[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
Key Of The Twilight
1
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/07/01(火) 19:01:24
移動してきました。
現在、参加者の募集はしておりません。
871
:
◆ruQu1a.CGo
:2018/12/30(日) 20:07:04
年の瀬に申し訳ない、スマホのデータが飛んだのでwikiの方がわからなくなりました。
なので、お二方どちらかURL貼って頂けないでしょうか…orz
872
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2018/12/31(月) 03:34:11
どんまいw
seesaawiki.jp/key-twilight/d/
873
:
キール
◆ruQu1a.CGo
:2019/02/27(水) 22:58:02
【虚空城】
泥氷入り混じる瀑布は大気に触れると同時に氷結し、大気中の水分を喰らって爆発的にその質量を殖やしていく。
エントランスは瞬く間に絶対零度の氷獄へ姿を変え、ありとあらゆるモノの動きを、生命の灯を閉ざした……筈だった。
しかし、怒号か悲叫か咆哮か。
氷結した世界を揺るがす声、赫怒と共に姿を現したのは禍々しい異形の人影。
蒼白な顔と漆黒の血涙、穿つ黒角にキールは目を細めた。
「……醜いわ、実に醜い」
先程までのアブセルは、言わば自身と同じ半人半獣。
しかし、氷の棺を突き破って姿を現したのは魔人とも言える殆どに禍々しく変化したアブセルだった。
赫怒の咆哮を残し、激しく跳び回るその様子に一欠片の品性も無いとキールは顔をしかめるが、その表情は苦悶のソレに変わる。
打凸、打凸、打凸。
アブセルのしつこいまでの打撃はキールの黒鎧の装甲を破ることは出来ない筈、だった。
異形の力は四神と同等と言えども、黄龍とリンクしている今のキールには届かない筈、だった。
だがしかし、そのしなる尾で捕らえられ、腹腔に叩きつけられた拳は確かにキールの装甲を突き破ったのだった。
(これは……まさか!)
腹部に走る極大の痛みよりも、キールが想うのは君主の危機。
神獣化した四霊は黄、龍とリンクし絶大な力を、無限とも言える力を得る。
四霊の一角、守護を司るキールが得るのは“絶対防御”だが、それが破られたと言う事は……リンクが切れたと言う事は。
黄龍、ゼロの身に危機が迫っているいや、現在進行形で危篤状態なのではないか。
口腔から溢れ出る血塊を吐き捨て、女性とは思えない程の剛力とざらついた鱗鎧刃で我が身を捕らえる尾を引き千切り、キールはアブセルを睨み付けた。
(イオリはシデンと、先の連中がゼロ様の下へたどり着くには早過ぎるなら……失念していたわ、イオリの片腕、あの男を)
睨み付けながらキールは思考を走らせ、ほぼほぼ確かだろう予測を立てる。
そして、その予測が間違っていないならば“こんな所でじゃれ合う暇はない”とばかりに、乱雑にアブセルの顔面へと拳を叩き込み、彼を吹き飛ばした。
「はは、待てよ!俺の事忘れてるだろう!?」
更に、吹き飛ぶアブセルへと追撃の巨槍を投擲しようとキールは腕を振りかざし……その腕が止まる。
見れば腕には闇色の百足の群れが絡みついており、傭兵の生き残りが……イオリやメイヤに似た男、闇を植え付けられたら男が剣を持って立っていた。
暗獄の闇、最も邪悪な龍が封じられし刃はいつかアブセルへと託されたモノであり、それとは別、黒水晶の美しい剣を男は握っていた。
魔玉と同じ性質を持つとされるその剣は、闇の因子を持つモノならばその力を引き出せるだろう。
「小僧、お前なら使えるだろう!」
874
:
キール
◆ruQu1a.CGo
:2019/02/27(水) 23:00:38
「小僧、お前なら使えるだろう!」
男、ジョッシュは黒水晶の剣をアブセルへと投げ、キールへ向かって疾走していく。
既に限界を超えているであろう身体を動かすのは“闇”
百足を邪龍へと変化させ、ジョッシュは駆ける。
そして、大きく腕を横に薙ぐと共に邪龍の群れがキールへと襲い掛かり、対するキールはその全てを氷結させて爆砕。
氷塊が轟音と共に粉砕され、氷片の嵐が吹き荒れるその中央で、二振りの黒刃で鍔迫り合いを行うのはやはりキールとジョッシュだが、邪龍の力を引き出したジョッシュは意外にも食らいついている……が、それは命の灯火を燃やしているからこその強さ、焼け落ちる前の蝋燭が一際強く燃え上がるソレだ。
「構う暇はないのよ!」
苛立ちを露わにし、キールが手刀でジョッシュの左肩を貫き、その身体を内側から凍結させようと凍気を流し込もうとする瞬間。
ジョッシュは乾いた笑みを浮かべ、アブセルへ視線を投げた。
今だ、やれ、と。
875
:
フェミル
◆wxoyo3TVQU
:2019/03/01(金) 08:57:06
【虚空城】
最上階。崩壊が進む中で辛うじて形を保っているその場所で、フェミルは吹き抜けになった紅い空を見上げていた。
「・・・壊れる・・・」
破滅と再生は紙一重。ゼロは均衡を失った世界をリセットし、本来の姿へと創り直すべく手を尽くしていた。
「ゼロ・・・いない・・・」
しかし、突然ゼロの気配が消えた。
「・・・兄さま・・・」
フェミルは呟きぬいぐるみを抱きしめる。
もう一人、帰ってこない者がいる。
ゼロと同じ容貌の、しかしゼロとは違う温かなあの笑顔をずっと見ていないのだ。
「兄さま、幸せ・・・?」
いつも妹達のことを最優先に考えて、自分の幸せなど二の次で。ずっと、彼に幸せになって欲しかった。
だから"あの子"と引き会わせた。兄がとても可愛がっていた子。私にとっても愛しい子。
「・・・?」
今自分は何を考えていたのだろう。時々今のように記憶が混乱する。誰かの意識が自分に入ったかのように、自分の持つ記憶とは別の光景を映し出す。
フェミルは首を傾げた。
876
:
アブセル
:2019/04/02(火) 03:49:46
【虚空城】
口角を上げ笑う男の視線の先には、割れた額から流れ落ちる血で顔を黒く濡らした魔人の姿が。
キールに殴り飛ばされた後、直ぐさま身体を反転させたアブセルは、鍔迫り合いを行う二人……偏にキールに向かって突進していた。
空中を舞う氷片に紛れて彼女の背後へ肉薄するアブセルのその手には、ジョッシュに投げ渡された剣がしっかりと握られている。
彼がどこの誰なのか勿論アブセルは知らないし、今はそれを考える余裕もない。
時間の経過と共に侵食する闇は、アブセルの人としての思考力を着々と奪い、狂気の底へと引き摺り込もうと舌舐めずりをしていた。
