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【場】『自由の場』 その1

1 『自由の場』 :2016/01/18(月) 01:47:01
特定の舞台を用意していない場スレです。
他のスレが埋まっている時など用。
町にありえそうな場所なら、どこでもお好きにどうぞ。

868 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/22(月) 20:52:58
>>867
「友達、か」

口からでまかせかとも思ったが、あの時のセララの態度を思い返すに嘘ではあるまい。
そして、風歌の見た限りは能天気な馬鹿にも見えたが、『戦闘』における動きを見た所決して感働きと嗅覚はむしろ獣の如くに冴えている。目の前の女に悪意があれば距離を取る程度の察知力はあるだろう。

「それで、アタシになんか用か?『出すもの』はまぁ、『出してるんだが』。これは単に鎖の手触りを確かめてるだけだぜ?」

入店拒否を受けるほどではないが、清潔な風体とは言えないのが風歌である。『スタンド』を用いた万引と思われたのかも知れない。足下の買い物籠に入っている『一味』と『画鋲』『カラビナ』の品々の珍妙さも、意識を引いたのかとも風歌は思うが、まず疑ったのは万引扱いであった。

869 御影憂『ナハトワハト』 :2021/03/22(月) 21:16:04
>>868

「別に…………用って程じゃないけど…………」

        ジッ

「『どこかで見た事がある』と思ったから…………」

       スタ スタ スタ

そのまま近付いていく。
話をするためでもあり、籠の中身を確認する目的もあった。
見えた商品は記憶に留めておこう。
用途は知らないが、スタンドに関わるものかもしれない。
神社での『訓練』を見るに、その可能性は十分にある。

「………………『御影憂』」

「この前は…………『お疲れ様』…………」

        ボソ ボソ

この前というのは、『遊園地の一件』の事だ。
もっとも、別の場所にいた御影は、
風歌や世良楽が具体的に何をしていたかは知らない。
それでも、ろくでもない目に遭っていた事ぐらいは想像がつく。

870 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/22(月) 21:29:42
>>869
お疲れ様――その言葉に、風歌は顔を緩めた。

「全く、大変だったよ。『持って』から初めての揉め事で、何をどうしたらいいかも手探りで……」

戦いも、駆け引きも『運』と『スタンドの性能』に頼り切った様な無様である。
挙げ句、自爆じみたやり方で社会的にも死にかけた――まさしく、社会のゴミに相応しい有り様であった。

「ま、どうにかはなったし。『足りねーモノ』も見えてきたからな」

しかし、得たものもある。経験を得て、己に足りぬものを知った。
出会いも経た。そこから導かれた、戦いも得た。

「だから、似たような事があっても、もう少しはマシに動けるし、動く為の『買い物』をしてんのさ」

暗に、万引ではなく買い物であると強調する風歌は、自分の能力を把握されている事と『使い道』に付いて推測されるリスクを全く把握していなかった。

871 御影憂『ナハトワハト』 :2021/03/22(月) 21:46:44
>>870

「………………分かる」

          コク…………

(やっぱり…………『なった』のは最近…………)

頭の中で、『神社で見た光景』と重ね合わせる。
想像はしていたが、推測は概ね当たっていたようだ。
そして、同じ時に『能力』は『見ている』。
『風』を生む能力と、これらの物品。
おそらくは、組み合わせて何かする気なのだろう。

「そういうの…………大事だと思う…………」

「私も…………そんなに経ってないから…………」

これには『嘘』が混じっていた。
御影がスタンド使いになったのは、ずっと前の事だ。
そして、世良楽に対しても、同じように言ってあった。

「――――『アリーナ』って知ってる?」

「…………そういう所があるんだって」

「世良楽から聞いた…………」

『アリーナ』の名前を出したのは、
どこまで知っているのか探りを入れるためだった。
ちょっと見ただけだったが、
『アリーナ』のスタンド使いと組んでいた様子だった。
その辺りを知っておこうという意図だ。

872 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/22(月) 22:01:16
>>871
「『アリーナ』?」

風歌は、どのように答えたものかを迷う。
スタンド使いであれば『誰も』が知っているような組織ではないだろうし、『かつて敵対していた組織』が存在するのならば、『違う組織』もあるだろう。
もしや、その類かとも風歌は思うが、『アリーナで試合をした』自分の事を知らないということは、アリーナに対する知識が無いか薄いとも考えられる。
……どこからも『完全な他言無用』を命じられている訳ではない。探る意味も込めて、風歌はアリーナに対する率直な印象を口にした。

「『所』は、よく知らねーが。アタシの知る限りでは、『スタンド使いのヤクザ』って感じだな。『テッペン』のねぇ、二次団体だけのヤクザって感じだ」

873 御影憂『ナハトワハト』 :2021/03/22(月) 22:18:26
>>872

「へぇー………………」

そもそもが『なりたて』のスタンド使い。
『アリーナ』について詳しいとも思えない。
それを踏まえた上での問い掛けだったが、
やはり繋がりは薄いような気がする。
少なくとも、『遊園地以前』から、
何らかの繋がりがあったようには見えない。

「ちょっとだけ聞いたから…………。
 どんなのか気になってた…………」

「『知らない』んなら…………それでいい…………」

『アリーナ』がどういう組織か。
それは既に知っている。
『アリーナと敵対する者達』がいる事も。
御影の一派にとっては、どちらも警戒すべき相手だ。

「『スタンド使い同士』は出会いやすいんだって…………」

「…………『連絡先交換』しない?」

         スッ

「『遊園地仲間』って事で…………」

そう言って、おもむろに『スマホ』を取り出す。
『スマホを持っているか』を確かめる意味もある。
別に持っていなくても構わないが、
もし持っていたなら『儲けもの』だ。

