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Key Of The Twilight
1
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/07/01(火) 19:01:24
移動してきました。
現在、参加者の募集はしておりません。
178
:
ノワール
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/09/23(火) 11:47:49
【飛行艇】
「そなたは、わらわばかり責めるの」
ジュノスの言葉を受けたノワールは、怒るでも、悲しむでもなく、ただ静かに、淡として呟いた。
「あれ(メルフィ)は、あやつの子ぞ」
ジュノスがひた隠そうとしても、それは紛れもない事実。
否定しようとしても無駄なこと。
「我が子の行方が分からぬのに、何故あやつは平気でおられるのじゃ。あやつも加担を?」
黒十字の者達は信用ならない者ばかりだったが、セナは違った。自分の意志が無いと言えばそれまでだが、目的の為に態度を偽ることもなければ、虚言を述べることも無かった。
セナは母親から子供、それも乳飲み子を奪うような非情な男ではない。分かってる。しかし、ふと考えてしまう。
「それとも、心を寄せる女の子でないと興味も湧かぬか?」
奴に恋情などない。
ただ悔しいのだ。奴を信用していた自分が。
「あやつを赦せぬ。責任を問うておるのだ。そなたに軽蔑される言われはない。」
179
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/09/23(火) 14:32:50
イスラ>>
セナには耐え難い事実でしょう。どのツラ下げてリマといるのかって言う←
ジュノス、胃潰瘍になったらリマが助けてあげる←
てか癒しにすらならないならユニの存在意義がないですね(笑)
ガチャ怖ぇ…本当、良い金儲けですよね。
てか以前ハガレンのガチャか何かやって、シークレットが出たんですけど、大総統だったんです。酷くないですか?シークレットが大総統ですよ?誰が喜ぶんだって言うね。
凄いなぁって思いますよねσ( ̄∇ ̄;) ファイルは漫画のイラストだったら好きなんだなぁくらいにしか思いませんが、中学くらいの時クラスの男子が萌え系美少女アニメのファイル常用しててメチャクチャ引いた記憶があります。
てかラバストとかぶら下げてオタクオープンにしてても全然オタクな感じがしない子とかいるんです、あれ何なんでしょうね?生粋なオタクなのに天然の一般人オーラ、羨ましい。
首にはふなっしー、愛用の鞄はくまモンなもので、ふなっしーとくまモンが私の代名詞になっています。性格がふなっしーっぽいんで何方かと言えば皆ふなっしーを見て私を連想するみたいなのですが。ある日研究室にふなっしーのマスコットが飾ってあって、私のものじゃないのに皆私の私物だと思ってたみたいでビビりました(笑)結局本来の持ち主から譲渡されたので私物になりましたが←
一番くじね…発売が発表されたと同時にコツコツと黒執事募金始めて軍資金一万円用意してたんです。
まぁでもお金で引いたのは最初の3回で後は全部今まで10年以上貯めていたポイントでやったんですけど。発売日当日私の頭が弾けて通常のシエルラビットは勿論、ラストワンもちゃんと手に入れましたよσ( ̄∇ ̄;)
後先考えずやっちゃったんで持ち物増えちゃって、急遽100均で大きい袋購入するハメになったのでその日は友達と遊ぶ約束してたのに電車逃して10分遅刻。遊ぶ前から大きな荷物背負って現れた私に友達ビビる。事情を話して笑われる。最強伝説浮上← ってな感じに落ち着きました←
セバスラビットは残念ながら入手出来なかったので、オク慣れしてる別の友達に入札依頼出しています←
それはもう、涙無しには語れない事実が(嘘)
え、どんなww
Dearって漫画のチルハって子です。そして同じ漫画のキサラって子がセナのモデルです。
なんか存在感があるって言うか(笑)
気づいてなかったのかwwあぁ、ありそう(笑)
怖ww
オカマって男臭い人好きだったりしますよね。存命だったらディンゴが最適だったのにww
180
:
メイヤ+etc
◆.q9WieYUok
:2014/09/23(火) 19:13:50
【飛行艇】
「俺に付き合う前に、世界を救わないといけないだろう?
それに、護衛を続けるとしてもいつまで経ってもおんぶにだっこじゃあ俺の身が保たないからな。」
子猫の様に舌を出して笑うサンディに笑みを返し、メイヤは歩き出す。
自身の口からでは無いが、胸中に蠢いていたモノをさらけ出せたのは精神的に良かったらしい。
「だけど、今暫くは時間もありそうだし、付き合ってもらおうかな。」
甲板を歩きながら、メイヤはバルクウェイの街中へと視線を向ける。
「あぁそうだ、サンディ。
さっきの話はアグルや猫男爵達には秘密にしておいて欲しい。
レックス辺りが変に気を遣いだしたらこっちが余計辛くなりそうだからな……」
ーーーーー
【バルクウェイ】
「助かるわ、私一人じゃ正直荷が重いと思っていたから……」
話を聞き、頷く三人にフィアは礼を言って軽く頭を下げた。
その様子に、自分自身丸くなったと薄く笑いながら、フィアはDDの問いに答える。
「姫は港の飛行艇の中よ、この位置からなら空間転移で一瞬よ。
なんなら私が皆を姫の元まで跳ばそうか?」
181
:
アグル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/09/24(水) 01:17:32
【飛行艇】
どうやらこのレオールと言う男は以外にもおちゃめな人だったらしい。
しかし、話題の人物であるバロンは己自身の身体をどうにかする為に出ていった訳だし、戻ってきてもモフモフは出来ないんじゃないだろうか。
…とは思ったものの、アグルはそれを口には出さず、代わりに差し出された掌とレオールの顔を見比べ、そして「悪いけど…」と口を開いた。
「別に俺はこいつら(四神)の一員って訳じゃないし、世界の問題なんてのも正直どうでもいい」
今ここに居るのだって個人的な目的があってのことでしかないし。
アグルは続ける。
「四神は今たまたま行動を共にはしてるけど、多分それぞれがそれぞれ別の思惑を持って動いてる。
純粋に世界を救いたいなんて思ってるの、多分このメガネとアマテラスぐらいだよ」
だから合意を求めるのならレックスにしてくれ、とアグルは言う。
しかし…でも、まぁ…
「俺も個人としてはある程度なら協力しても良いとは思ってるよ。勿論、自分自身の益となる範囲までなら、だけど。
それ以上のことは一切なにもしないし、時期が来たら此処の連中とも別れるつもりだから」
182
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/09/24(水) 01:39:09
【飛行艇】
そうだ。リトの性格は知っていた筈だ。
だけど、頭ではそう理解していたつもりが、心がついていかなかった。
「薄情者なんて…そんなこと思ってない、けど…」
それでも少なからずリトを疑ったことは確かだ。
ナディアの言葉を聞くまではずっと不安だった。彼女の声を通して、改めてリトのことを再確認させてもらい、そして漸く安心した。
「じゃあ、俺…居ても良いのかな…?役立たずだけど、まだリトの側に居て良いかな…」
…いや、違う。役立たずだけど、じゃない。強くなろうとしなきゃ。
落ち込んで、泣いて、無力な自分を責めて…そんなのはもう終わりにしなくちゃいけない。
リトが変わるというのなら、自分だって変わりたい。ナディアは置いていかれることはないと言ったが、それでもやっぱり彼とは肩を並べていたいから。
「…お嬢」
不意にアブセルは言う。そして漸くリトの手から自身の手を離した。
「…俺、強くなるよ。
強くなって、当主になったリトや…リトにとっての大切なものを護って上げられる様な、そんな男になる」
だから…と、彼は真剣な目をナディアに向ける。
「弟さんを僕にくださ…」
……間違えた。
お嬢が恋愛しろとか変なことを言うから。
アブセルは空咳で誤魔化し、再び口を開いた。
「ありがとう」
そう、お礼が言いたかったんだ。赤い目を擦りながらアブセルはゆっくりと立ち上がり、部屋の入り口へと向かう。
かと思えば、不意に立ち止まって「それから…」と付け足す様にナディアを見た。
「お嬢は分かんないかもしんないけど、男の友情って恋愛なんかよりもっとずっと深いんだぜ」
そして、にっと歯を見せて笑って見せれば、彼はそのまま踵を返し、扉の向こう側へと姿を消した。
183
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/09/24(水) 01:40:54
【リマ》それはまぁ…しょうがないですよ。事実を知ってもリマは許してくれますって。…くれますよね?←
リマ優しいw
これからユニの見せ場もっと増えると良いなぁ…(笑)
シークレットが大総統wwそれは酷い話だ(笑)でも自分はちょっと嬉しいかも、カギにつけてポケットにそっと忍ばしときたい←魔除けになりそう←
美少女アニメキャラファイルのあの破壊力よw自分的に好きなアイドルのファイルとか使用してる人もちょっと理解出来ないけど←
取り合えず外見に気を使ってる人はオタクオーラ出てないですよね?
一見お洒落さんなのに実はオタクって子とかむしろ何か良いです、ギャップ萌えです←
てか性格がふなっしーっぽいってどういうことですか?wwリマさん奇声とか発しちゃうキャラなんですか?(笑)
しかしそのふなっしーとリマさんに関しての周りの信頼度は何(笑)
軍資金一万円!?ポイント!?そしてオクまで!?(笑)すごい、想像以上に徹底してますね!
それはもう伝説も作っちゃいますよ(笑)てかリマさんの部屋、大変なことになってそうw
なにそれ気になる、てか嘘ってww
最終的にジルとナディアが引っ付く、そして幸せに暮らす。以上←
セナのモデルは以前聞いたことがありますが…なるほど、wikiで調べたらそのモデルのキャラとリマセナ、共通点が沢山ありますね^^
そうですかね?イスラは真面目で特徴がないのが特徴みたいな平凡キャラを心掛けてたんですけどねw
いや気づいてましたけど(笑)たぶん爬虫類とか虫とか大好きですよ
あー…ガチムチで髭とか大好きらしいですからねぇ(笑)でもどうせ直ぐフィア達以外とは別れちゃうんで、保留にしとこう】
184
:
レックスetc+
◆.q9WieYUok
:2014/09/24(水) 22:11:35
【飛行艇】
差し出した手を、アグルは握る事が無かった。
そして、彼の返事を聞いたレオールは僅かに寂しそうな表情で、手を戻す。
「そうか、君には他にやる事があるようだな。
なら無理強いはしないさ、出会いがあれば別れもあると言う事だ。」
そう、自分も同じ様なものだ。
イオリやその部下、実弟のボルドーとは同じ目的を持つが、その志は違う。
(全員が全員、同じ道を歩める訳では無いのさ……)
レオールはアグルに笑みを向け、話題を変えて続けた。
「まぁ、暫くバルクウェイに居るのなら復興祭を楽しむと良い。
闘技大会も盛り上がる事間違いナシだ、何しろ師団の分隊長達が参加しているからな。
一般参加は二人程だが、軽く見た所中々の実力の様だ。
異能の水使いと仮面の青年だったか……そう言えば君も参加するんだったか?
四神の戦い振りを俺も楽しみにしてるよ。」
そして、それではまた、とレオールは踵を返し食堂を後にした。
その背をマルトも追うが、不意に振り返る。
「あぁ、そうだ。あの天然団長が言い忘れてたんだが……
この中型飛行艇は好きに使うと良い。
何か足りない物があれば遠慮無く言え、馬車でも車でも二台位なら貸し出し出来るからな。
ついでに、闘技大会の一回戦は今夜だから遅れるなよ?」
その言葉を聞き、頷くレックスはマルトの背を見送り、静かに息を吐いた。
「天然みたいですが、なんだかんだで良い人みたいですね……人を纏めるにはあれくらい緩く、いや、人当たりが良い方がいいのでしょうか。」
185
:
サンディ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/09/24(水) 23:07:19
【飛行艇】
「でも、最近はあたしもちょっと強くなってきた気がするんだ。力の使い方が解ってきたって言うか…
まぁ剣の腕はまだまだなんだけど…」
そう小さく笑いながら、サンディは歩みを進めるメイヤの後をついていく。
しかし、続く彼の言葉を耳にすれば、少し複雑そうな表情を浮かべ言った。
「あ…うん、そうだね…。メイヤがそう言うなら黙っとく…」
メイヤとみんな。両者の気持ちを考えると、正直秘密にしておくことが良いことなのかどうかは分からない。
中には「どうしてもっと早く言ってくれなかったんだ」と思う人もいるかもしれないが…。
しかし、彼がそれを望むのならその通りにした方が良いだろう。
サンディは少し間を置いた後、"ねえ…"と再び口を開き、先の話の中で疑問に思っていたことをメイヤに投げた。
「さっきの人(クウラ)が悪神を宿された人は少ししか生きられないって言ってたよね…?それって本当?どうにか出来ないのかな…?」
それに、
「あの人は何?少しメイヤに似てた様な気もするけど…。何か、みんなを…色んなものを憎んでたみたいだった」
186
:
シャム他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/09/24(水) 23:08:43
【バルクウェイ】
「やだ、気にしなくて良いのよ。久し振りに貴方達に逢えたし、旅行みたいで楽しいもの」
頭を下げるフィアに向け、D.Dはそう和やかに言う。
しかし、手元に旅行ガイドブックを広げ「あぁん、早くショッピングがしたいわぁ」と洩らしているのを見るところ、本当に旅行気分でいるらしい。
対しシャムは、"妙にしおらしくて気持ちが悪いフィアを見た"と言わんばかりに、思いっきり顔をしかめていた。
「お前…人間と一緒に暮らす内に奴等に毒されちまったんじゃねーの」
そしてその傍ら、空気を読まないルドラが生意気に口を開く。
「あのさ…どうでも良いから移動するならさっさとしてくんない?こっちは重いんだから」
187
:
ジュノス
◆Hbcmdmj4dM
:2014/09/24(水) 23:26:58
【飛行艇】
「セナ様は子の存在を知りません」
ジュノスは言った。
ノワールが身籠ったことも、彼女を封じた後、産まれた赤子を取り上げたことも、全てセナの与り知らぬところで起きたこと。
ジュノスはその事実をセナが知る必要もなければ、今後、報せる必要もないと思っている。
「私は、あの方が幸福に生きられる最善の道を選んで頂きたいだけ…。
その為には、貴女も…貴女の子も、今の彼の平穏を阻むただの障害にしかなり得ないと私は思っています」
よって、ジュノスにとってノワールの存在は気疎いものでしかない。
しかし、彼女に手を出せば、彼女を慕う他の吸血鬼達が黙ってはいないだろうことも知っている。姫を失い逆上した彼等が、セナやリマを手に掛けようとするのは火を見るよりも明らかだ。
しかし、ここでヘタに下手に出る様な態度をノワールに見せてしまえば、彼女に対しての負い目がある以上、ジュノスはノワールの意に屈伏せざるを得ない。…そう言う立場に追い込まれてしまうことも解っている。
ジュノスも身動きが取れないのだ。
「責任なら私が代わりに取ります。
セナ様と貴女との関係を結ばせたのも全ては黒十字の意思です。セナ様が責を負う謂れもありません」
188
:
フィア
◆.q9WieYUok
:2014/09/28(日) 00:34:21
【バルクウェイ】
下げた頭を上げた先、視界に映る三者三様の姿にフィアは苦笑いを浮かべた。
「こっちへ来てからろくに食事を……血を味わってないからね、水が無ければ麗しい花もしおれるのよ。」
顔をしかめるシャムには軽口を、ガイドブックを広げるDDにはバルクウェイにて見繕っていた店の場所を。
そして、不満気に口を挟むルドラにはゲンコツを喰らわせフィアは善意を連れて空間を転移。
バルクウェイ港、飛行艇内のノワールの元へと跳んだ。
189
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/09/28(日) 22:53:41
【飛行艇】
確かに、バルクウェイでの戦いでサンディは天照大神の力を十二分以上に引き出していた様にも見えた。
剣術の方も、しかるべき師の下で修行を積めば数年で一流の域に達するだろう。
小さく笑うサンディの横顔に頷きながら、続く問い掛けにメイヤは答える。
「詳しくは知らないけど、アイツも闇の子供達計画の被験者だと思う。
分家か本家かわからないが、多分分家の出だろうな……」
だが、その答えも明確な物では無い。
何しろクウラやその兄、計画の事を知ったのは弥都に戻ってからなのだ。
道中の客船で因縁めいた言動を受け、何か有るとは思っていたが……
「計画の被験者だとして、それが原因で何か大切なモノを失ったからかも知れない。
それに、幾ら適性があったとしても闇は確実に命を蝕む。
その事を知ったとしたら、心が憎しみに染まってもおかしくは無いと思う。」
クウラやその兄を含め、計画の被験者は数多く居た筈だ。
彼等はきっと、唯一の成功作である自分を、そしてこの世界を憎むだろう。
「ただの人間が、リスク無しに闇を使役する事は出来ない。
まぁ、悪神を宿されている以前に俺は急速成長措置やらで寿みたいが短いんだ。
悪神をどうにか出来た所でそう変わらないさ。」
結局の所、話の内容が暗い物になってしまった事に申し訳なさを感じ、メイヤは話題を変える事にした。
「そう言えばイスラの具合はどうなんだ?