アブセルは意識が飛びそうになるのを歯を食いしばって堪え、男の与えた好機を無駄にはしまいと更に踏み込むとーー
「うおおぉぉおおオッ!!」
掲げた剣をキールの首元から斜め下へ、全身全霊の力を込めて振り下ろした。
877
:
イスラ
:2019/04/02(火) 03:54:25
【虚空城】
「居た!多分あの子が例の子だ!」
崩壊した城の最上階に一人佇む少女の背後。
ふいに入り乱れる数人分の足音と共に、その声は半開きになった扉の向こう側から発せられた。
リマ、セナと共に部屋の中に駆け込んだイスラは、縫いぐるみを抱く少女…床の上に座り込むフェミルの姿を見て、ほっと安堵の息をつく。
「良かった…無事みたいだ」
エントランスでアブセルと別れた後、一行は過去組、現代組と二手に別れて広い城の中を探索していたのだった。
もちろん捜索対象はジルの妹だというこの少女と、そして黄竜である。
「君がフェミルちゃん……だよね?」
もう大丈夫だよ。と声をかけ、イスラは顔を上げて室内に目を巡らした。
この場には少女一人きりの姿しか見えず、黄竜と思しき者の姿はない。
878
:
アグル
:2019/04/18(木) 01:02:17
むかし、むかし。
とある北の王国に悪い王様がいました。
王様は来る日も来る日も他国との戦争に明け暮れ、自分の国にも、そこで暮らす民のことにも関心を向けませんでした。
嵩む軍費に民衆は重い税金と苦役を強いられ、働き手の若い男達は皆、次々と戦場に駆り出されてしまいます。
戦さによって多くの兵が死に、多くの民が苦しもうと、しかしそれでも王様は戦争を止めようとはしませんでした。
いよいよ見兼ねた家臣が王を止めますが、王様はそれすらも国家への反逆行為とみなします。
王の意に従わない者は次々と処刑され、国は恐怖と暴力によって支配されたのです。
もはや王様に逆らおうと考える者は誰もいません。
しかしそんな中、国王を討たんと一人の男が立ち上がったのです。
男は圧政に苦しむ民衆を率いて戦い、国内中の諸侯をも仲間に引き込み、ついに悪い王様を退治します。
以降、男は英雄として讃えられ、新たな国王として民衆に迎えられました。
めでたし、めでたし。
……とはなりませんでした。
玉座を手に入れた英雄はそうそうに政治に飽いて、国政を投げ出しました。
酒に溺れ女に溺れ、日がな一日賭け事に興じては自堕落な生活を送ります。
そうしている内にやがて、民衆の間で王政の廃止を望む声が高まってきます。
もちろん王がそれを受け入れる筈がありません。
しかし今度は彼らも引き下がらなかったのです。
変革の熱は次第に国中を覆い、初めは英雄の味方をしていた者も、一人また一人と彼の元を離れていきます。
ついに英雄は孤立し、革命派との戦いに敗れてしまいました。
捕らえられた英雄は目を潰され、自慢の両腕を斬り落とされ、刑場に引き摺り出されました。
かつて英雄を玉座に迎えた人々が、今度は処刑台に拍手で迎えます。
それを耳にした英雄は何を思ったのでしょう。
顔を上げ、声高々に叫びました。
「祖国に栄光あれ!」
憐れ、その言葉を最後に男は首を撥ねられてしまいます。
広場に喝采が湧き上がります。
もはやこの場には、男の言葉に耳を傾ける者など誰もいなかったのです。
おしまい。
879
:
アグル
:2019/04/18(木) 01:05:43
【黄昏の塔】
ーーむかし読んだ絵本の中に、そんな話がある。
雷の国がまだ王政だった時代、最後の国王をモデルに書かれた寓話だ。
何故その話を今この場面で思い出したのか、理由ははっきりとしている。
家に一枚だけ残されていた肖像画、目の前の男はそこに描かれた男と余りにも似通っていたからだ。
アルベルト・ニコロフ・レーヴェンガルド
確か死罪になったのは五十代の頃だったと記憶しているが、しかし目の前の男はどう見ても二十そこそこといった年齢だ。
即位式を上げた当時に描かれたという肖像画と同じ年回りのように見える。
長距離から放たれた雷撃を避け、中空を落下していたレグナは、背中から大翼を広げて大気を叩くと、塔と虚空城とを繋いでいた外核の一部と思しき足場に着地する。
(やはり、似てる……)
顔を上げた先、男との距離は僅か5メートルほど。
近くで見れば見るほど、その容姿の酷似に驚かされるが、しかしそれ以上に彼の異様に圧倒される。
全く生気の感じられない土気色の肌。
首、腕、瞼、身体の至る所に縫合の跡があり、縫い付けられた瞼の下は眼球がないのか深く落ち窪んでいる。
人、なのだろうか。
男の正体も目的も何も分からないが、表情もなく、ただただ圧迫感だけを放つその姿は不気味という他ない。
目の前の説明のつかない状況に困惑するレグナ。
しかしそんな彼の心情を、もちろん相手が汲み取る筈もなく、男は軽く顎を持ち上げるとーー刹那、彼の持つ長剣が音もなく振り落とされた。
「…………!!」
まるで豆腐でも切るかのように足元の固い地面
が両断される。
ガクリと膝が抜けるような感覚に、レグナは咄嗟に後方へ跳び退くも、男は大小様々に崩れた外核の残骸を足場に、更に距離を詰めてくる。
再び風を斬るように、無音の斬撃が真一文字に振るわれる。
レグナは間合いを見極め紙一重でそれを避けるも、見極めた筈の斬撃が何故かレグナに届き、肩、太腿、頰に裂傷が走る。
(どういうことだ……)
躱しても、受けても、いなしても、男の剣撃はレグナに傷を負わす。
届く筈のない間合いに刃が届き、あり得ない方向から斬撃が襲い来る。……男の剣筋は射程も手数も軌道もめちゃくちゃだ。
わずか一閃で幾数もの剣閃が飛び交い、まるで意思でもあるかのように、縦横無尽に不規則な軌道を描いて剣撃が飛ぶ。
しかもその軽い動作からは想像もつかない程に、一撃一撃が重く鋭い。
880
:
アグル
:2019/04/18(木) 01:06:51
男が剣を振る度に鮮血が飛び、生傷が増えていく。
今のところ致命傷は負っていないが、レグナは先程から身を守ることに精一杯で反撃に転じられない。
(まともに受けてちゃ駄目だ…!何とかして突破口を見つけないと!)
何度目かの打ち合いの後、男の斬撃の余波よって再び二人の足元が派手な音を立てて爆散、崩壊する。
下から吹きつける礫と土煙。
しかし男はそんなことに気を払うことなく、崩れた足場から跳躍して、その場を離脱ーーレグナの気配を見失って足を止めた。
その傍ら、レグナは翼を広げて中空に留まっていた。
跳ね上がる岩塊の影に紛れ、気配を消して男の背面を取る。
刹那、迸るは雷光のごとく刺突の一撃だ。
男の頭蓋めがけて放たれた槍の切っ先は、そこまでの最短距離を一直線に駆け抜けーー男に直撃する寸前で停止した。
(ーーーッ!?
目ぇ見えてないんじゃないのかよ…!)
