挙動不審な男(注意)
     スカイモールのレストランで発見
     『半自立型の人型スタンド』を持つ
  スタンド名は『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』
          能力は『戻す』事?
     何らかの組織に属している可能性あり

          空井イエリ(安全)
       清月学園大学部二年生
   スタンドでコンクリートの破片を持ち上げた
        『ヨロイトカゲ』を飼育
     桐谷にスタンドの存在を示唆した

         西洋人の少年(保留)
       遊園地の事件に居合わせた
          推定スタンド使い
         素性・能力共に不明

        高校生らしき少女(保留)
         夜の歓楽街で発見
     『半自立型の人型スタンド』を持つ
     こちらの動きを警戒していた気配あり

          金髪の少女(保留)
    スカイモール近辺で絵を描いていた
       スタンド使いの可能性あり
             素性不明

――――――――――――――――――――――

「現状、『赤』は二名だ。
 そいつらに対しては、特に警戒しなければならない。
 もし今後『何か』あれば――――」

           グルッ

「――――『手を打つ』事も考える」

それだけ言うと、度会は御影に背を向け、
パソコンのモニターに向かい合った。

947『Luna-Polis』:2021/04/29(木) 10:41:23

「――――――………………」

           スッ

御影は、『剥がれ落ちていたメモ』を拾い上げ、
ピンで留め直した。

――――――――――――――――――――――

         勤め人風の男(保留)
           歓楽街で発見
       出版関係の人間と思われる
   御影の姿を撮られたがデータは消去済み
       出版関係の人間と思われる
          ヴィジョンは『人型』
            能力は不明

――――――――――――――――――――――

948龍美丹『チーロン』:2021/05/02(日) 23:51:59
海、一人の少女がそこにいた。
別に潜ったりする訳でもなく、砂浜でシャドーボクシングのような動きをしている。
……ボクシングに蹴りはないのでシャドーファイトと言った雰囲気だが。

「ふん……は……っ」

少し暑い日だ、動き続けて顔に汗が浮いている。
ぐらり、と少し体勢が傾いて転びそうになる。

949関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/03(月) 00:43:45
>>948

通信制コースも学校は休み。
家族も遊びに出たり、仕事をしてたりで、
家事をあらかた終えた関は海に来ていた。
関は余暇時間も『倹約』に使いがちだ。
もっとも、今は、厳密には『仕事中』だが、
いつまでか分からない時間、『オン』ではいられない。

「ふう……」

≪……っと、人がいますねえ。           『私ハ追従者ニ ツイテイク』
  『フニクラ』は大人しくしてて下さいよう≫       『邪魔ハ シナイ』
                              『血サエ 集マレバ ソレデイイ』
『仕事仲間』であり、
『クライアント』でもある、
『リュック』に入れた存在に語り掛けつつ、
『釣り具』を手にして歩いていく……と、いうところで。

「………………あっ! 大丈夫ですか〜?」

                      ザッザッ

転びそうなのを目にして、『龍』の方へと歩いていく。
支えるとかは流石に間に合わないが、助け起こしたり、介抱するために。

『あなたの血が必要とされています!』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/70

950龍美丹『チーロン』:2021/05/03(月) 01:50:34
>>949

「よっと」

ぱっと手をついて砂浜を蹴る。
足が浮き上がればそのまま空を切りながら砂浜へと落ちてくる。
絶妙なバランスだった。
体が砂浜に着くことはなく、奇妙な体勢ではあったがなんとかこらえている状態である。