復興祭、せっかくなんで皆で回れたら良いかと思ったんだが……」
190
:
アグル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/09/29(月) 23:34:46
【飛行艇】
今夜って…。
そもそも闘技大会にエントリーされてたことに気づいたのがついさっきなのに…、今夜って…。
二人が立ち去った後、アグルは肩を竦め、溜め息混じりにレックスの発言に対して言葉を返した。
「さあ、どうだか。俺は逆にああいうのって何か胡散臭く感じるけど」
我ながら捻くれてると思う。
しかし、サービスが過剰と言うか…親切過ぎると逆に訝りたくなると言うか…。
あれで何の裏もないのだとしたら有り得ない位のお人好しだ。
ここに居るレックスや他の連中もそうだが…むしろどうやったらそういう人間に育つのかが知りたい。
まぁ…どうでも良いけど。
アグルは冷蔵庫を開き中からいちご牛乳のパックを取り出すと、傍らの椅子に腰掛け、更に付け足す様に続ける。
「…てかお前、自分自身も天然ってこと気づいてる?」
191
:
サンディ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/09/29(月) 23:46:07
【飛行艇】
メイヤ自身、こちらに気を使わせない為に敢えて軽く言ったのかもしれないが…
どうして自分の生き死に関する問題にそこまで無関心でいられるのかが理解できない。
普通もっと生きたいとかって考えない?そんなだからやりたいことがないとか言えちゃうんだよプンプン。
これなら明確な意志を持ってる分、まだあの人(クウラ)の方が生きてるって感じがするよ。…その内容は穏やかじゃないけど!
…と怒りたかったが、そんなことを言えば鬱陶しい女だと思われること間違いなし。
メイヤの方も意図として話題を変えた様だし、あまり出過ぎた真似はしない方が良いのかもしれない。
「…具合の方は問題ないみたいだよ。リマさんって言って、姉御のご先祖さまに怪我の治癒して貰ってたみたいだから」
だからこそサンディも"気にしてない"と言う素振りでメイヤの問いに答える。
「でも今はそっとしといた方が良いかも。バルクウェイでの一戦以来、何だか以前にも増して剣の稽古に根を詰める様になっちゃったって言うか…。
まぁ他の皆ならたぶん食堂の辺りに居ると思うけどー…、…行ってみる?」
192
:
ナディア他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/09/30(火) 13:34:15
【過去】
リトは外出を拒むも、アブセルが受け入れることはなく。
台車の中に隠れろと言うアブセルに、リトはしばし考える素振りを見せるも、しまいには言葉に従った。
少しだけ。あの人達は出掛けたから、帰ってくる前に戻ってくればいい。
まだ幼いリトは、アブセルと同じ。単純な考えしか出来ていなかった。
そして自分の体調も知らない。リトの世話をする使用人達がかかさず皆携帯している薬の存在も。
【飛行艇】
「男の友情…ねぇ」
アブセルは晴れやかな顔でそう口にしたが、リトに対する彼の態度には色々と思うところがあった。友情などと簡単な言葉では収集がつかない。しかし、アブセルが元気になったから今は良しとしよう。
「あんたも、早く起きなきゃ」
アブセルを見送ったナディアはリトに目をむけ声をかける。
リトは生きている。しかし、いつ目を覚ますのかは分からない。此方から手の施しようもない以上、ナディアだって不安もある。
「あんたが元気じゃなきゃ、いじめることも出来やしない」
193
:
リマ他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/09/30(火) 14:11:10
【飛行艇】
「あれ…セィちゃん?」
新しい食事を携えて席に戻ると、そこにセナの姿はなかった。
何処へ行ったのだろう、部屋に戻ったのだろうか。
リマはそのまま踵を返す。
「きゃっ」
前方不注意である。いや、振り返ったから後方か?
それはともかくとして、何の確認もなくいきなり振り返った為に後ろにいたらしい何者かにぶつかってしまった。
はずみでプレートの上の食事を倒してしまう。
「あ、アブくん!ごめん、ひっかからなかった?」
ぶつかった相手はアブセルだった。
セナを探さなくてはとの思いと、ぶつかってしまって申し訳ないとの思いとやらが色々と入り混じり、慌てた様子で言葉を発した。
-----
「そなたの言葉が信用出来るとでも?」
ノワールはジュノスを睨む。
昔も、そして今も黒十字は信用できない、それはジュノスとて同じ。その上、彼はセナの忠臣だ。彼を護る為ならいくらでも嘘をつけるだろう。
「まぁよい。あやつに罪がないと言うのであれば、そなたがあやつの分まで詫びを示せば良い話。じゃが忘れるな。わらわは気の長い方ではない。此度は空振りじゃったからの、我が子が戻らないとなれば、わらわは容赦せぬ。あやつに報いるぞ。」
194
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/09/30(火) 18:43:25
イスラ>>
【リマは…複雑な葛藤の末にセナのもとを離れるでしょう← でも決してセナを許せないからじゃないですよ?子供から親を奪いたくないからです。
なのでどうぞ心置き無く胃に穴を開けちゃってください!←
ユニは役立たずだからなぁ←
魔除けとかww自分にとっては大総統がもはや魔です←
いつでも何処でも一緒にいたいのでしょう、気持ちは分からなくもないです(笑)でもAKBオタが潜んでるのは怖いなぁ、自分、気付かぬところで恨み買ってそう←
ですです!と言うかそうであって欲しい←
ギャップかぁ、自分も「オタクに見えなかった!」って言われたい← いつも一緒にいる友人(フリフリ装備)の印象が強いのか、この前病院の実習で仲良くなった子に乙女ゲームの話ふられて全然分からないもんだから残念そうにされてしまいました。自分の場合「オタクと思ってたら違った」の方らしい(笑)
奇声はさすがに発しませんが騒がしいですね(笑)あと周りからボコボコに打ちのめされる点とか共通しています← でも最近オラフもイコールで結ばれて来ているようで、つまりはヘンテコな生き物がイメージキャラクターです←
いやぁ、うちの坊ちゃんウサギ達が「執事がいない!」「僕の執事は何処だ!」「入手していないだと?ならば金を積むなりなんなり、何としても手に入れてこい!!」って騒ぐものですからσ( ̄∇ ̄;)(幻聴)
因みに執事ウサギは現在無事委託した友人宅に到着しているそうです。
え、私の部屋ですか?こんな(imepic.jp/20140930/672650)感じですね。
でもまぁ何はともあれ、自分の愛しているシエルは今の坊ちゃんですから(´∀`人)♪ 回想に出る小さい頃のシエルってなんか胡散臭くて虫唾が走るなと思ってたんですが、私の本能が悟っていたみたいですね(-ω- )
あー、それも考えてたんですけどやめました。←
この話が出来た頃読んでた漫画なので(´∀`人)もろ受け継いでますよ〜
イスラって何か存在感ありますよー、お節介だからかな?
好きでしょうね、今凄く想像出来ましたw
そうですか、残念(・ω・)】
195
:
ジュノス他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/02(木) 00:51:42
【飛行艇】
ノワールの言に対し、ジュノスは言われなくとも解っている、と言葉を返す。
しかしその直後、突如として黄色い…いや、茶ばんだ声がどこからともなくと場に割って入ってきた。
「きゃーっ!!ノワちんお久〜!」
"それ"は背後からノワールの身を抱きすくめると、嬉々として彼女に頬ずりをする。
「話には聞いてたけど、ノワちんったら本当に小さくなっちゃってたのねぇ。
でもでも、今のアナタお人形さんみたいでとっても素敵よ。逢えて嬉しいわぁ」
もはやキスは挨拶と感謝を伝える常套手段である。
D.Dは嫌がるノワールの頬に唇を近づけるも…そこでふと目の前の、呆気に取られているジュノスの存在に気がついた。
「やだっ!他にも人がいたの!?アタシったら、全然気がつかなかったわ!」
はしたないところを見せてしまったかもしれない。いやいや、しかしちょっと待て。
先ほどからずっと感じているこの感覚…、いや、予感と言ってもいい。
D.Dは不意に勢いよく立ち上がると、フィアの両肩を掴んでガクガクと揺さぶりながら声を上げた。
「ちょっとぉ、何よこの船の中!?アタシのいいオトコセンサーがビンビン反応してるんだけど!?
一体どう言うことよフィアっ!紹介しなさいよぅ!!」
196
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/02(木) 00:53:20
【飛行艇】
正直なところ、恋愛というものがよく分からない。
以前どこかで聞いた恋の定義に…
1、気がつけばその人のことばかり考えている。
2、相手のことを思うと何だか切なくて、胸が締め付けられる様な感じがする。
3、一緒にいると楽しくて、ずっと一緒にいたいとかイチャイチャしたいとかいう願望に取り付かれる。…とあったが。
それが本当なら自分はリトに恋をしていると言うことになる訳で…と言うかずっとそうだと思ってた訳で。
これが恋じゃなければ、じゃあ恋って一体何なんだ、っていう話な訳で。
ナディアやヨノに向ける"好き"が姉的な存在としての"好き"だと言うことは分かる。でもその他の女の子を好きになったことがないから、やっぱり何とも言えない。
じゃあ、じゃあそうだ。実際に恋をしている人に話を聞けば、恋愛の何たるかを知ることが出来るんじゃないだろうか。
そんなことを漠然と考えていると、不意に誰かにぶつかり、アブセルは急きょ現実に引き戻された。
――…
「あ、ごめっ…!」
どうやらリマとぶつかってしまったらしい。
予想外の彼女の慌て様に何故だかこちらまでも伝染してしまい、アブセルは慌てて大丈夫だと首を振る。
しかし改めて自身の服を見てみると、シャツやズボンにスープらしきものがかかっていることに気づく。
「…いや、でもっ。どうせシャワー行くつもりだったし、全然大丈夫っ!
て言うかそんなことより…!」
そう、そんなことより。リマには言いたいことがあった。今まではそれどころじゃなくてすっかり忘れてしまっていたが…。
アブセルは不意にリマに向けて頭を下げた。
「リトを助けてくれて、ありがとうございました」
あの深淵での一件、リマとセナがいなければ彼を助け出すことは叶わなかった。本当に彼女達にはいくら感謝してもし足りない位だ。
197
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/03(金) 00:36:23
【過去】
台車を使い、こっそりリトを館の中から庭園へ。
正門は見張りがいて使えない為、そこからは塀をよじ登って屋敷の敷地外へ出た。
リトはもやしな為…と言うか普段こういうことをしたことがないだろう為、塀を登らせるのは苦労したが、幸運にも誰にも見つかることはなかった。
「ほら、あれが街だよ」
そして抜ける様な青空の下。アブセルは眼下に広がる色とりどりの屋根の群を指差し言った。
「街まではそんなに離れてないから歩いてても直ぐに着くよ。…あ、そうだ」
かと思えば、ふと思い出したように持ってきていたキャスケット帽をリトの頭に目深に被らせる。
「それ被っとけ。お前の髪、目立つから」
198
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/03(金) 00:46:27
リマ》そんなことになったらリト達の存在が消えてしまう;何としても阻止せねば←
それもそれで酷いw
そんなことないです!ユニはもうそこにいるだけ良いんです!
大総統を魔とか言うんじゃない(笑)
そんなもの持ち歩かなくても、いつも心の中に携えとけば問題ありません←
そんなおおっぴらにAKBディスってるんですか?(笑)
フリフリですか(笑)じゃあこれを機に乙女ゲームに手を出してみては?(笑)自分の知り合い(女子)の中では、うたプリが熱いみたいです。今度ライヴに行くというほどのハマり様ですw
ボコボコってマジで(笑)おラフww可愛いですよねwwまぁ要するに変な人ry←
坊ちゃん達うるせぇwwお、良かったですね^^
あらかわ、てか縫いぐるみがひしめいてる(笑)
虫唾が走るってw一般的な反応としてはそこで胸キュンするものでしょうにw
え〜なんで止めっちゃったんですか?
あぁ、そういうのってありますよね。じゃあリマセナが誕生したのはその漫画のおかげですね^^
今回イスラは引き立て役に徹しさせてる感じなんで自分の中では影の薄い存在です(笑)でもそう思って頂けているとは嬉しい限りです^^
ね?可愛いでしょう?←
ヴェントとかをイチオシにしたら面白そうかなと思ったけど、今後顔を合わせることなさそうだしな〜(笑)
199
:
メイヤ/レックス
◆.q9WieYUok
:2014/10/04(土) 23:23:45
【飛行艇】
耳にした話だと、イスラはバルクウェイに闇を齎した元凶と戦っていたらしい。
イスラ程の剣士が決して浅くは無い怪我を負うと言う事は、相手もかなりの強者だったのだろう。
決して完敗した訳では無いと思うが、戦いの行方は芳しくは無かったのかも知れない。
その結果、イスラは落ち着いた現状を前にしても、稽古に励んでいるのだろう。
「そうか……なら下手に声を掛けない方が良いな。」
サンディの言葉に頷き、メイヤは皆が居るであろう飛行艇内の食堂へと歩を進める。
「取り敢えず、アグルとレックス、ナディア達の顔を見に行こう。」
途中、サンディが何やら物申したそうな顔をしたが、メイヤは敢えて気付かない振りをした。
ーーーーー
「……確かに、初見ですらない僕らにこうもまで構ってくれるのは何か裏がある様な気もします。
だけど、言ってたじゃないですか、黄龍を倒す力を貸して欲しい、と。
色々と良くしてくれるのは、先行投資的な部分もあると僕は思いますよ。」
紙パックを手に椅子へ腰掛けるアグル。
彼の言葉に、レックスは少しばかりの間を置いて答えた。
「無条件に何もかもを信用するのは愚行ですが……それよりも。」
その声には、僅かだが彼にしては珍しい苛立ちの色が見てとれる。
「先程の言葉、どう言う事ですか?
君がお兄さんの仇討ちを考え、その為に力を着けて来た事は知っています。
だけど。
バルクウェイに開かれた深淵と、溢れ出した闇を、魔物を、犠牲となった人々を見て何も思わなかったのですか?」
そして、その口調は次第に熱を帯びて行きレックスはアグルへと詰め寄った。
「ナディアさんは弟さんの為に、サンディは亡き両者の為に、誰かを救う為に戦っています。
だけど君は違う。
君の戦いは誰も救わない、助からない。
復讐を遂げた先、君の魂は救われてもそこで終わりです。
強制はしません、けれど。
力を持たなかった為に何も守れず死んでしまった人々を、闇に包まれたバルクウェイの光景を見た上で、それでもこの世界がどうなっても良いと思うなら……僕は君を嫌いになります。」
丁度その時だった。
ドアが開き、メイヤとサンディが食堂へと現れたのは。
「……レックスにアグル、久し振りだな……って言いたい所だけど、どうした?