剣で弾くでもなく、あろうことか男は素手の左手一本で強引に槍の軌道を止めてみせたのだ。
驚愕に喉を凍らせ、目を見開くレグナ。が、彼はそんなレグナに次の行動に移す間を与えることなく、そのまま掴んだ槍を引き寄せーー
「ごふッ……!?」
得物ごと身を引っ張られるレグナの胴に、蹴りを叩き込む。
内臓を抉る一撃の衝撃にレグナは堪らず身体をくの字に曲げ、それに止まらず後方へ勢いよく吹っ飛んだ。
【アグル(レグナ)のレス遅くなってすみませんでした…!レックスも乱入して貰って構いませんので!】
881
:
リマ他
:2019/04/20(土) 20:44:13
【虚空城】
突如名前を呼ばれ、フェミルは声のした方へ視線を向ける。
「・・・誰・・・?」
全くの知らない顔ぶれに、フェミルはおずおずと立ち上がり後ずさる。
「フェミルちゃん、大丈夫だよ。危ないからこっちへおいで?」
イスラに続いてリマも声を掛けるも、フェミルは首を振る。
「知らない人・・・駄目。兄さまか黄龍、迎えに来るまでフェミルお留守番。待ってるよう言われてる・・・」
「お兄さんってジルさんでしょ?お兄さんのところに一緒に行こう?」
リマが優しく宥めようとしてもフェミルはただ拒否するのみ。今にも崩れそうな場内に長時間いるのは危険だ。かと言って無理矢理連れ出すのも・・・
(でも、誰もいない今じゃないと・・・)
対策を考えている暇もないのが事実。ここは荒療治でも致し方ないか、そう結論を付けかけた横で、新たな問題が発生した。
ただ人見知りで警戒しているように見えていたフェミルが、セナの姿を見つけ明らかに顔を引きつらせたのだ。
「悪いやつ・・・やっつけなきゃ・・・」
882
:
キール
◆ruQu1a.CGo
:2019/04/23(火) 10:08:44
【虚空城】
嗚呼、終わりは思っていた程重くはないのか。
薄い笑みを浮かべる男に突き刺した手刀へと力を、全力の凍気を流し込むキールはどこか間の抜けた表情を浮かべる。
全力で流し込む凍気は瞬時に男を……ジョッシュを凍結させ、膨大な凍気は彼の身体を内側から突き破り、その凍てついた笑みを爆散させた。
爆発の衝撃がキールの頬を叩き、髪を揺らす。
この男が囮となっているのは知っていた。
背後から、“凶”と目した刃を握り締めて迫るアブセルの動きも感知していた。
しかし、感じ、知ってはいても身体が動かない。
否、動くが、動く事をキール自身が拒否していた。
「……見事ね、とは言わないわ」
その一言は、右の首筋から左脇腹へと抜ける凶刃と共に。
アブセルの振り下ろした刃を避けるでもなく、防ぐでもなく受け入れたキール。
黒剣がキールの身体を切断し、二つに分れた彼女の身体が氷結した世界に舞う。
切断面から零れるのは、神獣ではなく人である事を証明する血潮の赤色。
生命力とも言える赤色、鮮血と臓物を撒き散らし、舞い散る赤を凍気が瞬間的に凍り付かせながら、キールはアブセルへと振り返った。
その様子は酷くゆっくりで、スローモーションだ。
「アナタの勝ちではなく、私の負け。
そう言う事にしておきましょう……」
883
:
キール
◆ruQu1a.CGo
:2019/04/23(火) 10:09:35
ゆっくりと落ちるキールの身体。
下半身は膝から床に落ち、振り返る上半身も遂に白銀の地に落ちた。
落下の衝撃が黒髪を揺らし、纏う鱗鎧が硬質な音を響かせる。
即死しないのは半獣半人と言えども黄龍に次ぐ神格を持つ四霊であるから故。
しかし、キールはその神格を、四霊である事を自ら手放したのだった。
半獣半人ではなく、神獣となっていればまた違った結果……アブセルと立場は逆転していただろう。
しかし、キールは最後まで“人”である事を捨てようとはしなかったのだ。
黄龍に忠誠を誓えども、真の姿、真の力を解放しなかったと言う事は……彼女の忠誠心は同じ四霊であるシデンには劣ると言う事。
しかしそれはキールが“人”である事の証明でもあった。
後悔は無い、寧ろ今は安堵さえ感じている。
四霊である事は一種の呪縛とも言え、キールはそこから解放される事を、心の奥底では願っていたのだ。
「醜い姿、醜い心。
人であるが故の醜さを、私は捨てきれなかった。
だけど、捨てないからこそ私は“人”として終わる事を選べた。
……でも、なるべくは美しいままで」
既に身体の感覚は無く、視界すら白くぼやけている。
しかしそれでも、キールは左腕を届かぬ天へと伸ばした。
伸ばした掌から……一際輝く左指に嵌まる指輪から光が、氷の花が溢れ出す。
溢れ出す花は蔦を、そして葉を繁らせていき、キールの身体を覆い隠した。
そして、氷の花は更なる実りを、白葡萄とカシスの実を結び、氷獄となったエントランスホームランを樹氷の森へと変える。
静寂なる氷の森、自らを氷花に変えて、“守”と“吉凶”、そして“水”を司る四霊はその役目を終えたーーーー
ーーーーさよなら、醜くも美しい世界。
884
:
イスラ
:2019/05/21(火) 01:01:16
【虚空城】
セナの姿を見て顔引きつらせるフェミル。
どうしてか彼女はセナのことを敵視しているようで。
「セナ……彼女と逢ったことがあるのか?」
そうセナに尋ねるも、イスラ自身二人に接点があるとは思っていなかった。
一つ可能性を上げるなら、セナと瓜二つであるリトと何らかのいざこざがあったと見るべきだが、それでもリトがフェミルに危害を加えるような行いをしたとは考え難い。
「フェミルちゃん、大丈夫だ。彼は悪い人間じゃない。
それに俺達は君のお兄さんに頼まれて君を迎えに来たんだ」
言ってイスラはフェミルに手を差し出す。
「だから早くこっちに。ここは危険だから」
885
:
アブセル
:2019/05/21(火) 01:02:49
【虚空城】
終わったーーー
脱力し、手から滑り落ちた剣が地面に弾んで乾いた音を響かせた。
目の前にはキラキラと光を乱反射させる氷の花木が咲き乱れ、惨憺たる様相を見せていたフロアは、周囲に転がる屍と瓦礫の山をも呑み込んで美しい純白の森へと姿を変える。
その光景を呆けたように見上げていたアブセルは、突如全身に、例えようのない激痛と戦慄が駆け巡るのを感じた。
「ーーーーッぅ!?」
焼けつくような脳の痛み。身体の内側を、ナニかが暴れ回っているような悍ましい感覚に、堪らずその場に崩れ落ち、喉奥から迫り上がってくる熱いものを地面に吐き出す。
見れば大量の黒い血が冷たい地面の上に広がっていた。
「クロ!シロ……!憑依を解いてくれ!早くッ!」
半ば悲鳴のように絞り出した声に、しかし応えは返ってこない。二頭とも完全に自我を手放しているようだった。
そうしてアブセルは、立ち上がることさえままならない状態に至ってようやく、この戦慄の正体を理解した。
ーーこの震えは恐怖だ。
自分という存在が……人間としての意識が、この世から消失してしまうことに対しての恐怖と焦燥。
確かにキールの述べた通り、これはアブセルの勝利ではないのだろう。
キールは人であろうとしたが故に敗れ、自分は勝利を欲したが故に人を捨てた。
だから、これは。当然の報いなのだ。
「嫌だ………イヤ、ダ………」
だが、そうだと分かっていても、その事実を潔く受け入れられるような精神は持ち合わせていない。
心は恐怖に打ち震え、全身は目の前の事実から必死に逃れようと拒絶を叫び続けている。
目を剥き、荒い呼吸と共に口の端から血を垂らすアブセルは、爪を地面にたてて乱暴に床を掻き毟った。
しかしその細やかな抵抗も、アブセルの人間性の欠如を証明するだけに過ぎない。
地面には猛獣のものと見紛うばかりの爪痕が深々と刻まれ、瞳から流れ落ちる涙も、今は黒い血で頰を染めるばかり。
狂気と激痛に思考を蝕まれ、まるで深い闇の底へ落ちていくかのように、次第に暗く、黒くなっていく意識と視界。
その目に、ふと宝石の輝きが映り込んだ。
886
:
アブセル
:2019/05/21(火) 01:03:40
先程の戦いで紐が千切れたのだろうか。それは紛れもなくリトの……彼から託された瑪瑙の首飾りだった。
床に転がったそれを捉えて、アブセルははたと目を見開く。
脳裏によぎるのは、ある一つの懸念だ。
このまま自我を失って化け物に身を堕としてしまえば、その時、自分はどんな行動に出るのだろう。
リトを想う執念だけが残っていたばかりに、彼の姿を追い求め、後を追いかけたりはしないだろうか。
そしてそれだけに留まらず、もし訳も分からぬままリトを、ナディア達を傷つけてしまったらーー?
