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銀魂小説

1あおりんご:2017/10/21(土) 21:37:47 ID:GnH0yXqg0
ここでは銀さんとその仲間たちの笑いあり涙ありの熱い友情物語を書きます

2あおりんご:2017/10/21(土) 22:19:32 ID:GnH0yXqg0
『一本の煙草』(この話は主に土方中心です)

[真選組屯所]
「近藤さん」
「お、総悟どうした?」
「土方のヤロー、最近調子おかしいと思いやせんか?」
「まぁ……だけど、トシにもなんらかの事情があるんだろう。そっとしといてやれ!」
「……そうですねィ。ま、あいつが弱ったれてんのはこっちからしたら好都合なんで。(遠くを見るような眼差し)」

___そういって沖田は近藤の部屋から出た。

沖田side

そう、最近ヤローの調子がおかしい。
長年一緒にいた俺と近藤さんならわかる。
なんていうか、いつも瞳孔開きっぱなしで毎日鬼のような目もここ数日澄んでるし
俺の悪戯に対してもいつものような異常なツッコミさえしなくなった
それと、いつも飯にかけるマヨネーズも少ない。
ま、それが常識なんですがねィ。

用は、前のような輝きを失った感じでさァ。

四六時中土方暗殺方法しか考えてない俺もさすがに少しは心配だ。
何だかんだ言って近藤さんと3人でここまでやってきたんだから。
少しは話してくれたっていいんじゃないんですかィ?土方さん____。


銀時side

「じゃ、ちょっくら出るわ」
「銀さんどこ行くんですか?」

「あー………食費代稼ぎに。」
「絶対パチンコだろ!!!」
「銀ちゃぁん、玉遊びしてくるついでに酢昆布買ってきてヨ」
「はいはい、じゃ ガキ共は家で大人しく豆パンでも食って待ってろよ〜」
「だれがあんなもん食うか!!!」(新八)

今日は晴れ。てことだし、こっちの方も今日は晴れっかなぁ(パチンコの事)

そんなことを考えながら
丁度ババアの店を過ぎた時

「あ」


土方くんと出くわした。

「え、なに。歌舞伎町見回りですか?この町危ないよ?いくら幕府の使い手でも手に負えねぇって〜さっさと帰んな、なんせこの町マヨネーズ禁止法でくくられてっから」
「なんだよマヨネーズ禁止法って!それまんま俺じゃねーか!」
「マヨネーズはここじゃ毒物なの!マヨネーズで出来てるオメーもこっちにとっちゃ毒物みてぇなもんだから、さっさと出ていけコノヤロー!」
「だーれーが体内マヨネーズだ!しょっぴくぞ!!…………はぁ…生憎今日はお前とガーガー言う気分じゃねーんだ。」
「あっそ、生憎俺も忙しくてね。じゃ、気をつけてけーれよお巡りさん〜」

そう言って土方くんにひらっと手を振り再び歩き出した

「待てよ万事屋」

「んぁ?なんなの?まだなんか文句あんのか?」
「…………あー…なんだ…っと…、………ん。」(大金を手渡す)

「…………は?」(驚く)

「らしくねぇが、てめぇに頼みがある。」
「や、ややや…やっべぇだ、ろ!うっひょー!すっげぇ!」(興奮してる)
「おい聞けやクソ天パ」

「いっやぁ〜依頼とはなんでしょうかトシくん!」
「気安くトシ呼ばわりすんじゃねぇ!!…………その……なにかあった時によ…真選組…守って欲しいんだ…。」

「……………」


「ほんとになにかあった時でいいんだ。………俺しばらく出張でよぉ…っ……なにかあった時とかすぐに駆けつけてやれねぇから…。だから…俺がいねぇ間、真選組を頼む。」


「……………出張って何日間だ?」

「…半年くれぇだ。だが長引く可能性の方がデカい。だからその間頼んだ。」

「……………あーそうかぃ。わーったよ」

「あぁ……………。万事屋」

「ん?」

「…………色々と世話になったな。」

土方くんの微笑みに違和感しか持てなかった
清々しいようでどこか悲しいような

認めたくねーけど俺とあいつは似た者同士だ。
だからあいつの気持ちがわかる。

………そう、なにか隠してんのも知ってる。



さっきまで晴れてた空が、一気に曇天に包まれた。

3あおりんご:2017/10/21(土) 22:51:09 ID:GnH0yXqg0
?side



幕府の犬を潰せ

世の中に真選組などいらぬ

新時代の幕開けだ

『人質として[真選組副長土方十四郎]を捕らえろ。真選組もっての知能使い。奴がいなければ真選組は滅ぶだろう。』



_________
近藤side

突然のことだった。

とてつもなく目覚めの悪い朝だった。

机の上には『休暇届』と書かれた一枚の封筒
宛先は俺。宛主はトシだ。

中身を見ればぎっしりと書かれた文字。

『勝手ながら、しばらく休暇させていただきたいと思います。真選組副長としてすることは沢山隊士の引き締め役も指揮も近藤さんの隣で江戸の街を守ることも全て私の役目でございます。ですが、今私にはどうしてもしなければならないことがあります。きっと必ず帰ってきます。こんな勝手な理由で許されるとは思ってもおりません。真選組副長としての役目を別の場所で果たしにいかなければならない理由が出来たのです。本当に迷惑ばかり。すみません。なにかあれば万事屋に頼んどいてほしいです。 土方十四郎』