何か雰囲気が変だぞ……?」
200
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/05(日) 23:41:13
【飛行艇】
「ごめん!ごめんね!!」
食事をアブセルが被ってしまったのを知ると、リマは更に慌ててハンカチで服を拭う。
しかし、突如頭を下げられたことに驚き手を引っ込める。驚いた表情をアブセルへと向けた。
「ううん、リマは何もやってないし」
彼から受けたのは感謝の言葉。
リマはすかさず首を振り、困ったように笑顔を浮かべる。
「私なんか、むしろ足引っ張っちゃって…。リッちゃんを助けたのはセィちゃんだよ。お礼ならセィちゃんに…」
言いかけてリマはあることを思い出した。
「あ、そうだ。アブくん、あのね。リッちゃんのことであまり自分を責めないでね?」
アブセルがリトを屋敷に戻し、結果的にリトは害され今の状態となってしまった。
リマが見たところ、アブセルはそれを自分のせいだと思いこみ自身を責めているように思う。
しかしリマは知っているのだ。あの時屋敷でリトと話した時、彼が言っていた。アブセルの行動はリトの為を思ってのことだと話したら、リトは分かっていると呟いた。
「リッちゃんはアブくんの気持ち分かってた。アブくんのこと、怒ってないよ?だからね、リッちゃんが目覚ましたら、ちゃんと仲直りしてね。」
201
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/06(月) 13:20:27
イスラ>>
最近「あやかし百鬼夜行」ってアプリで美少年妖怪集めて遊んでるんですが、お気に入りの鬼太郎似な狸の妖怪進化させたら人型ぶっとんで化け狸になってしまってお仲間さんの所で泣いていたところ、優しい通りすがりの方々が進化前のカードを次々にプレゼントしてくれました(笑)本来は回復薬で取引されるカードなのに無償でくれるとは…とても優しい方々でした♪
頑張れジュノス!!(他人事)
酷くないですよー優しいですよー穴開けたままとかじゃないんだから!←
いいのかww
じゃあ悪夢←
成る程!!因みに自分はスマホの中に携えています←
最近はそうでもないですが、前田敦子がいた時は酷かったですねー。
普段がゴスロリ趣味な子なので、大学では一般人も好むブランドをと考え、中高生向けギャル系ブランド「リズリサ」を選びとったがために、顔が童顔なのでフリフリに見えてしまうと言うね。黒髪パッツンなので周りには余計にそっち系として見えてしまうみたいです。
うたプリですか、自分の友人にも好きな子います(笑)キャラソン聞かせて貰って爆笑した記憶が←
オラフ可愛いですwって変な人wwそうかもしれませんね( ̄∇ ̄)笑
坊ちゃんにおねだりされたらそりゃ意地でも手に入れるしかないでしょう←
結局一番くじで狙ってたものは全て手に入れました(笑)でもツイッターとか見てると皆くじ運いいなぁと思いますね、羨ましいです。
はい、自分の部屋はぬいぐるみの植民地ですゆえ。UFOキャッチャーで取ってきたり、取って貰ったり。母親に叱られるので最近はこっそり持って帰ってきてます← ぬいぐるみ大好きなので、UFOキャッチャー得意な男友達がいて、単純に遊ぼう言われても面倒だっていつも断ってましたが、ぬいぐるみ取ったから〜って言われるとホイホイ行ってましたね← その友達は進級出来ず大学止めてしまい今では音沙汰なしですが←
だって態度が胡散臭かったんですも〜ん。でも今の坊ちゃんの小さい頃は可愛すぎて悶えていたので、自分の本能怖いなって思います(笑)
本能と言えば急に白龍ちゃんが恋しくなって先週ネタバレ掲示板行ったら、ちょうど白龍ちゃん再登場の回だったらしくて「水曜にサンデー買わなきゃ!って今日水曜じゃん!!」ってすぐさま買いに走しました←
いくらなんでも歳が離れすぎかなぁって。ジルはリトとの歳が近いので弟に手出してるような感覚が←
ですねー。読んでなかったらどんな子達になってたんだろう(笑)
そうだったんですね(笑)まぁ、結果オーライです!←
んー、まぁ、可愛いですね(笑)
あぁ、ヴェントww彼はノワールのお気に入りだしマゼンダとも仲良いしなので…幼女とオカマとビッチに囲まれるってどんなww
202
:
フィア
◆.q9WieYUok
:2014/10/07(火) 20:20:45
【飛行艇】
転移した先にジュノスも居るのは、彼の魂の波長も感じていた為わかっていた。
しかし、フィアは忘れていた。
彼、いや彼女……DDがかなりの男好きであることを。
「あ〜確かに何人か男は居てるわ〜ただ〜」
思いの外強い力で揺さぶられるがまま、フィアはDDの問いに答えた。
「DDが好むイケメンは居ても〜割と幼い〜〜私達からすればお子様ばっかりよ。」
しかし、いつまでも揺さぶられ続けるのは流石に辛い為、答え終えると同時に肩を掴むDDの腕に手を置き、揺らすのを止める。
そして、どうやら密談の間に入り込んでしまった事を感じ、ノワールとジュノスに短く詫びた。
「ごめんなさいね、間を割って。
でもまぁ、丁度良かったわ。
ノワールに話したい事もあったし、そこのイイオトコさんにも聞きたい事があるからね。
二人の話が終わったら、少し時間をちょうだい?」
203
:
アグル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/08(水) 00:49:58
「…どちらが死ぬ?」
兄は言った。
「どちらでも同じだよ」
弟は言った。
「チェスで決めよう」
――…
【飛行艇】
どうやら先程の発言、彼にとっては気に障るものだったらしい。
珍しくも語気を強くこちらへと言い寄ってくるレックスに対し、アグルは紙パックを口から離し、気怠そうな目を彼に向ける。
そして暫しの沈黙の後、何かを言わんとすべく口を開きかけるも…。
直後、場に上がった新たな声によって、それは阻まれることとなった。
「あー…、いや何でもない。そこの委員長(レックス)がまたお節介焼き始めただけ。気にしなくていーよ」
視界に映ったのはメイヤとサンディの二人だった。
アグルは彼等の登場によって、別段話の腰を折られ気分を害したと言う風でも、またこの空気を断ち切る願ってもない助けが来たと喜ぶでもなく、いつも通りの態度でそう言った。
しかしレックスとの会話を再び仕切り直す気もない。
「にしてもそっちは色々忙しかったみたいだな。一週間振りじゃん。
…で、何?今は暇してる訳?」
204
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/08(水) 00:50:58
【飛行艇】
何もしていないなんてとんでもない。
確かに実際にリトを救出したのはセナだろうが、そう彼にお願いしてくれたのはリマなのだから。
依然深く頭を下げていたアブセルだったが、不意にリマが話を変えるとその顔を上げ、きょとんと彼女を見た。
そして呆然としたまま口を開く。
「そう…なんだ…」
リトはこんな自分のことを信じてくれていたんだ…。
直後、何かがぐっと込み上げてくるのを感じた。
そして胸が熱くなるのと同時に、少し気が楽になった。
「心配しなくてもちゃんと仲直りするよ…。友達だもん…」
言ってアブセルは小さくはにかむ。
しかし不思議なのは、どうしてリマはこうも自分たちのことを気にかけてくれるのかってこと。
彼女のそういった態度が慣れなくて、どうもこそばゆい。
アブセルはどこか照れくさそうに頬を指で掻きながら先を続けた。
「なんというか…ポセイドンの姉ちゃんにはいっぱい迷惑かけちゃったよね…」
屋敷に連れ込んだり、深淵に引っ張り込んだり、襲ったり、情けないところもたくさん見せてしまった。
「何かさ、お詫びって言うか…お礼、したいな。
何か欲しい物とかない?して欲しいこととか…。俺に出来ることなら何でもするから遠慮なく言ってよ」
205
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/08(水) 00:53:46
リマ》
皆さん優しいですねw自分そういうソーシャルゲームってやったことないんでよく分かんないんですよね
他人事すぎww
だってそれ生き地獄じゃないですか?過労死した方がまだ楽かもしれないww
ユニはマスコット的な存在なので(笑)
悪夢も似たようなものじゃないですかw
あぁ、なるほどスマホですか。でもスマホって落として、もし中を誰かに覗かれでもしたら最悪ですよね(笑)
そんなに酷かったんだw今のAKBメンバーはさっぱりですが、以前だったら板野友美が一番好きでしたが何か?←
それってお嬢様系ゆるふわファッションみたいな感じ?それなら可愛い←
自分はカラオケでキャラソン歌われて反応に困まりましたw
何かまたアナ雪が見たくなってきたw変な人認めちゃ駄目ですって(笑)
リマさんも充分凄いですけどね(笑)てか親に叱られる程ってどんだけですか(笑)
自分UFOキャッチャーで何かを取れた試しがないなぁ。だからやらない←しかしそんなに仲良かったのに音沙汰なしとか寂しいですね
人見知りの方が坊ちゃんですよね?
え?白龍?誰だっけそれ?(゚Д゚)←…まぁそれは冗談として、どうでした?白ナントカさん活躍してました?
離れてるって言っても5歳位じゃなかったっけ?全然OKですよ←
リマセナがいなかったら多分ジュノスというキャラも出来てなかっただろうな(笑)
ヴェントモテモテwwしかし周りにロクな奴がいないww
206
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/11(土) 00:01:54
【バルクウェイ】
普段とそう変わらない気怠げな瞳と、返って来ない言葉。
メイヤとサンディが食堂へ現れたのも有るだろうが、話をするつもりは無さそうなアグルの態度にレックス下唇を咬み、彼を眼鏡越に睨む。
しかしそれも数秒の事。
深呼吸を一つ、表情を戻したレックスはアグルへと言葉を投げる。
「僕は君を買い被り過ぎていた様です。」
そして、少し頭を冷やしてきます、とサンディとメイヤに声を掛け、食堂から姿を消した。
その姿を見送り、メイヤは近くにあった椅子に腰掛けた。
唯ならぬ雰囲気だったが、アグルがああ言い、レックスも食堂を出て行ったならば無理に聞き出さない方が良いだろう
「細々とした使いっ走りで忙殺されていた、のは冗談だけど、骨の折れる仕事で暫く動けなかったのは確かさ。
その分、今は暇を貰った。」
レックスとの事には触れず、メイヤはアグルに返事を返す。
「復興祭、折角だから皆で回らないかと思って来たんだ。
後は……皆はこれからどうするのかを聞きに。」
207
:
ジュノス他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/12(日) 21:44:37
【飛行艇】
「そんなの全然問題ないわっ!
ダンディーな年上の殿方にはリードされたい。まだ可愛さの上回る年下の彼はリードしたい。それがアタシのポリシー!
それが将来有望な子ならなおのこと!今からツバつけとかなきゃ!」
フィアの返答に対しDDはそう熱く声を上げる。
因みに目の前の彼は…と、ジュノスに目を向けた。
「ちぃッ…、子持ちか…!」
ジュノスの背中、抱っこ紐にておぶわれた赤子を見て、DDは悔しそうに爪を咬む。
流石の彼も他人のものに手を出すのは気が引けるらしい。
火遊びはよほどのことがない限りしない主義なのだ。
「こうしちゃいられないわ。次よ、次!
フィア!アタシ一足先に船の内見て回ってくるから!待っててねん、まだ見ぬ愛しいアタシの子羊ちゃん達!」
そう言い残してDDは嵐の様にその場から去っていった。
「…何なんだよアイツはよぉ…」
その一部始終を眺めていたシャムは、騒がしい奴だと呆れた様子で目をすがめる。
と、そこであることに気がついた。
クソガキ、もといルドラがいない。
まぁ大方ノワールと直接逢うのが恥ずかしいとかで、どこぞにでも隠れたのだろう。近くにいるのは分かるので、取り合えず放って置くことにする。
そしてその一方、事の成り行きが分からないといった様子のジュノスにフィアから声がかかる。
「話なら今終わったところですが…何でしょうか?」
若干の警戒の面持ちを見せながらジュノスは言った。
208
:
アグル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/12(日) 21:45:39
【飛行艇】
立ち去っていくレックスの姿を横目で眺めながら、アグルは机に頬杖をつく。
「俺はいーや。気分じゃないし」
そして、復興祭を見て回らないかと言うメイヤの問いに対しては、ひらひらと手を振って難色を示し。
続けて言葉を返した。
「そう言えばあの縫いぐるみ…バロンの奴は帰省するとか何とかで暫く不在にするってさ。
レックスはその帰りを待つとか言ってた。んで俺らは…」
言って、アグルは机の上に広げられた書類の一枚を手に取り、メイヤに見せる。
「闘技大会の選手にエントリーされてるって訳。…知ってた?」
209
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/13(月) 10:47:33
【飛行艇】
ちゃんと仲直りする。アブセルの言葉にリマは安心し笑顔を浮かべる。しかし次の時には彼女の顔からは困惑の色が映った。
(何でも言えと言われても…)
特にして欲しいことなどない。
しかしアブセルの性格上、お礼をしなければ気が済まないのかもしれない、ここは何か言わなければ。
…セナを一緒に探してもらうか?と言ってもここは船の中、行く場所など限られている。それに、自分を置いて何処かへ行ってしまう時は彼の体調がとても優れない時。弱った姿を見せたくないようでいつも何処かに消えてしまう。そんな時は無理に探さないのも優しさだとジュノスに教えられた。いつも体調が悪いわけではないし、よくなれば自ら戻って来てくれる。
部屋に戻ってくれていれば良いが、ひょっとしたら何処かで蹲ってるかも…でも、今はそっとしておこう。
「じゃあ…」
悩みに悩んだ末導き出した答えは。
「お友達になってくれる?」
アブセルには予想もつかない言葉であっただろう。
「私、あまり同じくらいの歳の子と接する機会とかなくて…お友達になってくれたら嬉しいな」
しかし、リマにとっては勇気のいる言葉だったのかもしれない。
顔を赤くして恥ずかしそうにしながら、遠慮がちに言葉を述べた。
210
:
ノワール
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/13(月) 11:42:05
【飛行艇】
「忙しない奴よ…」
嬉々として消えていくDDの後ろ姿を眺めながら、ノワールは呆れたように声を漏らす。
挨拶のキスは回避したものの、あの顔が至近距離にあったと思うだけで悪寒がする。と言うかまだ奴の息の感覚が肌に残っており、大変心地悪い。頬を抓り、感覚を無くすよう心みる。
「話とはなんじゃ。」
そして、拍子抜けはしたものの彼女の機嫌が直ることはなく、仏頂面でフィアに話を促した。
211
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/13(月) 16:14:35
【飛行艇】
帰省すると言う事は、記憶の図書館に戻るのだろうか。
バロンとレックスの動向を聞き、メイヤは考える。
(暫く戻らない、か。)
様子からして、アグルも直ぐには此処を発つ事もなさそうだ。
となると、四神の中で動く可能性があるのはナディアだけだろうか。
「いや、今初めて知った。」
アグルの手から書類を受け取り、メイヤは目を通す。
そこには自分の名前の他に、アグルやレックス、そしてイスラの名も記されてあった。
「まぁ……参加する事自体は構わないけれど。
それよりも初戦の相手がアグルなのに驚きだ。
レックスとイスラの組み合わせと良い、身内で合わせたのか?」
書類を見る限り、同じブロックに知り合い同士で組まれているようだ。
他の名前は、殆ど見た事は無いが……
「多分今晩にやるんだろう?それなら始まるまで祭りを回ってくるよ。
それと。」
書類をテーブルに置き、メイヤは続けた。
「イオリ……兄は暫くバルクウェイから動かないそうだ。
多分、この空挺師団にそのまま厄介になると思う。
四神護衛は終わったけれど、俺も暫くは此処に居るつもりだ。
打倒黄龍を掲げるなら、常に一緒とは
いかないが共闘する位にはなると思う。
まぁ、実際これから先の事はしっかり考えれてないんだけどな。」
212
:
リト
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/13(月) 21:39:05
【過去】
塀を登るなんて聞いてない。
やっとの思いで登り切ったリトはアブセルを見た。
しかしただ見ただけで不満の声は出さず。
すぐに促されるままアブセルの指の先を追った。
「……」
見たことのない景色だ。
あれが街。姉が「出掛ける」と言った際に向かう場所。
リトの表情に微かながら光が差した。
213
:
フィア
◆.q9WieYUok
:2014/10/13(月) 21:42:09
【飛行艇】
嵐の様に去って行くDDと、どこか物影に姿を隠したルドラ。
二人の様子に溜め息を吐き、フィアはシャムへ視線を流し肩を竦めた。
「取り敢えず、闇の王子とそれに連なるアナタ達、そしてノワールはこれからどうするかを聞きたいわ。
私はレオの仇討ちと、ノワールのお守りも兼ねて人間界には来たけれど……」
しかしそれも僅かな事、フィアは真面目な面持ちで口を開いた。
「ここで一旦、別行動を取ろうと思うの。
仇討ちは正直今の私では力不足……諦めた訳では無いけれどね。
お守りの方はそう、案外必要なさそうな気がするわ。」
そう、レオの仇であるイオリの実力は十三人の長老に勝るとも劣らない所か、1対1なら自分達を圧倒する程だろう。
十字界で戦ったあの眼鏡の男とほぼ互角に渡り合った事から、イオリの実力は伺い知れる。
そして、ノワールの護衛も今暫くは必要なさそうだ。
闇の王子と、それに付き添うジュノス、そしてノワール自身の力は並みの強者程度ならば安易に退けれる筈だ。
勿論、万が一の場合は考えているが。
「それよりも今は、気になる事があるの。
私達吸血鬼に近く、しかし遠い異質な気配……強いて言うならノワールの気配に近い感じ。
私はシャムやDD、ルドラの四人でその反応を追う事にするわ。
それで良いかしら?」
214
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/13(月) 22:18:51
イスラ>>
自分もスマホのゲームと言えばミニゲームとかで、興味自体はあんまないのですが、カード系のゲームは絵の勉強になるのでチマチマやってます(pq´v`*)
今やってるのは妖怪のカードゲームで、同じ絵柄のカードを三枚集めて進化させるとかなりグレードアップした絵が見られます。対戦とかはやってないので、完全絵を見るためだけにやってますね(笑)
ぶっちゃけ結構他人事かも?w←
たしかにwでも死んだら何もかも終わりですよ!←
マスコットwそんなんで良いのかww
むー、なら何て言えば良いんだ!←
大丈夫、そのためのパスコードです(笑)
あー、美人ですもんね、彼女。でも自分、彼女を見るたびあの顔が天然物なのかどうか悩んでしまうので見るのが辛い←あと自分はサシコだけ昔からそれなりに好きです(´∀`)
んー、それともちょっと違いますねー。
成る程(笑)自分もマジLOVE何とか歌ってもらって、アニメのPV見て爆笑しました←
アナ雪は壮大な姉妹喧嘩でしたねぇ。アナ雪見てない子に内容聞かれて、町中巻き込んで散々やらかした挙句、結局は自分達で勝手に自己解決しちゃった話って言っておきました←
変な人ですよー。高校生の時なんて、チャーリーとチョコレート工場で出てきた変な小さいオッさん達のオーガスタス(?)のダンス覚えて来て友達の前で踊ってましたからね。←
えー、自分なんてマダマダです。
ぬいぐるみが増えすぎて、鬱陶しいと。そのため大分減らされました。また増えて来てるけど←
それが一番です。お金飛ばないもん。
いや、それが、全く寂しくないんで不思議ですよね(笑)
そうです、人見知りで蜂蜜入りホットミルク好きのとってもプリチーな子が今の坊ちゃんです。もう坊ちゃん可愛すぎて捻り潰したい。
酷いwもう活躍ってもんじゃないですよー。なんか薬やっちゃったんじゃないかってくらいの変貌ぶりで、ネットの方々にはヤクザと呼ばれています←そして先週は素っ裸をお披露目してくれました。幼少期の回想でですが。しかもご丁寧に正面から。まぁ何はともあれ、順調に悪の道に突き進んでいます←
えー、5歳は大きいですよー。
そうなんですかwでは生まれるべくして生まれた子たちなんですね←
可哀想なヴェント…誰かを取るならノワールでしょうか?一応、本来は幼女じゃないわけですし(笑)
215
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/13(月) 23:42:52
【飛行艇】
「とも…だち…?」
…になってくれないかと言ったのか、今?