「……ふぃー」

「……なんか、声がしたような」

立ち上がりつつ、声のした方をむいて……

「おや、いつかのお嬢さんじゃないか」

951関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/03(月) 02:04:05
>>950

「わっ……」

倒れ――――なかった。
内心胸をなでおろしつつ、
歩く速度を少し遅くする。

「ええ、お久しぶりです〜。
 あの後顔を出せてなくて……
 なんだか、すみませんけれど。
 夏でもないのに海で会うなんて、
 なんだか奇遇ですねえ」  

思わぬ再会と、
覚えられていたことに、
温和な笑みが浮かんだ。
店に行けてないのは色々あるが、
特別何かがあるというわけでもない。

「今のは……トレーニングか何かですか〜?
 ダイエットの運動には、見えませんでしたけど」

                 『釣リヲ シナイノカ』
                  『時間ヲ有効ニ』 
               『持ツノハ シバラクダケ』

「……あ、ちなみに私は、見ての通りですよう」    

……関の声以外の何かが『背中』の方から聞こえる。

952龍美丹『チーロン』:2021/05/03(月) 02:23:06
>>951

「いやまぁ別に構わないさ。ボクの何かに影響がある訳じゃないからね」

「あぁ……そんなところかな」

うんうんと納得したように首を振る。
納得したの相手が自分か。

「……ん?」

なにか声がする。
その主が見えないから気になる。

「キミ、なんか音がしなかったかい?」

「スマホの着信……じゃないな。そういうのじゃなくて声っぽい……」

「リュックサックにつめた子猫でも鳴いてるんじゃないか?」

953関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/03(月) 02:47:14
>>952

「そう言ってもらえると……え。
 あ、あぁ〜。『聞こえる』んですねえ」

        スッ

「子猫なら、かわいいんですけど〜」

驚きはするが、比較的『慣れた』し、
今は内心『探して』もいるのだった。

リュックをゆっくり下ろす。
すると――

        『私ハ フニクラ』

なんだこれは?
ボール……バレーボールほどの『赤い球』だ。

「はい、まあ、自己紹介もありましたけど、
 この子は『フニクラ』って言いまして〜
 ……あ、いえ、その前に」

「寿々芽(すずめ)――
 私の名前、言ってませんでしたから。
 自己紹介しておきますね。よろしくお願いします〜」

ボールだけに自己紹介させるのは変だと思い、
自分の名前も伝えた上で、小さく頭を下げた。

「…………それで確認なんですけど。『見えてます』よね?」

そして、念のために、浮かぶ『ボール』を手のひらで示した。

954龍美丹『チーロン』:2021/05/03(月) 10:15:13
>>953

「『フニクラ』……?」

「なん……いや、えっと……」

「あぁ、スズメというんだねキミは」

喋る珠に困惑しつつ言葉を返す。
なるほど、こういうこともあるのかというふうだ。

「あぁ、見えてるよ」

記憶の中から検索する。
たしか彼女は『音仙』と呼ばれていた。
その人物から教わったことは何だったか。
あれの名前は。

「スタンド、そうスタンドだ! そうだろう?」

「他人のを見るのはそうないんだ……あぁ」

言葉を区切り舞台のように大仰に礼をする。

「龍美丹(ロン・メイダァン)だ、よろしく」

955関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/03(月) 20:15:58
>>954

「はあい、私は寿々芽(すずめ)……
 その『スタンド』を使えるスタンド使いの、
 関 寿々芽(せき すずめ)といいます」

苗字も込みの自己紹介に対し、
自分も後からそれを付け加えた。

「見えてる人に会えて、よかったです!
 お互いスタンド使いとして……
 仲良くしましょうねえ、メイダァンさん」

一応の打算はあるが、本音でもある。
笑みを浮かべて――

「……あ! 一応言っておくと、
 お返しに能力を見せてくれたりとかは、
 しなくっていいですよう」

そう言いながら、『ボール』から手を引く。
難しい顔をせざるを得ない話題だが…………

               ・・・・
「『フニクラ』は『私のスタンドじゃない』ので。
 ややこしい話には、なってくるんですけど〜」

         『寿々芽ハ 追従者』
       『追従者ニハ ツイテイクダケ』
         『本体ハ 別ニイル』
        
「……本当にややこしくて、難しい話なんですけどねえ」

龍にとっては、いきなりの『特例』だ。
ややこしさは倍増。ゆえに一気に全てを話しは、しない。

956龍美丹『チーロン』:2021/05/03(月) 20:55:35
>>955

「あぁ、よろしく頼むよ」

ニコニコ笑っている、のだが。
その顔の雰囲気も変わってくる。

「ちょっと待ちたまえよ」

ぱっ、と開いた手が関の顔の前。
この女、手足が長い。

「キミのスタンドじゃないだって?」

「なに、そんな他人の自転車借りるみたいな感覚で連れてきてるのかい……?」

「それはどういう……」

話を聞く姿勢だ。

957龍美丹『チーロン』:2021/05/03(月) 23:10:43
>>956

「……キミとその球はどういう関係なのかな?」

958関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/04(火) 02:50:27
>>956-957

関はどちらかといえばスラっとした体形ではない。
太っている、という訳では決してないのだが、
長く伸びた手足には、内心憧れも感じつつ――――

「やっぱり、驚きますよねえ。
 私もこんなスタンドって、初めてで。
 関係――――」

            『寿々芽ハ 追従者』
            『本体ハ 別ニイル』

「それじゃあ説明になってないですよう、『フニクラ』。
 ……メイダァンさんになら、隠す理由もないですね」

笑みから、真剣な表情に変わっていた。
意識したわけではない。『フニクラ』を取り巻く事情は『真剣』だ。

「関係を言うなら――『仕事仲間』、になるんでしょうか〜?」

        ス

「『この球』――――
 『フニクラ』の本体から、
 本当に『貸してもらって』いるんです。
 やるべきこと……『お願い事』と、いっしょに」

『フニクラ』に手を伸ばし、特に意味は無いが、なでる。
危険なものではない、と暗に示したかったのかもしれない。

「……『フニクラ』は、本体の人が『制御出来てない』んですよう」

なぜなら、言おうとした事実が『危険性』を想起させるものだから。

959龍美丹『チーロン』:2021/05/04(火) 22:03:04
>>958

「うーん……」

「正直、怪しいといえば怪しいしキミを取り巻く環境が心配にもなるが」

「信じよう」

『フニクラ』についても、スタンドについて無知であることを自覚している。
なので、それを信じるしかない。
疑うのもアリなのかもしれないが少なくとも龍の天秤はそちらに傾いた。

「制御できてない?」

思わずそいつは何をしているんだと言いたくなった。
龍のスタンド『チーロン』はそういうタイプではないし、自分の制御下にあると思っているがそんなことがあるのか。

「……かなり面倒なことになってないかい? なにか会ったなら相談してくれよ?」

「そいつ、決められた言葉を繰り返してるだけみたいだし本体にボクたちの話は伝わってないんだろう?」

店頭のペッパーくんみたいなものだと言いつつ言葉を続ける。

「仕事仲間ってなんの仕事?」

960関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/04(火) 22:36:17
>>959

まず小さく頭を下げる。ほとんど反射的に。

「ああ、ええ、ほんと怪しい話ですよね……
 メイダァンさん、お気遣いありがとうございます。
 ………………私の環境は、平気なんです。
 ただですねえ、平気じゃなくって、
 それに『面倒』な事になってるのは……
 この『フニクラ』の本体の人の環境なんです」