「……それは、駄目だ…。それだけはゼッタイニ……」
朦朧とする意識の中、這うように拾い上げた首飾りを掌の中に収め、アブセルは傍に転がっていた黒水晶の剣に手を伸ばす。
この剣であれば闇に染まったこの身も、きっと苦しむことなく十全に息の根を止めてくれる筈だ。
キールの血でべっとりと濡れたその刃を自身の首筋に当てがい、アブセルは小さく囁いた。
「ごめん、リト……」
本当に、自分は何だっていつもこう情けないのだろう。戻ってこい、とリトもナディアも暗に示してくれたのに。
約束一つ守ることすら出来ないなんて。
だがーー、これ以上迷惑はかけられないから。迷惑をかけないよう終わらせるから。
アブセルは剣を握る両腕に力を込める。
そしてーー
887
:
???
◆ruQu1a.CGo
:2019/05/23(木) 21:03:32
【虚空城】
閃光と剣閃、光が瞬くと同時に巻き起こる斬撃。
斑髪を靡かせる長身の男、その姿を一言で表すならば“異形”
血の気のない土色の肌、縫い付けられ開く事のない双眸。
表情も無く、しかし猛攻を仕掛ける様は異形であり異質。
「気をつけて下さい、あの者の“先”は視えない……」
強烈な蹴りを受け、吹き飛ぶアグル……レグナを受け止め、梟面の青年は風を操り異形の男から距離を取った。
ふわりと着地したのは幾つかある城内の橋桁で、レグナの身体を隣に下ろしつつ背負っていた三叉鑓を引き抜き続ける。
「何者か分かりませんが……恐らくは君に、四神に近しい者でしょう。
明確な“敵”であるならば倒すしかありませんが……調子が悪いなら僕が先手を取りましょう!!」
閃光、それは眩い雷。
橙の混ざる髪と雷光から予測するに、先代か先々第のトール、もしくは近しい者だろう。
それが何故こう“敵”として現れたかは不明だが、やるしか無さそうだ。
梟面の青年はレグナの不調を……アグルとは違う動きを取るレグナを不調だと見なし、鑓を構えて高く飛翔する。
大気を叩き、高高度まで上昇してからの反転。
身を捩り、鑓の穂先に乱気流を纏わせながら斑の男へと突っ込んで行った。
乱気流、吹き荒れる鎌鼬を纏う刺突は疾く、鋭い。
888
:
アネス
:2019/05/25(土) 12:02:07
【虚空城】
「冥界の皇女アネス・オーガナイズが告ぐ。」
氷に彩られた白の世界。その静寂の中にチリンと鈴の音が響く。同時に、剣を喉元へ据えるアブセルの手を退け現れたアメジストの大きな瞳が、人間から完全な魔獣へと変わりつつある彼の姿を映す。
「血の盟約のもと、かの者を我が使役の魔と為さんことをーーー」
それはアブセルにとって、残酷な姿であっただろう。しかし彼が自らの姿を目の当たりにしたのはほんの一瞬で、すぐにその視界は塞がれる。吐血により染まった口内を舐め取られたかと思えば、左肩に焼けるような感覚が生じた。肩にそれまでになかった紋様が刻まれる。
クスリと軽い笑い声と共に"それ"は離れ、
「鎮まりなさい。」
耳元でそう囁かれれば、アブセルは見る見るうちに異形の姿から元の人間の姿へと変化した。
一連の所業に呆けた様子のアブセル。目の前に現れた少女が見知った人物であると理解するまでどのくらい掛かっただろうか。
「貴方の命は主の物よ、勝手に遂げる事は許されない。」
アブセルの掌から瑪瑙の首飾りを取り上げ、綺麗ね、と呟く。それを自らの首に結び直し、少女---アネスはイタズラ地味た笑みをアブセルへ向けた。
「貴方の主はリト?いいえ、今から私のものよ。醜い獣を使い魔にしてあげたの、感謝なさい。」
889
:
アブセル
:2019/06/02(日) 02:19:34
【虚空城】
"それ"は唐突に訪れた。
今まさに己の首を掻き斬らんとするアブセルの前に、澄んだ鈴の音と共に一人の少女が現れる。
まるで魅入られたように動きを止めるアブセルに、少女が近づいて手を触れたかと思えばーー…不思議と身体に巣食う痛みも震えもどこかへ消え去っていった。
何が起きたのか理解できず、アブセルは茫然としたまま顔を上げる。
彼女が何事かを述べているのを目にし、ようやっと口から出た言葉が……
「……はあ?」
ピシャリ、と間髪入れずに頰を引っ叩かれた。
確かにこれ以上ない程のアホ面を晒していただろうことは認めよう。だが例えそうだとしても、何の前置きもなく突然手を出すのは如何なものかと思う。
その理不尽さに溢れた行為につい反射的に物申したくなるも……アブセルは今の衝撃で完全に目を覚まし、自分が元の人間の姿に戻っていることにようやく気づいた。
それと同時に思考も正常に機能し始め、頭の中に数々の疑問点が湧き上がってくる。
何故ここにアネスが居るのか、とか。
その首飾りリトのなんだけど、なに勝手にパクってるんだよ、とか。
てかさっき口の中舐められた気がするんだが、気のせいーー…だよね?うん、きっと気のせい。…とか。
ただ一つ状況から見て確かだろうことは、異形へと成り代わろうとする自分を彼女が救ってくれた、ということ。
そのこと自体は本当に喜ばしいことだ。声を大にして大いに感謝したいところではあるのだが……
「あのぉ……仰っている意味がよく理解できなかったんですけど、使い魔ってどういうことでしょうか…?」
正確にいえば、「理解できない」というより、「理解したくない」といった方が正しい。
アブセルは平身平頭、なぜか敬語で恐る恐るアネスに尋ねるのだった。
890
:
ゼロ
◆ruQu1a.CGo
:2019/06/03(月) 07:29:11
【虚空城】
延々とシステムエラーを吐き出し続ける自律神経プログラム、聞こえないダメージアラート。
ダメージレベル240%の表示はその瞳に映らない。
世界を統べし唯一無二の存在である筈の自身が何故、これ程までに追い込まれているのか。
胸元を貫いた阿修羅の剛腕に手を添え、ゼロ……黄龍はうなだれた頭(こうべ)をゆっくりと上げた。
端整な顔は赤にまみれており、双眸も機能不全を起こしている。
しかし、それでも、世界の中心たる存在は停まらない。
「四霊である応龍を模した義体、適応率は高いが……やはり、惜しい」
唯一無二の存在、それは眼前のボルドーも同じ。
イオリの懐刀、切り札であり鬼札のこの男は最も危険であり、現時点で止める術はない。
“現時点”では。
システム復旧まで残り20カウントを無理矢理短縮し、ゼロは手を添えていたボルドーの腕を掴む。
細い手指が込められたら力に負け、音を立てて折れるも痛みなどない。
敵性存在の排除、義体を巡るナノマシンが硬質化し、ゼロの身体から、傷口から、ありとあらゆる“孔”から溢れ出した。