その言葉を言ったことはあっても、誰かに言われたのは生まれて初めてだ。
顔を赤くして恥ずかしそうにしているリマの姿を見れば、途端アブセルの顔も熱を帯び赤くなる。
「い…良い、けど…。
でも…それって何か違くない?」
しかし、果たしてそれはお礼をしたと言えるのだろうか。
「あ…じゃあ、姉ちゃんさえ良ければだけど…、また屋敷に来てくれることって出来ないかな?あの…セィちゃん…さんも一緒に…」
眠ったままのリトをいつまでも此処に居させる訳にはいかないし、屋敷にはユニを置いてきている。
亡き旦那様に関しての話もあるし、やはり一度はあそこに帰らなければ。
「リトが目覚める間だけでも、二人が居てくれたらもしもの時も心強いし…。やっぱり改めてちゃんとお礼したいから…。
えっと…だから、その…」
言って、アブセルはぎくしゃくとした態度を見せる。
そして、おずおずと左手を差し出した。
「と…友達として…、これから、宜しくお願いします…」
216
:
アグル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/13(月) 23:43:39
【飛行艇】
暫くは此処に居ると言うメイヤに、アグルは「そっか」と短く言葉を返す。
弥都で別れを告げてから、そう間を置かない内での再会だ。
これも縁というやつなのだろうか。
「何にせよ、これからもしばしば顔を合わせることにはなりそうだな。
ま、その時は程々に宜しくってことで」
そう言い、再びいちご牛乳を口にしたその時だ。
「やっだぁ〜ッ!アタシの勘、冴え渡りすぎ〜」
突如、部屋の扉が開き見知らぬオネェが現れた。
それは直ぐ様こちらへと駆け寄ってくれば、細く長い腕をメイヤの首に絡め、耳元に息を吹きかける。
「アナタのその黒い髪と黒い瞳、神秘的でイイわぁ〜。そっちの眠たげな彼も目元の泣きボクロがセクスィ〜。
あぁん、もっ二人共か〜わ〜い〜い〜。まとめて食べちゃいたいくらいだわぁ」
217
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/15(水) 20:10:49
【飛行艇】
短い返事は、アグルらしいしと言えばらしいか。
そう深く言葉を交わした事は無いが、彼の様子は普段と変わらない。
「取り敢えず今夜の闘技大会はよろしく、だな。」
飲み物に口を付けるアグルへ、メイヤは手をヒラヒラと振った。
それと同時に、勢い良く扉が開く。
(何、だ!?)
開かれた扉は蝶番を軋ませ、現れるのは長身痩躯。
全く隙の無い動き、言うなれば獲物に迫る毒蛇の如き速度で迫るその人物は、正に毒蛇の牙……細く、長い腕をメイヤの首筋に絡めて囁いた。
そして、耳元に吹きかけられる吐息はメイヤの背筋に氷柱を突っ込む以上の威力を発揮。
「は……あ……ぁ、アンタ、誰、だ……?」
反射的に立ち上がり、無意識に刀の柄へ手を伸ばした状態のまま、凍りついたかの様に動かないメイヤは目を見開き、すぐ側の緋色の瞳を凝視した。
218
:
ジュノス
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/16(木) 00:51:19
【飛行艇】
これからどうするか…。そうフィアに問われたジュノスは、束の間考える仕草を取る。
取り合えず第一の目的であるセナとの合流を果たした今。次いで行動に当てるとすれば、ノワールの子の捜索を行うのが順当なところだろう。
しかし、ここでセナ達と別行動を取るのは返って不自然だ。セナに子の存在を訝られる可能性がある。
そして勿論のこと、それに併行してノワールが妙なことをしない様に監視をする必要もある。
…何にせよ、セナとノワールの意見ありきといったところか。
「…ちょっと待った」
と、その時。不意にこの場面では意外な人物、シャムが口を開いた。
「もし姫ちゃんが許可するようなら、あのクソガキをそっちに随伴させて良いか?
なに、あれはラディックや配下の奴らがいなけりゃ何も出来ないような腰抜けだ。流石に今になって変なことはしないだろ」
要するに往年の裏切り者、ルドラをノワールのお供にさせたいと言うこと。
ノワールがどう動くにしろ、やはり彼女一人を人間達の中に残すのはどうも不安なのだ。
「下僕としてこき使うもよし、もしもの際のスケープゴートにするもよし。
いつもは隠れてるかもしんねーが呼べば出てくるだろうよ」
ルドラはノワールに好意を抱いている。彼女が敵に襲われた時は身を挺してでも彼女を守ろうとするだろう。
219
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/16(木) 00:52:13
【過去】
リトの表情が僅かに変化したのをアブセルは見た。
そして、どういう訳だかその時。アブセルは不覚にも胸の高鳴りを感じてしまったのだった。
(…なっ…なんだよ…今のドキッて…、ドキッてぇ…ッ!)
別に見蕩れてしまったとか、そんなんじゃ全然ない。
しかし時折、彼が本当に男なのかどうか疑いたくなる。
「ほ…ほらっ、行くぞ!」
何だか決まりが悪い。アブセルは照れ隠しにわざと強い口調で言い、リトの手を引く。
そして街までの道を下って行った――…
――リトを街まで連れて行き、適当なところで彼をその場に置いてけぼりにして、一人で屋敷に帰る。そして屋敷の者にリトが勝手に外に出てしまったと伝える。
その結果、リトは責められ叱られる。…というのが今回の作戦。
旦那さまに叱られれば、あのリトだって泣いてしまうに違いない。
内心しめしめとほくそ笑むアブセルだったが、街に着けばその顔に得意げな笑みを見せ、リトの顔を覗き込んだ。
「どう、どう?街って賑やかだろ?人いっぱいだろ?お前の部屋にはないものばかりで面白いだろ?」
そして言う。
「どこか行きたいとこある?お願いするなら俺が案内してやってもいーよ」
220
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/16(木) 01:26:23
リマ》なるほど、勉強ですか。確かにカードゲームのカードの絵って綺麗ですもんね^^自分もゲームはやらないけど、たまにそう言う系の公式HPとかでチラチラ見てます
薄情ものめw
いや何もかも終わりだから良いんです←
自分は全然OK←
もう何も言わなくていいです(笑)
そうですよね、パスつければ良い話ですよね…でもめんどくてしてない(笑)
て…天然物…だよ!(;^ω^)←まぁ別に天然物じゃなくても気にはしませんが。サシコってその愛称が何か好きじゃないんですよね〜
違うのか…
あー確かにあのPVは爆笑ものですが…しかしそれと同時に見てると何か恥ずかしくなってくると言うか…居たたまれない気持ちになってきません?←
ん〜…まぁ大体あってる(笑)アナ雪はオラフとトナカイにありのままに萌える映画ですよね
あ、それは間違いなく変な人ですね←
まだまだですかwいっぱいあると邪魔くさい様な気もしますが…(笑)
ゲーセンの景品って冷静になると別にいらない、そして普通に買ったほうが安かったってなることが屡々…
まぁ…そんなものですよね(笑)
なぜ捻り潰すww
白龍wwだいぶ狂ってきてる様ですね〜。しかしやっと白龍が好きになれるかもしれない
そうですかね〜?じゃあナディアはどこぞの金持ちの御曹司とでも結婚するのかな?(笑)
自分的にマゼンダの方がお似合いな感じはしますが…てかマゼンダと上手くやれるのってヴェントくらいしかいない気がするw
221
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/10/17(金) 00:42:37
【久々?に絵投下ー
imepic.jp/20141017/020770
二人に質問なんだけど、絵描いて色塗る時ってどうしてる?
紙に描いてからパソに取り込み、色付け?
もしくはペンタブでそのまま描いてる?
タブレットで描くの楽そうかなーとか思ったんだけど、どうなんだろ?】
222
:
アグル他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/17(金) 21:53:19
【飛行艇】
「あらぁ、なあにぃ?もしかしてアタシのこと気になっちゃうカンジ?」
誰だと聞かれれば、DDはついその気になって艶っぽい声を出す。
「そうねぇ…、通りすがりの麗しき恋の狩人…と言ったところかしら。
あ、別に怪しい者じゃないのよ?そこのところ間違えちゃダメよぉ、可愛い坊や?」
そう言って、彼はメイヤの頬に唇を落とす。
それを側で見ていたアグルは、
「メイヤ…ご愁傷様。生きてたら夜また闘技大会で」
と、そそくさと逃げ。
その一方でサンディは、
「キ…キス…。男の人が…男の人に、キス…」
固まっていた。
【お、イケメンktkr!イラストはメイヤですかね?
あ、それ自分も気になってました
二人とも何のペイントソフト使ってるのかなぁ…とか
取り合えず自分は下書きから全行程ペンタブで描いてます
タブレットは機種によってはペンの動きがもっさりしてて描きにくい…とかあるみたいですね
液晶付きペンタブなんかはかなり描きやすい様ですよ。自分も欲しいです。しかし結構いいお値段です(^_^;)】
223
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/19(日) 03:41:07
【飛行艇】
アブセルの返事を聞き、リマの表情がパッと晴れた。
嬉しそうに差し出された手を握る。片手で事足りるのに両手で包み込むように握りながら、心が踊るかのごとく左右に揺らす。
「よろしくね!お友達!やったぁ」
が、すぐに自分の行動の異常さに気づき慌てて手を離した。やり過ぎたとばかりに照れ笑いを見せる。
「うん、リッちゃんの事は心配だからもともとナディアさんにお願いして目覚めるまで側にいさせてもらうことになってたの。お屋敷に戻るならリマたちもお邪魔させて貰うことになるかな。」
ヤツキ>>
【わぁい美絵キタ!色塗ろ色塗ろ!!
自分はアナログで絵描いて、PCで線画にして、最近はいちいち色の効果つけるの面倒臭くてiPadでテキトーに色塗ってる。
ペンタブなんて機械オンチな自分には使いこなせないから持ってない(笑)そしてシャーペンみたいなタッチペンは高いからタブレットに直描きも出来ないσ( ̄∇ ̄;)】
224
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/20(月) 22:46:46
【飛行艇】
全ッ然麗しく無い!
それどころか僅かな剃り残しであろう髭が肌に刺さって凄まじく痛い!
ほんの極々微かにだが感じる臭いも明らかに男のソレだ!
大体何者なんだ、麗しの恋の狩人って何さ!?
……と言う魂のツッコミは呻き声に変わり、メイヤは息を吐く。
助けを求めようともアグルはそそくさと撤退、サンディは凍りついたまま。
(あぁアグル、闘技大会で会えたら全力で、手加減無しでやらせてもらうからな……)
初対面からの不意打ちは意識が飛びそうになったものの、今なら何とか動けそうだ。
心の中でアグルを呪いながら、メイヤは身を捩る。
自称恋の狩人から離れなければ、恋どころか命すら刈り取られてしまうだろう、多分、いや、きっと。
明らかに不審者である謎の人物の腕から逃れたメイヤは、手の甲でキスをされたい頬をこすりながら再度問うた。
「で、ホントにアンタは一体誰なんだ?
船に居るって事は、誰かの知り合いなんだろうけど……吸血鬼の姫様の知り合いか?」
225
:
リト
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/20(月) 22:54:16
【過去】
アブセルに手を引かれながら、リトは彼の言葉には答えず辺りを見回していた。
反応は薄くても彼なりに何か感じているようだ。
そして、リトはふと足を止めた。
アブセルの手を離れ、そちらへ向かう。
「……」
猫だった。
リトは初めて見るフワフワな生き物を、不思議なものを見るような目で見つめている。彼にとっては縫いぐるみが動いているように見えるようだ。
”にゃー”
猫が鳴いた。
「…」
リトは手を伸ばし、猫の体を撫でた。
そしてそっと、躊躇いがちに口を開く。
「…にゃあ…」
226
:
ノワール
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/21(火) 13:34:56
【飛行艇】
「…勝手にせよ」
シャムの言葉にノワールは一瞬眉を潜めるも、拒否することはなかった。
今は娘の安否とリトに手一杯であり、行ってしまえばルドラの存在などどうでもいい。
「フィアの言う異質な気配とやらは気になるが、わらわはリトの側を離れることが出来ぬ。あの閻魔が妙な小細工をしよったからの。リトがおらんと本来の力を得られぬのじゃ。」
この分だと娘を探すより前にリトの目覚めを待つことになりそうだ。
ノワールはフィアとシャムに視線を向けた。
「何か分かった暁にはわらわにも知らせるのじゃ。良いな?」
227
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/10/21(火) 13:51:39
イスラ>>
よくあんなに豊富なポージングが描けるなと見る度に思っていますσ( ̄∇ ̄;)
えー、薄情なんかじゃありませんよー!←
それなんか虚しいww
良いんだww
じゃあそうします←
パス設定が面倒とか怠慢じゃないですかw
気にしないんですね(笑)愛称とかどうにもならんじゃないですかwwサシコは自分的に芸人枠なので嫌いではないのです。
なんか違いますね。取り敢えずなんか一般人が見ると「ん?」ってなん感じ。←
似合ってるから自分的には別にいいんですけどねー。
居た堪れなくwwたしかにwwでも彼らはアイドル←
あー、そうですね!自分もありのままに萌えました(笑)
断定されたww
自分、まだシエル好きを極められると思うんです!!←
たしかにwでもUFOキャッチャー自体好きなんですよね。家に一台あればお金も減らないんですが←
可愛すぎるからです。なりませんか?←
今月の黒執事ではシエルが幼女の頭に拳銃突き付けて「生きて今以上の苦しみを味わうか、今死んで楽になるか、どちらか選べ」とかかなりゲスやってましたがそれでも可愛さは際立ってましたよ!←
白龍はもう暴走してますねー。彼の心は救われるのか!てかかなりエグい能力身につけちゃってました〜。
何故今更w
ナディアって恋愛って感じしないんですよね、自宅で小姑やってそう(笑)
あー(笑)実際のところ、ヴェントは誰を想っているのか!取り敢えずノワールは妹的存在で、ノワールにとっても兄的存在ですねー。
てかDD見てふと、ヴェントのキャラ設定してる時に「男に好かれるタイプ」って考えたの思い出しました(笑)
228
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/10/21(火) 22:11:57
【二人ともありがとー!
電気屋街で絵描き専用ぽいタブレット見つけてさ、コレ使ってんのかなーとか思って。
ペンタブは性に合わなかったから、色塗りするならリマのやり方が良さげかなぁ?ワンチャン水彩色鉛筆に戻るまであるかも……
液晶ペンタブも気になるけど、お高いんでしょう?wwww
とりま俺はアナログで下絵描いて線入れの後線画っぽく出来るアプリで弄ってる感じやけん上手くいかねーわww】
229
:
フィア
◆.q9WieYUok
:2014/10/21(火) 22:29:13
【飛行艇】
ルドラをノワールに同行させたいと申し出たシャムと、それを了承したノワール。
二人共に合意するならば、それに意を唱える事も、理由も無い。
「わかったわ、ルドラは置いていくわ。
そっちも、何かあれば知らせるのよ?」
フィアもまた、ノワールの言葉に頷き、続いてジュノスへ声を掛けた。
「と言う訳で、私達は別行動を取るわ。
暫く会うことは無さそうだけど……ノワールをよろしくね?