急な休暇届


ここ以外で副長としての役目を果たす場所

何回もの謝罪


俺は決して怒っているわけではねぇ

なにか引っかかるんだ

この文章といい最近の様子といい

…………きっとトシはなにかに追われている。
なにかから俺達を守ろうとしている。



なあトシ。俺らはずっと一緒だった。
だからこそなんでもわかるんだ。
家族みてぇなもんだろ?俺らの仲は。


なあトシ。

お前は今どこにいる?

4あおりんご:2017/10/22(日) 09:22:45 ID:GnH0yXqg0
土方side

いつものように江戸の見廻りをしてた時だった。

人気のない所でうさんくせぇ野郎らに囲まれた

「こんな所で真選組鬼の副長にお見えするとは」
「なんだてめぇら、桂一派か」

刀を抜こうとしたが、どうやら奴らは俺を殺りにきたわけではなさそうだ。
だが、なにか良からぬことを企んでるに違いねぇ。

______嫌な予感がする。

的中した。

「真選組屯所に俺らのスパイを一ヶ月ほど前から大量に送りこんでいる。真選組を滅ばせたくなかったら大人しく俺の言う事を聞け。」
「…………っ……望みはなんだ、。」
「人質として1週間後今と同じ時間にここに来い。真選組一の知能を持っている貴様なら恐らくなにか手を打ち考えるだろう。だがそれも不可能だ。貴様が人質になること以外に真選組を守る方法を考えていれば即スパイ共が近藤を殺すだろう。」
「………なっ…」
「貴様の考えは全て詠めている。大人しく指示に従え。それが真選組を守る方法だ。」

_____俺の根本的なミスだ。
_____全て俺が悪い。
_____副長でありながら敵陣を屯所に送り込まれていたことに気づかなかったことに。

真選組を守る方法
例えその方法が己自身を消すことになろうとも
俺は真選組を守らなけりゃならねぇ
俺は近藤さんを守らなけりゃならねぇ

それが真選組副長の役目だ


すまねぇ近藤さん
局中法度を犯しちまうようなことして
けど俺はそれでも
真選組を守りてぇんだ

もし俺がいなくなって
もし真選組が再び危なくなったその時は
野郎に頼んでくれ
野郎なら………万事屋なら守ってくれる
ま、あんな大金くれてやったんだし
働いてくれねーんだったら俺がしょっぴき行ってやらぁ




なあ近藤さん


アンタは

俺の最高の恩師だ


悪餓鬼だった俺を救ってくれた
共に成長させてくれた
仲間の大切さを教えてくれた
武士が武士らしくあるための心を教えてくれた

俺のたった1人の恩師だ


俺はそれを守る義務がある。


だから俺は行くよ。
絶対真選組を守ってみせる。






達者でやれよ




「………ニコ」


目から涙が零れ落ちた。
だけど俺は この涙を憎たらしい曇天のせいにした。

5あおりんご:2017/10/22(日) 16:51:36 ID:GnH0yXqg0
山崎side

副長が突然姿を消した。
おかげで屯所は緊張モードまっしぐらだ。
最近局長が姉さんを追っかけなくなったのも恐らく今回の件が原因。
沖田隊長も普通に振舞っているようだけど
瞳に光がない。
そう、俺らはいつも副長に厳しく指導されてきたんだ。
マガジン以外読んだら切腹
化けで出れば切腹
ほとんど副長の好き嫌いで決まった局中法度。