それはさながら致死率の高い悪性伝染病に羅漢した末期の姿の様だが、噴出するナノマシン……ナノメタルは有機無機問わずに触れたモノ全てに浸蝕し、増殖していく。
「コレは……拙いな!?」
右腕を、肘から下の前腕をナノメタルに“喰われ”、ボルドーは思わず声を上げた。
爆発的に増加していくナノメタルから距離を取り、その様子を注視するも、銀の奔流となったナノメタルがボルドーを貫かんとばかりに次々と襲い掛かる。
その間にもナノメタルは虚空城そのものに浸蝕していき、浸蝕しながらもゼロをコアとして巨大な影……銀に輝く巨龍、逞しい四肢と幾何学模様を描く大翼を持つ機械の龍を作り上げていった。
城そのものを“餌”に産まれ出る機械龍、黄龍が今、全てを揺るがす咆哮を挙げる。
ーーーーー
プラチナブロンドの美しい髪を持つ少女に、手を伸ばすのは燃える様な赤毛の青年。
轟く咆哮はBGMで、二人の“間”に入るのは一振りの晶剣だった。
「見つけたぞ」
少女、フェミルへと手を伸ばすイスラの指先を掠める刃。
床に突き立てられたソレを握るのは長い銀髪の男……龍穴遺跡にて、イスラとメイヤに敗れたヴィカルトだった。
男、ヴィカルトは青から銀に色を変えた瞳でイスラを見据える。
崩落する遺跡と共に地の奥に沈んだ筈の男は、身体の内の6割をナノメタルで修復され、再び姿を現した。
ゼロがヴィカルトに与えた役目はフェミルの守護であるも、彼は姫を守る騎士(ナイト)ではない。
強者との闘争を求める凶剣士なのだ。
凶剣士は銀の瞳をフェミルからイスラへと向ける。
そこにはもうフェミルやリトの姿は映ってはいない。
銀瞳に燃える様に鮮やかな赤を映し、ヴィカルトは告げた。
「剣を抜け、“あの時”の続きをやろうぞ」
そして、彼が望む闘争に不必要な存在であるフェミルの身体を無造作に掴み、セナの方へと投げ捨てる。
同時に振り抜かれる刃が、イスラの鼻先で止まった。
891
:
アネス
:2019/06/12(水) 18:36:48
【虚空城】
アブセルの反応にアネスは溜息を吐いた。
「馬鹿なのは知っていたけど、ここまで理解力がないなんて・・・」
やれやれ、と態とらしく頭を抱えてみせる。
「あんたはこのアネス様の下僕になったってこと。」
私としてはあんたがどうなろうと知ったことではないんだけど、と前置きした上で話を続ける。
「パパ・・・じゃなかった、我が王にくだされたミッションの一つ。"誰も死なせるな"---リトにとって"護りたいもの"をなくす訳にはいかないの。」
この世界の均衡を保つ為には今の核を安定化させるか、新たな核となる存在を差し出すか・・・そして核の代用と為り得る魔玉を宿す者が二人---セナはこの世のものでない以上、その役目はリトという事になる、が。
「リトは別に正義のヒーローじゃない。顔も知らない誰かのために自分の身を投げ捨てるような聖人の心なんて持ってないわ。大好きな人達がいるからこそ、護りたいと思ってる。あの子にとって世界がどうでもいいものにならないように、誰も欠けてはならない。」
つまり、今アブセルがしようとしていたことは大変迷惑なことであり、リトの足を引っ張ることなのだとアネスは言う。
「ま、死にたくなるほど酷い有様だったのは認めるわ。自分では元に戻れないみたいだったから助けてあげたの。私の弟なら普通に人間に戻すことも出来ただろうけど、私は無理だからあんたが魔獣であることを利用させてもらった。助かったんだから、私に感謝してひれ伏しなさい。」
892
:
イスラ
:2019/06/25(火) 01:53:38
【虚空城】
突如として城に轟いたのは、未だかつて聞いたことのない不気味な咆哮と巨大な地響き。
そして、それに驚く間もなく一人の男が目の前に現れる。
「お前はあの時の……」
生きていたのか、とは言外に。イスラは右手を鍔際へ、一息で刀を引き抜き、鼻先に突きつけられた剣を弾いて後方へ距離を取る。
「二人とも、その子を連れてどこか安全な場所へ。どうやらアイツの狙いは俺らしい」
はたして安全な場所など最早この城の中にあるのだろうか。
そうセナとリマを促す内にも、靴裏に感じる揺れは徐々に激しさを増してきている。
イスラは相手の視線から眼を逸らさぬまま、リマ達を背後に庇うように立ち、応戦の構えを取る。
「何故あの子(フェミル)を俺達に?お前は黄竜の仲間ではないのか?」
893
:
アブセル
:2019/06/25(火) 01:55:33
【虚空城】
「いや…もちろん感謝はしてるよ。してるけどさ……、お前らは一体リトに何をやらせようとしてるんだよ」
どうやらアネスにはアネスなりの事情があってしてくれたことらしい。
しかし世界の核云々の話を知らないアブセルからしたら、そこで何故リトの名前が出てくるのかと首を捻らずにはいられない。
「それに俺、リト以外の人間に仕える気とか更々ないし……お前の奴隷とかマジでこの先地獄の日々しか想像できないっていうか…。
まあその…あれだ。このお礼は後日必ず別の形でするってことで…」
そこまで言うと、アブセルはガバリと地に額を擦り付け、
「使い魔の契約解除して下さいッ!お願いしまーーって、おわぁっ!?」
直後、城全域を揺るがす咆哮と激震に言葉尻を掻き消された。
894
:
ヴィカルト
◆ruQu1a.CGo
:2019/07/10(水) 11:32:34
【虚空城】
激しく揺れる無機質な床、歪む大気と遠く聞こえる破砕音。
轟く咆哮をBGMに、凶剣士は銀の瞳を細める。
文字通り硬質的な、鋼色の視線は依然としてイスラに注いだままで、ヴィカルトは静かに答えた。
「俺が望むのは強者との闘争だけだ。
それ以外のモノは不必要、小娘如きにこの空虚は埋められぬ……」
銀瞳に宿る確かな意志、しかしそれは寂寥感を漂わせている。
剣士としての矜持ではなく、凶剣士としての渇望。
「血肉と骨、そして生死を隔てる刹那だけが俺の中の空虚を埋める。
闘争に次ぐ闘争、無価値な世界においてその一瞬だけが俺の生きる意味」
手に握る晶剣を、後ろに飛び退き距離を取ったイスラへと向けてヴィカルトは続ける。
「砂漠での一戦は実に良かった……これ以上の言葉は不要、いつぞやの続きを。
刃の舞踏を踊ろうぞ!!」
そして、話は終わりだとばかりに剣を一閃。
その背から水晶の翼を噴出させてヴィカルトが前進、相対距離を瞬時に詰めると勢い良く剣による刺突を繰り出し、同時にその切っ先から銀の奔流が……九つに分かれた穂先がイスラ目掛けて飛び出した。
ーーーーー
軋む空間、ひび割れる世界。
轟音と共に揺れる虚空城の一角で、彼女は虹色の瞳で鮮やかな赤毛を見詰めていた。
彼女……三闘神の一人、ラセツは尖塔の頂点から階下を見下ろす。
ゼロの下に集う戦力の両翼、左を担う彼女は待っていた。