874 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/22(月) 22:26:23
>>873


「ああ、いいぜ。袖振り合うも多生の縁ってな」

スタンド使いの世界について全く解らぬ風歌であるが、『同類』との連絡ルートは増やしておいて損はないだろう。
『アリーナ』とて、複数の派閥がある。そして、いろいろな所から見る事で見えてくる物もある。
新たな『縁』がなにか、『新しいもの』を風歌に運ぶかも知れないのだ。

「ほらよ」

風歌はスマホを取り出した。

「『アプリ』は分かんねーから。『番号』でいいか?」

875 御影憂『ナハトワハト』 :2021/03/22(月) 22:38:06
>>874

    ススッ

「『これ』…………私の番号…………」

「掛けてくれたら…………登録するから…………」

『電話番号』を表示させた画面を見せる。
こちらに掛けてもらえば着信履歴が残る。
あとは、それを登録しておけばいい。

「『名前』…………」

「名前…………聞いたっけ…………?」

「『登録』しなきゃいけないから…………」

ついでに『名前』も聞き出しておこう。
『番号登録』という名目があれば、それも自然になる。
もっとも、この程度なら普通に尋ねたとしても、
さほど不自然にはならないと思うが。

876 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/22(月) 22:44:49
>>875
「アタシの名前は風歌鈴音。風の歌に、鈴の音だ」

自らの名を名乗った風歌は、早速『言われた番号』を打ち始める。登録名は、もちろん名乗られた通りの『御影憂』だ。
そして、番号を打ち終えた風歌は、掛けた。

877 御影憂『ナハトワハト』 :2021/03/22(月) 23:05:58
>>876

「ありがと…………」

      ピッ

「『風歌鈴音』…………」

            「…………『登録完了』」

『名前』と『連絡先』を得た。
十分な収穫だ。
そろそろ引き上げてもいいだろう。

「じゃ…………買い物があるから…………」

         スッ

              「『また』…………」

                      スタ スタ スタ…………

スマホをしまい、別れの挨拶を告げる。
そして、その姿が棚の後ろに消えていった。
おそらく、別の売り場に向かったのだろう。

878 風歌鈴音『ダストデビル・ドライヴ』 :2021/03/22(月) 23:20:11
>>877
「ああ、またな」

新たな出会いを、手を振って送った風歌――『いい』収穫である。
人付き合いが増えるのは、ホームレスである風歌にとって良いことだ。新しい何かは、常に新しい何かしらを生むのだから。
そして、明日。風歌を新たな戦いが待つ。

「さて、と」

買うべきものは、全て見繕った。後は鎖を切ってもらわねばならない。
風歌は、店員を待つのをやめ、探しにその場を離れた。

879 『ラッコを探そう』 :2021/03/23(火) 19:57:20

『桐谷』の報告を受けて、『度会』と『御影』は『海』を訪れた。
まだシーズンオフという事もあって、他の人間はいない。
一枚の『チラシ』を手にした度会が、海面の一点を指差す。

「――――――『あれ』だ」

          プカプカ

そこには、『毛むくじゃらの生物』が浮かんでいた。
海棲哺乳類――『ラッコ』だ。
最近になって、街の各所で時折その姿が目撃されている。
まさか複数いるとも思えない。
おそらくは、『チラシの裏に描かれた絵』と同一の存在だ。

「…………『舟』が見える」

      バァァァァァァァァァァ――――――ッ

御影には、ラッコの周囲を航行する『ボート』が見えていた。
それが『スタンド』である事に疑いの余地は無い。
『本体』がラッコであろうという事も。

「呼び掛けてみろ。
 『スタンド使い同士』なら意思の疎通が行えるかもしれない」

「………………『ラッコ』と?」

「いいから試せ」

「…………分かった」

    ズズズ……

御影は、渋々『ナハトワハト』を発現した。
『闇色の外套と帽子』を身に纏った御影が、
海に浮かぶラッコを見据える。
しばらくの間、無言の時が流れた。

  スィィィ――――――ッ

      「あ…………こっち来た…………」

                         ザザァッ

波間を漂っていたラッコが砂浜に上がる。
『ボート』は消えていたが、『万一』の場合を考えて、
御影は度会の前に出た。
二人を見つめる『つぶらな瞳』からは、
何を考えているのかは窺い知れない。

「通じたか?」

「さぁ…………だって『ラッコ』だし…………」

やがて、ラッコは人間達に背を向け、
のんびりと浜辺を歩き始める。
『乱獲された歴史』を持つ動物にしては、
あまりにも無防備な姿だった。
何かあっても対処できる用意があるのか、
それとも何も考えていないだけか。

「……まぁ、いい。
 存在を確認する事は出来た。
 手懐ければ『使える』かと思ったが、
 それには時間が掛かるだろうな」

            パシャッ

スマホを構えた御影が、ラッコの姿を撮影した。
被写体となったラッコは、砂浜に落ちていた貝殻を弄っている。
果てしなく『平和な光景』だった。

「――――帰るぞ」

「…………了解」

880 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/03/26(金) 01:25:13

「うーん、いないですねーっ『ラッコ』なんて」

881 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/03/26(金) 01:27:07

砂浜、波打ち際。
冬は終わりつつあるとはいえ、
海水浴にはまだまだ早いのだが。

「うーん、いないですねーっ『ラッコ』なんて!」

黒いキャップを被り、
パーカーを羽織った少女が歩いている。

「あーあー、目撃情報の噂あったんだけどなー」

話しかけているのは、
通話でもしているのか、それとも>>882に対してなのか――――

882 宗像征爾『アヴィーチー』 :2021/03/27(土) 11:13:20
>>881

やや離れた砂浜に人影が見える。
カーキ色の作業服を着た男だ。
男は何をするでも無く、海の方に視線を向けていた。

その先の海面に『何か』が漂っているようだ。
ただ、今の位置からは見えづらい。
もう少し近付いてみれば正体が分かるだろう。

883 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/03/27(土) 18:05:31
>>882