          『…………』

「仕事の内容にも、関わるんですけど――」

こんな時だけ何も言わないのは、
このボールにも罪悪感はあるのか、
単なる偶然の結果なのか。

「私も全部分かってるわけじゃないんですけど、
 この『フニクラ』…………
 他のスタンドから『血をもらう』ことで、
 何かをする、っていう能力みたいなんですよう」

     『血ガ……マダマダ』『足リナイ』

「でもそれが制御出来てないのか、何か理由があるのか、
 本体の人はずうっと、『貧血』に悩まされてまして……
 それで路地で倒れてる時に、私が偶然通りがかって」

           スゥ――

「『介抱』と……『血をあげた』のが、始まりなんです」

『フニクラ』に手を伸ばす――すると。

             グィィィーーーー ・・・

      『貴方ノ血ガ』
      『必要トサレテイマス』

「色々飛ばして答えちゃいますけど、
 仕事っていうのは――『血液提供者』を、探す事です」

献血じみた文句を口走りながら、
その全体から『ウニ』のように! 『注射器』が迫り出す。

961龍美丹『チーロン』:2021/05/04(火) 23:19:16
>>960

「血を貰う……」

復唱、なにか意図があった訳では無い。
その言葉で想起するものがあり、そちらに意識が向いてしまったからだ。

「貧血か……それは……つらいね……」

相手を慮る言葉が出てくる。
その時だった。

「!」

龍の背に汗。
衝突間際で乗っていた自転車が止まったとか、部屋ではしゃいでいるところを親に見られたとか。
そういう時に起こりうる現象、毛穴が開いて冷や汗が吹き出てくる。
そんなことが体に起こったのだ。

「おいおいおいおい!」

瞬時、体に浮かぶ赤い龍。
刺青めいて服の下からそれが覗き、それを関が認識した頃には後ろに下がっていた(スB)
手で注射器を受け流すような動きをしつつ、手のひらでウニを視界内から隠していた。

「びっくりした……」

「一旦それをしまってくれるかなお嬢さん?」

「……真剣な話だ、キミのお仕事に協力するのはやぶさかじゃないからね」

962関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/04(火) 23:51:30
>>961

「ええ、本当に…………あっ! また勝手に……!
 もう、駄目ですよ〜『フニクラ』。一旦しまって」

     ズズ

一瞬何が起きたのか分からなかったが――

         『ズットハ持タナイ』
        『合理的ニ 血ヲ 集メマス』

注射器が『出ている』事に、関も一拍遅れで気づいた。

「それはそうですけど……
 そんな風じゃ、『協力者』は集まりませんよう」

注射器はヴィジョンの中に消えていく。
集合体恐怖症というやつだろうか、
あるいは注射器自体へのトラウマか。
いずれにせよ、これは『良くない』。
『フニクラ』の前に回るようにして、
その存在自体も『美丹』の視界から隠す。

「すみません〜、驚かせてしまいまして……!
 ……そのう、『今の』を使うんです。
 『スタンドの血を集める』っていう、仕事に」

と、そこまで言ってようやく、
『美丹』本人の動作ではなく、
その体に浮かぶ『龍』に気付いた。

「『ペイデイ』」

             ズギュン

「これの表紙……は、もう治っちゃってますね。 
 『スタンド』からその、『採る』んです。
 エネルギー?みたいなものを、『血』の代わりに」

『お返し』ではないが自身のスタンドを見せつつ、
注射器、というワードを避けながら、『美丹』に説明を続ける。

963龍美丹『チーロン』:2021/05/05(水) 00:49:41
>>962

「悪いね、先端恐怖症なんだ」

「……スタンドからか」

そう呟く。

「ボクのスタンドは『チーロン』」

「僕と一体化してて、ボクの血に影響を与える」

自らのスタンドについて口にする。
見た目の変化が本質ではない。

「ボクの出血をね、龍にするんだ」

だから今この場でそれを見せることは出来ない。
正しくは、しない。

「本来これは血の龍を使って輸血をする前をなす力。血を渡すのはボクの運命だろう……その『フニクラ』越しなのは少々想定外だけどね」

964関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/05(水) 01:05:36
>>964

「いえ……恐怖症じゃあなくっても、
 急に見せたのは良くなかったです。
 『フニクラ』にも、ちゃんと言っておきますので」

          『…………』

言ってどうにかなるのか?
分からないが……
知性らしき物はなくもない。
環境が与える影響は、あると思いたい。

「まあっ、『チーロン』……!
 『輸血のスタンド』だなんて、
 こんな奇遇って、あるものなんですねえ……」

       「……でも」

「……あのう、説明しないのはズルいと思うので、
 これはちゃんと、言っておくんですけど」

            ス

「私の『ペイデイ』には……ほら、本ですから!
 叩いたりしても、私に伝わる感覚はないんですよ。
 だから注射をしたって、痛くも痒くもなかった」

それは結果論だ。
痛い可能性はあった。だが、そんな事は言わない。

「でも、メイダァンさんのスタンドの場合は……
 もしかしたら、痛い思いをさせちゃうかもしれません。
 人助けのためにも、やってる仕事ではありますけど、
 『貧血』と『恐怖』は……同じくらい辛いと思います」

「ですので……運命でも、強要というか、
 やらなきゃいけないわけではないと思います。
 やってくれるなら……それは。
 あなたが、良い人だから…………運命だけじゃ、ないですよう」