覇王の眼。
全ての事象を読み込み、無限の選択肢である未来すら“視る”事が出来る瞳に、“視えない未来”を映し出させる事が出来る存在を待っていた。
「火と水の因子、風と雷じゃないのは残念だけど……」
尖塔の頂点、片膝を立てるラセツは現れた人影……サンディとナディア達に声を掛ける。
その声は無機質な、感情の籠もらない声。
「黄龍の遣いとして、私はアナタ達を足止め……滅さなければならないけど、どうする?」
895
:
イスラ
:2019/09/09(月) 01:24:44
【虚空城】
肌で感じる程の濃厚な闘争心とザラついた殺意を向け、立ち塞がる晶剣の剣士。
それと相対するイスラは、腹の底から湧き上がってくる憤りとやるせなさを抑えることが出来ない。
(なぜ……)
九つに別れた銀の奔流を、自身の周囲に張り巡らせた炎鏡の障壁で防ぎ、イスラは男の左側へ体を回転させて刺突をかわす。
それと連動して弧を描く刀が男の左こめかみを狙うもーー驚異的な速度で反応する相手の剣に阻まれ受け止められた。
「この戦いに一体何の意味がある…っ、こんなことをしてる間にも世界は刻一刻と崩壊への道を辿っているんだぞ…!」
鍔迫り合いの向こう側、男の銀色の瞳を真っ向から見据えイスラはそう言葉を放つ。
しかしそれと同時に、この問答がいかに無意味な行為であるか、それも理解していた。
異常な程の闘いへの執着。この男の中にはそれしかない。生死の狭間で互いの命のやり取りをすることでしか、この男は生を実感できないのだと。
本来このような決闘はイスラの望むところではないが、しかし、こちらにも為すべきことがある以上、ここで引き退る訳にもいかない。
そのジレンマに歯噛みするイスラの背後で、不意に鈍い輝きを放つ何かが浮かび上がった。
それーー先の攻防で割れた鏡の破片が無数の鋭い刃となり、一つの意思の元、男めがけて一斉に放たれた。
896
:
リマ
:2019/12/02(月) 08:04:37
お久しぶりです。
まとめwikiの方なのですが、突然入れなくなってしまいました・・・
変なところ押したのかな:(´◦ω◦):
897
:
ヤツキ
:2019/12/14(土) 18:36:27
んー俺も入れんね。ページロック掛かっとるんかなぁ?
898
:
リマ
:2019/12/21(土) 22:58:05
>>897
久しぶり!
マジかァ・・・無くなっちゃったのかな?
キャラ設定とか確認出来るから気に入ってたのに(´;ω;`)
899
:
ヤツキ
:2019/12/25(水) 23:52:01
規制される様な投稿してない筈だし、乗っ取りされるようなモノでもないしどうしたんやろうね。
管理はイスラに任せっきりだったから……
っとお久しぶりでー。
メリークリスマスやん、楽しく過ごせた?
900
:
リマ
:2019/12/31(火) 20:29:10
ねー・・・ほんとどうしたんだろ(´;ω;`)消えてないならいいんだけど、消えてたらショック・・・
お久しぶりー!今年ももう終わりやね(´•ω•`๑)
超高速で日が経っていく・・・もうじき30歳で絶望(´;ω;`)
901
:
ヤツキ
:2019/12/31(火) 23:51:18
本編も返せてない俺が言えた口でもないけどイスラの反応無いのも心配。
高速つかもう10分程で今年終わってまうしなー、でもリマって俺の二個下ちゃうっけ?一個違いか?
30なったらなったで実際そんな変わらんし気にする事ないよ。
今年は死なずに終えれたけど、来年死んでたらごめんな。メンヘラこじらせてやべー事ばっかしてるわ。
て事で来年もよろしくねー
902
:
リマ
:2020/01/01(水) 18:04:12
あけおめことよろー
同じく:( ;´꒳`;):イスラさんダイヤかなー・・・
1個ちがいだよー。2個はイスラさんのほうかな??女の30は重いのよ(´;ω;`)可愛い服とか着るのが好きなのに「あの人30超えてるのに・・・」とかなったら嫌じゃね!?さすがにゴスロリとかじゃないけどさ!年齢に見合った服装あるじゃん:(´◦ω◦):
やーめーてー息子ちゃんの為にも危ないことはしないでぇ(´;ω;`)
ストレスはここで発散していきなよ!
今年始まったばかりだけど、来年も同じように新年の挨拶出来るって信じてるからね!!
903
:
ヤツキ
:2020/01/02(木) 20:06:40
ことよろー、ここ以外で連絡着かないから音沙汰無いと心配なるよな。
そだったか、もうリマも30かー。知り合って干支一周じゃんww
30でもある程度は好きな服着れば良いんじゃない?どぎついギャルメイクとかゴスロリ甘ロリ以外ならいけるでしょ、寧ろお洒落しないと一気に歳食って見えるよ。
んー、チビさんはきっと大丈夫よ、俺が居なくてもちゃんと育つ環境があるし。
土地有り持ち家そこそこ金持ちの義実家でマスオさんやってるからね、マスオ死んでもタラちゃんは普通に大きくなりそうやん?そんな感じ。
904
:
ヤツキ
:2020/01/02(木) 20:27:31
ぶっちゃけストレスつか鬱再発に近い感じで子育てとか色々めっちゃ悩んでるんよ。
嫁さんにも言えない事、それこそ俺だけ家で異物感あるし血繋がってないし私生児だし諸々でしんどい。
母親って存在がとてつもなく苦手で母性向けられるとどうして良いかわからなくなるし、父親居てなかったから目指す父親像がわからん。
とかね、全部話して聞いてくれた人の事はずっと好きで叶わぬ恋だったのに向こうも実は好いててくれてて、期限決めたけどそれまで付き合ってる。
やべーどうしよう、って相談した子とも寝たし色々乱れ過ぎてる。
メンヘラこじらせて爆発させて孤独感ヤバい寒いって泣いた時にぬくめてくれる所に逃げてる、ずっと。
後は夜一人で酒片手に外出て、寝落ちして凍死しかけてる、もうしんどい。
全部吐いたわ、新年早々ごめん。
905
:
リマ
:2020/01/03(金) 00:10:18
そうねー・・・個人的な連絡先とか知らんし。せめてSNSだけでも繋がってたら元気の有無は確認出来るから安心なんだけど。
高校の時からの付き合いだからね!言われてみれば干支回っとるわ(笑)自分高校大学の友達とほぼ連絡取ってないからある意味一番付き合い長いかも(爆笑)
さすがにイタイ格好はしてないけどね( ;´꒳`;)ミニスカ履けなくなってきたのと体型崩れてきたのが泣ける・・・せめてシワが出来ないように食い止める!
そうよね!年齢に合わせて地味な格好したらそれこそおばさんになっちゃうよね!!取り敢えず35までは今のファッションでも大丈夫だと信じたい・・・!!