耳に付けた『ワイヤレスイヤホン』に触れつつ、
周囲を見渡していると、その光景が目に入った。

「あ! ちょっと待ってー。
 なんか知ってそうな人いたんで!
 その人に聞いてみまーす」

     「はーい! あとでまたかけ直すネ」
 
            ピ

なんか知ってそうな人、とは宗像だ。
他には人っ子一人いないのだから。

「あのあのーっもしもーしすみませーん!
 ちょっと聞きたい事あるんだけど、良いですかーっ?」

        ザッ
           ザッ

そして、海に浮かぶ何かを横目に見つつ、
セララは宗像の方へと歩いていく。

作業服を『仕事着』と捉え、
今『仕事中』――即ち海に詳しい人だと考えているのだ。

884 宗像征爾『アヴィーチー』 :2021/03/27(土) 18:40:57
>>883

いつの間にか、俺は『海』に立っていた。
覚えている限り、これといった理由は無い筈だ。
ただ足の向くままに歩き続け、気付けば海に来ていた。
あるいは、無意識に引き寄せられる『何か』が、
ここにあったのかもしれない。
だが、それが何であるかは分からなかった。

「あぁ――」

「別に構わない」

聞こえてきた声に反応し、おもむろに振り返る。
最初、自分が呼び掛けられているとは思わなかった。
しかし、それらしい人間が他にいない以上、
自分が応じるべきなのだろう。

「俺に分かる事なら答える」

「何を聞きたいのか知らないが」

海に浮かんでいたのは、どうやら『流木』だったらしい。
どうという事の無い漂流物だ。
波間に揺られており、特に変化が起こる気配も見られない。

885 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/03/27(土) 23:39:34
>>884

「ほんとですかー! すごいすごーい!
 分かったらいいなー、じゃあ聞きますね。
 あのあのー、おじさんって、
 この辺の『海』とかって詳しいですかー?」

「特に、ほらほら! あーゆー海の生き物とかー。あ!」

        ピッ

流木を指差してから、
それが生き物ではないと気付く。

「あはーっ、あれは『木』みたいだけどー!」

      「そーゆーの詳しかったりしますー?」

何がそんなに楽しいのかといえば、
何もなくても、話すのは楽しいものなのだ。

『海に詳しそうな人』の返答を待って、
猫のように目を輝かせて、その顔を見上げている。

886 宗像征爾『アヴィーチー』 :2021/03/28(日) 00:54:45
>>885

指で指された方向を視線で追う。
遠目から見ると、何かの生き物に思えたとしても、
不思議は無いだろう。
事実、一瞬それが生きているように見えたのは確かだ。

「いや――詳しいとは言えない」

「俺が知っているのは、せいぜい常識的な範囲ぐらいだ」

『塀の中』にいる間に、世の中は絶えず変化し続けていた。
そこが知っていた場所であっても、
大きく様相を変えていた事は珍しく無い。
しかし、『自然』というのは、
社会と比べれば変わりにくいものだ。
幾らかの変化はあるだろうが、目で見る限りでは、
『二十年前』と同じ風景に見える。
今のように海を目の前にしていると、
それを『実感』として強く感じた。

「それでも良ければ話を聞こう」

『役に立てるか』と言われると、肯定は出来ない。
だが、何かの足し程度にはなるかもしれない。
いずれにせよ、『答える』と返した以上は、
答えなければならない。

887 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/03/28(日) 22:10:11
>>886

「えー、詳しそうなのにー。
 でもでも、おじさん大人だし、
 多分あたしよりは詳しいですよねー!」

「あたし、常識知らないってたまに言われるしー」

       「ひどいですよねーっ!」

別に大人でなくても、
セララよりは知っているものだ。
極端に常識知らずというわけでもないが……

「それで、聞いたいことなんですけど、
 この辺ってラッコとかいるんですかー?
 似てる動物とかじゃなくて、本物の!」

「寒いとこにしかいないと思ってたんだけどさー。
 なんか、ウワサでこの辺にいるらしいって聞いたんです」

しかし質問は常識外れのものだ。
『普通に考えれば』だが、
こんなところにいるはずはない。

……もっとも、普通じゃない事はたくさんあるものだが。

888 宗像征爾『アヴィーチー』 :2021/03/28(日) 22:50:22
>>887

「いや――見覚えは無い」

「その話を聞いたのも今が初めてだ」

俺の知る限り、それは海の動物だった筈だ。
この場所は確かに海だが、ここにいるとは思えなかった。
あるいは、『自然は変わりにくい』と考えたのが、
そもそも間違いだったのか。

「見た事は無いが、来たのは最近だろうな」

「少なくとも、昔はいなかった」

眼前に広がる海は、昔と何ら変わっていないように見えた。
だが、そうでも無かったのかもしれない。
変わっていないように見えても、
変化というのは何処かで起こっているようだ。

「俺も世間の流れには疎い方だ」

「『これ』の使い方も、未だに慣れない」

胸ポケットからスマートフォンを取り出す。
こういった精密機器は、変化の中でも特に大きなものだ。
恐らく、今後も慣れる事は無いだろう。

889 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/03/29(月) 15:26:00
>>888