偽善かもしれないが、それくらいのことは、言っておきたかった。

965龍美丹『チーロン』:2021/05/05(水) 01:46:31
>>964

「うん、そうしてくれるとありがたいかな」

(それは、危ないからね)

汗が引いてきた。
ふぅ、と息を吐いて伸びをする。
海風の独特の感触が肌を撫でていく。

「……」

腰に手を置いて黙り込む。
それから。

「あっはっは!」

大きく笑った。

「そんなこと、些細なことさ!」

貧血もなにもかも龍美丹は気にしない。
そんなことよりも人に血を与えることを考える。

「それにしても……真了不起(素晴らしい)!」

「キミは実に良き人だ」

「だからボクも全幅の信頼をもってして血を分けよう」

袖を捲りあげる。

「血を摂るときは言ってくれよ? 目を逸らしておくからね」

966関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/05(水) 02:02:34
>>965

「――――――……ふふ。
 メイダァンさん、ありがとうございます」

             スッ

「『フニクラ』。――――お願いします」

           『血ヲ 集メル』
         『ソノタメニ ツイテイク』
           『コレデ一人目』

体で隠したまま、
『フニクラ』から注射器を取る。
大きな注射器――――それを後ろ手に、振り向く。

「メイダァンさん、目をつむって下さい。
 それと、『チーロン』は発動したままで!
 すぐ済ませますけど――――」

           ザッ

美丹がしっかりと目を閉じたのを確認したら、
浮かぶ『龍』に手早く針を突き立て――――『スタンドエネルギー』を貰う!

            『貴方ノ血ハ』

「ちょっと、チクッとするかも、しれませんよう」

    『必要ト サレテイマス』

『本体がスタンドになるタイプ』である『チーロン』なら、
絵面はともかく可能な筈だ。『チクッと』は、実際に『する』事となる。

967龍美丹『チーロン』:2021/05/05(水) 02:34:37
>>966

目を閉じて、痛みがやってきて。
息を止める。
だがそれは一切問題じゃない。
実現する意志のみが龍の中。

「ふぅ……」

ぼんやりと考え事をして気を紛らわせながら。

「ところで」

「見返りというか報酬とか求めてもいいのかな?」

968関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/05(水) 02:50:06
>>967

血を採った『注射器』は、『フニクラ』に戻す。
これで――――『1人目』だ。
ストックは後で届けに行こう。

「……お疲れ様です〜。
 痛かったですよねえ、ありがとうございます。
 これできっと、本体の人が助かりますよう」

          『血ハ マダマダ』
        『モット 集メル必要ガアル』

「まあ、そうなんですけど……」

『フニクラ』は元の状態に戻った。
『美丹』にも、不愉快な見た目ではないだろう。

「献血をしたときって、
 お菓子やジュースを貰えますよね〜。
 ――――私の『ペイデイ』は、それを出せますけど」

笑みを浮かべる。

「それとももう少し、『まごころ』のあるお返しがいいですか?」

美丹が何を求めるかにもよるが、多少のお礼はしてやりたい。

969龍美丹『チーロン』:2021/05/05(水) 03:14:01
>>968

「うーん、特に貧血とかもないかなボクは」

刺すところは見られないが抜いたところは見ておけばよかったかな、と思う。
おそらく注射器に血龍が吸い込まれているということは無いだろうが。

「そうだね……」

思案する振り。
顎に手を当てて考えてるポーズだけ。
それから、いたずらっぽく笑って。

「デートでもするかい?」

970円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/05/05(水) 22:38:43
>>969

「ああ、よかったです。
 私……『協力者』の人から採るのは、
 これで初めてでしたので〜」

エネルギーの消耗は若干のフラつきを生んでも、
致命的な……そうでなくとも『症状』の域には達すまい。
そして、『見返り』だが。

「まあっ! それは……………ふふ、素敵です」

「いいですよう、『デート』」

温和な笑みは自然に浮かんでいた。

「でも私、あんまり経験がありませんので……
 メイダァンさんが、エスコートしてくれますか〜?」

献血の見返りのお菓子ほど、
甘い時間にはならないかもしれないが……
同年代と見える相手と遊びに行くのは、十分嬉しい事だ。

971関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/05(水) 22:39:11
>>970(名前欄ミス)

972龍美丹『チーロン』:2021/05/05(水) 22:49:59
>>970-971

(ふうむ、からかったつもりだっけどなかなかどうして……)

ふふ、と口元に笑み。
それからウンウンと頷いた。

「じゃあ行こうか」

「デートスポットは気にしないでいい」

君は釣りをしに来たんだろう? と釣具を指さした。

「少し話し相手になってもらえればいいさ」

973関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/05(水) 23:23:32
>>972

「そうですねえ、どこに――
 ――――ああ、助かります。
 せっかく釣り具を持ってきてたので」

            ザッ

「私の方こそ、お話相手が欲しかったんです。
 それじゃあ『デート』、楽しく過ごしましょう〜」

『仕事』を終えて黙り込む『フニクラ』をカバンに収め、
『釣り具』を持って、場所へと向かう。

ポイントアプリで時間を潰すのも良いが、
今日の釣りは、『当たり』以外の時間も色よい物になりそうだ。

974『Luna-Polis』:2021/05/06(木) 11:08:33

マンション『Luna-Polis』――
薄暗い室内に三人の人間が集まっていた。
ロングコートのフードを目深に被った男。
長い前髪が顔の大部分を覆った女。
警官の制服と制帽を着用した男。
それぞれの庇が顔に陰を作り、
明確に容貌が見える者は一人もいない。