それと……貴方と闇の王子の周囲の時空間がほんの僅かだけど歪んで来てる様にも見えるわ、気をつけて。」
そして、一言二言声を掛けた後、フィアはシャムと共に飛行艇の機関室を後にした。
230
:
DD
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/21(火) 23:25:42
【飛行艇】
逃げたアグルと腕の中から抜け出たメイヤ。
その両者に対し、DDは残念そうに肩を竦め、声を上げる。
「人間のオトコの子ってホント照れ屋よね〜。まっ、そこが可愛いんだけど」
安定のポジティブ思考。
そんなDDだからこそ、二度に渡るメイヤの問いにはウインクと投げキッスのサービス付きで答えてあげた。
「ご名答〜。吸血鬼のDDよぉ。よろしくねン」
かと思えば、今度はその視線は別の方へ。
直ぐ傍らの机の上。闘技大会についての日程が記載された書類の方へと向けられた。
「なになに?闘技大会なんてあるの?」
いかにもシャムが好きそうなイベントだ。DDは再びメイヤへと視線を戻す。
「もしかして貴方も出るのかしら?アタシ強いコって大好きよぉ。応援に行ってあげましょうか?」
231
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/21(火) 23:27:42
【飛行艇】
どうしよう。
そんなに喜ばれると、こっちまで嬉しくなる。
「じゃあ…屋敷に着いたらまたゆっくり話しよう?姉ちゃんのこともっと知りたいし」
友達たるもの、相手のことを知りたいと思うのは当然だ。
人生で二人目の友達、リマの出現にアブセルは内心ウキウキである。
取り合えず、屋敷からの迎えが来らまた声をかけると続けたところでアブセルは不意に思い出した。
「そう言えば、食事途中だった?ごめん、引き止めちゃったみたいで…。
てか、セィちゃんさんは?」
【過去】
リトが喋った。
思えば、彼の声を聞いたのはこれが初めてかもしれない。
…こいつはこんな声をしていたのか。
「…何だ、やっぱり喋れたんじゃん。
俺のことはいつもムシするくせに」
言って、アブセルは猫に近寄り、リトの隣にしゃがみ込む。
人に慣れているのか猫は逃げようともせず、リトの手に額をすり寄せている。
一方で不思議そうにしているのは彼の方だ。
「…そんなに珍しい?」
アブセルは小首を傾げた。
もしかして猫を知らないのだろうか。
「猫だよ、ね、こ。…言ってみ?」
232
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/23(木) 12:22:45
【飛行艇】
投げキッスとウインクのコンボをさり気なく、しかし全身全霊を込めてメイヤは避ける。
「いや、俺は出ない。
さっきの赤毛、アグルは出るみたいだけれど……」
そして、DDの問い掛けに嘘を交えて答えながら固まったままのサンディの手を引き、部屋からの脱出を試みる。
「闘技大会は夜からだけど、アンタの好きな強いコも出るだろうし、先に闘技場で目を付けとけば良いんじゃないか?」
彼女……ではなく彼が誰なのかと言う問い掛けは予想通りだったが、今の所メイヤ自身に関わる事は無いだろう。
ならば、本当にとって喰われる前にこの場を立ち去らたい所だ。
(ナディアとも話したかったけど、仕方ないな……)
233
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/23(木) 21:10:52
リマ》思います、衣装とかもセンス良いですし(*´д`*)
考え方によっては整形も化粧の一種かなと思って…
自分の心が汚れているのか、その愛称を初めて聞いたとき何かいやらしい響きに感じてしまいまして…←
芸人枠だからって理由もどうなんでしょう、アイドルなのに(笑)
人の迷惑にならない限り、服なんて自分の好きなものを着れば良いのですよ
まあねwでもあの黄色い歓声に何か笑ってしまうww
間違いなく変な人ですね!(二度目)
まだ上を目指すのですか!もう十分じゃないですかね?(笑)
確かにあれは面白いですけど…流石に家に置くのは…w
なりますん…いえ、なりません(笑)
幼女をいじめるとは不届きな…まぁシエルなら許そう←
マジか、それは楽しみ。今まで白龍は好きな要素が一つもなかったのですが、自分イカれたキャラを好きになる傾向があるので、もしかしたら彼も好きになれるかもしれない、と思ったしだいです
確かにナディアが人を好きになるところとか想像できない(笑)自宅で小姑やって飽きたら旅に出る的な?自由人だなww
ヴェントは一体誰を想っているんですか!?(笑)
男に好かれるタイプっても2種類あると思うんですが…、男から憧れられるって意味か、ホモォ…な意味か(笑)
ヤツキ》デジタルでストレスなく絵描こうと思うと何気に金かかりますよね;
むしろ間を取ってコピックとか使ってみるのはいかがでしょう?
234
:
DD
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/24(金) 21:21:55
【飛行艇】
「あら、ザンネン」
出場しない。とのメイヤの応えにDDは言葉通りの素振りを見せる。
…と、そこへ。部屋の扉が開き、新たな人影が二つ現れた。
「っんだァ…?おいっ、邪魔だコラァッ!」
出入り口の手前、退出しようとするメイヤとサンディにぶつかりそうになり、シャムは大きな声を上げる。
どうやら二つの人影の正体はノワールとの話を終えたフィアとシャムだったらしい。
「見て見てぇ、こんなのやってるみたい。シャムこう言うの好きでしょぉ?」
そんな彼らに駆け寄り、DDは先程の闘技大会の資料を見せる。
「ねぇ、フィア?アタシ達の旅ってそんなに急ぐものかしら?
時間に余裕があるならちょっとだけ見ていかない?楽しそうだし」
【闘技大会ですが…、イスラの代わりにシャムを出場させて良いでしょうか?;】
235
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/10/26(日) 19:26:44
【飛行艇】
まるでタイミングを計ったかの様に、食堂の出入り口から現れた新たな二人組。
眼帯の男の怒声に、メイヤは眉を寄せて彼を睨むもそれも一瞬。
後に続く銀髪の女の横をすり抜け、メイヤは早足に食堂を後にする。
会話からして先程の二人組もどうやら吸血鬼の様だ。
だが、今は特に構う事も無いだろう。
「サンディ、取り敢えず街へ向かおう。」
ーーーーー
喧嘩っ早いのは何時もの事だが、シャムの怒声には驚かされる。
「ちょっとシャム、ぶつかりそうになったアンタが悪いのに大声上げるのはねぇ?」
足早に食堂から出て行って青年と少女を見送った後、フィアはボソリと小言を漏らす。
しかしそれ以上は続ける事もなく、DDが示した書類に目を通し、彼の言葉に答えた。
「……そうね、急がば回れでは無いけれど、今はそう急がなくても良いわ。
闘技大会、見に行きましょう。
ついでに、昔の知り合いの顔も見たいしね。」
【イスラoutシャムinで大丈夫ですよー。
そうそう、初期費用が割とバカに出来ない額に……うーん、コピックは肌に合わなかって。重ね塗りがイマイチわかりにくくて…】
236
:
サンディ他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/10/30(木) 21:09:35
【飛行艇】
「うっせ、人間なんかにナメられてたまるかよ」
呆れた風に小言を漏らすフィアに対しシャムは、
"俺様の進路に立った方が悪い"…と言わんばかりに言葉を吐き捨てる。
そしてその一方でDDは、
「昔の知り合い…?なになに?昔の男?
ちょっと〜、なによその話。詳しく聞かせなさいよぉ」
何故か、昔の知り合い=男、と捉え。その先の下世話な話を期待して、ニヤニヤとフィアの頬を指先で突っつくのだった。
―――…
「…あぁ、びっくりした」
食堂を抜け、艇内の通路を足早に行く二人。
先程の見知らぬ三人組の登場には驚いたが、サンディは胸を撫で下ろし一息つくと、メイヤの声に頷いた。
と、そんな時。
「あ、姉御だ」
とある部屋から出てきたナディアの姿を前方に見かけた。…あの部屋は確かナディアの弟の少年の為に割り当てられた部屋だったと思う。
「姉御〜!メイヤだよ〜、久しぶりにメイヤが遊びに来たよ〜」
サンディは手を振りながらそう声を上げ、彼女を呼び止めた。
【ヤツキ》じゃあ何か理由をつけてイスラのピンチヒッタ―的な感じでシャムを乱入させようと思います^^
ヤツキさん色々挑戦してますね(笑)そしてやっぱり重ね塗り難しいのか〜;
話を振っときながら自分はコピックに触れたことすらないっていう←】
237
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/02(日) 11:12:52
【飛行艇】
「ううん、大丈夫」
アブセルの言葉にリマは首を振り、続く疑問に困ったような笑みを浮かべた。
「セィちゃん、多分お部屋に戻ってるんだと思うんだけど…時々リマが知らないうちにいなくなっちゃうんだ」
子供の頃は何でも教えてくれたのに、今の彼には隠し事が増えたように思う。
自分を心配させまいとしていることは分かるのだが…
離れていた分、一緒にいたいのに。
「寂しいなぁ…」
思わず口に出してしまい、リマはハッとして口を塞ぐ。
そして取り繕うように苦笑いを浮かべれば、アブセルに話を振った。
「リマ、セィちゃんのお部屋に行ってくるね。アブくんはどうする?
あ、服汚しちゃったから先に着替えに行った方がいいかな…?」
-------
【過去】
ねこ?
初めて聞く言葉だ。
アブセルの発言に不思議そうな表情を浮かべると、リトは目の前の動物に目を向ける。
これが猫と言うのか。
「…ね…こ…」
とてもふわふわで、温かい。
238
:
フィア/メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/11/03(月) 21:09:26
【飛行艇】
「あながち間違えでは無いわ、でも、二人共会った事が有ると思うけれど?」
頬をつつくDDとその隣で悪態をつくシャム。
彼らに紅の瞳を向けながら、フィアは過去を懐かしむかの様な口調で続ける。
「元、澪の派閥の参謀長。
第二世代の吸血鬼……彼がこの街に居るわ。」
……第二世代の吸血鬼。
それは、三人の長老直系の吸血鬼であり、実子とも、半身とも呼べる存在である。
長老の直系である為、その能力は長老に匹敵する程。
「気配を辿るに、街中に居るみたいだから行きましょう。」
ーーーーー
艦内を歩く二人の進行方向に現れた人影、長身の女性の姿にメイヤは足を止めた。
しかし、決して初見の人物では無い。
(ナディアか、街に出る前に会えて良かったな。)
金髪の美しい女性、ナディアに歩み寄りメイヤは声を掛けた。
「久し振りだな、ナディア。
……弟の具合はどうなんだ?」
239
:
ナディア
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/04(火) 13:54:04
【飛行艇】
ちょうど部屋を出たところで聞き覚えのある声に呼び止められる。
「サ ンディ、どうしたの?」
何か用があるのかも思ったが、そうでもないようだ。
メイヤだよ!などと言われても、見れば分かる。
メイヤの存在が余程嬉しいのか、弾んだ声の彼女にナディアは苦笑いを浮かべた。
「んー、分かんない。変わらず、って感じ。」
挨拶もそこそこに、リトの具合を尋ねるメイヤにナディアは肩を竦めて見せた。
「意識がいつ戻るのか、そもそも戻るのか?神のみぞ知るってね。聞いたところ、リトをあんな風にしたのは閻魔?とか言うもんだから、神以上に質悪いけど。今頃裁判でもされてるんじゃない?」
しかし、どのような状況でも冗談を交えることが出来るのはナディアの良いところだ。彼女は物事を悲観的に見ない。
「ご先祖様が同じ時代にいちゃうくらいなんだから、何が起きてもおかしくないよね。閻魔とか胡散臭い存在、本当にいたんだな。今リトを起こしてくれないってことは、まだその時期じゃないのかも。」
240
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/05(水) 22:12:09
【飛行艇】
分かる。分かるともその気持ち。
自分だってリトに何か隠し事をされたり、のけ者にされる様な態度を取られるとたまらなく寂しい。
心の中でうんうんと頷くアブセルだったが、リマから問いをかけられると意識をそちらへと戻し口を開いた。
「セィちゃんさんにも一言お礼が言いたかったんだけどさ。一緒に屋敷に来てくれるんならどうせ直ぐまた会えるし。
挨拶はその時にでもゆっくりすることにするよ」
取り合えず今は先に身支度と帰省の準備を済ませときたい。
そう言ってアブセルは一旦リマに別れを告げると、机の上のトレイからジャムパンを一つ取り上げその場を後にする。
そして、そこでふと気がついた。
そう言えば…リマとセナ。あの二人は付き合っているのだろうか。
リト達の先祖だという時点で、二人がただならぬ仲であるという事実は確定している。
だとすれば先程は、リマに恋のなんたるかについて詳しく聞けるチャンスだったのかもしれない。
…まあ、それもまた今度でいいか。
話す機会はまだ幾らでもあるのだから。
【過去】
「そ、よくできました」
リトが言葉を返してくれてアブセルは何となく嬉しくなる。
自然と顔に笑みが浮かぶが、ふとそんな自分に気がついて、アブセルは気まずそうに顔を背けた。
そして、そうして顔を向けた先。偶然にも移動式のクレープ屋さんの露店が目に付いた。
先程から何かいい匂いがすると思ったらあれだったか。
「…なあ、お腹すかない?
前に一度だけジイちゃんに買ってもらって食べたことがあるんだけど、あそこのクレープ美味しいんだ。
せっかく街に来たんだしさ、食べてこうよ」
言ってアブセルはリトを連れてクレープ屋さんの前まで行く。
そこでフルーツとクリームの沢山のった甘いやつを二つ頼んだところで、アブセルはリトに目を向けた。
「お前…お金持ってる?」
241
:
シャム
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/05(水) 22:12:53
【飛行艇】
「澪の参謀長…?」
誰だ、とシャムは疑問符を浮かべる。
己の派閥の面子さえ把握していないのに、他人の派閥…しかも第二世代の者の顔なんて覚えている訳が無い。
「あら、アタシは覚えてるわよ。
割と好みのタイプだったものぉ」
それとは対照的に、フィアの言う人物を特定したDDはどこか嬉しそうに口を開く。
…しかしである。何故その参謀長がこの様な処に居るのだろう。
続くフィアの言葉、彼の元に行くという申し出には特に断る理由もないため、二人は頷いた。
242
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/11/06(木) 18:22:13
【飛行艇】
ナディアの答えよると、彼女の弟は未だ意識を取り戻さないらしい。
だが、それを悲観的に捉えないのが彼女の強さだろう。
「地獄の閻魔か、案外仲良くなって戻って来るかもな?
それまで時間が掛かるから、まだ目覚めないのかも知れないし。」
ナディアの口調に合わせ、メイヤは軽目の答えを、しかし彼女の気を害さない程度の答えを返す。
そして、バロンやレックスの動向と、復興祭と闘技大会の旨を伝えた上で、再び問うた。
「ナディア達はこれからどうするんだ?」
243
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/07(金) 13:06:03
うぉーっ かなりの亀レスになってて申し訳ないです!
本当は現在のジルの心情とか、リトが目覚める為のある人との絡みとか、同時進行したいサブストーリー温めてるのに全く書けずにいる!!
ヤツキ>>
つい先日、PCがおかしくなって初期化しなきゃいけなくなりーの、使ってたお絵かきソフト消えーの、またダウンロードしなきゃいけないけど一番重要な透過フィルタ何処でダウンロードしたか覚えてなくて軽くピンチーの、解凍ソフトもダウンロードしなきゃいけないから面倒くさいーので、最悪。iPadで良い感じの透過アプリあれば良いのに。
イスラ>>
本当、衣装のデザイン性憧れますよね。よく思いつくなぁと。自分、まったく才能なしなので羨ましくて羨ましくて…> <
言われて見れば確かに…最近の女子は化粧で目が二倍になるし、変わりゃしませんね!←
え、何故ww
アイドルはアイドルでもアイドルぶってる奴ってなんか好きになれないんですよねー。なので芸人枠は褒め言葉です(笑)
正論…!でも街中で見かける甘ロリってるオバハンって実害はありませんが気持ち的になんか嫌だな←
何ででしょうね?不思議だ(笑)
そう言えば自分、乙女ゲームはやりませんがワンドオブフォーチュン?とか言うゲームのエストという子に一時期はまってました。恋愛感情ではないのでプレイはせず、友人のデータでフォト漁ってるだけでしたが。容姿がシエルにそっくりなのです。
そこまで言われるとなんか否定したくなってきました←
シエル好きの頂点に立ちたい←
しかし私にはそんな資格はない…今やってる映画を一人で観に行く勇気が持てず未だに観れていない大バカ野郎ですもの(グスン
まぁ邪魔ですけどね(笑)
自分の心に素直になりましょうよ←
シエルは何しても赦されるのです、可愛いから!←
てかこの幼女、シエルよりも年下だからか、一緒にいるとシエルが男の子として映えるんです。だからシエルのお嫁さんにしたい。←
因みに今の白龍こんな感じです
imepic.jp/20141107/463780
ナディアは死ぬまで自由に生きるんだろうな(笑)
一応いるんですけどねー。多分。
ホモォ…ww残念ながらこっちの方ですね(笑)
ヴェントは変なのに好かれやすいのです、きっと。←
PC死ぬ前に作った線画の色塗ったので貼り逃げ。
フェミルのつもりだったけどなんか違う…
まぁ折角なので。
imepic.jp/20141107/470030
244
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/11/09(日) 19:25:52
【イスラ》後、コピックも案外初期費用高かったりwwww
久々に水彩色鉛筆触ったけど、アナログの方が肌に合う気がしてヤヴァイww
リマ》弱り目に祟り目過ぎる……
リマの絵は絵柄的に色鉛筆とかでふんわり塗ってみるのも良いかも!