「えー! なーんだ、ざんねーん。
 まー、しょーがないですよねー。
 噂は噂だし、ほんとか分かんないしー」

「あーあ、見つけたら写真撮りたかったのになー」

セララは諦めが早い。
というより、物事にこだわらない。
楽しくならないと思っているからだ。

「え! それってもしかして、スマートフォン?
 スマホ自体が慣れないってこと?
 どれかのアプリが分かんないとか、
 機種変についてけないー、とかじゃなくて?」

「うそー、せっかく持ってるのにもったいなーい」

取り出したるスマホを眺め、
不思議そうに首を傾げたが……

「おじさん、だったらあたしが教えたげますよ!
 ここにラッコがいないって教えてくれたわけだしさー」

      「教えてくれなかったらあたし、
       何時間もここでウロウロしてたかもー」

思いついたように、満面の笑みでそのような提案をする。
手に持ったスマホは最新機種、カバーはパンダ模様だ。

890 宗像征爾『アヴィーチー』 :2021/03/29(月) 17:27:09
>>889

男のスマートフォンには、カバーが使われていなかった。
保護フィルムも貼られていない。
そのせいか、至る所に幾つも傷が付いている。

「これが主流だと言われて契約したが、
 最初は操作の仕方が分からなかった」

「昔と比べると、かなり変わったようだ」

初めて見た時は、
それが携帯電話である事さえ気付かなかった。
俺が知っていたのは、
携帯電話が普及し始めた時期の型だ。
それすらも詳しかった訳では無い。

「電話の受け答え程度しか使っていないが、
 持っていなければ仕事に支障が出る」

「今は公衆電話の数も少ない」

街を歩いていて気付いた事の一つは、
公衆電話が無い事だった。
非常時に備えて一定数は残されているらしいが、
随分と減っている。
需要の低下を考えれば当然の事なのだろう。

「君は『これ』に詳しそうだな」

「よければ説明してもらおう」

少女の手元を一瞥する。
飲み込めるかどうかは分からないが、
聞いておいてもいいだろう。
あるいは、その為に必要な時間は、
ラッコを探すのと同じぐらいになるかもしれないが。

891 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/03/29(月) 21:26:32
>>890

「へー、あたしはこれが普通だからなー。
 昔のって『ガラケー』ですかー?
 あたし、それと比べては説明できないかも」

「じゃーいろいろ教えたげますけどー
 よくわかんなかったらごめんなさーい」

        「何回でも聞き返してネ」

セララは特に教えるのが上手いわけではない。
『前提』を知らない宗像相手なら、なおさらだろう。

「じゃあまずー、
 何からがいいだろ。
 えーと、電話のかけ方ー?」

「あはーっ! それは分かるか!
 てゆーかあたし、電話ってあんま使わないしなー。
 でもねでもね、じゃん! 見てみてー。
 このアプリあれば電話要らずなんですよーっ」

         「相手もアプリ入れてたらですけどー」

やたらと『チャットアプリ』を入れるべきだと主張するが、
ともかく――――互いのためになる交流になった、かもしれない。

892 ソラ『ステインド・スカイ』 :2021/04/03(土) 09:24:09
白い髪の少女の柔らかそうなお腹を

ドゴォッ!

>>893の足が思い切り蹴り上げるッ!
ここがどこで、何故こうなったのかは>>893が詳しく説明してくれるだろう

893 稲崎 充希『ショッカー・イン・グルームタウン』 :2021/04/03(土) 10:04:11
>>892

     ドゴッ‼︎


「【渾沌】(ええッ!?)ーーッ!」


人気のない夜の『児童公園』にいた『ソラ』。
不意に腹部に鋭い痛みを感じ、その正体を確かめる為に顔を上げると
視線の先には『黒髪』『黒い白衣』の女性が立っていた。
明らかに狼狽えている様子の女、その背後では漕いでいたであろうブランコがギシギシと揺れている。


「【謝罪】ッ(ごめんなさい)ッ!
 ええと…【加護の水晶】(眼鏡)【加護の水晶】(眼鏡)…。
 【少女】よ、怪我はないだろうか?」


女は『黒色の白衣』から取り出した眼鏡を掛け、
恐らく『ブランコからのキック』を受け倒れてるであろう『ソラ』に駆け寄る。

894 ソラ『ステインド・スカイ』 :2021/04/03(土) 10:31:15
>>893
勢いのついた『ブランコキック』を受けて、血を吐き散らして吹っ飛ぶ

「う…あ……」

突然の出来事に対処出来ず、仰向けに倒れ
痛みで返事も出来ず、口から血を垂れ流しピクピクと痙攣している
重症そうだ

895 稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』 :2021/04/03(土) 11:30:51
>>894

   「嗚呼ッ!【少女】ッ!【月は欠けて】(怪我)いないかッ!
    ……【蟹】の様相を呈している(泡を吹いている)。

    【如何】、このままでは【新月の襲来】(危ない)ッ!
    ええい【生命鉄牛】(救急車)を急いで【召喚】(呼ぶ)べきだが」

黒い白衣のポケットを弄りスマホを取り出そうとするが、
指先には布の感触しかない。


   「こんな時に限って【依存の板】(スマホ)を【隠れ家】に【置き去り】(忘れた)。
    此のままでは【少女】の亡骸を抱え【世界の中心で愛を叫ぶ】(大変な事になる)のは必至ッ!
    だ、誰か【死殺者】(お医者さん)を呼んでくれェーーッ!
    ッて、【死の殺戮者】(医者)は【我】(私)だ!!  …!!」



ズギュンッ  ズギュンッ



   「【混濁街より産まれし闇を切り裂く天使と光を呑み込む悪魔】
    (『ショッカー・イン・グルームタウン』)」


自らの両手に二対の刃渡り50cm程の『刀』のスタンド、
『ショッカー・イン・グルームタウン』を発現。
(右手に握った『刀』は真っ黒に、逆に左手の『刀』は真白に染まっている)


   「【漆黒丸】!【光輪丸】!」

                     ザスザスッ!