「例の『不審者』について色々と分かったよ。
 名前は『ツネハラ』。
 筋骨隆々とした体格で、ええと…………」

「…………『女装』しているらしい」

制帽の男――『桐谷研吾』が言った。

「『掃除しに来た』とか………………」

「あと………………『料理も作ってる』………………」

「………………らしい」

長髪の女――『御影憂』が続けた。

「それから『飯田さん』が言うには、
 他にも同じようなのがいるらしい。
 でも、さすがにないんじゃないかな……。
 多分、『ツネハラ』と同一人物だと考えていいと思う」

「もしかしたら………………
 ホントに二人いるのかも………………」

         ボソッ

「いや………………やっぱ『絶対ない』………………」

フードの男――『度会一生』は、
無言で二人の報告を聞いていた。
その手には『杖』が握られている。
優れた視力を持ち、遥か彼方の獲物も捉える、
『鷲』の彫刻が施された黒檀製の杖。

「――――『ツネハラ』の評定は『注意』に落とす。
 『危険ではない』という意味じゃあ無い。
 『検討の必要がある』という意味だ」

一人の相手に対して割ける労力は限られている。
その為に、『一派』は『優先順位』を設定した。
それは同時に、
対象の『危険レベル』を可視化する狙いも含んでいた。

「案外、お前と似ているのかもしれないな」

「え………………やだ………………」

度会に話を振られた御影は、露骨に嫌そうな表情をする。
御影にしてみれば当然の反応だった。
いくら同じ『スタンド使い』といっても、
『不法侵入の女装男』の同類にされたくは無い。

「『ツネハラ』は不法侵入を働いているが、危害は加えない。
 お前は人を脅かして回っているが、危害は加えない。
 一種の『共通点』がある」

「そう言われてみれば、確かに…………」

度会の言葉に桐谷が『同意』の意を示す。

「『絶対ない』………………」

       ボソッ

「………………『絶対』」

一方、御影は頑なに『否定』を続けていた。

975関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/13(木) 20:49:59

通信制コースにも時折登校日はあり、
今日の関は、その帰りだった。

「昨日見た再放送で言ってましたけど、
 ウニにキャベツを食べさせると良いんですって」

        『私ハ ウニ デハナイ』
        『私は フニクラ』

小さな公園のベンチに座り、
近場のパン屋で買った『サンドイッチ』を食べていた。

        『ソモソモ私モ 横デ 見テイタ』

「それもそうでしたっけ。食べたくなりませんか〜?」

いつものエプロンはリュックにしまい、
珍しく『清月学園』の制服を着た彼女の、
その傍らに――『赤い玉』のようなものが置いてある。

        『欲シイノハ 血 ダケ』 
        『合理的ニ 集メルベキ』

「ううん、そうは言っても、
 スタンド使いを探すのって大変なんですよう」

(『アリーナ』に頼んだりしたら、
 加宮さんに迷惑がかかる可能性が高すぎますし…………)

そして、その玉も、そもそも彼女の声すら、
一般人には見えず聞こえない――『スタンド存在とのスタンド会話』。

※『あなたの血が必要とされています!』参照
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/70

976朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/13(木) 21:13:16
>>975
本当にたまたまであった

ただちょっと家路への近道をしようと公園を通り抜けようとしただけなのである。

だが…

(…ありゃなんだ…)
同じく『清月学園』の制服を着た少女がその光景を目撃し
思わず近くの木へ身を隠してしまった。

(あれは何だ?腹話術の練習?
 それとも…アレなのか?)
少しビビりながら木の陰から覗き込む。

スタンド使いである彼女には腹話術意外に考えられることが確かにある。

977関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/13(木) 21:22:10
>>976
    
       『私ヲ 連レテ 歩キ回ル』
       『スタンド使イ 集マッテクル』

「私もあなたも『戦わない』じゃあないですか。
 集まってきても、襲われたりしたら大変ですよ」

少なくとも隠れた『朱鷺宮』に、
何かをしてくるような存在ではないらしい。

「今だって、どこかから見られてたりして」

       『ナラ好都合』

       『血 モット必要 ナルベク早ク』

「メイダァンさんは知り合いで良い人でしたけど……
 初対面のスタンド使いから血を貰うなら、
 急ぐだけじゃなくって、相手のことも考えないと」

   「慌てるこじきはもらいが少ない、ですよう」

何やら恐ろしいことを言ってるが……
お団子頭の少女は、朱鷺宮よりは少し年上に見えた。

          ヒュオ 
              オ

「きゃっ」

と、その時風が吹く。

「あっ……ゴミが飛んでっちゃいました」

          『放ッテオケバイイ』

「ダメです、そうはいきませんよう」

パンの包み紙が風に煽られ、木の陰へと飛んで行く。

        ……朱鷺宮からすると、飛んで来る。

978朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/13(木) 21:46:06
>>977
(今の言葉…スタンド使い?!って聞こえたような…
 じゃあやっぱり…)
なんとなく確信できるような話である。
そして

「っ…!!」
見られていたり、という言葉を聞いて思わずビクッとした。

(よくわかんないけど、なんかヤバそうな話だわ…
 ここはおとなしく去ったほうが…)
スタンドを持っているとはいえ、得体のしれない相手と対するのは避けたい。
と思ったところで。