添付は三年振り位に水彩色鉛筆使った絵。
imepic.jp/20141109/694630
245
:
ナディア
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/10(月) 15:06:21
【飛行艇】
「有り得る」
メイヤの返しにナディアは笑う。
うちの弟は愛想もくそもないから、相手と親しくなるためには相当時間がかかるだろう。
そう考えると待つのも仕方が無いなどと思える。
そして、続くメイヤの話をひとしきり聞いたあと、ナディアは唸る。
「これからどうするかって?んー…取り敢えず一度邸に帰るしかないかな。リトもあんなだし、親父のことも片付けなきゃだし…」
言ったところでナディアの視線は別の方へ。
メイヤやサンディよりも遠く、此方に向かってくる人影を捉える。
「セナ、何処行くの?」
人影はセナだった。
セナはナディアの問いに応えることなく、一同を横切り部屋の中へ入って行った。
あの部屋はリトの部屋だ。
「リトのお見舞いか…?珍しい」
会ってそれほど経ってはいないが、取り敢えずセナが他人に興味を持つ性格でないことは分かった。
そんな彼がリトに何の用があるのだろう。
ナディアは独り言のようにメイヤ達へ言った。
「ビックリだよね、うちの弟とあの子、似てるどころじゃないよ。同んなじ顔。リマって子は私と全然似てないのにさ。」
ヤツキ>>
【取り敢えず今はちょっと忙しいから来週以降暇になったらペイントソフトダウンロードし直そうと思ってる〜
iTunesもダウンロードし直さなきゃなんだけど、あれダウンロードすると色んなスパムファイルがもれなく付いてくるから削除するの面倒なんだよね…
ワタシカゲツケルノニガテダカラアナログムリナノヨー
PCだと誤魔化せる(笑)
水彩色鉛筆良いなーめっちゃ憧れるー!】
246
:
リト
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/10(月) 15:07:14
【過去】
お金?
屋敷から出たことのないリトがそんなものを持っているわけもなく、そもそも金とは何なのかと言った具合に、リトはアブセルの言葉を理解出来ていない様子で彼の顔を見た。
「……」
そう言えば、以前姉のナディアが何か言っていた。
”いいか、リト。ここにいれば警備的にまず有り得ないとは思うけど、もし変な人に連れて行かれた時はそいつに金目の物を渡せば助かる。自分の身は自分で守らなきゃね。金は惜しいけど仕方ない。”
リトは自分の身の回りを探る。
金目の物、たしか光る物だとナディアは言っていた。
光る物…見つけた。
リトは腕に付けていた金のブレスレットを外し、アブセルに渡す。
247
:
アブセル
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/10(月) 22:48:15
【過去】
「……は?」
お金を持っているかと尋ねたら、金のブレスレットを差し出された。
初めアブセルはその意図が分からずにポカンとリトを見るが、直ぐにハッと顔色を変えた。
そう、彼は知っていたのだ。
それが母や街の女たちが身につけているちんけなアクセサリーとは違う、本物の、価値のあるものだということを。
もちろん、どれほどの価値があって幾ら位の値がつくかなど正確なことは分からないが、とかくクレープ二つ分の料金よりも遥かに高価なものであることは明らかだろう。
不意に視線を感じ目を動かすと、クレープ屋の店員の怪訝な顔と出会った。
アブセルは急いで自分のポケットを探りなけなしのお小遣いを支払えば、クレープを両手に、リトを押してそそくさとその場を離れた。
そして…
「ばッッッかじゃねーの!?
こういうものを他人にホイホイ渡すんじゃねーよ!」
噴水広場まで来たところで、アブセルは足を止めリトに向けて声を張った。
しかし案の定と言うか…リトの顔を見るに彼は言葉の意味を理解していない様である。
何だか怒るのも馬鹿らしくなり、大きな溜め息と共に肩を落とす。
…猫もお金も知らないなんて世間知らずにも程がある。どこのお坊ちゃんもこういうものなのだろうか。
(なんかコイツを一人にするの心配になってきた…)
ともかく、とアブセルは先程のブレスレットをクレープと一緒にリトに返す。
そして自分は広場のベンチに腰掛け、リトに隣に座るよう促した。
「…今日は特別だからな。奢ってやる。
ありがたく食べろよ」
248
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/10(月) 22:49:11
リマ》大丈夫ですよ〜、ゆっくりで良いのでサブイベやってください!楽しみにしてるので!^^
本当羨ましい限りです…(>_<)
でしょう?化粧の魔力怖い(笑)
気にしないで下さいw
うーん、なるほど(笑)
分かります、何か微妙な気持ちになると言うか…(笑)それと三十路のボクっ娘って全然萌えませんね(経験談)←
それ結局のところシエルが好きなだけじゃ…いえ何でもないです(笑)
否定してももう遅いです。自分の中でリマさんは変な人でドジっ子で確定済みですから←
おぉ…すごい、けど…何か無駄にしか感じないその向上心(笑)
そんな…w友達でも無理やり誘って行けばいいじゃないですか(笑)
昔UFOキャッチャーの中に入って縫いぐるみ埋もれて寝たいと思ったことならあります←
可愛いは正義ですもんねw
その幼女って最新巻の表紙のあの女の子ですか?てかシエルって既に許嫁いるんじゃなかったっけ?w
え、どちら様?ww人格が180度変わってるんですが(笑)ん〜…これはちょっと好きになれないかなぁw何か腹立つww
ナディアらしいw
そうなんですか?今いるキャラの中ではない?
あ、そっちでしたか…(笑)まぁそんな感じはしますw
あの、この子どこでなら売ってます?家に持って帰りたいんですけど←
いやはやありがとうございます!目の保養になりました〜^^フェミルの誕生日がバレンタインならジルの誕生日はホワイトデーですね(予想)
ヤツキ》お、セクシーなお姉さん素晴らしい!誰か気なるけど…(笑)
もういっそアナログを極めちゃいましょうよ(笑)
でもヤツキさん以前デジタルで色塗ってましたよね?あれ止めちゃったんですか?
249
:
メイヤ/フィア
◆.q9WieYUok
:2014/11/11(火) 22:55:17
【飛行艇】
「生まれ変わりか、意図的に似せたのかもな。
イタズラな輪廻転生の神サンがさ。」
ナディアの声にも、自分達三人の誰にも反応せずに通り過ぎて行くセナ。
その姿が部屋に消えて行くのを見送りながら、メイヤは自身の内で蠢く闇を抑え付ける。
この世で最も上質で、高純度で、しかし混沌とした闇を孕む王子。
それを喰らえば悪神は……
「……そうか、わかった。
四神の護衛は終わったけれど、俺は暫く此処に留まると思う。
暫しの別れか今生の別れかどちらになるか分からないけど、気をつけてな。」
どうやらナディア達は一旦実家の方へ戻るらしい。
彼女達と会うのが最後になるかは分からないが、メイヤはアッサリとだが別れの言葉を口にした。
アグルもそうだが、四神達とは長い付き合いになりそうな気がする。
だから、別れの言葉はこれ位で良いだろう。
じゃあ、と短く会釈をした後、メイヤはサンディの手を引き歩き出した。
ーーーーー
確かに、他の派閥の面子を把握しているかと言われれば、フィア自身もそうでは無い。
それに、彼が参謀長をやって居たのは大分昔の話だった。
「まぁ、そこまで表立って動いてはいなかったし、覚えてなくてもおかしくは無いわ。」
全く逆の反応を見せるシャムとDDを見ながら、フィアは件の人物の事を思い出す。
しかしそれも僅かの事、了承を得たフィアは空間を跳躍。
飛行艇を、騒がしい街中を抜け、目的地へと向かった。
ーーーーー
第801空挺師団が有する飛行艇の基本型は、航海用の帆船に可動式の両翼と、特殊な鉱石を核としたエンジンを積んだ物である。
四神達に与えられた飛行艇が停泊する港とはまた別の、世界政府軍専用の巨港にその船、イオリ率いる者達の軍艦はあった。
漆黒の巨体と、禍々しくも艶やかな色合いを見せる紅と金の差し色。
船体から伸びる両翼には鳳凰を模した装飾が取り付けられ、メインマストに浮かび上がるは絡み合う大蛇と迦楼羅の姿。
「暴の派閥の頭が足りない頭と、長老屈指の色物サンを引き連れて何か用ですか?」
波に揺れる甲板の上、並ぶ三人の長老に決して気圧される事も無く、寧ろ煽りながらその男、クロッソは口を開く。
ーークロッソ・シーダ
澪の派閥の参謀長であり、第二世代、フィア直系の吸血鬼。
とある事件の後、派閥を破門されたクロッソは今、七つの大罪を名乗る傭兵団の一員として、イオリの下に就いていた。
「貴女自身の手で破門した私に今更用があるとは思えませんがねぇ?」
銀髪紅瞳、フィアに似通った面持ちでありながらも、口の端に人を見下した様な笑みを浮かべるクロッソ。
その問いに答えながら、フィアはクロッソの後方、樽に腰掛ける男二人を一瞥した。
「特に用も無く、近くに来たから会いに来ただけ。
……と、答えたかったけれどそうもいかなくなったわ。」
クロッソの後方、二人の男は物珍しそうにフィア達を見つめている。
そして、その二人はゆっくりと、しかし確実に此方へと歩み寄って来るも、それを無視しフィアは問うた。
「レオの仇である、あの男の下に貴方が居るなら、色々と聞きたい話が出来たわ。
オリジンが纏っていたとされる魔装、それと同質の物を何故、あの男が所持しているのか。
そして、貴方も感じている筈の異質な気配の正体を。」
250
:
ジュノス他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/14(金) 22:19:36
【飛行艇】
フィアの言う時空間の歪みとは、やはり過去からの時間移動というこの世界の概念を狂わせたことによるものの影響だろうか。
しかし気をつけろと言われても対処のしようがある様にも思えない。
何にせよ、この時代にいられる時間ももうあまり残されてはいないのかもしれない。
フィアやノワールと別れ一人甲板に出たジュノスは、外の風に当たりながら思案気に目を細める。
…と、そこへ。
「…もし、そこの方…」
不意に何者かに声を掛けられた。
見ればすぐ側の埠頭に礼服を装った老爺が立っていた。
―――…
ナディアにも色々とやるべきことがある様だ。
何か力になれればとは思うのだが…、彼女の抱える家の問題に自分ごときが役に立てるとは到底思えない。また、ナディア自身もそれを望んではいない筈だ。
「姉御、また逢えるよね?それまで元気でね!」
メイヤに手を引かれながら、サンディもまた手を振りナディアに別れを告げる。
彼女は強い。きっと直ぐに問題事を解決して、再びまた自分たちの前に顔を見せに来てくれることだろう。
そうして二人が立ち去ったちょうどその時、入れ違うようにして今度はジュノスがやってきた。
どうやらナディアを探していたらしい。
「ナディアさん…。外にお迎えの方々がお越しになっているのですが…」
どうするんだ…とでも尋ねる体でジュノスは言う。
先程の老爺はナディア達の屋敷に遣える者であり、またアブセルの祖父だと名乗った。
恐らくアブセルが事前に連絡を入れていたのだろう。
251
:
シャム他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/14(金) 22:20:17
【バルクウェイ】
長老三人を前にしても全く物怖じせず、事もなげな態度のクロッソと、それに相対するフィア。
そんな二人の傍ら、シャムは眉を潜め隣のDDに小さく疑問を投げる。
「おい…、今俺バカにされなかったか?」
「馬鹿ね、聞くまでもなくされてたわよ」
それを聞くや、「なに」と彼の顔が一層険しくなる。
一歩前に出たかと思えば、そこらのチンピラよろしく肩をいからせ、クロッソに向けて威圧的な眼光を飛ばした。
「おぅコラ、このすかし野郎っ、何でもいいから知ってること全部吐きやがれ!!」
252
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/11/15(土) 15:25:02
【リマ》ソノキモチワカルワー!影付けとか解らんから、デジタルで塗った方が綺麗に見えるのはあるよなww
イスラ》モデルは好きなゲームのキャラですな、前チラッと言ってたアケゲーの……
デジタルのはパソ死んだ臭いのと、レイヤーが全然理解出来ない+ソフト無いから断念ww
あれからちょろちょろっと描いたりしてるけど、アナログのが落ち着きそうだww
253
:
ヤツキ
◆.q9WieYUok
:2014/11/15(土) 15:27:50
【添付忘れたww取り敢えず塗ってみたイオリン、派手っつーかチャラいimepic.jp/20141115/550200
254
:
イスラ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/18(火) 23:02:39
ヤツキ》あぁ、lovですね。
なんとwデジタルの要のパソが死んだらもうどうしようもない(笑)
レイヤーは一度覚えちゃえば結構単純ですけどね^^
おぉう、安定の格好良さ!!やっぱいおりん好きだわー^^
255
:
メイヤ/フィア
◆.q9WieYUok
:2014/11/19(水) 00:30:33
【バルクウェイ】
以前よりも確実に人が増した街中を、メイヤはサンディの手を引き、歩く。
手を握り続ける理由も無いが、別段放す理由も無かった。
遅目の昼食を屋台の汁蕎麦で済ませ、賑わう露天を観て回る。
復興祭と言うだけあって、かなりの賑わい様だ。
時折、軍服を着込んだ者達の姿も見受けられるが、空挺師団の団員だろう。
「凄いな、街全体が活気づいてると言うか……暑い。」
一通り露天を回った後、比較的人気の少ない公園で休憩を取りながら、メイヤは口を開く。
つい一週間前、街は崩壊の危機に瀕していたのがまるで嘘だったかの様に、バルクウェイは騒がしい。
もとより世界政府のお膝元であった為に人口は多かった筈だが、小国家並みの人員を有する空挺師団を併せる事により、人口密度は元の倍以上となっていた。
「ここまで人が多いと、逆に動き辛いな。
あぁサンディ、アイスクリームが溶けて来てるぞ、服に零れないよう気をつけないと。」
ーーーーー
「威圧的に声を掛けるなんて、まるでチンピラですね。
あぁでも、暴の派閥のトップなのだから間違っては無いのでしょうか。」
煽れば面白い位に反応するシャムの様子に、クロッソは笑みを浮かべる。
どうやら彼は思った以上に単純らしい。
「人に物を乞う時は、それ相応の態度を取るべきだと思いますよ?