両手の『双剣』を『ソラ』の腹部に突き刺し、『電流化』。
『電流』と化した『双剣』は対象と接している間は、
一切の痛みを与える事なく『電気療法』の要領で患部の痛みを抑え疲労を癒す。
おそらくこれで、目を覚ますはず。

896 ソラ『ステインド・スカイ』 :2021/04/03(土) 11:49:15
>>895
「う、うぅ…」

『電気療法』が効いたおかげか、
目を覚まして、ゆっくりと体を起こした

「ここはどこ…?
 私は誰…?貴方は…?」

ショックで記憶を失っている…!?

897 稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』 :2021/04/03(土) 13:20:03
>>896


「【善】(良かった)ッ!
 【漆黒丸】(『ショッカー・イン・グルームタウンA』)、
 【光輪丸】(『ショッカー・イン・グルームタウンB』)よ、
 【混沌の双剣】よ【我】が【鞘】に納まるがいい…」


『ソラ』が意識を取り戻したのを確認したのならば、
『ショッカー・イン・グルームタウン』を解除し、
目を覚ました『ソラ』が体を起こすのを手伝う。


「【少女】よ、自我を取り戻したか?
 【我】(私)の【真名】(名前)は『稲崎充希』」


「【残党狩り】(残業)からの解放感と、
 明日からの【鎖の休戦】(連休)で、正直浮かれていてな…。
 【隠れ家】(自宅)で【密造】せし【般若湯】(自家製果実酒)を嗜んでいたのが、
 【デュオニュソス】に誑かされ(酔っちゃって)我が【隠れ家】から近し、
 此処の【児戯の箱庭】(児童公園)に【犬の奴隷ごっこ】(お散歩)をしに来た。

 そこで見つけし、あの【鞦韆】(ブランコ)で戯れていたら、
 【手綱】(鎖)の操作を誤り、そこにいた【少女】(あなた)を巻き込んでしまった。
 【埃をかぶった葡萄酒】(いい歳)なのに本当に恥ずかしい限りだ……」

         スッ


『ソラ』の後頭部をそっと撫でてコブができていないか確認する。


「……【少女】の意識に混濁が見受けられるな。
 【汝】、自らの【存在】をゆっくりと思い出され。
 まずは『深呼吸』だ。そして自らの手を眺めよ。

 【ブラックボックス】(後頭部)は打っていないとは思うが、
 【月の院】(病院)で【X線CT】を受けておいた方がいい。
 勿論、【CT】の【召喚】に必要な【金血】(費用)は【我】が支払う。
 誠に、誠に申し訳ない事をした…!」       深々と頭を下げた。

898 ソラ『ステインド・スカイ』 :2021/04/03(土) 13:52:52
>>897
「?????????」

頭を触ってみても、これといった外傷は無いようだったが
稲崎の難解過ぎる言語を理解出来ず頭が混乱する

「ちょっと何言ってんのか分かんないっす…」

しかし「深呼吸をしてゆっくりと思い出せ」と言われた事くらいは何とか理解した

スゥーハァースゥーハァー

「ああ!
 『ソラ』・・『藤原ソラ』だ


 ・・あとは忘れちまった」

どうやら名前を思い出したようだ

ほかにもあるのですが


・・あとは忘れちまった

899 稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』 :2021/04/03(土) 14:34:15
>>898


  「……【滅びし恐龍】(あんぐり)」


あせっ あせっ


自らが『記憶喪失』だとあっけらかんと告げる『藤原ソラ』、
それに対し額からジワリと汗を垂らし動揺する『稲崎充希』。
その感情を悟られまいと前髪を弄ったり、
メガネのブリッジの位置を指の背で直したりするが――『挙動不審』だ。



「な、なあ…【少女:藤原ソラ】、
 やはり【汝】は【ブラックボックス】(後頭部)を打っていたようだ。
 【真】(マジ)に【汝の船】が【難破】(記憶喪失)とはッ!!
 嗚呼っ!【我】は【老人に託されし種籾を墓標に蒔く世紀末救世主】(バカなこと)を!

 端的に述べて今、【汝】は【黄と赤の境界】(危険)に立っているのかもしれない。
 今すぐにっ!【生命鉄牛】を【召喚】してくれッ!
 【汝】、【依存の板】(スマホ)を所有してるかッ?」


片手を自らの耳元に運ぶ『ジェスチャー』をする『稲崎』。
どうやら『スマホ』で救急車を呼んでください、と言っているようだが…

900 ソラ『ステインド・スカイ』 :2021/04/03(土) 15:22:49
>>899
「わからん!さっぱり、わからん!」

やはり言葉の意味を理解出来ずお手上げ状態
何とか解読しようと頭をフル回転させるも

「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

脳がオーバーヒートを起こしてしまい再び倒れてしまった

「思い…出した!」

そのショックで思い出した事がある
稲崎とは関係無く、元から記憶喪失だったという事だ

「稲崎さん、ありがとう!
 あなたのおかげで覚えていないという事を思い出したよ!
 おかげですっきりした!」

記憶喪失に記憶喪失を重ね掛かけしたのは蹴り飛ばした稲崎のせいなのだが
そんな事は知らないソラは稲崎に感謝の握手を送る

ちなみにだが、文無しのソラはスマホなんて高価な物を持ち合わせているわけがなかった

901 稲崎充希『ショッカー・イン・グルームタウン』 :2021/04/04(日) 00:18:36
>>900

     「【応】…?(ええ)」


頭に疑問符を浮かべたまま、ソラの握手に応じる。

「【残酷な天使と人造人間】(よくわからない)だが……
 とにかく【汝】が【満月】(無事)ならば安堵で狂い悶える【世界線】だ。
 【背筋を鉄の如く正し】(気を付けて)【隠れ家】(家)まで帰ってくれ…」

