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2145月30日命日 31日に拝に アイツらの対応で大変だったろ:2019/06/01(土) 23:15:43 ID:6SYREH5s
     イズラフェル   


 そして天使イズラフェル、
その心の糸は琵琶となり、
神の造りたまいし全てのもののうち最も美しい声をそなう。 
―KORAN


天上にめずらしい精霊すみたまい、

 「その心の糸、琵琶となる」
えもいわれぬ歌の巧みさ、何びとも
この天使イズラフェルには及ばない。
めくるめく星たちも(伝説の伝えるところ)
歌をやめ、みんな黙して、
 聴きほれる、その声の魔力に。


よろよろと、真夜中に、
 中天高くよろめきながら、
 恋心そそられた月は、
恋の想いに顔赤らめる。
 また紅の稲妻も、耳を傾けるため、
 (7人で急ぎ駆けてゆく
  すばる星まで一緒になって)
 天空に立ち止まる。

みながいう(星の合唱隊や
 耳傾けるもろもろの者たちが)
イズラフェルの火をなす調べは
かたわらに彼のすわってうたう
 あの竪琴のおかげだと―
あの常ならぬ糸からなる
命をもってふるえる弦のおかげだと。

しかしこの天使の歩む空は、
 深い想いがつとめである国――
愛が円熟した神としてあがめられる国――
 天女らのまなざしに
地上の者が星を仰いで拝跪する
 すべての美の宿っている国。
してみれば、君は正しい、
 イズラフェルよ、情熱のこもらぬ歌を
見下してさげしすむのも。
月桂樹は君のもの、
 この上なく賢くて、この上なくすぐれた詩人よ!
心楽しく、永久に生きよ!

天上の恍惚は
 君の燃える調べにふさわしい――
君の悲しみ、君の喜び、君の憎しみ、君の愛は
 灼熱の君の琵琶にふさわしい――
 星たちが黙してしまうのも当然だ!

そう、天国は君のもの、しかし地上は
 楽しみと苦しみの混じりあう世界。
 われらの花はただの――花、
君の完璧な幸せの落とす影が
 われらの幸せの日の光かがやくところ。

もしもこのわれ
イズラフェルの住んだきた所に住み、
 彼、わが住む所に住んだなら、
彼もあれほど巧みにうたえないかもしれぬ
 人の世のメロディ―を、
また、いやまさる調べがあふれ出るかも知れぬ
 天上のわが竪琴から。


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