「おっ…あっ…」
パンの包み紙は風に煽られて

ポスッ

っと涙音のみぞおちあたりへと飛んでいった。
まるで吸引されるかのように。

979関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/13(木) 21:50:39
>>978

    トトト

「あっ!」

ゴミを追った関は、朱鷺宮を発見して驚く。
そして、背後からついてくる『フニクラ』も。

      フヨフヨ

           『見ラレテイタ』
           『ツイテキテイタ?』

怪訝そうに……なのか? 少し揺れていた。

《分かりませんよう、何か気になっただけかも。
 少なくとも、私の知り合いではないですし〜》

「すみませぇん、私のゴミがご迷惑を。
 お洋服とか、汚れたりしてませんか〜?」

        ペコ

頭を下げ、しゃがみ、鳩尾からずり落ちたビニール袋を拾う。

980朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/13(木) 22:14:38
>>979
「あっ…と」
ちょうどよく関と目があったことによって
一瞬動きが固まる。

「えーっと…いえ、大丈夫ですよ。
 見ての通り。汚れたわけでもないですし。」
慌てて手を振った。

「なんかこっちも覗き見しちゃってたみたいで…」
視線が少し関よりも後ろに行ってしまっている。

「なにかお話…してたんでしょうかね?」
疑問に思ったことが思わず口に出てしまった。

981関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/13(木) 22:22:49
>>980

「ああっ、ならよかった……
 いえいえ、公園はみんなのものですから。
 どこに立っていたって、自由ですよう」

        『視ラレレイル』
        『追従者』
        『スタンド使イ ダ』

赤い玉が声を出す。
『朱鷺宮』の視線に気付いているのだ。

≪わかりませんよう、決め付けるのは早いです。
 もしそうだとしても、焦って説明したって、
 『協力』して貰えるとは限りませんから≫

        『ソノ方ガ 合理的ナラ』
        『スタンド使イカ 確カメルベキ』

≪……もしそうなら、
  この会話は聞こえてるんでしょうけど≫

「ええと、お話……ですか?
 『私一人だけでしてた』って言う事ですか〜?」

「それとも――――」

              チラ

少し後ろを見る。探る必要があるかは分からないが。
いずれにせよ、今すぐに要件を切り出すのは間違いに感じた。

982朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/13(木) 22:42:19
>>981
「まぁ、たしかにそうですね。」
少し焦りながら答える。

(やっぱり何か…)
赤い玉から声が聞こえる。
そう思ったため、どうしても気になる。

「えーっと…その。
 お話…そうですね。その…」
どうやら何か気になっているようだ。

「腹話術の練習…とか?でしょうかね。」
取り敢えず、スタンド使いではない可能性を考えてみる。
しかし、スタンド使いにしか聞こえない声ならば
ほとんど自分がスタンド使いと言っているようなものだろう。

983関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/13(木) 23:33:23
>>982

「……」

(私がスタンド使いなのを気付いてないのか、
 それとも気づかなかったことにしたいのか。
 普通に考えると、後者ですかね……
 つまりこの子自身も、『隠したがってる』)

そうなると難しい。
スタンド使いなのを明かさせた上に、
さらに献血の協力をお願いしなければならない。


「腹話術……」        『血ガ 求メラレテイマス』
「ええと」          『私ハフニクラ』
「腹話術では、ないですねえ」 『人形デハナイ』

とりあえず――腹話術の線はまず無いだろう。
関としても、それで通す線は断たれた。
フニクラとしては、さっさとやりたいのだろうが。

「……………………」

「……あのう、先に言っておきます。
 この子はさっきから血がどうこう言ってますし、
 私も、『血を探してる』のは本当です」

           『血ガ無イト』
           『制御ガ 出来ナイ』
           『シバラクシカ 待テナイ』

「でも、無理矢理とったりとかは、しませんから。
 危ない事をしようとしてるわけじゃないんですよ」

スタンド云々の前に、
不安がられているなら、それを説明しておく事にした。
どうせフニクラが喋るのを止められはしないわけだし。

984朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/13(木) 23:38:33
>>983
「同時に喋って…ますね。」
同時に声が聞こえてきたのを見て、可能性は考えられなくなった。


「血を探している…というと、
 輸血が必要ってことなのでしょうか…?」
彼女の様子を見て少し考える。

「先程から話しているあの赤い玉…
 血がほしいというのはどのような事情があるのでしょうか?」
どうやら関の様子を見て少し緊張がとけたようだ。

985関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/14(金) 00:04:42
>>984

「ええ、私が喋らせてるんでも無いんです。
 これは今からする『説明』にも絡みますけど、
 この『フニクラ』は――――」

          フヨ

「私の『スタンド能力』でも、ないので。
 勝手に喋ったり、ついて来たりするんです。
 私自身の能力は――」

    ポン

「この本。『ペイデイ』の方ですからね」

まず、見せておくことにした。
木に隠れて様子を見ていたあたり、
この相手は『豪胆』とか『鈍感』とかは無い。
慎重で、繊細なタイプと想像できる。

「それで……『フニクラ』はなんなのかと言いますと」

          『私ハ フニクラ』
          『本体ハ 別ニイル』

「……という、わけなんですねえ!
 この子の本体の人に、『血が必要』なんです。
 ……ああっ、そうは言っても普通の血じゃないんですよ」

「『スタンドから取れる血』……
 『精神エネルギー』が、必要なんですって」

ゆえに、不安なワードの後には安心できる話題に繋ぐ。
最悪、敵だと思われなければマイナスにはならない…………

986朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/14(金) 00:26:28
>>985
「やっぱり…スタンドなんですね。
 あなたの能力ではないということは…」