902 ソラ『ステインド・スカイ』 :2021/04/04(日) 08:09:15
>>901
「何言ってるのか分かんないけど、そっちも気を付けてね」

用事を済ませて、公園から帰る事にしたソラくんだったが

「…そもそも何しにこんな所に来たんだっけ…?
 うっ、思い出せない…!」

終わり

903 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/04/07(水) 19:17:51

黒いキャップをかぶり、
パンダのような色のパーカーを着た、
モカブラウンの髪の少女が、
ベンチに腰掛けアイスを食べている。

「〜♪」

『冬』が終わったから、アイスはより美味しくなる。
なお、現在は待ち合わせの最中。これから遊びに行く予定だ。

904 七篠 譲葉『リルトランク』 :2021/04/07(水) 19:18:28
>>903

「あ! 円谷さん!」

 七篠は星見駅に面した街道をきょろきょろと辺りを見回しながら歩いていた。
 ベンチに腰をかけている同級生、円谷を見つけ手を振りながら近付いていく。

「ごめんなさい、円谷さんを待たせてしまって。
 アイス食べ終わるまで待つので焦らないで大丈夫ですので。」

 そう言って自分も持ってきた水筒から水を飲み、一息つく。

「あ、今日は歓楽街で遊びますか? それとも、北に行ってショッピングにしますか?
 どちらでも楽しそうですよね。」

905 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/04/07(水) 19:19:06
>>904

「あ!! ユズちゃんユズちゃーん、こっちこっちー」

気安く呼び掛けて、
同級生の『七篠』と合流する。

「あはーっ、待ってない待ってない。
 あたしが早く来すぎただけだしネ」

         ジャクッ

「ユズちゃんと遊べると思って、
 あたし張り切っちゃいました」

チョコミントのアイスクリームを齧り、
コーンを包んでいた紙は丸めた。
張り切っているのは本当だ。
全力とか、そういうのは無いが。

「うーん、じゃあじゃあ大通りに買い物行こーよ!
 横丁よりあっちの方が店多くて楽しいと思いまーす」

「スカイモールのバスはちょっと先だしー」

ここで言う『店』というのは、
セララが好きな店という意味。
店の数自体が多いかどうかは、セララは当然知らない。

906 七篠 譲葉『リルトランク』 :2021/04/07(水) 19:19:37
>>905

「しばらく春休みで予定とか合わなかったですもんね。
 こうして遊ぶの、なんだか本当に久しぶりな感じがします。今日はたくさん楽しみましょうね!」

 そう言いながら大通りの方に向き、並んで歩き始める。
 束の間の帰省から戻ってきた学生も多いようで、大通りはいつもより賑わっているように見えた。

 そんな中でも、人混みーー特に女子生徒が多く集まっている店が目に付いた。

「『ぬいぐるみショップ』……?
 あれ? 新しくできたお店でしょうか?
 円谷さん、知ってます?」

 記憶が確かなら、円谷は『甘いもの』や『ぬいぐるみ』が好きだったはずだ。
 もしかしたら知っているかもしれない。

ーー私の部屋にもこんな感じのぬいぐるみがあったら可愛いだろうな…。

907 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/04/07(水) 19:20:12
>>906

「やったやったー! ユズちゃんやる気MAXだー」

歩調を合わせる。
それくらいはする。

「え! ぬいぐるみショップー!?
 そんなのあるの、あたし知らなかったー。
 ファンシーショップならあったと思うけど、
 ぬいぐるみ専門店だなんてスゴーい!」

  「見つけたユズちゃんもえらーい」

人だかりを眺め、声を上げる。

「ユズちゃんぬい好きなんだっけ?
 あたしは、まあまあ好きでーす。
 とりあえずあそこ入ろ入ろ!
 あ、でもでも並んでなければだけどネ」

ぬいぐるみは『好き』だ。間違いなく。
セララは好きな物がとにかく多い。
熱く燃えるような感情ではなくとも、
その一つ一つが本当に好きなのだ。

「てゆーかねえねえ、円谷さーんじゃなくて、
 『セララちゃん』って呼んでよー。
 あたしの方が偉いみたいで、なんかやですよ」

「まーユズちゃんは前からそうだし、別に良いけどー」

このやり取りは初めてでは無い。
特別に親友とかではないし、
苗字呼びはむしろ『自然』ではある。
単に、円谷世良楽という人間が『なれなれしい』だけだ。

話しながら、『ぬいぐるみショップ』へと向かっていく。

908 七篠 譲葉『リルトランク』 :2021/04/07(水) 19:20:48
>>907

「私も知らなかったです! もしかして最近できたのかも?
 ぬいぐるみの専門店って確かにあまり聞かないですし、ちょっと楽しみ…!」

 店内を眺めると、ブーケがいくらか置かれている。どうやら開店祝いの花のようだった。
 円谷の言葉に頷きながら店内へと歩みを進める。
 犬や猫、クマなどの定番どころから、パンダのような動物園の周辺でなければなかなか見つけられないものや、トカゲなどの爬虫類のようななかなか珍しいものまで。専門店と謳うのも納得の品揃えだ。

「なんだか、普段名字で呼ぶことが多いから名前で呼ぶのって気恥ずかしくって……。
 …セララちゃ……やっぱり恥ずかしいです…!
 あ、この猫さん、セ…円谷さんに似てる……。」

 七篠は顔を赤くしながら、『猫のぬいぐるみ』を手に取る。
 焦げ茶の毛並みに黒くくりくりとした目が可愛らしいぬいぐるみだ。

909 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/04/07(水) 19:21:30
>>908