まぁ両親揃っててもウチみたいに母親の精神が子供から成長出来てなくて気に入らないことがあったらキーキー喚く、自分は被害者、悲劇のヒロイン可哀想なの〜な感じでその存在が私のストレスになりかねない人とか、父親が家庭に無関心でほぼ会話なし〜な、家族として機能してない所とかもあるからねぇ:( ;´꒳`;):自分とこの両親は多分他の人とは違うから、私自身人間として色々欠けてるんだろうなぁと思うところもしばしば。私の話は今関係ないのだけども(笑)多分私も俗に言う「普通の家族」って言う環境で育ってはないから、結婚した後に子供との接し方とかで色々悩むんだろうなぁ・・・
マスオさんはたしかに辛いね・・・嫁が義両親と同居するのでもストレス溜まるんだから逆パターンは尚更だよね。相手側がどう思ってるかは分からないけど、家族の中で自分だけ血が繋がってないっていう疎外感はたしかにあると思う。
906
:
リマ
:2020/01/03(金) 00:42:13
マスオさんがいなくてもタラちゃんは育つだろうけど、タラちゃんがマスオさんの事好きならいなくなって欲しくないと思うよ。たとえば、どうしようもない親でも情があったら死んで欲しくないよ。この情がなくなったら終わりなんだけども・・・。
まぁその人の人生なんだから「子供のために生きて!」とか無理強いは出来ないけども、生きたい気持ちはあるけど自信がないって感じなら「自分の為じゃなく誰かの為に」って理由付けるのもありだと思う。ここで例に挙げるのもアレだけどうちのセナはそんな感じ。
父親像が分からんくても、想像出来る範囲で父親出来ればいいとは思うよ。子供は案外見てるからね、自分に情はあるんだろうけどこの人はこれが精一杯なんだなって察して、完璧な父親の存在は求めずお互いに苦にならない距離感作ってくと思うよ。私みたいに(笑)現実と創作を一緒にしてゴメンけど、イオリは良い父親だと感じたよ、そんな父親を描けたヤツキは素敵な父親だと思うよ。
女性関係が乱れちゃってるのは取り敢えず置いといて(笑)色々溜め込む私が言えた立場じゃないんだけど、人間って我慢するのが一番危険だと思うんだよね。辛いなら辛いって吐ける場所があるんだったら、甘えちゃうのもアリなんじゃないかなぁと。勿論法に触れない範囲でね!我慢しすぎるといつか爆発して消えちゃうんじゃないかなぁ・・・私も時々糸が切れて「もういいかな」って思っちゃうこともあるから危険(笑)一応ある程度人並みに経験してからがいいので、死ぬ前に1回は結婚しときたいし、子供作ってみたいしって気持ちがあるから踏みとどまってるけど。ヤツキの抱える闇と比べたら私のなんてちっぽけなものなんだけど、私も自分の人生つまらないなぁと思ってる。
自分が何を言いたいのか分からなくなってきた:( ;´꒳`;):的外れなこと言ってごめんね・・・!
取り敢えずね、迷って悩んで落ち込んで、メンヘラ拗らせてるのは良いのよ。ただ溜め込むのだけは危険だからやめてね!
人並みの綺麗事しか言えんけど、ここで吐いてくれたら聞くし!
尾崎豊みたいなことしちゃダメよ!酒飲むなら暖かい室内で!!もしくは人の気配のあるコンビニか病院の前!!
907
:
ヤツキ
:2020/02/04(火) 22:38:43
もう1ヶ月経つのか、早いね。
とりま何とか生きてる、メンタル爆発して入院したりしたけど死んでないww
リマの言う「もういいかな」ってのが常あったんよね。
リマも境遇聴くと俺みたいに足りないモノがあるし、きっと近しいんだと思う。
無い物ねだりして、人並みに全部揃ったらソレが実はめっちゃ重たかったり、思い描いてたのと遠かったり、満足してもういいかなって思ったりするかもしれない。
俺がそうだった。
けど多分きっとリマは女性で、自分の中で一つの命を育てて〜とするから、それこそ子供の為に、で生きていけるんじゃないかなとも思う。
取りあえず今はチビさんの為に生きてるのと、9月9日に笑ってバイバイしようって約束したから死なないつもり。って表向きはしてるww
女の人居とるのもバレて怒られたし、緩い自殺ごっこしてたのも白状したから逆にもう逃げ場無いけど。
眠剤処方してもらったから次はガチでとここにだけ言っとこ、でもせめてリマやイスラと飯食いたいねww
めっちゃ自分語りなるからそろそろちゃんとレス返すわ!イスラさん待ってて!
リマも応えてくれてありがとうね、聞いてくれて救われたわ。
っと、インスタのIDを生存確認用に置いとくのでまた覗いてみて。
yatuki0509
908
:
や
:2022/12/15(木) 21:45:55
二人共生きてる?
909
:
イスラ
:2023/08/14(月) 21:20:22
お久しぶりです。イスラです……
今更どの面下げってって感じですが、お二人に謝りたくて久しぶりに書き込みました。
数年前は何も言わず突然失踪してしまい本当に申し訳ありませんでした。
言い訳をさせて貰うと鬱病でした。何かをする気力がなくなり、以前まで楽しめていたものも楽しめなくなり、何もかもがどうでも良くなってwikiの方も消してしまいました…。
お二人が今もこのスレを見ているかどうかは分かりませんが、スレの途中放棄、お二人を裏切ってしまったことに対してただ一言謝りたかったのです。
あと途中放棄した身で言うのもおこがましいのですが、このスレに出会えたこと、そしてお二人に出会えたことは本当に感謝しています。ここでの時間は本当に楽しかったです。
ありがとうございました。そして申し訳ありませんでした。
なんか臨終の言葉みたいですがそのつもりはありませんw
鬱病の方は大分良くなりました。(^^)
910
:
ヤツキ
:2023/09/24(日) 22:59:44
>>909
俺はイスラがこうしてこの場所に来てくれただけで嬉しい、本当に。
裏切りだとも思わないし、楽しい時間って言い表してくれたの、物語続けてた意味があったなーって思える。
心が死んだらお終いなんだぜ、って思うし言うけど、ここに来てくれたのは生きてるし終わってないって事なんじゃねーかなってね。
俺も生きてるしイスラも死んじゃいない、後はリマの一言でもあれば万々歳だよ。
911
:
イスラ
:2023/10/02(月) 13:48:55
お、お、お久しぶりです…っ
まさか返信してくださるとは…!しかもそんなお優しい言葉を頂けるなんて…(/ _ ; )聖人かよぉ…
ヤツキさんも色々大変そうなのに気を使わせてしまってすみません…
ここ数年でいかに自分がガキでしょーもない人間なのか身に染みて分かりました
なんにせよヤツキさんも元気?そうで良かったです…
912
:
ヤツキ
:2023/10/04(水) 08:28:30
ちょこちょこ覗きに来てて良かったぜ……!!
レス増えててるの見た時はベッドから飛び上がったっすわw
名前も顔も知らない文章だけのやり取りの関係性でも、リマは勿論イスラも大事な人なのでホント嬉しいよー。
人生クソみたいな事ばっかでガキだったなって思う事もあるけど、生きてたらそれで良いんじゃないかなって思う。
かく言う自分も鬱で休職療養中ですわーwww
913
:
イスラ
:2023/10/09(月) 15:03:35
ありがとうございます…!人間ってちょっとしたことで傷ついたり救われたり面倒くさいけど、人の縁って大事なんだなぁ…と、この歳になってつくづく思い知らされます(ノ_<)
あとお前が言うな感ですが、欲を言えばこの物語を完結させたい気持ちもあります
てかマジかw鬱は無理するのが一番アカンっすから休んで正解ですよー
自分は回復したっぽいからとまた働きに出ましたが既に病み気味ですw
914
:
ヤツキ
:2023/10/10(火) 09:06:26
人の縁って中々実感しないけど、いざ感じる時はしみじみと感じる不思議なモノですわ……w
欲を言えば仕事辞めて半年位失業保険で生活したいけど、絶対足りないから年内には復帰せなあかんけど……取り敢えず今月中はゆっくりしやすww
この物語、リマさんも居ないと完結させられないけれど……取り敢えず書ける分の続き書いて行きましょうかね!?