例えばそうですね、ドゲザにセップクとかはどうですか?」
肩を怒らせ声を上げるシャムをクロッソは更に煽るも、それ以上は続けない、否、続かなかった。
「貴方、あれから余計に性格が悪くなった様ね。」
何故なら、一連のやり取りの間無言だったフィアが、氷のナイフをクロッソへと投擲したからだ。
「……逆に貴女は人間臭くなりましたね、それはそれで面白いですが。」
眉間を狙って放たれた氷刃を二本の指で受け取り、クロッソは紅の瞳を細める。
「まぁ、現存する吸血鬼達にとっては神にも等しい長老方のお頼みですし、お答えしましょうか。
……ただし、条件付きで。」
そして、どこからともなく取り出した書類を眺めながら、続けた。
「今晩開かれる闘技大会、それに出場し、見事優勝出来たのなら、知りうる事全てを話しましょう。
既に参加者は決まっている様ですが、乱入でもして適当に入れ替わって下さい。
こう言うのは暴力が取り柄の長老サンに向いてると思いますし、簡単だと思いますよ?」
256
:
アリア
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/20(木) 10:56:29
【バルクウェイ】
「見事なものですね…。一週間でもうこんなに街が修繕されて…」
かつて深淵が開いたその広場にアリアはいた。
車椅子に腰掛け、そこから見える街の景色を眺め感嘆のため息をつく。
そしてそんな彼女の後ろにもう一人。
いつもとは対照的の白いワンピースを身に纏い、流した黒髪を風になびかせる少女…ゼツが車椅子を引きながら気遣わし気に口を開く。
「アリア…そろそろ行こう?風が身体に障るよ」
あの日、アリアはディンゴの治癒によって一命を取り止めた。
しかし彼の異能では損傷した部位を完全に癒すまでには至らなかったらしい。
アリアはもう二度と自分の足で立ち上がることも、子供を産むことさえも出来ぬ身体になってしまったのだった。
だが、これも今まで多くの者を殺めてきた罰だと、彼女はそれを甘んじて受け入れた。
アリアは柔らかい声でゼツに言葉を返す。
「そんなに心配しなくても大丈夫よ。
これでこの街も見納めかもしれないから、もう少しだけ…」
故郷よりも長い年月を此処で過ごしてきた。第二の故郷とも呼べるその街の風景を目に焼き付ける。
そうして満足したのか、暫くしてからアリアはつと視線を動かし言った。
「貴方にも…色々と難儀をかけましたね」
視線の先にはヴァイトの姿がある。アリアは続け口を開く。
「先程も言いましたが、私たちはバルクウェイを離れ様と思います。暫くはどこか静かな所で療養できればと思って…
貴方はどうするのですか?」
先の戦いで命を落とした同胞達の弔いも済んだ。
一件に関わっていた上層部の者達もどう言う訳だか皆一様に絶命し、指令を下す者もいなくなった。
本来ならば責任を問われる立場なのだろうが、空挺師団の団長と名乗る男は政府の汚職を公にするどころか、アリア達を拘束することもなかった。
今後どう生きていくかは自分で考えて決めろと言うことらしい。
257
:
サンディ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/20(木) 10:57:12
【バルクウェイ】
…どうして手を繋いでいるんだっけか。
何となく照れくさい様な気もするが、離すタイミングを完璧に見失ってしまったと言うか何と言うか。
いや、別段嫌というワケではないのだ。
ただ、一緒に食事して、露店を見てまわって…これではまるでアレではないか。
そうアレ。恋人的な。そんなニュアンスの。
一度そんなことを考えてしまえば更に意識してしまい。一体周りからはどんな風に見られているのだろう、とか気にしてしまう。
と、その時。不意にメイヤの声が耳に入った。
「え…?わわ…!」
見れば、今にも氷菓の雫が垂れ落ちそうだ。
サンディは急いでアイスクリームにかぶりついた。
しかし、それにしても…。
「なんだかこんなにのんびり過ごすの久しぶりな気がするよ。ずっとこうだったら良いのにね」
人は多いが、賑やかなのが今は逆に心地がいい。今までの戦いづくの日々に比べれば断然平和に思える。
258
:
ヴァイト
◆.q9WieYUok
:2014/11/23(日) 00:06:17
【バルクウェイ】
「どうするか、って言われてもやる事ねーんだよなぁ」
緩やかな風が喧騒を引き連れ、吹き抜ける広場。
上司の初めてみる穏やかな表情とその後ろ、ワンピースを着た同僚。
以前の二人を知る者からすれば、色々
ツッコミを入れたくなるだろうその姿に驚いたのも少し前の事。
一週間振りの再会を果たしたヴァイトは、アリアの問いにのんびりとした口調で応えた。
「所属してた組織所か政府も消え、科学者達を率いてたあの胡散臭いジジイも行方知れず。
空挺師団?から入隊の誘いは来てっけど、断っちまったしな。」
バルクウェイでの戦いから一週間。
崩壊した街と政府を空挺師団が取り纏め、ヴァイトはその師団から入隊勧誘と共に色々な情報を聞いた。
戦いの行方も、組織の人間の処遇も、空挺師団が掲げる目標も。
「世界を救う戦いとか言われてもピンと来ねーし、俺のキャラでも無いし。
何より、折角助かった命を無駄遣いしちゃあ、オッサンにどやされるからな。
今までなかった平和で普通の生活ってヤツを楽しませて貰う事にするさ。」
だが、聞いた所でヴァイトは戦いに身を投じる気にはならなかった。
ゼツと戦い、彼女と差し違い、彼女を救った後。
確かに聞いたディンゴの声と、彼が繋いでくれたこの命。
ヴァイトは決めたのだ。
精一杯、この命にしがみついて生きてやると。
「……アンタらと一緒にな。
女二人じゃ色々不便だろ?力仕事位しか出来ねーけど、着いて行くさ。
ついでに言うと、ゼツには宇治金時をご馳走にならないといけねーからなぁ?」
そして、自分と同じくディンゴが救った2つの命を、守り続けるのだと。
「つー訳で、これからよろしくお頼み申し上げます、ってな。」
259
:
DD
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/23(日) 09:01:31
【バルクウェイ】
「あぁ?ザケんなッ、なんで俺らがンな訳分かんねーことしなきゃなんねーんだよッ!」
クロッソの提示した条件に、当然の如くシャムは異議を申し立てる。
力ずくで吐かせた方が手っ取り早いとばかりに、指の関節を鳴らしながら荒々しく彼へと近づいて行く。
が、しかし…。
「もういいでしょ?アタシ、ギスギスするのは嫌いよぉ」
その時、DDがシャムの肩を掴み彼を引き止めた。
そして、続けてクロッソへ目をやる。
「いいわ、そのお遊び付き合ってあげる。…もちろん、シャムがね。
その代わり、こっちも条件出していいかしら?」
かと思えばクロッソの後方に控える者達の存在にも構わず、DDは彼に近寄ると、背中からその首に両腕を絡ませ言った。
「もしシャムがその闘技大会に優勝した場合、アナタは知っていることの全てを話した上でアタシ達の露払い役として共に来ること…なんてどう?
…連れにイイ男がいないとテンション上がんないのよねぇ」
260
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/11/24(月) 21:25:12
【バルクウェイ】
「そうだな、少なくとも俺が四神の護衛に着いて以来じゃないか?
記憶の図書館と弥都でも少しは休めたけれど、結局は争い事が起きてしまったしな。」
氷菓に被りつくサンディの隣で、メイヤは彼女の声に応える。
確かにそうだ、自分が彼女に出会ってから今まで、戦いの日々が続いていた。
サンディ達がそうなる事を見越して、イオリは自分を派遣したのだろうが……
「多分きっと、黄龍とやらを倒すまでサンディや猫男爵の戦いは続くんだろう。
だけど、偶にはこんな穏やかな日があっても良いと思う。
それに、サンディ達四神が世界の命運を全て背負う事も無いさ。」
打倒黄龍を掲げる空挺師団、その勢力は小国家並だと言う。
そんな軍団と合流出来たなら、戦う負担は大幅に軽減されるだろう。
「聞く話によると、師団長はかなりのヤリ手らしい。
確かに30代手前で師団長を務める位だから相当だろうな。
だからさ、協力しあえれば、そう遠く無い内に平和な世界が来るんじゃないかな?」
人々の喧騒も平和の内か、人混みを見詰めながらメイヤは続け、立ち上がる。
「さて、次はどこを廻ろうか?
少し早いけど、闘技場に向かっても良さそうかな?向こうにも露店は出てるだろうしさ。」
261
:
クロッソ
◆.q9WieYUok
:2014/11/24(月) 22:40:38
【バルクウェイ軍用港】
艶やかな動きで背後に回り、首筋に両腕を絡めて来るDD。
彼は言った、条件は呑むが、此方の条件も呑めと。
「残念ながら、私の一存では首を縦に振る事は出来ませんねぇ。」
しかし、提示されたその条件を呑む事は出来ない。
「こう見えても今は雇われの身、雇い主を勝手に変える訳にはいきませんので。」
だが、クロッソは悪戯めいた笑みを浮かべて続けた。
「しかしながら、たまには冒険してみるのも良いでしょう。
アナタが提示したその条件、呑みましょう。」
シャムが闘技大会で優勝すれば、クロッソは知りうる限りの情報を開示し尚且つ、フィア達に着いて行く。
シャムが優勝すれば、彼等は現段階で望む全てを手に入れれる訳だ。
……しかしそれは優勝すれば、の話。
彼等はまだ知らないだろうし、公式にアナウンスはされていないが、闘技大会には空挺師団長自らも出場するのだ。
(空挺師団長、レオール・ランブリッシュ。
東方最強の暗殺者であるイオリが唯一、暗殺し損ねた男。)
四霊と並ぶイオリをも超える程の実力を持つ彼が出場するのだ、少なくともシャム一人ではレオールに打ち勝つ可能性は低いと見ても良いだろう。
つまり、レオールが出る以上闘技大会は出来レースな訳だ。
(自分達に分が有る事を前提に話をするアナタが、躓いた時に見せるであろう苦い表情を楽しみにしておきますよ……)
そして。
闘技大会が無事に終わる可能性も決して高くは無いのだ。
寧ろ、あの者達によって空挺師団は今夜、壊滅するだろう。
「さぁ、互いに条件は呑みましたし今日の所はお開きにしませんか?
あまり長居すると、血の気の多い野郎が絡み出しますからね?」
浮かべる笑みを深め、クロッソは話は終わりだとばかりに声を掛けた。
262
:
リト、ナディア
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/11/24(月) 23:20:47
【過去】
何だかアブセルは腹を立てているようで。
そこまでは分かったものの、何に対して怒っているのか、アブセルの言葉の意味を理解出来ないリトは黙ったまま彼を見つめていた。
そんなリトの態度にアブセルの方が諦めたようで、買ってきたクレープを食べるよう促す。
「…」
リトは言われるままアブセルの横に腰を下ろし、小さな口でクレープを囓る。
ケーキなどデザートは沢山与えられるけれど、今まで食べたお菓子とは何か違う。
何と言うか…
食べにくい。
食べる際に強く握ったせいでクリームやら中身が外に漏れ出してしまい、手元がぐちゃぐちゃになってしまった。
【飛行艇】
「おー」
サンディの言葉を受け、ナディアは笑顔で手を振り返す。
と、そこへ入れ替わってジュノスが現れた。
しかし彼から出されたのは嬉しい報告ではなく。
「あー…」
アブセルめ、余計な事をしやがって。
屋敷に戻る決意はしたものの、このタイミングで屋敷のものに会いたくはない。
しかし、来てしまったものは仕方ないし…。
「仕方ない、案内して」
言いかけたところでナディアはふと思いつく。
彼女はなるべく面倒ごとを増やしたくない質だ。
ナディアの父親、ヨハンが死んだと言う知らせは屋敷の者達にとって打撃が強いだろう。その上リトまであんな状態になっていると知らせたら…
「あのさ、えーっと、ジュノス、だっけ?」
リトの事を恐れるくせに、リトの力に縋っている都合の良い奴ら。闇が蔓延し出した今、闇を従わせる者がいないと知れば、混乱を招きかねない。
「あのさ、似てるってのを利用して、セナをリトとして連れて帰りたいんだけど…駄目?」
263
:
キール
◆.q9WieYUok
:2014/11/25(火) 01:13:36
【虚空城】
現世と交わる事の無い、位相空間に浮かぶその城は、虚空の中にあれど圧倒的な存在感を示している。
世界を監理し、監視し、世界の中枢である存在、黄龍。
その居城は今、不気味に蠢いていた。
ーーーーー
「で、傷は全治したのかしら?」
イオリとシデンの戦いは、両者痛み分けの結果に終わった。
血塗れのシデンを虚空城へ連れ帰り、黄龍への報告を済ませてから一週間。
発令された新たなる指令を伝える為、一週間振りに顔を合わせる事となったのだが……
「その表情を見るに、かなり不満がある様だけど?」
虚空城の大広間に現れたシデンへ、キールは普段よりもやや、呆れた声色で声を掛ける。
「貴方の言いたい事は伺い知れるけれど、あの時の撤退はしょうがなかったのよ。
それとも何?あの男との決着を着けるまで動かない、何て言う訳じゃないでしょう?」
プライドの高い彼の事だ、四霊では無かったただの人間が、自分とほぼ互角の戦いを戦いを繰り広げ、更には決着が着かなかった事に苛立っているのだろう。
しかし、それに構っている暇は無い。
声を掛けながらもその返事を待たず、キールは指令内容の説明を始める。
「新たな指令は、バルクウェイへ駐留する空挺師団の壊滅及び、空挺師団旗艦の動力炉の奪取よ。
打倒黄龍様を掲げる空挺師団の戦力は、決して無視出来ない。
師団長はあの男、イオリをも超える実力者であり、その側近達は四神並。
今はまだ、虚空城へ攻め入る手段を持たないとしても明らかな驚異よ。
今回の作戦は敵陣の真っ只中に飛び込む事になるけれど、今までと違い多少の援護があるわ。」
崩壊する世界政府から逃げ出した科学者達と、彼等が有する技術と実験体。
新たなる人類の礎に、と調整されたそれらを基に、虚空城のデータを用いて生み出された兵士。
「急造な為に簡単な命令しか聞かないけれど、頑健かつ驚異的な再生治癒力が備わった人造人間が多数。
それと、内通者が一人。
後はイレギュラーだけど、四凶の面々。
彼等を囮にすれば、師団長やその側近と正面からぶつからずに済む筈よ。
不意打ちで良いわ、師団長を討ち、旗艦の動力炉を奪取する事。
それが、今回の作戦内容よ。」
264
:
サンディ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/27(木) 02:52:02
【バルクウェイ】
「そっか…、うん、そうだよね。そうだと良いな…」
メイヤの言葉を聞き、サンディは頷く。
世界の平穏の為に動いているのは決して自分たちだけではない。
一人だけでは微々たるこの力も、多くの者と合わせればきっと更に強大なものになる。
そう思うと胸に抱えるこの重責も大分と軽くなった。
サンディはぴょんとベンチから飛び降りると、メイヤの後をついて歩いた。
「あ、そう言えば闘技大会でるんだっけ?今の内に下見しとくのも悪くないかもね。
そんでガッツリ賞金ゲットだぜ!…て、あれ?賞金って出るんだっけ?」
――――…
「あら、話の解るイイ男。お姉さん胸キュンしちゃいそうだわぁ」
条件を呑んだクロッソに向け、DDはお返しとばかりにその頬に軽く唇を当てる。
そうしてそっと彼から身を離すと、今度は後ろを振り返りシャムに向けて言った。
「と言うわけで、頑張ってねシャム!アタシ期待してる!」
気のせいか、その目は炎が燃えたぎっているようにも見える。
「ちっ…、めんどクセぇ…」
対しシャムは付き合い切れないとばかりに、ダルそうに頭を掻く。
そうは言っても、ルドラを引き取った件といい案外彼は人が良いようで、なんだかんだ今回も割を食ってあげるのだろう。
話はすんだ。シャムは、もういい帰ろうとフィアに目を向けた。
265
:
ジュノス他
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/27(木) 03:26:50
【バルクウェイ】
「え゛ッ!?」
思いもよらぬナディアの返事にジュノスは上擦った声をあげる。
それはつまりセナをリトの替え玉にすると言うことか。
確かに彼等の容姿は瓜二つ。こっそり入れ替わるのも可能だろうが…。
「セ…セナ様がご承諾なさるのなら…」
しかし内面は全く異なる二人。
分かる人には分かってしまいそうな気もするが、最終的にジュノスはナディアの願いを聞き入れた。
「しかしこう言ってはなんですが、セナ様にリッちゃんの振りが出来るのかどうか…。
それにその間リッちゃんはどうなさるのですか?」
続けて、ジュノスは迎えの者達の元にナディアを案内すべく歩きながら彼女に問うた。
【過去】
…なんてドンくさい奴…。
クリームまみれで悲惨な状態のリトの手元を目に、アブセルは呆れて言葉を失っていた。
もしかしてクレープも食べたことがないのか…?いや、だとしてもこれは酷い。
「あ〜も〜…何やってんだよ、グチャグチャじゃん」
アブセルはポケットからハンカチを取り出すと、それでリトの手を拭いてやる。
良かった、祖父にハンカチを持たされてて。
「ほんと、世話の焼ける奴…」
って、あれ…?なんかさっきからリトに振り回されてる気がするんだが、気のせいだろうか。
そんなことを思いながらも、アブセルは自分の持っているクレープをリトに差し伸べる。
「これは軟らかいから優しく持ってやんなきゃ駄目なの。
ほら、口開けろよ。食べさせてやるから」
しかし、だ。
クレープを人に食べさせるのって案外難しい。
口元に運ぶ筈が、勢い余って彼の顔面に押し付けてしまった。
「…あ」
態とじゃない。決して態とじゃないんだ。だけど…、
「ぷっ…くくッ…、へっ…変な顔…!」
べったりとクリームのついたリトの顔を見て、アブセルは思わず吹き出してしまう。
彼の顔を指差しケラケラと笑うのだった。
266
:
アリア
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/30(日) 02:43:49
【バルクウェイ】
宇治金時の話しを持ち出すヴェントに対し、ゼツは小さく舌を打つ。
「なんだ、覚えてたんだ。忘れてくれて構わなかったのに」
かと思えば、今度は彼に向けてズイッと人差し指を突きつけ、続けるように言った。
「あと、女扱いして欲しくないのが僕。この格好はアリアが勧めるから仕方なくやってるだけで…ゴニョゴニョ。
とにかく、君なんか来なくたって別に困らないんだから」
どうも彼女の着ているこのワンピース、もう戦う必要もないからとアリアが見繕ったものらしい。
以前よりもイキイキと憎まれ口を叩くゼツも、側で穏やかに笑うアリアも、見様によってはまるで憑き物が落ちたかのようである。
正直アリアにいたっては、最初の内は目も当てられぬほどだったと言う。
無理もない。心から信頼…いや、愛していた者には利用された挙句、裏切られ。今まで正義だと信じて行ってきたことが飛んだ過ちだったのだ。
彼女の失意は計り知れない。
しかし、そんな彼女も見舞いに来てくれた部下達からの励ましの声あってか、今は大分落ち着きを取り戻した様だ。
それに被害者面が許される立場でもないのだ。
アリアはゼツに宥める様に声をかけた後、ヴァイトに向けて言った。
「ありがとう、荷物を持って貰えると助かります」
そう、今まで奪ってきた命や殉職した部下達の為にも、必死に生きて罪を償わなければならない。それが人一倍責任感の強い彼女が出した答え。
「じゃあ…、そろそろ行きましょうか」
そう言ってアリアは二人に微笑みかけた。
267
:
シデン
◆Hbcmdmj4dM
:2014/11/30(日) 02:44:48
【虚空城】
淀みなく言葉を綴るキールの視線の先。
そこには革張りのソファに足を組んで座るシデンの姿があった。
「…全快していない、…と言えば(任務を)降りても良いのか?」
キールの方へは目もくれず、シデンはネイルファイルで爪を磨きながら憮然とした態度で言う。
負傷した傷は既に完治した様だが、どうも気分が乗らないらしい。
どこか気怠そうにしながら更に続ける。
「手の空いている者なら俺の他にもう一人いるだろう。
…応龍の奴が」
268
:
メイヤ
◆.q9WieYUok
:2014/12/05(金) 21:35:52
【バルクウェイ】
「確か賞金も出るみたいだぞ、金額は見てないけれど……」
公園は闘技場へ歩を進めながらメイヤはサンディの問いに答える。
途中、何人かの知った顔……処刑人の剣の面々とすれ違うも、目を合わせるだけで特に声を掛ける事もなかった。
以前対峙した時とは全く違った雰囲気、柔らかな表情や様子を見るに、彼等も新たな人生を歩んで行くのだろう。
車椅子に乗る女性と、それを押す少女。
二人に付き添い荷物を持つ青年の姿を見送り、メイヤもまた、彼等とは別の方向へと歩いて行く。
ーーーーー
闘技大会自体は夕刻からなのだが、闘技場周辺は既に観客達の威勢の良い声……怒号に包まれていた。
彼等の声を聴くからに、どうやら運営公認のトトカルチョがある様だ。
誰が優勝するのか、誰が大穴か、などを話す男達の間をすり抜け、メイヤは大きく貼られたトーナメント表に目をやった。
(そう言えば、初戦はアグルとだったか。
あの時俺を置いて逃げたお礼をしないとな。)
丁度その時だった、隣に並び立つ男……空挺師団長の側近がメイヤとサンディに気付いたのは。
「……お前は確か……シンライジの弟か。
隣のちっこい赤毛はアレか、四神の天照だな。」
メイヤの黒髪とはまた違った色合いの黒髪と赤い瞳のその男、マルトは丁度良かったと前置きをし、挨拶もそこそこに話し始める。
「飛行艇でお前達の仲間に話しそびれたんだが、ここ数日異能を持った人間が何者かに襲撃されているのは知ってるか?