「あなたのスタンドは…なるほど、本の形…ですか。
 能力は…まぁ大丈夫です。」
頷いてから木の陰から取り敢えず完全に姿を見せた。

「スタンドから採れる血…
 スタンドに血液ってあるんですねぇ。」
スタンド血液ということばをきいて少し首を傾げたが

「そうですか…
 精神エネルギーが…」
少し考える。

「血液が必要な理由がきになりますね…
 あと吸われたら私、どうなるんでしょうか…」
取り敢えず詳しく知りたいことを聞いてみた。
すぐにどうぞ。ともいい難くはあるのだ。

987関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/14(金) 00:39:35
>>986

姿を見せた朱鷺宮に、改めて小さく頭を下げる。

「色々急に話して、驚かせちゃってすみません〜。
 でも、その人には本当に必要な事なんですよう。
 なんで必要か、と言えば……」

           『…………』

「この子を、本体の人が制御出来てないんです。
 私にはそういう経験はないので、
 どういう気持ちなのかは分からないんですけど……」

       スゥー ・・・

息を吸って間をあける。
実際それは、重たい事実だからだ。

「そのせいで、その人は『ずっと貧血のまま暮らしてます』」

「それを治して、このスタンドを制御する為に、
 スタンドから、能力で、『血を取る』……
 それをされると、貴女はちょっとだけ痛くて、
 あとは献血をした後みたいに……疲れると思いますよう」

        「他に……聞きたい事はありますか〜?」

説明を求められた以上は、全てを詳らかに話しておく。
興味を持ってくれた相手なら、それが最も信用を得られるような気がする。

988朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/14(金) 20:11:13
>>987
「スタンドを制御できてない…
 だから今離れて行動していると…」
赤い玉の方を見ながら答える。

「そのスタンドは『血を取る』のが能力というわけですか…
 とはいえずっと貧血なのは確かに辛いですね」
それどころか…とも思う。

「聞きたいこと…
 血を取られること自体はきっと私のスタンドには恒久的に影響を及ぼさない…
 とは思いますが。」

「やっぱり…このまま放置していたらいつか
 『血』が失われて…」
そう言って少し沈黙する。
聞くのがちょっと怖いとも言えるが

「…『死んで』しまうことになる…というわけですか?」
聞きたいこと。というので特に思いつくのがそれだ。

989関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/14(金) 23:32:35
>>998

「恒久的……ずっとは、影響はないはずです。
 私のスタンドはほら、『本』なので、
 動くスタンドがどうなるかは分かりませんけど」

?をつく事に抵抗は無いが……
普通に説明して済むならそれが一番いい。

「このスタンドは――――」

        スッ

      『私ハ 血ヲ溜メル』
      『溜メテ 本体ニ 渡ス』

手をかざすと――――

      『採ルノハ 追従者ノ 仕事』

「この……『お注射』で、『血を採って』、貯め込む能力なんです」

ボールから、無数の『注射器』が突き出した――――
ただし針の方がボールに刺さった状態で、持ちやすくなっている。

「私はお医者さんではないので、絶対とは言えません。
 『家庭の医学』は、読みましたけど……
 ただ、死んじゃうという感じではなかったです」

そこも、嘘はつかない。
嘘をつかなくても十分『問題がある状態』なのは伝わっているし、
それに、人の生き死にで嘘をつくというのは、
なにかお金や時間より大事なものを失う気がする。

「ですので……あなたが協力しなくっても、大変な事になったりはしないですよう。
 普通に考えて、『あやしい』話ですし……強要なんて、出来るわけもありませんから」

          「――――たいしたお礼も、出来ませんしね」

990朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/15(土) 00:08:03
>>989
「…確かに、そう見えますね。」
まだ少し疑わしそうではある。

「血を溜め込む能力…っと。
 注射器とはわかりやすいですね。」
突き出された注射器を見て少しびっくりしたようだ。
だが、すぐに落ち着きを取り戻した。

「…なるほど…
 ですがその様子だと、困ってはいる。ということでしょうね。」
腕を組みながら少し考える。

「……」
目を閉じて少し考える。

(デメリットがあるわけでもない…相手も特に死ぬようなわけではない…と思うけど…
 やっぱりそれでも…)
彼女の様子を見れば

「そうだね。」
困っていることは確かだろう。

「このまま突っぱねてもちょっと後味悪そうだし。」
そう言って頷いた。

「私にできることなら、協力しますよ。」
どうやら涙音は、了承をするつもりのようだ。

991関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/15(土) 01:08:03
>>990

「まあっ、本当ですか!
 ありがとうございます……助かりますよう」

「死にはしなくっても、本当に、困ってはいて。
 できる事でしたら助けてあげたいんです。
 ……それが、私のためにもなりますので」

ぱあっ、と顔色を明るくして、頭を下げる。

             シュッ

             『血ガ必要デス』
             『少シデモ合理的ニ』

注射器を抜き取る。
――――明らかに『デカい』が、
スタンドエネルギーを吸うならこういう物なのか?