915
:
イスラ
:2023/10/11(水) 21:14:11
しんどいっすね…
自分は独り身だからまだ自由がききますが、子供いると人生一気にハードモードになりますよね…
やっちゃいますかー!
つっても文章書くのめちゃ久しぶりだし、ちょっと読み返して思い出したりしたいのでレスは結構遅くなるかもしれません…w
916
:
ヴィカルト
:2023/10/20(金) 09:43:24
【虚空城】
鍔迫り合いの先、交錯する刃の奥で輝く銀の双眸。鋼色の瞳には揺るがな光。
「言葉は要らぬ!」
イスラの背後で浮かび上がり、此方へ迫る鏡片の群を一瞥し、ヴィカルトは鍔迫り合いのまま大きく踏み込んで右腕を横に一閃。驚くべき剛力からの斬撃でイスラを吹き飛ばす。
それと同時に鏡片の群れが殺到するも、ヴィカルトは形成し、纏う晶鎧でソレらを防いだ。
刃と刃の応酬、それだけが晶剣士の望むモノ。
禍々しくも流麗な鎧と剣を携え、ヴィカルトは力強く踏み込んだ。踏み込む足裏が床面を砕き、舞い上がる破片をスリップストームが巻き込んでいく。相対距離を一瞬で詰めた晶剣士が放つのは、超高速の刺突の一撃。
917
:
サンディ
:2023/10/26(木) 01:51:50
【虚空城】
黄竜のもとを目指すサンディ達の前に立ち塞がったのは虹色の瞳を持つ謎の女性だった。
(まぁそう易々と行かせてはくれないよね…)
その異質な瞳の輝きにサンディは生唾を呑みこむ。
立ち姿だけで分かる。彼女は危険な相手だ。
「ここはあたしが…!姉御達は先に行って!」
サンディはナディアやリト達にそう呼びかけると間髪入れずに武器を構えた。
直後、炎を纏った拳サイズの勾玉が数百と顕現し、雨霰と尖塔目掛けて飛来する。
代々アマテラスの力の継承者は三種の神器と呼ばれる"剣、鏡、玉"のどれか一つの加護を授かるものとされている。
剣は破壊力、鏡は防御、玉はリーチや手数に長けているのだが、その中でもサンディに与えられたのは玉の加護。
次々と砲弾の如く襲いかかるそれらに蹂躙され、尖塔は一瞬の内に原形を失った。
しかしサンディはそこで手を休めることなく、炎刃を一閃。
疾る灼熱の斬撃が大気を巻き上げて炎の渦を生み、噴煙上がる尖塔一帯を呑み込んだ。
918
:
ヤツキ
:2023/11/22(水) 19:35:54
>>917
スマホ壊れてそこから此処を探すの時間かかってしまったorz
今月中にレス返します!
919
:
イスラ
:2023/11/26(日) 10:59:33
急がなくて大丈夫ですよー!
自分も今ちょっと忙しくてレス返遅くなりそうです…申し訳ない…
920
:
リマ
:2023/12/26(火) 00:43:39
え、スレ動いてる……感動
921
:
リマ
:2023/12/26(火) 00:49:17
皆さんお久しぶりです(´;ω;`)
なんか、「外部からの書き込みは禁止されてます」とか言われてずっと書き込めなくて、ヤツキの生存確認に反応出来なかったの……
かなり久しぶりに開いてみたらスレ動いとるやん!イスラさん帰ってきとるやん!しかも私も書き込めるやん!?
うわぁ……完全に出遅れた、ショック……皆の波に乗りたかった(´;ω;`)
922
:
ヤツキ
:2023/12/31(日) 03:18:57
大晦日ですなー、イスラさんレスも少しまって下さい……orz
からの、からの……リマ!!!!
生きてた!!!!
まさかの全員生存してた!
大晦日の奇跡や……
923
:
ラセツ
:2023/12/31(日) 13:51:37
>>917
覇王の瞳。それは慧眼を遥か超越した、万物全ての事象を見定める双眸。ありとあらゆる平行線、並行する世界と未来を見定め、無限とも言える可能性を選択する事が出来るのだ。
「天を照らす火炎。
熱く、眩い……けど、それだけだ」
サンディが放った雨霰の如き炎の勾玉、そして追撃の一閃が巻き起こす火炎の渦。
焼け落ちた尖塔から遠く離れた位置で、ラセツは小さく呟いた。
くすんだ金色の髪が熱波によって煽られ、翡翠から虹の宝玉へと色を変えた瞳がサンディを見つめる。
そして、虹の双眸が二筋の残光を描いた。小柄な姿が纏うのは重厚な鎧だが、重さを感じさせない程の高速移動でラセツは赤髪の少女へと距離を詰め……勢いそのままに、籠手に包まれた拳を繰り出した。
「私を一手に引き受けるには、か弱過ぎるよ」
924
:
イスラ
:2024/01/03(水) 17:49:30
ぉわーー‼︎リマさんお久しぶり!
その節は失踪してご迷惑おかけして誠に申し訳ありませんでしたm(__)m
でもまさか3人揃うとは…!
そして遅れましたが、明けましておめでとうございます!レスもまったり返していきたいと思います。
てか地震とかありましたがお二人とも大丈夫でしょうか…?
925
:
アグル
:2024/01/08(月) 21:52:49
>>887
【虚空城】
上方から襲い来る暴刃の嵐を前にしても男は微動だにしない。
ただゆるりと長剣を構え、真っ向から迎え打つ。
刹那、雷と見紛う一撃が放たれた。
大気が唸り、空間を断裂するかの如く疾る剣風が、迫る乱気流を文字通り"引き千切る"。
四方八方に散った風刃の余波が地面を抉り飛ばし、その威力の凄まじさを物語るが、しかし中央に立つ男は無傷同然に、続け様に振るった剛剣で無防備となった青年の刺突を叩き落とした。
そしてそのまま勢いを止めることなく、体勢の崩れた青年の横っ面に蹴りを入れる。
ーーヒビ割れる梟の面。
吹き飛ばされ、地面を跳ねる青年の身体をレグナがすかさず受け止めるも…
「ぁ……」
崩れた仮面の下。顕になったその顔を見て、息を呑んだ。
「お前は……」
見知った顔の、そしてもう二度と逢えないと思った者の顔を目にし、レグナの中で深い眠りの底に沈んでいたアグルの意識が浮上した。
926
:
ヤツキ
:2024/01/10(水) 09:01:21
おはようございますー、あけましておめでとうございます
こっちは関西、大阪だから無事っすよー
927
:
案内人
:2024/03/31(日) 01:45:17
来てみてガッカリした人へ
harmit.jp
928
:
リマ
:2024/05/03(金) 19:13:17
なんか書き込めたり書き込めなかったりする…
今更だけど私も無事ですー、皆にまた会えて嬉しい!
でも本編で自分が何しようとしてたか忘れてしまった……また考えます。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板