目撃情報はあまり無いんだが、どうやら襲撃者はかなりの実力者らしい。
二人一組で片方は変な訛り癖があるようで、もう片方は白髪のガキとも聞く。
空挺師団の方でも捜査してるんだが、お前達も気をつけろよ?
件の二人組は異能者を実際に喰う、らしいからな。
……まぁ、異能抜きにしても、若いカップルは変なヤツらに絡まれない様気をつけろよ。」
【鈍亀レス申し訳無い、新婚旅行行ってて板を全く見てなかった……】
269
:
フィア
◆.q9WieYUok
:2014/12/06(土) 18:40:26
【バルクウェイ】
敵地の真ん中とも言えるこの場所では強引に聞き出す訳にもいかず、しかし提示された条件を鵜呑みにするのも気が引ける。
だが、双方共に話が纏まりつつある今、フィアは無言で頷くしかなかった。
ーーーーー
暑苦しいまでの人混みと、喧騒に包まれる闘技場。
既に観客席は開放されており、多くの観客がひしめき合っている。
その最上階、ドーナツ型に建設された闘技場の最端部にフィア達は居た。
「で、問題はどうやって出場するかね。
今の所欠員は出てなさそうよ、出場者を適当に一人捕まえて入れ替わるのが無難かしら?」
配布してあるトーナメント表に目を通しながら、フィアはDDとシャムに声を掛ける。
「まさか乱入する訳にも行かないでしょう?」
270
:
ナディア
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/07(日) 20:08:55
【飛行艇】
セナにリトのフリが出来るか。
間違いなく、無理だろう。
「まぁ顔があんだけ似てるんだし、双子じゃないのに同じ顔がこの世に二つあるわけないんだし、周りはリトが大人しくなった〜くらいにしか思わないんじゃない?」
多分、これが逆、感情が表に出やすいリトにセナのフリをしろと言えば難があるだろうと思う。セナがリトをやる分には問題ないだろう。
「リトは人目を避けて部屋に眠らせておく。ただ、セナも其処で過ごしてもらうことになるからちょっと不自由させるけど…」
それからナディアはふとジュノスを見る
「あんた、人を見る目とかある?」
--------
【過去】
顔に付いたクリームを拭いながら、リトはアブセルを見る。
アブセルはこちらをみて笑っていた。
「……」
その顔が何とも気に入らない。
リトは自分の握るクレープをアブセルの顔になすりつけた。
271
:
リマ
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/07(日) 22:03:00
ヤツキ>>
新婚旅行おかえりー!
イスラ>>
三十路のボクっ子って実在してるんですか(笑)
変な人でドジっ子って何キャラww
向上心はあってなんぼです!←
友達は大事な試験前だったもので…っと思ってたら抜け駆けして前編見終わってたので悔しいから後編だけ一緒に見てきました←
ぬいぐるみに埋れたいwwたしかに気持ち良さそうですね(笑)
そうそう正義!
はい、まさしくその幼女です。
あー許嫁ねー…エリザベスはもう未亡人でいいよ←
凄いですよねw巷では二重人格とか言われてます(笑)腹立つとか酷い!!w
因みに白龍さん、いますごく大変な事に…
→imepic.jp/20141207/793001
この二人親子ェ……
でも最近ナディアのキャラ見失ってきてます←
非売品ですww手に入れようものならもれなくジルが付いてきます←←
あぁ、ジルはホワイトデーか、成る程!←
272
:
イスラ
◆jH0158NXZ6
:2014/12/09(火) 20:23:01
【ヤツキ》おかえりなさい^^新婚旅行はどこに行ったんですか?
あと今更なんですがゼロってどういった存在なんでしょう?
自分的には…世界(惑星?)の意志=ゼロの人格を形成しているもの
つまりは世界自身が己の終焉と再生を望んでる…みたいな感じに勝手に認識してたんですけど(笑)
実際ところどうなんでしょう?
リマ》頃合いの良いところでポセイドン邸への場面転換お願いしてもいいですか?もしくはこっちがします
それが実在するんです(笑)
後編だけw友達のがガチでしたね(笑)
あの幼女かわいいと思ってました^^
どう言うことwエリザベス嫌いなんですかw
おい、ママン何してんすかww
あ、そうなんですか?
自分はサンディのキャラ最初からずっと見失ってますよ←
っち…非売品か…←てか、もれなくジルが付いてきても全然構いませんよ←】
273
:
サンディ
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/09(火) 20:49:05
【闘技場】
会場は予想以上の賑わい様だ。
血気盛んな男達の姿や場の様子を目に、サンディは物珍しそうに視線を巡らす。
張り出されたトーナメント表を見るに、どうやら一回戦は仲間内での対決になるらしい。
(うーん…こう言う場合どっちを応援すれば良いんだろう…)
そう思案していたところ、横にいた空挺師団員マルトが二人に注意を呼び掛ける。
…怖い人達もいたものだ。
でもまさかこの近くにはいないだろう、とサンディは呑気に話を聞き流すも…。
彼の最後の一言だけは何故だかしっかりと耳に入ってきた。
「……へ…?」
カ…カップルって…。
「全っ然!そんなんじゃないからッ!」
真っ赤になりながらも、サンディは慌てた様にぶんぶんと頭を振った。
274
:
ジュノス
◆Hbcmdmj4dM
:2014/12/09(火) 21:08:39
【飛行挺】
まあリトの姉である彼女がそう言うのだ。心配することはないのかもしれない。
それに、その辺はナディアや自分でフォローをすれば大丈夫だろう。
…と、一応は納得しかけたジュノスの横で、今度は不意をついた問いが投げ掛けられる。
「さあ…どうでしょう?
ないことはない…かもしれません」
セナやリマのことを慕っている辺り、ある程度の眼識はあると自負している。
しかしその問いの意味するところが解らない、とジュノスは小首を傾げた。
【過去】
「ぶフッ…」
まさかやり返されるとは思ってもいなかった。
アブセルは初め驚いた風に目をぱちくりとさせていたが、直ぐに我に返りキッと眉をつり上げた。
「やったなっ!!」
お返しとばかりにクレープを振り上げ、リトに掴みかかる。
…が、またもや力加減を誤ったのか、それともリトがひ弱過ぎたのか。アブセルがリトを押し倒す形で、二人はベンチの上から転げ落ちてしまった。
「…ッて〜…」
…少しふざけすぎたか。
食べ物で遊ぶと祖父に叱られてしまうんだった。
せっかく買ったクレープも地面に落ちて食べられなくなってしまったし、服も顔もベタベタだ。
「ごめん、怪我しなかった?」
流石に悪いと思ったのか、アブセルは身体を起こしリトを気遣い見る。
先程の衝撃で僅かに捲れ上がったシャツの隙間から、リトの白い肌が覗いていた。
「あ…ここ、アザになってる」
そこでアブセルは彼の脇腹辺りに青黒い斑紋があるのに気がついた。
落っこちた際にぶつけてしまったのか?
いや…それにしては…。
「あれ?ここにも…こっちもだ」
アブセルは更にシャツを捲り上げる。
リトの身体の痣は一つどころか数ヶ所に及んでいた。肌の色が白い分、それは際立って痛々しく見える。
また、痣の色的にもついさっきついた様な感じではなかった。
275
:
キール
◆.q9WieYUok
:2014/12/13(土) 18:10:31
【虚空城】
「嫌いなのよ、あの子。
捨て犬だか捨て猫だか拾って来た挙げ句、その獣に牙を剥かれてたし。
……何より、応龍は黄龍様に忠誠を誓ってないのよ。」
普段ならば率先して任務に着くであろうシデンの、予想外の言動にキールは小さく溜め息を吐いた。
「乗り気じゃないならいいわ、今回は私がやる。
お子様の面倒見も、偏屈頭のフォローもしなくて良いのは気が楽だからね。」
裏切り者の鳳凰と、気分屋の応龍。
あの二人よりは、麒麟であるこの男の方が相方としては好ましい。
しかし、今回は動く気が無いようだ。
気怠げに爪を磨くシデンへと二度目の溜め息を吐き、キールは彼に背を向ける。
「もし私が帰らなければ、後は頼むわよ。」
そして、普段よりもトーンを落とした声で声を投げ掛け、次なる戦地へ……バルクウェイへと向かった。
【ただいまですわー、北海道で美味い物食べ過ぎて太ったwwww
イスラ》その認識で合ってるよー、世界中枢であるゼロを撃破=世界崩壊、的な。】
276
:
ジル他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/14(日) 20:37:51
【ポセイドン邸】
薄暗い月明かりの中、ジルはその気配なくある一室に姿を見せる。
主不在の屋敷は警備が脆い。一般的な侵入者は防げても、彼のような能力者であれば警備を抜けるのは容易い。
「……」
部屋の主は眠っていた。
明朝受け入れがたい現実が訪れることなど露も知らず、安らかな寝息を立てて。
「ごめんね…」
その寝顔を見つめ、ジルは呟いた。
歳を重ねても色褪せない…今となっては朧げな記憶ではあるものの、想い出の彼女とほとんど相違ない。
ずっと会いたかった人。
「どうしても赦せなかったんだ」
大好きなミレリア。だけど、貴女の夫は憎かった。
自分から、何もかも奪って行ったあの男が。
あの男を…ヨハンを殺したのは黄龍の指示があったからだけじゃない。指示がなくてもいつか殺していただろう。その時期がただ早まっただけだ。
「もう会えない。僕はあなたの仇だから…」
ジルは呟き、ミレリアの髪を撫でる。
「誰?」
その声にジルはハッとして手を離した。
眠っていたはずのミレリアと目が合う。
起こしてしまった。
「おば…さま」
「…トーマ?」
どう取り繕えばいいのか。ジルは珍しく動揺を見せるが、その必要は無かったようだ。
ミレリアが別の名前を呼んだから。
自分の面影に父の姿を重ね、彼女は嬉しそうに微笑みかける。
「トーマ、やっと会いに来てくれた…ずっと待っていたのに。」
言ってミレリアはジルの頬に手を触れる。
「貴方は昔と変わらないのね。私はこんなにオバサンになってしまった。今では貴方より歳もずっと上よ、不思議ね。」
昔を懐かしむように目を細める。自分を子供扱いして、拗ねる自分を笑いながら優しく撫でる姿を今でも覚えてる。
「トーマ、貴方に謝らなきゃ…謝ることが沢山あるの。貴方を愛していたのに、私の手を離した貴方が赦せなかった。私を諦めておきながら、私を奪ったヨハン様と変わらず接している貴方が憎かった。でも貴方の子供は可愛くて…貴方に似たあの子を初めて見た時、貴方との縁が切れずにいたらなんて、考える自分がいたわ。そんな自分が赦せなくて、貴方の奥さんに申し訳なくて、余計に…貴方を恨んでしまった。」
でも…
「貴方をこんなに愛しているのに、貴方を諦められずにいながら、ヨハン様のことも愛していた。あの方は私を必要としてくれたもの。私の心が貴方のところにあると知っていても変わらず私を求めるあの人が不憫で…いつの間にかあの人のことも、愛していた。」
277
:
ジル他
◆Q4V5yCHNJ.
:2014/12/14(日) 20:38:25
そして、それが始まりだった。
「私が悪いの。ヨハン様だけを愛する事が出来たなら、…いいえ、もっと早く、ヨハン様だけを愛する事が出来ていたなら…」
ヨハンは知っていた、結婚しても尚、ミレリアの心にトーマの姿が残っていることを。
ジルを可愛がるミレリアの心の内を、彼は気付いていた。
そしてミレリアも、そんな自分を見るヨハンの心情に気付いていた。申し訳なくて、でもどうしようもなくて…
「知ってる?私ね、ヨノの下にもう一人身籠ったの。また子供を生ませてくれるって聞いて、とても嬉しかったのよ。ヨハン様が私を赦してくれた。だからもあの子が生まれたら今度こそ貴方を忘れて、ヨハン様だけの為に生きようって決めたの。」
しかし、上手くいかなかった。
「私の希望の子は…無事に生まれて来てはくれなかった。神様が私を赦してくれなかったのかな。ヨハン様の気持ちに応えようとしたのに…あの子がいなければ私の気持ちを信じては貰えない…。結局、あの人は耐えられなかった…」
涙を浮かべるミレリアに、ジルはどうしようもない気持ちになる。
彼女が求めていたと言う子は、ちゃんと生まれてる。
彼女の言葉を借りるなら、ヨハンは初めから彼女を赦す気などなかったんだ。
「知っていたの?」
ジルは渦巻く感情を飲み込み、ただ一言、問いかける。
ミレリアは頷いて見せた。
「貴方を死なせたのは私。ヨハン様を傷つけたから…私が報いるべき業を、貴方が被ってしまったの。ごめんなさい…貴方の幸せを奪ってしまった。貴方の子供達も見つからないの…」
幼い子供達から両親を奪ってしまった。
せめて子供達に償いをしなければ…そう考え動いた時には、すでに彼の二人の子供の消息は掴めなくなっていた。
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