「ねー! スカイモールにもこんなの無いよね!
 あたしも見るの楽しみー。
 おっきいパンダのぬいぐるみとか、あるかなー」

       ウィーン…

自動ドアを潜って店内へ。
珍しいぬいぐるみに視線を巡らせ、
それから『七篠』の方を見る。

「んー? 恥ずかしいなら別にいいよー。
 友達として呼んでくれてるならネ」

      ゴソ

「え! それ、あたしに似てるー? 本当かな。
 でも、ってことはかわいいってコトですね!
 じゃあじゃあ、それ買っちゃいなよユズちゃん!」

手に取ったぬいぐるみを見て屈託なく笑う。
確かに似てる、かもしれない。

「あたしはどれ買おうかなー。
 ユズちゃんに似てるのどれだろ! このチワワ?
 こっちの芝? あはーっ、パグは違うよねー!」

「あ! ボルゾイもある! 見て見て! ちょっと大き過ぎ?」

それから、自分のぬいぐるみも探し始める。 

「やばーい! 今日お金あるからどれでも買えちゃう!!」

       「一個にしなきゃだなーっ。
        この後もお店行くし! ね!
        行くでしょユズちゃーん?」

『お金』については――セララの家はデカい。
そして七篠と違い、家に一切の悪感情は無いらしかった。

910 七篠 譲葉『リルトランク』 :2021/04/07(水) 19:23:27
>>909

「も、もちろん、円谷さんは大切なお友達です!」

 先ほどの名前を呼ぼうとした一件を引きずり、頬が赤いまま七篠は言葉を返した。
 大切なお友達だから、自分のことを親がつけた『譲葉』ではなく『ユズ』と呼んでくれる友人だから期待に応えたかった。
 だが、そう簡単に習慣は変えられなかった。

 ちらと円谷を見ると、彼女の持つぬいぐるみたちはどれも『犬のぬいぐるみ』で、七篠が犬が好きなのを意識してるのだろうと感じる。

ーー嬉しい。円谷さんは私を見てくれてる。
ーーいつか、『円谷さん』ではなく『セララちゃん』と、彼女の望む呼び名で呼べるように練習しよう。

「円谷さんに似た『猫さん』買ってきちゃいますね。
 帰ったら机に飾ろうかな?」

 そして、会計を済まし、未だに複数のぬいぐるみたちを手に悩んでいる円谷の声に応える。

「はい! ぜひ!
 このあとも遊ぶんですから、荷物はほどほどにしとかないと大変ですよ?」

911 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/04/07(水) 19:23:58
>>910

「だよねーっ! あたしもユズちゃんの事、
 友達だと思ってるもん! あたし達おんなじだ」

セララは純粋な笑みを浮かべる。

「だから一個にするなら、この犬にしよーっと。
 これが一番ユズちゃんに似てる気がするしー。
 パンダは、また今度でいーや」

茶色い犬のぬいぐるみを手に取る。
家にある他の物に並ぶだけの価値は、間違いなくある。

「買ってきたよ、おまたせー。
 ユズちゃん、これさー、
 ユズちゃんだと思って大事にするネ」
 
「……あはははは! なんてねー!
 うそうそ! そーゆーのは重い重ーい」

会計を済ませて来るや否や、そんなことを言い出す。
声色に、本気の色は一切ない。完全なる軽口だ。

「まー大事にはしますけどー。
 ね、ね、それで、次どうするー?
 ユズちゃーん、なにか買いたいものとかある?
 お洋服とかー、あとなんだろ、アクセ? コスメ?」

    「あーでも、甘い物食べに行くとかもありかなー?
      あーあどーしよー! 全部楽しそう過ぎて決めらんない」

路地にはいくらでも、たいていの店はある。セララは何でも楽しめる。

912 七篠 譲葉『リルトランク』 :2021/04/07(水) 19:24:36
>>911

ーーなんだか、また顔が赤くなった気がする。

 円谷の持つビニール袋の中には、彼女が"七篠に似ている"と評したぬいぐるみが入っている。
 七篠自身も"円谷に似ている"ということで猫のぬいぐるみを購入したのでやっていることは同じはずなのだが。
 大切な友人が好きなパンダを置いて、自分に似たものを選んでくれたというのが嬉しかったのかもしれない。
 七篠はにこりと笑って少しおどけた口調で返した。

「ふふ、私も円谷さんだと思って大切にしますよ、なんて。」

「んと、ちょっと文房具を見に行きたいんです。お付き合いいただいてもいいですか?」

 新学期の準備に不足があった、そう匂わせながら『リルトランク』に必要な『植物製品』を見に行きたいと考える。
 強粘着で大きめの付箋であれば壁に貼って、ラベンダーを枕元に生やすこともできるし、解除して何度も使うことができる。
 『リルトランク』との付き合いの中で、『木の枝』をどう生やすかに悩んだ末の提案だった。

913 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/04/07(水) 23:07:34
>>912

「えー! どうしよどうしよ、
 ユズちゃんも重い子になっちゃったー!」

セララの口から出る言葉に、
それこそ重みはなかった。
悪いことなのかどうかは分からない。

「文房具? 付き合うよー。
 あ! あたしも今シャー芯切れてたかも!
 ちょうどいいや、行こ行こー」

近場には『文具店』も勿論ある。
セララはこだわりが無いので、
足が向く先は『文具チェーン店』だ。

「……でさでさ、ユズちゃん何買うのー?
 いい匂いする消しゴム? キラキラするノリとか?」

「それともちょっと良いシャーペンとか? 先が回るやつ」

七篠の『お目当て』は知らないし、
知ったとして、その『用途』は分かりようもない。

「あ! 見てみて、新生活フェアだって! フレッシュー!」

新生活――『スタンドを得た』時期には、
セララもまた練習などをしていたのだが、
動かせるようになってからは、必死にはやらなくなった。

914 七篠 譲葉『リルトランク』 :2021/04/07(水) 23:57:11
>>913
「ふふ、友達が大好きすぎて重たい、悪い子ですよー? 大変ですよー?」

