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22：名無しのお客様＠アリコレ：2017/01/14(土) 05:44:57: クリストファー・ロビン、どうして百町森を出ていかなくちゃいけないの…？

大人になんてなりたくない。
ずっと子供のままでいたい。
それが小さい頃の夢？だった。

リンドグレーンは、ナガクツシタ嬢に10歳が人生最良の時だと言わせているし
ケストナーは大人になるには歯を食いしばっていなくちゃと言うし
ファージョンはちょっと優しく、もう一度子供の気持ちは取り戻せる時期が来るとは言うけど
ランサムにだって基本的には蚊帳の外に置かれてしまうのだ。
大人というものは。

ミルンは詩集に書いている。
6歳の僕が一番お利口。だから僕はずっと6歳のままでいたい。

ああ…それなのに

保育園の年長組でのある日
保育士先生が今日は大きくなったらなにになりたいかお絵かきしましょうと言い出した。
別に大きくなんてなりたくないんだけど
大人になんてなりたくないんだけど
でも、当時の私はそんなことを言って大人を困らせるような空気の読めない子ではなかった。
ちゃんと大人の都合も考えてあげる良い子だった。
だから、とりあえずなにか書かなくちゃと思って一番得意な絵を描いた。
白い大きな丸の上に、赤い小さな三角。
これはケーキ、甘くておいしいケーキ。
ケーキ屋さんになりたい。そうすればいつもケーキ食べられるから
しかたなくそういうと先生は満足したようだった。
良かったなんとか乗り切った。

乗り切れてなかった。
卒園式の日
あの時に書いた絵を渡された。
大きくなったらなにになりたいかおとうさんおかあさん達の前で言ってね。
って、それ困る。
あれはだってウソだったのだもの。
本当は大きくなりたくない。
大人になりたくないのに。

だけど、私は良い子だったから。
そんなことを言ったらきっと大人は困ってしまうから。

だからもういちどウソをつきました。
卒園を祝福してくれるたくさんの大人達の前で
しかたなく描いたケーキの絵を掲げて
思ってもないことを言いました。

大きくなったら…ケーキ屋さんになりたい。

ああ、クリストファー・ロビン
どうして百町森を出ていかなくちゃいけないの…？

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