「それじゃあ、準備が出来たら、『スタンド』を出してくださいね〜。
 あっ……目立つ所で出すのはイヤでしたら、
 そこの木に隠れながらでも、大丈夫ですよ」

取った注射器はすぐに下に下げ、
針を朱鷺宮には向けないようにする。

「あと……お礼は『献血』らしく、
 お菓子とジュースくらいは出しますけど、
 何か好きなものとかって、ありますか?」

                ニコ ・・・

温和な笑みを浮かべ、泣き黒子のある目を細める。
お菓子を『出す』――――そう言いながら、『ペイデイ』を片手で抱いている。

992朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/15(土) 01:50:37
>>991
「まぁどういたしまして。
 こちらとしても困ってる人がいるってのはちょっと…
 見て見ぬ振りはできないですし。」
完全な善意とは言えないが
それでも誰かのためになったと言うだけで機嫌は良くなるものだ。

「注射器…その、結構でかいですね。
 まぁ…刺されても大丈夫だとは思うけど…」
現れた注射器は結構針もでかそうに見える。

「まぁ、あなたにはスタンドを出してもらったみたいですし
 この場所でもいいですけどねー。」

「お菓子…お菓子は…
 そうだなぁー…」
ちらりとスタンドを見ながら答える。

「私はロールケーキ…とかが食べたいですね。
 駅前の大人気で…なかなか手に入らないタイプのやつが」
やや欲張りな気がすると自分で思ったが…
(まぁ、これくらい欲張っちゃってもいいよね。)

993関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/15(土) 02:07:41
>>992

「見ず知らずの人のために血をくれるのは……
 きっと、あなたが良い人だからだと思いますよ。
 お世辞じゃなくて……本当にそう思ってますからねえ」

こればかりは、嘘なんて一つもない。
多少自分が気持ち良くなるためでも、
それは、『善行』と言っていいだろう。

「確かに大きいですよねえ〜…………
 刺すところはどこでも大丈夫ですから、
 どこか痛くなさそうなところに刺しますか?
 それと、苦しかったりしたらすぐ止めますからね。
 それでもお礼は……渡しますので」

途中で止められるのかは知らない。
だが、引き抜けない理由もないだろうし、
そもそも苦しいようなものではないだろう。

「ふふ、ロールケーキですねえ、いいですよ。
 できたら『お店の名前』とか、教えてくれますか?」

注射器をページに挟むようにしつつ、
帳簿を開く――白紙のページを。

「私の『ペイデイ』は……
 お金で買えるものだったら、
 たいていのものは『買える』ので〜」

          「感謝の印で、贈りますよ」

能力の片鱗も開示しておく。
信用を得られれば――それはそれだけ嬉しいのだ。

994朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2021/05/15(土) 12:23:53
>>993
「そ、そうですかね?
 正直いい人って言うのは私自身は…
 そういう自覚は、ないかなー。」
どこか照れくさそうだ。
自分をたまに『性格が悪い』と思っているだけに、善意をぶつけられると
急に照れくさくなってしまう。

「…うーん、まぁ…
 どこに刺しても同じかも…
 まぁ急所以外ならどこでもいいかな。」
少し笑いながら、その針の様子を見る。

「お店の名前…えーっと、確か」
スマホを取り出し、店名を検索する。

「ああ、ありました。
 『リルカリルド』。ロールケーキがメインのケーキ屋さんです。」
そう言って店のクチコミサイトを見せる。

「それじゃあ、早速私もスタンドを出しますね。」
そう言うと、彼女は少し目を閉じてから

『フォートレス・アンダー・シージ』

   ドギュン!!

自分のスタンドを出現させる。
見た目はいかにも屈強そうな女性の兵士のような人型のスタンドだ。

「どうでしょうか。これが私のスタンドです。
 人型なので、注射感覚は普通で良さそうだと思いますけど…」

995関 寿々芽『ペイデイ』@『フニクラ』:2021/05/15(土) 20:45:28
>>994

「ふふ、それじゃあ今日からは覚えておいて下さいね。
 あなたは良い人だって言った人と、
 あなたのくれる血で、助かった人がいるってこと……」

照れる顔を見ても、褒めを自重はしない。
献身の姿勢は、自虐的な人間に強く反応する。
良いことをしたのだ、認められるべきだ――と。

「『リルカリルド』……ですね、
 はあい、分かりましたよう。
 終わったらすぐ、渡しますからね」

      『血ノ 対価ガアルノハ 合理的』

「まあっ、フニクラもそう思いますか?
 私もそう思いますよ。
 少しくらい、いい目を見なくっちゃ……ねえ」

クチコミサイトの写真を見ておき、
どのようなロールケーキがあったか覚える。
初めて聞く店だが、きっと名店なのだろう。
良い目を見たら――『20万円』を得たら、
その時は自分の分だって、買ってもいいだろう。

「とっても『強そう』なスタンドですね〜。
 これならきっと、『良い血』が採れるはずです。
 それじゃあ……『利き腕じゃない腕』を。
 すみません、前に出してもらってもいいですか〜?」

大きな注射器を構え、『スタンド』の腕を待ち構える。

果たして何が起きるのか。続きは――

【場】『自由の場』 その2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1621051851/2-

               ――にて。

996一口怪文書『花の気持ち』:2021/06/02(水) 21:00:12
ある一輪の花は人間に憧れた
人間は自由に歩き回り、考える、物を創る、言葉を交わし心を通わせ、時に諍う
そんな人間が愛おしいと思った

ある人間の少女は花に憧れた
花は同じ花をいじめたりはしない、ただその場に綺麗に咲いているだけだ

             「わたしは人間になりたい」
              「うちは花になりたい」


               ――ポエム好きの少女の落書き帳4ページより抜粋


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