 おどけた調子のまま、円谷の言葉に乗る。
 確かに自分自身、人に向ける感情が重たいことは自覚している。家族との仲がすこし冷たい分、外に求めている部分はあるのだろう。

 円谷の先導のまま、『文具チェーン店』に入る。
 店内は広く、学校で必要になる文房具はまず揃いそうな品揃えだ。

「えと、今日は『付箋』と『ルーズリーフ』がほしいんです。
 新学期でノートを取るときに色が違う付箋とか使い分けられたら便利だなって思いまして。
 今ならまだノートもそんなに取ってないから写せますし。」

 きょろきょろと見渡していると、円谷の声で『新生活フェア』と書かれた場所が目に入る
 どうやら学生が使いそうな筆記具の他、家計簿や印鑑、春を思わせる桜の便箋などをまとめて置いているようだ。

「あ、『新生活フェア』でまとまってますね!
 探さずに済みました! こっちにペンとか『シャー芯』もありますよ。」

 そう円谷に声をかけながら、求める品を探す。

ーーあった。

 『強粘着付箋』と銘打たれた付箋は正方形をしていて、しっかりとメモしたいときに使えるぐらいの大きめのものだ。
 寮の壁に貼ることを考え、どの色がいいか悩んだ末に薄茶と白を。そして実際にノートに貼るために赤・青・黄のパステルカラーのものを買うことに決めた。
 『ルーズリーフ』は白だと照り返しが目によくないと聞いたことがある為、薄茶のものを選んだ。

ーー家に帰ったらこれでいろいろ試してみよう。

 まだまだ『スタンド』については無知だが、せっかく得た才能なのだからきちんと使ってあげたい。
 美味しい柑橘類を食べるだけでなく、ラベンダーで安眠、クローゼットにクチナシを生やして服に香りを移して香水代わりと想像は膨らむ七篠だった。

 会計を済まし戻ってくると、どうやら円谷も一通り見終わったように見えた。

「私の方は買い終わりました。んと、円谷さんは他に買うものとかありますか?
 別のお店にも行きますか?」

915 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/04/08(木) 23:48:03
>>914

「うそー! やだなやだな、重いのこわーい。
 でも、あたしってよく軽いって言われるしー、
 凸凹の方が良いっていうから、ちょーどいーかもネ」

言葉はまさしく軽かった。
だが、本音と重さは必ずしも両立しない。
羽のように軽い言葉の中に、真実はある。

「え! 写すって、書き写すってコト!?
 すごーい、まっじめー。
 あたしなら切って糊で貼っちゃうか、
 コピーしてそれを貼っちゃうよー」

「じゃ、あたしシャーペン見てるから!
 ユズちゃんゆっくり見てていーよー」

と、実際シャーペン売り場を見ていた。
そしてルーズリーフを買う頃に『先が回るペン』と、
シャー芯を買ってレジに並び、待たせない。
そういう社交性は持ち合わせていた。

「あたしも今終わったとこ!
 見てこれ見てこれ、じゃん!
 先が回って折れにくいペンー! クルクルクルクル!」

たいして珍しいものではないが……
ともかく、お目当ては見つかった。お互いに。

「ここでは他はいいかなー、文房具切らしてないし!
 ねえねえユズちゃん、あたしお腹空いてきたかも!」

       「何か食べに行こーよー。
        お店でも、屋台とかでもあたしいーよ」

だが……どうやらこの『遊び』はまだまだ続きそうだ。
友達と休みの日に会えば、ずっと遊んでいたいものだから。

916 七篠 譲葉『リルトランク』 :2021/04/09(金) 00:01:49
>>915
 円谷も会計が終わっていたようだった。
 彼女の持つペンは書くごとに芯が回転し、尖った状態を維持する上に折れにくいため書きやすいと評判のシャーペンだ。

「わ、よかったですね!
 それすごく書きやすいんですよね。今度使った感想聞きたいです!」

 互いに求めるものが見つかり、円谷が空腹を覚えたこともあり、二人で店を後にした。
 食べたいものを話しながら、ふらふらと通りを進んでいく。

「この時間だとお茶とかいいですよね。
 パンケーキとか、蜂蜜たっぷり!」

 どうやら気の向くまま、足の向くまま、二人の休日はまだまだ続いていくようだった。

917 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/04/09(金) 00:32:17
>>916

転がる石には苔が生えぬ――――
回り続ける物は、案外劣化しないものなのだ。

「あはーっ、いいでしょいいでしょ!
 え、感想? いーよいーよ。
 むしろ聞いてほしいくらいだし―。
 あ! でもでも、代わりにお返しちょーだい!
 『ノート』出来たら、それ見せてほしいんだー」

「それでね、ノートとるコツとかも教えて欲しいでーす」

全然釣り合っていない交換を提案しつつ、
店を出ながら周囲を見渡す。

「あーあ……今、きっとあたしたちが一番楽しーよね!」

大通りの往来には、人が溢れかえる。

「アフタヌーンティーねー!
 あたしもパンケーキ好きでーす。
 ワッフルとかフレンチトーストも好き!
 やばーい、全部好きかもー!」
 
               スタ  スタ

「あとはねー、この辺のお店って何があったっけ?
 あ! なんかねなんかね、面白い外人さんのカレー屋があってさー」

            「そこのガパオが美味しいんだって!
              気になるー。ユズちゃん知ってるー!?」

                          スタ  スタ  ・・・


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