だけど俺らには不満に思うことなんてなかった。

なぜなら、今1番充実しているから。
もし副長が『土方十四郎』じゃなかったら真選組もここまで大きくなっていなかっただろうし
毎日毎日敵陣に狙われていたかもしれない

額も身分もない俺らを拾ってくれた局長と
そんな俺達を武士としての引き締めを行ってくれた副長

俺らにはその二人が決してかけてはいけないのだ


だからこそ
俺らは今対策を練っている
だからこそ
俺らは今 副長を必死に探している
だからこそ
俺は今 万事屋の旦那の所へ向かっている




そう、俺は全て知っているんだ


俺は真選組唯一の密偵。
だこら今回の件も実は知っている。

密偵の俺だからこそ、副長は俺だけに伝えてくれた

そして最後に
『近藤さんの傍から離れるな。なにかあればお前がすぐ守ってくれ』


そう、それは副長から俺への最初で最後の重要任務。

絶対果たして見せます。

そして、絶対副長を助けてみせます。





だからこれでさよならなんて言わんといて下さいよ。

6あおりんご:2017/10/22(日) 19:14:00 ID:cgynozf60
銀時side

あんなしけた面見た後にパチンコなんて行く気しねーし
俺はターンして家へ戻った


ガラガラ

「ん、あれ?銀さん早いですね」
「ちゃんと酢昆布買ってきたアルか?」
「んー、すまねぇ神楽。店全部閉まってた。」


いつもなら『言い訳すんじゃねーヨ!早く買って来るヨロシ!』なんていうあいつも今回はなにも言わない。
恐らく今の俺の機嫌に気付いているんだろう。

やっぱ、コイツらには気付かれちまうもんなのかね。


ピンポーン
「あ、客かな?はーい!」

新八が客の方へ向かう
こんな時に限って客とは
随分とついてねーな。どうしてくれんの結野アナ。

そんな重い溜息をついた瞬間だった


「えっ、山崎さん?!どうしたんですか?!」
「ぇ…」(銀時)

「万事屋の旦那いますか!」

「………なんだよジミー君、そんなに急いで大事?尻でも掘られたかコノヤロー」(銀時)

「もし仮にそうだとしてもアンタらに言いに行く必要ないですよね?!………違うんです…。…副長のことで…」
「えっ、土方さんになにかあったんですか?」(眼鏡)

「立ち話してもしゃーねーし、とりあえず上がれよ」

「はい、失礼します、」(山崎)

__________


「で、あのマヨラーの話ってなに?」

「実は…………副長、桂一派とはまた違う集団に拉致られたんです。…条件付きで人質として扱われたっていう感じで…。」

「それってどういう…っ」(新八)

「実は1ヶ月ほど前から俺らの屯所内に奴らのスパイが送り込まれていたらしくて、もし副長がこのことを隊内にバラしたり反撃したり対策練ったりすることがあれば即局長がスパイに斬られると言われたそうで…。だから副長は元から密偵担当の俺を屯所外で呼び出して全て伝えてくれた。だけど俺だけじゃ救えるものも救えない……だから旦那頼みます!副長を……副長を助けてやってください!!」

「……………銀さん……」

「……ったく…どいつもこいつも大仕事ばかり押し付けやがって。俺ァ チンピラ警察代理じゃねーんだよ」(立ち上がる)

「銀ちゃん!マヨの事助けてあげないアルか?!」
「旦那!!」
「銀さん!!」

「あいつは1人でもやってけるだろ。」
「っ…!」(山崎)

「……で、どこにいんの今。」

「……ぇ…………」
「てめーらの上司はどこでフラフラ歩き回ってんのが聞いてんの」

「旦那………っ……。…俺の調べによると、副長は恐らく…△▽港に建てられた怪しげな建物の中にいるはずです」

「△▽港、ね………」(玄関に向かう)

「銀さん!僕達も行きます!」
「銀ちゃん1人で行かせないアル!」

「なーに言ってんだよ。俺ァ何も鬼の副長さんを助けに行こうなんぞ思っちゃいねーよ。…このバカ高ぇ依頼金返しに行くんだっての。小切手一枚にして渡せってな」(家から出る)

「「「……銀さん(ちゃん)(旦那)」」」ニコ


「山崎さん!僕らにも出来ることがあれば手伝います!」


_________
_____


__

7あおりんご:2017/10/22(日) 21:49:08 ID:GnH0yXqg0
山崎side


それから新八君達は屯所内にいるスパイが誰なのかを陰で調べてくれていた。

やはり腐れ縁とは どの関係よりも情の深いものなのかもしれない。
切っても切れない。どんなに喧嘩しようが殴り合いしようが必ずや最後はまた隣でいがみ合いながら盃を交わしている。
そんな素晴らしい縁なんてそうあるもんじゃない。
そんな素晴らしい縁ということを教えてくれたのは
紛れもないお互いの上司だ。
あのお二方は最初から会うたび口喧嘩が達者で、いっつも比べ合いばかりしてるなんだかんだ言って仲がいい。
幽霊が怖い所も考え方が同じ所も歯医者が嫌いな所も強がる所も何も言わずに1人でどこかへ行くところも似ている。
だからこそ2人にしかわからないなにかがあるんだ。
だからこそ旦那は1人で向かったんだ。


俺ら真選組も早く副長の所へ向かわなきゃならない。
そのためにはまず、屯所内のスパイ共をたたっ斬ることが最優先。
そのためにはまず、沖田隊長に話した方が話が早い。



__________

____

沖田side

遂に土方の野郎が姿を消した

その後から隊士が次々と退職届を出しに近藤さんの所へと集り寄ってきた。
理由はみんな一緒「副長がいなきゃ真選組なんてやってられない」

まるで元からある台詞のように_。



それも、退職届を出しに来た奴らはみんな新入りだ。だからこそ、新入りがこの少しの時間で土方さんの重みをわかるような言い方するのがすげぇムカついた。
テメーらにアイツの何がわかるんだよ。

最初はそんなイラつきしかなかったが


徐々に気づいてきた


退職届を出した野郎らはもしかすると

土方を拉致った奴らの仲間(スパイ)だったんじゃねぇかって______。


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