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【また、会えたら】

1姫華 ◆FjOpeTE2Ts:2016/06/24(金) 20:42:23

01.入学式



緩やかに舞い降りた、桜の花弁。



少女は、その見事な桜の木を眺めていた。否、見とれていた。

この春、少女はアリス学園に入学する。
それは、産まれる前から決まっていた事だ。



時は、2666年。
アリス学園は、未だ、其所に存在していた。

東京都を埋め尽くす様に巨大化してしまった学園の敷地。

否、東京都はもう既に存在しない。
アリス都、と言う名に変わってしまっていた。


そんな歴史を思い出しながら、ふと、桜から目の前の女性に目を移す。


胸元までの髪を除けば、あの柚香の姿とそっくりな…日向 林檎。

明るい茶色の瞳をいつも以上に輝かせ、此方へ駆け寄ってくる。恐らく、抱きつこうとしているのだろう。

だが、これも慣れたモノだ。
するり、と滑る様に避ければ、林檎は思いっきり転び、瞳に涙を浮かべた。


「な…っ、何で避けるの…」

「いや、だって…このまま行けば絶対怪力のアリスが働くでしょう?」


そう、林檎は。
あの日向 棗と佐倉 蜜柑の一人娘にして、危険な“盗みのアリス”、“炎のアリス”、“無効化のアリス”を受け継がなかったのだ。


その事を、蜜柑さんはとても喜んだらしい。勿論、棗さんも。


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